JP2530236B2 - 光情報記録媒体およびこの光情報記録媒体への光情報記録方法 - Google Patents
光情報記録媒体およびこの光情報記録媒体への光情報記録方法Info
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- JP2530236B2 JP2530236B2 JP2024540A JP2454090A JP2530236B2 JP 2530236 B2 JP2530236 B2 JP 2530236B2 JP 2024540 A JP2024540 A JP 2024540A JP 2454090 A JP2454090 A JP 2454090A JP 2530236 B2 JP2530236 B2 JP 2530236B2
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Description
の光情報記録方法にかかわるもので、とくに透光性を有
するとともにプリグルーブを形成した基板と、この基板
上に設けるとともに色素から構成した光吸収層と、この
光吸収層上に設けるとともに金属膜から構成した光反射
層とを有する光学的に書き込みおよび読み出し可能な光
情報記録媒体およびこの光情報記録媒体への光情報記録
方法に関するものである。
用いて上記透光性の基板の上にあらかじめピットを形成
し、さらにこのピットを形成した面に金属の反射膜を形
成した再生専用の光情報記録媒体としてコンパクトディ
スク(以下「CD」という)が実用化されており、広く普
及している。
で必要に応じてレーザービームを基板に照射することに
より、情報を記録することが可能な光情報記録媒体も検
討されている。
基板と、この基板上に設けるとともに色素を含む光吸収
層と、この光吸収層の上に設けた光反射層とを有し、情
報を光学的に書き込みおよび読み出し可能な光情報記録
媒体を開示している。
は、光吸収層に隣接する層を変形させることによりこう
した光情報記録媒体への記録を行う方法を開示してい
る。
等は、光情報記録媒体から得られる再生信号のコントラ
ストを向上させるために、プリグルーブを形成した基板
上に設けた光吸収層の光反射層側を平坦にすること(以
下「レベリング」という)について開示している。
る光情報記録媒体においてこのプレピットの深さを規定
している。
可能ないわゆる追記形の従来の光情報記録媒体を使用す
る場合には、この光情報記録媒体に記録された信号を再
生するための専用のCDプレーヤーを新しく別途必要と
し、再生専用のCD用として一般に広く普及している市販
のCDプレーヤーでは再生することができないという問題
がある。
めには、世界統一規格であるCD規格に準拠する再生信号
が得られなければならない。
反射率が70%以上であること、上記再生信号における変
調振幅の変調度I11/Itopが0.6以上であること(ただ
し、「Itop」はCDの再生信号における最大反射光量であ
り、「I11」は記録が行なわれるグルーブ内において記
録される最長ピットにより回折されて対物レンズに返っ
てくる反射光量と、非ピット部により反射されて対物レ
ンズに返ってくる反射光量との差に対応する光学的変調
成分である)、同再生信号における変調振幅の変調度I3
/Itopが0.3〜0.7であること(ただし、「I3」は記録が
行なわれるグルーブ内において記録される最短ピットに
より回折されて対物レンズに返ってくる反射光量と、非
ピット部により反射されて対物レンズに返ってくる反射
光量との差に対応する光学的変調成分である)、ブロッ
クエラーレートが3.0×10-2以下であること、さらにピ
ットのトラッキングについてプッシュプル法を採用した
ときにそのプッシュプル値が0.04〜0.07であることが必
要である。
記形のCDについては、上記CD規格を満足した再生信号を
得る前提として、再生と同時に記録を行うことになる。
したがって、CD規格に規定された信号を再生することが
できるように記録するためには当該CDが未記録状態であ
っても、良好なトラッキングを可能とすることが必要で
ある。
ット列に正確に位置させて記録用および再生用のレーザ
ー光がCDのトラックを正確に追尾可能とするいわゆるト
ラッキングの方法としては、3ビーム法、プッシュプル
法等が知られている。
ームを二分割し、それぞれのビームが照射するそれぞれ
の区画の反射光量を比較しながら上記レーザーピックア
ップをトラック上に正確にガイドするものである。こう
したトラッキングは、すでに記録された状態の光情報記
録媒体に限らず、未記録状態の光情報記録媒体であって
も、採用することができる。
1、およびI2は左右それぞれの反射光の強度である。
ル値が規定されており、このCD規格によるとプッシュプ
ル値は既述のように0.04〜0.07であることが必要であ
る。
記録するにあたっては、上述のように記録する場合のプ
ッシュプルも必要である。そして、記録前と記録後とに
おけるプッシュプルはできる限り近い方が望ましい。
含む光吸収層を設け、さらにこの光吸収層の上に光反射
層を設けた従来の光情報記録媒体には、上述のようなプ
ッシュプルに関する規格はもちろん、上記CD規格による
諸条件を満足するための基板および光吸収層の最適条件
を示しているものはなかった。
ので、CD規格に規定された再生信号を容易に得ることが
可能な光情報記録媒体およびこの光情報記録媒体への光
情報記録方法を提供することを課題とする。
キングが可能であるとともに、再生時においてはプッシ
ュプル信号がCD規格を満足している光情報記録媒体を提
供することを課題とする。
する光情報記録媒体を提供することを課題とする。
録媒体への光情報記録方法を提供することを課題とす
る。
リグルーブを形成した基板と、この基板上に設けるとと
もに色素から構成した光吸収層と、この光吸収層上に設
けるとともに金属膜から構成した光反射層とを有する光
情報記録媒体であって、上記プリグルーブの左右に位置
するランドの部分における上記光吸収層と上記基板との
層界から、上記プリグルーブの部分における該層界の最
底部までの深さをdsubとし、上記ランドの部分における
上記光吸収層と上記光反射層との層界から、上記プリグ
ルーブの部分における該層界の最底部の深さをdabsと
し、上記基板の複素屈折率の実数部をnsubとし、上記光
吸収層の複素屈折率の実数部をnabsとするとともに、再
生光の波長をλとし、上記光反射層により反射されるこ
の再生光の上記プリグルーブの部分と上記ランド部分と
の間の光学的位相差をΔS=2dsub{nsub−nabs(1−d
abs/dsub)}/λとし、さらに上記光吸収層の上記プリ
グルーブの部分における膜厚をdgrとしたときに、0.03
≦ΔS≦0.3および90nm≦dgr≦350nmであることを特徴
とする光情報記録媒体である。
・dav/λとしたとき、0.05≦ρ≦1.6とすることが望ま
しい。
たときに、kabs≦0.3であることが望ましい。
ルーブを形成した基板と、この基板上に設けるとともに
色素から構成した光吸収層と、この光吸収層上に設ける
とともに金属膜から構成した光反射層とを有する光情報
記録媒体を用い、上記基板側から記録光を照射すること
により記録することを特徴とする光情報記録媒体の光情
報記録方法であって、上述の第一の発明による光情報記
録媒体を用いて、すなわち上記位相差ΔSが正の場合に
はこの光情報記録媒体の上記プリグルーブにピットを形
成することを特徴とする光情報記録媒体への光情報記録
方法である。
の基板の上記光吸収層側を変形させて、上記ピットを形
成することが望ましい。
具体的に説明する。
欠き斜視図、第2図は同光情報記録媒体1の記録前の要
部縦断面図、第3図は同光情報記録媒体1の記録後の要
部縦断面図である。
2上に形成した光吸収層3と、この光吸収層3の上に形
成した光反射層4と、この光反射層4の上に形成した保
護層5とを有する。なお、必要に応じて基板2と光吸収
層3との間、および光吸収層3と光反射層4との間には
中間層(図示せず)を設けることもある。
してある。このプリグルーブ6の左右には、このプリグ
ルーブ6以外の部分すなわちランド7が位置している。
いに接している。光吸収層3と光反射層4とは第二の層
界9により接している。光反射層4と保護層5とは第三
の層界10により接している。
録用レーザー光)L1を照射したときに、光吸収層3がこ
のレーザー光L1のエネルギーを吸収することにより発熱
し、基板2側に熱変形が生じてピット11を形成してい
る。あるときには、光吸収層3に光学的変化が生ずる場
合もある。
に位置するランド7の部分における上記第一の層界8か
ら、プリグルーブ6の部分における第一の層界8の最底
部までの深さをdsubとする。
プリグルーブ6の部分における第二の層界9の最底部の
深さのdabsとする。
界8より基板2側に位置する層の複素屈折率の実数部
(これらの層が基板2を含んで複数層あるときには、各
層の合成した複素屈折率の実数部)をnsubとする。
均膜厚davとは、(光吸収層3の体積)/(光吸収層3
が形成された領域の面積)により表される。
rとする。
る。
る。
されるこの再生光L2の、プリグルーブ6の部分と、ラン
ド7の部分との間の光学的位相差をΔSとする。以下、
この光学的位相差ΔSについて述べる。
ブ6内の光吸収層3の基板2側の第一の層界8を基準と
したときのランド7の部分における第二の層界9までの
光学的距離は、 nsub・dsub+nabs・dln により表される。
一の層界8を基準としたときのプリグルーブ6の部分に
おける第二の層界9までの光学的距離は、 nabs・dgr により表される。
光反射層4により反射された、プリグルーブ6の部分と
ランド7の部分との再生光L2の光学的位相差ΔS=2ND/
λは、 2dsub{nsub−nabs(1−dabs/dsub)}/λ により表される。
内で変化させるとき、反射光は干渉効果によりΔS=0
において最大となり、ΔS=±0.5において最小とな
る。
ら、ΔS≦0.3の範囲においてCD規格に準拠可能な再生
信号を得ることができることを見い出した。
形性の点から、−0.4≦ΔS≦0.3であることが望まし
い。
ちプッシュプル信号は、この光学的位相差ΔSに依存し
ている。
ランド7部分の光学的距離がプリグルーブ6に比較して
長い。
板2の変形をともなう記録方法においては、この基板2
の変形にともなって光吸収層3の基板2側の層の表面が
変形するため、ピット11に相当する記録部の光学的距離
が短くなる。したがって、第5図に示すように、記録部
分においては光学的距離すなわち屈折率と光路長との積
の変化量ΔLdがλ/4(光路差でλ/2)の場合には、記録
部と未記録部とのプッシュプルの差(プッシュプルの変
化量ΔP.P.)はなくなくなるが、変化量ΔLdがλ/4以下
の場合には、記録部のプッシュプルが大きくなってしま
う。
ッシュプルは第6図に示す場合には、常に正つまり位相
が逆転せず、十分トラッキングが可能になる。
録を行うことが望ましい。かくすることにより、プッシ
ュプル信号のピット部と非ピット部との間におけるプッ
シュプル信号の変動が小さい、ピット11の部分と非ピッ
ト部との間でのプッシュプルの位相の逆転のない、安定
した記録および再生を行うことができる。
きには、第7図に示すように、記録時にプッシュプルレ
ベルが0になってしまう可能性がある。プッシュプルレ
ベルが0になると、記録時のトラッキングが不安定にな
り、トラックジャンプや記録ピットのジッターの原因に
なりやすい。
を、0.03〜0.3の範囲にすることにより、プリグルーブ
6上で安定したトラッキングが可能な光情報記録媒体1
を提供することができることを見い出した。ΔSが0.03
よりも小さいと、記録部でのプッシュプル信号が小さす
ぎるため、安定したトラッキングが困難になる。また、
ΔSが0.3よりも大きい場合には、記録部における反射
率が小さくなるために、CD規格に規定する反射率70%以
上を満足することは困難である。
の光学的距離がランド7部分に比較して長い。
光吸収層3との間の第一の層界8における基板2の変形
をともなう記録方法においては、この基板2の変形にと
もなって光吸収層3の基板2側の層の表面が変形するた
め、ピット11に相当する記録部の光学的距離が短くな
る。したがって、第5図に示すように、前記光学的距離
の変化量ΔLdがλ/4(光路差でλ/2)の場合には、記録
部と未記録部のプッシュプルの差(プッシュプルの変化
量ΔP.P.)がなくなるが、変化量ΔLdがλ/4以下の場合
には、記録部のプッシュプルは大きくなってしまう。
プルは、第6図に示すように常に正でありつまり位相が
逆転せず、十分トラッキングが可能になる。
行うことが望ましい。かくすることにより、プッシュプ
ル信号のピット部と非ピット部との間でのプッシュプル
信号の変動が小さい、ピット11の部分と非ピット部との
間での位相の逆転のない、安定した記録および再生を行
うことができる。
ったときには、第7図に示すように、記録時にプッシュ
プルレベルが0になってしまう可能性がある。プッシュ
プルレベルが0になると、記録時のトラッキングが不安
定になり、トラックジャンプや記録ピットのジッターの
原因になりやすい。
を、−0.04〜−0.4の範囲にすることにより、安定した
トラッキングが可能な光情報記録媒体1を提供すること
ができることを見い出した。ΔSが−0.04よりも大きい
と、記録部でのプッシュプル信号が小さすぎるため、安
定したトラッキングが困難になる。また、このΔSが−
0.4よりも小さい場合には、記録部における反射率が小
さくなるために、CD規格に規定する反射率70%以上を満
足することは困難である。
いて説明する。
ることにより、変調度が大きく、波形歪みおよびジッタ
ーの少ない、CD規格に準拠した再生信号を出力すること
が可能な光情報記録媒体1を得ることができる。
いて説明する。
に記録を行う場合には、プリグルーブ6部分における膜
厚dgrが90〜350nmにおいて、良好な、波形歪みおよびジ
ッターの少ない記録を行うことができる。
大きく、記録の前後における。プッシュプルの変化のほ
とんどない、最適な記録を行うことができる。dgrが90n
mよりも小さい場合には、記録前後もしくは記録部と未
記録部との間における光学的位相差が小さすぎるため、
十分な変調を得ることができない。また、dgrが350nmよ
りも大きい場合には、ジッターおよび波形歪みがおおき
くなり、ブロックエラーレート(BLER)がCD規格を満足
することができなくなる。
明する。
を行う場合には、ランド7部における膜厚dlnが90〜350
nmにおいて良好な、波形歪みおよびジッターの少ない記
録を行うことができる。
く、記録の前後における。プッシュプルの変化のほとん
どない、最適な記録を行うことができる。dlnが90nmよ
りも小さい場合には、記録前後もしくは記録部と未記録
部との間における光学的位相差が小さすぎるため、十分
な変調を得ることができない。また、dlnが350nmよりも
大きい場合には、ジッター、および波形歪みがおおきく
なり、ブロックエラーレート(BLER)がCD規格を満足す
ることができなくなる。
ラメーターについて説明する。
から、ρ=nabs・dav/λ(ただし、「nabs」は光吸収層
3の複素屈折率の実数部、「dav」はプリグルーブ6部
分の膜厚dgrとランド7部分の膜厚dlnとの平均の膜厚な
いしは光吸収層3の平均膜厚、「λ」は再生光の波長で
ある)が非常に重要な光学的パラメーターであることに
着目した。
光吸収層3および光反射層4を積層した構造を有するデ
ィスクの場合、その再生時に基板2側から入射したレー
ザー光(再生光)は、基板2と光吸収層3との間の屈折
率の差、および光吸収層3と光反射層4との間の屈折率
の差により、第2図に示すようにそれぞれ基板2と光吸
収層3との間の界面(第一の層界8)および光吸収層3
と光反射層4との間の界面(第二の層界9)において二
重に反射されるとともに、これらふたつの界面において
反射されるそれぞれの光は互いに干渉し合うことにな
る。干渉光が強め合う条件においては反射光量が多くな
り、干渉光が弱め合う条件においては反射光量が少なく
なる。この干渉の程度は、入射光の波長に対する光吸収
層3の光学的な厚さの割合、つまり当該光学的パラメー
ター、ρ=nabs・dav/λに支配されることが判明した。
レーションにもとづく、ρと反射率との関係を示すグラ
フで、図示のように、ρの値に応じて反射率つまり反射
光量はサインカーブ状に変動する。なお全体的に右下り
になる理由は、光吸収層3の厚さの増大による光吸収層
3におけるレーザー光吸収量が増加するためである。CD
規格に規制されている反射率が70%以上その他の諸条件
を満足するためには、なるべく干渉を強め合う条件でρ
を決定する方が有利となり、かくしてρの値が重要視さ
れることになる。すなわち、基板2上に光吸収層3およ
び光反射層4を積層した構成を有する光情報記録媒体1
において、ρ=nabs・dav/λで定義される光学的パラメ
ーターを0.05≦ρ≦1.6の範囲内に設定することによ
り、CD規格の諸条件、反射率が70%以上、かつ変調度と
して示されるI11/Itopが60%以上、および変調度I3/Ito
pが0.3〜0.7を満足する出力信号を容易に得ることがで
きる。
厚davを0.05μm以下と、相当薄くしなければならない
ため、製造上実用的ではない したがって、0.05≦ρ≦0.6の範囲においては、0.30
≦ρ≦0.6の範囲が実用的であり、十分な変調度を取る
ためには、0.1以上の範囲が望ましく、変調度の大きい
安定した記録特性を得るためには0.45±0.1の範囲が最
も望ましい範囲であるということができる。
っても、グラフ上でのピーク点であれば、反射率が70%
を越えることが可能である。
り、常に0.6<ρ<1.10の範囲と、1.10<ρ<1.6の範囲
とにあり、それらのピーク点において高い反射率を得る
ことができることがわかっている。
困難になり、製造上実用的ではない。
と、周期関数との組み合わされた関数として表され、ρ
が大きくなるにしたがって、周期関数の振幅が大きくな
る。
する層の複素屈折率、膜厚、それらの均質性等をパラメ
ーターとして変化する。たとえば、光吸収層3から光が
入射する側にある層の屈折率が小さいと、反射率はグラ
フ全体として反射率が高くなる方向にシフトする等であ
る。
bs、およびdavをパラメーターとする指数関数で表さ
れ、第9図に示すようにkabsが大きくなるほどグラフ全
体の反射率の減衰が大きくなるということもわかってい
る。
s、膜厚davに不均一な分布がない限り、上記グラフのピ
ークを示す点の周期には変化がないことが本発明者らの
シミュレーションによりわかっている。
の反射率についても、上記パラメーター条件を制御する
ことによりこれを高くすることが可能であるが、ρをボ
トム点付近に設定した場合には、変調度を大きく取るこ
とが困難であり、ある場合には、記録前よりも反射率が
上昇してしまう場合も生じる。したがって、ρはピーク
点付近に設定することが望ましい。
ことが必要である。
ターであることを見い出している。すなわちこのkabsが
0.3以下であれば、0に近くなるほど反射率は向上す
る。したがって、この範囲が最も望ましい。しかし0に
近づくほど記録感度が悪くなるため、0より大きいこと
が必要である。具体的には、0.01以上の範囲が望まし
く、実際には0.05前後が望ましい。
率の虚部kabsは0.3以下であることが望ましい。またρ
が0.6〜1.6の範囲においては、kabsは0.2以下であるこ
とが望ましい。
適用可能である。たとえば、基板2と光吸収層3との間
に透明層(たとえばSiO2等のエンハンス層、下引き層
等)を設けた場合には、この層を基板2の一部として取
り扱ってもよく、光吸収層3と光反射層4との間に層
(たとえば、接着層、硬質層等)を設けた場合には、こ
れらの層を第二の光吸収層3として考え、ρ=(n1・d1
+n2・n2)/λとして取り扱い、多数層になる場合に
は、 ρ=Σ(ni・di)/λ (ただし、iは整数、niは各層の複素屈折率の実数部、
diは各層の平均膜厚) とすれば、複数の層がある場合にも同様に取り扱うこと
ができる。
は、 K=Σdi・ki/Σdi (ただし、kiは各層の複素屈折率の虚部) として求めれば単層の場合と同様に取り扱うことができ
る。
が1.4〜1.6の範囲内の透明度の高い材料で、耐衝撃性に
優れた主として樹脂により形成したもの、たとえばガラ
ス板、アクリル板、エポキシ板等を用いる。また、基板
2上に他の層、たとえばSi2等の耐溶剤層やエンハンス
層をコーティングしておいてもよい。
基板2の厚さは、CD規格に準拠するように、1.1mm〜1.5
mmが望ましい。
材料はポリカーボネートが望ましい。また基板2の熱膨
張係数αの値が、5.0×10-5〜7.0×10-5(cm/℃)程度
のものが望ましい。
ングガイド手段を設けてある。このトラッキングガイド
手段としては、所定間隔に形成されたピットからなるア
ドレスピット、いわゆるサンプルサーボでもよいが、ス
パイラル状に形成したプリグルーブ6(第2図、第3
図)が望ましい。スパイラル状のプリグルーブ6は、デ
ータ信号を記録するときのトラッキングをガイドするた
めに用いられる。
のであればどのようなものでもよいが、30〜250nmの深
さが好適であり、さらに望ましくは、60〜180nmの深さ
であることが望ましい。また、プリグルーブ6の幅は、
0.3〜1.3μmが望ましい。
ゆるトラッキングピッチは、1.6μmが望ましい。
間コード情報(ATIP:Absolute Time In Pregroove)を
プリグルーブ6のエッジに入れておいてもよい。
ンパを押し当てることによりこれを形成するのが通常で
あるが、レーザーによりカッティングすることや、2P法
(Photo-Polymer法)によりこれを製作してもよい。
ングガイド手段の上に形成した光吸収性の物質からなる
層で、レーザーを照射することにより、発熱、溶融、昇
華、変形または変性をともなう層である。この光吸収層
3はたとえば溶剤により溶解したシアニン系色素等を、
スピンコート法等の手段により、基板2の表面に一様に
コーティングすることによってこれを形成する。
限り、本発明の効果を得ることは可能であるが、光吸収
性の有機色素が望ましい。具体的には、ポリメチン系色
素、トリアリールメタン系色素、ピリリウム系色素、フ
ェナンスレン系色素、テトラデヒドロコリン系色素、ト
リアリールアミン系色素、スクアリリウム系色素、クロ
コニックメチン系色素、メロシアニン系色素等の光吸収
性の有機色素を例示することができるが、これらに限定
されるものではなく、公知の光記録材料である限り本発
明の効果を得ることができる。
ロセルロース等の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマ
ー)、液ゴム等を含んでもよい。
体、エチレン酢ビコポリマー、塩素化ポリプロピレン、
ポリエチレンオキシド、ポリアミド、ナイロン、クマロ
ン樹脂、ケトン樹脂、酢酸ビニル、ポリスチレン、PVA
(ポリビニルアルコール)、PVE(ポリビニルエステ
ル)等が挙げられる。
ース、ニトロセルロース、HPC(ヒドロキシプロピルセ
ルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、MC
(メチルセルロース)、EC(エチルセルロース)、EHEC
(エチルヒドロキシエチルセルロース)、CMEC(カルボ
キシメチルエチルセルロース)等が挙げられる。
ンオリゴマー等が挙げられる。
マー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。
の有機溶媒(たとえば、ケトンアルコール、アセチルア
セトン、メチルセルソルブ、トルエン等)を用いて溶解
したものを、プリグルーブ6を形成した基板2上の表
面、または基板2上のさらに他の層をコーティングした
表面上に形成する。
はスピンコート法等が挙げられるが、光吸収層3の濃
度、粘度、溶剤の乾燥速度等を調節することにより、層
厚を制御することができるスピンコート法が望ましい。
は、スピンコートの回転数を変化させる方法、粘性の異
なる物質を混在させてスピンコートを行う方法、溶剤を
複数種類用いて溶解させた光吸収物質を用いてスピンコ
ートを行う、あるいは高沸点物質を混在させてスピンコ
ートを行う方法等が挙げられる。
金、銀、銅、アルミニウム、あるいはこれらを含む合金
を、蒸着法、スパッタ法等の手段によりこれを形成す
る。反射率70%以上を有することが必要なため、これら
の中でも、金または金を含む合金を主体とする金属膜が
望ましい。
の上に耐酸化層等の他の層を設けてもよい。
優れた樹脂によりこれを形成する。たとえば、紫外線硬
化樹脂をスピンコート法により塗布し、これに紫外線を
照射して硬化させることによりこれを形成する。このほ
か、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン系ハード
コート樹脂等を使用することもある。
機化合物のモノマーおよびオリゴマーを塗布後、架橋反
応させることによりこれを得ることができる。しかしな
がら、材質は有機化合物に限らず、無機物をスパッタ法
あるいは蒸着法等公知の手段により形成してもよい。
場合には、作業性の面から分子中にひとつ以上の反応性
アクリロイル基(−CH=CH2)を持つ有機重化合物のモ
ノマーおよびオリゴマーの混合物に反応開始剤、反応触
媒を少量加え、液状のこれらの混合物を塗布し、紫外線
もしくは電子線を照射することにより架橋させる方法が
有利である。
なく、エポキシ樹脂やウレタン樹脂のように、熱によっ
て架橋が進むものであってもよいし、ジアルコキシシラ
ンカップリング剤のように空気中の水分で重合反応が進
むものであってもよい。
しくは不飽和系の直鎖状炭化水素であってもよいし、メ
ラミン、ビスフェノール系等の環状化合物を含んでいて
もよい。また、この架橋物の主鎖または側鎖の途中に一
個以上のエーテル結合を含むポリエーテル、エステル結
合を含むポリエステル、ウレタン結合を含むポリウレタ
ン、イオン結合を含むアイオマー、アミド結合を含むポ
リアミド、イミド結合を含むポリイミド、スルホン結合
を含むポリスルホン、スルフィド結合を含むポリスルフ
ィド等に例示されるその他の結合を含んでいてもかまわ
ない。これらの結合をふたつ以上含む共重合化合物であ
ってもよいし、ブロックポリマーであってもかまわな
い。
側鎖にフルオロカーボン等を含んでいてもよいし、ハロ
ゲン化水素による劣化を防止するためにエポキシ樹脂を
含んでいてもよい。
鎖にヒドロキシル基、カルボキシル基、アクリル基、ア
ミノ基、酢酸ビニル基等を含んでいてもよいし、主鎖ま
たは側鎖に塩基酸が含まれていてもよい。
剤、反応開始剤等のほかに、塗布性を向上させるため
に、溶剤、希釈剤が含まれていてもよい。また、塗膜の
安定化を図るために、レベリング剤や、可塑剤、酸化防
止剤、帯電防止剤、等が含まれていてもよい。また、必
要に応じて、顔料や染料により着色してあってもかまわ
ない。
応性アクロイル濃度によってこれを変えることができ、
主鎖となり得るオリゴマー自体の分子回転の自由度によ
っても変わってくる。
して、光吸収層3の背後側の層、たとえば光反射層4や
保護層5等を、ピット11を形成した層に比較して熱変形
温度が高く、かつ硬度が高いものにより形成することが
望ましい。背後側の層を硬度の高い層により形成するこ
とは、CD規格に規定する記録信号のブロックエラーレー
トの低減に効果が認められる。
〜70℃の範囲内においては、保護層5の硬度をえんぴつ
硬度で2H以上とすることにより、光吸収層3の光反射層
4側の第二の層界9の変形を小さく抑えることができ
る。その結果、波形歪みを抑えることができ、BLERの小
さな良好な記録を行うことができる。保護層5の硬度を
小さくするにしたがって、BLERは増加する傾向がある。
〜70℃の範囲内において、1.5×10-5〜9.0×10-5の範囲
内にすることにより、この保護層5が基板2と同様の熱
体積変化を示すため、熱を加えた場合にも光情報記録媒
体1全体としてそりを生じさせ難くなる。
基板2の方が大きく膨張するため、光情報記録媒体1が
保護層5側にそり、基板2の各層に引張り張力が生じ、
記録ピット11のジッターが増加する原因となる。
により保護層5の方が大きく膨張するため、保護層5が
たるみ、光吸収層3と光反射層4との間、および光反射
層4と保護層5との間に層間剥離を生ずる。
り、これを硬化させた後に、樹脂の歪みが残らないよう
にヒートサイクル試験を行ったときでも、保護層5に割
れが生じない。機械的強度を考慮すると、この収縮率は
10%以下であることが望ましい。
4の酸化を防止する耐酸化層を介在させることもでき
る。
によって記録を行うことができる。以下概説する。すな
わち、光情報記録装置のレーザー照射手段すなわちピッ
クアップを設けた側に透光性の基板2の表面が面するよ
うに光情報記録媒体1を配置する。この光情報記録媒体
1をスピンドルモータにより回転させながら、CD規格に
準拠した信号に変調されたレーザースポットを、前記ト
ラッキングガイド手段にしたがってトラッキングしなが
ら、ピックアップにより光情報記録媒体1の光吸収層3
に照射することによって、ピット11を形成する。
0nm付近のレーザースポットを照射することが望まし
い。また、CD規格との関連から、線速度は、1.2〜1.4m/
secである必要があり、記録パワーは6〜9mW程度でよ
い。すわなち、市販のCDプレーヤーにおいてその記録パ
ワーを再生時よりも大きくすることにより記録を行うこ
とができる。
膜厚等の条件からプリグルーブ6間のランド7部分が光
学的に明るいときには、プリグルーブ6内にレーザーを
照射して、ピット11を形成することが望ましい。
ランド7部にピット11を形成することが望ましい。
て、再生時の再生レーザーの反射光の明暗差がはっきり
し、高い変調度を得ることができる。
きる光情報記録媒体1を容易に作成可能となる。
ように、光吸収層3に基板2側から記録用レーザー光L1
を照射したとき、この光吸収層3がレーザー光L1を吸収
して熱を発生し、基板2の表面が局部的に変形し、基板
2表面にピット11が形成されるものが望ましい。
よってピット11が形成されるものでもよい。
た成分が軟化した基板2の中に拡散し、基板2を形成す
る成分と部分的に混合して、化合し、そこに光吸収層3
や基板2の他の部分とは光学的に異なった部分が生成し
て、ピット11が形成される場合もある。
を照射することにより、ピット11部分の反射光とピット
11以外の部分の反射光との光学的位相差ΔSの明暗の差
を読み取ることによって行われる。
形成された光情報記録媒体1のほか、基板2の一部が光
吸収層3を有する記録可能領域であり、その他の部分が
CDフォーマット信号が再生可能なピット11を有するROM
領域である光情報記録媒体にも適用が可能である。この
ような光情報記録媒体はたとえば基板2の表面のROM領
域となる部分に信号再生用のピットをスタンパ等によ
り、あらかじめ形成しておき、その外側の記憶可能領域
にのみ光吸収層3を形成したものである。
プレス等により大量に画一的なデータを記録しておくこ
とができ、しかもここには光吸収層3がないため、誤消
去や、別のデータの誤記録のおそれがない。また、光吸
収層3を有する領域では使用者独自のデータを任意に記
録することができる。そして、この記録されたデータが
CD規格に準じた信号をもって再生することができるた
め、上記ROM領域の情報と同様に市販のCDプレーヤーに
より再生することができる。
記録媒体への光情報記録方法についてその実施例を以下
に説明する。なお、実施例1および実施例2は未記録状
態のプリグルーブ6とランド7との光学的位相差ΔSが
正の場合、実施例3および実施例4はΔSが負の場合を
例示している。
イラル状のプリグルーブ6を形成した厚さ1.2mm、外径1
20mm、内径15mmのポリカーボネート基板を射出成形法に
より成形した。
3′テトラメチル4,5,4′,5′−ジベンゾインドジカーボ
シアニンパークロレート(日本感光色素株式会社製、NK
-3219)をジアセトンアルコール10mlに溶解し、これを
上記基板上に回転数を適当に変化させながらスピンコー
トすることによって平均膜厚davが140nmの光吸収層を形
成した。
nm、複素屈折率nabs2.7、再生光の波長λは780nmである
から、このときの光学パラメータρは0.48である。
は1.58であるから、未記録状態のプリグルーブとランド
との光学的位相差ΔSは0.052である。
nmである。
膜を形成した。さらに、この光反射層の上に紫外線硬化
樹脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ10μmの保護層を形成した。
レーザーを線速1.4m/secで記録したところ、最適パワー
は7.2mWであった。このパワーでEFM信号をプリグルーブ
部に記録し、そのときの光情報記録媒体を市販のCDプレ
ーヤー(Aurex XR-V73、再生光の波長780nm、再生パワ
ー0.5mWのレーザー)で再生したところ、光情報記録媒
体の反射率が77.3%、再生信号のアイパターンから求め
られる変調度I11/Itopが0.73、I3/Itopが0.42、ブロッ
クエラーレートが1.6×10-3、プッシュプル値は0.067で
あった。これはCD規格に定める基準を十分に満足してい
る。
リアのランド部に波長780nmの半導体レーザーを用い
て、線速1.4m/secで最適記録パワーにより記録した。そ
して、この記録部分を実施例1と同様にして再生したと
ころ、ブロックエラーレートは5.0×10-2、再生時のプ
ッシュプルが0.019であった。これらはいずれもCD規格
を満足していない。
に実施例1と同じシアニン色素0.78gをジアセトンアル
コール溶剤10ccに溶解したものを、スピンコート法によ
り、回転数を適当に変化させながら塗布した。成膜後の
膜厚davは260nmであった。
り、複素屈折率nabsは2.7である。再生光の波長は780nm
であり、このときの光学的パラメーターρは0.90であ
る。
る。
膜を形成した。さらにこの光反射層の上に紫外線硬化樹
脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ10μmの保護層を形成した。
780nmの半導体レーザーを線速1.4m/secで記録したとこ
ろ、最適記録パワーは5.2mWであった。このパワーでのE
FM信号を光情報記録媒体のプリグルーブ部に記録し、そ
の記録部を実施例1と同様に再生したところ、反射率が
73.2%、再生信号のI11/Itopが0.85、I3/Itopが0.45、
ブロックエラーレートが2.2×10-3、プッシュプル値は
0.053であった。これはCD規格に定める基準を十分に満
足している。
リアのランド部に波長780nmの半導体レーザーを用い
て、線速1.4m/secで最適記録パワーにより記録した。そ
して、この記録部分を実施例1と同様にして再生したと
ころ、ブロックエラーレートは7.8×10-2、再生時のプ
ッシュプルが0.022であった。これらはいずれもCD規格
を満足していない。
イラル状のプリグルーブを形成した厚さ1.2mm、外径120
mm、および内径15mmのポリカーボネート基板を射出成形
法により成形した。
3′テトラメチル4,5,4′,5′−ジベンゾインドジカーボ
シアニンパークロレート(日本感光色素株式会社製、NK
-3219)をジアセトンアルコール10mlに溶解し、これを
上記基板上に回転数を適当に変化させながら、スピンコ
ートすることにより平均膜厚dav210nmの光吸収層を形成
した。
り、複素屈折率nabsは2.7であり、再生光の波長λは780
nmであるから、このときの光学パラメータρは0.73であ
る。
ubは1.58であるから、未記録状態のプリグルーブとラン
ドとの光学的位相差ΔSは、−0.20である。
る。
膜を形成した。さらに、この光反射層の上に紫外線硬化
樹脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ10μmの保護層を形成した。
レーザーを線速1.4m/secで記録したところ、最適パワー
は6.5mWであった。このパワーでEFM信号をランド部に記
録した。そのときの光情報記録媒体の反射率が74.5%、
再生信号のアイパターンから求められるI11/Itopが0.8
2、I3/Itopが0.42、ブロックエラーレートが1.8×1
0-3、プッシュプル値は0.048であった。これはCD規格に
定める基準を十分に満足している。
リアのプリグルーブ部に波長780nmの半導体レーザーを
用いて線速1.4m/secで最適記録パワーにより記録した。
そして、この記録部分を実施例3と同様にして再生した
ところ、ブロックエラーレートは8.5×10-1、再生時の
プッシュプルが0.009であった。これらはいずれもCD規
格を満足していない。
板に実施例3と同じシアニン色素0.85gをジアセトンア
ルコール溶剤10ccに溶解したものを、スピンコート法に
より回転数を適当に変化させながら塗布した。成膜後の
膜厚davは240nmであった。
り、複素屈折率nabsは2.7である。再生光の波長は780nm
であり、このときの光学的パラメーターρは0.83であ
る。またこのときの未記録状態のΔSは−0.22であっ
た。また、このときのランド上での光吸収層の膜厚dln
は201nmとなる。
膜を形成した。さらにこの光反射層の上に紫外線硬化樹
脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ10μmの保護層を形成した。
長780nmの半導体レーザーを線速1.4m/secで記録したと
ころ、最適記録パワーは6.0mWであった。このパワーで
のEFM信号を光情報記録媒体のプリグルーブ部に記録
し、その記録部を実施例3と同様に再生したところ、反
射率が72.1%、再生信号のI11/Itopが0.84、I3/Itopが
0.42、ブロックエラーレートが1.9×10-3、プッシュプ
ル値は0.052であった。また未記録部分のプッシュプル
も同じく0.052であった。これはCD規格に定める基準を
十分に満足している。
リアのプリグルーブ部に波長780nmの半導体レーザーを
用いて、線速1.4m/secで最適記録パワーにより記録し
た。そして、この記録部分を実施例3と同様にして再生
したところ、ブロックエラーレートは8.0×10-1、再生
時のプッシュプルが0.012であった。これらはいずれもC
D規格を満足していない。
よび光吸収層のプリグルーブの部分における膜厚を所定
の値に設定することにより、現在のCD規格に準拠した、
とくにCD規格に定められたプッシュプル値、さらには反
射率および変調度の規格値を満足することが可能な光情
報記録媒体およびこの光情報記録媒体への記録方法を提
供することができる。
斜視図、 第2図は同、光情報記録媒体1およびこの光情報記録媒
体1への光情報記録方法を説明するための要部縦断面
図、 第3図は同、プリグルーブ6にピット11を形成した状態
の要部縦断面図、 第4図は光学的位相差ΔSと反射光量との関係のグラ
フ、 第5図は記録の前後における光学的距離の変化量ΔLd
と、記録の前後におけるプッシュプルの変化量ΔP.P.と
の関係のグラフ、 第6図は記録の前後にわたるプッシュプルの変化の様子
を示すグラフ、 第7図は同、記録の前後にわたるプッシュプルの変化の
様子を示すグラフで、プッシュプルが正負反転する場合
を示すグラフ、 第8図はρ(=nabs・dav/λ)と反射率との関係のグラ
フ、 第9図は光吸収層3の複素屈折率kabsと反射率との関係
のグラフである。 1……光情報記録媒体 2……透光性の基板 3……光吸収層 4……光反射層 5……保護層 6……プリグルーブ 7……ランド 8……第一の層界 9……第二の層界 10……第三の層界 11……ピット dsub……ランド7の部分における光吸収層3と基板2と
の第一の層界8から、プリグルーブ6の部分における第
一の層界8の最底部の深さ dabs……ランド7の部分における光吸収層3と光反射層
4との第二の層界9から、プリグルーブ6の部分におけ
る第二の層界9の最底部の深さ nsub……光吸収層3と基板2との第一の層界8より基板
2側に位置する層の複素屈折率の実数部 nabs……光吸収層3の複素屈折率の実数部 kabs……光吸収層3の複素屈折率の虚数部 dav……光吸収層3の平均膜厚 dgr……光吸収層3のプリグルーブ6の部分における膜
厚 dln……光吸収層3のランド7の部分における膜厚 λ……再生光の波長 ΔS……光学的位相差 L1……記録用レーザー光 L2……再生用レーザー光
Claims (4)
- 【請求項1】透光性を有するとともにプリグルーブを形
成した基板と、 この基板上に積層するとともに色素から構成した光吸収
層と、 この光吸収層上に積層するとともに金属膜から構成した
光反射層とを有する光情報記録媒体であって、 前記プリグルーブの左右に位置するランドの部分におけ
る前記光吸収層と前記基板との層界から、前記プリグル
ーブの部分における該層界の最底部までの深さをdsubと
し、 前記ランドの部分における前記光吸収層と前記光反射層
との層界から、前記プリグルーブの部分における該層界
の最底部の深さをdabsとし、 前記基板の複素屈折率の実数部をnsubとし、 前記光吸収層の複素屈折率の実数部をnabsとするととも
に、 再生光の波長をλとし、 前記光反射層により反射されるこの再生光の前記プリグ
ルーブの部分と前記ランド部分との間の光学的位相差を
ΔS=2dsub{nsub−nabs(1−dabs/dsub)}/λと
し、さらに 前記光吸収層の前記プリグルーブの部分における膜厚を
dgrとしたときに、 0.03≦ΔS≦0.3、および 90nm≦dgr≦350nm であることを特徴とする光情報記録媒体。 - 【請求項2】前記光吸収層の平均膜厚をdavとし、 ρ=nabs・dav/λとし、 前記光吸収層の複素屈折率の虚部をkabsとしたときに、 0.05≦ρ≦0.6のときには、0<kabs≦0.3 であることを特徴とする請求項(1)記載の光情報記録
媒体。 - 【請求項3】透光性を有するとともにプリグルーブを形
成した基板と、 この基板上に積層するとともに色素から構成した光吸収
層と、 この光吸収層上に積層するとともに金属膜から構成した
光反射層とを有する光情報記録媒体を用い、前記基板側
から記録光を照射することにより記録することを特徴と
する光情報記録媒体の光情報記録方法であって、 前記プリグルーブの左右に位置するランドの部分におけ
る前記光吸収層と前記基板との層界から、前記プリグル
ーブの部分における該層界の最底部までの深さをdsubと
し、 前記ランドの部分における前記光吸収層と前記光反射層
との層界から、前記プリグルーブの部分における該層界
の最底部の深さをdabsとし、 前記基板の複素屈折率の実数部をnsubとし、 前記光吸収層の複素屈折率の実数部をnabsとするととも
に、 再生光の波長をλとし、 前記光反射層により反射されるこの再生光の前記プリグ
ルーブの部分と前記ランド部分との間の光学的位相差を
ΔS=2dsub{nsub−nabs(1−dabs/dsub)}/λと
し、さらに 前記光吸収層の前記プリグルーブの部分における膜厚を
dgrとしたときに、 0.03≦ΔS≦0.3、および 90nm≦dgr≦350nm であることを特徴とする光情報記録媒体の前記プリグル
ーブにピットを形成することを特徴とする光情報記録媒
体への光情報記録方法。 - 【請求項4】前記基板側から記録光を照射することによ
り該基板の前記光吸収層側を変形させることを特徴とす
る請求項(3)記載の光情報記録媒体への光情報記録方
法。
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