JPH06263669A - クレゾール異性体の分離方法 - Google Patents
クレゾール異性体の分離方法Info
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- JPH06263669A JPH06263669A JP7855893A JP7855893A JPH06263669A JP H06263669 A JPH06263669 A JP H06263669A JP 7855893 A JP7855893 A JP 7855893A JP 7855893 A JP7855893 A JP 7855893A JP H06263669 A JPH06263669 A JP H06263669A
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Abstract
異性体を高選択的に分離する。 【構成】 アルカリ性条件下において、o−クレゾー
ル、m−クレゾール及びp−クレゾールから選択される
クレゾール異性体の2種以上の混合物とα−シクロデキ
ストリンとを接触させることにより、α−シクロデキス
トリンのクレゾール異性体包接錯体をそれぞれの包接錯
体生成定数に従って形成させ、次いで当該包接錯体から
クレゾール異性体を例えばジエチルエーテルにより抽出
分離回収する。
Description
脂、可塑剤、染料、農薬、工業薬品等の原料として有用
なクレゾール異性体の効率的な分離方法に関する。
して低沸点のo−体を初留分として分離するが、m−体
とp−体は沸点が非常に近接しているために蒸留では殆
ど分離できない。m−体とp−体の分離は、これらをス
ルホン化した後、水蒸気分解を行う方法によっている。
しかし、この方法では分離工程が煩雑であり、また消費
エネルギーも大きい。
ロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーによっ
ても行われるが、これらの方法は分析が主目的であり、
工業的に多量に取り扱うのには適していない。
開昭50−151833号公報(「アルキルフェノール
核異性体の相互分離方法」)に開示されるα−シクロデ
キストリンを分離剤として用いるアルキルフェノール異
性体の分離方法がある。
6個が環状にα−1,4結合してできた物質で、その疎
水性空洞内に様々な有機化合物を取り込んで、包接錯体
を形成することができる。この際、包接される分子の大
きさ、形状等に応じて、包接錯体の形成し易さに差異が
現れるので、上記のような異性体の分離等に応用するこ
とができる。
号公報の実施例1によると、α−シクロデキストリン水
溶液にm−クレゾール及びp−クレゾールの等量混合物
を加えてかき混ぜて生成した包接化合物から回収された
クレゾールの組成は、m−体44%、p−体56%であ
り、これでは分離が効率的に行われているとは言えない
(比較例1を参照)。
ゾール、m−クレゾール及びp−クレゾールから選択さ
れるクレゾール異性体の2種以上の混合物からクレゾー
ル異性体を高選択的に分離する新規で経済的かつ効率的
な方法を提供することを目的とするものである。
カリ性条件下において、o−クレゾール、m−クレゾー
ル及びp−クレゾールから選択されるクレゾール異性体
の2種以上の混合物とα−シクロデキストリンとを接触
させることにより、α−シクロデキストリンのクレゾー
ル異性体包接錯体をそれぞれの包接錯体生成定数に従っ
て形成させ、次いで当該包接錯体からクレゾール異性体
を回収することを特徴とするクレゾール異性体の分離方
法が提供される。
は、クレゾール異性体の分離剤としてα−シクロデキス
トリンを用いるが、クレゾール異性体混合物とα−シク
ロデキストリンとを接触させてクレゾール異性体を高選
択的に分離するためには、アルカリ性条件下で包接錯体
を形成させることが重要である。アルカリ性化薬剤とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、アンモニア等を用いることができるが、水酸化
ナトリウムと水酸化カリウムが好ましい。
の溶解比率は、水中での溶解比率と殆ど変わらない(実
験例1及び2を参照)。このことから、アルカリ性条件
下においてクレゾール異性体混合物とα−シクロデキス
トリンとを接触させることにより獲得されるクレゾール
異性体の高選択的な分離性の要因は、クレゾール異性体
のアルカリ性水溶液中での溶解比率の変化に起因するも
のでは無いことがわかる。
α−シクロデキストリンを溶解し、この溶液にクレゾー
ル異性体の混合物を加え、激しく攪拌または振盪する。
アルカリ性化薬剤の濃度は0.001N以上が好ましい
が、より好適には0.1〜10Nである。α−シクロデ
キストリンの濃度は、水に対し0.1〜50重量%であ
るのが好ましいが、より好適には10〜20重量%であ
る。
体混合物の混合割合は、クレゾール異性体のモル数がα
−シクロデキストリンのモル数の0.1〜10倍になる
ようにするのが好ましい。攪拌または振盪はできるだけ
激しく、数秒から数十分行うのが好ましい。なお、接触
反応温度は、0〜40℃、好ましくは15〜30℃とす
る。攪拌または振盪終了後、生成した包接錯体を適当な
方法で回収する。例えば、遠心分離、濾過等の公知の手
段を用いることができる。
には、いくつかの方法がある。シクロデキストリン包接
錯体は、60〜70℃以上の加熱により解離するという
公知の事実に基づき、包接錯体固体を水に懸濁させて6
0℃以上に加熱することによって、包接されたクレゾー
ル異性体を解離させた後、水層を強酸性にすることによ
って、クレゾールを水層から分離させるか、あるいは、
適当な有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、n−ヘキ
サン等を用い、常温或いは加温下で、クレゾールを有機
層に抽出することができる。抽出の場合、有機層から有
機溶媒を揮発させると、クレゾール異性体が得られる。
回収することにより、α−シクロデキストリンに包接さ
れ易かったクレゾール異性体が低濃度になり、包接され
にくかったクレゾール異性体の濃度が相対的に高くなっ
た油分を得ることができる。
が不充分な場合、包接分離されたクレゾール異性体混合
物を原料として、包接分離を繰り返すことにより、目的
とするクレゾール異性体の純度を高めることができる。
いるα−シクロデキストリン自体は殆ど分解することが
なく、クレゾールを脱離させれば、繰り返しクレゾール
異性体の分離のために使用することができる。
おいてα−シクロデキストリンが各クレゾール異性体を
それぞれの分子の大きさ及び形状等に応じて選択的に包
接する機能を利用して分離剤として用い、これとクレゾ
ール異性体混合物を接触させ、生成した包接錯体から選
択的に濃縮されたクレゾール異性体を解離させ、回収す
るものである。
を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものでは無い。
物0.555gを加えた。25℃で30分間攪拌した
後、混合液を3000rpm で5分間遠心分離にかけてか
ら水層を取り出し、これとジエチルエーテルとを振盪
し、エーテル層をキャピラリーカラムガスクロマトグラ
フ法で分析し、m−クレゾールとp−クレゾールの水中
での溶解比率を求めた。結果を表1に示す。
レゾールとp−クレゾールの等量混合物1.102gを
加えた以外は、実験例1と同様に行い、m−クレゾール
とp−クレゾールの1N水酸化ナトリウム水溶液中での
溶解比率を求めた。結果を表2に示す。
−シクロデキストリン0.487gを溶解し、o−クレ
ゾール、m−クレゾール及びp−クレゾールの等量混合
物1.666gを加えた。
澱物を濾過により回収した。この沈澱物を水洗およびア
セトン洗浄して乾燥させた。約40mlの水にこの沈澱物
を加え、さらにジエチルエーテル約20mlを加えて振盪
し、沈澱物を完全に溶解させ、エーテル層からエーテル
を揮発させて、有機化合物を得た。
示した。これはキャピラリーカラムガスクロマトグラフ
法で分析したもので、表中の数字は各成分の重量百分率
を示す。
2gをクレゾール異性体混合物として用いた以外は、実
施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
混合物0.524gをクレゾール異性体混合物として用
いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示
す。
α−シクロデキストリン0.487gを溶解し、m−ク
レゾールとp−クレゾールの等量混合物0.552gを
加えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表6に示
す。
し、m−クレゾールとp−クレゾールの等量混合物0.
55gを加え、20℃で30分間攪拌した以外は、実験
例1と同様に行った。結果を表7に示す。
クレゾール及びp−クレゾールから選択されるクレゾー
ル異性体の2種以上の混合物から各異性体を高選択的か
つ省エネルギー的に分離することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルカリ性条件下において、o−クレゾ
ール、m−クレゾール及びp−クレゾールから選択され
るクレゾール異性体の2種以上の混合物とα−シクロデ
キストリンとを接触させることにより、α−シクロデキ
ストリンのクレゾール異性体包接錯体をそれぞれの包接
錯体生成定数に従って形成させ、次いで当該包接錯体か
らクレゾール異性体を回収することを特徴とするクレゾ
ール異性体の分離方法。 - 【請求項2】 アルカリ性化薬剤が水酸化ナトリウム又
は水酸化カリウムであることを特徴とするクレゾール異
性体の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5078558A JP2530985B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | クレゾ―ル異性体の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5078558A JP2530985B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | クレゾ―ル異性体の分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06263669A true JPH06263669A (ja) | 1994-09-20 |
JP2530985B2 JP2530985B2 (ja) | 1996-09-04 |
Family
ID=13665241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5078558A Expired - Lifetime JP2530985B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | クレゾ―ル異性体の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2530985B2 (ja) |
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Also Published As
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