JP2531734B2 - 金属膜を含む反射防止膜付着透明体 - Google Patents

金属膜を含む反射防止膜付着透明体

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JP2531734B2
JP2531734B2 JP63077883A JP7788388A JP2531734B2 JP 2531734 B2 JP2531734 B2 JP 2531734B2 JP 63077883 A JP63077883 A JP 63077883A JP 7788388 A JP7788388 A JP 7788388A JP 2531734 B2 JP2531734 B2 JP 2531734B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明基板の光の反射を低減する反射防止膜
付着透明板、特に光を吸収する金属層、または金属合金
層を有する多層反射防止膜付着透明板に関する。
[従来の技術] 従来、光を吸収する金属層を有する多層反射防止膜付
着透明板として、透明基板の一方の面に誘電体のみから
なる多層反射防止膜を形成し、もう一方の面に透過率が
30%〜80%となるような厚みの光吸収のある金属層を形
成したものが特開昭62−58202で公知である。この金属
層を有する多層反射防止膜付着透明板は多層反射防止膜
により透明板の反射率を下げると共に金属層により光を
吸収して透明基板の透過率を調整しようとするものであ
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような金属層を有する多層反射防
止膜付着透明板は透明基板表面に付着した多層反射防止
膜により、その表面反射は極めて小さくすることができ
るが、透明基体のもう一方の面と金属層との界面の反射
等により、該透明板全体の反射率を約1%程度にしか低
下できず、この金属層を有する多層反射防止膜付着透明
板をCRT等のガラス製ディスプレイに貼付けて使用する
場合でも、その全体の視感度反射率を0.6%程度にまで
しか下げることができなかった。
[課題を解決するための手段] この発明は、このような従来の問題点を解決すべくな
されたもので有り、透明板全体の反射率を極めて小さく
した反射防止膜付着透明板を提供することを目的とした
ものである。
この目的を達成するために、この発明は屈折率が1.40
〜1.70の透明基板の表面に光の反射を防止するための反
射防止膜を付着した透明板において、該反射防止膜が1.
37〜1.50の屈折率で、1.90×λ0/4〜2.30×λ0/4(但し
λは中心波長、以下同じ)の光学膜厚の第1の低屈折
率誘電体層と、2.00〜2.40の屈折率で、0.03×λ0/4〜
1.90×λ0/4の光学膜厚の高屈折率誘電体層と、1.37〜
1.50の屈折率で、0.06×λ0/4〜1.60×λ0/4の光学膜厚
の第2の低屈折率誘電体層と、26Å〜58Åの厚みのチタ
ン、クロム、ジルコニウム、モリブデン、ニッケル、ニ
ッケル・クロム合金、及びステンレスのいずれか一つの
金属層または合金層と、1.37〜1.50の屈折率で、0.70×
λ0/4〜0.97×λ0/4の光学膜厚の第3の低屈折率誘電体
層とからなり、該各層が該透明基板表面から順次形成さ
れてなる。
本発明において、屈折率が1.40〜1.70の透明基板とし
ては通常ガラス板、または合成樹脂板が用いられる。合
成樹脂板としてはアクリル樹脂板、ポリカーボネイト樹
脂板、またはポリスチレン樹脂板が好んで用いられる。
また、本発明において前記第1及び第2の低屈折率誘
電体層として、フッ化マグネシウム(MgF2)または酸化
シリコン(SiO2)のいずれかを用いるのが好ましい。
更にまた、本発明において、前記第1及び第2の高屈
折率誘電層として、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル
(Ta2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、チタン酸プラ
セオジム(PrTiO3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化亜
鉛(ZnS)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In
2O3)、及び酸化インジウムと酸化スズとの混合物(IT
O)のいずれかを用いることができる。
酸化インジウムの酸化スズとの混合物としては酸化イ
ンジウムと酸化スズとの重量比が95:5の割合のものを用
いるのが好ましい。
[作 用] このような反射防止膜中に光吸収のある金属層または
合金層を組入れた本発明においては透明板に入射する光
は無論、透明板の裏面での反射光がこの金属層、または
合金層で吸収減衰されるため、反射防止膜付着透明板全
体の反射光は小さくなる。
[実施例1] 以下、本発明の実施例について図面を引用して説明す
る。
第1図において、1は屈折率が1.51のガラス板であっ
て、ガラス1の表面に反射防止膜7が形成された。反射
防止膜7はガラス板1側から、屈折率が1.37で、光学膜
厚が2.21×λ0/4(但しλ=504nm、以下同じ)のフッ
化マグネシウム層2と、屈折率が2.15で、光学膜厚が0.
42×λ0/4のチタン酸プラセオジム層3と、屈折率が1.3
7で、光学膜厚が1.52×λ0/4のフッ化マグネシウム層4
と、膜厚が44Åのステンレス層5(ステンレスは72重量
%のニッケル、16重量%のクロム、及び8重量%の鉄の
合金である)と、屈折率が1.37で、光学膜厚が0.94×λ
0/4とからなり、各層は順次真空蒸着法で形成された。
反射防止膜7を形成したガラス板1のガラス面側をガ
ラスと同じ程度の屈折率を有する接着剤を用いて、CRT
のフェースプレートに接着してガラス面側の反射をなく
した。このときの反射防止膜付着ガラス板の反射特性を
第2図に、透過率特性を第3図に、視感度反射率及び視
感度透過率を第1表に夫々示した。
[実施例2] 第1図に示したと同様な構成の反射防止膜付着ガラス
板であって、反射防止膜7の多層膜を以下の如く変え
た。
すなわち、反射防止膜6は屈折率が1.37で、光学膜厚
が1.98×λ0/4のフッ化マグネシウム層2と、屈折率が
2.15で、光学膜厚が1.09×λ0/4のチタン酸プラセオジ
ム層3と、屈折率が1.37で、光学膜厚が1.20×λ0/4の
フッ化マグネシウム層4と、膜厚が58Åのステンレス層
5と、屈折率が1.37で、光学膜厚が0.92×λ0/4のフッ
化マグネシウム層6とからなり、これらの層はガラス板
1上に順次真空蒸着法により形成された。
このようにして得られた反射防止膜付着ガラス板を実
施例1と同様にして光学特性を測定したところ、第1表
に示したとおり視感度反射率が0.088%、視感度透過率
が35%であった。
[実施例3] 第1図に示したと同様な構成の反射防止膜付着ガラス
板であって、反射防止膜7の多層膜を以下の如くした。
すなわち、反射防止膜7は屈折率が1.37で、光学膜厚
が2.04×λ0/4のフッ化マグネシウム層2と、屈折率が
2.15で、光学膜厚が1.84×λ0/4のチタン酸プラセオジ
ム層3と、屈折率が1.37で、光学膜厚が0.65×λ0/4の
フッ化マグネシウム層4と、膜厚が26Åのステンレス層
5(ステンレスは72重量%のニッケルと、16重量%のク
ロムと8重量%の鉄とからなる合金である)と、屈折率
が1.37で、光学膜厚が0.71×λ0/4のフッ化マグネシウ
ム層6とからなり、各層はガラス板1面上に順次真空蒸
着法で形成された。
このようにして得られた反射防止膜付着ガラス板を実
施例1と同様にして光学特性を測定したところ、第1表
に示したとおり、視感度反射率が0.074%、視感度透過
率が65%であった。
[発明の効果] 以上のように本発明の反射防止膜付着透明板は反射防
止膜中に光吸収のある金属層、または合金層を組入れる
ことにより、CRT等の反射防止板として使用した場合に
は視感度反射率を0.1%以下のきわめて小さくすること
ができる。
従って、CRTの画面が見やすくなり、更に光吸収の金
属層、または合金層によりCRTの蛍光面に入射する光が
吸収されてコントラストがよくなる。また前記金属層ま
たは合金層をアースすることにより、前記透明板に帯電
防止機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すものであって、第1図は反
射防止膜付着透明板の断面図、第2図は反射防止膜付着
透明板の反射特性、第3図はその透過率特性である。 1:透明板、2:第1の低屈折率誘電体層、 3:高屈折率誘電体層、 4:第2の低屈折率誘電体層、 5:金属層または合金層、 6:第3の低屈折率誘電体層、 7:反射防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−143846(JP,A) 特開 昭59−127001(JP,A) 特開 昭59−202408(JP,A) 特開 昭56−126152(JP,A) 特開 昭62−186202(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈折率が1.40〜1.70の透明基板の表面に光
    の反射を防止するための反射防止膜を付着した透明板に
    おいて、該反射防止膜が1.37〜1.50の屈折率で、1.90×
    λ0/4〜2.30×λ0/4(但しλは中心波長、以下同じ)
    の光学膜厚の第1の低屈折率誘電体層と、2.00〜2.40の
    屈折率で、0.03×λ0/4〜1.90×λ0/4の光学膜厚の高屈
    折率誘電体層と、1.37〜1.50の屈折率で、0.06×λ0/4
    〜1.60×λ0/4の光学膜厚の第2の低屈折率誘電体層
    と、26Å〜58Åの厚みのチタン、クロム、ジルコニウ
    ム、モリブデン、ニッケル、ニッケル・クロム合金、及
    びステンレスのいずれか一つの金属層または合金層と、
    1.37〜1.50の屈折率で、0.70×λ0/4〜0.97×λ0/4の光
    学膜厚の第3の低屈折率誘電体層とからなり、該各層が
    該透明基板表面から順次形成されてなる金属膜を含む反
    射防止膜付着透明体。
  2. 【請求項2】前記第1、第2、及び第3の低屈折率誘電
    体層がフッ化マグネシウム、または酸化シリコンのいず
    れかである特許請求の範囲第1項に記載の金属膜を含む
    反射防止膜付着透明体。
  3. 【請求項3】前記高屈折率誘電体層が酸化チタン、酸化
    タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸プラセオジウ
    ム、酸化ハフニウム、硫化亜鉛、酸化錫、酸化インジウ
    ム、及び酸化インジウムと酸化錫との混合物(ITO)の
    いずれかである特許請求の範囲第1項、または第2項に
    記載の金属膜を含む反射防止膜付着透明体。
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WO2009131136A1 (ja) * 2008-04-22 2009-10-29 コニカミノルタホールディングス株式会社 遮熱樹脂基材またこれを用いた建築部材

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