JP2004127854A - 移動加熱方法及び移動加熱装置 - Google Patents

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Yukimitsu Hanamoto
花本 幸満
Yasuyuki Taniguchi
谷口 易之
Yasuo Watanabe
渡辺 康男
Yoshiyuki Morishita
森下 芳行
Tsugio Minagawa
皆川 次夫
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

【課題】長尺の被加熱体に対する移動形式の誘導加熱において、被加熱体への入熱効率を高くするとか、加熱温度の均一化を図る技術を提供する。
【解決手段】被加熱体11の長手方向の局部に狭幅の誘導コイル12による誘導加熱を施して加熱する操作を、誘導コイルに対して被加熱体を連続的に相対移動させながら行う移動加熱方法において、誘導コイル12として、その移動方向に関して複数の要素コイル12a,12bに分割された構造の複合コイルを、要素コイル同志は非導通の形で用い、各要素コイル12a,12bには、交流通電機構13により、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用し、所望の加熱条件での誘導加熱を行う構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼材などを対象とした移動形式の誘導加熱に関し、この誘導加熱において、被加熱体への入熱効率を飛躍的に向上させるとともに電力損失率を低減することのできる技術、或いは、長手方向に直角な断面内において厚さの異なる領域を有する被加熱体に対して加熱温度(到達最高温度)のむらを低減することのできる技術などを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭62−230430号公報
【特許文献2】特開平1−99725号公報
移動形式の誘導加熱は、移動形式で行われる熱間曲げ加工、熱間据込み増肉加工、熱処理(焼入等)、溶射層再溶融処理、溶接、液相拡散接合、歪修正などの熱間処理に利用され、種々の利点をもたらしている。たとえば、集中入熱性を生かした高品質の実現(焼入等)、急速入熱性を生かした生産時間短縮(曲げ加工等)、加熱手段がコンパクトであることによる省スペース(全般)などである。そして、上記利点は、直接的ないし間接的に経済性をも高めている。
【0003】
しかしながら、上記経済性は、昨今の低コスト指向に照らして十分なものであるとは云えなかった。その一例を述べれば次の通りである。
【0004】
図10は、特許文献1(特開昭62−230430号公報)、特許文献2(特開平1−99725号公報)などに記載されている、移動形式の誘導加熱を曲げ加工に利用した装置の基本的な構造を模式的に示す図であって、1は、鋼管、条鋼などの鋼材からなる被加熱体であり、ここでは一例として肉厚tの鋼管を示している。2はその被加熱体1の長手方向の局部を誘導加熱するための狭幅の誘導コイルであり、通常、内部に冷却水の通路を備えた銅管等のパイプを環状に形成したものが用いられている。3は被加熱体1に曲げモーメントを付与するための曲げアームであり、支点Oを中心として旋回可能である。この装置では、誘導コイル2による被加熱体1の加熱を継続した状態で、被加熱体1を矢印Fで示す方向に連続的に移動させることで、誘導コイル2が被加熱体1の長手方向に相対移動しながら該被加熱体1の対向した領域4を誘導加熱して塑性変形抵抗を小さくし、曲げアーム3が旋回して被加熱体1に曲げモーメントを付与して、誘導コイル2で加熱されている領域に曲げ変形を生じさせ、曲げ変形直後の領域に誘導コイル2から冷却水などの冷却媒体5を吹き付けて冷却、硬化させることで、被加熱体1を連続的に曲げ加工することができる。この曲げ加工中において、被加熱体1は誘導コイル2を通過する間に常温から曲げ変形に適した高温にまで昇温しており、このため、被加熱体1の誘導コイル2に対向する領域1aには、図11に直線6で示すような温度勾配が生じている。なお、実際の温度勾配は、必ずしも直線状ではないが、便宜上、直線で示している。
【0005】
一般に、上記した曲げ加工を含む多くの熱間処理では、800〜1300°Cと云った、鋼材の磁気変態点(約780°C)を越える温度への加熱を要する。その場合、鋼材は、磁気変態点までの温度域では、比透磁率μ=50〜100の強磁性体として挙動し、磁気変態点を越えてからの温度域ではμ≒1.0の非磁性体として挙動する。そして、この磁気変態に伴い、鋼材に生じる誘導電流の浸透深さδは、数十〜千μmといった小さい値から、1〜数十mmといった大きい値に激変する。因みに、浸透深さδ(cm)は、誘導電流の値が交番磁束進入端の1/eに低下している深さを以て定義されており、被加熱体の体積固有抵抗と比透磁率がそれぞれρ(Ω.cm)、μ、通電周波数がf(Hz)のとき、
δ≒5000√(ρ/μf)・・・(1)
となる。そして、この深さまでの誘導電流によって全入熱の90%が賄われる。従って、誘導加熱における入熱密度は、浸透深さδが大きく影響しており、被加熱体の断面形状、寸法等に応じて、入熱密度を極大にする浸透深さδが存在する。以下、入熱密度を極大にする浸透深さをδQMAXで示す。
【0006】
誘導加熱における入熱密度を極大にする浸透深さδQMAXは、たとえば、被加熱体が一定肉厚tの板材ならば、
δQMAX≒0.4×t・・・(2)
となる。また、被加熱体が一定肉厚tの円筒材であれば、浸透深さδQMAXは、肉厚tのみならず、その円筒材の外径の影響も受けており、上記(2)式とは異なる関係式によって定まる。同様に、他の断面形状の被加熱体においても、浸透深さδQMAXは、断面形状、寸法等に応じた関係式によって定まる。そこで、ρ/μに著変のない条件下の加熱(たとえば、鋼材を磁気変態点以下の温度に加熱するケース、あるいは、非磁性金属を加熱するケース)においては、前記(1)式によって求められる浸透深さδが、入熱密度を極大にする浸透深さδQMAXとなる通電周波数fを以て誘導加熱を行うことで、入熱密度極大の高能率加熱が実施できる。また、鋼材の、磁気変態点を跨ぐ加熱でも、これを一発形式(被加熱体全体を、これに見合った寸法の誘導コイルを固定配置して同時に加熱する)で行う場合には、磁気変態点を境に通電周波数fを切り換える手法によって入熱密度極大の高能率加熱が実施できる。
【0007】
しかしながら、移動形式の誘導加熱では、加熱対象が順次移動して行くため、上記通電周波数f切り換え手法を適用できない。そこで、磁気変態点の上下どちらかの温度域を本位とした通電周波数fの選定、あるいは、折衷的な通電周波数fの選定を余儀なくされる。その結果、磁気変態点を跨ぐ移動形式の誘導加熱では、入熱効率(一定能力の電源装置から引き出される、全昇温過程で見た時間当たり入熱量を指すものとする/すなわち、目的温度までの所要加熱時間の支配要因)は、磁気変態点上下両温度域の加熱がそれぞれ、入熱密度を極大にする浸透深さδQMAXを以て行われた時の高々80%程度に過ぎないものと見なされ、これに伴って、電力ロスも高率で生じている。
【0008】
移動形式の誘導加熱は、加熱を微分領域単位で進めて行く構成により、電源装置等の規模が小さくて済むという、投資面での利点を有するが、上例のように、その電源装置の能力は低位にしか生かされていないという減点を伴っていた。云い換えれば、前記入熱効率を向上させえたならば、一定の電源装置能力内で生産速度を向上させることができ、あるいは、一定の生産速度が更に小規模の電源装置で実現され、更には、全消費電力中の無駄な電力の割合が小さくなるといった効果により、経済性は大幅に向上する筈である。
【0009】
以上の説明は一定厚さの被加熱体を連続形式で誘導加熱する場合の入熱効率に関するものであるが、誘導加熱の目的によっては、他の制約から浸透深さδを定めることが望まれる場合もある。例えば、被加熱体の表層のみを加熱することが望ましい場合、浸透深さδをある程度浅い一定の値に設定することが望まれる。しかしながら、この場合にも、磁気変態点を跨ぐ加熱を行う場合、磁気変態点の上下どちらかの温度域を本位とした通電周波数fの選定、あるいは、折衷的な通電周波数fの選定を余儀なくされ、その結果、加熱領域の全体に渡って所望の浸透深さδを得ることはできない。
【0010】
更に、被加熱体によっては、図12に示すH形鋼1Aのように、長手方向に直角な断面内において厚さの異なる領域を有するものがあり(H形鋼1Aでは、フランジ1aの厚さがウェブ1bよりも大きい)、これを、被加熱体1Aを取り囲む誘導コイル2Aで加熱する場合、厚さの異なる領域での必要熱量及び入熱密度に差が生じる。このため、厚さの厚い領域と薄い領域との加熱温度に差が生じがちであり、均一加熱が困難であった。
【0011】
また、誘導コイルによって加熱されている領域の温度勾配は、例えば、図11に直線6で示すように、到達温度を定めると、ほぼ定まってしまうが、加熱目的によっては温度勾配を場所によって変えたい(例えば、加熱初期の領域では温度勾配を急激とし、加熱終わりの領域では温度勾配をなだらかとする)場合もある。しかしながら、従来は温度勾配を自在に変えることができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の移動方式の誘導加熱では、誘導コイルに対向した加熱領域の加熱特性(浸透深さ、入熱密度、加熱温度のばらつき、温度勾配等)を所望のようには設定できないという問題があった。本発明はかかる状況に鑑みてなされたもので、移動形式の誘導加熱において、誘導コイルに対向した加熱領域の加熱特性を、従来よりも細かく設定可能とし、これによって、たとえば、被加熱体への入熱効率、すなわち、一定能力の電源装置から引き出すことのできる時間当たり入熱量を、被加熱体の磁気変態など不利な要因に影響されることなく高位に確保できるようにするとか、長手方向に直角な断面内において厚さの異なる領域を有する被加熱体を移動形式で誘導加熱する場合において、加熱温度のむらを低減することができるようにする技術を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長さのある被加熱体の長手方向の局部に狭幅の誘導コイルによる誘導加熱を施して長手方向の短区間を一過的に加熱する操作を、前記誘導コイルに対して被加熱体を連続的に相対移動させながら行うことで被加熱体の長手方向に順次適用して行く移動加熱方法において、前記誘導コイルとして、その移動方向に関して複数体の要素コイルに分割された構造の複合コイルを、要素コイル同志は非導通の形で用い、各要素コイルには、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用して、前記誘導加熱を行うという構成としたものである。
【0014】
上記構成によれば、誘導コイルを構成する各要素コイルに対する通電を、交流通電を時分割形式で代わるがわる適用して行うので、各要素コイルが互いに干渉することがきわめて少なく、それぞれに設定した通電条件で被加熱体を誘導加熱することができ、その際、各要素コイルに対する通電条件を、各要素コイルに望まれる特性の加熱を行うことができるように設定することで、所望の特性の移動加熱、例えば、入熱効率を高くした移動加熱、或いは加熱温度のむらをきわめて小さくした移動加熱等を行うことができる。更に具体的には、入熱効率を高くした移動加熱を行う場合には、各要素コイルに対する通電条件を、被加熱体の、各要素コイルに対応した領域の、その時の温度(具体的には、対応した領域の平均温度或いは適当な位置の温度等)における物性(比透磁率等)に応じて、入熱密度を極大とする浸透深さδQMAXを極力確保できるように設定する。これにより、入熱効率は、各要素コイル毎に高位に確保され、その結果、全昇温過程に亘って入熱効率が高位に確保される。また、厚さの異なる領域を備えた被加熱体、例えば、H形鋼に対して加熱温度のむらをきわめて小さくした移動加熱を行う場合には、或る要素コイルに対する通電条件は、その要素コイルに対応した領域の、その時の温度における物性に応じて、且つH形鋼のフランジに対して入熱密度を高くする浸透深さδ1 を確保できるように設定し、別の要素コイルに対する通電条件は、その要素コイルに対応した領域の、その時の温度における物性に応じて、且つH形鋼のウェブに対して入熱密度を高くする浸透深さδ2 を確保できるように設定する。これにより、厚さの異なる領域に対する入熱密度を各要素コイルによって異ならせ、加熱温度の均一化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の移動加熱方法の実施の基本的な形態は、長さのある被加熱体の長手方向の局部に狭幅の誘導コイルによる誘導加熱を施して長手方向の短区間を一過的に加熱する操作を、前記誘導コイルに対して被加熱体を連続的に相対移動させながら行うことで被加熱体の長手方向に順次適用して行く移動加熱方法において、前記誘導コイルとして、その移動方向に関して複数体の要素コイルに分割された構造の複合コイルを、要素コイル同志は非導通の形で用い、各要素コイルには、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用して、前記誘導加熱を行うものであり、各要素コイルに適用する通電条件を、その要素コイルに要求される加熱特性に適合するように設定することで、各要素コイルが所望の加熱特性で被加熱体を誘導加熱し、これによって誘導コイル全体として、被加熱体を所望の加熱特性で誘導加熱することができる。
【0016】
本発明の移動加熱の対象とする被加熱体は、主として、移動方式での誘導加熱によって定常的に加熱を行うことができるものであり、具体的には長手方向に一定断面のもの、例えば、丸形鋼管、角形鋼管等の管体、H形鋼、L形鋼、C形鋼、I形鋼等の条材を挙げることができる。加熱目的は、特に限定するものではないが、代表的なものとして、熱間曲げ加工、熱間据込み増肉加工、熱処理(焼入等)、溶射層再溶融処理、溶接、液相拡散接合、歪修正などの熱間処理を挙げることができる。誘導コイルによる加熱領域内の進行方向の平均温度勾配は、加熱目的、加熱の安定性、経済性等に応じて適宜定めればよいが、おおよその目安としては、20〜80°C/mm程度に選定すればよい。
【0017】
本発明方法の実施に当たって、各要素コイルに係る通電条件の差の1例としては通電周波数を挙げることができる。通電周波数は、前記したように誘導電流の浸透深さδの因子であるので、各要素コイルに対する通電周波数の選定によって浸透深さδを所望の値とすることができ、所望の浸透深さδでの誘導加熱を行うことができる。例えば、各要素コイルでの浸透深さδが、その被加熱体に対して入熱密度を極大とする浸透深さδQMAX[例えば、板材に対しては前記(2)式で規定する値]となるよう、被加熱体の、各要素コイルに対向する部分の温度における物性を考慮し、上記した(1)式に基づいて通電周波数fを設定することで、複数の要素コイルによる全加熱領域で、入熱密度を高くした浸透深さδQMAXでの誘導加熱を行うことができ、入熱効率を高くした加熱を行うことができる。また、厚さの異なる領域(例えば、厚さt1 の領域とそれより薄い厚さt2 の領域)を備えた被加熱体を誘導加熱する場合において、一つの要素コイルに対する通電周波数f1 は、対向領域の温度における物性を考慮しながら厚さt1 の領域に対して、入熱密度を高くする浸透深さδ1 を確保できるように設定し、別の要素コイルに対する通電周波数f2 は、対向領域の温度における物性を考慮しながら厚さt2 の領域に対して入熱密度を高くする浸透深さδ2 を確保できるように設定するといったように、各要素コイルに対する通電周波数を異ならせることで、厚さの異なる領域に対する入熱密度を各要素コイルによって異ならせ、加熱温度の均一化を図ることができる。
【0018】
前記各要素コイルに係る通電条件の差の他の例としては、前記時分割形式の交流通電における通電時間割り振り比率を挙げることができ、これにより、各要素コイルによる入熱量を変えることができ、被加熱体の誘導コイルで加熱、昇温させている領域の温度勾配を所望のように設定できる。なお、誘導コイルを構成する複数の要素コイルの加熱幅(被加熱体の移動方向における幅)は、全要素コイルについて一定としてもよいし、要素コイル毎に異ならせても良く、各要素コイルの加熱幅の選定により、被加熱体に生じさせる温度勾配を調整できる。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、強磁性の被加熱体を、その磁気変態点を上回る温度に移動加熱するに際して、前記複合コイルを2体の要素コイルに分割された構造とし、前段の要素コイルには磁気変態点に至るまでの加熱を受け持たせ、後段の要素コイルには磁気変態点を越えてからの加熱を受け持たせる。強磁性体では、磁気変態点の前後において、誘導加熱に影響を与える被加熱体の体積固有抵抗や比透磁率などの物性が変化し、特に比透磁率が大きく変化するので、各要素コイルが磁気変態点の前と後とをそれぞれ加熱するようにすることで、各要素コイルの通電条件を、対向する領域の物性に応じて最適な値に設定することができ、良好な移動加熱を行うことができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る移動加熱装置は、長さのある被加熱体の長手方向の局部を誘導加熱するための狭幅の誘導コイルと、この誘導コイルに交流通電するための交流給電機構と、前記誘導コイルに対して被加熱体を相対移動させるための相対移動機構とを備え、前記誘導コイルを、その移動方向に関して複数体の要素コイルに分割された構造の複合コイルで構成すると共にその要素コイル同志は非導通とし、前記給電機構を、相互には非干渉の複数系列の交流出力部と、その各交流出力部からの交流出力のON/OFFならびに出力条件を制御する制御部とを備えた構成とし、前記各要素コイルを、前記各交流出力部からの交流出力によってそれぞれ個別に駆動される構成としたものである。この構成により、各要素コイルに、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用することができ、上記した実施形態に係る移動加熱方法を実施できる。
【0021】
ここで、前記複合コイルを、これを構成する複数体の要素コイルが、その誘導作用面については前記被加熱体の局部を誘導加熱するための狭幅内に集約されて位置し、他の部位については相互に距離を置いて位置する構造に形成することが好ましい。この構成とすると、複数の要素コイルを、相互の電磁的な干渉を特に小さく抑制しながら、狭幅内に配置することが可能となり、被加熱体の狭幅領域の誘導加熱により、被加熱体を所望の温度にまで昇温させることができる。
【0022】
また、前記複合コイルを、これを構成する要素コイルが、磁束集中用の強磁性体を介して他の要素コイルと隣接した構成することが好ましい。この構成とすると、各要素コイルの他の要素コイルに対する電磁的な干渉を小さく抑制できると共に前記強磁性体で磁束を集めることで被加熱体の誘導加熱効率を高めることができる。
【0023】
前記複数系列の交流出力部を、一つのインバータに属する複数系列のスイッチングブリッジで構成することが好ましい。この構成とすると、各スイッチングブリッジの制御によって、容易に所望の通電周波数での通電を行うことができ、通電条件設定を容易に実施できる。
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。図1(a)は、本発明を鋼管の曲げ加工に適用した実施形態に係る移動加熱装置を示すものであり、11は加熱対象である鋼管からなる被加熱体である。12はその被加熱体11の長手方向の局部を誘導加熱するための狭幅の誘導コイル、13はこの誘導コイル12に交流通電するための交流給電機構、14は、支点Oを中心として旋回可能な曲げアームである。なお、図示は省略しているが、被加熱体11を長手方向に且つ矢印Fで示す方向に移動させることで、被加熱体11を誘導コイル12に対して相対移動させる相対移動機構も設けられている。
【0025】
誘導コイル12は、その移動方向に関して2体の要素コイル12a,12bに分割された構造の複合コイルで構成され、且つその要素コイル12a,12b同志は非導通となっており、それぞれの要素コイル12a,12bに異なる通電条件での通電が可能となっている。すなわち、各要素コイル12a,12bは、図1(b)に示すように、1ターンのコイルで構成されており、両端に接続用導管15a,15bを接続している。また、被加熱体11の移動方向に関して下流側に位置する要素コイル12bには、被加熱体11の加熱直後の部分に冷却水等の冷却媒体16を吹き付けて冷却するための冷却手段を設けている。
【0026】
交流給電機構13は、各要素コイル12a,12bに、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用するものであり、この実施形態では、スイッチング素子を用いたインバータが用いられている。図2はその交流給電機構13の概略回路図である。図1、図2において、交流給電機構13は、商用交流電源20からの交流を直流に変換する順変換部21と、順変換部21の出力直流を交流に変換するスイッチングブリッジで構成され、相互には非干渉の2系列の交流出力部22a,22bと、その各交流出力部からの交流出力のON/OFFならびに出力条件を制御する制御部23とを備えて成り、誘導コイル12の各要素コイル12a,12bは、前記各交流出力部22a,22bにマッチングトランス25a,25bを介して接続され、各交流出力部22a,22bからの交流出力によってそれぞれ個別に駆動される構成となっている。かくして、制御部23による制御により、各要素コイル12a,12bに、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用することができる。
【0027】
交流出力部22a,22bはそれぞれ、フルブリッジ形式のものであり、4個のスイッチング素子G1 ,G2 ,G3 ,G4 及びG5 ,G6 ,G7 ,G8 と、各スイッチング素子とは逆方向の導通を常時ONさせておくためのダイオードDと、共振用コンデンサCa,Cbとを備えている。なお、交流出力部22a,22bを構成するスイッチングブリッジは、図示したような、4個のスイッチング素子を用いたフルブリッジ形式のものに限らず、2個のスイッチング素子を用いたハーフブリッジ形式のものでもよいし、更には1個のスイッチング素子を用いたものとしてもよい。
【0028】
制御部23は交流出力部22a,22bのスイッチング素子G1 ,G2 ,G3 ,G4 ,G5 ,G6 ,G7 ,G8 の動作制御端子に、そのスイッチング素子のON/OFFを指令する編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6 ,S7 ,S8 を送信するものであり、マイクロコンピュータを内蔵した回路動作指令機構27、オシレータを内蔵した任意周波数発生機構28、周波数追尾機構(PLL回路)29、パルス密度調整機構(PDM)30等を備えている。また、各交流出力部22a,22bの出力回路には電流検知器32a、32bが設けられ、出力電流に関するデータX,Yが制御部23に入力されている。ここで、交流出力部22aのスイッチング素子G1 ,G2 ,G3 ,G4 に対する編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 は、図3に示すように、S1 =S2 ,S3 =S4 で且つペアパルス信号(S1 =S2 =ONの時→S3 =S4 =OFF、S1 =S2 =OFFの時→S3 =S4 =ON)か或いは共にOFF信号であり、ペアパルス信号の時に交流出力部22aは交流電圧、交流電流を出力し、共にOFF信号の時には、交流出力部22aは非作動の状態となる。また、同様に、交流出力部22bのスイッチング素子G5 ,G6 ,G7 ,G8 に対する編成信号S5 ,S6 ,S7 ,S8 は、図3に示すように、S5 =S6 ,S7 =S8 で且つペアパルス信号(S5 =S6 =ONの時→S7 =S8 =OFF、S5 =S6 =OFFの時→S7 =S8 =ON)か或いは共にOFF信号であり、ペアパルス信号の時に交流出力部22bは交流電圧、交流電流を出力し、共にOFF信号の時には、交流出力部22bは非作動の状態となる。
【0029】
回路動作指令機構27は、任意周波数発生機構28を制御して、編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6 ,S7 ,S8 を出力させるものであり、これらの編成信号がペアパルス信号である場合のパルス周波数、編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 としてペアパルス信号を発生する発生期間P1 及びすべてOFF信号とする休止期間P2 、編成信号S5 ,S6 ,S7 ,S8 についてのペアパルス信号の発生期間P3 及び休止期間P4 を自在に設定可能であり、しかも、二つの要素コイル12a,12bに対して時分割形式で交流通電を行うことができるよう、二つの交流出力部22aに対する編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 及び編成信号S5 ,S6 ,S7 ,S8 を共に、ペアパルス信号とOFF信号との繰り返しとすると共に、少なくとも一方の交流出力部に対する編成信号がペアパルス信号の時には他方の交流出力部に対する編成信号がOFF信号とするように制御する構成としている。周波数追尾機構(PLL回路)29は、各交流出力部22a,22bをスイッチング動作させて各出力回路に交流通電する際に、電流検知器32a、32bからの位相信号をフィードバックして、各出力回路への交流通電が共振周波数で行われるように制御するものである。パルス密度調整機構(PDM)30は、各交流出力部22a,22bをスイッチング動作させて各出力回路に交流通電する際に、必要負荷に応じて、編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6 ,S7 ,S8 のパルス信号を適宜間引いて、出力調整するものである。
【0030】
次に、上記構成の装置によって、被加熱体11を磁気変態点を越えた温度に移動加熱しながら曲げ加工する方法を説明する。まず、移動加熱のための条件設定を説明する。図4は、被加熱体11を誘導コイル12によって移動加熱している状態及び、その際の被加熱体11の、誘導コイル12に対向する領域の温度勾配を概略的に示すグラフである。このグラフに示す線35が温度勾配を示しており、このグラフから良く分かるように、被加熱体11はまず一方の要素コイル12aによって常温T0 から温度T1 まで加熱され、その後他方の要素コイル12bによって、加熱温度(最高到達温度)T2 まで加熱される。このような加熱を行うに当たって、一方の要素コイル12aによって昇温させる温度T1 を、被加熱体11の磁気変態点にほぼ等しく設定する。すなわち、一方の要素コイル12aでは磁気変態点以下での加熱を行い、他方の要素コイル12bでは磁気変態点以上での加熱を行うように設定する。この設定は、回路動作指令機構27による二つの交流出力部22a,22bのスイッチング動作時間割合の設定により行う。更に具体的には、図3において、編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 としてペアパルス信号を発生する発生期間P1 と、編成信号S5 ,S6 ,S7 ,S8 についてのペアパルス信号の発生期間P3 との割合を、要素コイル12a,12bによる加熱熱量の割合に応じて設定し、回路動作指令機構27に入力しておく。
【0031】
次に、編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 としてペアパルス信号を発生する際のパルス周波数fa (要素コイル12aへの通電周波数)と、編成信号S5 ,S6 ,S7 ,S8 としてペアパルス信号を発生する際のパルス周波数fb (要素コイル12bへの通電周波数)を入熱密度が高くなるように設定する。すなわち、入熱密度を高くするには、誘導電流の浸透深さδを、被加熱体11の断面形状、寸法等によって定まる浸透深さδQMAX[例えば、厚さtの板材に対しては前記(2)式で規定する値]となるように設定すればよい。すなわち、
δ≒δQMAX・・・(3)
となるように浸透深さδを設定すればよい。そして、浸透深さδは、前記(1)式で規定するように、被加熱体の物性(体積固有抵抗ρ,比透磁率μ)及び通電周波数fの関数であるので、これを書き直すと、
f≒2.5×107 ρ/(μδ2  )・・・(4)
となる。ここで、被加熱体の体積固有抵抗ρ及び比透磁率μは温度によって変化するので、各要素コイル12a,12bに対する周波数fa ,fb の設定に当たっては、各要素コイル12a,12bに対向する部分を代表する温度(たとえば、平均温度)での体積固有抵抗ρ及び比透磁率μを採用し、上記(3)式及び(4)式を用いて周波数fa ,fb を設定し、これも回路動作指令機構27に入力しておく。
【0032】
次に、各要素コイル12a,12bの前に配置したマッチングトランス25a、25bの巻数比の設定を説明する。図2に示すような、スイッチング素子を用いた交流出力部22a,22bからの出力電流、出力電圧は、スイッチング素子の定格等によって定まる許容出力電圧V0 、許容出力電流I0 以下に制限される。このため、各交流出力部22a,22bからの供給可能な最大電力P0 は、
0 =V0 ×I0  ・・・(5)
に制限される。そして、各交流出力部22a,22bから、各要素コイル12a,12bを含む負荷回路に供給可能な電力Pは、各負荷回路のインピーダンスRの大きさに応じて変化する。すなわち、上記した許容出力電圧V0 と許容出力電流I0 の比、すなわち、V0 /I0 =Z0 を、交流出力部22a,22bの出力インピーダンスとすると、図5に示すように、負荷回路のインピーダンスRが出力インピーダンスZ0 に等しい場合には、負荷には、電力P=V0 ×I0 =最大電力P0 が供給されるが、R>Z0 の場合には、許容出力電圧V0 を越える電圧を印加できないため、負荷への電流が制限され、電力P=V0  2 /R<最大電力P0 となり、Rが大きいほどPは小さくなる。一方、R<Z0 の場合には、許容出力電流I0 を越える電流を流すことができないため、負荷に印加する電圧が制限され、電力P=I0  2 R<最大電力P0 となり、Rが小さいほどPは小さくなる。よって、R=Z0 に設定しておけば、最大電力P0 を負荷回路に供給でき、電源能力が最大限に生かされる。ところで、各要素コイル12a,12bのインピーダンスは、各交流出力部22a,22bの出力インピーダンスZ0 に必ずしも等しくないので、各要素コイル12a,12bの前にマッチングトランス25a、25bを配置して負荷回路を構成し、その巻数比を適正に設定することで、負荷回路のインピーダンスRを出力インピーダンスZ0 に近づけることができる。従って、各マッチングトランス25a、25bの巻数比は、各要素コイル12a,12bと共に構成する負荷回路のインピーダンスRが出力インピーダンスZ0 に極力等しくなるように設定する。なお、各要素コイル12a,12bのインピーダンスは、加熱対象の磁性によって異なるので、低温域での加熱用の要素コイル12aのインピーダンスと、高温域での加熱用の要素コイル12bのインピーダンスとは大きく異なっているので、巻数比の設定に当たっては、当然この点も考慮しておく必要がある。なお、負荷回路のインピーダンスRを、交流出力部22a,22bの出力インピーダンスZ0 に等しくするための方法は、マッチングトランス25a、25bの巻数比の調整に限らず、他の方法を採用してもよく、例えば、特開2002−170657号公報に提案しているように、電源装置の出力インピーダンスを調整する方法を採用してもよい。
【0033】
次に、移動加熱及び曲げ加工動作を説明する。制御部23が、図3に示す編成信号S1 ,S2 ,S3 ,S4 を交流出力部22aに出力し、編成信号S5 ,S6 ,S7 ,S8 を交流出力部22bに出力し、交流出力部22a,22bを交互にスイッチング動作させ、各要素コイル12a,12bに交互に交流通電する。すなわち、各要素コイル12a,12bを時分割形式で代わる代わる交流通電する。この際、制御部23には、各要素コイル12a,12bへの出力電流の位相信号が電流検知器32a、32bからフィードバックされており、周波数追尾機構29によって各、各要素コイル12a,12bへの交流通電が共振周波数で行われる。また、この動作と並行して、図1に示す被加熱体11が矢印F方向に連続的に送られる。これにより、各要素コイル12a,12bは、それに対して相対移動している被加熱体11を加熱、昇温させ、被加熱体11の、各要素コイル12a,12bに対向している領域には常に図4に線35で示すような温度勾配が生じる状態となり、図1に示すように、曲げアーム14が旋回して被加熱体11を連続的に曲げ加工してゆく。
【0034】
以上の移動加熱及び曲げ加工を行っている際、低温域での加熱を行っている前段の要素コイル12aに対する通電周波数fa 及び高温域での加熱を行っている後段の要素コイル12bに対する通電周波数fb はそれぞれ、加熱対象領域の平均温度での物性に基づいて、上記(3)式,(4)式を用いて定めた値(厳密には、予め設定した周波数の近傍の共振周波数)となっているので、浸透深さδは、低温域、高温域とも、入熱密度を高くする浸透深さδQMAXとなっており、従って、両要素コイル12a、12bともに入熱効率の高い誘導加熱が行われる。かくして、加熱の全温度範囲において被加熱体への入熱効率を向上でき、加熱速度を大きくできる(誘導コイル12と被加熱体11との相対速度を大きくでき、或いは加熱幅を小さくできる)とともに電力損失率を低減することができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、通電周波数f ,fb の選定に何ら制約がないものとし、通電周波数f ,fb を、それぞれ入熱密度が高くなるように(浸透深さδがδQMAXとなるように)設定しているが、通電周波数の選定に制約がある場合もある。たとえば、加熱幅を一定範囲の狭幅にしなければならないときなどには、周波数範囲が制約される場合もある。しかし、この場合でも、その制約の下での最適化が行えることは云うまでもない。更に、上記実施形態では、通電周波数f ,fb を、それぞれ入熱密度が高くなるように設定しているが、これは1例であって、本発明を限定するものではない。すなわち、通電周波数fa ,fb の設定に当たっては、入熱密度以外の特性に基づいて設定してもよく、加熱に要求される諸条件を考慮して適宜定めれば良い。
【0036】
また、上記の実施形態では、誘導コイル12が単に矩形断面の要素コイル12a,12bを並べた構成であるが、要素コイル12a、12bへの交流通電は時分割形式で行っているため、両要素コイル12a、12bに同時に通電することはなく、このため、両要素コイル12a、12bが近接配置されていても誘導加熱を阻害するような干渉は生じない。しかしながら、一方の要素コイル12aへの通電時に他方の要素コイル12bにも若干の誘導電流が生じ、ロスとなる恐れがある。これを避けるには、要素コイル12a、12bの間隔を開ければよいが、あまり間隔を開けると、所望の狭幅での加熱が困難となる。そこで、所望の狭幅での加熱を可能としながら、複数の要素コイル間の干渉を避けるには、複数の要素コイルを、その誘導作用面については被加熱体の局部を誘導加熱するための狭幅内に集約されて位置し、他の部位については相互に距離を置いて位置する構造とすればよい。以下、その構造の例を示す。
【0037】
図6(a)に示す誘導コイル12Aは、直角三角形状断面の要素コイル12Aa,12Abを、その斜面を互いに向かい合わせた形態で配置した構造のものである。この構造では斜面を向かい合わせたことで、要素コイル12Aa,12Abの間隔を拡げ、互いの干渉を防止できる。図6(b)に示す誘導コイル12Bは、板状部分の端部に管状部分を固定した形状の要素コイル12Ba,12Bbを、その管状部分が離れた側となるように配置した構造のものである。この構造では、管状部分を互いに離れた位置としたことで、要素コイル12Ba,12Bbの間隔を拡げ、互いの干渉を防止できる。図6(c)に示す誘導コイル12Cは、中央に二等辺三角形状断面の要素コイル12Caを配置し、その両側に、板状部分の端部に管状部分を固定した形状の要素コイル12Cb,12Ccを、その管状部分が離れた側となるように配置した構造のものである。この構造でも、要素コイル12Ca,12Cb,12Ccの間隔を拡げ、互いの干渉を防止できる。
【0038】
誘導コイルの構造として、所望の狭幅での加熱を可能としながら、複数の要素コイル間の干渉を避けるには、これを構成する要素コイルが、磁束集中用の強磁性体を介して他の要素コイルと隣接している構造とすることも有効であり、その一例を図7に示す。図7の誘導コイル12Dは、矩形断面の要素コイル12Da,12Dbの間に、フェライト、鉄などの強磁性体12Ddを配した構造としている。このように、要素コイル12Da,12Db間に強磁性体12Ddを配したことで、強磁性体12Ddが磁束を集め、一方の要素コイルへの通電時に他方の要素コイルへの磁束の侵入を阻止し、要素コイル間の干渉を防止でき、また強磁性体で磁束を集めることで被加熱体の誘導加熱効率を高めることもできる。
【0039】
次に、厚さが異なる領域を備えた被加熱体を加熱温度(到達最高温度)が均一となるように移動加熱する場合の実施形態を説明する。図8(a)、(b)は本発明の移動加熱を、被加熱体の熱処理に適用した場合の実施形態を示すものである。11Aは被加熱体であり、ここではH形鋼が用いられている。この被加熱体11Aは、厚さt1 のフランジ11aと、それより薄い厚さt2 のウェブ11bを備えている。12Eは、被加熱体11を取り囲むように配置された誘導コイルであり、被加熱体に対する移動方向に関して2体の要素コイル12Ea,12Ebに分割された構造の複合コイルで構成され、且つその要素コイル12Ea,12Eb同志は非導通となっている。すなわち、各要素コイル12Ea,12Ebは、図8(b)に示すように、被加熱体11Aを取り囲む1ターンのコイルで構成されており、両端に接続用導管15a,15bを接続している。また、被加熱体11Aの移動方向に関して下流側に位置する要素コイル12Ebには、被加熱体11Aの加熱直後の部分に冷却水等の冷却媒体16を吹き付けて冷却するための冷却手段を設けている。
【0040】
13は、誘導コイル12Eの各要素コイル12Ea,12Ebに交流通電するための交流給電機構である。この交流通電機構は、図1、図2に示す実施形態における交流給電機構13と同じものであり、相互には非干渉の2系列の交流出力部22a,22bと、その各交流出力部からの交流出力のON/OFFならびに出力条件を制御する制御部23等を備えて成り、誘導コイル12Eの各要素コイル12Ea,12Ebは、前記各交流出力部22a,22bにマッチングトランス25a,25bを介して接続され、各交流出力部22a,22bからの交流出力によってそれぞれ個別に駆動される構成となっている。かくして、制御部23による制御により、各要素コイル12Ea,12Ebに、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用することができる。なお、図示は省略しているが、被加熱体11Aを長手方向に且つ矢印Fで示す方向に移動させることで、被加熱体11Aを誘導コイル12Eに対して相対移動させる相対移動機構も設けられている。
【0041】
次に、上記構成の装置による移動加熱を説明する。この実施形態においても、被加熱体11Aが誘導コイル12Eに対して相対的に移動し、誘導コイル12Eによって、加熱される。この加熱の際にも、交流給電機構13が要素コイル12Ea,12Ebに交流通電を時分割形式で行っており、前段の要素コイル12Eaは、低温域(例えば、常温から磁気変態点近傍まで)の加熱を受け持ち、後段の要素コイル12Ebは高温域(例えば、磁気変態点近傍から所望の温度まで)の加熱を受け持つ。各要素コイル12Ea,12Ebの加熱温度範囲の設定も、上記した実施形態と同様に、回路動作指令機構27(図2参照)による二つの交流出力部22a,22bのスイッチング動作時間割合の設定により行うことができる。また、交流給電機構13が各要素コイル12Ea,12Ebに交流通電する際の周波数は、一方の要素コイル(例えば12Ea)が被加熱体11Aのフランジ11aに対する入熱密度を高くして誘導加熱でき、他方の要素コイル(例えば12Eb)が被加熱体11Aのウェブ11bに対する入熱密度を高くして誘導加熱できるように設定しておく。更に具体的には次のように設定しておく。
【0042】
図8(b)に示すように、フランジ11aやウェブ11bを、それを取り囲む要素コイル12Ea(又は12Eb)で誘導加熱する場合、フランジ11a及びウェブ11bはそれぞれ、板材と同等であると近似できるので、入熱密度を高くするには、誘導電流の浸透深さδを、上記(2)式で規定する値とすればよい。従って厚さt1 のフランジ11aに対して入熱密度を高くする浸透深さδ1 及び厚さt2 のウェブ11bに対して入熱密度を高くする浸透深さδ2 は、
δ1 ≒0.4t1 ・・・(6)
δ2 ≒0.4t2 ・・・(7)
となるので、この浸透深さδ1 ,δ2 を得ることができるように、通電周波数を設定する。すなわち、浸透深さと通電周波数の関係は上記(4)式に示す関係となっているので、これを浸透深さδ1 ,δ2 について書き直すと、
1 ≒2.5×107 ρ/(μδ ) ・・・(8)
2 ≒2.5×107 ρ/(μδ ) ・・・(9)
となり、この(8)式,(9)式を用いて各要素コイル12Ea,12Ebに対する通電周波数f1 ,f2 を求め、交流給電機構13が通電周波数f1 ,f2 で要素コイル12Ea,12Ebに交流通電するように設定しておく。なお、この通電周波数f1 ,f2 を求めるに当たっても、被加熱体の体積固有抵抗ρ及び比透磁率μは、各要素コイル12Ea,12Ebに対向する部分を代表する温度(たとえば、平均温度)での体積固有抵抗ρ及び比透磁率μを採用する。
【0043】
上記のように設定しておくことで、交流給電機構13が要素コイル12Ea,12Ebに時分割形式で且つ通電周波数f1 ,f2 で交流通電し、各要素コイル12Ea,12Ebは、相対移動している被加熱体11Aを加熱、昇温させる。この時、被加熱体11Aのフランジ11aの、各要素コイル12Ea,12Ebに対向している領域には常に図9に線37で示すような温度勾配が生じる状態となり、被加熱体11Aのウェブ11bの、各要素コイル12Ea,12Ebに対向している領域には常に図9に線38で示すような温度勾配が生じる状態となる。すなわち、要素コイル12Eaへの通電周波数f1 は、フランジ11aに対する入熱密度を高くする周波数であるので、曲線37、38から分かるように、フランジ11aの方がウェブ11bよりも早く昇温する。一方、要素コイル12Ebへの通電周波数f2 は、ウェブ11bに対する入熱密度を高くする周波数であるので、ウェブ11bの方がフランジ11aよりも早く昇温する。この結果、前段の要素コイル12Eaで加熱した領域で生じるフランジ11aとウェブ11bとの温度差を、後段の要素コイル12Ebでの加熱によって縮小させることができ、各要素コイル12Ea,12Ebによる加熱温度範囲を適切に設定することで、フランジ11aとウェブ11bの加熱温度(到達最高温度)をほぼ等しくすることができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、通電周波数f1 ,f2 を、それぞれフランジ11a,ウェブ11bに対して最も入熱密度が高くなるように〔浸透深さδ1 ,δ2 が(6),(7)式で規定する値となるように〕設定しているが、これは1例であって、本発明を限定するものではない。すなわち、通電周波数f1 ,f2 の設定に当たっては、加熱に要求される諸条件を考慮して適宜定めれば良い。
【0045】
以上、被加熱体への入熱密度を最大にする指向、ならびに、被加熱体内の加熱温度を均一にする指向に係る実施形態について述べたが、本発明の適用はこれらに限定されるものではない。たとえば、所定の温度まで加熱してからこの温度に所定時間保持する必要のある加熱に本発明を適用すれば、最短時間、最小電力で目的を達成できる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、移動加熱に用いる誘導コイルとして、その移動方向に関して複数体の要素コイルに分割された構造の複合コイルを、要素コイル同志は非導通の形で用い、各要素コイルには、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用して、誘導加熱を行うという構成としたことにより、各要素コイルに対する通電条件を、各要素コイルに望まれる特性の加熱を行うことができるように設定することができ、これにより、入熱効率を高くした移動加熱、或いは加熱温度のむらをきわめて小さくした移動加熱等を行うことができ、この移動加熱を、移動形式で行われる熱間曲げ加工、熱間据込み増肉加工、熱処理(焼入等)、溶射層再溶融処理、溶接、液相拡散接合、歪修正などの熱間処理に利用することで、処理能力の増大を図ることができるとか、ランニングコストを低減できるとか、処理品質の均一化が図れるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明を鋼管の曲げ加工に適用した実施形態に係る移動加熱装置を示す概略構成図(b)は(a)のA−A矢視図
【図2】図1の移動加熱装置に用いる交流給電機構の概略回路図
【図3】図2の交流給電機構の制御部から出力される編成信号の波形図及び交流出力部からの出力電圧の波形図
【図4】図1の実施形態における誘導コイルに対向する領域の温度分布を示すグラフ
【図5】図2に示す交流給電機構からの出力電圧,出力電流及び出力電力の関係を示すグラフ
【図6】(a),(b),(c)はそれぞれ、誘導コイルの変形例を示す概略断面図
【図7】誘導コイルの更に他の例を示す概略断面図
【図8】(a)本発明をH形鋼の加熱に適用した実施形態に係る移動加熱装置を示す概略構成図(b)は(a)のB−B矢視図
【図9】図8の実施形態における誘導コイルに対向する領域の温度分布を示すグラフ
【図10】従来の曲げ加工装置を示す概略構成図
【図11】図10の従来例における誘導コイルに対向する領域の温度分布を示すグラフ
【図12】H形鋼を誘導加熱する誘導コイルの概略正面図
【符号の説明】
1,1A,11,11A 被加熱体
2,2A,12,12A,12B,12C,12D,12E 誘導コイル
12a,12b,12Ea,12Eb 要素コイル
13 交流給電機構
14 冷却媒体
15a,15b 接続用導管
16 冷却媒体
20 商用交流電源
21 順変換部
22a,22b 交流出力部
23 制御部
25a,25b マッチングトランス
27 回路動作指令機構
28 任意周波数発生機構
29 周波数追尾機構(PLL回路)
30 パルス密度調整機構(PDM)
D ダイオード
Ca,Cb 共振用コンデンサ
1 ,G2 ,G3 ,G4 ,G5 ,G6 ,G7 ,G8  スイッチング素子
1 ,S2 ,S3 ,S4 ,S5 ,S6 ,S7 ,S8  編成信号

Claims (9)

  1. 長さのある被加熱体の長手方向の局部に狭幅の誘導コイルによる誘導加熱を施して長手方向の短区間を一過的に加熱する操作を、前記誘導コイルに対して被加熱体を連続的に相対移動させながら行うことで被加熱体の長手方向に順次適用して行く移動加熱方法において、前記誘導コイルとして、その移動方向に関して複数体の要素コイルに分割された構造の複合コイルを、要素コイル同志は非導通の形で用い、各要素コイルには、それぞれ個別に設定した通電条件による交流通電を時分割形式で代わるがわる適用して、前記誘導加熱を行う移動加熱方法。
  2. 前記誘導コイルによる加熱領域内の進行方向の平均温度勾配が、20〜80°C/mmである、請求項1記載の移動加熱方法。
  3. 前記各要素コイルに係る通電条件の差は通電周波数である、請求項1又は2記載の移動加熱方法。
  4. 前記各要素コイルに係る通電条件の差は前記時分割形式の交流通電における通電時間割り振り比率である、請求項1又は2記載の移動加熱方法。
  5. 強磁性の被加熱体を、その磁気変態点を上回る温度に移動加熱するに際して、前記複合コイルを2体の要素コイルに分割された構造とし、前段の要素コイルには磁気変態点に至るまでの加熱を受け持たせ、後段の要素コイルには磁気変態点を越えてからの加熱を受け持たせる、請求項1から4のいずれか1項記載の移動加熱方法。
  6. 長さのある被加熱体の長手方向の局部を誘導加熱するための狭幅の誘導コイルと、この誘導コイルに交流通電するための交流給電機構と、前記誘導コイルに対して被加熱体を相対移動させるための相対移動機構とを備えた移動加熱装置において、前記誘導コイルは、その移動方向に関して複数体の要素コイルに分割された構造の複合コイルであって、その要素コイル同志は非導通であり、また、前記交流給電機構は、相互には非干渉の複数系列の交流出力部と、その各交流出力部からの交流出力のON/OFFならびに出力条件を制御する制御部とを備えて成り、前記各要素コイルは、前記各交流出力部からの交流出力によってそれぞれ個別に駆動される構成とした、移動加熱装置。
  7. 前記複合コイルは、これを構成する複数体の要素コイルが、その誘導作用面については前記被加熱体の局部を誘導加熱するための狭幅内に集約されて位置し、他の部位については相互に距離を置いて位置する構造に形成されている、請求項6記載の移動加熱装置。
  8. 前記複合コイルは、これを構成する要素コイルが、磁束集中用の強磁性体を介して他の要素コイルと隣接している、請求項6又は7記載の移動加熱装置。
  9. 前記複数系列の交流出力部は、一つのインバータに属する複数系列のスイッチングブリッジである、請求項6、7又は8記載の移動加熱装置。
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