JPH0867917A - 直接通電加熱方法 - Google Patents

直接通電加熱方法

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JPH0867917A
JPH0867917A JP20076794A JP20076794A JPH0867917A JP H0867917 A JPH0867917 A JP H0867917A JP 20076794 A JP20076794 A JP 20076794A JP 20076794 A JP20076794 A JP 20076794A JP H0867917 A JPH0867917 A JP H0867917A
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plate
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rolls
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Koichi Hamada
幸一 浜田
Kazusane Isaka
和実 井坂
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】板幅方向での加熱均一性を実現でき、さらに、
設備の小型化、耐久性向上と高い加熱効率および、加熱
コストの大幅な低減と製品特性の向上を達成できる通電
加熱方法。 【構成】板の走行方向に所定の距離を隔てて設置された
2本の給電ロール2a,2bと、各給電ロール2a,2
bと板を挟んで対向させた押えロール1で構成された給
電装置により板に通電して加熱する直接通電加熱方法に
おいて、板の走行方向に隣合う2本の給電ロール端部の
電源供給部を互いに対角をなすように接続して通電す
る、直接通電加熱方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行する板材を給電ロ
ールを用いた直接通電により加熱する直接通電加熱方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】走行する板材の加熱方法には従来から、
バーナーや炉による加熱、誘導加熱が広く実用化さ
れている。
【0003】しかし、の加熱方法では外部の熱源から
発生する熱を輻射と熱伝達により板に供給して加熱する
ものであるが、高速で走行する板を加熱するには熱源の
温度を上げるか、加熱ゾーン長を長くして加熱時間を確
保する事が必要であり、バーナーを用いた場合は熱源お
よび耐火物の耐久性と板表面が過熱されるため加熱温度
に限度がある。従って、連続焼鈍のような大規模な設備
を用いて板を長い経路走行させて加熱を行う必要があ
り、莫大な費用の投資が必要である。
【0004】また、の加熱方法では高周波を用いて渦
電流損を熱に変えて加熱するものであるが、高価な高周
波電源とコイルが必要であり、加熱効率も30〜80%
と低く、被加熱材が非磁性体、あるいは板形状(板幅、
板厚)が多様なラインでは高い効率を維持する事が極め
て困難である。従って、設備および加熱コストは非常に
高くなり、板の全幅を加熱する事はあまり行われておら
ず、エッジヒータ等の局部加熱に用いられることが多
い。
【0005】近年、板に直接通電を行いジュール熱によ
り板を加熱する通電加熱方法が注目されている。本加熱
装置の原理を従来方法である図3に基づいて説明する。
上下1対の給電ロール2と押さえロール1を金属板3の
走行方向に離間させて2組設置し、給電ロール2を介し
て金属板3に電流を流して発熱させるものであり、装置
構成としては電源6、給電ロール2とそれらを接続する
短絡部材5、摺動子4からなる導電部材である。
【0006】特開平1ー142032号公報には、板の
走行方向に所定の間隔で設けられた2本の給電ロールの
同じ一端側同士を接続して給電を行う直接通電加熱方法
が開示されている。しかし、このような給電方法では、
特に、被加熱材が広幅の場合に、電流が被加熱材の給電
側幅端のみを流れ易くなり、被加熱材の幅方向温度分布
に大きな温度差が生じ、通電加熱後の過程において、例
えば圧延における圧延幅方向不均一による板厚精度のば
らつきや熱処理温度の板幅方向での不均一による機械的
性質のばらつき等の問題がある。
【0007】また、図4に示す様な給電ロールの両端部
から給電を行う方式も検討されている。この給電方法で
は、通電ロール2の両端部に電流を流して板を発熱させ
る方法であるが、被加熱材の両板端部に電流が集中し板
端部でのスパークの発生が懸念される。
【0008】さらに、板の温度分布は両板端部が中心部
に比べ高くなり次のような問題点がある。実際の設備設
置の際、2次側トランス等は通電加熱装置の駆動側ある
いは作業側のどちらか一方に設置されることが多い。そ
の場合、短絡部材がトランス設置箇所とは反対側の給電
ロール端部まで必要となり、その間でのリアクタンスが
大きくなり、それに伴い加熱効率が悪くなり加熱コスト
が高くなる。また、必要な短絡部材、摺動子の数も多く
なり、メンテナンス等の点から見てもコストが高くな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、板
材の直接通電加熱装置を小型化、耐久性向上と高い加熱
効率および加熱の板幅方向均一性を実現することによ
り、加熱コストの大幅な低減と製品特性の向上を達成す
るための直接通電加熱方法を提供すること。および、
直接通電加熱装置の上流および下流側へ電流が流れる事
を抑止することにより、本装置外に設けられた諸設備と
の電気的絶縁を不要にして設備コストを低減し、既存ラ
インへの適用が極めて容易である直接通電加熱方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題に
ついて検討し、走行する金属板の板幅方向を均一に加熱
することが可能で、かつスパークの発生がなく、さら
に、3本の通電ロールを用いた場合に本装置外の諸設備
との電気的絶縁が不要な給電方法を完成させるに至っ
た。
【0011】本発明は、板の走行方向に所定の距離を隔
てて設置された2本の給電ロールと、各給電ロールと板
を挟んで対向させた押さえロールで構成された給電装置
により板に通電して加熱する直接通電加熱方法におい
て、板の走行方向に隣合う2本の給電ロール端部の電源
供給部を互いに対角をなすように接続して通電する直接
通電加熱方法である。
【0012】また、板の走行方向に所定の距離を隔てて
設置された3本の給電ロールを用いる場合は、板の走行
方向の最上流側と最下流側の2本の給電ロールを接地
し、かつ前記2本の給電ロールの同じ側の端部に短絡部
材を接続し、さらに、中央の給電ロール端部の電源接続
部と板の走行方向に中央の給電ロールと所定の距離を隔
てて隣合う上記最上流側または最下流側のいずれかの給
電ロール端部の電源供給部とを互いに対角をなすように
接続して通電する直接通電加熱方法である。
【0013】
【作用】図1は、板の走行方向に2本の給電ロールを用
いた、請求項1に係る発明を示した図である。被加熱材
3である板の走行方向に所定の距離を隔てて設置された
2本の給電ロール2a、2bには、電源6と給電ロール
2a、2bの電気的接続のために、例えば各々の軸端部
に摺動子4a、4bが電源供給部として設けられてい
る。そして、その電源供給部が互いに対角をなすよう
に、例えば、上流側の給電ロール2aには駆動側に摺動
子4aが設けられた場合は、下流側の給電ロール2bに
は作業側に摺動子4bが互いに対角をなすようにして設
けられ、その摺動子4a、4b同士を導電性の良好な短
絡部材5で接続している。これにより、被加熱材3中を
電流が偏流することなく流れるため、板幅方向に均一に
加熱される。
【0014】ここで用いられる給電ロールは、金属に代
表される導電性材料によって製作された中実もしくは中
空構造であって、加熱された被加熱材が給電ロールによ
って抜熱されるのを防止するため、もしくはロールにヒ
ートクラウンが生成しないようにロールを被加熱材温度
と同程度まで加熱するためのヒータ等による加熱機能を
備えていてもよい。また、給電ロールの軸端部が過熱さ
れ摺動子等を破壊しないため、もしくは給電ロール間で
急速加熱された後急冷等を行うために、水冷等によるロ
ール内外からの冷却機能を備えていてもよい。また、ロ
ール材質としては固有抵抗の低い導電性に優れた銅等の
材料あるいは高温での強度、耐酸化性、耐食性が必要な
場合には耐熱ステンレス鋼等を用いてもよい。
【0015】電源供給部として用いる摺動子は銅等の導
電性に優れた部材により短絡部材と電気的に接続されて
いる。また、どちらか一方の給電ロールは接地させられ
ていてもよい。ここで、短絡部材の電気抵抗が低いほど
部材内でのリアクタンスが小さくて済み、加熱効率も上
昇するため、断面積を大きくするか、または、液体窒
素、液体ヘリウム等で極低温に保持する事により、電気
抵抗を極めて小さくすることができる。また、短絡部材
として、近年開発が行われている超伝導材料を用いる事
も可能である。短絡部材の設置位置としては、交番電流
は板と短絡部材とで構成されたループを流れるため、そ
こから発生する磁界を互いに打ち消し合う方がよく、熱
負荷による損傷を受けない範囲において、短絡部材と板
あるいは短絡部材同士を極力接近させた方が望ましい。
【0016】また、本発明によれば図4に示したような
従来方法に比べ、必要な短絡部材や通電ロールへの電源
供給部(例えば、摺動子)等の数が少なくて済むため、
リアクタンス減、メンテナンス減、低コスト、高加熱効
率の実現が可能となる。
【0017】給電ロールと対をなす押さえロール1は、
耐熱の点で許容されれば、ゴム等の高偏平が達成できる
材質が望ましいが、熱間域まで加熱する際には耐熱性を
有する金属製ロールを用いる。また、押さえロールが金
属製である場合には、摺動子を介した電源供給でなく、
押さえロールに給電機構を設けて直接押さえロールに給
電してもよい。また、被加熱材の抜熱を防止するため加
熱ロールを用いてもよい。
【0018】図2は、板の走行方向に3本の給電ロール
を用いた、請求項2に係る発明を示した図である。板の
走行方向に所定の距離を隔てて設置された3本の給電ロ
ール2a、2b、2cを設け、かつ板の走行方向で最上
流側と最下流側の2本の給電ロール2a、2cの同じ側
の端部に接続して接地させる。2本の給電ロールを接地
することにより、本加熱装置のロールの電位は大地電位
と等しくなり、装置外の設備との間を板を通じて電流が
流れる事態は回避でき、本装置導入に伴う既存設備のい
かなる電気的絶縁も不要となる。
【0019】さらに、3本の給電ロール2a、2b、2
cのうち、板の走行方向の最上流と最下流の2本の給電
ロール2a、2cの同じ側(駆動側あるいは作業側)の
端部を導電性の良好な短絡部材5で電気的に接続し、か
つ、板の走行方向に所定の距離を隔てて隣合う中央の給
電ロール2b端部の摺動子4b(電源供給部)と板の走
行方向の最上流側または最下流側のいずれかの給電ロー
ル(2aまたは2c)の端部の摺動子(4aまたは4
c)が互いに対角をなすように接続する。例えば、図2
では、最上流側の給電ロール2aには駆動側に摺動子4
aが設けられた場合は、中央のの給電ロール2bには作
業側に摺動子4bを設けて互いに対角をなすようにして
導電性の良好な短絡部材5で接続している。これによ
り、被加熱材3中を電流が偏流することなく流れるた
め、板幅方向に均一に加熱される。
【0020】なお、給電ロール、短絡部材の材質等は上
述した請求項1に係る発明と同様である。
【0021】
【実施例】本発明に係る通電加熱方法による効果を、具
体的な実施例に基づき説明する。
【0022】(実施例1)図1に示す装置を用いて、モ
デル実験を行った。実験条件を以下に列記する。
【0023】本実験に関して、伝熱による温度均一化を
抑制するため熱伝導率の低いステンレス鋼を被加熱材と
して供した。
【0024】被加熱材材質、寸法:SUS304製冷延
コイル、0.5mm厚×1000mm幅 加熱条件:室温→300℃ 走行速度:10m/分 給電ロール材質、寸法:SUS430製、260mmφ×
1300mm幅バレル 給電ロール間距離:1000mm 押さえロール材質、寸法:炭素鋼製、250mmφ×13
00mm幅バレル 短絡部材材質、寸法:銅、15mm厚×150mm幅 短絡部材の冷却:室温無冷却 トランスの設置位置:駆動側 給電位置:上流側ロール→駆動側、下流側ロール→作業
側 1次側電圧、電力:440V単相、50Hz、500K
VA 給電ロール間電流、電圧:13V、5000A(代表
値) また、比較として図3と図4に示す給電ロールの2本共
に駆動側に電源供給部を設けた場合の試験も行い、板幅
方向での温度均一性を測定し、その結果を表1に合わせ
て示した。
【0025】
【表1】
【0026】また、図1(本発明方法)と図3(従来方
法)の直接通電加熱方法を用いた板幅方向の温度測定結
果を各々図5、図6に示す。
【0027】表1および図5、図6から明らかなよう
に、本発明方法では板幅方向の温度差が極めて小さく、
均一加熱が可能である。これに比較して、従来方法で
は、給電側(駆動側)が反対側(作業側)に比べて、か
なり温度が高くなり、製品品質の点からも好ましくない
ことが容易に推察できる。
【0028】(実施例2)次に、請求項2に係る発明に
関して、実施例1と重複する部分は省略して特徴を簡略
に記述する。実施例1の試験に給電ロールの下流側に給
電ロール間距離を実施例1と同じ1000mmとして給電
ロールを追設し、給電位置を最上流ロール、最下流ロー
ル(追設分)が駆動側、中央ロールが作業側とし、これ
らを図2に示すように短絡部材で接続して加熱試験を実
施した。加熱時の板幅方向の温度差の測定結果を表1に
合わせて示したが、実施例1の本発明方法と同程度の少
ない温度差であった。
【0029】さらに、本装置外での電位を測定し、周辺
設備への影響を調査したが、本装置外での電位は全て大
地電位と等しく0Vであり加熱は本装置内のみで行われ
ており、周辺設備へ分流して、スパーク発生等の不都合
は観察されなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の直接通電加熱方法を用いること
により、板幅方向での加熱均一性を実現することがで
き、さらに、設備の小型化、耐久性向上と高い加熱効率
および、加熱コストの大幅な低減と製品特性の向上を達
成する事ができる。
【0031】また、3本の給電ロールを用いる本発明方
法によれば、本装置外に設けられた諸設備の電気的絶縁
が不要になるため、設置コストが低減され、既存ライン
への適用が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の直接通電加熱方法の構成
を示した図である。
【図2】請求項2に係る発明の直接通電加熱方法の構成
を示した図である。
【図3】従来の通電加熱方法の一例を示した図である。
【図4】従来の通電加熱方法の別の例を示した図であ
る。
【図5】第1図の直接通電加熱方法を用いた板幅方向の
温度測定結果を示す図である。
【図6】第3図の直接通電加熱方法を用いた板幅方向の
温度測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1:押さえロール 2、2a、2b、2c:給電ロール 3:被加熱材 4、4a、4b、4c:摺動子 5:短絡部材 6:電源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板の走行方向に所定の距離を隔てて設置さ
    れた2本の給電ロールと、各給電ロールと板を挟んで対
    向させた押さえロールで構成された給電装置により板に
    通電して加熱する直接通電加熱方法において、板の走行
    方向に隣合う2本の給電ロール端部の電源供給部を互い
    に対角をなすように接続して通電することを特徴とする
    直接通電加熱方法。
  2. 【請求項2】板の走行方向に所定の距離を隔てて設置さ
    れた3本の給電ロールと、各給電ロールと板を挟んで対
    向させた押さえロールで構成された給電装置により板に
    通電して加熱する直接通電加熱方法において、板の走行
    方向の最上流側と最下流側の2本の給電ロールを接地
    し、かつ前記2本の給電ロールの同じ側の端部に短絡部
    材を接続し、さらに、中央の給電ロール端部の電源接続
    部と板の走行方向に中央の給電ロールと所定の距離を隔
    てて隣合う上記最上流側または最下流側のいずれかの給
    電ロール端部の電源供給部とを互いに対角をなすように
    接続して通電することを特徴とする直接通電加熱方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100777847B1 (ko) * 2001-04-10 2007-11-21 에스. 오. 이. 떼끄 씰리꽁 오 냉쉴라또흐 떼끄놀로지 기판-층 절단 장치 및 이것에 관한 방법
JP2013251209A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Neturen Co Ltd 通電装置、通電方法、及び通電加熱装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100777847B1 (ko) * 2001-04-10 2007-11-21 에스. 오. 이. 떼끄 씰리꽁 오 냉쉴라또흐 떼끄놀로지 기판-층 절단 장치 및 이것에 관한 방법
JP2013251209A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Neturen Co Ltd 通電装置、通電方法、及び通電加熱装置

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