JP2530781B2 - コンクリ―ト型枠用内張りシ―ト及びコンクリ―ト型枠 - Google Patents

コンクリ―ト型枠用内張りシ―ト及びコンクリ―ト型枠

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JP2530781B2
JP2530781B2 JP3236223A JP23622391A JP2530781B2 JP 2530781 B2 JP2530781 B2 JP 2530781B2 JP 3236223 A JP3236223 A JP 3236223A JP 23622391 A JP23622391 A JP 23622391A JP 2530781 B2 JP2530781 B2 JP 2530781B2
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武彦 高砂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内張りシート及び型
枠、特に、コンクリート型枠用内張りシート及びコンク
リート型枠に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】外観が良好でありかつ高強度
のコンクリート成型体が形成でき、しかも繰り返し使用
可能なコンクリート型枠が提供されている(特願平2−
116034)。このコンクリート型枠は、型面を有す
る型枠本体と、型面に配置された内張りシートとから主
に構成されている。内張りシートは、高密度織物と不織
布との点接着による積層シートであり、不織布側が型面
に配置されている。このコンクリート型枠によれば、コ
ンクリート中に含まれる気泡や余剰水が高密度織物及び
不織布を通じて外部に充分排出されるので、外観が良好
でありかつ高強度のコンクリート成型体が形成できる。
【0003】ところで、土木工事の大規模化や鋼板型枠
の開発等に伴い、コンクリート型枠は大型化している。
例えば、河川のもたれ擁壁を構築する場合には、工事を
効率良く行うために一辺が数m単位の大型のコンクリー
ト型枠が使用される。したがって、内張りシートを備え
た前記コンクリート型枠についても、大型化が要望され
ている。
【0004】前記コンクリート型枠を大型化するには、
型枠本体の大型化は勿論、内張りシートを大型化する必
要がある。大型の内張りシートは、特別な織機を用いれ
ば生産できるが、生産量との関係でコスト高となる。こ
のため、大型の内張りシートは、既存の内張りシートを
接着剤を用いて接合することにより提供されている。と
ころが、接着剤を用いて大型化された内張りシートを用
いると、コンクリート成型体の表面に帯状の模様が形成
されてしまう。また、その模様部分のコンクリート表面
硬度が他の部分に比べて大幅に低下してしまう。これ
は、コンクリート中の余剰水や気泡が型枠外に流れ出る
のを内張りシートの接合部が妨害するためと考えられ
る。
【0005】第1の発明及び第2の発明の目的は、つな
ぎ目を有しているにも拘らず、外観が良好でありかつ強
度むらの少ないコンクリート成型体が繰り返し形成でき
る、コンクリート型枠用の内張りシートを提供すること
にある。第3の発明の目的は、内張りシートがつなぎ目
を有しているにも拘らず、外観が良好でありかつ強度む
らの少ないコンクリート成型体が繰り返し形成できるコ
ンクリート型枠を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るコンク
リート型枠用内張りシートは、目合いが1〜200μm
の高密度織物と見かけ密度が0.1〜0.5g/cm3
の不織布とが点接着されてなる積層シート状部材の複数
枚が互いに縁部を重ねて一体化されたシートである。こ
のシートは、縁部が積層シート状部材の不織布成分を接
着剤として互いに融着している。
【0007】第2の発明に係るコンクリート型枠用内張
りシートは、目合いが1〜200μmの高密度織物と見
かけ密度が0.1〜0.5g/cmの不織布とが点接
着されてなる積層シート状部材の複数枚が互いに縁部を
重ねて一体化されたシートである。このシートは、縁部
が積層シート状部材の不織布成分を接着剤として互いに
融着しており、積層シート状部材間の重ね合わせ幅が2
〜10mmに設定されている。
【0008】第3の発明に係るコンクリート型枠は、型
面を有するコンクリート型枠本体と、型面に配置されか
つ複数枚のシート状部材が互いに縁部を重ねて一体化さ
れた内張りシートとを備えている。シート状部材は、目
合いが1〜200μmの高密度織物と見かけ密度が0.
1〜0.5g/cm3 の不織布とが点接着されてなる積
層体であり、かつ積層体の不織布成分を接着剤として融
着により互いに一体化されている。また、内張りシート
は、不織布が型面に配置されている。
【0009】
【作用】第1の発明に係るコンクリート型枠用内張りシ
ートは、シートが上述の高密度織物と不織布とが点接着
されてなる積層体からなるため、通水性及び通気性を有
している。このため、シートは、セメント粒子等により
目詰まりすることなくコンクリート中の気泡や余剰水を
排出できる。また、シート状部材が不織布成分を接着剤
として融着により互いに接合しているので、縁部の重ね
合わせ幅が小さく設定できる。したがって、縁部の重ね
合わせ部はコンクリート中の余剰水や気泡の排出を妨げ
にくい。このため、本発明の内張りシートは、シート状
部材の接合部を有しているにも拘らず、外観が良好で強
度むらの少ないコンクリート成型体が繰り返し形成でき
る。
【0010】第2の発明に係るコンクリート型枠用内張
りシートは、シートが上述の積層体からなるので、第1
の発明と同じく目詰まりすることなくコンクリート中の
気泡や余剰水を排出できる。また、積層シート状部材の
重ね合わせ部は、その幅が上述の極めて小さい範囲に設
定されているので、コンクリート中の気泡や余剰水の排
出を妨げにくい。このため、本発明の内張りシートは、
積層シート状部材の接合部を有しているにも拘らず、外
観が良好で強度むらの少ないコンクリート成型体が繰り
返し形成できる。
【0011】第3の発明に係るコンクリート型枠は、第
1の発明に係る内張りシートを備えている。このため、
内張りシートでは、シート状部材の結合部がコンクリー
ト中の余剰水や気泡の排出の妨げになりにくい。よっ
て、本発明のコンクリート型枠によれば、内張りシート
が接合部を有しているにも拘らず、外観が良好で強度む
らの少ないコンクリート成型体が繰り返し形成できる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に係るコンクリー
ト型枠の斜視図である。図において、コンクリート型枠
1は、型枠本体2と、型枠本体2を覆う、本発明の一実
施例に係る内張りシート3とから主に構成されている。
型枠本体2は、例えば木製や金属製の部材であり、概ね
長方形の板状である。型枠本体2は、通常、幅及び長さ
がそれぞれ900mm及び1800mmの市販の合板を
3枚合わせてシートを張着する場合は1800mm及び
2700mmの大きさとなり、また、型枠本体2の大き
さは、コンクリート型枠1の大型化に伴って多少変動す
るものであり、上述の大きさに限られない。例えば、大
型のコンクリート型枠1としては、型枠本体2の幅及び
長さがそれぞれ2000mm及び3000mmに設定さ
れたものがある。型枠本体2は、内張りシート3により
覆われた図手前側の主面が型面4となっている。
【0013】内張りシート3は、図1及び図2に示すよ
うに、3条の帯状内張りシート3a,3b,3cが接合
されて一体化されたものである。各帯状内張りシート3
a,3b,3cは、隣り合う帯状内張りシートと側縁部
が重ね合わされており、その部分が接合部5となってい
る。各帯状内張りシート3a,3b,3cは、図3に示
すように、高密度織物6と不織布7とが点接着されてな
る積層体である。高密度織物6は、合成繊維の織物であ
り、特に、疎水性の繊維素材から構成されているものが
好ましい。疎水性の繊維素材を用いると、内張りシート
3は、通気性、通水性及びコンクリートからの剥離性が
より良好になる。疎水性の繊維としては、ポリエチレン
やポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリアク
リロニトリル系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポ
リテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊
維が例示できる。なお、これらの繊維素材は、2種以上
が併用されても良い。
【0014】高密度織物6用の合成繊維は、フィラメン
ト糸使いのものが好ましい。また、細い繊維や糸条であ
ればより好ましい。このような合成繊維を用いれば、打
設したコンクリートとの剥離性及びセメントミルクのフ
ィルター性能が良好な高密度織物6が得られる。なお、
合成繊維の単糸繊度は、0.1〜5d、さらに0.5〜
3dが好ましい。また、総繊度は、20〜200D、さ
らに50〜100Dが好ましい。さらに、織密度は、タ
テ・ヨコ織密度の総数が150〜300本/インチが好
ましく、215〜230本/インチであればより好まし
い。
【0015】高密度織物6は、平織組織、朱子織組織、
綾織組織等の各種織組織のものが用いられるが、良好な
フィルター機能を実現するには平織組織が特に好まし
い。なお、いずれの織組織の高密度織物6であっても、
目合いは、1〜200μm、さらに5〜50μmが好ま
しい。目合いが1μm未満の場合は、織り密度が高くな
り過ぎて通気性及び通水性が低下するので、コンクリー
ト成型体の表面にピンホールやあばたが発生し易くな
る。逆に、目合いが200μmを超えると、織り密度が
低くなり過ぎてフィルター機能が低下するので、コンク
リート中の砂粒子やセメント粒子が流出し易くなる。な
お、本実施例で言う目合いとは、織物の織目で形成され
る空隙の大きさを言う。目合いは、任意の20個の空隙
について、個々の周囲の全長を測定し、その値の1/2
の値を平均して求めたものである。
【0016】不織布7は、合成繊維製であればよいが、
かかる合成繊維としては、内張りシート3の良好な通水
性及び通気性を実現するために、高密度織物6と同様の
疎水性の合成繊維を用いるのが好ましい。不織布7とし
て特に好ましいのは、低融点繊維を含むスパンボンド不
織布である。低融点繊維としては、不織布を構成する根
幹繊維の融点よりも20℃以上、好ましくは30℃以上
低い融点を有する繊維が好ましく使用される。このよう
な低融点繊維としては、特開昭59−15530号公報
に紹介されている、ポリアルキレングリコールとイソフ
タル酸やアジピン酸などとを共重合してなるコポリエス
テルからなる繊維、特開昭55−148264号公報に
紹介されている、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸
ビニルやこれらの共重合ポリマなどを繊維に形成したも
のが使用されるが、コポリエステル繊維が接着性や耐久
性の上から好ましい。
【0017】不織布7を構成する合成繊維は、ステープ
ル及びフィラメントのいずれでも良いが、良好な通水性
を実現するためにはフィラメントが好ましい。この合成
繊維は、良好な通水性及び後述する見かけ密度を実現す
るために、ステープル及びフィラメントのいずれの場合
も単糸繊度が1〜20d、さらに1〜15dのものが好
ましい。
【0018】不織布7は、見かけ密度が0.1〜0.5
g/cm3 である。見かけ密度がこの範囲外の場合は、
内張りシート3の通水性が低下してしまう。なお、不織
布7は、帯状内張りシート3a,3b,3cのいずれか
一方向、例えば長手方向に合成繊維が配向しているのが
好ましい。このような不織布7であれば、内張りシート
3の通水性がより向上する。また、不織布7の断面方向
の通気量は、10cc/cm2 /秒以上が好ましい。通
気量が10cc/cm2 /秒未満の場合は、コンクリー
ト表面にあばたが発生し易くなる。なお、断面(厚さ)
方向の通気量は、JIS−L−1096により測定した
値である。
【0019】帯状内張りシート3a,3b,3cは、高
密度織物6と不織布7とを積層して一体化したものであ
る。高密度織物6と不織布7とは、例えば縫製や接着に
より積層されている。特に、接着剤により部分接着(特
に点接着)した場合は、帯状内張りシート3a,3b,
3cの通気性及び通水性を維持することができる。点接
着による場合、点接着の間隔は10メッシュ以上、さら
に20〜100メッシュが好ましい。このような点接着
は、例えばグラビアコーティング法やドットローリング
法により容易に実施できる。
【0020】部分接着に用いられる接着剤は、耐水性の
良好なものが好ましい。具体的には、ウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂
及びゴム系接着剤等の各種接着剤が例示できる。これら
の接着剤には、多官能のイソシアネート系化合物やメラ
ミン系化合物等の架橋性化合物、発水剤(特に反応型発
水剤)等が添加されていも良い。この場合は、高密度織
物6と不織布7との接着強度が向上するので、高密度織
物6と不織布7とは剥離しにくい。また、接着剤の保水
性が低下するので、通水性がより向上する。
【0021】内張りシート3の各接合部5では、隣り合
う帯状内張りシート3a,3b、3b,3cの側縁部が
互いに融着している。帯状内張りシート3a,3b間の
接合部5を例に説明すると、接合部5では、帯状内張り
シート3aの高密度織物6上に帯状内張りシート3bの
不織布7が重ね合わされており、不織布7が高密度織物
6に融着している。
【0022】このような接合部5は、帯状内張りシート
3a,3bの各側縁部を互いに重ね合わせ、その重ね合
わせ部を超音波融着法により接合することにより形成さ
れている。超音波融着法による接合部5の形成では、帯
状内張りシート3a,3bの不織布層7に含まれる低融
点繊維が超音波により軟化流動して好ましくは不織布構
成繊維と共に接着剤として作用し、帯状内張りシート3
a,3bが接合される。この際、高密度織物6は、不織
布層7に比べて超音波による溶融を起こさないので、織
目を維持できる。したがって、高密度織物6は、接合部
5において水平方向の透水性及び通気性が損なわれない
ので、接合部5は水平方向の透水性及び通気性を良好に
維持できる。
【0023】接合部5は、上述の様な融着により形成さ
れているので、その幅X(図2)が従来例のような接着
による場合に比べて小さく設定されている。接合部5の
幅は、通常、2〜10mm、さらに3〜5mmが好まし
い。2mm未満の場合は、帯状内張りシート3a,3
b,3c間の接合強度が低くなる。逆に、10mmを超
える場合は、接合部5の通水性及び通気性が低下するた
め、コンクリート成型体に接合部5に対応する帯状模様
が形成されてしまう。また、当該帯状模様部のコンクリ
ート表面硬度が、他の部分に比べて大幅に低下してしま
う。
【0024】内張りシート3は、断面方向の透水係数が
1×10-5cm/秒以上、1×10 -2cm/秒未満に設
定されている。透水係数が1×10-5cm/秒未満の場
合は、余剰水の排水が困難となり、コンクリート成型体
の表面にピンホールやアバタが発生し易くなる。逆に、
透水係数が1×10-2cm/秒以上の場合は、セメント
粒子が透過し易くなるので、高強度のコンクリート成型
体が形成されにくい。また、内張りシート3は、目詰ま
りし易くなるので、繰り返し使用が困難にな。なお、上
述の透水係数とは、JIS−A−1218に準じて測定
された値である。本実施例の内張りシート3は、上述の
高密度織物6と不織布7とを用いれば、透水係数が上述
の範囲内に設定される。
【0025】内張りシート3は、接合部5が型枠本体2
の高さ方向(図の上下方向)に延びるよう型面4に配置
され、周縁部が型枠本体2の側面に固定されている。こ
こでは、不織布7側面が型面4に配置されている。内張
りシート3と型枠本体2との固定は、内張りシート3の
取り換えを容易にするため、ホッチキスや粘着テープに
より、あるいは内張りシート3に粘着加工を施すことに
より行う。なお、型枠本体2が鋼製の場合は、ホッチキ
スに代えてクリップによる固定が行われる。
【0026】次に、内張りシート3の作用効果に触れつ
つコンクリート型枠1の使用方法について説明する。例
えば、河川のもたれ擁壁を構築する場合は、コンクリー
ト型枠1を多数並べて擁壁用の成形型を組み立てる。こ
のとき、接合部5が上下方向に延びるようコンクリート
型枠1を配置する。
【0027】次に、組み立てた成形型枠内にコンクリー
トを流し込む。この際、流し込んだコンクリートに棒状
バイブレータ10(図4)を用いて振動を与えると、コ
ンクリートは成形型の隅々まで行き渡る。図4に示すよ
うに、成形型内に流し込まれたコンクリート8とコンク
リート型枠1との接触部では、図に矢印aで示すように
側圧が加わる。この圧力により、コンクリート8に含ま
れる気泡や余剰水が内張りシート3を通過して外部に排
出される。ここでは、コンクリート8中の気泡や余剰水
が高密度織物6を通過して不織布7内に押し出される。
不織布7内に押し出された気泡や余剰水は、毛細管現象
により不織布7全体に広がり、図に矢印bで示すよう
に、内張りシート3の端部9から外部に排出される。コ
ンクリート8に含まれるセメント粒子等の成分は、高密
度織物6の目合が上述のように設定されているため、内
張りシート3を通過しない。よって、内張りシート3
は、セメント粒子等により目詰まりしにくい。なお、図
4では、理解の便のため、内張りシート3の厚みを強調
している。
【0028】内張りシート3の接合部5では、隣り合う
帯状内張りシート3a,3b、3b,3c間で不織布7
が高密度織物6に融着しているため、側圧が加わっても
気泡や余剰水は通過しない。しかし、接合部5は、上述
のようにその幅(X)が小さく設定されているので、気
泡や余剰水の排出を妨げにくい。したがって、コンクリ
ート8に含まれる気泡や余剰水は、効率よく外部に排出
される。
【0029】コンクリート8が充分に固まったところ
で、コンクリート型枠1を取り外すと、成形型通りのも
たれ擁壁が現れる。このもたれ擁壁は、上述のようにコ
ンクリート8内の気泡や余剰水が充分に排出されている
ので、あばた及び接合部5による帯状の模様等の表面欠
点が目立ちにくい。取り外されたコンクリート型枠1
は、内張りシート3が上述のように目詰まりしにくいの
で、繰り返して数回使用できる。
【0030】〔実験例〕目合いが13μm、透水係数が
5×10-4cm/秒、目付けが60g/cm2、縦密度
130本/インチ、横密度95本/インチの高密度織物
と、見かけ密度が0.3g/cm3 で目付けが90g/
cm2 のポリエステルフィラメントからなるスパンボン
ド不織布とをウレタン系接着剤を用いて20メッシュ間
隔で点接着して積層し、幅が1100mmの帯状の内張
りシートを製造した。
【0031】この内張りシートを2本並べ、側縁部を5
mm重ねて超音波融着した。接合された内張りシート
を、幅900mm、長さ1800mm、厚さ13mmの
コンクリート合板型枠にホッチキスにより貼着した。こ
の型枠を直方体状に枠組みし、コンクリートの打設試験
を行った。コンクリートには、セメント:砂:砂利=
1:2:3(重量比)の混合物にセメント重量の67%
の水を加えたスランプ値が12.5cmのものを用い
た。
【0032】このコンクリートを4日間養生した後に型
枠を取り外すと、コンクリート成型体には、内張りシー
トの接合部が当接していた部分にほとんど目立たない程
度の帯状の跡が観察された。また、その部分の硬度は1
95kg・f/cm2 であり、他の部分の硬度は260
kg・f/cm2 であった。なお、硬度は、シュミット
・コンクリート・テストハンマーNR型(PROCEQ
S.A.製)により測定した。
【0033】比較のため、上述の内張りシートを接着剤
を用いて接合し、同じ実験を行ったところ、コンクリー
ト成型体には、接合部が当接していた部分に明確な帯状
の模様が形成された。また、その部分の硬度は125k
g・f/cm2 であり、それ以外の部分の硬度(260
kg・f/cm2 )に比べて大幅に劣っていた。 〔他の実施例〕 (a) 前記実施例では、内張りシート3を3条の帯状
内張りシート3a,3b,3cにより構成したが、本発
明はこれに限定されない。内張りシートが2本の帯状内
張りシートにより構成されている場合や、4本以上の帯
状内張りシートにより構成されている場合も本発明を同
様に実施できる。 (b) 前記実施例では、内張りシート3の接合部5を
不織布7と高密度織物6との超音波融着により形成した
が、本発明はこれに限られない。例えば、帯状内張りシ
ート3a,3b,3cを前記実施例のように重ねて各帯
状内張りシート間に低融点フィルムを配置し、その低融
点フィルムを融点以上に加熱して帯状内張りシート相互
を融着した場合も本発明を同様に実施できる。この低融
点フィルムとしては、ポリアミド樹脂,ポリエステル樹
脂,エチレン−ビニルアセテート共重合体樹脂(EV
A)等の熱可塑性樹脂をベースにした網目状のホットメ
ルト型接着剤(例えば、ケミウエブ:東レ(株)商品
名)が例示できる。
【0034】
【発明の効果】第1及び第2の発明では、積層シート状
部材相互が上述のように一体化しているため、接合部を
有しているにも拘らず、外観が良好でありかつ色むら及
び強度むらの少ないコンクリート成型体が繰り返し形成
できる、コンクリート型枠用の内張りシートが実現でき
る。
【0035】第3の発明では、シート状部材相互が上述
のように一体化しているため、内張りシートが接合部を
有しているにも拘らず、外観が良好でありかつ色むらお
よび強度むらの少ないコンクリート成型体が作成でき、
繰返し転用できるコンクリート型枠が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るコンクリート型枠の斜
視図。
【図2】前記実施例に採用された内張りシートの平面部
分図。
【図3】前記内張りシートの縦断面部分図。
【図4】前記実施例の使用状況を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 コンクリート型枠 2 型枠本体 3 内張りシート 3a,3b,3c 帯状内張りシート 4 型面 5 接合部 6 高密度織物 7 不織布

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目合いが1〜200μmの高密度織物と、
    見かけ密度が0.1〜0 5g/cmの不織布とが点
    接着されてなる積層シート状部材の複数枚が互いに縁部
    を重ねて一体化されたシートであって、 前記縁部は、前記積層シート状部材の前記不織布成分を
    接着剤として互いに融着していることを特徴とするコン
    クリート型枠用内張りシート。
  2. 【請求項2】目合いが1〜200μmの高密度織物と、
    見かけ密度が0.1〜0.5g/cmの不織布とが点
    接着されてなる積層シート状部材の複数枚が互いに縁部
    を重ねて一体化されたシートであって、 前記シートは、前記縁部が前記積層シート状部材の前記
    不織布成分を接着剤として互いに融着しており、前記積
    層シート状部材間の重ね合わせ幅が2〜10mmに設定
    されていることを特徴とするコンクリート型枠用内張り
    シート。
  3. 【請求項3】型面を有するコンクリート型枠本体と、 前記型面に配置された、複数枚のシート状部材が互いに
    縁部を重ねて一体化された内張りシートとを備え、 前記シート状部材は、目合いが1〜200μmの高密度
    織物と見かけ密度が0.1〜0.5g/cmの不織布
    とが点接着されてなる積層体であり、かつ前記積層体の
    不織布成分を接着剤として融着により互いに一体化され
    ており、前記内張りシートは、前記不織布が前記型面に
    配置されている、コンクリート型枠。
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