JP2531704Y2 - 開き止め具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はドアー等の開閉部材を一時的に閉状態でロッ
クするための開き止め具に関するものである。

〔従来の技術〕 家庭等において開閉部材を簡易な手段でロックしたい
という要請がある。例えば、幼児のいる家庭では冷蔵庫
がその対象となる。

従来、その目的のためにレバー式のロック具が知られ
ている。これは、冷蔵庫本体の側面とドアーの側面とに
二つの部材が粘着手段によって取りつけられ、一方の部
材には第一のレバーがドアーの閉状態において他方の部
材にまで及んで設けられ、先端が他方の部材によってそ
の長手方向に摺動案内されるようになっている。また、
他方の部材には冷蔵庫側面の面上で回動自在な第二のレ
バーが設けられ、第一のレバーと平行な状態で一方の部
材にまで及ぶようになっている。そして、第一及び第二
のレバーは、ドアーの閉状態においては互に平行で、そ
れぞれの先端部の側縁が、相手レバーの基部の側縁に当
接されており、特に第二レバーはその先端が一方の部材
の突起に係止して上記平行状態を保ってドアーをロック
している。

上記、従来のロック具にあっては、ドアーを開くとき
には、一方の部材に対する第二のレバーの係止を、該第
二レバーをその厚み方向に若干弾性変形せしめることに
よりロックを解除し、ドアーを引く。すると、第二レバ
ーはその自重により下方に回動すると共に、第一レバー
は他方の部材上を摺動しながら該他方の部材から外れ
る。かくして、二つの部材は離反して、ドアーは開かれ
る。

次に、再びドアーを閉めると、第一レバーはその先端
が第二のレバーの基部側縁を摺るようにして該第二のレ
バーに回動力を与える。そして、第一レバーは他の部材
に摺動案内され、第二レバーは回動して一方の部材に係
止される。かくして、当初のロック状態に戻ることとな
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述の公知のロック具には次のような
問題点をかかえている。

二つの部材は、冷蔵庫の側面とドアー側面を含む一つ
の面で作動するためにその取りつけ位置が限定されてし
まう。

一方の部材が取りつけられるドアーの側面は狭いため
に取りつけが不自由であり、ドアーによっては凹凸がは
げしく形成されていて取りつけが不可能なこともある。

二つの部材の作動は一つの面内で作動するので、多少
なりとも多付面に段差があると、作動しなくなってしま
う。

二つの部材の取付位置が正確でなくてはならず、取り
つけが面倒である。

部品点数が多く効果なものとなってしまう。

本考案は、かかる従来装置のかかえていた問題点を解
消し、取りつけ位置が限定されず、取りつけ精度も要求
されず、簡単な構成で安価に製造できる開き止め具を提
供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案によれば、上記目的は、 開閉が行われる二つの部材の間に掛け渡すように取り
つけられて両部材の開きを阻止するものにおいて、 上記二つの部材のそれぞれに定位置で固着される二つ
の定着部材と、該二つの定着部材とを連結する可撓帯部
材とを有し、 可撓部材の少なくとも一端部とこれに対応する定着部
材は、解除自在に互に結合する結合手段を形成し、結合
手段の一方を形成する定着部材は固定側の本体部と該本
体部に対して蝶開自在な蓋部とを有すると共に、本体部
と蓋部との間に凹部を形成し、結合手段の他方を形成す
る可撓帯部材の一端部は、上記凹部に収容される係止部
をなし、上記本体部と蓋部とが解除可能に閉状態で係止
する係止凹部と係止突部とをそれぞれ有していて、上記
可撓帯部材の係止部を上記凹部内に係留することができ
る、 ことにより達成される。

〔作用〕

上述のごとくの本考案の開き止め具にあっては、可撓
帯部材が二つの定着部材と結合している状態で、開閉が
行われる閉状態での二つの部材に対し、上記二つの定着
部材をそれぞれ定位置で固着する。これで、二つの部材
閉状態でロックされている。かかるロック状態は、結合
手段の一方をなす可撓部帯部材の一端部に設けられた係
止部を、上記開状態の定着部材の凹部に収容した後に、
接合手段の他方をなす該定着部材の本体部に対して蓋部
材を閉じて本体部の係止孔部に蓋部材の係止突部を係止
されることにより得られる。なお、二つの定着部材の固
着される二つの面は、同一平面に限定されず、互に段差
がある平行面、そして互に角度をもって交わる面であっ
てもよい。

次に、二つの部材を開状態にするには、可撓帯部材の
一端部における結合手段を解除する。かくして、二つの
部材は開閉自在となる。

〔実施例〕

以下、添付図面にもとづいて本考案の一実施例を説明
する。

第１図において、Ｒは冷蔵庫のドアー開閉部の一部分
を示し、R₁はドアー、R₂は冷蔵庫本体である。該ドアー
R₁は矢印Ａ方向に開くことができるようになっている。

同図にて、ドアーR₁の前面には定着部材１が、そして
冷蔵庫本体R₂の側面には定着部材２がそれぞれ固着され
ている。また、定着部材１には可撓帯部材３が一体成形
により繋げられている。

定着部材１は、本体部11が円板状に形成されていて、
その裏面にはシール等を剥離することにより露呈する粘
着層12が設けられている。

上記定着部材１の本体部11には、自由に変形可能な可
撓帯部材３の一端が一体成形により繋がっている。該可
撓帯部材３の他端には、結合手段の一方となる係止部31
を有している。該係止部31は略円板状をなし、中央に係
止孔31Aが形成されている。

一方、定着部材２は、本体部21と蓋部22とから成って
いる。本体部21は、既述の定着部材１の場合と同様に、
裏面にはシール等を剥離することにより露呈する粘着層
23を有している。この本体部21は、上記可撓帯部材３の
円板状の係止部31を受け入れる略円形の凹部24が形成さ
れ、その中央位置には上記係止部31の係止孔31Aに入り
込む係止筒部25が設けられている。該係止筒部25には中
空部をなす円筒孔状の係止凹部が形成されている。ま
た、上記凹部24は周縁の一部にて上記可撓帯部材３のた
めに開放部24Aが形成されている。

上記開放部24Aと直径方向で反対側の周縁位置にはヒ
ンジ26が設けられていて、該ヒンジ26により開閉自在に
蓋部22が取りつけられている。該蓋部22の内面側には、
スリットをもって直径方向に弾性変形可能な略円柱状の
係止突部27が設けられていて、係止突部27が上記係止筒
部25の係止凹部内に押入された際に、係止突部27の頂部
突周縁により、本体部21と蓋部22とはロックされるよう
になっており、かくして結合手段の他方を形成してい
る。なお、蓋部22には、このロックを解除して蓋部22を
開くための指掛け部28も設けられている。

以上のごとくの本実施例の開き止め具は、次の要領で
使用される。

可撓帯部材３の係止部を、定着部材２の本体部21に形
成された凹部24内に収め、蓋部22を閉め、定着部材２と
可撓帯部材３とを結合して、取りつけ準備を完了する。

次に、定着部材１及び２の裏面のシールを剥離し、そ
れぞれの粘着層12及び23を露呈せしめる。

かかる状態で、閉状態にある冷蔵庫のドアーR₁の前面
に定着部材１を、そして冷蔵庫本体R₂の側面に定着部材
２を粘着により固定する。かくして、冷蔵庫は閉状態で
ロックされたことになる。

次に、冷蔵庫を開けるときには、蓋部22の指掛け部28
に指をかけて該蓋部22を開いて可撓帯状部材３の係止部
31を定着部材21から外す。かくして、開き止め具のロッ
クは解除され、冷蔵庫は自由に開けることができる。

本考案は、上述の実施例に示される使い方以外の形態
でも使用可能である。例えば、従来のロック具のごとく
二つの定着部材は同一平面にて開閉部材に取りつけても
よい。その場合、定着部材の粘着層の粘着力を多少大き
めとする配慮が必要であろう。また、本考案では定着部
材の固着手段は粘着層に限定されず吸盤も適用可能であ
る。さらに、本実施例では、結合手段は可撓帯部材と一
方の定着部材との間に形成されたが、両方の定着部材と
の間で形成し、可撓帯部材のどちらの端部においても解
除できるようにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は以上のごとく二つの定着部材を可撓帯部材で
連結し、少なくとも一方の端部を定着部材と解除自在と
したので、可撓帯部材の撓みにもとづき二つの定着部材
の取りつけ平面の位置関係は何ら限定を受けることがな
くなり、きわめて使用範囲が広くなった。さらに、二つ
の定着部材の取りつけも、然程、位置精度を要求されず
取りつけが簡単となった。又、結合手段を解除するには
係止突部を係止凹部から外さなければならず、幼児がこ
れをなすには技巧を要するために簡単には外れないか
ら、安全性が高まるという効果を得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例装置の使用状態における斜視
図である。 １……定着部材 ２……定着部材 ３……可撓帯部材 2,31……結合手段

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉が行われる二つの部材の間に掛け渡す
   ように取りつけられて両部材の開きを阻止するものにお
   いて、 上記二つの部材のそれぞれに定位置で固着される二つの
   定着部材と、該二つの定着部材とを連結する可撓帯部材
   とを有し、 可撓帯部材の少なくとも一端部とこれに対応する定着部
   材は、解除自在に互に結合する結合手段を形成し、 結合手段の一方を形成する定着部材は固定側の本体部と
   該本体部に対して蝶開自在な蓋部とを有すると共に、本
   体部と蓋部との間に凹部を形成し、 結合手段の他方を形成する可撓帯部材の一端部は、上記
   凹部に収容される係止部をなし、 上記本体部と蓋部とが解除可能に閉状態で係止する係止
   凹部と係止突部とをそれぞれ有していて、上記可撓帯部
   材の係止部を上記凹部内に係留することができる、 ことを特徴とする開き止め具。
2. 【請求項２】可撓帯部材は、一端部が対応する定着部材
   と結合手段により連結され、他端部が対応する定着部材
   と一体に形成されていることとする請求項（１）に記載
   の開き止め具。
3. 【請求項３】定着部材は粘着部材もしくは吸盤部材を備
   えていることとする請求項（１）または請求項（２）に
   記載の開き止め具。