JP2530985B2 - クレゾ―ル異性体の分離方法 - Google Patents
クレゾ―ル異性体の分離方法Info
- Publication number
- JP2530985B2 JP2530985B2 JP5078558A JP7855893A JP2530985B2 JP 2530985 B2 JP2530985 B2 JP 2530985B2 JP 5078558 A JP5078558 A JP 5078558A JP 7855893 A JP7855893 A JP 7855893A JP 2530985 B2 JP2530985 B2 JP 2530985B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cresol
- isomer
- isomers
- cyclodextrin
- mixture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
脂、可塑剤、染料、農薬、工業薬品等の原料として有用
なクレゾール異性体の効率的な分離方法に関する。
して低沸点のo−体を初留分として分離するが、m−体
とp−体は沸点が非常に近接しているために蒸留では殆
ど分離できない。m−体とp−体の分離は、これらをス
ルホン化した後、水蒸気分解を行う方法によっている。
しかし、この方法では分離工程が煩雑であり、また消費
エネルギーも大きい。
ロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーによっ
ても行われるが、これらの方法は分析が主目的であり、
工業的に多量に取り扱うのには適していない。
開昭50−151833号公報(「アルキルフェノール
核異性体の相互分離方法」)に開示されるα−シクロデ
キストリンを分離剤として用いるアルキルフェノール異
性体の分離方法がある。
6個が環状にα−1,4結合してできた物質で、その疎
水性空洞内に様々な有機化合物を取り込んで、包接錯体
を形成することができる。この際、包接される分子の大
きさ、形状等に応じて、包接錯体の形成し易さに差異が
現れるので、上記のような異性体の分離等に応用するこ
とができる。
号公報の実施例1によると、α−シクロデキストリン水
溶液にm−クレゾール及びp−クレゾールの等量混合物
を加えてかき混ぜて生成した包接化合物から回収された
クレゾールの組成は、m−体44%、p−体56%であ
り、これでは分離が効率的に行われているとは言えない
(比較例1を参照)。
ゾール、m−クレゾール及びp−クレゾールから選択さ
れるクレゾール異性体の2種以上の混合物からクレゾー
ル異性体を高選択的に分離する新規で経済的かつ効率的
な方法を提供することを目的とするものである。
化ナトリウム又は水酸化カリウムによるアルカリ性条件
下において、o−クレゾール、m−クレゾール及びp−
クレゾールから選択されるクレゾール異性体の2種以上
の混合物とα−シクロデキストリンとを接触させること
により、α−シクロデキストリンのクレゾール異性体包
接錯体をそれぞれの包接錯体生成定数に従って形成さ
せ、次いで当該包接錯体からクレゾール異性体を回収す
ることを特徴とするクレゾール異性体の分離方法が提供
される。
は、クレゾール異性体の分離剤としてα−シクロデキス
トリンを用いるが、クレゾール異性体混合物とα−シク
ロデキストリンとを接触させてクレゾール異性体を高選
択的に分離するためには、水酸化ナトリウム又は水酸化
カリウムによるアルカリ性条件下で包接錯体を形成させ
ることが重要である。
の溶解比率は、水中での溶解比率と殆ど変わらない(実
験例1及び2を参照)。このことから、水酸化ナトリウ
ム又は水酸化カリウムによるアルカリ性条件下において
クレゾール異性体混合物とα−シクロデキストリンとを
接触させることにより獲得されるクレゾール異性体の高
選択的な分離性の要因は、クレゾール異性体のアルカリ
性水溶液中での溶解比率の変化に起因するものでは無い
ことがわかる。
て水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いてアルカ
リ性にした水にα−シクロデキストリンを溶解し、この
溶液にクレゾール異性体の混合物を加え、激しく攪拌ま
たは振盪する。アルカリ性化薬剤の濃度は0.001N
以上が好ましいが、より好適には0.1〜10Nであ
る。α−シクロデキストリンの濃度は、水に対し0.1
〜50重量%であるのが好ましいが、より好適には10
〜20重量%である。
体混合物の混合割合は、クレゾール異性体のモル数がα
−シクロデキストリンのモル数の0.1〜10倍になる
ようにするのが好ましい。攪拌または振盪はできるだけ
激しく、数秒から数十分行うのが好ましい。なお、接触
反応温度は、0〜40℃、好ましくは15〜30℃とす
る。攪拌または振盪終了後、生成した包接錯体を適当な
方法で回収する。例えば、遠心分離、濾過等の公知の手
段を用いることができる。
には、いくつかの方法がある。シクロデキストリン包接
錯体は、60〜70℃以上の加熱により解離するという
公知の事実に基づき、包接錯体固体を水に懸濁させて6
0℃以上に加熱することによって、包接されたクレゾー
ル異性体を解離させた後、水層を強酸性にすることによ
って、クレゾールを水層から分離させるか、あるいは、
適当な有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、n−ヘキ
サン等を用い、常温或いは加温下で、クレゾールを有機
層に抽出することができる。抽出の場合、有機層から有
機溶媒を揮発させると、クレゾール異性体が得られる。
回収することにより、α−シクロデキストリンに包接さ
れ易かったクレゾール異性体が低濃度になり、包接され
にくかったクレゾール異性体の濃度が相対的に高くなっ
た油分を得ることができる。
が不充分な場合、包接分離されたクレゾール異性体混合
物を原料として、包接分離を繰り返すことにより、目的
とするクレゾール異性体の純度を高めることができる。
いるα−シクロデキストリン自体は殆ど分解することが
なく、クレゾールを脱離させれば、繰り返しクレゾール
異性体の分離のために使用することができる。
は水酸化カリウムによるアルカリ性条件下においてα−
シクロデキストリンが各クレゾール異性体をそれぞれの
分子の大きさ及び形状等に応じて選択的に包接する機能
を利用して分離剤として用い、これとクレゾール異性体
混合物を接触させ、生成した包接錯体から選択的に濃縮
されたクレゾール異性体を解離させ、回収するものであ
る。
を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものでは無い。
物0.555gを加えた。25℃で30分間攪拌した
後、混合液を3000rpm で5分間遠心分離にかけてか
ら水層を取り出し、これとジエチルエーテルとを振盪
し、エーテル層をキャピラリーカラムガスクロマトグラ
フ法で分析し、m−クレゾールとp−クレゾールの水中
での溶解比率を求めた。結果を表1に示す。
レゾールとp−クレゾールの等量混合物1.102gを
加えた以外は、実験例1と同様に行い、m−クレゾール
とp−クレゾールの1N水酸化ナトリウム水溶液中での
溶解比率を求めた。結果を表2に示す。
−シクロデキストリン0.487gを溶解し、o−クレ
ゾール、m−クレゾール及びp−クレゾールの等量混合
物1.666gを加えた。
澱物を濾過により回収した。この沈澱物を水洗およびア
セトン洗浄して乾燥させた。約40mlの水にこの沈澱物
を加え、さらにジエチルエーテル約20mlを加えて振盪
し、沈澱物を完全に溶解させ、エーテル層からエーテル
を揮発させて、有機化合物を得た。
示した。これはキャピラリーカラムガスクロマトグラフ
法で分析したもので、表中の数字は各成分の重量百分率
を示す。
2gをクレゾール異性体混合物として用いた以外は、実
施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
混合物0.524gをクレゾール異性体混合物として用
いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示
す。
α−シクロデキストリン0.487gを溶解し、m−ク
レゾールとp−クレゾールの等量混合物0.552gを
加えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表6に示
す。
解し、m−クレゾールとp−クレゾールの等量混合物
0.55gを加え、20℃で30分間攪拌した以外は、
実施例1と同様に行った。結果を表7に示す。
クレゾール及びp−クレゾールから選択されるクレゾー
ル異性体の2種以上の混合物から各異性体を高選択的か
つ省エネルギー的に分離することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムに
よるアルカリ性条件下において、o−クレゾール、m−
クレゾール及びp−クレゾールから選択されるクレゾー
ル異性体の2種以上の混合物とα−シクロデキストリン
とを接触させることにより、α−シクロデキストリンの
クレゾール異性体包接錯体をそれぞれの包接錯体生成定
数に従って形成させ、次いで当該包接錯体からクレゾー
ル異性体を回収することを特徴とするクレゾール異性体
の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5078558A JP2530985B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | クレゾ―ル異性体の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5078558A JP2530985B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | クレゾ―ル異性体の分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263669A JPH06263669A (ja) | 1994-09-20 |
JP2530985B2 true JP2530985B2 (ja) | 1996-09-04 |
Family
ID=13665241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5078558A Expired - Lifetime JP2530985B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | クレゾ―ル異性体の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2530985B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2399201A (en) * | 2000-03-03 | 2001-09-12 | Bio Research Corporation Of Yokohama | Method of continuously and selectively separating clathrate and apparatus therefor |
JP4493834B2 (ja) * | 2000-03-03 | 2010-06-30 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 連続的な選択的包接分離方法及び装置 |
JP2015519358A (ja) * | 2012-06-01 | 2015-07-09 | ファームアグラ・ラブズ,インコーポレイテッド | スルフォラファンの単離及び精製 |
JP2019004701A (ja) * | 2015-10-29 | 2019-01-17 | 合同酒精株式会社 | 乳または乳製品 |
CN112110797B (zh) * | 2019-06-21 | 2022-06-21 | 辽宁科技大学 | 分离甲酚同分异构体混合物的制备液相色谱法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5328895B2 (ja) * | 1974-05-30 | 1978-08-17 | ||
JPH04284828A (ja) * | 1991-03-12 | 1992-10-09 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 膜分離方法 |
-
1993
- 1993-03-15 JP JP5078558A patent/JP2530985B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06263669A (ja) | 1994-09-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
SU1757459A3 (ru) | Способ извлечени роди | |
JPS6327057B2 (ja) | ||
JP2530985B2 (ja) | クレゾ―ル異性体の分離方法 | |
US4267391A (en) | Process for obtaining para-cresol and meta-cresol from a mixture of methylated and ethylated phenols characterized by urea clathration of metal-cresol | |
FR2516546A1 (fr) | Procede de recuperation de metaux nobles a partir de residus d'une reaction catalytique de carbonylation | |
US4267390A (en) | Process for obtaining para-cresol and meta-cresol from a mixture of methylated and ethylated phenols characterized by selective complexation with calcium bromide and sodium acetate | |
US5095173A (en) | Process for isolating xylene isomer(s) and/or ethylbenzene and inclusion-complexing agent for use in isolation of xylene isomer(s) and/or ethylbenzene | |
US4205188A (en) | Process for the production of hydroxybenzyl alcohols | |
US4424381A (en) | Process for separating dihydric phenols | |
JP2707526B2 (ja) | 5,6,7,8―テトラヒドロイソキノリンの濃縮分離法 | |
JPH03190855A (ja) | パラフィンスルホン酸の分離回収法 | |
JPS6213333B2 (ja) | ||
JPH11228464A (ja) | メチルイソブチルケトンおよび/またはメチルイソブチルカルビノールの製造方法 | |
JPH0687765A (ja) | ベンゼン三置換異性体を分離する方法及び該方法に用いる包接分離用薬剤 | |
US4469901A (en) | Complex formed for separating isopropylated m-cresols | |
JP3269938B2 (ja) | m−エチルフェノールの分離精製方法 | |
JP2634233B2 (ja) | 2―メチルキノリンの濃縮分離法 | |
JP2002047239A (ja) | ヌートカトンの分離精製方法 | |
JPH06116179A (ja) | 2,6−ジメチルナフタレンの分離濃縮法及びそれに用いる分離濃縮用薬剤 | |
JP2002128760A (ja) | N−ヒドロキシ環状イミドとカルボン酸の分離方法 | |
JPH06287149A (ja) | ベンゼン二置換異性体の分離法及びその分離用薬剤 | |
JPH0552826B2 (ja) | ||
JPH04506520A (ja) | 低級アルカンスルホン酸をそのアルカリ金属塩から製造する方法 | |
JPS58225036A (ja) | オルト蟻酸トリメチル又はトリエチルエステルの製造方法 | |
JPH0280320A (ja) | 遷移金属触媒の回収方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627 Year of fee payment: 12 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627 Year of fee payment: 12 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |