JPH0533038A - 通電加熱装置 - Google Patents

通電加熱装置

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Publication number
JPH0533038A
JPH0533038A JP21268991A JP21268991A JPH0533038A JP H0533038 A JPH0533038 A JP H0533038A JP 21268991 A JP21268991 A JP 21268991A JP 21268991 A JP21268991 A JP 21268991A JP H0533038 A JPH0533038 A JP H0533038A
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JP
Japan
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heated
conductive member
roll
transformer
conductive
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Application number
JP21268991A
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English (en)
Inventor
Masaru Fukuyama
勝 福山
Shigeto Fujii
茂登 藤井
Hirokazu Haga
裕和 芳賀
Morihiko Yano
守彦 谷野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neturen Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Neturen Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Publication date
Application filed by Neturen Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Neturen Co Ltd
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通電加熱装置において、被加熱材の振動を防
止し、磁気結合を向上させて加熱効率を高める。 【構成】 導電部材14を被加熱材Wの両側に近接して
配置し、導電部材14と被加熱材Wとの間に働く電磁力
を上下の導電部材14によって釣り合わせ、被加熱材W
の振動を防止する。また、環状トランス20を設けて環
状トランス20の環内を被加熱材Wの通路とする場合に
は、導電部材14を環状トランス20の両側に近接して
配置することにより、導電部材14と環状トランス20
との磁気結合を良くし、導電部材14のインダクタンス
を小さくして加熱効率を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大量生産される導電性
を有する被加熱材を連続的に高速送給しつつ、通電加熱
する通電加熱装置、たとえば鋼材を亜鉛メッキのための
予熱処理として加熱する通電加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性を有する被加熱材、たとえば鋼材
を、メッキのための予熱、焼きなまし、焼き入れ等の各
種目的のために連続的に高速送給しつつ被加熱材に交流
を通電し、抵抗加熱によって被加熱材を加熱する装置が
知られている。このような装置としてたとえば、被加熱
材を挟んで対向する導電性のロール電極を連続送給され
る被加熱材の送り通路において所定の間隔を隔てて2組
設け、2組のロール電極の間に交流電圧を印加すること
により、被加熱材を加熱するものがある。すなわち、送
給される被加熱材は2組のロール電極の間の送り通路に
おいて所定の交流電圧が印加され、これにより加熱され
る。
【0003】このような装置においては通常、被加熱材
の送り通路において所定の間隔を隔てて設けられた2組
のロール電極の間に交流電圧を印加するためトランスが
用いられ、交流電源から供給される交流電圧をトランス
によって所定の電圧に変換して上記2組のロール電極の
間に印加するようにしている。
【0004】また、被加熱材の送り通路において所定の
間隔を隔てて被加熱材を挟む導電性のロール電極が2組
設けられ、2組のロール電極の間において被加熱材の周
囲に環状トランスを配置したものが知られている。この
ような装置においては、環状トランスの環内が被加熱材
の送り通路となるように形成され、環状トランスに電源
から一次電圧が印加されることにより被加熱材に2次電
圧が誘起されて被加熱材が通電加熱されるものである。
【0005】図5には、従来の前者の通電加熱装置の例
が示されている。被加熱材Wの送り通路Lの入り側に
は、被加熱材Wを挟んで対向する導電性のロールR1
1、R12が、出側には同様に導電性のロールR21、
R22が設けられ、被加熱材Wは矢印方向に送給され
る。ロールR11およびロールR21は慴動子S11、
S21を介してトランス12に接続され、ロールR11
とロールR21の間には交流電源10から供給されトラ
ンス12により変圧された電圧が印加される。これによ
り、被加熱材WにはロールR11、R12およびロール
R21、R22に挟まれた送り通路において交流電圧が
印加され、被加熱材Wが通電加熱される。この印加電圧
が、加熱ゾーンから被加熱材を介して外部に洩れないよ
うにするために、送り通路の入側出側にチョークCHを
設けている。
【0006】図6には、従来の後者の通電加熱装置の例
が示されている。この装置においても、被加熱材Wの送
り通路Lの入り側および出側に、被加熱材Wを挟んで対
向する導電性のロールR11、R12およびR21、R
22が設けられている。2組のロール対R11、R12
およびR21、R22の間において被加熱材Wは環状ト
ランス20の内部を通過するようにされている。電源1
0から環状トランス20に所定の電圧が印加されると、
被加熱材Wに2次電圧が誘起され、被加熱材Wが通電加
熱される。
【0007】ロールR12とロールR22の間には、慴
動子S12、S22を介して導電部材14が接続され、
また、送り通路の入り側にはチョークCHおよび接地ロ
ールR01、R02が設けられ、被加熱材Wの加熱ゾー
ンから入り側に電圧が漏れないようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の通
電加熱装置においては、送り通路の入り側および出側に
設けられたロールに懸け渡された導電部材は、被加熱材
の片側において被加熱材と対向するように配置されてい
る。このような構成の場合には、対向して配置された被
加熱材と導電部材との間には往復電流が流れるため、被
加熱材と導電部材との間に電磁力が働く。この電磁力F
は、被加熱材と導電部材との距離をD、被加熱材と導電
部材に流れる電流をそれぞれI1,I2 とすると、F=K
×I1 ・I2 /Dで与えられる。ここで、Kは比例定数
である。
【0009】このように被加熱材と導電部材との間の電
磁力はこれらの距離に反比例するから、電磁力を小さく
するには距離を大きくすればよいが、距離を大きくする
とインダクタンスが大きくなり所定電流を流すために余
分な電圧を必要とするため、設備容量が大きくなるとと
もに設備費用も増大するという欠点がある。このように
被加熱材と導電部材との間の距離を大きくすることは現
実的でないため、ある程度の電磁力の発生は免れず、電
磁力によって被加熱材の振動が発生するという問題があ
った。このため、通電用のロール電極から電圧を印加す
る前者の装置においては、被加熱材がロール電極との挟
持接触部分から少し離れた部分でロール電極と接触し、
これによりスパークを発生するという欠点があった。
【0010】また、環状トランスを用いる後者の装置に
おいては、トランスの片側にのみ導電部材が設けられて
いるため、導電部材とトランスとの磁気結合が悪く、イ
ンダクタンスが大きくなる。このため、力率が低下して
加熱効率が低くなる。さらに所定電流を流すために余分
の電圧を必要とするため、設備容量が大きくなると共に
設備費用も増大するという欠点がある。
【0011】本発明は、上記のような問題点を解消し、
被加熱材の振動を防止するとともに、力率の低下を防
ぎ、安定した効率的な加熱を行うことのできる通電加熱
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の通電加熱装置
は、連続送給される被加熱材を、被加熱材の送り通路の
入り側に配置されたロール電極に接触させるとともに、
被加熱材の出側に設けられたロール電極または金属浴に
接触させることにより、通電加熱する。
【0013】本発明の通電加熱装置は、被加熱材の送り
通路の入り側に配置されたロール電極と、被加熱材の出
側に設けられたロール電極または金属浴により構成され
る導電機構との間を接続する導電部材を有している。
【0014】導電部材は、送り通路の入り側のロール電
極と出側のロール電極または金属浴との間の被加熱材の
送り通路のほぼ全長にわたって被加熱材の両側に近接し
て配置される。入り側のロール電極と出側のロール電極
または金属浴との間に環状トランスが配置され、環状ト
ランスの環内が被加熱材の通路となる場合には、導電部
材は環状トランスの外周に近接配置されるとともに、環
状トランスが配置されていない送り通路の部分について
は被加熱材の両側に近接して配置される。
【0015】
【作用】本発明によれば、入り側のロール電極と出側の
ロール電極または金属浴との間に交流電圧が印加され、
被加熱材が通電加熱される。また、環状トランスが設け
られた場合には、環状トランスに電圧が印加されること
により、被加熱材に2次電圧が誘起され、被加熱材が通
電加熱される。
【0016】導電部材は被加熱材の送り通路のほぼ全長
にわたって被加熱材の両側に近接してほぼ等間隔で配置
されているから、導電部材および被加熱材に流れる電流
による導電部材と被加熱材との電磁力が両側の導電部材
によって釣り合い、導電部材が片側にのみ設けられてい
る場合に生じる被加熱材の振動を防ぐことができる。さ
らに両側に配置された場合、磁気的並列回路となり、片
側のみの配置に比べインダクタンスが1/2となり、力
率が高くなり、加熱効率を高めることができる。また環
状トランスが設けられた場合には、導電部材は環状トラ
ンスの外周に近接配置される。したがって、一次回路と
二次回路の磁気的結合が良くなり、リアクタンスが小さ
くなる。この結果、力率が高くなり、加熱効率を高める
ことができる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の通電加熱装置の第1の実施例
を示す図である。被加熱材Wの送り通路Lの入り側に
は、ゴム材等がライニングされた補助ロールR1と導電
性のロール電極R2とが、被加熱材Wを挟んで対向して
配置されている。出側にも同様に補助ロールR3とロー
ル電極R4が対向して設けられている。被加熱材Wは、
たとえば鋼板などの導電性を有する金属板である。上記
のように補助ロールR1、R3を用いることにより、被
加熱材Wはロール電極R2およびR4の所定範囲の周面
と接触し、面接触となるので、スパークを発生させない
許容電流値が大きい。ロール電極R2およびR4の間に
は慴動子S1、S2を介して導電部材14が接続されて
いる。
【0018】トランス12の1端に接続された導電部材
14は、被加熱材Wの上下に配置された導電部材14a
1 及び14a2 に接続される。さらにトランス12の他
端に接続された導電部材14は、導電部材14b1 およ
び14b2 に接続される。導電部材14a1 及び14b
1 はそれぞれ通電ロールR2,R4近傍で導電部材14
a2 ,14b2 に接続される
【0019】導電部材14a2 は通電ロールR2の慴動
子S1に、14b2 はR4の慴動子S2に接続される。
トランス12は交流電源10に接続され、交流電源10
から供給される電圧がトランス12によって変圧され、
導電部材14を通してロール電極R2およびR4に供給
される。
【0020】被加熱材Wには補助ロールR1、ロール電
極R2および補助ロールR3、ロール電極R4に挟まれ
た送り通路において、ロール電極R2およびR4から供
給された交流電圧が印加され、被加熱材Wが通電加熱さ
れる。
【0021】本装置においては導電部材14が被加熱材
Wの両側に設けられているから、後述するように被加熱
材Wの振動を防止できる。
【0022】また、送り通路の入り側にチョークCHを
設け、加熱ゾーンから入り側に電圧が漏れないようにし
ている。さらに、チョークCHの直前には接地ロールR
01、R02が設けられ、入り側を接地して安全を保っ
ている。
【0023】ロール電極R2、R4および補助ロールR
1、R3は、被加熱材Wの巾以上の軸方向長さを有し、
それぞれの周面が送り通路Lを挟んで被加熱材Wがそれ
ぞれの周面と接触しつつ通過可能な所定間隙を隔てて相
対向させて配置されている。
【0024】導電部材14は、所定の巾、厚みを有する
銅材等の良導電材により形成されている。
【0025】慴動子S1、S2は導電部材14の両端に
それぞれ接続されるとともに、ロール電極R2およびロ
ール電極R4それぞれを構成するロールの回転軸に設け
た受電部と慴動接触可能にされている。
【0026】なお、図示しないが、金属ロール、セラミ
ックコーティングロール、セラミックロール等のサポー
トロールを被加熱材Wの送り通路に設けてもよい。
【0027】この装置において、電源10から交流電圧
が供給され、トランス12で所定の電圧に変換され、導
電部材14を通してロール電極R2および4に供給され
る。これによりロール電極R2およびロール電極R4間
の送り通路を通過する被加熱材Wには交流電圧が印加さ
れ、被加熱材Wが通電加熱される。
【0028】本装置においては、導電部材14を被加熱
材Wの送り通路において被加熱材Wの上下両側に設けて
いる。上下両側に設けられた導電部材14は被加熱材W
からほぼ同じ距離で対向して設けられている。図9に示
すように、導電部材14の上側部分14aに流れる電流
は下側部分14bに流れる電流とほぼ同一の値となり、
いずれも被加熱材Wに流れる電流Iの1/2の値、すな
わちI/2となる。したがって、導電部材14の上側部
分14aと被加熱材Wとの間に生じる電磁力F0 /2
は、導電部材14の下側部分14bと被加熱材Wとの間
に生じる電磁力F0 /2と方向が逆で等しくなるため、
これらの力が釣り合うことにより、被加熱材Wは上下い
ずれにも動かず、静止する。
【0029】従来は図10に示すように、被加熱材Wの
片側にのみ導電部材14が設けられていたから、導電部
材14を流れる電流I1 と被加熱材Wを流れる電流I2
との間の電磁力によって図示のような力Fが働き、この
ため被加熱材Wが振動するという問題があった。
【0030】これに対して本装置では導電部材14a、
14bを被加熱材Wの送り通路において被加熱材Wの上
下両側に設けたことにより、被加熱材Wの上下の振動を
なくすことができる。
【0031】図2は本発明の通電加熱装置の第2の実施
例を示す図である。この装置においては、被加熱材Wへ
の通電手段として環状トランス20が設けられている。
環状トランス20は、たとえば磁路として好適な性質を
有する珪素鋼板を図7に示すようにロ字状部材22とし
て形成して積層し、所定の長さとした鉄心と、環の内外
周にかけて巻き回した一次コイル24とから構成され、
環内が被加熱材Wの送り通路Lを形成している。すなわ
ち、環内断面空間の大きさは移動中の被加熱材Wが巾方
向に移動、すなわち横揺れする距離、上下方向のうね
り、たとえば薄鋼板の場合に生じる板の波やバタツキ等
およびカテナリによる被加熱材Wのたわみ等を考慮し
て、非接触状態で通過可能に設定される。
【0032】なお、環状トランス20は図8に示すよう
な構成のものでもよい。即ち、鉄心22の環内空間をや
や大としたうえ、当該環内に被加熱材Wの送り通路Lを
囲む如く、かつ鉄心22と同心の環状を呈する防護隔壁
26を設ける。当該防護隔壁26は1層ないし図示の如
く2層である。1層とした場合の防護隔壁26は非磁性
体、例えばステンレススチール等の金属材が用いられ、
被加熱材Wがトランス20内通過に際する揺れ、あるい
は破断等の事故時の撥ねで一次コイル24に接触して破
損するのを防止する。2層とした場合の防護隔壁26は
上記非磁性体の金属材を内側層26aに、断熱材、例え
ば断熱ファイバー等を外側層26bにしてあり、トラン
ス破損防止とともに、被加熱材Wからの放射熱による一
次コイル24の焼損を防止する。また、被加熱材Wが一
次コイル24を破損する恐れのない場合には、断熱材の
みで1層を形成して一次コイル24の焼損防止をするよ
うにしてもよい。
【0033】尚、一次コイル24を管材とし、管内に当
該一次コイル24冷却用の冷却水を通水する構成として
もよい。
【0034】環状トランス20は電源10に接続され、
電源10から環状トランス20に所定の電圧が印加され
ると、トランスの2次側に相当する被加熱材Wに2次電
圧が誘起され、被加熱材Wが通電加熱される。なお、環
状トランス20の巻き数は図示しないタップチェンジャ
ーによって任意に変えることができ、被加熱材Wに誘起
される電圧を調節することができる。また、環状トラン
ス20には、パワーコントロールスイッチを有する電源
10から給電される。
【0035】この装置においては、電源10から環状ト
ランス20へ給電されると、被加熱材Wに2次電圧が誘
起され、被加熱材Wに発生した2次電流は慴動子S1お
よびS2を介して接続される導電部材14を帰線として
流れることになる。この場合、導電部材14の抵抗は、
被加熱材Wの抵抗に比べ著しく小さくなるように設定さ
れるため、電流はほとんどが被加熱材Wの加熱のために
消費され、導電部材14における損失は少ない。したが
って、効率的に被加熱材Wを通電加熱するとともに、被
加熱材Wに発生した電圧はほとんど被加熱材Wの内部で
消費されてしまい、通電ロールR2、R4および導電部
材14にかかる電圧は非常に低く、加熱装置の周囲に配
置された機器の損傷を防止するとともに、作業者の安全
を保つことができる。
【0036】この装置においては環状トランス20の上
下両側に導電部材14が配置されているから、導電部材
14とトランス20との磁気結合が良く、インダクタン
スを小さくすることができる。従来の環状トランスを用
いた装置においては、図12に示すように環状トランス
20の片側にのみ導電部材14が設けられていたため、
導電部材14を流れる電流I22および被加熱材Wを流れ
る電流I21による磁束を環状トランス20を流れる反対
方向の電流I11、I12による磁束で打ち消すことにな
る。したがって、I21、I22による磁束と離れた位置に
あるI12による磁束の結合が悪く、インダクタンスが大
きくなり、力率が低下して加熱の効率が低くなり、余分
な電圧および設備容量を必要とするという問題があっ
た。
【0037】これに対して本装置によれば、図11に示
すように、環状トランス20の上下両側に導電部材14
a、14bが配置されているから、導電部材14bを流
れる電流I221 とI21による磁束を環状トランス20を
流れる電流I11による磁束で打ち消し、電流I222 とI
21による磁束を電流I12による磁束で打ち消すため、1
次回路と2次回路の磁気結合が良くなりインダクタンス
を小さくできる。したがって、力率が良いため、加熱の
効率が高い。
【0038】図3は本発明の通電加熱装置の第3の実施
例を示す図である。この装置においては、被加熱材Wの
送り通路の一部に環状トランス20が設けられている。
したがって、導電部材14は環状トランス20の上下両
側に配置されるとともに、環状トランス20が被加熱材
Wの周囲に配置されていない部分については被加熱材W
の上下両側に近接して配置されている。
【0039】この装置においては、導電部材14が環状
トランス20の上下両側に配置されている部分について
は、前述の理由により、導電部材14と環状トランス2
0との磁気結合が良く、インダクタンスを小さくでき
る。また、導電部材14が被加熱材Wの両側に配置され
ている部分については、前述の理由により、被加熱材W
の上下の振動をなくすことができる上、インダクタンス
も小さくできる。
【0040】図4は本発明の通電加熱装置の第4の実施
例を示す図である。この装置においては、図3の装置の
ロール電極R4に代えて金属浴30が設けられている。
金属浴30は、浴漕31に溶融金属32を満たして構成
され、導電部材14の端部が溶融金属32内に浸されて
いる。通電加熱されて送られる被加熱材Wは、方向転換
ロールR5によって方向を変えられ、溶融金属32内に
浸され、方向転換ロールR6によって方向を転換されて
排出される。また、導電部材14は、ロール電極R1、
R2の直後で上側部分14a、下側部分14bに分か
れ、方向転換ロールR5の直前で1つにまとめられ、方
向転換ロールR5の直後で再び上側部分14c、下側部
分14dに分かれて、上側部分14c、下側部分14d
がそれぞれ溶融金属32内に浸される。
【0041】したがって、金属浴30は図3のロール電
極R4と同様の作用を有し、環状トランス20によって
被加熱材Wに誘起される電圧はロール電極R2および金
属浴30を介して導電部材14を帰線として流れ、被加
熱材Wが加熱される。
【0042】なお、図示しないが、図1または図2の装
置においても、ロール電極R4に代えて金属浴30を用
いるようにしてもよい。
【0043】上記の各実施例において、ロール電極R
2、R4には、雰囲気の塵埃、被加熱材Wが持ち込む塵
埃が徐々に推積する場合があって、被加熱材Wとの接触
を不良とする際には、ロールクリーナを配置することも
ある。
【0044】また、補助ロールR1、R3を、導電性の
材料によって形成されるロール電極R1、R3に置き換
えてもよい。この場合には、ロール電極R1およびR3
の間に導電部材14を接続するようにしてもよい。
【0045】上記実施例の説明中では触れなかったが、
被加熱材Wに対する温度制御が行われることは勿論であ
る。即ち、被加熱材Wのサイズ、送り速度、比熱、所定
昇温温度等から予め求める所要電力、所要電流、所要電
圧のいずれかを被加熱材Wに与えるようトランス20へ
の入力を予め所定に設定して運転するプリセット方式が
採られる場合がある。また、図示してはいないが、装置
の出側で被加熱材Wの温度を測定し、当該測定値が予定
された温度との間に差異がある場合には、パワーコント
ロールスイッチを操作して、差異に相当する電力、電
流、電圧のいずれかを調整するフィードバック方式を採
るようにしてもよい。
【0046】付言ではあるが、本発明装置は水平や垂直
配置のみならず、任意の角度で配置可能である。
【0047】
【発明の効果】導電部材は被加熱材の送り通路のほぼ全
長にわたって被加熱材の両側に近接して配置されている
から、導電部材および被加熱材に流れる電流による導電
部材と被加熱材との電磁力が両側の導電部材によって釣
り合い、導電部材が片側にのみ設けられている場合に生
じる被加熱材の振動を防ぐことができる。さらに両側に
近接配置することによってインダクタンスを小さくでき
ることから加熱効率を高めることができる。また、環状
トランスが設けられた場合には、導電部材は環状トラン
スの外周に近接配置されるので、導電部材と環状トラン
スとの磁気結合を向上させ、インダクタンスを小さくす
ることができるから、加熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通電加熱装置の第1の実施例を示す概
略構成図である。
【図2】本発明の通電加熱装置の第2の実施例を示す概
略構成図である。
【図3】本発明の通電加熱装置の第3の実施例を示す概
略構成図である。
【図4】本発明の通電加熱装置の第4の実施例を示す概
略構成図である。
【図5】従来の通電加熱装置の例を示す概略構成図であ
る。
【図6】従来の通電加熱装置の例を示す概略構成図であ
る。
【図7】通電加熱装置に用いられる環状トランスを示す
断面図である。
【図8】通電加熱装置に用いられる環状トランスを示す
断面図である。
【図9】本発明の図1の通電加熱装置による電磁力の発
生を示す図である。
【図10】従来の図5の通電加熱装置による電磁力の発
生を示す図である。
【図11】本発明の図2の通電加熱装置による電流を示
す図である。
【図12】従来の図6の通電加熱装置による電流を示す
図である。
【符号の説明】
10 電源 12 トランス 14 導電部材 20 環状トランス 22 ロ字状部材 24 一次コイル 30 金属浴 R1、R3 補助ロール R2、R4 ロール電極 S1、S2 慴動子 W 被加熱材 L 送り通路
フロントページの続き (72)発明者 芳賀 裕和 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 谷野 守彦 神奈川県平塚市四之宮798−2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続送給される被加熱材を、該被加熱材
    の送り通路の入り側に配置されたロール電極に接触させ
    るとともに、前記被加熱材の出側に設けられた導電機構
    に接触させることにより、前記被加熱材を通電加熱する
    装置において、該装置は、 前記被加熱材の送り通路の入り側に配置された前記ロー
    ル電極と、前記被加熱材の出側に設けられた導電機構と
    の間を接続する導電部材を有し、 前記導電部材は、前記ロール電極と前記導電機構との間
    の前記被加熱材の送り通路のほぼ全長にわたって前記被
    加熱材の両側に近接して配置されることを特徴とする通
    電加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記通電加熱装置はさらに、前記ロール
    電極および前記導電機構の間に交流電圧を供給する電源
    供給手段を有し、 前記電源供給手段から前記ロール電極および前記導電機
    構を通して前記被加熱材に通電することにより、前記被
    加熱材を加熱することを特徴とする請求項1に記載の通
    電加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記通電加熱装置はさらに、前記ロール
    電極および前記導電機構の間に配置された環状トランス
    を有し、 前記環状トランスは電源に接続されるとともに環内が前
    記被加熱材の送り通路となるように形成され、前記環状
    トランスにより前記被加熱材に誘起される電圧によって
    前記被加熱材が加熱され、 前記導電部材は、前記環状トランスが配置された前記被
    加熱材の送り通路においては、前記環状トランスの外周
    に近接して配置されることを特徴とする請求項1に記載
    の通電加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記導電機構は、前記被加熱材の送り通
    路の出側に配置されたロール電極であることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の通電加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記導電機構は、前記被加熱材の送り通
    路の出側に配置された金属浴であり、前記被加熱材は前
    記金属浴を通して送給され、前記導電部材は端部を前記
    金属浴に浸されていることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の通電加熱装置。
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