JP2618301B2 - 通電加熱装置 - Google Patents

通電加熱装置

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JP2618301B2
JP2618301B2 JP3212691A JP21269191A JP2618301B2 JP 2618301 B2 JP2618301 B2 JP 2618301B2 JP 3212691 A JP3212691 A JP 3212691A JP 21269191 A JP21269191 A JP 21269191A JP 2618301 B2 JP2618301 B2 JP 2618301B2
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annular transformer
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heating
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勝 福山
茂登 藤井
裕和 芳賀
正志 服部
裕紀 佐藤
祐吾 八尾
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Nippon Steel Corp
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Neturen Co Ltd
Nippon Steel Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大量生産される導電性
を有する被加熱材を連続的に高速送給しつつ、通電加熱
する通電加熱装置、たとえば鋼材を亜鉛メッキのための
予熱処理として加熱する通電加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性を有する被加熱材、たとえば鋼材
を、メッキのための予熱、焼きなまし、焼き入れ等の各
種目的のために連続的に高速送給しつつ被加熱材に交流
を通電し、通電加熱によって被加熱材を加熱する装置が
知られている。このような装置としてたとえば、被加熱
材を挟んで対向するロールの対を連続送給される被加熱
材の送り通路において所定の間隔を隔てて2組設け、2
組のロールの間において被加熱材の周囲に環状トランス
を配置したものが知られている。このような装置におい
ては、環状トランスの環内が被加熱材の送り通路となる
ように形成され、環状トランスに電源から一次電圧が印
加されることにより被加熱材に2次電圧が誘起されて被
加熱材が通電加熱されるものである。
【0003】図3には、従来の通電加熱装置の例が示さ
れている。被加熱材Wの送り通路Lの入り側には、被加
熱材Wを挟んで対向する補助ロールR11および導電性
のロールR12が、出側には同様に補助ロールR21お
よび導電性のロールR22が設けられている。
【0004】2組のロール対R11、R12およびR2
1、R22の間において被加熱材Wは環状トランス20
の内部を通過するようにされている。電源10から環状
トランス20に所定の電圧が印加されると、被加熱材W
に2次電圧が誘起され、被加熱材Wが通電加熱される。
【0005】ロールR12とロールR22の間には、慴
動子S12、S22を介して導電部材14が接続されて
いる。また、送り通路の入り側にはチョークCHおよび
接地ロールR01、R02が設けられ、被加熱材Wの加
熱ゾーンから入り側に電圧が漏れないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の通
電加熱装置においては、被加熱材を十分に加熱するた
め、環状トランスを前記の2組のロールの間の全長、す
なわち被加熱材の加熱長さの全長にわたって配置し、被
加熱材の加熱長さの全長について2次電圧を誘起させ、
被加熱材を加熱していた。
【0007】しかし、このように被加熱材の加熱長さの
全長にわたって環状トランスを配置した場合には、被加
熱材の送り通路の出側においては被加熱材の温度が高い
ため、被加熱材からの放射熱により環状トランスのコイ
ルの絶縁破損等が発生する。このため、環状トランスに
放射熱防止用の断熱材を用いているが、このような断熱
材を用いた場合にはトランスの構造が複雑になる上、加
熱ライン休止中の断熱材の吸湿、運転開始時の断熱材か
らの水蒸気の発生により断熱材そのものが劣化破損し、
コイルの電気絶縁も劣化する。
【0008】このような問題を解決するため、環状トラ
ンスの被加熱材の送り方向の長さを短くし、被加熱材の
送り通路の入り側に近い部分、すなわち被加熱材の温度
の低い部分だけに環状トランスを配置することが考えら
れる。しかし環状トランスの長さを短くすると、同一の
設備容量における環状トランスの重量が増大し、所定の
加熱を行うための設備費用が増大する。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解消し、
被加熱材からの放射熱による環状トランスの破損等を防
止し、かつ環状トランスの重量の増大を抑えた通電加熱
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の通電加熱装置
は、連続送給される被加熱材を、被加熱材の送り通路の
入り側に配置されたロール電極に接触させるとともに、
被加熱材の出側に設けられたロール電極または金属浴に
接触させることにより、通電加熱する。被加熱材の送り
通路の入り側のロール電極と出側のロール電極または金
属浴との間には環状トランスが配置され、環状トランス
の環内が被加熱材の通路となる。
【0011】環状トランスの被加熱材の送り方向の長さ
1 は、入り側のロール電極と出側のロール電極または
金属浴との間の前記被加熱材の加熱通路の長さL0 に対
して0.15≦L1 /L0 ≦0.6の関係を満たし、環
状トランスは被加熱材の送り通路の入り側に配置され
る。
【0012】
【作用】本発明によれば、入り側のロール電極と出側の
ロール電極または金属浴との間に配置された環状トラン
スに電圧が印加されることにより、被加熱材に2次電圧
が誘起され、被加熱材が通電加熱される。環状トランス
の被加熱材の送り方向の長さL1 は、被加熱材の加熱通
路の長さL0 に対して15%以上60%以下の範囲であ
り、環状トランスは被加熱材の加熱通路の入り側付近に
配置されている。したがって、被加熱材の加熱通路の出
側付近には環状トランスが配置されていないため、被加
熱材からの放射熱による環状トランスの破損等が生じな
い。また、環状トランスは被加熱材の加熱通路の15%
以上の長さを有しているから、環状トランスの重量が増
大するという問題もない。
【0013】
【実施例】図1は本発明の通電加熱装置の第1の実施例
を示す図である。被加熱材Wの送り通路Lの入り側に
は、ゴム材等がライニングされた補助ロールR1と導電
性のロール電極R2とが、被加熱材Wを挟んで対向して
配置されている。出側にも同様に補助ロールR3とロー
ル電極R4が対向して設けられており、被加熱材Wは矢
印方向に送給される。被加熱材Wは、たとえば鋼板など
の導電性を有する金属板である。上記のように補助ロー
ルR1、R3を用いることにより、被加熱材Wはロール
電極R2およびR4の所定範囲の周面と接触し、面接触
となるので、スパークを発生させない許容電流値が大き
い。
【0014】この装置においては、被加熱材Wへの通電
手段として環状トランス20が被加熱材Wの送り通路の
一部に設けられている。環状トランス20は、被加熱材
Wの加熱通路の入り側付近に配置され、環状トランス2
0の被加熱材Wの送り方向の長さL1 は、被加熱材Wの
加熱通路の長さL0 に対して15%以上60%以下の範
囲に設定される。
【0015】環状トランス20は、たとえば磁路として
好適な性質を有する珪素鋼板を図4に示すようにロ字状
部材22として形成して積層し、所定の長さとした鉄心
と、環の内外周にかけて巻き回した一次コイル24とか
ら構成され、環内が被加熱材Wの送り通路Lを形成して
いる。すなわち、環内断面空間の大きさは移動中の被加
熱材Wが巾方向に移動、すなわち横揺れする距離、上下
方向のうねり、たとえば薄鋼板の場合に生じる板の波や
バタツキ等およびカテナリによる被加熱材Wのたわみ等
を考慮して、非接触状態で通過可能に設定される。
【0016】環状トランス20は電源10に接続され、
電源10から環状トランス20に所定の電圧が印加され
ると、トランスの2次側に相当する被加熱材Wに2次電
圧が誘起され、被加熱材Wが通電加熱される。なお、環
状トランス20の巻き数は図示しないタップチェンジャ
ーによって任意に変えることができ、被加熱材Wに誘起
される電圧を調節することができる。また、環状トラン
ス20はパワーコントロールスイッチを有する電源10
から一次コイルに給電される。
【0017】従来のように環状トランス20をロール電
極R2とR4との間に挟まれた被加熱材Wの加熱通路の
全長にわたって配置した場合の、加熱通路内における被
加熱材W(普通鋼)の温度分布を図6に示す。同図にお
いて、横軸は加熱通路の入口から出口までの全長に対す
る測定点の入口からの長さの割合(%)を、縦軸はその
点の温度を示す。
【0018】加熱通路の全長をL0 、加熱通路の入口か
ら測定点までの長さをL1 、全加熱時間をt(s)、加
熱通路の入口から測定点までの被加熱材Wの移動時間を
tn(S)とすると、測定点までの昇温量Tnは、数1
で示される。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、σは被加熱材Wの比重、ρ(T)
は温度Tにおける固有抵抗、C(T)は温度Tにおける
比熱、Jは電流密度をそれぞれ示す。図6に示すグラフ
は、時間軸tn/tを距離L1 /L0 に置換して示して
いる。
【0021】図6に示すように、加熱通路の入口から6
0%の位置における被加熱材Wの温度は最終到達温度の
約2分の1となっている。被加熱材Wからの放射熱は絶
対温度の4乗に比例するため、この位置では出口に比べ
て放射熱は極端に減少する。したがって、環状トランス
20を加熱通路の60%以下の長さとすることにより、
前記の通電加熱装置に示す、断熱材なしの金属製コイル
保護筒のみで被加熱材Wとの機械的接触保護が可能とな
り、電気絶縁の劣化が非常に少なくなる。
【0022】一方、環状トランス20の長さをさらに短
くして被加熱材Wの温度のさらに低い位置のみに配置す
ると、加熱通路内の被加熱材Wに誘起される電圧を一定
にする場合に、環状トランス20の重量が増加する。次
に、誘起すべき電圧を一定とする場合の環状トランス2
0の被加熱材Wの送り方向の長さと環状トランス20の
重量との関係について説明する。
【0023】板の通路となる鉄芯の窓の高さ=h 板の通路となる鉄芯の窓の巾 =w 環状トランスの鉄芯の長さ=CL 環状トランスの鉄芯の巾 =Cw 周波数=f 鉄芯の使用磁束密度=B とすると、 鉄芯の断面図A=Cw×CLは、 A= V2 /(4.44f・B ×10-8) となりV2 , f,Bが一
定の時、常に同一面積でなければならない。
【0024】一方鉄芯の重量wは鉄芯の比重をρとする
と、 w=ρ{(2Cw+w)×(2Cw+h)−wh}CL =ρ2CwCL(2Cw +h +w) =ρ2A(2・A /CL+h +w) =ρ・4A2 /CL+ρ・2A(h+w) となる。環状トランスの鉄芯の窓寸法、h及びw、は、
帯材の寸法により決まるもので、これを一定とすると、 w=k+ρ・4A2 /CL k=ρ・2A(h+w) となり、CLが小さくなると、wが大きくなる。
【0025】加熱長から、入側及び出側通電ロールの半
径を差し引いた寸法、後述する金属浴電極の場合には入
側通電ロールの半径を差し引いた長さをsとし、この長
さ全長に鉄芯を配置した時の鉄芯重量ws と、S 内の一
部に鉄芯長さをC として鉄芯を配置した時の鉄芯の重量
c との比は wC /ws ={ρ・2A(2A /C +h +w)}/{ρ・2A(2A /S +h +w)} =(2A/C+h+w)/(2A/S+h+w) で与えられる。鉄芯に電磁鋼板を使った時、Bは150
00ガウス程度の値で使われるので、商用周波数である
60Hzで加熱した時、鉄芯断面積Aは、 A=V2 /(4.44 ×60×15000 ×10-8) = 25 ×V2 (cm2 ) となる。
【0026】一方、h,wは、加熱帯材寸法、通板の容
易性、(板の垂れによる板と環状トランスの接触回避
等)から定められる。一般的な例として、所要電圧、通
板材寸法と重量比の例は次の如くなる。 通板サイズ(厚さ)0.27mm (巾)1,000mm ライン速度 300mpm 加熱温度 50℃→900℃ h=60(cm) w=140(cm) s=400(cm) V2 =150(V) で普通鋼を加熱する場合 A=25×V2 =3750(cm2 ) となる。
【0027】鉄芯長さCを、全長に鉄芯を配置した場合
に対して所定の割合とした場合の鉄芯重量比wC /ws
は、 15%にした場合 wC /ws ={(2×3750/400 ×0.15) +60+140 }/{(2×3750/400 ) +60+140 } =325 /218.75=1.486 10%にした場合 wC /ws ={(2×3750/400 ×0.1)+200 }/218.75}=387.5 /218.75= 1.77 5%にした場合 wC /ws ={(2×3750/400 ×0.05) +200 }/218.75}=575 /218.75= 2.63 20%にした場合 wC /ws ={(2×3750/400 ×0.2)+200 }/218.75}=293.75/218.75= 1.343 30%にした場合 wC /ws ={(2×3750/400 ×0.3)+200 }/218.75}=262.5 /218.75= 1.2 となる。このようにして求めた種々の鉄芯長さ比C/S
に対する鉄芯重量比wC /ws が図8に示されている。
【0028】鉄芯重量比wC /ws が1.5倍以下の場
合にはイニシャルコストは若干増大するが、高温部にさ
らされることによる故障の発生に伴う生産阻害、復旧コ
ストよりも安くなる。したがって、帯材通電加熱に於い
ては環状トランス20の長さL1 を加熱通路の長さL0
に対して、0.15≦L1 /L0 ≦0.6となるように
構成するのが最も経済的である。
【0029】なお、環状トランス20は図5に示すよう
な構成のものでもよい。即ち、鉄心22の環内空間をや
や大としたうえ、当該環内に被加熱材Wの送り通路Lを
囲む如く、かつ鉄心22と同心の環状を呈する防護隔壁
26を設ける。当該防護隔壁26は1層ないし図示の如
く2層である。1層とした場合の防護隔壁26は非磁性
体、例えばステンレススチール等の金属材が用いられ、
被加熱材Wがトランス20内通過に際する揺れ、あるい
は破断等の事故時の撥ねで一次コイル24に接触して破
損するのを防止する。2層とした場合の防護隔壁26は
上記非磁性体の金属材を内側層26aに、断熱材、例え
ば断熱ファイバー等を外側層26bにしてあり、トラン
ス破損防止とともに、被加熱材Wからの放射熱による一
次コイル24の焼損を防止する。また、被加熱材Wが一
次コイル24を破損する恐れのない場合には、断熱材の
みで1層を形成して一次コイル24の焼損防止をするよ
うにしてもよい。
【0030】尚、一次コイル24を管材とし、管内に当
該一次コイル24冷却用の冷却水を通水する構成として
もよい。
【0031】図1のロール電極R2およびR4の間には
慴動子S1、S2を介して導電部材14が接続されてい
る。導電部材14は、補助ロールR1およびロール電極
R2と補助ロールR3およびロール電極R4との間、す
なわち被加熱材Wの加熱ゾーンにおいて、環状トランス
20の周囲近傍または被加熱材Wの両側の近傍に対向す
るように配置されている。導電部材14は、入り側のロ
ール電極R2の直後において上側部分14aが下側部分
14bから分かれ、出側のロール電極R4の直前におい
て下側部分14bと接続される。
【0032】被加熱材Wの送り通路には若干の電圧が発
生するため、送り通路の入り側にチョークCHを設け、
加熱ゾーンから入り側に電圧が漏れないようにしてい
る。さらに、チョークCHの直前には接地ロールR0
1、R02が設けられ、入り側を接地して安全を保って
いる。
【0033】ロール電極R2、R4および補助ロールR
1、R3は、被加熱材Wの巾以上の軸方向長さを有し、
それぞれの周面が送り通路Lを挟んで被加熱材Wがそれ
ぞれの周面と接触しつつ通過可能な所定間隙を隔てて相
対向させて配置されている。
【0034】導電部材14は、所定の巾、厚みを有する
銅材等の良導電材により形成されている。
【0035】慴動子S1、S2は導電部材14の両端に
それぞれ接続されるとともに、ロール電極R2およびロ
ール電極R4それぞれを構成するロールの回転軸に設け
た受電部と慴動接触可能にされている。また被加熱材W
に発生した電圧はほとんど被加熱材Wの内部で消費され
てしまい通電ロールR2,R4および導電部材14にか
かる電圧は非常に低く、装置の周囲にいる作業者の安全
を保つことができる。
【0036】なお、図示しないが、金属ロール、セラミ
ックコーティングロール、セラミックロール等のサポー
トロールを被加熱材Wの送り通路に設けてもよい。
【0037】この装置においては、電源10から環状ト
ランス20へ給電されると、被加熱材Wに2次電圧が誘
起され、被加熱材Wに発生した2次電流は慴動子S1お
よびS2を介して接続される導電部材14を帰線として
流れることになる。この場合導電部材14の抵抗は、被
加熱材Wの抵抗に比べ著しく小さくなるように設定され
るため、電流はほとんどが被加熱材Wの加熱のために消
費され、導電部材14における損失は少ない。したがっ
て、効率的に被加熱材Wを通電加熱するとともに、被加
熱材Wに発生した電圧はほとんど被加熱材Wの内部で消
費されてしまい、通電ロールR2,R4および導電部材
14にかかる電圧は非常に低く加熱装置の周囲に配置さ
れた機器の損傷を防止するとともに、作業者の安全を保
つことができる。
【0038】また、環状トランス20の上下両側に導電
部材14が配置されているから、導電部材14とトラン
ス20との磁気結合が良く、インダクタンスを小さくす
ることができる。従来の環状トランスを用いた装置にお
いては、環状トランス20の片側にのみ導電部材14が
設けられていたため、導電部材14を流れる電流による
磁束を環状トランス20を流れる反対方向の電流による
磁束により打ち消すことになり、導電部材14を流れる
電流による磁束を離れた電流による磁束で打ち消すた
め、導電部材14と環状トランス20との磁気結合が悪
く、インダクタンスが大きくなり、力率が低下して加熱
の効率が低くなるという問題があった。
【0039】本装置によれば、環状トランス20の上下
両側に導電部材14a、14bが配置されているから、
近くの導電部材14bを流れる電流による磁束を環状ト
ランス20を流れる電流による磁束により打ち消すの
で、導電部材14と環状トランス20との磁気結合が良
く、インダクタンスを小さくできる。したがって、力率
が良いため、加熱の効率が高い。
【0040】さらに、本装置によれば、環状トランス2
0が配置されない被加熱材Wの送り通路においては被加
熱材Wの両側に近接して導電部材14が配置されるから
2つの導電部材14を流れる電流と被加熱材Wを流れる
電流による電磁力が相殺されて、被加熱材Wの振動を防
ぐことができる。
【0041】図2は本発明の通電加熱装置の第2の実施
例を示す図である。この装置においては、図1の装置の
ロール電極R4に代えて金属浴30が設けられている。
金属浴30は、浴漕31に溶融金属32を満たして構成
され、導電部材14の端部が溶融金属32内に浸されて
いる。通電加熱されて送られる被加熱材Wは、方向転換
ロールR5によって方向を変えられ、溶融金属32内に
浸され、方向転換ロールR6によって方向を転換されて
排出される。また、導電部材14は、ロール電極R2の
直後で上側部分14a、下側部分14bに分かれ、方向
転換ロールR5の直前で1つにまとめられ、方向転換ロ
ールR5の直後で再び上側部分14c、下側部分14d
に分かれて、上側部分14c、下側部分14dがそれぞ
れ溶融金属32内に浸される。
【0042】したがって、金属浴30は図1のロール電
極R4と同様の作用を有し、環状トランス20によって
被加熱材Wに誘起される電圧はロール電極R2および金
属浴30を介して導電部材14を帰線として流れ、被加
熱材Wが加熱される。
【0043】上記の各実施例において、ロール電極R
2、R4には、雰囲気の塵埃、被加熱材Wが持ち込む塵
埃が徐々に推積する場合があって、被加熱材Wとの接触
を不良とする際には、ロールクリーナを配置することも
ある。
【0044】また、補助ロールR1、R3を、導電性の
材料によって形成されるロール電極R1、R3に置き換
えてもよい。この場合には、ロール電極R1およびR3
の間に導電部材14を接続するようにしてもよい。
【0045】上記実施例の説明中では触れなかったが、
被加熱材Wに対する温度制御が行われることは勿論であ
る。即ち、被加熱材Wのサイズ、送り速度、比熱、所定
昇温温度等から予め求める所定電力又は電流又は電圧を
被加熱材Wに与えるよう環状トランス20への入力を予
め所定に設定して運転するプリセット方式が採られる場
合がある。また、図示してはいないが、装置の出側で被
加熱材Wの温度を測定し、当該測定値が予定された温度
との間に差異がある場合には、図示しないパワーコント
ロールスイッチを操作して、差異に相当する電力又は電
流又は電圧を調整するフィードバック方式を採るように
してもよい。
【0046】付言ではあるが、本発明装置は水平や垂直
配置のみならず、任意の角度で配置可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明の通電加熱装置によれば、環状ト
ランスの被加熱材の送り方向の長さL1 が被加熱材の加
熱通路の長さL0 に対して、0.15≦L1 /L0
0.6を満たし、環状トランスは被加熱材の送り通路の
入り側に配置されている。したがって、環状トランスの
被加熱材の送り方向の長さが加熱通路の長さの60%以
下であり、加熱通路の出側付近には環状トランスが配置
されないから、加熱通路の出側付近において被加熱材か
らの放射熱によって環状トランスのコイルの絶縁破損等
が発生する恐れがない。また、環状トランスの被加熱材
の送り方向の長さが加熱通路の長さの15%以上であ
り、環状トランスはある程度の長さをもっているから、
環状トランスの重量の増大や設備費用の増大を防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通電加熱装置の第1の実施例を示す概
略構成図である。
【図2】本発明の通電加熱装置の第2の実施例を示す概
略構成図である。
【図3】従来の通電加熱装置の例を示す概略構成図であ
る。
【図4】通電加熱装置に用いられる環状トランスを示す
断面図である。
【図5】通電加熱装置に用いられる環状トランスを示す
断面図である。
【図6】加熱通路内における普通鋼の長さ方向の温度分
布を示す図である。
【図7】環状トランスの鉄芯を示す図である。
【図8】環状トランスの鉄芯の長さ比に対する鉄芯重量
比を示す図である。
【符号の説明】
10 電源 14 導電部材 20 環状トランス 22 ロ字状部材 24 一次コイル 30 金属浴 R1、R3 補助ロール R2、R4 ロール電極 S1、S2 慴動子 W 被加熱材 L 送り通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/62 101 C21D 9/62 101 C23C 2/02 C23C 2/02 (72)発明者 芳賀 裕和 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵 株式会社 広畑製鐵所内 (72)発明者 服部 正志 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (72)発明者 佐藤 裕紀 神奈川県茅ヶ崎市浜竹4−5−58 (72)発明者 八尾 祐吾 神奈川県平塚市入野字宮の腰36−5

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続送給される被加熱材を、該被加熱材
    の送り通路の入り側に配置されたロール電極に接触させ
    るとともに、前記被加熱材の出側に設けられた導電機構
    に接触させることにより、前記被加熱材を通電加熱する
    装置において、該装置は、 前記ロール電極および前記導電機構の間に配置された環
    状トランスを有し、 前記環状トランスは電源に接続されるとともに環内が前
    記被加熱材の送り通路となるように形成され、前記環状
    トランスにより前記被加熱材に誘起される電圧によって
    前記被加熱材が加熱され、 前記環状トランスは、前記被加熱材の送り方向の長さL
    1 が前記ロール電極と前記導電機構との間の前記被加熱
    材の加熱通路の長さL0 に対して0.15≦L1 /L0
    ≦0.6を満たし、前記被加熱材の送り通路の入り側に
    配置されることを特徴とする通電加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記通電加熱装置はさらに、前記被加熱
    材の送り通路の入り側に配置された前記ロール電極と、
    前記被加熱材の出側に設けられた導電機構との間を接続
    する導電部材を有し、 前記導電部材は、前記環状トランスが配置された前記被
    加熱材の送り通路においては前記環状トランスの外周に
    近接して配置され、前記環状トランスが配置されない前
    記被加熱材の送り通路においては前記被加熱材の両側に
    近接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の
    通電加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記導電機構は、前記被加熱材の送り通
    路の出側に配置されたロール電極であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の通電加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記導電機構は、前記被加熱材の送り通
    路の出側に配置された金属浴であり、前記被加熱材は前
    記金属浴を通して送給され、前記導電部材は端部を前記
    金属浴に浸されていることを特徴とする請求項2に記載
    通電加熱装置。
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