JP3266754B2 - 書き込み可能な光情報記録媒体とその製造方法 - Google Patents

書き込み可能な光情報記録媒体とその製造方法

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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機色素を含有し、
情報を重畳させた記録用レーザ光を照射すると背景部分
との間に光学的な位相差を有するピットが形成される光
吸収層を備えた書き込み可能な光情報記録媒体とその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書き込み可能な光情報記録媒体として
は、種々のものが提案されている。本件特許出願人は、
従来の書き込み可能な光情報記録媒体を改良し、ROM
型光情報記録媒体であるコンパクトディスク(CD)の
規格に適合させることができる書き込み可能な光情報記
録媒体として、特開平2−87342号公報に開示され
ているものを提案している。
【0003】この書き込み可能な光情報記録媒体は、光
吸収層と光反射層との間に再生用レーザ光の波長に対し
て透明(複素屈折率の虚数部kehs =0)なエンハ
ンス(enhance) 層を所定の厚さで設けたことを特徴とす
るものである。
【0004】そして、この書き込み可能な光情報記録媒
体は光吸収層と光反射層との間にこのようなエンハンス
層を設けたので、光反射層に貴金属のような反射率の特
に良い材料でなく、アルミニウム等のような反射率のや
や劣る卑金属材料を用いても、再生用レーザ光の反射率
が70%以上と、CD規格に適合した反射率を得ること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この書き込み
可能な光情報記録媒体は、光吸収層と光反射層との間に
エンハンス層を入れたことによって、記録時における光
吸収層の変形を抑制していた光反射層が光吸収層から離
れ、光吸収層の変形の自由度が上がり、わずかな条件の
違いで光吸収層の変形が過剰に進み、また、エンハンス
層自体が光吸収層の変形に伴い変形してしまい、光学的
に不均一なピットが形成され、ジッタが大きくなり、再
生安定性が悪化するという問題があった。
【0006】この発明は、上記の問題を解決するために
なされたもので、できるだけジッタが小さく、再生安定
性の良好な書き込み可能な光情報記録媒体とその製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る書き込み
可能な光情報記録媒体は、有機色素を含有する光吸収層
の一方の面側に透光性基板を有し、該光吸収層の他方の
面側に光反射層を有し、該光吸収層と該光反射層との間
に再生用レーザ光の波長に対して透明なエンハンス層を
有し、該エンハンス層がオルガノポリシロキサンを主成
分とする物質で形成され、該オルガノポリシロキサンの
分子構造中にコロイダルシリカが3〜50モル%の割合
で含まれ、該エンハンス層の硬度が鉛筆硬度でB〜2H
の範囲にあるものである。
【0008】また、この発明に係る書き込み可能な光情
報記録媒体は、有機色素を含有する液を透光性基板の一
方の面に塗布して光吸収層を形成させる工程と、オルガ
ノポリシロキサンを主成分とし、3〜50モル%のコロ
イダルシリカを含有する液を該光吸収層の上に被覆し、
架橋硬化させて鉛筆硬度B〜2Hのエンハンス層を形成
させる工程と、金属膜からなる光反射層を該エンハンス
層の上に形成させる工程とを備えた書き込み可能な光情
報記録媒体の製造方法により製造することができる。
【0009】これら光情報記録媒体及びその製造方法に
おいて、オルガノポリシロキサンは、その分子構造中に
グリシドキシル基(エポキシ基)、メタクリロイル基又
はアミノ基を有しているものが好ましい。分子構造中に
これらグリシドキシル基等を有するオルガノポリシロキ
サンは、グリシドキシル基、メタクリロイル基又はアミ
ノ基を有するシラン化合物をオルガノポリシロキサンを
主成分とする液に含有させて一緒に架橋させれば得るこ
とができる。
【0010】また、グリシドキシル基、メタクリロイル
基又はアミノ基を有するシラン化合物としては、例えば
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ
るが、これら以外のシラン化合物であっても上記感応基
を有するものであれば使用することができる。
【0011】また、光反射層の材料としては、Al又は
Al合金を使用することができるが、従来のようにA
u,Ag,Cuやそれらを含む合金等を用いてもよいこ
とはもちろんである。
【0012】
【作用】この発明に係る書き込み可能な光情報記録媒体
においては、エンハンス層をオルガノポリシロキサンを
主成分とする物質で形成し、該オルガノポリシロキサン
の分子構造中にコロイダルシリカを3〜50モル%の割
合で含ませ、該エンハンス層の硬度を鉛筆硬度でB〜2
Hの範囲とし、エンハンス層の硬度を高めたので、記録
時における光吸収層及び/又はエンハンス層の過剰な変
形がエンハンス層によって抑制され、ピットが所望サイ
ズになる。
【0013】分子構造中にコロイダルシリカを含むオル
ガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンを主成
分とする液にコロイダルシリカを添加し、これらを加熱
して架橋させることにより得ることができる。
【0014】ここで、オルガノポリシロキサンのアルコ
キシル基とコロイダルシリカの水酸基は加熱により脱ア
ルコール反応を生じ、オルガノポリシロキサンはコロイ
ダルシリカを取り込んで架橋し、形成されたオルガノポ
リシロキサンはコロイダルシリカのところで三次元構造
になっていると考えられる。そして、分子構造中にコロ
イダルシリカを有するオルガノポリシロキサンが硬いの
はこの三次元構造に起因していると考えられる。
【0015】オルガノポリシロキサンの分子構造中に含
まれるコロイダルシリカの好ましい割合は前述したよう
に3〜50モル%であるが、これはコロイダルシリカが
3モル%未満ではエンハンス層の硬さが鉛筆硬度Bに足
りず、50モル%を超えると硬くなり過ぎて、被覆が困
難になるからである。
【0016】また、エンハンス層の硬度を鉛筆硬度でB
以上としたのは、B未満ではジッタが悪くなるからであ
る。また、エンハンス層の硬度を鉛筆硬度で2H以下と
したのは、2Hを越えた場合の実験データが無いからで
ある。
【0017】オルガノポリシロキサンの分子構造中にグ
リシドキシル基、メタクリロイル基又はアミノ基を有し
ていると、エンハンス層と光反射層との結着性(接着
性)が良好になるが、エンハンス層と光反射層との結着
性はグリシドキシル基が特に良い。
【0018】光反射層をAl又はAl合金によって形成
すると、この書き込み可能な光情報記録媒体の材料コス
トが低下する。
【0019】
【実施例】図1はこの発明に係る書き込み可能な光情報
記録媒体の一例の一部切欠斜視図、図2は図1のA部拡
大図である。以下、これらの図を参照しながら、この書
き込み可能な光情報記録媒体の詳細について説明する。
【0020】まず、これらの図に示すように、書き込み
可能な光情報記録媒体10は、透光性基板12の一方の
面に、光吸収層14、エンハンス層16、光反射層18
及び保護層20がこの順に積層形成されたものから構成
されている。
【0021】ここで、透光性基板12を形成する材料と
しては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリオレフィン又はガラス等を挙げることが
できるが、これら以外の材料であっても、透光性が良好
で、再生用レーザ光に対する屈折率が1.4〜1.6
で、且つ耐衝撃性に優れたものであれば使用することが
できる。
【0022】透光性基板12は、例えば射出成形、圧縮
成形、トランスファ成形、ブロー成形等の成形方法によ
り成形させることができるが、これら以外の成形方法を
採用して成形してもよい。
【0023】透光性基板12の一方の面、すなわち、光
吸収層14を形成する側の面にはあらかじめプリグルー
ブをスパイラル状に形成しておいてもよい。プリグルー
ブは、通常考えられるものであればどのような条件のも
のでもよいが、深さが50〜250nmのものが好まし
い。プリグルーブは、透光性基板12を形成させる際
に、その一方の面にスタンパを押し当てて形成するのが
一般的であるが、必ずしもこの方法に限られるものでは
ない。
【0024】次に、光吸収層14に含有される有機色素
としては、所定の波長の記録用レーザ光によって熱分解
し、この熱分解の影響を受けた部分が、所定の波長の再
生用レーザ光の下で、背景との間で光学的な位相差を有
するピットとなるものであれば使用することができる。
【0025】このような有機色素としては、例えば、シ
アニン色素、トリアリールメタン色素、ピリリウム色
素、フェナンスレン色素、テトラデヒドロコリン色素、
トリアリールアミン色素、スクアリリウム色素、クロコ
ニックメチン色素、フタロシアニン色素、アズレニウム
系色素等を挙げることができるが、これら以外の有機色
素であっても上記のようなピットを形成させることがで
きるものであれば使用することができる。
【0026】有機色素がシアニン系色素の場合は、特
に、インドジカーボシアニン、ベンゾインドジカーボシ
アニン、フタロシアニンを単独もしくは任意の割合で混
合したものが好ましい。
【0027】有機色素にはその光安定性等を向上させる
ために、金属のジチオール錯体、アミニウム塩、イモニ
ウム塩、ニトロソ基を有するジフェニールアミン等を混
合もしくは化合させて使用してもよい。
【0028】光吸収層14は、他の有機色素、樹脂(例
えばニトロセルロース等の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラ
ストマー)、液ゴム等を含んでいてもよい。
【0029】光吸収層14は、有機色素及び任意の添加
剤を有機溶剤(例えばアルコール、アセチルアセトン、
メチルセロソルブ、トルエン等)に溶解させたものを透
光性基板12またはエンハンス層16の上に直接または
他の層を介して被覆させることにより形成することがで
きる。
【0030】この被覆方法としては、蒸着法、LB法、
スピンコート法等が挙げられるが、有機色素を溶解させ
た溶液の濃度、粘度、溶剤の乾燥速度を調節することに
より層厚を制御できる点で、スピンコート法が好まし
い。
【0031】次に、エンハンス層16は、まず再生用レ
ーザ光の波長に対して透明な材料により形成しなければ
ならない。再生用レーザ光の波長に対して透明であると
いうことは、その材料の複素屈折率の虚数部Kehs
≒0(0〜0.02)ということである。
【0032】そして、エンハンス層16の膜厚dehs
と光吸収層14の膜厚dabs は、光吸収層14の複
素屈折率の実数部nabs 、光吸収層14の膜厚d
abs、エンハンス層16の複素屈折率の実数部n
ehs 、エンハンス層16の膜厚dehs 及び再生用
レーザ光の波長λによって与えられる値ρ=(nabs
・dabs +nehs ・dehs )÷λが、0.0
5≦ρ≦1.6になるように設定する。また、光吸収層
14の複素屈折率の虚部kabs は0.3以下でなけ
ればならない。
【0033】更に、エンハンス層16の硬度は鉛筆硬度
B以上に硬くなければならない。
【0034】このようなエンハンス層16は、オルガノ
ポリシロキサンを主成分とするもの等により形成させる
ことができる。オルガノポリシロキサンを主成分とする
ものとしては、例えばシロキサンとシランカップリング
剤とを金属触媒下で反応させて架橋硬化させたものを使
用することができる。シランカップリング剤はシロキサ
ン100部に対して1部〜50部を反応させることが好
ましく、2部〜20部が更に望ましい。
【0035】エンハンス層16をオルガノポリシロキサ
ンを主成分とするもので形成させる場合、オルガノポリ
シロキサンが分子構造中にコロイダルシリカを有するよ
うにすると、エンハンス層16を硬くすることができ
る。
【0036】分子構造中にコロイダルシリカを含むオル
ガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンを主成
分とする液にコロイダルシリカを添加し、これらを加熱
して架橋させることにより得ることができる。
【0037】オルガノポリシロキサンを主成分とする液
は光吸収層14の上に直接または他の層を介してスピン
コ−トにより被覆させ、これを加熱硬化させてエンハン
ス層16とする。
【0038】オルガノポリシロキサンはスピンコート
後、加熱することにより、化1のように脱水縮合し、又
は化2のように脱アルコール縮合して架橋硬化し、ポリ
モノアルキルシロキサンとなる。従って、加熱架橋させ
るためにはオルガノポリシロキサンの分子の側鎖もしく
は分子末端がヒドロキシル基またはアルコキシル基で置
換されていることが必要となる。なお、化2中、ORは
アルコキシル基である。
【0039】
【化1】
【0040】
【化2】
【0041】エンハンス層16は、一般には重合してポ
リマーとなり得る有機化合物のモノマー及びオリゴマー
を塗布後、架橋反応させることによりこれを得ることが
できる。
【0042】架橋反応により有機ポリマーとしてこれを
得る場合には、作業性の面から分子中にひとつ以上の反
応性アクリロイル基(CH =CH−CO−O−)を
持つ有機化合物のモノマー及びオリゴマーの混合物に反
応開始剤、反応触媒を少量加え、液状のこれらの混合物
を塗布し、紫外線もしくは電子線を照射することにより
架橋させる方法が有利である。
【0043】しかしながら、架橋の方法はこれらに限ら
れるわけではなく、エポキシ樹脂やウレタン樹脂のよう
に、熱によって架橋が進むものであってもよいし、ジア
ルコキシシランカップリング剤のように空気中の水分で
重合反応が進むものであってもよい。
【0044】こうして得られた架橋物の主鎖及び側鎖
は、飽和もしくは不飽和系の直鎖炭化水素であってもよ
いし、メラミン、ビスフェノール系等の環状化合物を含
んでいてもよい。
【0045】また、この架橋物の主鎖または側鎖の途中
に一個以上のエーテル結合を含むポリエーテル、エステ
ル結合を含むポリエステル、ウレタン結合を含むポリウ
レタン、イオン結合を含むアイオノマー、アミド結合を
含むポリアミド、イミド結合を含むポリイミド、スルホ
ン結合を含むポリスルホン、スルファイド結合を含むポ
リスルフィド等に例示されるその他の結合を含んでいて
もかまわない。これらの結合を二つ以上含む共重合化合
物であってもよい。ブロックポリマーであってもかまわ
ない。
【0046】また、これらの架橋物の防湿性を向上させ
るために、側鎖にフルオロカーボン等を含んでいてもよ
いし、ハロゲン化水素による劣化を防止するためにエポ
キシ樹脂を含んでいてもよい。
【0047】また、光反射層18との結着性(接着性)
を向上させるために、側鎖にグリシドキシル基、メタク
リロイル基、アミノ基等を含んでいてもよいし、主鎖ま
たは側鎖に塩基、酸が含まれていてもよい。
【0048】エンハンス層16の形成の際には、塗布中
に樹脂とその反応剤、反応開始剤等のほかに、塗布性を
向上させるために、溶剤、希釈剤が含まれていてもよ
い。また、塗膜の安定化を図るために、レベリング剤
や、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤等が含まれていて
もよい。また、必要に応じて、顔料や染料により着色し
てあってもかまわない。
【0049】なお、樹脂の硬化は、架橋構造の架橋密度
ないし反応性アクリロイル濃度によりこれを変えること
ができ、主鎖となり得るオリゴマー自体の分子回転の自
由度によっても変わってくる。
【0050】光反射層18は、例えば、従来どおり金、
銀、銅またはそれらの合金をはじめ多くのものを用いる
ことができるが、コストや信頼性の点からアルミニウム
あるいはこれらを含む合金等の金属膜が好ましい。金属
膜は、蒸着法、スパッタリング等の手段により形成する
ことができる。なお、光反射層18の上にはその酸化を
防止するために耐酸化層を被覆させてもよい。
【0051】また、光反射層18を保護するために、光
反射層18の上に直接または他の層を介して保護層20
を形成するのが好ましい。保護層20は耐衝撃性の優れ
た合成樹脂によって形成されることが望ましい。例えば
紫外線硬化性樹脂をスピンコート法により塗布し、紫外
線を照射して硬化させることにより形成する。
【0052】なお、保護層20と透光性基板12とはそ
の円周部においてこれらを一体化させることにより光情
報記録媒体10全体の強度を向上させるとともに、内部
の光吸収層14、エンハンス層16及び光反射層18を
より確実に保護することができる。
【0053】実施例1 まず、スパイラル状のプリグルーブが形成された円板状
の透光性基板12を射出成形法により形成した。ここ
で、透光性基板12の材料としてはポリカーボネートを
使用した。透光性基板12のサイズは、厚さ1.2m
m、外径120mmφ、内径15mmφとした。プリグ
ルーブは、幅0.5μm、深さ230nm、ピッチ1.
6μmとし、透光性基板12の直径46〜117mmφ
の範囲に形成した。
【0054】次に、透光性基板12の上に1,1’ジブ
チル3,3,3’,3’テトラメチル4,5,4’5’
ジベンゾインドジカ−ボシアニンパ−クロレ−ト(株式
会社日本感光色素研究所製:NK3219)のジアセト
ンアルコ−ル溶液をスピンコ−ト法により塗布し、膜厚
abs =130nmの光吸収層14を形成した。
【0055】ここで、このジアセトンアルコール溶液
は、0.65gの1,1’ジブチル3,3,3’,3’
テトラメチル4,5,4’5’ジベンゾインドジカ−ボ
シアニンパ−クロレ−トを10ccのジアセトンアルコ
−ルに溶解させたものを使用した。また、この光吸収層
14の複素屈折率の実数部nabs は2.5であっ
た。
【0056】次に、オルガノポリシロキサンを主成分と
する液1.2gを100mlのシクロヘキサンに溶解し
たものを、光吸収層14の上にスピンコート法により塗
布した後、80℃で30分間キュアリングしてエンハン
ス層16を得た。
【0057】なお、ここで用いたオルガノポリシロキサ
ンを主成分とする液は、メチルシルセオキサン(MeS
iO1.5 )90モル%、コロイダルシリカ(SiO
)3モル%を含有するシロキサン100部、トルエ
ン100部、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン(信越化学工業株式会社製KBE−402)5
部、アセト酢酸エチルジ−n−ブトキシアルミニウム
0.00025部を25℃で12時間反応させた後、ト
ルエンを減圧蒸留して除去したものを使用した。
【0058】一方、上記操作と平行して、上述したエン
ハンス層16形成の条件と全く同じ条件でガラス板上に
エンハンス層16と同質の被覆層を形成し、この被覆層
をJIS K 5400に基づき、種々の硬度の鉛筆で
擦って傷が出来るか否かでエンハンス層16の硬度を推
定したところ、鉛筆硬度はHB〜Bであった。
【0059】次に、エンハンス層16の上にAlをスパ
ッタリング法により被覆し、膜厚100nmの光反射層
18を形成した。
【0060】次に、光反射層18の上に紫外線硬化性樹
脂(大日本インキ株式会社製SD−17)をスピンコー
ト法により塗布し、これに紫外線を照射して硬化させ、
膜厚10μmの保護層20を形成した。
【0061】次に、このようにして得られた光情報記録
媒体10に、波長780nmのレーザ光を線速1.2m
/sec、記録パワー6.0mWで照射し、EFM信号
を記録した。そして、この光情報記録媒体10を市販の
CDプレーヤー(AurexXR−V73、再生光の波
長λ=780nm)で再生したところ、次の通りとなっ
た。
【0062】 反射率:74% ジッタ 3T:34.5ns、11T:34.8ns
(規格:<35ns) ビットの分布は、ほゞ正規分布となっており、CD規格
を満足していた。
【0063】実施例2 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を10モル%とした他は、実施例1と全く
同様の条件で光情報記録媒体を作成し、鉛筆硬度、反射
率、ジッタ及びビットの分布を調べたところ、次の通り
となった。
【0064】 エンハンス層の鉛筆硬度:HB 反射率:74% ジッタ 3T:27.0ns、11T:24.0ns
(規格:<35ns) ビットの分布は、ほゞ正規分布となっており、CD規格
を満足していた。
【0065】実施例3 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を20モル%とした他は、実施例1と全く
同様の条件で光情報記録媒体を作成し、鉛筆硬度、反射
率、ジッタ及びビットの分布を調べたところ、次の通り
となった。
【0066】 エンハンス層の鉛筆硬度:H 反射率:74% ジッタ 3T:26.0ns、11T:23.0ns
(規格:<35ns) ビットの分布は、ほゞ正規分布となっており、CD規格
を満足していた。
【0067】実施例4 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を50モル%とした他は、実施例1と全く
同様の条件で光情報記録媒体を作成し、鉛筆硬度、反射
率、ジッタ及びビットの分布を調べたところ、次の通り
となった。
【0068】 エンハンス層の鉛筆硬度:2H 反射率:73.2% ジッタ 3T:33.8ns、11T:20.2ns
(規格:<35ns) ビットの分布は、ほゞ正規分布となっており、CD規格
を満足していた。
【0069】比較例1 エンハンス層の材料にコロイダルシリカ(SiO
を使用しなかった他は、実施例1と全く同様の条件で光
情報記録媒体を作成し、鉛筆硬度、反射率、ジッタ及び
ビットの分布を調べたところ、次の通りとなった。
【0070】 エンハンス層の鉛筆硬度:3B 反射率:73.1% ジッタ 3T:38.3ns、11T:45.2ns
(規格:<35ns) ビットの分布は正規分布から逸脱しており、CD規格を
満足できなかった。
【0071】比較例2 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を2モル%とした他は、実施例1と全く同
様の条件で光情報記録媒体を作成し、鉛筆硬度、反射
率、ジッタ及びビットの分布を調べたところ、次の通り
となった。
【0072】 エンハンス層の鉛筆硬度:2B 反射率:72.0% ジッタ 3T:32.2ns、11T:37.2ns
(規格:<35ns) ビットの分布は正規分布から逸脱しており、CD規格を
満足できなかった。
【0073】比較例3 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を55モル%とした他は、実施例1と全く
同様の条件で光情報記録媒体を作成し、鉛筆硬度、反射
率、ジッタ及びビットの分布を調べたところ、次の通り
となった。
【0074】 エンハンス層の鉛筆硬度:2H 反射率:72.0% ジッタ 3T:39.2ns、11T:47.2ns
(規格:<35ns) ビットの分布は正規分布から逸脱しており、CD規格を
満足できなかった。
【0075】比較例4 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を60モル%とした他は、実施例1と全く
同様の条件で光情報記録媒体の作成を試みたところ、エ
ンハンス層を形成する溶液の硬化時に膜の一部にクラッ
クを生じてしまい、光情報記録媒体を作成することがで
きなかった。
【0076】比較例5 エンハンス層の材料に使用するコロイダルシリカ(Si
)の量を80モル%とした他は、実施例1と全く
同様の条件で光情報記録媒体の作成を試みたが、エンハ
ンス層を形成するための溶液の塗装安定性が悪く、ゲル
化が進んでしまい、スピンコートすることができなかっ
た。
【0077】以上説明した実施例1〜4及び比較例1〜
5の結果をまとめると、表1に示すようになる。
【0078】
【表1】
【0079】実施例1〜4及び比較例1〜5の結果か
ら、コロイダルシリカの量が、2モル%以下になるとエ
ンハンス層16の硬化が不十分になり、ピットの分布が
正規分布から逸脱し、50モル%を超えると添加しただ
けでゲル化が進み、製法上の制約が生じるし、エンハン
ス層16の硬度が高くなり過ぎて、硬化時に膜にクラッ
クを生じることがわかる。
【0080】実施例5 エンハンス層16形成の原料としてモノエチルシロキサ
ンを使用し、コロイダルシリカの量を10モル%とした
他は、実施例1と全く同様の条件で光情報記録媒体を作
成し、鉛筆硬度、反射率、ジッタ及びビットの分布を調
べたところ、次の通りとなった。
【0081】 エンハンス層の鉛筆硬度:HB 反射率:74.0% ジッタ 3T:26.0ns、11T:23.0ns
(規格:<35ns) ビットの分布はほゞ正規となっており、CD規格を満足
していた。
【0082】実施例6 エンハンス層16形成の原料としてモノフェニルシロキ
サンを使用し、コロイダルシリカの量を10モル%とし
た他は、実施例1と全く同様の条件で光情報記録媒体を
作成し、鉛筆硬度、反射率、ジッタ及びビットの分布を
調べたところ、次の通りとなった。
【0083】 エンハンス層の鉛筆硬度:HB 反射率:74.0% ジッタ 3T:26.0ns、11T:23.0ns
(規格:<35ns) ビットの分布はほゞ正規となっており、CD規格を満足
していた。
【0084】実施例5,6の結果から明らかなように、
エンハンス層16の材料としてモノメチルシロキサン以
外のシロキサンを使用してもモノメチルシロキサンの場
合と同様の結果が得られることがわかる。
【0085】
【発明の効果】本願の請求項1〜6記載の書き込み可能
な光情報記録媒体によれば、記録時に光吸収層及び/又
はエンハンス層の変形が抑制され、均一な形状のピット
が所望の場所に形成されるので、ジッタが小さくなり、
再生安定性が向上し、更には、高速記録が可能になると
いう効果がある。
【0086】また、本願の請求項1〜6記載の書き込み
可能な光情報記録媒体によれば、エンハンス層がオルガ
ノポリシロキサンを主成分とする物質からなり、該オル
ガノポリシロキサンの分子構造中にコロイダルシリカが
含まれているので、エンハンス層を硬くすることができ
るという効果がある。
【0087】また、本願の請求項1〜6記載の書き込み
可能な光情報記録媒体によれば、オルガノポリシロキサ
ンの分子構造中に前記コロイダルシリカが3〜50モル
%の割合で含まれているので、鉛筆硬度B以上の硬さの
エンハンス層を容易に得ることができるという効果があ
る。
【0088】また、本願の請求項2又は5に記載の書き
込み可能な光情報記録媒体によれば、オルガノポリシロ
キサンがその分子構造中にグリシドキシル基、メタクリ
ロイル基又はアミノ基を有しているので、エンハンス層
と光反射層との結着性が良好になるという効果がある。
【0089】また、本願の請求項3又は6に記載の書き
込み可能な光情報記録媒体によれば、光反射層がAl又
はAl合金からなるので、材料コストが低下するという
効果がある。
【0090】更に、本願の請求項4〜6のいずれかに記
載の書き込み可能な光情報記録媒体の製造方法によれ
ば、上述した書き込み可能な光情報記録媒体を容易に製
造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は書き込み可能な光情報記録媒体の斜視図
である。
【図2】図2は図1のA部拡大図である。
【符号の説明】
10 光情報記録媒体 12 透光性基板 14 光吸収層 16 エンハンス層 18 光反射層 20 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 恵美子 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−26937(JP,A) 特開 平6−282870(JP,A) 特開 平6−282873(JP,A) 特開 平3−223188(JP,A) 特開 平4−111241(JP,A) 特開 平6−290488(JP,A) 特開 平7−201072(JP,A) 特開 昭60−135465(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機色素を含有する光吸収層の一方の面
    側に透光性基板を有し、該光吸収層の他方の面側に光反
    射層を有し、該光吸収層と該光反射層との間に再生用レ
    ーザ光の波長に対して透明なエンハンス層を有し、該エ
    ンハンス層がオルガノポリシロキサンを主成分とする物
    質で形成され、該オルガノポリシロキサンの分子構造中
    コロイダルシリカが3〜50モル%の割合で含まれ、
    該エンハンス層の硬度が鉛筆硬度でB〜2Hの範囲にあ
    ることを特徴とする書き込み可能な光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記オルガノポリシロキサンがグリシド
    キシル基、メタクリロイル基又はアミノ基を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の書き込み可能な光情
    報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記光反射層がAl又はAl合金からな
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の書き込み可
    能な光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 有機色素を含有する溶液を透光性基板の
    一方の面に塗布して光吸収層を形成させる工程と、オル
    ガノポリシロキサンを主成分とし、3〜50モル%のコ
    ロイダルシリカを含有する液を該光吸収層の上に被覆
    し、架橋硬化させて鉛筆硬度B〜2Hのエンハンス層を
    形成させる工程と、金属膜からなる光反射層を該エンハ
    ンス層の上に形成させる工程とを備えていることを特徴
    とする書き込み可能な光情報記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記オルガノポリシロキサンを主成分と
    する液がグリシドキシル基、メタクリロイル基又はアミ
    ノ基を有するシラン化合物を含有していることを特徴と
    する請求項4に記載の書き込み可能な光情報記録媒体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光反射層がAl又はAl合金からな
    ることを特徴とする請求項4又は5に記載の書き込み可
    能な光情報記録媒体の製造方法。
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