JP2009107007A - パイプ接合における誘導加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇温区間で均熱時間(t1≦t≦t2)の投入電力P2を、昇温開始から立ち上がり初期時まで(0≦t≦t1)における投入電力P1の1/3〜2/3とすることで、基準温度範囲より低い温度で一定時間、例えば3秒〜15秒保持し接合部の温度を安定化させることができる。その後昇温開始と同程度の電力を投入する。
【選択図】図2
Description
これで、昇温時間内で一定時間接合部近傍の温度を均一化するので、一定時間経過した後接合部近傍を安定して基準温度範囲まで昇温することができる。
図1は、本発明の実施形態で使用するパイプ圧接装置の一例を模式的に示す図である。パイプ圧接装置10は、図1に示すように、第1のパイプ部材1を保持する第1の保持機構11と第2のパイプ部材2を二方向又は三方向から保持する第2の保持機構12とがテーブル装置(図示せず)に構築されてなり、第1のパイプ部材1と第2のパイプ部材2とこれらのパイプ部材1、2で挟み込まれたインサート材3とを誘導加熱するため、電源部13からの電流が整合部を介して加熱コイル15に流れるよう配線接続されている。なお、第1の保持機構11及び第2の保持機構12は一部を模式的に図示しており、油圧制御によりパイプ部材1,2を押圧し、パイプ部材1,2を圧接する。
図2(A)は図1に示すパイプ圧接装置10において電源部13から加熱コイル15に対して出力する電力のタイムチャートで、(B)はパイプ部材1,2の接合部近傍の温度変化を模式的に示す図である。(A)の縦軸は電源部13から誘導加熱により投入される電力、(B)の縦軸はパイプ部材1,2の接合部近傍の温度であり、横軸は(A)及び(B)の何れも時間tである。ここで、昇温時間とは、パイプ部材1,2にインサート材3を挟んでパイプ部材1,2同士を突き合せて加熱コイル15に電流を流し始める所謂昇温開始時からパイプ部材1,2の接合部が基準温度範囲まで昇温するまでの時間(0≦t≦T1)と定義する。温度保持時間とは、昇温時間経過後基準温度範囲内で略一定の温度に保つ間の時間(T1≦t≦T2)と定義する。
第1のパイプ部材1としての直管に比べ第2のパイプ部材2としてのエルボが肉厚である場合、図3(A)に示すように、加熱コイル15において厚みを二分する仮想面P1を接合面P2と一致させずに、加熱コイル15を第1及び第2のパイプ部材1,2の突き合せ位置より距離L1だけ肉厚のエルボ側にずらして加熱コイル15が配置される。これで、肉薄の直管と肉厚のエルボとの接合部近傍がバランスよく誘導加熱され、図3(B)に示すように、圧接後には直管とエルボとの接合部に段差が生じない。よって、配管後管内の流体に乱れが生じず、見た目にも悪くない。
以上のように、肉厚差があるパイプ部材1,2同士を誘導加熱する場合には、加熱コイル15の芯を肉厚の厚いパイプ部材側、先の例ではエルボ側に僅かに距離L1例えば0.5mm〜2mmずらして配置することが好ましい。これで、規格寸法が同じであっても肉厚差による不均一な誘導加熱が生じず、パイプ部材1,2の接合部を一様に加熱することができ、目違いが生じない。
予め圧接する150Aのエルボ2、直管1の何れかを加熱して温度曲線を求めた。具体的には電源部13の電力の56.5%一定で加熱コイル15に投入した。すると、加熱開始から50秒で約1200℃まで昇温した。加熱開始から800℃辺りまで急激に増加する10秒間とその後の40秒間とは、温度勾配が明らかに異なった。このときの温度曲線は、後述する比較例1(図6)における0秒〜50秒までの温度曲線と同様であった。エルボ、直管の炭素含有量を測定したところ、約0.05〜0.06%であった。他の実施例及び比較例も同質のパイプ部材を用いた。なお、測定には、JIS1211鉄及び鋼−炭素定量方法の高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を用いた。
直管1,エルボ2の接合部近傍の温度を、フラックスシートと直管1,エルボ2との間に熱電対を挿入して接触させて測定した。
実施例3では、実施例1と同様、それぞれ150Aのエルボ2と直管1を誘導加熱して圧接する点で同一であるが、直管の肉厚は平均約5.0mmであり、エルボの肉厚は平均5.7mmであった。加熱コイル15を肉厚のエルボ側に距離1mmずらした。
接合の結果、接合部に段差が生じず、きれいに接合されていることを確認した。
また、直管及びエルボの各接合部近傍にそれぞれ突き合せ位置から等距離離れた位置に熱電対を設置して温度をそれぞれ測定したところ、大きな温度差は生じなかった。
実施例1に対する比較例を示す。実施例1と異なる点は、投入される電力のタイムチャートである。0≦t≦50では電源部13の電力の56.5%、50≦t≦80では電源部13の電力の48%、80≦t≦110では電源部13の電力の46%、110≦t≦140では電源部13の電力の44%、140≦t≦230では電源部13の電力の42%とした。なお電源部13の基準となる電力は150kWで、時間tの単位は秒である点は実施例1と同じである。
実施例2に対する比較例を示す。実施例2と異なる点は、投入される電力のタイムチャートである。0≦t≦50では電源部13の電力の74%、50≦t≦80では電源部13の電力の56%、80≦t≦110では電源部13の電力の53%、110≦t≦140では電源部13の電力の52%、140≦t≦230では電源部13の電力の51%とした。なお電源部13の基準となる電力は150kWで、時間tの単位は秒である点は実施例1と同じである。
実施例3に対する比較例を示す。
実施例3と異なり、加熱コイル15の仮想面P1がエルボと直管との突き合せ位置に沿うよう加熱コイル15を配置した。
接合の結果、接合部に2〜3mmの段差が生じていることを確認した。
図8は実施例1の再現性に関し、図9は実施例2の再現性に関し、接合部の温度変化を示す図であり、縦軸及び横軸については図4及び図5と同様である。図8に示す温度曲線は図4に示す温度曲線とほぼ一致し、図9に示す温度曲線は図5に示す温度曲線とほぼ一致しており、再現性が極めてよいことが分かった。
図10は比較例1の再現性に関し、図11は比較例2の再現性に関し、接合部の温度変化を示す図であり、縦軸及び横軸については図6及び図7と同様である。図ではそれぞれ再現性の二回の確認結果を示している。図10の何れの温度曲線も図6の温度曲線とは一致せず、900℃近傍で昇温割合が接合作業毎に異なっており、かつ加熱開始から50秒経過後において基準温度範囲から逸脱している時間帯があり、再現性が悪いことが分かった。図11の何れの温度曲線も図7の温度曲線とは一致しておらず、同様に900℃近傍で昇温割合が変化しており、かつ加熱開始から65秒経過後において基準温度範囲から逸脱している時間帯があり、再現性が悪いことが分かった。
3:インサート材
10:パイプ圧接装置
11,12:保持機構
13:電源部
13A:制御部
14:ケース
15:加熱コイル
Claims (7)
- 第1及び第2のパイプ部材でインサート材を挟み該第1及び第2のパイプ部材の接合部と該インサート材とを加熱コイルで基準温度範囲まで誘導加熱することで第1のパイプと第2のパイプ部材とを接合する、パイプ接合における誘導加熱方法において、
上記接合部及び上記インサート材を上記基準温度範囲に昇温するまでの昇温時間内で一定時間上記基準温度範囲よりも低い加熱温度に維持することを特徴とする、パイプ接合における誘導加熱方法。 - 前記基準温度範囲より低い加熱温度が、前記第1及び第2のパイプ部材における相変態点及び/又は磁気変態点近傍の温度であることを特徴とする、請求項1に記載のパイプ接合における誘導加熱方法。
- 第1及び第2のパイプ部材でインサート材を挟み該第1及び第2のパイプ部材の接合部と該インサート材とを加熱コイルで基準温度範囲まで誘導加熱することで第1のパイプ部材と第2のパイプ部材とを接合する、パイプ接合における誘導加熱方法において、
上記接合部及び上記インサート材が上記基準温度範囲に昇温するまでの昇温時間内で一定時間上記加熱コイルに投入する電力を低下させることを特徴とする、パイプ接合における誘導加熱方法。 - 前記一定時間に前記加熱コイルに投入する電力は、昇温開始時における投入電力の1/3〜2/3の範囲とすることを特徴とする、請求項3に記載のパイプ接合における誘導加熱方法。
- 前記一定時間は、3秒以上15秒以下の範囲であることを特徴とする、請求項1又は3に記載のパイプ接合における誘導加熱方法。
- 前記加熱コイルは、前記第1のパイプ部材と前記第2のパイプ部材との肉厚差に応じて該第1のパイプ部材と該第2のパイプ部材との突き合せ位置から該加熱コイルを肉厚の厚いパイプ部材の方にずらして配置されることを特徴とする、請求項1又は3に記載のパイプ接合における誘導加熱方法。
- 前記接合部及びインサート材が基準温度範囲に昇温した後、前記加熱コイルに投入する電力を段階的に低下させることを特徴とする、請求項3に記載のパイプ接合における誘導加熱方法。
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Citations (4)
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- 2007-10-31 JP JP2007284588A patent/JP2009107007A/ja active Pending
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