JP2007324010A - 金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置 - Google Patents

金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】キュリー点以上に加熱する際に、金属帯板のエッジ部の急峻な温度上昇を防止して幅方向均温性に優れた誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】金属帯板を挟んで配置された誘導加熱コイル同士をコイル幅分だけ長手方向にシフトさせたシングルターンのコイルと、該コイルの近傍に並行配置され、該コイル電流と逆方向の電流を流すことにより磁場の拡散を防止する磁場拡散防止コイルとを有する加熱装置であって、シングルターンコイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置し、シングルターンコイルの前段または後段に金属帯板を挟んで上下に対向設置する誘導加熱コイルを、金属帯板の幅方向のエッジ近傍で、かつ、金属帯板の長手方向に配置し、誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置したエッジヒータを有する誘導加熱装置である。これにより金属帯板の幅方向均温性を得ることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、誘導加熱コイルを用いて金属帯板に渦電流を発生させて加熱する金属帯板の誘導加熱装置に関する。
具体的には、金属帯板をキュリー点以上に誘導加熱する際に、幅方向に対して均温に加熱することができる金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置に関する。
誘導加熱とは、交流電源に接続されたコイルを被加熱物の周囲に配置し、交番磁界により誘起される渦電流のジュール熱により物体を加熱する方法である。
誘導加熱には、交番磁界を被加熱物に垂直に交差させるトランスバース方式と、コイルで被加熱物を巻くように配置して、交番磁界を被加熱物に平行に印加するソレノイド方式の2通りがあり、目的によって選択される。
例えば鋼帯などの金属帯板の加熱の場合、板幅方向に均一な加熱が必要なことから、ソレノイド方式が適している。また、ソレノイド方式には、1つの電源に対して、複数回コイルを巻くマルチターン方式と、1回だけ巻くシングルターン方式がある。
また、金属帯板を誘導加熱する際に、幅方向の均温性に優れた金属帯板の加熱装置に関しては、従来から種々の提案がなされている。
例えば、下記の特許文献1には、板材の板幅方向に一定の温度差以内で加熱することを目的とし、その解決手段として、トランスバース磁束を利用し、エッジ部の昇温量が少ない特性を持つ第1のインダクタと両エッジ部のみを加熱させる第2のインダクタを板材エッジ部に追従させる装置が提案されている。
しかし、この方法では、第1と第2のインダクタ共に板幅方向に配置した状態でトランスバース磁束を利用しているために、板材最エッジ部は、渦電流が集中して縮流が発生し、急峻な温度上昇となる。したがって、第1のインダクタと第2のインダクタを組合せても、最エッジ部を含めて均一に加熱することは困難であることが容易に推定される。
また、下記の特許文献2には、金属帯をキュリー点以上に誘導加熱する装置において、シングルターン誘導加熱コイルの電流と逆方向に電流を流す磁場拡散防止コイルを設け、金属帯を挟む誘導加熱コイルの位置を長手方向にシフトさせることにより、加熱コイル間ギャップが40mm程度で金属帯の幅方向温度偏差が±30℃以内にすることができる加熱装置が記載されている。
しかし、金属帯板の通板性を改善するために加熱コイル間ギャップを100mm程度まで 拡大すると、加熱効率が約1/4に低下するため、加熱コイル幅を80mm程度まで拡大する 必要がある。ところが、コイル幅を拡大すると渦電流密度が高い金属帯板最エッジの加 熱長さ(=加熱時間)が長くなり、金属帯板のセンター部が850℃に対し、最エッジが11 00℃近くまで過加熱となるという問題点があった。
また、過加熱を抑制するために周波数を低下させると、センターからエッジにかけて温度低下する傾向となり幅方向温度偏差が拡大するということがわかった。
また、下記の特許文献3には、磁性体からなるエッジ部過加熱防止コアを金属帯板の エッジ部の近傍に設置し、金属帯板エッジ部の磁束密度を低減することで金属帯板幅エ ッジ部の過加熱を防止する方法が提案されている。
しかしこの方法を、加熱コイル幅80mmで最エッジが1100℃近くまで過加熱したコイル に適用しても最エッジは900℃超となり、不十分であった。
したがって、上記の従来技術では、コイル間ギャップを100mm程度まで拡大する条件において幅方向均温性±30℃以内を確保することは困難であった。
特開平1-204385号公報 特開2003-187951号公報 特開2004-296368号公報
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決し、金属帯板をキュリー点以上に誘導加熱する際に、金属帯板の最エッジ部の急峻な温度上昇を防止して幅方向に対して均温に加熱することができる金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置を提供することを課題とする。
発明者らは、金属帯板の最エッジ部に急峻な温度上昇が生じる原因を鋭意検討した結果、シングルターン誘導加熱コイルの前段または後段に、誘導加熱コイルの配置方向を金属帯板の長手方向とするエッジヒータを設けることにより、金属帯板エッジ部の温度上昇をなだらかにすることができることを見出し、本発明の金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置を提供するものであり、その要旨とするところは、許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)金属帯板を挟んで配置された誘導加熱コイル同士をコイル幅分だけ前記金属帯板の長手方向にシフトさせたシングルターン誘導加熱コイルと、該シングルターン誘導加熱コイルの近傍に並行して配置され、前記シングルターン誘導加熱コイルを流れる電流と逆方向の電流を流すことにより磁場の拡散を防止する磁場拡散防止コイルとを有する金属帯板の加熱装置であって、前記シングルターン誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置し、該シングルターン誘導加熱コイルの前段または後段に金属帯板を挟んで上下に対向させて設置する誘導加熱コイルを、該金属帯板の幅方向のエッジ近傍で、かつ、該金属帯板の長手方向に配置し、該誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置したエッジヒータを有することを特徴とする金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置。
(2)前記エッジ近傍に配置した誘導加熱コイルおよび/または該誘導加熱コイルの外周に設けたフェライトコアの形状を、金属帯板の幅方向の中央側に短辺を有する台形とすることにより、金属帯板が幅方向にウォークして金属帯板と誘導加熱コイルとの幅方向のラップ距離が変化しても該金属帯板における発熱量がウォーク前と同等になることを特徴とする(1)に記載の金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置。
(3)前記金属帯板が幅方向にウォークしたときに、前記エッジ近傍に配置した加熱コイルを金属帯板の幅方向のエッジ位置に追従させる追従手段を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置。
(4)前記シングルターン誘導加熱コイルの前段に、ソレノイド方式の誘導加熱コイル、接触方式の通電加熱ロール、燃焼加熱炉のいずれかを設けることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の板幅方向の均温性に優れた金属帯板の加熱装置。
本発明によれば、シングルターン誘導加熱コイルの前段または後段に、誘導加熱コイルの配置方向を金属帯板の長手方向とするエッジヒータを設けることにより、金属帯板エッジ部の温度上昇をなだらかにすることができる金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置を提供することができる。
また、本発明により、コイルギャップを100mmまで拡大させた場合でも幅方向の均温性が±15℃以内を確保しながらキュリー点以上の加熱が可能となり、実用範囲を広げることができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明の実施の形態を、図1乃至図10を用いて詳細に説明する。
図1および図2は、従来のシングルターンコイルの問題点を説明するための模式図である。
図1は、従来のシングルターンコイルの側面図であり、金属帯板の通板性をよくするためにコイルと金属帯板とのギャップを広げると、一般に、磁場は、コイル幅の1/2程度しか飛ばず加熱効率が低下するため、コイル幅を大きくして磁場の届く距離を長くする必要がある。
図2は、従来のシングルターンコイルによって金属帯板に発生する渦電流を示す図である。
図2の上段に示すように、コイル幅を大きくすると上下のコイルずれ量も拡大して金属帯板の最エッジ部に発生する縮流長Dが増大するため、図2の下段に示すように、金属帯板エッジ部の温度上昇が急峻になってしまい、金属帯板端部の過加熱が生ずるという問題点があった。
その結果、従来のシングルターンコイルでは、金属帯板の幅方向の温度偏差を±30℃以下にすることはできなかった。
図3乃至図5は、本発明の誘導加熱装置の実施形態を例示する図である。
図3および図5の右側に示すように、本発明における金属帯板の誘導加熱装置は、金属帯板を挟んで配置された誘導加熱コイル同士をコイル幅分だけ前記金属帯板の長手方向にシフトさせたシングルターン誘導加熱コイルと、該シングルターン誘導加熱コイルの近傍に並行して配置され、前記シングルターン誘導加熱コイルを流れる電流と逆方向の電流を流すことにより磁場の拡散を防止する磁場拡散防止コイルとを有する金属帯板の加熱装置であって、前記シングルターン誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置し、該シングルターン誘導加熱コイルの前段または後段に金属帯板を挟んで上下に対向させて設置する誘導加熱コイルを、該金属帯板の幅方向のエッジ近傍で、かつ、該金属帯板の長手方向に配置し、該誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置したエッジヒータを有することを特徴とする。
本実施形態の加熱装置は、ソレノイド方式の誘導加熱コイルにて一定温度まで加熱した後に、シングルターン誘導加熱コイル2,2´によって閉ループを形成し、一つの電源から供給される電流を金属帯板の幅方向に流すことによって、金属帯板に渦電流を発生させて加熱する。
図3に示すように、金属帯板を挟んで配置されたシングルターン誘導加熱コイル2、2´同士をコイル幅(W)分だけ前記金属帯板の長手方向にシフトさせることによって、板幅方向断面の表層部を一周している渦電流の表裏相殺を防止して加熱効率を高めることができる一方で、シフト量がコイル幅Wを超えると偏熱の原因となるので、シフト量はコイル幅分とする。
なお、本発明においては、シングルターン誘導加熱コイル2、2´を金属帯板の長手方向にシフトさせる方法は問わないが、例えば図5に示すように、金属帯板の幅方向の端部でコイルをL字型に曲げることにより、閉ループを維持したまま金属帯板の長手方向にシフトさせることができる。
図3に示すように、シングルターン誘導加熱コイル2、2´の金属帯板への対向面を除く外周にはフェライトコア4、4´を設置することにより、磁場を集中させて磁束密度を高めることができるので、金属帯センター部の電流密度がUPする。
また、シングルターン誘導加熱コイル2、2´の近傍に並行して配置される磁場拡散防止コイル3、3´は、シングルターン誘導加熱コイル2の電流と逆方向に電流を流すことにより、キュリー点(750℃)付近の加熱において磁場の拡散を防止することにより、板幅方向の中央部分における磁束密度の低下を防ぎ、板幅方向の中央部分の加熱温度を高めることができる。
本発明に使用するフェライトコア4の材質は、比透磁率が2500程度と高く、高抵抗率の素材を用いることが好ましい。
図4は、本発明に用いる金属帯板を挟んで上下に対向させて設置するエッジヒータの詳細を例示する図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図を示す。
図3乃至図5に示すように、本発明の誘導加熱装置は、シングルターン誘導加熱コイルの前段または後段に、誘導加熱コイルの配置方向を金属帯板の長手方向とするエッジヒータを設けることにより、キュリー点以上の誘導加熱が可能で、かつ、板幅方向に誘導加熱コイルを配置する従来技術のように最エッジが急峻な温度上昇とならず、緩やかな加熱が実現でき、その原理を図7に示す。
図7の左側は、幅方向に加熱コイルを配置した従来のシングルターンコイルの渦電流を示しており、金属帯板のエッジ部渦電流がコイル間に位置し、起電力が失われるために、金属帯板センター部と温度が異なる。特に金属帯板最エッジ部は、起電力を失った渦電流が集中し、電流密度が高くなり急峻な温度上昇が生じる。
そこで、本発明に用いる誘導加熱コイルは、図7の右側に示すように、従来幅方向に配置していたシングルターンコイルを金属帯板の面に沿って90°回転させエッジ部に配置すると、センター部はほとんど加熱できないものの、金属帯板エッジ近傍で、かつ、金属帯板の長手方向に設置された誘導加熱コイルがエッジ部で起電力を発生させるので、金属帯板エッジ部に高い電流密度が集中せず均一な電流が流れるため、金属帯板エッジ部の温度上昇をなだらかにすることができる。
また、図4に示すように、エッジヒータの誘導加熱コイル5,5´の金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコア6,6´を設置することにより、磁場を集中させて磁束密度を高めることができる。
ここに、本発明に用いる誘導加熱コイルを設置するエッジ部の位置は、加熱対象材および組み合わる加熱手段に合わせて決定すればよく、例えば、誘導加熱コイルの中心を金属帯板エッジから20〜50mmの範囲とすることが好ましい。
本実施形態では、シングルターンコイル及びエッジヒータは1コイルずつであるが、電源容量や加熱速度等によっては複数コイル使用することがあり得る。
また、本発明に用いるシングルターン誘導加熱コイルで金属帯板のセンター部分を中心に加熱し、本発明に用いるエッジヒータで金属帯板のエッジ部分を緩やかに加熱することによって、双方のコイルの偏熱を相互補完することで、キュリー点以上の幅方向均一加熱が誘導加熱で実現できる。
例えば、図3および図5に示すように、本発明に用いるエッジヒータで100℃程度エッジ温度を加熱し、その前段に設置したシングルターンコイルの周波数を1kHz程度まで低減することで、金属帯板エッジ30mm近傍の温度がセンター部に比べ100℃程度低下した部分を補完することで、従来以上に幅方向温度が均温化できる(従来850℃±30℃、本発明850℃±15℃)。
また、エッジヒータはエッジ部に配置するため、金属帯板が板幅方向に偏るウォークや幅変更への対応が問題であるが、エッジヒータは金属帯板エッジ部の補助加熱であり、加熱長も短く、加熱コイルを可とうブスバーで繋ぎ、エッジ追従手段を設けることによって、例えば図4(a)の矢印で示す金属帯板の幅方向にそれぞれのコイルを独立して移動させることによって、金属帯板が左右にウォークした場合でもこれにコイルを追従させることができる。
本発明においては、金属帯板がウォークした場合のエッジ追従手段は問わないが、例えば、図11に示すように、誘導加熱コイルを耐火セメント18およびSUSで被覆すると共に例えば光学式のエッジセンサー16で金属帯エッジを検出して鋼帯のウォーク量を求め、電気アクチュエータ17またはサーボモータで誘導加熱コイルを金属帯板の幅方向(図11の矢印で示した移動方向)に移動させることによりウォークに追従させることが好ましい。また、位置制御手段としては、フィードバック方式の自動位置制御手段を用いることが好ましい。
ウォークについては、上記のエッジ追従手段と同時にエッジヒータの加熱コイル形状を図8に示すように、金属帯板の幅方向の中央側に短辺を有する台形にすることが有効である。金属帯板がウォークすると本発明に用いる誘導加熱コイルと金属帯板との幅方向のラップ距離が変化し、金属帯板の渦電流密度が変化する。
しかし、誘導加熱コイルが台形であれば、金属帯板がウォークすると加熱長が変化し、例えば電流密度が上昇するとその分加熱長が短くなって加熱時間が短縮されるので、金属帯板の発熱量がウォーク前後で同等となり、幅方向均温性の悪化を抑制することができる。
図9及び図10は、本発明の好ましい実施形態を例示する図であり、図9は、エッジヒータに用いる誘導加熱コイルを台形状にした場合を示し、図10は、エッジヒータに用いるフェライトコアを台形状にした場合を示す図である。
図9は、誘導加熱コイル5,5´およびその外周に設けられたフェライトコア6,6´の形状を金属帯の長手方向に長辺および短辺を有する台形状にすることによって、金属帯板がウォークすると加熱長が変化し、例えば電流密度が上昇するとその分加熱長が短くなって加熱時間が短縮されるので、金属帯板の発熱量がウォーク前後で同等となり、幅方向均温性の悪化を抑制することができる。
図9に示すように、誘導加熱コイルを台形にする場合は、コイルにブスバーを直接繋ぎ込む構造となる。従来、加熱コイル銅管を延長してブスバーを繋いでいたが、台形コイルでは、コイル銅管延長部をブスバーに換えればよい。
図10は、誘導加熱コイル5,5´の形状は直方体とし、その外周に設けられたフェライトコア6,6´の形状を金属帯の長手方向に長辺および短辺を有する台形状にすることによって、フェライトコア6,6´による磁束密度が金属帯板のウォークによって変化するので、金属帯板の発熱量がウォーク前後で同等となり、幅方向温度偏差を低減する効果が期待できる。
また、本発明においては、650〜750℃以下のいずれかの特定温度までの鋼帯の加熱に用いる加熱方法は問わないが、ソレノイド方式の誘導加熱コイル、接触方式の通電加熱ロール、誘導加熱方式、直接通電加熱方式以外の加熱方式の加熱炉のいずれか1つまたはこれらの2つ以上を組合わせて用いることによって、より汎用性を高めることができる。
ここに、ソレノイド方式の誘導加熱コイルとは、コイルで被加熱物を巻くように配置して、交番磁界を被加熱物に平行に印加する加熱コイルをいい、通電加熱ロールとは、金属帯板に接触するロールであって、このロールから金属帯板に直接電流を流して、そのジュール熱により金属帯板を加熱するものであり、燃焼加熱炉とは、ガスなどの燃料を燃焼させて炉内雰囲気温度を上昇させて金属帯を加熱する加熱炉をいう。
なお、以上説明した本発明の実施形態は、水平に設置する加熱装置を例示したが、本発明は、金属帯板が垂直に搬送されるラインに設置する加熱装置にも適用できる。
以下に鋼板を対象として、本発明の金属帯板の誘導加熱装置を下記の実験条件にて実施した結果を図6に示す。
<実験条件>
鋼板厚み:0.3mm、鋼板幅:300mm、鋼板速度:100mm/s
<加熱コイル構成>
1)ソレノイドコイル(700℃まで幅方向均一に加熱する)
電源周波数:20kHz、電源出力:50kW
2)シングルターンコイル(センター部は850℃まで加熱、エッジ部は750℃程度の加熱でエッジ温度が低い加熱)
電源周波数:1kHz、電源出力:15kW、加熱コイル幅W:80mm、
コア厚h:20mm、ギャップG:100mm
3)本発明に用いるエッジヒータ(エッジ部のみ加熱)
電源周波数:25kHz、電源出力:10kW、加熱コイル幅W:120mm、
コア厚h:20mm、ギャップG:100mm
図6は、本発明の金属帯板の誘導加熱装置を実施した結果を示す図であり、横軸は鋼帯エッジ部からの幅方向距離(mm)、縦軸は鋼帯温度(℃)を示している。
実験結果は、図6に示すように、低周波シングルターンコイル(コイル1)を単独で用いる場合には、鋼帯の幅方向に100℃近い温度偏差が生じたが、本発明に用いるエッジヒータ(コイル2)を用いる場合は、鋼帯エッジ部を緩やかに加熱することができエッジ部に生じる急峻な温度上昇を防止することができた。
また、図6に示すように、低周波シングルターンコイル(コイル1)と本発明に用いるエッジヒータ(コイル2)とを併用することによって、鋼帯センター部をキュリー点以上に加熱しても、幅方向温度偏差が±15℃以下に抑制でき、従来技術以上に均一な加熱が可能であり、本発明の効果が確認できた。
従来のシングルターンコイルの側面図である。 従来のシングルターンコイルによって金属帯板に発生する渦電流を示す図である。 本発明の誘導加熱装置の実施形態を例示する図である。 本発明に用いる金属帯板を挟んで上下に対向させて設置するエッジヒータの詳細を例示する図である。 本発明の誘導加熱装置の実施形態を例示する図である。 本発明の金属帯板の誘導加熱装置を実施した結果を示す図である。 従来のコイルと本発明に用いるコイルの違いの説明図である。 本発明の誘導加熱装置の好ましい実施形態を例示する図である。 本発明に用いる誘導加熱コイルを台形状にした好ましい実施形態を例示する図である。 本発明に用いるフェライトコアを台形状にした好ましい実施形態を例示する図である。 本発明に用いるウォーク追従機構を例示する図である。
符号の説明
1 ソレノイド方式誘導加熱コイル
2、2´ シングルターン誘導加熱コイル
3、3´ 磁場拡散防止コイル
4、4´ フェライトコア
5、5´ 誘導加熱コイル
6、6´ フェライトコア
7〜15 ブスバー
16 エッジセンサー
17 電気アクチュエーター
18 耐火セメント
W コイル幅
h コア厚
G コイルギャップ
D 縮流長

Claims (4)

  1. 金属帯板を挟んで配置された誘導加熱コイル同士をコイル幅分だけ前記金属帯板の長手方向にシフトさせたシングルターン誘導加熱コイルと、該シングルターン誘導加熱コイルの近傍に並行して配置され、前記シングルターン誘導加熱コイルを流れる電流と逆方向の電流を流すことにより磁場の拡散を防止する磁場拡散防止コイルとを有する金属帯板の加熱装置であって、前記シングルターン誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置し、該シングルターン誘導加熱コイルの前段または後段に金属帯板を挟んで上下に対向させて設置する誘導加熱コイルを、該金属帯板の幅方向のエッジ近傍で、かつ、該金属帯板の長手方向に配置し、該誘導加熱コイルの金属帯板への対向面を除く外周にフェライトコアを設置したエッジヒータを有することを特徴とする金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置。
  2. 前記エッジ近傍に配置した誘導加熱コイルおよび/または該誘導加熱コイルの外周に設けたフェライトコアの形状を、金属帯板の幅方向の中央側に短辺を有する台形とすることにより、金属帯板が幅方向にウォークして金属帯板と誘導加熱コイルとの幅方向のラップ距離が変化しても該金属帯板における発熱量がウォーク前と同等になることを特徴とする請求項1に記載の金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置。
  3. 前記金属帯板が幅方向にウォークしたときに、前記エッジ近傍に配置した加熱コイルを金属帯板の幅方向のエッジ位置に追従させる追従手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属帯板の幅方向均温性に優れた誘導加熱装置。
  4. 前記シングルターン誘導加熱コイルの前段に、ソレノイド方式の誘導加熱コイル、接触方式の通電加熱ロール、燃焼加熱炉のいずれかを設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の板幅方向の均温性に優れた金属帯板の加熱装置。
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