JP2531383B2 - 薄膜トランジスタの製法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製法

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JP2531383B2 JP18191194A JP18191194A JP2531383B2 JP 2531383 B2 JP2531383 B2 JP 2531383B2 JP 18191194 A JP18191194 A JP 18191194A JP 18191194 A JP18191194 A JP 18191194A JP 2531383 B2 JP2531383 B2 JP 2531383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタ(T
FT)の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば透過型液晶ディスプレイにおいて
は、各絵素をオン,オフするためのスイッチング素子と
して薄膜トランジスタが用いられている。この場合、薄
膜トランジスタは、透明ガラス基板上に多数配列して形
成される。図2は従来のガラス基板上に薄膜トランジス
タを形成する製法例である。これは、先ず図2Aに示す
ようにガラス基板1上にアルミニウム又は酸化インジウ
ム錫(以下ITOと略す)等によるゲート電極2を形成
して後、SiO2 膜3、水素化アモルファスシリコン
(以下a−Si:Hと略す)膜4及びオーミックコンタ
クト用のn形のa−Si:H(n+ −a−Si:H)膜
5を連続してプラズマCVD法で全面に堆積する。次
で、a−Si:H膜4及びn+ −a−Si:H膜5をパ
ターニングして薄膜トランジスタを作るために必要な部
分を島領域化する。次に、図2Bに示すように、ソース
及びドレイン部上にAl/Mo2層膜構造、モリブデ
ン、チタン又はニクロム等によるソース電極6及びドレ
イン電極7を形成する。次に、図2Cに示すように、ソ
ース電極6及びドレイン電極7間に臨むn+ −a−S
i:H膜5をプラズマエッチング法等により除去し、ソ
ース及びドレイン間のリーク電流をなくす。然る後、
2Dに示すように、パッシベーション用及び液晶配向用
のSiO2 膜8を全面に形成し、さらにチャネル部に対
応する部分を覆うように遮光層9を形成して薄膜トラン
ジスタを形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この製法では、フォト
リソグラフィーに使用するマスクとして、ゲート電極2
のパターン形成用、a−Si:H膜4の島領域形成用、
ソース及びドレイン電極6及び7のパターン形成用、更
に遮光層9のパターン形成用の4枚のマスクが最低必要
となる。又、a−Si:H膜4の膜厚は約0.5μm程
度ないとn+ −a−Si:H膜5をエッチング除去する
場合に充分な厚みを残せないこと、n+ −a−Si:H
膜4の堆積のむらが加わり広い面積に亘って一様な特性
の多数の薄膜トランジスタが得にくい等の欠点があっ
た。a−Si:H膜4が厚いとソース、ドレイン電極
6,7の厚みが1μm程度ないと段切れが生じ易い。
【0004】そしてこの様な厚いa−Si:H膜4では
a−Si:Hの光伝導度が大きいために、光を遮断する
ための遮光層9が必要となり製造工程を一層複雑にして
いる。a−Si:H膜4は水素化されているため、膜内
に欠陥が少なく、通常オン/オフ比106 が得られ、閾
値電圧Vth=5V程度のものが得られる。しかし非晶質
であるために有効移動度は0.1〜0.5cm2 /V・
Sと小さく、早いスイッチング特性が得られない。
【0005】本発明は、上述の点に鑑み、製造を容易に
し、且つ薄膜トランジスタの性能の向上をはかり、更
に、低耐熱性基板上に薄膜トランジスタの形成を可能に
した薄膜トランジスタの製法を提供するものである。
【0006】本発明は、非晶質基板1上にゲート電極
2、ゲート絶縁膜3、ソース部4S、ドレイン部4D
よびチャネル部4Cを形成する薄膜トランジスタの製法
において、非晶質基板1上に、膜厚100Å〜1000
Åの非晶質半導体薄膜4、この非晶質半導体薄膜4の
ース部4S、ドレイン部4Dの表面に接して不純物部5
をそれぞれ形成する工程と、非晶質半導体薄膜4を波長
100nm〜400nmの短波長パルスレーザの照射に
より溶融加熱し、非晶質半導体薄膜4の多結晶化を行う
ようにする。
【0007】
【作用】本発明の製法によれば、非晶質基板1上に、
厚100Å〜1000Åの非晶質半導体薄膜4およびこ
のソース、ドレインが形成される領域4S,4Dに接し
て不純物含有部5(又は6,7)を形成した後、波長1
00nm〜400nmの短波長パルスレーザ10を照射
することにより、非晶質半導体薄膜4が短時間加熱さ
れ、溶融し、その後冷却されてチャネル領域4Cが結晶
化され、また、ソース領域4S、ドレイン領域4Dが形
成される。この多結晶化により、キャリア移動度の大き
い薄膜に変えることができる。また多結晶化により、光
伝導度を低減でき、光が当たってもリーク電流が生じ
くくなる。従って、薄膜トランジスタの性能の向上が図
れる。
【0008】また、波長100nm〜400nmの短波
長パルスレーザ10を用いるので、基板全体を高温にす
ることなく低温(室温)にて半導体薄膜4の多結晶化が
可能となり、低耐熱性の非晶質基板1上に、高性能の薄
膜トランジスタを形成することができる。
【0009】更に、従来のチャネル部4C上を覆う遮光
層及びそのためのマスク工程を省略でき、製造が容易と
なる。
【0010】
【実施例】本発明では、結晶化しようとする半導体薄膜
に短波長パルスレーザを照射したとき、そのレーザ光が
半導体薄膜の極表面のみで吸収され、その後熱伝導によ
って薄膜の内部が溶けて再結晶化し、或はアニールされ
て結晶粒が大きくなることを利用して薄膜トランジスタ
を製造するものである。
【0011】例えば半導体薄膜としてa−Si:H膜を
用い、これに波長308nmのXeClエキシマーレー
ザ光を照射した場合、この波長に対する吸収係数は10
6 cm-1に達するので、極表面(100Å程度)で吸収
され熱に変換される。この熱は直ちに熱伝導によって薄
膜内部に伝わる。この様に膜の表面又は内部が瞬間的に
高温になるためにa−Si:H膜は水素を出さずに結晶
化されその特性は著しく変化する。例えば膜のキャリア
移動度が著しく増大し、また光伝導度が低減する。また
イオン注入された膜はその不純物が活性化される。
【0012】この様な短波長の高エネルギーパルスレー
ザ光を照射するときは、a−Si:H膜中の水素は放出
されず、結晶化した後も結晶粒界のダングリングボンド
をなくす働きを行う。
【0013】本発明が用いる短波長パルスレーザ光とし
ては、そのレーザ波長が100〜400nm、実用範囲
は150〜350nm、パルス幅が100nsec以下
で好ましくは10〜50nsec就中20nsecであ
る。またパルスのピーク強度は106 W/cm2 以上〜
108 W/cm2 以下とし、フルーエンス(1回のパル
スエネルギー)は1J/cm2 以下、好ましくは50m
J/cm2 以上〜500mJ/cm2 以下、より好まし
くは100mJ/cm2 とする。このような短波長パル
スレーザ光を用いれば局部的な加熱が可能となる。
【0014】次に、図1を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0015】本例においては、先ず図1Aに示すよう
に、ガラス基板1上にアルミニウム又はITO等による
ゲート電極2を形成して後、SiO2 膜3、非晶質半導
体薄膜であるa−Si:H膜4及び不純物部となる+
−a−Si:H膜5を順次プラズマCVD法で全面に堆
積する。次でa−Si:H膜4及びn+ −a−Si:H
膜5をパターニングして薄膜トランジスタを作る部分を
島領域化する。
【0016】次に、図1Bに示すように、例えばモリブ
デン、チタン又はニクロム等によるソース電極6及びド
レイン電極7を形成し、両電極6及び7をマスクにチャ
ネル部に対応する部分上のn+ −a−Si:H膜5をプ
ラズマエッチング法等によって選択除去する(図1C参
照)。これによって、a−Si:H膜4のソース部4S
及びドレイン部4Dの表面に接して夫々n + −a−S
i:H膜5が形成され、夫々のn + −a−Si:H膜5
に接するソース電極6及びドレイン電極7が形成され
る。ここまでの工程は図2A〜Cの工程と同じである。
【0017】次に、図1Dに示すように、全面にSiO
2 膜8を被着形成した後、表面側から短波長パルスレー
ザ光即ちUV(紫外線)パルスレーザ光10を照射して
a−Si:H膜4のチャネル部4Cを多結晶化し、目的
の薄膜トランジスタを得る。8はSiO2 膜である。
【0018】この製法では、チャネル部4Cのa−S
i:H膜を水素を出さずに結晶化できることにより、薄
膜トランジスタのキャリア移動度を大きくすることがで
きる。又、a−Si:H膜の結晶化により光伝導度が
なくなり、光が当たってもリーク電流の発生が減少す
る。従って、従来のチャネル部上を覆う遮光層9及びそ
の為のマスク工程が省略できる。UVパルスレーザ光1
0はSiO2 膜8を透過し、電極6,7で反射するため
温度は上がらず、電極6,7を損なうことなくチャネル
部を処理できる。因みにアルゴンレーザ、YAGレーザ
のように長波長レーザでは、膜が薄い場合、光の吸収が
小さく長時間の照射となるため、a−Si:H膜全体の
温度が上がるとと共に、基板への熱の影響が大きくな
り、基板が変形したり、SiO2 膜8、電極6,7等が
損傷を受けるという不都合が生じやすい。
【0019】このように電極6,7をマスクにして(所
謂セルファライメントにより)レーザ照射を行い局部的
な結晶化を行うことにより、a−Si:H膜4の堆積、
電極6,7の形成の後でも照射部以外を非常に高い温度
にすることなく低温にての結晶化が可能である。従って
薄膜トランジスタの構造及び製造工程を簡単化できる。
【0020】また、UVパルスレーザ光10を用いるこ
とにより、a−Si:H膜4を低温(室温)雰囲気で溶
融、結晶化できるので、ガラス基板のような低耐熱性基
板上に高性能の薄膜トランジスタを形成することができ
る。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】尚、図1の実施例を液晶ディスプレイ等に
応用する場合には全体をSiO2 等の配向用絶縁層を被
着する必要がある。この層を300℃程度の高温で作る
場合はソース、ドレイン電極はAlを用いることができ
ないが、蒸着時の低温プロセスを用いればプラズマによ
るSiO2 、a−Si:Hの堆積以外はすべて低温(室
温)プロセスで高性能の薄膜トランジスタアレイを作る
ことが可能である。
【0028】上述の実施例によれば、基体全体を高温に
することなく、低温でチャネル部のa−Si:H膜を水
素を出さずに結晶化できることにより、薄膜トランジス
タのキャリア移動度を大きくすることができ、早いスイ
ッチング特性が得られる。そして、基板への熱の影響が
及びにくいので、基板変形が起こりにくい。
【0029】又、a−Si:H膜を結晶化することによ
り、又充分薄くできることにより、光伝導度を小さく光
が照射されてもリーク電流が流れにくくなる。このため
遮光層が省略される。又、高エネルギー、短時間の短波
長パルスレーザ光を用いることにより、低温でa−S
i:H膜の結晶化ができ、従って電極形成、パッシベー
ション膜の形成後に結晶化工程を行うことが可能とな
る。従って、薄膜トランジスタの構成及び造工程が簡
単になり、また生産の歩留りも向上するものである。
又、薄膜トランジスタアレイの製造に適用した場合に
は、各トランジスタ共に均一な特性が得られる。
【0030】また、短波長パルスレーザ光を用いること
により、低耐熱性のガラス基板1上に高性能の薄膜トラ
ンジスタの形成が可能となる。
【0031】特に、膜厚100Å〜1000Åの非晶質
半導体薄膜に波長100nm〜400nmの短波長パル
スレーザ光を照射するときは、レーザ光は薄膜内部でほ
ぼ100%吸収され、基板側にもれないので、基板とし
てガラス基板のような低耐熱性基板を用いることがで
き、この低耐熱性基板上に形成した非晶質半導体薄膜の
溶融結晶化が可能となる。そして、結晶化と共に、膜厚
が100Å〜1000Åと薄い場合、より光伝導度が低
減し、リーク電流の発生を減少することができる等、特
性のよい薄膜トランジスタが得られる。尚、上例ではa
−Si:H膜を用いた場合について説明したが、水素を
含まない非晶質シリコン薄膜の場合においても、a−S
i:H薄膜の場合と同様に波長100nm〜400nm
の光に対してこの光が極表面で吸収され、同様に実施す
ることができる。その際、基板変形を起こすことなく結
晶化できること、電極形成、パッシベーション膜の形成
後の結晶化、不純物の活性化に関しては水素を含む非晶
質シリコン薄膜の場合と同様の作用効果を奏するもので
ある。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、波長100nm〜40
0nmの短波長パルスレーザ光を用いることにより、
の極表面のみが瞬時に熱せられるため、基板への熱の影
響が及びにくくなり、基板の変形を起こすことなく、
晶質半導体薄膜を局部的に結晶化でき、キャリア移動度
の大きい薄膜に変えることができる。しかも、この結晶
化、活性化は基体全体を高温にすることなく、低温で行
えるので、電極形成、パッシベーション膜の形成後に結
晶化工程を行うことができる。従って、薄膜トランジス
タの性能を向上し、かつ製造を容易にするものである。
【0033】更に、短波長パルスレーザ光を用いること
により基板全体を高温にすることなく、従って、低温
(室温)雰囲気で結晶化できるので、基板として、ガラ
ス基板のような低耐熱性基板を用いることができ、低耐
熱性基板上に上記高品質の薄膜トランジスタを形成する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A 本発明による薄膜トランジスタの製法の一
実施例を示す工程図である。 B 本発明による薄膜トランジスタの製法の一実施例を
示す工程図である。 C 本発明による薄膜トランジスタの製法の一実施例を
示す工程図である。 D 本発明による薄膜トランジスタの製法の一実施例を
示す工程図である。
【図2】A 従来の薄膜トランジスタの製法の一例を示
す工程図である。 B 従来の薄膜トランジスタの製法の一例を示す工程図
である。 C 従来の薄膜トランジスタの製法の一例を示す工程図
である。 D 従来の薄膜トランジスタの製法の一例を示す工程図
である。
【図3】
【図4】
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ゲート電極 3 SiO2 膜 4 a−Si:H膜 4C チャネル部 4S ソース部 4D ドレイン部 5 n+ −a−Si:H膜 6 ソース電極 7 ドレイン電極 8 SiO2 膜 10 短波長パルスレーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/12 (56)参考文献 特開 昭58−186949(JP,A) 特開 昭57−104217(JP,A) 特開 昭56−135968(JP,A) 特開 昭57−155726(JP,A) 特開 昭58−197717(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質基板上にゲート電極、ゲート絶縁
    膜、ソース部、ドレイン部およびチャネル部を形成する
    薄膜トランジスタの製法において、 上記非晶質基板上に、膜厚100Å〜1000Åの非晶
    質半導体薄膜、該非晶質半導体薄膜のソース、ドレイン
    部の表面に接して不純物部をそれぞれ形成する工程と、 上記非晶質半導体薄膜を波長100nm〜400nmの
    短波長パルスレーザの照射により溶融加熱し、上記非晶
    質半導体薄膜の多結晶化を行うことを特徴とする薄膜ト
    ランジスタの製法。
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