JP2532829Y2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2532829Y2
JP2532829Y2 JP10982791U JP10982791U JP2532829Y2 JP 2532829 Y2 JP2532829 Y2 JP 2532829Y2 JP 10982791 U JP10982791 U JP 10982791U JP 10982791 U JP10982791 U JP 10982791U JP 2532829 Y2 JP2532829 Y2 JP 2532829Y2
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学 園部
哲嗣 土斐崎
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Kitashiba Electric Co Ltd
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Toshiba Corp
Kitashiba Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は連続的に搬送されてくる
帯状の被加熱材を誘導加熱するC形インダクターに関
し、特に被加熱材端部の加熱機構を改良したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄鋼圧延ラインなどでは被加熱
材を予め所定の温度に加熱してから連続的に搬送しなが
ら順次圧延ミルで圧延して薄板に成形する過程で、被加
熱材の端部側の温度が次第に降下していく問題がある。
このように端部側が温度降下して全体に温度が不均一の
まま圧延すると品質が一定せず、端部側の硬度が高くな
って被加熱材が割れたり、圧延ミルのローラが摩耗する
などの問題が発生するため、鉄鋼圧延ラインの圧延ミル
の上流側に被加熱材の端部を局部的に加熱する誘導加熱
装置が設置されている。
【0003】この従来の誘導加熱装置としてはE形イン
ダクターとC形インダクターとがある。このE形インダ
クターは、E形鉄心に加熱コイルを巻回しその表面に耐
熱板を被覆したインダクターを被加熱材の左右両端の上
下に対向して配置し、上部インダクターと下部インダク
ターとの間で磁束を発生させ、この磁束を被加熱材に鎖
交させることにより渦電流を誘起させ、この電流と被加
熱材自身の抵抗によりジュール熱を発生させて加熱する
ようになっている。
【0004】またC形インダクターは図2に示すよう
に、C形鉄心1の開口部2を挟んで上下の鉄心脚部3
A、3Bに夫々加熱コイル4を巻回し、前記開口部2に
被加熱材5の端部を通過させて、ここを上下に貫通する
磁束6で誘導加熱するようになっている。
【0005】このC形インダクターを用いた誘導加熱装
置は、上下に分離して配置するE形インダクターに比べ
て磁束の通路に大きなエアーギャップがなく、C形鉄心
1の内部に磁束6が通過するループが形成されるため加
熱効率が優れ、上下の脚部3A、3Bの間隔を大きくと
っても効率の低下が少ないので1000℃以上に加熱される
被加熱材5からの輻射熱による加熱コイル4への影響を
少なくできる利点がある。
【0006】しかしながらこのように構成されたC形イ
ンダクターは、被加熱材5がキューリー点を超えた非磁
性体であるため、上下の脚部3A、3Bの間の開口部2
を通過する磁束6がその中間で大きく外側に膨らむ傾向
がある。このため、最も加熱する必要のある被加熱材5
の端部を貫通する磁束5の密度が少なくなるので加熱温
度が高くならず、外側に膨らんで被加熱材5の端部を通
らず無効となる磁束6が多くなって加熱効率が低下する
問題があり、その分、電源容量を大容量化しなければな
らなかった。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】本考案は上記欠点を除
去し、被加熱材を通らず無効となる漏れ磁束を少なくし
て、最も加熱する必要のある被加熱材の端部を貫通する
磁束の密度を上げて加熱効率を向上させ、電源容量を小
型化することができる誘導加熱装置を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、C形鉄心の開
口部を挟んで上下の鉄心脚部に、夫々加熱コイルを巻回
したC形インダクターの、前記上下の鉄心脚部の被加熱
材が通過する開口部に対向する面の端部側に、C形鉄心
の内側に向かって開口部の間隔が広くなる傾斜面を夫々
形成したことを特徴としたものである。
【0009】
【作用】本考案の誘導加熱装置は、C形インダクターを
被加熱材の両側に配置して、被加熱材の端部側を開口部
に通過させる。この状態で加熱コイルに通電すると磁束
が発生し、この磁束は開口部を上下に貫通してC形鉄心
の内部を通るループが形成される。
【0010】この時、開口部に面する上下の鉄心脚部の
端部側に傾斜面が夫々形成されて、C形鉄心の内側に向
かって開口部の間隔が広くなっているので、磁束は上下
の鉄心脚部の間隔が狭い平行面の間を通過し易くなる。
このため磁束が膨らまずに集中して、最も加熱を必要と
する被加熱材の端部を貫通する磁束の密度が高くなり、
この部分を局部的に加熱することができる。
【0011】
【実施例】以下本考案の実施例を図1を参照して詳細に
説明する。けい素鋼板を積層してC形鉄心1が形成さ
れ、このC形鉄心1の開口部2を挟んで上下の鉄心脚部
3A、3Bに夫々加熱コイル4、4が巻回されてC形イ
ンダクターが形成されている。このC形インダクター
の、前記上下の鉄心脚部3A、3Bの被加熱材5が通過
する開口部2に対向する面の端部側に、C形鉄心1の内
側に向かって開口部2の間隔が広くなる傾斜面7、7が
夫々形成されている。
【0012】この傾斜面7の幅は、脚部3A、3Bの幅
の25〜50%程度の範囲で形成し、その傾斜角度は1
0〜30度程度が好ましい。この場合、傾斜面7の幅が
狭すぎると漏れ磁束が多くなり、また幅が広すぎると被
加熱材5の端部より内側が加熱されてしまう。また傾斜
面7の傾斜角度が小さいと漏れ磁束が多くなり、また角
度が大きすぎると、被加熱材5の端部が必要以上に加熱
されて均一な温度にならないので上記範囲が好ましい。
【0013】従って上記構成の誘導加熱装置は、C形イ
ンダクターを被加熱材5の左右両側に配置して被加熱材
5の端部を開口部2に通過させる。この状態で図示しな
い交流電源より上下の加熱コイル4、4に通電するとこ
こで磁束6が発生し、この磁束6は開口部2を上下に貫
通してC形鉄心1の内部を通るループが形成される。
【0014】この時、開口部2に面する上下の鉄心脚部
3A、3Bの端部側に傾斜面7、7が夫々形成されて、
C形鉄心1の内側に向かって開口部2の間隔が広くなっ
ているので、磁束6は上下の鉄心脚部3A、3Bの間隔
が狭い平行面8、8の間の開口部2を通過し易く、間隔
が広い傾斜面7、7の間では通過しにくくなる。このた
め磁束6が膨らまずに平行面8、8の間に集中して、最
も加熱を必要とする被加熱材5の端部を貫通する磁束の
密度が高くなり、この部分を局部的に効率よく加熱する
ことができる。
【0015】
【考案の効果】以上説明した如く本考案によれば、鉄心
脚部の被加熱材が通過する開口部に対向する面の端部側
に、C形鉄心の内側に向かって開口部の間隔が広くなる
傾斜面を形成することにより磁束を被加熱材の端部に集
中させ、ここを貫通する磁束の密度を上げて無効となる
漏れ磁束を少なくして加熱効率を向上させ、電源容量を
小型化した誘導加熱装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例による誘導加熱装置を示す正面
図である。
【図2】従来の誘導加熱装置を示す正面図である。
【符合の説明】 1 C形鉄心 2 開口部 3A 脚部 3B 脚部 4 加熱コイル 5 被加熱材 6 磁束 7 傾斜面 8 平行面

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】C形鉄心の開口部を挟んで上下の鉄心脚部
    に、夫々加熱コイルを巻回したC形インダクターの、前
    記上下の鉄心脚部の被加熱材が通過する開口部に対向す
    る面の端部側に、C形鉄心の内側に向かって開口部の間
    隔が広くなる傾斜面を夫々形成したことを特徴とする誘
    導加熱装置。
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