JP2528283B2 - 超薄膜積層構造を有する光受容部材 - Google Patents
超薄膜積層構造を有する光受容部材Info
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- G03G5/082—Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、電子写真用感光体等に適用される電磁波エ
ネルギーに感受性のある光受容部材、殊に電荷担体の走
行性及び感度が改善された光受容部材に関する。
ネルギーに感受性のある光受容部材、殊に電荷担体の走
行性及び感度が改善された光受容部材に関する。
従来、電子写真用感光体等に適用される電磁波エネル
ギー(以降、広義としての「光」を使用する)に感受性
のある光受容部材の光受容層を構成する感光層の構成材
料としては、光感度領域の整合性が他の材料と比較して
優れており、又、光生成電荷担体(以下「光キャリア」
と記す)の輸送特性が良好で、加えてビッカース硬度が
高く、公害の問題が実用的にはない等の点から、例えば
特開昭54-86341号公報、特開昭56-83746号公報等に記載
されている様な、シリコン原子(Si)を母体とする非晶
質材料、所謂アモルフアスシリコン(以後「a-Si」と略
称する)、殊に、水素原子や、弗素原子等のハロゲン原
子(X)等の補償剤で補償されたアモルファスシリコン
(以後「a-Si(H,X)」と略記する)が注目されてい
る。
ギー(以降、広義としての「光」を使用する)に感受性
のある光受容部材の光受容層を構成する感光層の構成材
料としては、光感度領域の整合性が他の材料と比較して
優れており、又、光生成電荷担体(以下「光キャリア」
と記す)の輸送特性が良好で、加えてビッカース硬度が
高く、公害の問題が実用的にはない等の点から、例えば
特開昭54-86341号公報、特開昭56-83746号公報等に記載
されている様な、シリコン原子(Si)を母体とする非晶
質材料、所謂アモルフアスシリコン(以後「a-Si」と略
称する)、殊に、水素原子や、弗素原子等のハロゲン原
子(X)等の補償剤で補償されたアモルファスシリコン
(以後「a-Si(H,X)」と略記する)が注目されてい
る。
そして、電子写真の帯電特性を向上せしめたり、また
耐湿性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境
特性および耐久性等を向上せしめたりするために、高抵
抗で使用される光を透過する非晶質材料で構成された高
抵抗層を感光層の下部層あるいは表面層として用いるこ
とによって、所望の性能を確保している。この高抵抗層
を構成する材料としては、酸素原子(O)、炭素原子
(C)、及び窒素原子(N)の中から選ばれる少なくと
も一種を比較的高濃度に有するa-Si(H,X)〔以後、「a
-Si(O,C,N)(H,X)」と表記する。〕を使用すること
が提案されている。
耐湿性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境
特性および耐久性等を向上せしめたりするために、高抵
抗で使用される光を透過する非晶質材料で構成された高
抵抗層を感光層の下部層あるいは表面層として用いるこ
とによって、所望の性能を確保している。この高抵抗層
を構成する材料としては、酸素原子(O)、炭素原子
(C)、及び窒素原子(N)の中から選ばれる少なくと
も一種を比較的高濃度に有するa-Si(H,X)〔以後、「a
-Si(O,C,N)(H,X)」と表記する。〕を使用すること
が提案されている。
ところがa-Si(O,C,N)(H,X)で構成される表面層
は、高抵抗であるため、繰り返しの帯電及び画像露光に
より、表面層の表面に残留電位を生ずる場合があり、該
残留電位が画像欠陥をひきおこしてしまうという問題が
ある。また、a-Si(O,C,N)(H,X)で構成される下部層
又は/及び表面層を設けても、長時間の耐久により該層
の有する画像欠陥防止層としての機能が低下し、画像欠
陥を生ずるという問題もある。
は、高抵抗であるため、繰り返しの帯電及び画像露光に
より、表面層の表面に残留電位を生ずる場合があり、該
残留電位が画像欠陥をひきおこしてしまうという問題が
ある。また、a-Si(O,C,N)(H,X)で構成される下部層
又は/及び表面層を設けても、長時間の耐久により該層
の有する画像欠陥防止層としての機能が低下し、画像欠
陥を生ずるという問題もある。
更に、上記高抵抗層と、静電替像を形成するにあたっ
て重要な役割を担う光キャリアの発生や輸送に関与する
層(電荷発生層及び電荷輸送層)との界面は、電気的、
機械的な整合性が要求され、該要求が満たされない場合
には、電荷担体の蓄積によるゴーストや帯電レベルの変
動に伴う像カブリ、又、表面層又は/及び下部層の剥離
等が引き起され、その影響は少なくない。
て重要な役割を担う光キャリアの発生や輸送に関与する
層(電荷発生層及び電荷輸送層)との界面は、電気的、
機械的な整合性が要求され、該要求が満たされない場合
には、電荷担体の蓄積によるゴーストや帯電レベルの変
動に伴う像カブリ、又、表面層又は/及び下部層の剥離
等が引き起され、その影響は少なくない。
これ等の問題を解決するために、a-Si(O,C,N)(H,
X)で構成される層(以後、「層(O,C,N)」と略記す
る)が、該層(O,C,N)中に於ける、酸素原子、炭素原
子及び窒素原子の中より選択されて含有される原子(以
後「原子(O,C,N)」と略記する)の層厚方向に於ける
濃度の分布が除々に減って(増して)いる様に原子(O,
C,N)が層(O,C,N)中に含有される構成とされる提案が
なされている。このことによって、前記の問題は充分に
解決されるが、一方で、層(O,C,N)の層厚が多少とは
いえ、広がることになり、光吸収特性の低下、光キャリ
アの走行性の低下等が起り、電子写真用感光体をはじめ
とする光受容部材としての重要な役割を果せなくなって
仕舞う場合がある。
X)で構成される層(以後、「層(O,C,N)」と略記す
る)が、該層(O,C,N)中に於ける、酸素原子、炭素原
子及び窒素原子の中より選択されて含有される原子(以
後「原子(O,C,N)」と略記する)の層厚方向に於ける
濃度の分布が除々に減って(増して)いる様に原子(O,
C,N)が層(O,C,N)中に含有される構成とされる提案が
なされている。このことによって、前記の問題は充分に
解決されるが、一方で、層(O,C,N)の層厚が多少とは
いえ、広がることになり、光吸収特性の低下、光キャリ
アの走行性の低下等が起り、電子写真用感光体をはじめ
とする光受容部材としての重要な役割を果せなくなって
仕舞う場合がある。
本発明は、上述の点に鑑み成されたものであり、従来
の前記問題を解決して所望機能を奏するものにした、電
子写真用感光体等に用いられる光受容部材を提供するこ
とを主たる目的とするものである。
の前記問題を解決して所望機能を奏するものにした、電
子写真用感光体等に用いられる光受容部材を提供するこ
とを主たる目的とするものである。
本発明の別の目的は、長時間の耐久性を有し、光応答
性の改善された光受容部材を提供することにある。
性の改善された光受容部材を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、残留電位の問題が殆んどな
く、画像欠陥の問題がなくして、改善された電気的耐圧
性を有する電子写真用光受容部材を提供することにあ
る。
く、画像欠陥の問題がなくして、改善された電気的耐圧
性を有する電子写真用光受容部材を提供することにあ
る。
本発明者らは、従来の電荷発生層及び電荷輸送層で構
成される感光層を少なくとも有する電子写真用感光体等
に用いられる光受容部材について、前述の諸問題を克服
して上述の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、支
持体と、電磁波エネルギーを受容して電荷担体を発生す
る機能を有し、構成原子の比が異なる少なくとも二種類
の超薄膜を複数回交互に積層させて成る電荷発生層と、
該電荷発生層に於いて発生された電荷担体を輸送する機
能を有し、シリコン原子と、酸素原子、炭素原子及び窒
素原子の中より選択される少なくとも一種とを含む非単
結晶材料で構成され且つ前記選択された原子の濃度の分
布が層厚方向に於いて変化している電荷輸送層と、を具
備する事を特徴とする超薄膜積層構造を有する光受容部
材(但し、前記構成原子の比とは、各構成原子の量を、
夫々X1、X2、………X ………とすると、番目の構成
原子の比はX /ΣX と表わされ、X が零の場合も
含まれるものとする)とすることにより、光応答特性が
良く(即ち、光感度スペクトルが広く、光キャリアの輸
送特性に優れた)、しかも長時間の耐久によっても画像
欠陥や残留電位の発生がない光受容部材が得られるとい
う知見を得た。
成される感光層を少なくとも有する電子写真用感光体等
に用いられる光受容部材について、前述の諸問題を克服
して上述の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、支
持体と、電磁波エネルギーを受容して電荷担体を発生す
る機能を有し、構成原子の比が異なる少なくとも二種類
の超薄膜を複数回交互に積層させて成る電荷発生層と、
該電荷発生層に於いて発生された電荷担体を輸送する機
能を有し、シリコン原子と、酸素原子、炭素原子及び窒
素原子の中より選択される少なくとも一種とを含む非単
結晶材料で構成され且つ前記選択された原子の濃度の分
布が層厚方向に於いて変化している電荷輸送層と、を具
備する事を特徴とする超薄膜積層構造を有する光受容部
材(但し、前記構成原子の比とは、各構成原子の量を、
夫々X1、X2、………X ………とすると、番目の構成
原子の比はX /ΣX と表わされ、X が零の場合も
含まれるものとする)とすることにより、光応答特性が
良く(即ち、光感度スペクトルが広く、光キャリアの輸
送特性に優れた)、しかも長時間の耐久によっても画像
欠陥や残留電位の発生がない光受容部材が得られるとい
う知見を得た。
本発明は該知見に基づいて完成されたものであり、本
発明により提供される光受容部材は、支持体と、電磁波
エネルギーを受容して電荷担体を発生する機能を有し、
構成原子としてシリコン原子、ゲルマニウム原子あるい
は炭素原子を含む非晶質材料あるいはポリクリスタルシ
リコンで構成された層厚30Å〜50Åの少なくとも二種類
の超薄膜を複数回交互に積層させて成る電荷発生層と、
シリコン原子を母体とする非晶質材料のアモルファスシ
リコン層と、前記電荷発生層において発生された電荷担
体を輸送する機能を有し、前記アモルファスシリコン層
に接し該層を挟持する位置に設けられた、シリコン原子
と、酸素原子、炭素原子及び窒素原子の中より選択され
る少なくとも一種とを含む非晶質材料で構成された第1
及び第2の電荷輸送層を有し、前記第1及び第2の電荷
輸送層は前記アモルファスシリコン層から離れるにつれ
て前記選択された原子の濃度の分布が層厚方向において
多くされていることを特徴とする超薄膜積層構造を有す
る光受容部材、である。
発明により提供される光受容部材は、支持体と、電磁波
エネルギーを受容して電荷担体を発生する機能を有し、
構成原子としてシリコン原子、ゲルマニウム原子あるい
は炭素原子を含む非晶質材料あるいはポリクリスタルシ
リコンで構成された層厚30Å〜50Åの少なくとも二種類
の超薄膜を複数回交互に積層させて成る電荷発生層と、
シリコン原子を母体とする非晶質材料のアモルファスシ
リコン層と、前記電荷発生層において発生された電荷担
体を輸送する機能を有し、前記アモルファスシリコン層
に接し該層を挟持する位置に設けられた、シリコン原子
と、酸素原子、炭素原子及び窒素原子の中より選択され
る少なくとも一種とを含む非晶質材料で構成された第1
及び第2の電荷輸送層を有し、前記第1及び第2の電荷
輸送層は前記アモルファスシリコン層から離れるにつれ
て前記選択された原子の濃度の分布が層厚方向において
多くされていることを特徴とする超薄膜積層構造を有す
る光受容部材、である。
上述の様に、本発明の光受容部材に於いては、電荷輸
送層(以後「CTL」と略記する)が、酸素原子、炭素原
子及び窒素原子の中より選択される少なくとも一種の原
子(O,C,N)を含有し、且つ層厚方向に於いて、その濃
度の分布が変化している様にし、加えて、電荷発生層
(以後「CGL」と略記する)を、構成原子の比が異なる
少なくとも二種類の超薄膜を複数回交互に積層させて構
成するので、CTLとCGLとの間に明瞭な界面が形成される
ことがなく、それにより、輸送されるべき光キャリアが
界面で再結合したり、トラップしたりして内部電解を形
成して帯電特性が変動したり、ゴーストを生じせしめた
りする不都合を回避することが出来るのと同時に、光キ
ャリアの生成と走行特性の改善を一段と計ることが出来
る。
送層(以後「CTL」と略記する)が、酸素原子、炭素原
子及び窒素原子の中より選択される少なくとも一種の原
子(O,C,N)を含有し、且つ層厚方向に於いて、その濃
度の分布が変化している様にし、加えて、電荷発生層
(以後「CGL」と略記する)を、構成原子の比が異なる
少なくとも二種類の超薄膜を複数回交互に積層させて構
成するので、CTLとCGLとの間に明瞭な界面が形成される
ことがなく、それにより、輸送されるべき光キャリアが
界面で再結合したり、トラップしたりして内部電解を形
成して帯電特性が変動したり、ゴーストを生じせしめた
りする不都合を回避することが出来るのと同時に、光キ
ャリアの生成と走行特性の改善を一段と計ることが出来
る。
以下、図面を用いてより具体的に本発明を詳述する。
尚、以下に光受容部材について図示する例は電子写真用
のものではあるが、撮像管ターゲット、長尺ものライン
センサ、フォトダイオード、更には光キャリアを利用す
る半導体装置全般例えば太陽電池なども含むに適用
できるものであり、本発明は図示の例に限定されないの
は勿論である。
尚、以下に光受容部材について図示する例は電子写真用
のものではあるが、撮像管ターゲット、長尺ものライン
センサ、フォトダイオード、更には光キャリアを利用す
る半導体装置全般例えば太陽電池なども含むに適用
できるものであり、本発明は図示の例に限定されないの
は勿論である。
第1図は、光受容部材を作製する為のRF放電またはマ
イクロ波放電を用いた堆積膜形成装置の一例を模式的に
説明する為の模式的説明図である。
イクロ波放電を用いた堆積膜形成装置の一例を模式的に
説明する為の模式的説明図である。
第1図に示される堆積膜形成装置は、高真空にし得る
堆積室100、パワー導入用の電極を兼ねた周囲壁102、上
壁103、底壁104、碍子105、加熱用ヒーター107、ガス導
入管108、ガス放出孔109、バルブ110、排気管111、排気
バルブ112電圧印加手段113、内圧モニター114、ガス供
給系200、ガスボンベ201〜205、バルブ211〜215、マス
フローコントローラー221〜225、流入バルブ231〜235、
流出バルブ241〜245、圧力調整器251〜255そして、前記
マスフローコントローラー221〜225、流出バルブ241〜2
45および排気バルブ112を制御するためのマイクロコン
ピューター(不図示)から構成され、反応容器100内に
円筒状基体106が設置される。
堆積室100、パワー導入用の電極を兼ねた周囲壁102、上
壁103、底壁104、碍子105、加熱用ヒーター107、ガス導
入管108、ガス放出孔109、バルブ110、排気管111、排気
バルブ112電圧印加手段113、内圧モニター114、ガス供
給系200、ガスボンベ201〜205、バルブ211〜215、マス
フローコントローラー221〜225、流入バルブ231〜235、
流出バルブ241〜245、圧力調整器251〜255そして、前記
マスフローコントローラー221〜225、流出バルブ241〜2
45および排気バルブ112を制御するためのマイクロコン
ピューター(不図示)から構成され、反応容器100内に
円筒状基体106が設置される。
該装置を用いて従来の光受容部材を形成するのは公知
であるが、例えば本発明の超薄膜積層構造は前記装置で
以下の様にして形成された。超薄膜形成用の第1の原料
ガスをガスボンベ201に入れ、第2の原料ガスをガスボ
ンベ202に入れ、第1の原料ガス及び第2の原料ガス希
釈用のガスをボンベ203に入れた。
であるが、例えば本発明の超薄膜積層構造は前記装置で
以下の様にして形成された。超薄膜形成用の第1の原料
ガスをガスボンベ201に入れ、第2の原料ガスをガスボ
ンベ202に入れ、第1の原料ガス及び第2の原料ガス希
釈用のガスをボンベ203に入れた。
まず、超薄膜積層構造形成前に堆積室100内を十分に
排気して、マスフローコントローラー221、222、223及
び流出バルブ241、242、243をマイクロコンピューター
により、第4図に示すように各原料ガスを制御し、堆積
室100に導入した。第4図の流量の変化領域は、流出バ
ルブ241、242の開口度をマイクロコンピュータにより制
御して行った。そして各原料ガスの導入と同時に、RF電
源またはマイクロ波電源である電圧印加手段113より所
定の電力を電極を兼ねた周囲壁102へ導入した。前記超
薄膜積層構造の全体の層厚は、第4図に示す流量の変化
様式で所定の時間保つことで制御した。
排気して、マスフローコントローラー221、222、223及
び流出バルブ241、242、243をマイクロコンピューター
により、第4図に示すように各原料ガスを制御し、堆積
室100に導入した。第4図の流量の変化領域は、流出バ
ルブ241、242の開口度をマイクロコンピュータにより制
御して行った。そして各原料ガスの導入と同時に、RF電
源またはマイクロ波電源である電圧印加手段113より所
定の電力を電極を兼ねた周囲壁102へ導入した。前記超
薄膜積層構造の全体の層厚は、第4図に示す流量の変化
様式で所定の時間保つことで制御した。
第1図に示す装置を用いて作製される電子写真感光体
の層構成の従来の例の一つを第2図(A)に示す。第2
図(A)に示される光受容部材は基体261上に密着性を
上げるために酸素原子を積極的に増大せしめて堆積した
a-SiO(H,X)の下部層262、光キャリヤを生成しかつ該
キャリヤを輸送せしめる層としてのa-Si(H,X)層263、
表面を保護し帯電特性を良くするために炭素原子を積極
的に増大せしめて堆積したa-SiC(H,X)の上部層264と
から成っている光受容層を有している。それぞれの層は
必要ガスを定流量となるようにマスフローコントローラ
ーを制御して堆積する。この例の問題点は前述したよう
に、光入射側の上部層264とa-Si(H,X)層263との界面
で光キャリヤがトラップされゴーストの原因になったり
帯電特性に変動をきたすことがあることであり、また下
部層262とa-Si(H,X)層263との界面にキャリヤがたま
って次に走行してくるキャリヤの走行を悪化させること
もあることである。
の層構成の従来の例の一つを第2図(A)に示す。第2
図(A)に示される光受容部材は基体261上に密着性を
上げるために酸素原子を積極的に増大せしめて堆積した
a-SiO(H,X)の下部層262、光キャリヤを生成しかつ該
キャリヤを輸送せしめる層としてのa-Si(H,X)層263、
表面を保護し帯電特性を良くするために炭素原子を積極
的に増大せしめて堆積したa-SiC(H,X)の上部層264と
から成っている光受容層を有している。それぞれの層は
必要ガスを定流量となるようにマスフローコントローラ
ーを制御して堆積する。この例の問題点は前述したよう
に、光入射側の上部層264とa-Si(H,X)層263との界面
で光キャリヤがトラップされゴーストの原因になったり
帯電特性に変動をきたすことがあることであり、また下
部層262とa-Si(H,X)層263との界面にキャリヤがたま
って次に走行してくるキャリヤの走行を悪化させること
もあることである。
このキャリアのトラップを防ぐために界面を形成せず
に又は明瞭に形成することなくa-Si(O,C,N)(H,X)で
構成される層の原子(O,C,N)の濃度の分布が層厚方向
に於いて変化している様に第2図(B)に示すごとく形
成されることもある(層間界面を示す点線は界面が明白
でないことを示す)。基体271上に酸素原子が上部に向
って次第に減少していく分布を有する下部層272、a-Si
(H,X)層273、上部に向って炭素原子の含有量が増大し
ていく分布を有する上部a-SiC(H,X)層274から成る。
図中破線は例えば二次イオン質量分析などで製膜のバッ
ク・グランドと充分に区別されうる量として検出して決
められるa-Si(O,C,N)(H,X)領域を表わしている。と
ころが、a-Si(O,C,N)(H,X)領域に於ける酸素原子ま
たは/および炭素原子または/および窒素原子の含有量
は光キャリアの輸送という観点から適度に押えられるべ
きである一方、同時に帯電能保持、密着性の確保のため
には全量(層全体に含有される量)として必要量は満さ
ねばならないから、例えば本例の如き傾斜分布で構成す
ると、光受容層の層厚は変らないとすると、上部層274
の層厚の占める割合は増し、逆に光キャリアを生成し輸
送する役割のa-Si(H,X)層は実質的に薄くなってしま
う。その為光キャリアの生成量が特に長波長側で低下し
てしまい、結果として長波長光側での光感度の低下をも
たらし、特に半導体レーザーを用いたレーザープリンタ
では致命的な欠陥となる。勿論この問題は、成膜時間を
延長してa-Si(H,X)層273を厚く堆積してやれば(光受
容層の層厚を厚くする)解決されるが、実際の生産にお
いては、特に他の光受容部材の膜形成時間に比して決し
て速いとはいえないa-Si(H,X)の堆積膜形成速度の現
状では、成膜時間の延長は好ましいことではない。また
a-Si(H,X)層の厚膜化は当然成膜中の微少な条件変動
によるピンホール発生や、厚膜時の応力歪による剥離等
の問題を起こす。
に又は明瞭に形成することなくa-Si(O,C,N)(H,X)で
構成される層の原子(O,C,N)の濃度の分布が層厚方向
に於いて変化している様に第2図(B)に示すごとく形
成されることもある(層間界面を示す点線は界面が明白
でないことを示す)。基体271上に酸素原子が上部に向
って次第に減少していく分布を有する下部層272、a-Si
(H,X)層273、上部に向って炭素原子の含有量が増大し
ていく分布を有する上部a-SiC(H,X)層274から成る。
図中破線は例えば二次イオン質量分析などで製膜のバッ
ク・グランドと充分に区別されうる量として検出して決
められるa-Si(O,C,N)(H,X)領域を表わしている。と
ころが、a-Si(O,C,N)(H,X)領域に於ける酸素原子ま
たは/および炭素原子または/および窒素原子の含有量
は光キャリアの輸送という観点から適度に押えられるべ
きである一方、同時に帯電能保持、密着性の確保のため
には全量(層全体に含有される量)として必要量は満さ
ねばならないから、例えば本例の如き傾斜分布で構成す
ると、光受容層の層厚は変らないとすると、上部層274
の層厚の占める割合は増し、逆に光キャリアを生成し輸
送する役割のa-Si(H,X)層は実質的に薄くなってしま
う。その為光キャリアの生成量が特に長波長側で低下し
てしまい、結果として長波長光側での光感度の低下をも
たらし、特に半導体レーザーを用いたレーザープリンタ
では致命的な欠陥となる。勿論この問題は、成膜時間を
延長してa-Si(H,X)層273を厚く堆積してやれば(光受
容層の層厚を厚くする)解決されるが、実際の生産にお
いては、特に他の光受容部材の膜形成時間に比して決し
て速いとはいえないa-Si(H,X)の堆積膜形成速度の現
状では、成膜時間の延長は好ましいことではない。また
a-Si(H,X)層の厚膜化は当然成膜中の微少な条件変動
によるピンホール発生や、厚膜時の応力歪による剥離等
の問題を起こす。
他方、光キャリアの輸送を低下することなく長波長光
感度を上げるためにバンドギャップの異なる材料を超薄
膜として交互に積層して感光層を構成する技術が知られ
ており、例えば特開昭60-140354号公報に開示されてい
る。本発明者等による実験によれば該公報に開示される
技術のみでは、電子写真用感光体等の光受容部材として
不充分なことが分った。即ち、前記公報に従って光受容
部材を作製したところ、確かに長波長側に光感度がの
び、長波長光によって生成された光キャリアの走行性も
改善されているが、繰り返しの安定性、つまり残留電位
に伴う電位変動とゴースト、ならびに温度に対する不安
定性が指摘された。
感度を上げるためにバンドギャップの異なる材料を超薄
膜として交互に積層して感光層を構成する技術が知られ
ており、例えば特開昭60-140354号公報に開示されてい
る。本発明者等による実験によれば該公報に開示される
技術のみでは、電子写真用感光体等の光受容部材として
不充分なことが分った。即ち、前記公報に従って光受容
部材を作製したところ、確かに長波長側に光感度がの
び、長波長光によって生成された光キャリアの走行性も
改善されているが、繰り返しの安定性、つまり残留電位
に伴う電位変動とゴースト、ならびに温度に対する不安
定性が指摘された。
この原因は、本発明者等の知見によれば、熱生成キャ
リアや他から注入されたキャリアのたまりやすいシリコ
ン/ゲルマニウム積層膜は、画像露光以前に余剰キャリ
アをスイープアウトする為に充分な電界を印加せねばな
らないが、前記公報に開示された光受容部材の層構成
は、それに対応できるようにはなっていないし、また公
報の説明中で示唆もされていない。しかしこのことは、
実際の電子写真装置に於て繰り返し画像を形成するに際
して、短時間にキャリアのスイープアウトを行って感光
体を初期化するのは不可欠のことである。
リアや他から注入されたキャリアのたまりやすいシリコ
ン/ゲルマニウム積層膜は、画像露光以前に余剰キャリ
アをスイープアウトする為に充分な電界を印加せねばな
らないが、前記公報に開示された光受容部材の層構成
は、それに対応できるようにはなっていないし、また公
報の説明中で示唆もされていない。しかしこのことは、
実際の電子写真装置に於て繰り返し画像を形成するに際
して、短時間にキャリアのスイープアウトを行って感光
体を初期化するのは不可欠のことである。
本発明者等の更に進めた実験によると、第2図(B)
の如き、a-Si(O,C,N)(H,X)層中に含有される原子
(O,C,N)が層厚方向に分布をもって含有されるように
構成しておき、熱生成キャリアの数または/および種類
の異なる材料を少なくとも二種以上それぞれ超薄膜とし
て交替して複数回積層した光受容層に有効な電界を印加
すべく配した光受容部材が、その長波長の光を含む光の
応答特性と更にはその繰り返し安定性に優れていること
がわかった。第2図(A)で示される構成の光受容部材
に超薄膜構造の光受容層を設けると、残留電位が増え、
ゴーストも生じやすかった。おそらくこの理由は、超薄
膜光受容層からキャリアスイープアウト過程におけるキ
ャリアの移動量が多く、通常第2図(A)の形で光受容
部材として用いる場合よりも、a-Si(H,X)層とa-Si
(O,C,N)(H,X)との界面の影響をうけ易いためだと考
えられる。
の如き、a-Si(O,C,N)(H,X)層中に含有される原子
(O,C,N)が層厚方向に分布をもって含有されるように
構成しておき、熱生成キャリアの数または/および種類
の異なる材料を少なくとも二種以上それぞれ超薄膜とし
て交替して複数回積層した光受容層に有効な電界を印加
すべく配した光受容部材が、その長波長の光を含む光の
応答特性と更にはその繰り返し安定性に優れていること
がわかった。第2図(A)で示される構成の光受容部材
に超薄膜構造の光受容層を設けると、残留電位が増え、
ゴーストも生じやすかった。おそらくこの理由は、超薄
膜光受容層からキャリアスイープアウト過程におけるキ
ャリアの移動量が多く、通常第2図(A)の形で光受容
部材として用いる場合よりも、a-Si(H,X)層とa-Si
(O,C,N)(H,X)との界面の影響をうけ易いためだと考
えられる。
以上述べてきたように本発明のポイントは、超薄膜光
受容層によって層厚を増すことなく光キャリアの発生効
率を良くし、所望のとりわけ長波長光の光感度増大
を実現するにあたり、前記光受容層の熱キャリアや注入
されたキャリアをスイープアウトするために該層に電界
が印加される層構成とすると共に、スイープアウトする
キャリアが途中でトラップされる可能性を高くする界面
を排除した構成とすることにある。
受容層によって層厚を増すことなく光キャリアの発生効
率を良くし、所望のとりわけ長波長光の光感度増大
を実現するにあたり、前記光受容層の熱キャリアや注入
されたキャリアをスイープアウトするために該層に電界
が印加される層構成とすると共に、スイープアウトする
キャリアが途中でトラップされる可能性を高くする界面
を排除した構成とすることにある。
したがって超薄膜積層構造を有する電荷発生層は、電
界が充分に印加されかつキャリアをスイープアウトで
き、そのキャリアが他の層にトラップしない条件さえと
とのえば、第3図の(A)〜(D)に示すごとく、光受
容部材のどの場所に配されてもよい。
界が充分に印加されかつキャリアをスイープアウトで
き、そのキャリアが他の層にトラップしない条件さえと
とのえば、第3図の(A)〜(D)に示すごとく、光受
容部材のどの場所に配されてもよい。
第3図(A)では超薄膜積層構造の電荷発生層はa-Si
(H,X)層のほぼ中央に配され作製のためのガス制御が
一番やり易い形である。第3図(B)では、超薄膜積層
構造の電荷発生層305からキャリアがスイープアウトす
る際に片方のキャリアの飛程が小さい場合有利である。
例えば負帯電なら正孔に対するスイープアウト方向は表
面へ向けてであり、電子に対しては基体側に向うので、
飛程の長い電子が長い距離を走行するような構成であ
る。この例では、a-Si(O,C,N)(H,X)層中に超薄膜積
層電荷発生層305が設けられている。
(H,X)層のほぼ中央に配され作製のためのガス制御が
一番やり易い形である。第3図(B)では、超薄膜積層
構造の電荷発生層305からキャリアがスイープアウトす
る際に片方のキャリアの飛程が小さい場合有利である。
例えば負帯電なら正孔に対するスイープアウト方向は表
面へ向けてであり、電子に対しては基体側に向うので、
飛程の長い電子が長い距離を走行するような構成であ
る。この例では、a-Si(O,C,N)(H,X)層中に超薄膜積
層電荷発生層305が設けられている。
第3図(C)では表面に超薄膜積層電荷発生層305が
設けられており、入射してくる光を広範なスペクトルに
わたって吸収することができ、色再現性を良好なものと
することができる。第3図(D)では、基体側に設けら
れており、光受容層に必要な波長の光のみを導くことが
できる。例えばレーザープリンタ等では、レーザー波長
にのみ感度を有すればよく、レーザー波長より短い波長
の光は、感光体のごく表面でキャリア輸送に関与しない
形で吸収されてしまうのが迷光によるコントラストダウ
ンを妨げて好ましい。
設けられており、入射してくる光を広範なスペクトルに
わたって吸収することができ、色再現性を良好なものと
することができる。第3図(D)では、基体側に設けら
れており、光受容層に必要な波長の光のみを導くことが
できる。例えばレーザープリンタ等では、レーザー波長
にのみ感度を有すればよく、レーザー波長より短い波長
の光は、感光体のごく表面でキャリア輸送に関与しない
形で吸収されてしまうのが迷光によるコントラストダウ
ンを妨げて好ましい。
本発明に於る超薄膜積層電荷発生層として適用される
材料は、周期的な量子井戸を形成するためのバンドギャ
ップの異なる材料の積層、フェルミ準位の異なる材料の
積層、の中から選ばれる。
材料は、周期的な量子井戸を形成するためのバンドギャ
ップの異なる材料の積層、フェルミ準位の異なる材料の
積層、の中から選ばれる。
バンドギャップの異なる材料の組としては、同一原子
から成るものとして、モルファオロジー(構成原子の配
列形態)の異なるもの、即ち、アモルファスシリコン
(所謂、マイクロクリスタリンはアモルファスに分類さ
れる)、ポリクリスタルシリコン、の中から選ばれる組
が挙げられる。また、アモルファスシリコンの中には水
素化やハロゲン化の程度の異なることによりバンド・ギ
ャップの異なるものがあり、これらはアモルファスシリ
コン同士で適用可能である。
から成るものとして、モルファオロジー(構成原子の配
列形態)の異なるもの、即ち、アモルファスシリコン
(所謂、マイクロクリスタリンはアモルファスに分類さ
れる)、ポリクリスタルシリコン、の中から選ばれる組
が挙げられる。また、アモルファスシリコンの中には水
素化やハロゲン化の程度の異なることによりバンド・ギ
ャップの異なるものがあり、これらはアモルファスシリ
コン同士で適用可能である。
更にグレーンサイズの異なるポリクリスタルシリコン
同士も可能である。これら同一原子から成る組のもの
は、膜堆積時に、例えばガス流量を少しだけ変化させる
とか、パワーのみを若干変化させるとか、成膜が容易で
あるという利点と、実際の成膜長時に大きな変化を起さ
ないので成膜スピードを落とさない、できた膜も結晶学
的整合性に優れているといった利点を有している。
同士も可能である。これら同一原子から成る組のもの
は、膜堆積時に、例えばガス流量を少しだけ変化させる
とか、パワーのみを若干変化させるとか、成膜が容易で
あるという利点と、実際の成膜長時に大きな変化を起さ
ないので成膜スピードを落とさない、できた膜も結晶学
的整合性に優れているといった利点を有している。
異種原子から成るバンドギャップの異なる材料として
は、テトラヘドラル系非晶質の、a-Si、a-Ge、a-C、a-S
iGe、a-SiC、a-GeC、またそれらの水素含有物、ハロゲ
ン含有物、酸素含有物、窒素含有物、更にはそれらの混
合物をはじめ、対応するポリクリスタル、やGaAs、Ga
P、InP、BNなどのIII-V化合物、同混晶、ZnO、ZnS、ZnS
eなどのII-VI化合物などが挙げられる。これら異種原子
から成る組の超薄膜積層電荷発生層の利点は、光キャリ
アの発生量即ち光応答スペクトルと輸送特性の選択の自
由度が広がることである。
は、テトラヘドラル系非晶質の、a-Si、a-Ge、a-C、a-S
iGe、a-SiC、a-GeC、またそれらの水素含有物、ハロゲ
ン含有物、酸素含有物、窒素含有物、更にはそれらの混
合物をはじめ、対応するポリクリスタル、やGaAs、Ga
P、InP、BNなどのIII-V化合物、同混晶、ZnO、ZnS、ZnS
eなどのII-VI化合物などが挙げられる。これら異種原子
から成る組の超薄膜積層電荷発生層の利点は、光キャリ
アの発生量即ち光応答スペクトルと輸送特性の選択の自
由度が広がることである。
本発明に適用可能な超薄膜積層構造を有する電荷発生
層の別の例は、発生する熱キャリアの種類の異なる材
料、即ちフェルミ準位の異なる材料、典型としてはp
型、n型不純物で伝導型を制御したものが挙げられ、特
に有効なものはシリコンを母材とする非単結晶に、p型
の不純物としてはB、Al、Ga、InなどIII族元素を、n
型の不純物としてN、P、As、SbなどV族元素を、それ
ぞれドープしたものが挙げられる。このフェルミ準位の
異なる材料による超薄膜積層電荷発生層を光受容部材に
用いることの利点は、CGLの見かけ上のバンドギャップ
を単なるドーピングによって変化する以上に大幅に変え
ることができ、感光体の感度スペクトルを大幅に変化さ
せることができる点である。
層の別の例は、発生する熱キャリアの種類の異なる材
料、即ちフェルミ準位の異なる材料、典型としてはp
型、n型不純物で伝導型を制御したものが挙げられ、特
に有効なものはシリコンを母材とする非単結晶に、p型
の不純物としてはB、Al、Ga、InなどIII族元素を、n
型の不純物としてN、P、As、SbなどV族元素を、それ
ぞれドープしたものが挙げられる。このフェルミ準位の
異なる材料による超薄膜積層電荷発生層を光受容部材に
用いることの利点は、CGLの見かけ上のバンドギャップ
を単なるドーピングによって変化する以上に大幅に変え
ることができ、感光体の感度スペクトルを大幅に変化さ
せることができる点である。
更にバンドギャップが異なりしかも伝導型の異なる材
料の積層でも、超薄膜積層電荷発生層が可能であり、a-
SiC(p型)と真性a-Siの積層のように、一方の電荷担
体(この場合電子)の走行性のみを他方よりも良好なも
のとすることができるという利点を有している。
料の積層でも、超薄膜積層電荷発生層が可能であり、a-
SiC(p型)と真性a-Siの積層のように、一方の電荷担
体(この場合電子)の走行性のみを他方よりも良好なも
のとすることができるという利点を有している。
本発明による光受容部材の作製方法としては、前記し
た装置を用いるほか、よく知られた加熱蒸着、スパッタ
リング、RF−グロー放電法、マイクロ波グロー放電法、
LP-CVDをはじめ、近年提案されている別励起ラジカルを
会合せしめて堆積するHR-CVDや、SiH4とF2の酸化反応を
用いる堆積法などが適用可能である。
た装置を用いるほか、よく知られた加熱蒸着、スパッタ
リング、RF−グロー放電法、マイクロ波グロー放電法、
LP-CVDをはじめ、近年提案されている別励起ラジカルを
会合せしめて堆積するHR-CVDや、SiH4とF2の酸化反応を
用いる堆積法などが適用可能である。
超薄膜積層電荷発生層の作製は、ガス供給源と基体と
の間に配されたマスク付ターンテーブルを回転せしめた
り、マスフローコントローラーでガスの流量を制御した
り、バルブの開閉によってガスを断続せしめることによ
って成膜時のガス比率を変化させることによって行われ
る。
の間に配されたマスク付ターンテーブルを回転せしめた
り、マスフローコントローラーでガスの流量を制御した
り、バルブの開閉によってガスを断続せしめることによ
って成膜時のガス比率を変化させることによって行われ
る。
以下本発明を実施例に以ってより具体的に詳述する。
実施例1 第1図に示した堆積膜形成装置を用いて、また該堆積
膜形成装置を用いた超薄膜積層構造作製方法に従って、
シリンダー状Al基体表面に、第1表に示す層形成条件で
層形成を行い、第3図(A)に示す層構成の電子写真用
光受容部材を得た。
膜形成装置を用いた超薄膜積層構造作製方法に従って、
シリンダー状Al基体表面に、第1表に示す層形成条件で
層形成を行い、第3図(A)に示す層構成の電子写真用
光受容部材を得た。
得られた光受容部材を用いて、NP9030(キヤノン
(株)製)にて画像形成を行ったところ、解像力に優
れ、階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得ら
れ、従来の電子写真用光受容部材と比較して、波長788n
mの半導体レーザー感度が約15%向上した。
(株)製)にて画像形成を行ったところ、解像力に優
れ、階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得ら
れ、従来の電子写真用光受容部材と比較して、波長788n
mの半導体レーザー感度が約15%向上した。
実施例2〜9 実施例1と同じ装置を用い、第3層を第2表または第
3表に示す形成条件にした以外は実施例1と同じ層形成
条件で、シリンダー状Al基体表面に、層形成を行い、第
3図(A)に示す層構成の電子写真用光受容部材を得
た。
3表に示す形成条件にした以外は実施例1と同じ層形成
条件で、シリンダー状Al基体表面に、層形成を行い、第
3図(A)に示す層構成の電子写真用光受容部材を得
た。
得られた夫々の光受容部材を用いて、実施例1と同様
にして画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調
再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
にして画像形成を行なったところ、解像力に優れ、階調
再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
実施例10〜13 実施例1と同じ装置を用い、第3層を第4表に示す形
成条件にした以外は実施例と同じ層形成条件で、シリン
ダー状Al基体表面に、層形成を行い、第3図(A)に示
す層構成の電子写真用光受容部材を得た。
成条件にした以外は実施例と同じ層形成条件で、シリン
ダー状Al基体表面に、層形成を行い、第3図(A)に示
す層構成の電子写真用光受容部材を得た。
得られた夫々の光受容部材を用いて、画像形成を行っ
たところ、解像力に優れ、階調再現性の良好な、鮮明で
高濃度の画像が得られた。
たところ、解像力に優れ、階調再現性の良好な、鮮明で
高濃度の画像が得られた。
なお、第4表の成膜条件では、少くとも一方が結晶性
を有することが反射電子線回折により確認された。
を有することが反射電子線回折により確認された。
実施例14〜16 実施例1と同じ装置を用い、それぞれ第5表第6表、
第7表に示す層形成条件でシリンダー状Al基体表面に層
形成を行い、それぞれ第3図(B)、第3図(C)、第
3(D)に示す層構成の電子写真用光受容部材を得、実
施例1と同様の方法で評価したところ、従来のものより
約5〜10%感度が高いことが判明し、解像力に優れ、階
調再現性の良好な、鮮明で高濃度の画像が得られた。
第7表に示す層形成条件でシリンダー状Al基体表面に層
形成を行い、それぞれ第3図(B)、第3図(C)、第
3(D)に示す層構成の電子写真用光受容部材を得、実
施例1と同様の方法で評価したところ、従来のものより
約5〜10%感度が高いことが判明し、解像力に優れ、階
調再現性の良好な、鮮明で高濃度の画像が得られた。
第1図は、本発明の光受容部材を製造する装置の一例で
ある成膜装置を模式的に示した模式的構成図、第2図
は、従来の光受容部材の層構成を模式的に示した模式的
構成図、第3図は、本発明の光受容部材の層構成を模式
的に示した模式的構成図、第4図は、第1図に示す装置
におけるガス流量コントロールの一例を説明する為の模
式的説明図である。 100……高真空にし得る堆積室 102……パワー導入用の電極を兼ねた周囲壁 103……上壁 104……底壁 105……碍子 106……円筒状基体 107……加熱用ヒーター 108……ガス導入管 109……ガス放出孔 110……バルブ 111……排気管 112……排気バルブ 113……電圧印加手段 114……内圧モニター 200……ガス供給系 201〜205……ガスボンベ 211〜215……バルブ 221〜225……マスフローコントローラー 231〜235……流入バルブ 241〜245……流出バルブ 251〜255……圧力調節器 261、271、281……基体 262、272、282……下部a-Si(O,C,N)(H,X)層 263、273、283、286……a-Si(H,X)層 264、274、284……上部a-Si(O,C,N)(H,X)層 285……超薄膜積層構造層 301……基体 302……下部a-Si(O,C,N)(H,X)層 303……a-Si(H,X)層 304、304′……上部a-Si(O,C,N)(H,X)層 305……超薄膜積層構造層
ある成膜装置を模式的に示した模式的構成図、第2図
は、従来の光受容部材の層構成を模式的に示した模式的
構成図、第3図は、本発明の光受容部材の層構成を模式
的に示した模式的構成図、第4図は、第1図に示す装置
におけるガス流量コントロールの一例を説明する為の模
式的説明図である。 100……高真空にし得る堆積室 102……パワー導入用の電極を兼ねた周囲壁 103……上壁 104……底壁 105……碍子 106……円筒状基体 107……加熱用ヒーター 108……ガス導入管 109……ガス放出孔 110……バルブ 111……排気管 112……排気バルブ 113……電圧印加手段 114……内圧モニター 200……ガス供給系 201〜205……ガスボンベ 211〜215……バルブ 221〜225……マスフローコントローラー 231〜235……流入バルブ 241〜245……流出バルブ 251〜255……圧力調節器 261、271、281……基体 262、272、282……下部a-Si(O,C,N)(H,X)層 263、273、283、286……a-Si(H,X)層 264、274、284……上部a-Si(O,C,N)(H,X)層 285……超薄膜積層構造層 301……基体 302……下部a-Si(O,C,N)(H,X)層 303……a-Si(H,X)層 304、304′……上部a-Si(O,C,N)(H,X)層 305……超薄膜積層構造層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/08 317 G03G 5/08 317 (56)参考文献 特開 昭61−193489(JP,A) 特開 昭62−43653(JP,A) 特開 昭62−161155(JP,A) 特開 昭62−214619(JP,A) 特開 昭60−140354(JP,A) 特開 昭60−11849(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】支持体と、電磁波エネルギーを受容して電
荷担体を発生する機能を有し、構成原子としてシリコン
原子、ゲルマニウム原子あるいは炭素原子を含む非晶質
材料あるいはポリクリスタルシリコンで構成された層厚
30Å〜50Åの少なくとも二種類の超薄膜を複数回交互に
積層させて成る電荷発生層と、シリコン原子を母体とす
る非晶質材料のアモルファスシリコン層と、前記電荷発
生層において発生された電荷担体を輸送する機能を有
し、前記アモルファスシリコン層に接し該層を挟持する
位置に設けられた、シリコン原子と、酸素原子、炭素原
子及び窒素原子の中より選択される少なくとも一種とを
含む非晶質材料で構成された第1及び第2の電荷輸送層
を有し、前記第1及び第2の電荷輸送層は前記アモルフ
ァスシリコン層から離れるにつれて前記選択された原子
の濃度の分布が層厚方向において多くされていることを
特徴とする超薄膜積層構造を有する光受容部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61146365A JP2528283B2 (ja) | 1986-06-23 | 1986-06-23 | 超薄膜積層構造を有する光受容部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61146365A JP2528283B2 (ja) | 1986-06-23 | 1986-06-23 | 超薄膜積層構造を有する光受容部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS632065A JPS632065A (ja) | 1988-01-07 |
JP2528283B2 true JP2528283B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=15406072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61146365A Expired - Fee Related JP2528283B2 (ja) | 1986-06-23 | 1986-06-23 | 超薄膜積層構造を有する光受容部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528283B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6364054A (ja) * | 1986-09-05 | 1988-03-22 | Sanyo Electric Co Ltd | 静電潜像担持体 |
US4720444A (en) * | 1986-07-31 | 1988-01-19 | Xerox Corporation | Layered amorphous silicon alloy photoconductive electrostatographic imaging members with p, n multijunctions |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61193489A (ja) * | 1985-02-19 | 1986-08-27 | エクソン リサーチ アンド エンヂニアリング コムパニー | 長波長に対して高い感度を有する無定形光受容体 |
JPS6243653A (ja) * | 1985-08-21 | 1987-02-25 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光導電材料 |
JPH0772803B2 (ja) * | 1986-01-10 | 1995-08-02 | 株式会社東芝 | 電子写真感光体 |
JPS62214619A (ja) * | 1986-03-14 | 1987-09-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 多層薄膜の製造方法 |
-
1986
- 1986-06-23 JP JP61146365A patent/JP2528283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS632065A (ja) | 1988-01-07 |
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