JP3045007B2 - 金属板の誘導加熱方法及び装置 - Google Patents
金属板の誘導加熱方法及び装置Info
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- JP3045007B2 JP3045007B2 JP6135535A JP13553594A JP3045007B2 JP 3045007 B2 JP3045007 B2 JP 3045007B2 JP 6135535 A JP6135535 A JP 6135535A JP 13553594 A JP13553594 A JP 13553594A JP 3045007 B2 JP3045007 B2 JP 3045007B2
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- metal plate
- induction heating
- turn coil
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
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- General Induction Heating (AREA)
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソレノイド方式のシン
グルターンコイルによる誘導加熱で金属板を加熱する方
法及びその誘導加熱装置に関する。
グルターンコイルによる誘導加熱で金属板を加熱する方
法及びその誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板の誘導加熱は、亜鉛メッキ鋼板の
合金化、錫メッキ鋼板のリフロー処理、塗装鋼板の乾燥
などに適用されている。誘導加熱というのは、交流電源
に接続されたコイルを被加熱物の周辺に配置し、交番磁
界により誘起される渦電流のジュール熱で、物体を加熱
する方法である。交番磁界を被加熱物に垂直に交差させ
るトランスバース方式と、コイルで被加熱物を巻くよう
に配置して、交番磁界を被加熱物に平行に印加するソレ
ノイド方式の2通りがあり、用途によって選択される。
薄板加熱の場合、板幅方向に均一な加熱が必要なことか
ら、ソレノイド方式が適している。また、ソレノイド方
式にも、1つの電源に対して、複数回コイルを巻くマル
チターン方式と、1回だけ巻くシングルターン方式があ
る。
合金化、錫メッキ鋼板のリフロー処理、塗装鋼板の乾燥
などに適用されている。誘導加熱というのは、交流電源
に接続されたコイルを被加熱物の周辺に配置し、交番磁
界により誘起される渦電流のジュール熱で、物体を加熱
する方法である。交番磁界を被加熱物に垂直に交差させ
るトランスバース方式と、コイルで被加熱物を巻くよう
に配置して、交番磁界を被加熱物に平行に印加するソレ
ノイド方式の2通りがあり、用途によって選択される。
薄板加熱の場合、板幅方向に均一な加熱が必要なことか
ら、ソレノイド方式が適している。また、ソレノイド方
式にも、1つの電源に対して、複数回コイルを巻くマル
チターン方式と、1回だけ巻くシングルターン方式があ
る。
【0003】シングルターン方式には、コイル隙間がな
いため磁束の漏れが少ないこと、コイルの構成が簡単な
こと、省スペース効果が大きいことなど、有利な点が多
い。しかし、従来の誘導加熱装置は、ほとんどの場合マ
ルチターン方式である(特開昭61−207563号、
特開平5−156420号、特開平2−254146
号、特開平4−228528号、特開平1−10475
4号)。
いため磁束の漏れが少ないこと、コイルの構成が簡単な
こと、省スペース効果が大きいことなど、有利な点が多
い。しかし、従来の誘導加熱装置は、ほとんどの場合マ
ルチターン方式である(特開昭61−207563号、
特開平5−156420号、特開平2−254146
号、特開平4−228528号、特開平1−10475
4号)。
【0004】図9に、従来のマルチターン方式の構成を
示す。図において、5はマルチターンコイルで、交流電
源装置6に接続されており、このマルチターンコイル5
の中を金属板10を通すことにより、金属板10を誘導
加熱で連続的に加熱することができる。
示す。図において、5はマルチターンコイルで、交流電
源装置6に接続されており、このマルチターンコイル5
の中を金属板10を通すことにより、金属板10を誘導
加熱で連続的に加熱することができる。
【0005】電源周波数としては、主に10kHz程度
の低い周波数が用いられている(特開平5−15642
0号、特開平4−228528号、特開平1−1047
54号)。これは、マルチターンコイルの場合、比較的
低い周波数で加熱速度が最も速くなるという理由による
ものと思われる。但し、中には10kHz以上の高い周
波数を用いるものもある(特開昭61−207563
号)。しかし、同公報でもマルチターンコイルを用いて
いると思われる。一方、錫メッキ鋼板のリフロー処理設
備では、従来から100kHz程度の高周波数が用いら
れていたが、この場合は、加熱速度が遅いことを容認し
なければならなかった。
の低い周波数が用いられている(特開平5−15642
0号、特開平4−228528号、特開平1−1047
54号)。これは、マルチターンコイルの場合、比較的
低い周波数で加熱速度が最も速くなるという理由による
ものと思われる。但し、中には10kHz以上の高い周
波数を用いるものもある(特開昭61−207563
号)。しかし、同公報でもマルチターンコイルを用いて
いると思われる。一方、錫メッキ鋼板のリフロー処理設
備では、従来から100kHz程度の高周波数が用いら
れていたが、この場合は、加熱速度が遅いことを容認し
なければならなかった。
【0006】誘導加熱においては、金属板の単位表面積
当たりに投入可能な電力、すなわち投入可能電力密度
は、コイルに印加可能な電圧の最大値や、実用上の電力
効率を高くするために、その大きさが制限される。
当たりに投入可能な電力、すなわち投入可能電力密度
は、コイルに印加可能な電圧の最大値や、実用上の電力
効率を高くするために、その大きさが制限される。
【0007】この点から、従来のマルチターン方式によ
る加熱では、投入可能電力密度が小さく、かつ加熱速度
が遅いため、所定の温度まで昇温するのに時間がかか
る、処理能率が悪い、設備が大型化する等の問題が
ある。特に薄板を加熱しようとする場合に、この傾向は
顕著となる。
る加熱では、投入可能電力密度が小さく、かつ加熱速度
が遅いため、所定の温度まで昇温するのに時間がかか
る、処理能率が悪い、設備が大型化する等の問題が
ある。特に薄板を加熱しようとする場合に、この傾向は
顕著となる。
【0008】これに対して、従来のシングルターン方式
では、前述のごとく多くの利点があるが、コイルに印加
すべき周波数の範囲をどの程度にすべきかについて確定
されているわけではない。
では、前述のごとく多くの利点があるが、コイルに印加
すべき周波数の範囲をどの程度にすべきかについて確定
されているわけではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この問題を
理論的に解明し、シングルターン方式の活用を図ること
にある。
理論的に解明し、シングルターン方式の活用を図ること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属板の誘
導加熱方法は、ソレノイド方式のシングルターンコイル
による誘導加熱で金属板を加熱する方法において、前記
シングルターンコイルに式を満たす周波数を印加する
ことを特徴とする。
導加熱方法は、ソレノイド方式のシングルターンコイル
による誘導加熱で金属板を加熱する方法において、前記
シングルターンコイルに式を満たす周波数を印加する
ことを特徴とする。
【数5】
【0011】また、設備全体の仕様から、誘導加熱装置
に要求される電力密度が定められている場合には、前記
シングルターンコイルに印加すべき周波数を式で表わ
される範囲に定めることを特徴とする。
に要求される電力密度が定められている場合には、前記
シングルターンコイルに印加すべき周波数を式で表わ
される範囲に定めることを特徴とする。
【数6】
【0012】さらに、実用的には、金属板の板厚が0.
1〜3mmの場合において、前記シングルターンコイルに
印加すべき周波数を30〜200kHzとすることを特
徴とする。
1〜3mmの場合において、前記シングルターンコイルに
印加すべき周波数を30〜200kHzとすることを特
徴とする。
【0013】本発明に係る金属板の誘導加熱装置は、金
属板の周囲を1回だけ巻いて形成したソレノイド方式の
シングルターンコイルと、前記シングルターンコイルに
前記式または式で表わされる周波数を印加する交流
電源装置を備えたことを特徴とする。
属板の周囲を1回だけ巻いて形成したソレノイド方式の
シングルターンコイルと、前記シングルターンコイルに
前記式または式で表わされる周波数を印加する交流
電源装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明における式、式は、以下に述べる薄
板に対する理論式から導かれる。
板に対する理論式から導かれる。
【0015】(1)電流浸透深さ 金属表面に平行な交番磁束によって金属内部に誘起され
る電流は、金属表面に集中する性質がある。電流密度は
表面で最も大きく、内部に向かって指数関数的に減少す
る。一般的には、表面からの距離δの領域に、表面と等
しい電流密度で一様に電流が流れると考え、この距離δ
を電流の浸透深さと呼ぶ。浸透深さは次式で定義され
る。
る電流は、金属表面に集中する性質がある。電流密度は
表面で最も大きく、内部に向かって指数関数的に減少す
る。一般的には、表面からの距離δの領域に、表面と等
しい電流密度で一様に電流が流れると考え、この距離δ
を電流の浸透深さと呼ぶ。浸透深さは次式で定義され
る。
【0016】
【数7】
【0017】δが金属の断面寸法に対して十分小さい場
合、金属に吸収される電力密度は、 p=ρ・H2 /δ [W/m2 ] で表わされる。Hは磁界の強さ[A/m]である。δが断
面に対して小さくない場合は、上式は成立しない。ここ
で投入電力係数Kを導入し、δが小さくない場合を含め
て上式を一般化すると、次式のようになる。
合、金属に吸収される電力密度は、 p=ρ・H2 /δ [W/m2 ] で表わされる。Hは磁界の強さ[A/m]である。δが断
面に対して小さくない場合は、上式は成立しない。ここ
で投入電力係数Kを導入し、δが小さくない場合を含め
て上式を一般化すると、次式のようになる。
【0018】
【数8】
【0019】Kは金属の断面寸法とδとの比の関数であ
る。金属板の場合の投入電力係数KT は次式で与えら
れ、図3のグラフのようになる。
る。金属板の場合の投入電力係数KT は次式で与えら
れ、図3のグラフのようになる。
【0020】
【数9】
【0021】KT はa/δ>5のとき、実質的に1に等
しい。a/δ=πのときにKT は最大となる。これは板
の両面に誘起される電流のピンチング効果によるもので
ある。a/δ<πでは、電流は板内部で相殺し、KT は
急激に減少して0となる。
しい。a/δ=πのときにKT は最大となる。これは板
の両面に誘起される電流のピンチング効果によるもので
ある。a/δ<πでは、電流は板内部で相殺し、KT は
急激に減少して0となる。
【0022】KT が減少するにつれて装置の効率も低下
し、運転に必要な電力供給能力を増加させなければなら
なくなる。すなわち装置のコストも増加する。したがっ
て、装置を設計する上で、a/δの限界値が定まる。こ
の限界値をkで表わすと、k=2がシステム効率の面か
ら定まる下限値である。この下限値kと(1)式より、
実用上の最小板厚が定まる。
し、運転に必要な電力供給能力を増加させなければなら
なくなる。すなわち装置のコストも増加する。したがっ
て、装置を設計する上で、a/δの限界値が定まる。こ
の限界値をkで表わすと、k=2がシステム効率の面か
ら定まる下限値である。この下限値kと(1)式より、
実用上の最小板厚が定まる。
【0023】
【数10】
【0024】非磁性材料ではμ=一定であり、最小板厚
はω-1/2に比例する。
はω-1/2に比例する。
【0025】磁性材料において、μは磁界の強さHの関
数である。磁性体の透磁率は、次式で表わされる。
数である。磁性体の透磁率は、次式で表わされる。
【0026】
【数11】
【0027】(2)投入電力密度 投入電力密度pは設計上非常に重要な要素である。
(1)式、(2)式、(5)式より、pは次式で表わさ
れる。
(1)式、(2)式、(5)式より、pは次式で表わさ
れる。
【0028】
【数12】
【0029】また(4)式、(5)式、(6)式より、
最終的に、pは次式で与えられる。
最終的に、pは次式で与えられる。
【0030】
【数13】
【0031】この式より、ある厚さaの金属板(鋼板)
に投入できる電力密度の最大値は、ω2 に比例すること
がわかる。電力密度pと全投入可能電力Pとの関係は、 P=2L・d・p (但し、d:板幅、L:コイルの長
さ) であるから、ある全投入可能電力Pに対するコイルの最
小長さLを導き出せる。
に投入できる電力密度の最大値は、ω2 に比例すること
がわかる。電力密度pと全投入可能電力Pとの関係は、 P=2L・d・p (但し、d:板幅、L:コイルの長
さ) であるから、ある全投入可能電力Pに対するコイルの最
小長さLを導き出せる。
【0032】
【数14】
【0033】この式より、ある一定の電力に対して必要
なコイル長さは、周波数を増加させることで大きく減少
させることができる。従来のように低い周波数の電源を
用いる場合、a/δ比が小さく、したがって鋼板内部で
相殺される電流が大きいので、これに見合うだけコイル
を長くする必要がある。コイルを長くすると、設置スペ
ースや装置が大きくなるだけでなく、放熱による損失を
増加させ、また鋼板の両端部は中央部より冷えやすいこ
とから、不均一な温度分布を生じるといった問題が起き
る。
なコイル長さは、周波数を増加させることで大きく減少
させることができる。従来のように低い周波数の電源を
用いる場合、a/δ比が小さく、したがって鋼板内部で
相殺される電流が大きいので、これに見合うだけコイル
を長くする必要がある。コイルを長くすると、設置スペ
ースや装置が大きくなるだけでなく、放熱による損失を
増加させ、また鋼板の両端部は中央部より冷えやすいこ
とから、不均一な温度分布を生じるといった問題が起き
る。
【0034】(3)コイル巻数と最大電圧 n回巻のコイルの印加電圧Uは、次式で与えられる。 U=n・S・ω・B=μ0 ・n・S・ω・H [V] ここで、 S:1巻当たりのコイルの断面積[m2 /turn ] B:空隙の磁束密度=μ0 ・H[Wb / m2 ] (6)式を用いてHを消去すると、次式が得られる。
【0035】
【数15】
【0036】ブスバー、コンバータ等での損失を低減す
るため、絶縁の許容する限り高い電圧を使うのが普通で
あり、Uは一定値と考える。この式から、周波数が高い
ほど投入電力密度pは低く制限されるように見えるが、
一方低周波数では(1)項で述べたようなk値の制約か
ら、特に対象とする板厚が薄いほどpは制限される。そ
して例えば100 kHzにおける最大投入電力密度と、10
kHzにおけるそれを比べると、100 kHzのほうが十
分大きく、高周波数の使用による制約は、実用上問題と
ならない。このことは図4、図5のグラフから明らか
で、ガルバニール炉の例では、100 kHzでシングルタ
ーンコイルを用いた場合、最大投入電力密度は約28W/c
m 2 なのに対し、10kHzでは板厚0.7mm でも約25W/c
m 2 、板厚0.35mmではわずか3W/cm 2 である。
るため、絶縁の許容する限り高い電圧を使うのが普通で
あり、Uは一定値と考える。この式から、周波数が高い
ほど投入電力密度pは低く制限されるように見えるが、
一方低周波数では(1)項で述べたようなk値の制約か
ら、特に対象とする板厚が薄いほどpは制限される。そ
して例えば100 kHzにおける最大投入電力密度と、10
kHzにおけるそれを比べると、100 kHzのほうが十
分大きく、高周波数の使用による制約は、実用上問題と
ならない。このことは図4、図5のグラフから明らか
で、ガルバニール炉の例では、100 kHzでシングルタ
ーンコイルを用いた場合、最大投入電力密度は約28W/c
m 2 なのに対し、10kHzでは板厚0.7mm でも約25W/c
m 2 、板厚0.35mmではわずか3W/cm 2 である。
【0037】図4、図5は、k=2の場合の最大電力密
度を示すグラフであり、(7)式、(9)式の曲線を、
横軸に周波数をとり、それぞれ錫メッキ鋼板のリフロ
ー、ガルバニール炉(亜鉛メッキ鋼板の合金化炉)の場
合について、表わしたものである。また、k=2という
値は、システムの効率と言う観点のみから言えば妥当な
数値である。
度を示すグラフであり、(7)式、(9)式の曲線を、
横軸に周波数をとり、それぞれ錫メッキ鋼板のリフロ
ー、ガルバニール炉(亜鉛メッキ鋼板の合金化炉)の場
合について、表わしたものである。また、k=2という
値は、システムの効率と言う観点のみから言えば妥当な
数値である。
【0038】また、電力密度が同じならば、周波数が高
いほど、コイルの巻数は少なくて済む。(10)式から、巻
線回数nはω-2/3に比例する。例えば100 kHzでシン
グルターンコイルが使えるとすれば、10kHzでは5回
巻のコイルが必要になる。
いほど、コイルの巻数は少なくて済む。(10)式から、巻
線回数nはω-2/3に比例する。例えば100 kHzでシン
グルターンコイルが使えるとすれば、10kHzでは5回
巻のコイルが必要になる。
【0039】(7)式において、コイルの巻数にかかわ
らず、実用上の電力効率の下限から、投入可能な電力密
度は次式のような範囲となる。すなわち、(7)式に、
k=2、KT =0.81、α=0.9 、ω=2πfを代入する
と、(11)式が得られる。
らず、実用上の電力効率の下限から、投入可能な電力密
度は次式のような範囲となる。すなわち、(7)式に、
k=2、KT =0.81、α=0.9 、ω=2πfを代入する
と、(11)式が得られる。
【0040】
【数16】
【0041】一方、(9)式において、コイルに印加可
能な電圧の上限から、投入可能な電力密度は次式のよう
な範囲となる。すなわち、(9)式に、μ0 =4π×10
-7、α=0.9 、ω=2πfを代入すると、(12)式が得ら
れる。
能な電圧の上限から、投入可能な電力密度は次式のよう
な範囲となる。すなわち、(9)式に、μ0 =4π×10
-7、α=0.9 、ω=2πfを代入すると、(12)式が得ら
れる。
【0042】
【数17】
【0043】(11)式、(12)式の関係をグラフに表わす
と、図6のようになる。この図より、金属板の厚さ、コ
イルで囲まれる空間の断面積、コイルに印加する電圧が
同じならば、コイルの巻数が少ないほど、周波数の選択
により投入電力密度を大きくできることがわかる。
と、図6のようになる。この図より、金属板の厚さ、コ
イルで囲まれる空間の断面積、コイルに印加する電圧が
同じならば、コイルの巻数が少ないほど、周波数の選択
により投入電力密度を大きくできることがわかる。
【0044】シングルターンコイルの場合、(11)式の曲
線と、n=2のときの(12)式の曲線の交点における周波
数f0 以上の周波数を選択すれば、投入電力密度を常に
n=2のときよりも大きくすることができる。f0 は次
式を連立して解き、(12a) 式において、KT =0.81、n
=2とおけば、(14)式が得られる。したがって、f≧f
0 のとき、すなわち、式を満たす周波数を使用するこ
とにより、マルチターンコイルを用いる場合よりも大き
な投入電力密度を得ることが可能になる。
線と、n=2のときの(12)式の曲線の交点における周波
数f0 以上の周波数を選択すれば、投入電力密度を常に
n=2のときよりも大きくすることができる。f0 は次
式を連立して解き、(12a) 式において、KT =0.81、n
=2とおけば、(14)式が得られる。したがって、f≧f
0 のとき、すなわち、式を満たす周波数を使用するこ
とにより、マルチターンコイルを用いる場合よりも大き
な投入電力密度を得ることが可能になる。
【0045】
【数18】
【0046】また、設備全体の仕様から、誘導加熱装置
に要求される電力密度を得るため、同じくシングルター
ンコイルを用い、式によって周波数、コイル印加電圧
を選択すれば、従来よりも低いコイル印加電圧で、要求
される電力密度が実現可能になる。
に要求される電力密度を得るため、同じくシングルター
ンコイルを用い、式によって周波数、コイル印加電圧
を選択すれば、従来よりも低いコイル印加電圧で、要求
される電力密度が実現可能になる。
【0047】式は、図6に示すように、所要の電力密
度p0 に対する周波数の下限値f1と上限値f2 を求め
たものである。f1 は(11)式より、f2 は(12)式より、
それぞれ下記のように求まる。
度p0 に対する周波数の下限値f1と上限値f2 を求め
たものである。f1 は(11)式より、f2 は(12)式より、
それぞれ下記のように求まる。
【0048】
【数19】
【0049】したがって、f1 ≦f≦f2 なる範囲で、
p0 以上の電力密度が得られる。実用的には、板厚a=
0.1 〜3mmに対して、30kHz≦f≦200 kHzの範囲
が適当である。
p0 以上の電力密度が得られる。実用的には、板厚a=
0.1 〜3mmに対して、30kHz≦f≦200 kHzの範囲
が適当である。
【0050】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す誘導加熱装置
の構成図である。図中、1はソレノイド方式のシングル
ターンコイルで、2はこのコイル1に、式または式
による周波数、電圧を印加する交流電源装置である。コ
イルの最小長さLは、金属板10の断面寸法に応じて、
(8)式より決められる。また、図2は金属板10とコ
イル1の位置関係を示す断面図で、コイル1で囲まれる
空間の断面積Sを斜線で示してある。
の構成図である。図中、1はソレノイド方式のシングル
ターンコイルで、2はこのコイル1に、式または式
による周波数、電圧を印加する交流電源装置である。コ
イルの最小長さLは、金属板10の断面寸法に応じて、
(8)式より決められる。また、図2は金属板10とコ
イル1の位置関係を示す断面図で、コイル1で囲まれる
空間の断面積Sを斜線で示してある。
【0051】次に、本発明を、亜鉛メッキ鋼板の合金化
炉に適用した例を図7により説明する。
炉に適用した例を図7により説明する。
【0052】この例では、図1に示す構成のシングルタ
ーンコイル1を鋼板10の搬送方向に3つ並べた状態の
誘導加熱炉11が設けられている。印加すべき周波数は
すべて30kHzとしたが、もちろん個々の周波数を変え
てもよいものである。鋼板10には板厚0.4 mm、板幅12
00mmのものを使用した。
ーンコイル1を鋼板10の搬送方向に3つ並べた状態の
誘導加熱炉11が設けられている。印加すべき周波数は
すべて30kHzとしたが、もちろん個々の周波数を変え
てもよいものである。鋼板10には板厚0.4 mm、板幅12
00mmのものを使用した。
【0053】連続的に搬送される鋼板10は、亜鉛メッ
キ浴12の中を通過し、メッキ厚さ調整装置13でメッ
キ厚さを調整された後、誘導加熱炉11で合金化の進行
しやすい温度まで昇温し、ついで保持帯14により、あ
る所定の合金化が進行するのに必要な時間保持され、そ
の後冷却帯15で冷却されてからロールに巻き掛けられ
て搬送方向を変える。この工程は1パスで構成されるた
め、非常に長いパス長となり、したがって設備の高さが
高くなり、多大の設備費がかかるものである。これを、
上記のようなシングルターンコイル1を用いた誘導加熱
炉11として構成することにより、加熱性能を同等以上
に保持したまま、誘導加熱炉長を従来の約1/2以下に
短縮することができた。よって、設備費の大幅な削減が
可能である。
キ浴12の中を通過し、メッキ厚さ調整装置13でメッ
キ厚さを調整された後、誘導加熱炉11で合金化の進行
しやすい温度まで昇温し、ついで保持帯14により、あ
る所定の合金化が進行するのに必要な時間保持され、そ
の後冷却帯15で冷却されてからロールに巻き掛けられ
て搬送方向を変える。この工程は1パスで構成されるた
め、非常に長いパス長となり、したがって設備の高さが
高くなり、多大の設備費がかかるものである。これを、
上記のようなシングルターンコイル1を用いた誘導加熱
炉11として構成することにより、加熱性能を同等以上
に保持したまま、誘導加熱炉長を従来の約1/2以下に
短縮することができた。よって、設備費の大幅な削減が
可能である。
【0054】図8(a)は鋼板の連続焼鈍炉の加熱帯の
一部に本発明を適用した実施例であり、同図(b)は従
来例である。つまり(b)に示すマルチターンコイル5
の部分をシングルターンコイル1に変えることにより、
(a)のように構成を簡潔にしたものである。この実施
例では、周波数を100 kHzとした。連続焼鈍炉の加熱
帯において、例えば常温の鋼板10を650 ℃まで誘導加
熱により昇温しようとすると、従来のマルチターンコイ
ル5では有効炉長50m、パス数にして3パスが必要で
あった。これを、本発明を適用して(a)のように構成
すると、同一処理能力を持つ誘導加熱炉が有効炉長で約
20m、パス数は1パスで昇温することができた。した
がって、この場合も従来と比較して設備費を大幅に削減
することが可能である。
一部に本発明を適用した実施例であり、同図(b)は従
来例である。つまり(b)に示すマルチターンコイル5
の部分をシングルターンコイル1に変えることにより、
(a)のように構成を簡潔にしたものである。この実施
例では、周波数を100 kHzとした。連続焼鈍炉の加熱
帯において、例えば常温の鋼板10を650 ℃まで誘導加
熱により昇温しようとすると、従来のマルチターンコイ
ル5では有効炉長50m、パス数にして3パスが必要で
あった。これを、本発明を適用して(a)のように構成
すると、同一処理能力を持つ誘導加熱炉が有効炉長で約
20m、パス数は1パスで昇温することができた。した
がって、この場合も従来と比較して設備費を大幅に削減
することが可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ソレノ
イド方式のシングルターンコイルを用い、かつそのコイ
ルに印加すべき周波数を式または式により決定する
こととしたので、従来以上の高い電力密度で急速加熱が
可能になり、シングルターンコイルのもつ加熱時間の短
縮、設備長の短縮、処理能率の向上などといった優れた
長所を有効に発揮させることができる。
イド方式のシングルターンコイルを用い、かつそのコイ
ルに印加すべき周波数を式または式により決定する
こととしたので、従来以上の高い電力密度で急速加熱が
可能になり、シングルターンコイルのもつ加熱時間の短
縮、設備長の短縮、処理能率の向上などといった優れた
長所を有効に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】金属板とコイルの位置関係を示す断面図であ
る。
る。
【図3】金属板の投入電力係数のグラフである。
【図4】錫メッキ鋼板のリフローにおける電力密度のグ
ラフである。
ラフである。
【図5】ガルバニール炉における電力密度のグラフであ
る。
る。
【図6】周波数、コイル巻数と投入可能電力密度の関係
を表わすグラフである。
を表わすグラフである。
【図7】本発明の実施例である亜鉛メッキ鋼板の合金化
設備の説明図である。
設備の説明図である。
【図8】鋼板の連続焼鈍炉の加熱帯の一部を示す説明図
で、(a)は本発明の実施例、(b)は従来例である。
で、(a)は本発明の実施例、(b)は従来例である。
【図9】従来のマルチターン方式の概略構成図である。
1 シングルターンコイル 2 交流電源装置 10 金属板
Claims (5)
- 【請求項1】 ソレノイド方式のシングルターンコイル
による誘導加熱で金属板を加熱する方法において、 前記シングルターンコイルに式を満たす周波数を印加
することを特徴とする金属板の誘導加熱方法。 【数1】 - 【請求項2】 ソレノイド方式のシングルターンコイル
による誘導加熱で金属板を加熱する方法において、 前記シングルターンコイルに式を満たす周波数を印加
することを特徴とする金属板の誘導加熱方法。 【数2】 - 【請求項3】 金属板の板厚が0.1〜3mmの場合にお
いて、前記シングルターンコイルに印加すべき周波数を
30〜200kHzとしたことを特徴とする請求項1ま
たは請求項2記載の金属板の誘導加熱方法。 - 【請求項4】 金属板の周囲を1回だけ巻いて形成した
ソレノイド方式のシングルターンコイルと、 前記シングルターンコイルに式を満たす周波数を印加
する交流電源装置を備えたことを特徴とする金属板の誘
導加熱装置。 【数3】 - 【請求項5】 金属板の周囲を1回だけ巻いて形成した
ソレノイド方式のシングルターンコイルと、 前記シングルターンコイルに式を満たす周波数を印加
する交流電源装置を備えたことを特徴とする金属板の誘
導加熱装置。 【数4】
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6135535A JP3045007B2 (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 金属板の誘導加熱方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6135535A JP3045007B2 (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 金属板の誘導加熱方法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH088051A JPH088051A (ja) | 1996-01-12 |
| JP3045007B2 true JP3045007B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=15154054
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6135535A Expired - Lifetime JP3045007B2 (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 金属板の誘導加熱方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3045007B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2808163B1 (fr) * | 2000-04-19 | 2002-11-08 | Celes | Dispositif de chauffage par induction a flux transverse a circuit magnetique de largeur variable |
| US6717118B2 (en) | 2001-06-26 | 2004-04-06 | Husky Injection Molding Systems, Ltd | Apparatus for inductive and resistive heating of an object |
| US6781100B2 (en) | 2001-06-26 | 2004-08-24 | Husky Injection Molding Systems, Ltd. | Method for inductive and resistive heating of an object |
| FR2852187A1 (fr) * | 2003-03-07 | 2004-09-10 | Celes | Dispositif de chauffage par induction d'une bande metallique |
| JP4035122B2 (ja) * | 2004-09-03 | 2008-01-16 | 新日本製鐵株式会社 | 幅方向の均温性に優れた鋼帯の加熱方法 |
| JP4332203B2 (ja) | 2007-09-27 | 2009-09-16 | 新日本製鐵株式会社 | 誘導加熱コイルの絶縁構造 |
| CN106941739A (zh) * | 2017-05-18 | 2017-07-11 | 湖南中科电气股份有限公司 | 一种连续加热装置的感应器 |
| JP6866410B2 (ja) * | 2019-02-20 | 2021-04-28 | 島田理化工業株式会社 | トンネル型加熱コイルを用いた誘導加熱方法 |
-
1994
- 1994-06-17 JP JP6135535A patent/JP3045007B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH088051A (ja) | 1996-01-12 |
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