JP2536733B2 - 光受容部材 - Google Patents

光受容部材

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JP2536733B2 JP60097964A JP9796485A JP2536733B2 JP 2536733 B2 JP2536733 B2 JP 2536733B2 JP 60097964 A JP60097964 A JP 60097964A JP 9796485 A JP9796485 A JP 9796485A JP 2536733 B2 JP2536733 B2 JP 2536733B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、光(ここでは広義の光であつて、紫外線、
可視光線、赤外線、X線、γ線等を意味する。)のよう
な電磁波に対して感受性のある光受容部材に関する。
〔従来技術の説明〕
固体撮像装置、或いは像形成分野における電子写真用
像形成部材や原稿読取装置における光導電層を形成する
光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/
暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特
性に適合した吸収スペクトル特性を有すること、光応答
性が速く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時におい
て人体に対して無公害であること、更には固体撮像装置
においては、残像を所定時間内に容易に処理することが
できること等の特性が要求される。殊に、事務機として
オフイスで使用される電子写真装置内に組込まれる電子
写真用像形成部材の場合には、上記の使用時における無
公害性が重要な点である。
この様な点に立脚して最近注目されている光受容材料
にアモルフアスシリコン(以後a−Siと表記する。)が
あり、例えば、独国公開第2746967号公報、同第2855718
号公報には電子写真用像形成部材としての使用、また独
国公開第2933411号公報には光電変換読取装置への応用
が記載されている。
しかしながら、従来のa−Siで構成された光受容層を
有する光受容部材は、暗抵抗値、光感度、光応答性等の
電気的、光学的、光導電的特性、及び使用環境特性の
点、更には経時的安定性及び耐久性の点において、各
々、個々には特性の向上が計られているが、総合的な特
性向上を計る上で更に改良される余地が多々存在するの
が実情である。
例えば、電子写真用像形成部材に適用した場合には、
高光感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとすると従来法
ではその使用時において残留電位が残る場合が度々観測
され、この種の光受容部材は長時間繰返し使用し続ける
と、繰返し使用による疲労の蓄積が起つて、残像が生ず
る所謂ゴースト現象を発する様になる等の不都合な点が
少なくなかつた。
又、a−Si材料で光受容層を構成する場合には、その
電気的、光導電的特性の改良を計るために、水素原子或
いは弗素原子や塩素原子等のハロゲン原子、及び電気伝
導型の制御のために硼素原子や燐原子等が或いはその他
の特性改良のために他の原子が、各々構成原子として光
受容層中に含有されるが、これ等の構成原子の含有の仕
方如何によつては、形成した層の電気的或いは光導電的
特性や電気的耐圧性に問題が生ずる場合があつた。
即ち、例えば、形成した光受容層中に光照射によつて
発生したフオトキヤリアの該層中での寿命が充分でない
ことや、暗部における支持体側よりの電荷の注入の阻止
が充分でないこと、或いは、転写紙に転写された画像に
俗に「白ヌケ」と呼ばれる、局所的な放電破壊現象によ
ると思われる画像欠陥や、クリーニングにブレードを用
いるとその摩擦によると思われる、俗に「白スジ」と云
われている画像欠陥が生じたりしていた。又、多湿雰囲
気中で使用したり、或いは多湿雰囲気中に長時間放置し
た直後に使用すると俗に云う画像のボケが生ずる場合が
少なくなかつた。
更には、層厚が十数μ以上になると層形成用の真空堆
積室より取り出した後、空気中での放置時間の経過と共
に、支持体表面からの層の浮きや剥離、或いは層に亀裂
が生ずる等の現象を引起しがちになる。この現象は、殊
に支持体が通常、電子写真分野に於いて使用されている
ドラム状支持体の場合に多く起る等、経時的安定性の点
に於いて解決されるべき問題がいくつかある。
従つてa−Si材料そのものの特性改良が計られる一方
で光受容部材を設計する際に、上記した様な問題の総て
が解決される様に工夫される必要がある。
〔発明の目的〕
本発明は、上述のごときa−Siで構成された光受容層
を有する光受容部材における諸問題を解決することを目
的とするものである。
すなわち、本発明の主たる目的は、電気的、光学的、
光導電的特性が使用環境に殆んど依存することなく実質
的に常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰返し使用に
際しても劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残
留電位が全くか又は殆んど観測されない。a−Siで構成
された光受容層を有する光受容部材を提供することにあ
る。
本発明の別の目的は、高光感度性、高SN比特性及び高
電気的耐圧性を有する、a−Siで構成された光受容層を
有する光受容部材を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、支持体上に設けられる層と
支持体との間や積層される層の各層間に於ける密着性に
優れ、構造配列的に厳密で安定的であり、層品質の高
い、a−Siで構成された光受容層を有する光受容部材を
提供することにある。
本発明の他の目的は、電子写真用像形成部材として適
用させた場合、静電像形成のための帯電処理の際の電荷
保持能力が充分であり、通常の電子写真法が極めて有効
に適用され得る優れた電子写真特性を有する、a−Siで
構成された光受容層を有する光受容部材を提供すること
にある。
本発明の更に他の目的は、長期の使用に於いて画像欠
陥や画像のボケが全くなく、濃度が高く、ハーフトーン
が鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質画像を得ること
ができるa−Siで構成された光受容層を有する電子写真
用の光受容部材を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明は上述の目的を達成するものであつて、電子写
真用像形成部材や固体撮像装置、読取装置等に使用され
る光受容部材としてのa−Siの製品成立性、適用性、応
用性等の事項を含めて総括的に鋭意研究を続けた結果、
シリコン原子を母体とする非晶質材料、特にシリコン原
子を母体とし、水素原子(H)又はハロゲン原子(X)
の少なくともいずれか一方を含有するアモルフアス材
料、いわゆる水素化アモルフアスシリコン、ハロゲン化
アモルフアスシリコン、あるいはハロゲン含有水素化ア
モルフアスシリコン〔以下、「a−Si(H,X)」と表記
する。〕で構成される光受容層を有する光受容部材の層
構成を以下に記載する様な特定の二層構成の下に設計さ
れて作成された光受容部材が、実用上著しく優れた特性
を示すばかりでなく、従来の光受容部材と比較してみて
もあらゆる点においても凌駕しており、特に電子写真用
の光受容部材として著しく優れた特性を有しているとい
う事実を見い出したことに基づいて完成せしめたもので
ある。
即ち、本発明の光受容部材は、支持体と、該支持体上
に、シリコン原子を母体とし、周期律表第III族または
第V族に属する原子を前記支持体側の方に高くして表面
側に向かって減少する領域を有するように層厚方向に不
均一な分布状態で含有する非晶質材料で構成された層厚
1〜100μの第一の層と、シリコン原子を母体とし、炭
素原子を含有し、更に水素原子または水素原子とハロゲ
ン原子を該水素原子の含有量あるいは該水素原子と該ハ
ロゲン原子との含有量の和が0.01〜40atomic%の量含有
し、且つ周期律表第III族または第V族に属する原子を
層厚方向に均一な分布状態で1.0〜104atomic ppm含有す
る非晶質材料で構成された層厚3×10-3〜30μの第二の
層とが支持体側から順に積層された光受容層を有し、少
なくとも前記第一の層の前記支持体と接する領域と前記
第二の層のいずれか一方に窒素原子が1×10-3〜50atom
ic%の量含有されていることを特徴とする。
そして前記第一の層を構成するシリコン原子を母体と
する非晶質材料として、特にシリコン原子(Si)を母体
とし水素原子(X)又はハロゲン原子(X)の少なくと
もいずれか一方を含有するアモルフアス材料、即ち、a
−Si(H,X)を用いる。また、前記第二の層を構成する
シリコン原子を母体とし、炭素原子(C)および伝導性
を制御する物質を含有する非晶質材料として、特にシリ
コン原子(Si)を母体とし、炭素原子(C)、伝導性を
制御する物質および水素原子(H)又は水素原子(H)
とハロゲン原子(X)を含有するアモルフアス材料〔以
下、「a−SiCM(H,X)」(但し、Mは伝導性を制御す
る物質を表わす。)と表記する。〕を用いる。
なお、本明細書においては、第二の層に含有される水
素原子又は水素原子とハロゲン原子を、便宜上、“水素
原子又は/及びハロゲン原子”と表現する場合もある。
前記の伝導性を制御する物質としては、半導体分野
に於ていう、いわゆる不純物を挙げることができ、P型
伝導性を与える周期律表第III族に属する原子(以下単
に「第III属原子」と称す。)、又は、n型伝導性を与
える周期律表第V族に属する原子(以下単に「第V族原
子」と称す。)を用いる。具体的には、第III族原子と
しては、B(硼素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウ
ム)、In(インジウム)、Tl(タリウム)等が挙げられ
るが、特に好ましくは、B、Gaを用いる。また、第V族
原子としては、P(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモ
ン)、Bi(ビスマス)等が挙げられるが、特に好ましく
は、P,Asを用いる。そして、第一の層に含有せしめる伝
導性を制御する物質と、第二の層に含有せしめる伝導性
を制御する物質とは、同じであつても、或いは、異なつ
ていてもよい。
ところで、本発明の光受容部材は、第一の層の全層領
域又は一部の層領域に前記の伝導性を制御する物質であ
る第III族原子又は第V族原子を不均一な分布状態で含
有するものであるが、第一の層に伝導性を制御する物質
を含有せしめることにより、第一の層の伝導型又は/及
び伝導率の制御、電荷阻止層の形成、第一の層と第二の
層との間の電荷の移送の向上、あるいは、帯電処理時に
おける見掛け上の暗抵抗の増大等の作用効果を奏するも
のである。そして後に詳しく述べるように、伝導性を制
御する物質を含有せしめる第一の層の層領域が全層領域
であるか又は一部の層領域であるかあるいは第一の層に
含有せしめる伝導性を制御する物質の伝導型が第二の層
に含有せしめる伝導性を制御する物質の伝導型と同じで
あるか又は異なつているかによつて、前述の奏される作
用効果は異なるものであり、目的および期待する作用効
果に応じて、伝導性を制御する物質を含有せしめる層領
域および伝導性を制御する物質の伝導型を適宜選択する
必要がある。
また、本発明の光受容部材は第一の層の全層領域又は
一部の層領域および第二の層の全層領域の少なくともい
ずれかに窒素原子を均一又は不均一な分布状態で含有す
るものであり、第一の層に窒素原子を含有せしめること
により光受容部材の高光感度化と高暗抵抗化、および支
持体と第一の層の間又は第一の層と第二の層の間の密着
性の良化等の作用効果を奏するものである。そして、こ
れらの作用効果についても、窒素原子を第一の層の全層
領域に含有せしめるか、又は第一の層の一部の層領域に
含有せしめるか、又は第二の層に含有せしめるか、ある
いは均一な分布状態で含有せしめるか又は不均一な分布
状態で含有せしめるかによつて異なつているものであ
り、目的と期待する作用効果に応じて、窒素原子を含有
せしめる層又は層領域および分布状態を適宜選択する必
要がある。
本発明の光受容部材の第二の層は光受容部材の耐湿
性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特
性、および耐久性を向上させるために第一の層上に設け
られるものであつて、このことは第二の層に炭素原子を
含有せしめることにより達成できる。さらに、こうした
第二の層を第一の層上に設けると、残留電位の発生およ
び帯電処理時における静電荷的痕跡傷の発生等の問題を
生ずる場合が多々あるが、第二の層に前述の伝導性を制
御する物質である第III族原子又は第V族原子を含有せ
しめることによりこうした問題の発生を未然に防止でき
る。
本発明の光受容部材の第一の層および第二の層につい
ては、前者には必要に応じて水素原子(H)又は/及び
ハロゲン原子(X)を含有せしめ、後者には必ず水素原
子(H)又は水素原子(H)とハロゲン原子(X)を含
有せしめる。該ハロゲン原子(X)としては、具体的に
はフツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、特に好
ましいものはフツ素および塩素である。そして、本発明
の第一の層および第二の層に含有せしめる水素原子
(H)の量またはハロゲン原子(X)の量、あるいは水
素原子とハロゲン原子(H+X)の量の和[但し、第二
の層については、水素原子(H)の量または水素原子と
ハロゲン原子の量の和(H+X)]は、一般的には1×
10-2〜4×10atomic%とするが、好ましくは5×10-2
3×10atomic%、最適には1×10-1〜25atomic%とす
る。
以下、図面により本発明の光受容部材の具体的層構成
についてより詳しく説明する。
第1〜4図は本発明の光受容部材の層構成を説明する
ための模式図であり、各図において100は光受容部材、1
01は支持体、102は第一の層、103は第二の層、104は自
由表面、105〜109は層領域を示す。
支持体 本発明に用いる支持体101は、導電性のものであつて
も電気絶縁性のものであつてもよい。導電性支持体とし
ては、例えば、NiCr,ステンレス,Al,Cr,Mo,Au,Nb,Ta,V,
Ti,Pt,Pb等の金属又はこれ等の合金が挙げられる。電気
絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチ
レン、ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシート、
ガラス、セラミツク、紙等が挙げられる。これ等の電気
絶縁性支持体は、好適には少なくともその一方の表面を
導電処理し、該導電処理された表面側に光受容層を設け
るのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr,Al,Cr,M
o,Au,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd,In2O3,SnO2,ITO(In2O3+S
nO2)等から成る薄膜を設けることによつて導電性を付
与し、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フイル
ムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,
V,Ti,Pt等の金属の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、
スパツタリング等でその表面に設け、又は前記金属でそ
の表面をラミネート処理して、その表面に導電性を付与
する。支持体の形状は、円筒状、ベルト状、板状等任意
の形状が使用可能である。用途、所望によつて、その形
状は適宜に決めることのできるものであるが、例えば、
電子写真用像形成部材として使用するのであれば、連続
高速複写の場合には、無端ベルト状又は円筒状とするの
が望ましい。支持体の厚さは、所望通りの光受容部材を
形成しうる様に適宜決定するが、光受容部材として可撓
性が要求される場合には、支持体としての機能を充分発
揮しうる範囲内で可能な限り薄くすることができる。し
かしながら、支持体の製造上及び取扱い上、機械的強度
等の点から、通常は、10μ以上にされる。
第一の層 第一の層102は、前記支持体101上に設けるものであつ
て、伝導性を制御する物質である第III族原子又は第V
族原子、および必要に応じて窒素原子あるいはさらに酸
素原子を含有するa−Si(H,X)で構成されている。そ
して、第III族原子又は第V族原子は該層102の全層領域
又は一部の層領域に不均一な分布状態で分布しており、
窒素原子は該層102の全層領域又は一部の層領域に均一
又は不均一な分布状態で分布しているものである。ここ
で均一な分布状態とは、含有せしめる原子の分布濃度
が、第一の層の支持体表面と平行な面方向および第一の
層の層厚方向の両方において均一であることをいい、不
均一な分布状態とは、含有せしめる原子の分布濃度が、
第一の層の支持体表面と平行な面方向においては均一で
あるが、第一の層の層厚方向においては不均一であるこ
とをいう。
本発明の第一の層に伝導性を制御する物質である第II
I族原子又は第V族原子を含有せしめることによつて奏
される作用効果は、後述するごとく、該原子の分布状態
によつて、あるいは、第一の層に含有せしめる第III族
原子又は第V族原子の伝導型が、第二の層に含有せしめ
る第III族原子又は第V族原子の伝導型と同じであるか
又は異なつているかによつて異なるものである。したが
つて、目的に応じた所望の特性を有する光受容部材を得
るためには、第III族原子又は第V族原子を不均一な分
布状態で含有せしめる層領域を全層領域とするか又は一
部の層領域とするか、また、第III族原子又は第V族原
子の伝導型を第二の層のものと同じにするか、又は異な
るものとするかを適宜選択する必要がある。さらに、第
一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の量
も、期待する作用効果に応じて異なることから、目的に
応じた所望の特性を有する光受容部材を得るためには、
第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の
量についても適宜選択する必要がある。
即ち、第一の層の全層領域に第III族原子又は第V族
原子を含有せしめる場合には、第一の層の伝導性及び/
又は伝導率を制御するという作用効果を奏する。そして
この場合、第一の層領域に含有せしめる第III族原子又
は第V族原子の量は比較的少量でよく、通常は1×10-3
〜1×103atomic ppmとするが、好ましくは5×10-2
5×102atomic ppm、最適には1×10-1〜2×102atomic
ppmとするのが望ましい。又、この場合、第一の層に含
有せしめる伝導性を制御する物質の伝導型は、後述する
第二の層に含有せしめるものの伝導型と同じであつて
も、あるいは異なつていてもよい。
また、第一の層について、支持体と接する側において
第III族原子又は第V族原子の含有量が比較的多量とな
り、第二の層と接する側において第III族原子又は第V
族原子の含有量が比較的少量となるかあるいは実質的に
ゼロに近くなるようにした場合、第III族原子又は第V
族原子を比較的多量に含有する層領域によつて電荷阻止
層が形成されるという作用効果を奏する。この場合、第
一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の量
は比較的多量であつて、通常は3×10〜5×104atomic
ppmとするが、好ましくは5×10〜1×104atomic ppm、
最適には1×102〜5×103atomic ppmとする。
次に第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族
原子の量が、支持体側においては比較的多量であつて、
支持体側から第二の層との界面に向つて減少し、第二の
層との界面付近においては、比較的少量となるかあるい
は実質的にゼロに近くなるように、第III族原子又は第
V族原子を分布させる場合の典型的例のいくつかを、第
5図乃至第13図によつて説明するが、本発明はこれらの
例によつて限定されるものではない。各図において、横
軸は第III族原子又は第V族原子の分布濃度Cを、縦軸
は第一の層102の層厚を示し、tBは支持体101側と第一の
層との界面位置を、tTは第二の層103と第一の層との界
面位置を示す。
第5図は、第一の層中に含有せしめる第III族原子又
は第V族原子の層厚方向の分布状態の第1の典型例を示
している。該例では、第III族原子又は第V族原子を含
有する第一の層と支持体表面とが接する界面位置tBより
位置t1までは、第III族原子又は第V族原子の分布濃度
CがC1なる一定値をとり、位置t1より第一の層が第二の
層と接する界面位置tTまでは、第III族原子又は第V族
原子の分布濃度Cが濃度C2から連続的に減少し、界面位
置tTにおいては第III族原子又は第V族原子の分布濃度
CがC3となる。
第6図は、他の典型例の1つを示している。該例で
は、第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原
子の分布濃度Cは、位置tBから位置tTにいたるまで、濃
度C4から連続的に減少し、位置にtTにおいて濃度C5とな
る。
第7図に示す例では、位置tBから位置t2までは第III
族原子又は第V族原子の分布濃度Cが濃度C6なる一定値
を保ち、位置t2から位置tTにいたるまでは、第III族原
子又は第V族原子の分布濃度Cは濃度C7から徐々に連続
的に減少して位置tTにおいては第III族原子又は第V族
原子の分布濃度Cは実質的にゼロとなる。但し、ここで
実質的にゼロとは、検出限界量未満の場合をいう。
第8図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の
分布濃度Cは位置tBより位置tTにいたるまで、濃度C8
ら連続的に徐々に減少し、位置tTにおいては第III族原
子又は第V族原子の分布濃度Cは実質的にゼロとなる。
第9図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の
分布濃度Cは、位置tBより位置t3の間においては濃度C9
の一定値にあり、位置t3から位置tTの間においては、濃
度C9から濃度C10となるまで、一次関数的に減少する。
第10図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の
分布濃度Cは、位置tBより位置t4にいたるまでは濃度C
11の一定値にあり、位置t4より位置tTまでは濃度C12
ら濃度C13となるまで一次関数的に減少する。
第11図に示す例においては、第III族原子又は第V族
原子の分布濃度Cは、位置tBから位置tTにいたるまで、
濃度C14から実質的にゼロとなるまで一次関数的に減少
する。
第12図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の
分布濃度Cは、位置tBから位置t5にいたるまで濃度C15
から濃度C16となるまで一次関数的に減少し、位置t5
ら位置tTまでは濃度C16の一定値を保つ。
最後に、第13図に示す例では、第III族原子又は第V
族原子の分布濃度Cは、位置tBにおいて濃度C17であ
り、位置tBから位置t6までは濃度C17からはじめはゆつ
くり減少して、位置t6付近では急激に減少し、位置t6
は濃度C18となる。次に、位置t6から位置t7までははじ
めのうちは急激に減少し、その後は緩かに徐々に減少
し、位置t7においては濃度C19となる。更に位置t7と位
置t8の間では極めてゆつくりと徐々に減少し、位置t8
おいて濃度C20となる。また更に、位置t8から位置tT
いたるまでは、濃度C20から実質的にゼロとなるまで徐
々に減少する。
第5図〜第13図に示した例のごとく、第一の層の支持
体側に近い側に第III族原子又は第V族原子の分布濃度
Cの高い部分を有し、第一の層の第二の層との界面側に
おいては、該分布濃度Cがかなり低い濃度の部分あるい
は実質的にゼロに近い濃度の部分を有する場合において
は、支持体側に近い部分に第III族原子又は第V族原子
の分布濃度が比較的高濃度である局在領域を設けるこ
と、好ましくは該局在領域Aを支持体表面と接触する界
面位置から5μ以内に設けることにより、第III族原子
又は第V族原子の分布濃度が高濃度である層領域が電荷
注入阻止層を形成するという前述の作用効果がより一層
効率的に奏される。
また、上述の場合とは逆に、第一の層の第二の層と接
する側において伝導性を制御する物質であるところの第
III族原子又は第V族原子が比較的多量となるように含
有せしめる場合、第一の層と第二の層に含有せしめる伝
導性を制御する物質の伝導型が同じであれば、第一の層
と第二の層の間のエネルギーレベル的整合性を向上せし
め、両層間での電荷の移送を高めるという作用効果が奏
され、この作用効果は第二の層の層厚が厚く、暗抵抗が
高い場合に特に顕著である。
さらに、第一の層の第二の層と接する側において比較
的多量となるように伝導性を制御する物質である第III
族原子又は第V族原子を含有せしめる場合において、第
一の層と第二の層に含有せしめる伝導性を制御する物質
の伝導型が異なつていれば、該多量に含有せしめた層領
域は積極的に第一の層と第二の層の接合部となり、帯電
処理時における見掛け上の暗抵抗の増大をはかるという
作用効果が奏される。
いずれの場合にも、第一の層の第二の層と接する側に
おいて第III族原子又は第V族原子を比較的多量となる
ように含有せしめる場合の、第III族原子又は第V族原
子の第一の層における分布状態の典型例のいくつかは、
前述の第5図乃至第13図により示した典型例の層厚方向
を逆にしたものすなわち、tBを第二の層103と第一の層1
02との界面位置とし、tTを支持体と第一の層の界面位置
としたものによつて、同様に説明される。そして、第二
の層と接する側において、第III族原子又は第V族原子
を比較的多量に含有せしめる場合は、その量は比較的わ
ずかな量でよく、通常は1×10-3〜1×103atomic ppm
とするが、好ましくは5×10-2〜5×102atomic ppm、
最適には1×10-1〜2×102atomic ppmとするのが望ま
しい。
以上、第III族原子又は第V族原子の分布状態につい
て、個々に各々の作用効果を記述したが、所望の目的を
達成しうる特性を有する光受容部材を得るについては、
これらの第III族原子又は第V族原子の分布状態および
第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の
量を、必要に応じて適宜組み合わせて用いるものである
ことは、いうまでもない。
本発明の光受容部材は第一の層に窒素原子を含有せし
めることにより、第一の層の光感度および暗抵抗が増大
し、さらに、支持体と第一の層又は第一の層と第二の層
の密着性が良化するものである。
第一の層の窒素原子を含有せしめる層領域は、第一の
層の全層領域であつてもよく、また、一部の層領域であ
つてもよい。さらに、該層領域における窒素原子の分布
状態は、均一であつてもよく、また、不均一であつても
よい。そして、後述するごとく、窒素原子を含有せしめ
る層領域が全層領域であるか又は一部の層領域であるか
により、あるいは窒素原子の該領域における分布状態が
均一であるか不均一であるかによつて、奏されるところ
の作用効果は異なるものである。したがつて、所望の目
的、および期待する作用効果を効率的に達成しうる光受
容部材を得るためには、窒素原子を含有せしめる層領域
および分布状態を適宜選択する必要がある。さらに、第
一の層に含有せしめる窒素原子の量も、目的とする作用
効果に応じて異なるものであることから、所望の目的・
作用効果を奏する光受容部材を得るためには、第一の層
に含有せしめる窒素原子の量についても適宜選択する必
要がある。
即ち、第1図において模式的に示すごとく、第一の層
の全層領域に窒素原子を含有せしめる場合、第一の層の
光感度および暗抵抗を増大させるという効果が奏され
る。この場合、第一の層に含有せしめる窒素原子の量
は、高光感度を維持するために、比較的少量とする。
また、第2図において模式的に示すごとく、第一の層
の支持体と接する一部の層領域105に窒素原子を均一な
分布状態で含有せしめるか、あるいは第一の層の支持体
と接する側で窒素原子の分布濃度が比較的高くなるよう
に窒素原子を含有せしめる場合には、支持体101と第一
の層の密着性が良化するという作用効果が奏される。さ
らに、第3図において模式的に示すごとく、第一の層の
第二の層と接する一部の層領域106に窒素原子を均一な
分布状態で含有せしめるか、あるいは第一の層の第二の
層と接する側で窒素原子の分布濃度が比較的高くなるよ
うに窒素原子を含有せしめる場合には、第一の層と第二
の層の密着性が良化するという作用効果が奏される。更
にまた、第一の層と第二の層の密着性を良化させるとい
う作用効果は後に述べるところの第二の層に窒素原子を
均一な分布状態を含有せしめることによつても達成しう
るものである。
第一の層の支持体側または第一の層の第二の層と接す
る側において窒素原子が比較的多量となるように不均一
に分布せしめるについては、先に記述した第III族原子
又は第V族原子を不均一に分布せしめる場合と同様であ
り、その典型的な例は第5図乃至第13図に示されている
が、本発明においてはそれらの例に限定されるものでは
ない。
そして、支持体と第一の層、又は第一の層と第二の層
の密着性の良化を図つて窒素原子を含有せしめる場合、
第一の層に含有せしめる窒素原子の量は、密着性を確実
とするために比較的多量とするのが好ましい。
さらに、前述のごとく本発明においては窒素原子を第
一の層の支持体と接する側において比較的高濃度に含有
せしめることにより支持体と第一の層の密着性を向上せ
しめることが可能となるが、この場合、窒素原子を高濃
度で含有せしめた局在領域を有するようにすると、より
一層密着性の向上を図ることができる。この様な局在領
域は第5図乃至第11図に示す記号を用いて記載すれば、
界面位置tBより5μ以内に設けることが望ましく、この
ような局在領域は窒素原子を含有する一部の層領域105
の全部であつてもよく、また、一部の層領域のさらに一
部であつてもよい。
以上、窒素原子の分布状態について各々にその作用効
果を記載したが、本発明の光受容部材において、これら
の作用効果の2つ以上を同時に奏するようにするために
は、窒素原子を含有せしめる層領域および窒素原子の分
布状態を適宜組み合わせて用いることはいうまでもな
い。例えば、支持体と第一の層との間の密着性の良化お
よび第一の層の光感度と暗抵抗の向上の双方を達成しう
るようにするためには、第一の層の支持体側において比
較的濃度となるように窒素原子を分布せしめ、その他の
層領域においては比較的低濃度となるように窒素原子を
分布せしめればよい。
本発明において第一の層に含有せしめる窒素原子の量
は第一の層自体に要求される特性、あるいは支持体又は
第二の層と接する一部の層領域に含有せしめる場合にお
いては隣接する層又は支持体の特性との関係等、相互的
且つ有機的関連性を考慮して決定され、通常は1×10-3
〜50atomic%とするが、より好ましくは2×10-3〜40at
omic%、最適には3×10-3〜30atomic%とする。また、
窒素原子を第一の層の全層領域に含有せしめるか、ある
いは窒素原子を含有する一部の層領域の第一の層に占め
る割合が充分に大きい場合には、窒素原子の量の上限
は、前記の値より充分小さくすることが望ましい。例え
ば窒素原子を含有する一部の層領域の層厚が、第一の層
の層厚の5分の2以上となるような場合には、該一部の
層領域に含有せしめる窒素原子の量の上限は、通常30at
omic%とするが、より好ましくは20atomic%、最適には
10atomic%以下とする。
さらに、窒素原子を高濃度に含有する局在領域を形成
する場合、窒素原子の層厚方向の分布状態として、窒素
原子の分布濃度の最大値Cmaxが通常5×102atomic ppm
以上、より好ましくは8×102atomic ppm以上、最適に
は1×103atomic ppm以上となるような分布状態を形成
することが望ましい。
本発明においては、第一の層中に窒素原子を含有せし
めることにより、前述のごとき効果を得るものである
が、これらの効果を更に一層助長させる目的で、前述の
窒素原子に加えて更に酸素原子を第一の層に含有せしめ
ることができる。また、本発明の窒素原子は、第二の層
に含有せしめてもよいことは前述のとおりであるが、こ
の場合にも同じ目的で酸素原子を更に含有せしめること
ができる。酸素原子を含有せしめるにあたり、その分布
状態や含有量等は窒素原子の場合と同様であつて、即
ち、高光感度化及び高暗抵抗化を主たる目的とする場合
には、第一の層の全層領域に含有せしめ、その量は比較
的少量であり、また支持体と第一の層又は第一の層と第
二の層との密着性の向上を主たる目的とする場合には、
先に示した第2図や第3図に示すように、第一の層の一
部の層領域に均一あるいは不均一な分布状態で、比較的
多量に含有せしめる。そして、窒素原子と酸素原子の含
有せしめる層領域、含有量、あるいはそれらの原子の分
布状態は、同じであつてもよく、あるいは異なつてもよ
い。
本発明の第一の層には、以上の説明のごとく、第III
族原子又は第V族原子、窒素原子及び/又は酸素原子を
含有せしめるものであるが、これらの各々の原子は、本
発明において目的とする所望の特性を効率的に得るよう
に、各原子の含有量および各原子の分布状態を適宜選択
して用いるものであつて、各々の原子を含有せしめる層
領域は互いに異なつていてもよく、あるいは異なつてい
てもよく、さらには互いに一部が重なり合つていてもよ
い。以下、第4図にその1例を示すが、該例によつて本
発明が限定されることはない。第4図に示す例では、第
一の層が支持体側より、層領域107、層領域108、層領域
109を形成するものであつて、層領域107は第III族原子
又は第V族原子を高濃度に含有し、さらに窒素原子を含
有しているものとし、層領域108には第III族原子又は第
V族原子を低濃度に含有し、さらに窒素原子を含有して
いるものとする。そして、層領域109は第III族原子又は
第V族原子および窒素原子のいずれも含有しないものと
する。
第一の層102の層厚は、本発明の目的を効率的に達成
するための重要な要因の1つであり、所望の目的に応じ
て適宜決定するものである。また、第一の層に含有せし
める第III族原子又は第V族原子、窒素原子、酸素原
子、および水素原子又は/及びハロゲン原子の量、ある
いは第一の層と第二の層相互の層厚等の関係において、
要求される特性に応じて、相互的かつ有機的関連性の下
に決定する必要もある。更に、生産性や量産性をも加味
した経済性の点においても充分に考慮する必要がある。
こうしたことから第一の層の層厚は通常は1〜1×102
μとするが、好ましくは1〜80μ、最適には2〜50μと
するのが望ましい。
本発明の光受容部材の第二の層103は、a−SiC(H,
X)で構成され、該層の全層領域に伝導性を制御する物
質を不均一な分布状態で含有しているものであつて、耐
湿性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特
性、および耐久性等を向上させる目的で、第一の層上に
設けられる。そしてこの目的は、第二の層を構成するア
モルフアス材料に炭素原子を構造的に導入せしめること
により達成できる。第二の層に炭素原子を構造的に導入
する場合、炭素原子の量の増加に伴つて、前述の特性は
向上するが、炭素原子の量が多すぎると層品質が低下
し、電気的および機械的特性も低下する。こうしたこと
から、炭素原子の含有量は通常は、1×10-3〜90atomic
%とし、好ましくは1〜90atomic%、最適には10〜80at
omic%とする。
さらに、連続繰返し使用特性および耐久性の向上のた
めには、第二の層の層厚を厚くすることが好ましいが、
層厚が厚くなると残留電位の発生原因となる。そうした
残留電位の発生は、第二の層に伝導性を制御する物質、
即ち、第III族原子又は第V族原子を含有せしめること
により防止するかあるいは実質的な影響がない程度に抑
止することができる。また、通常の場合のこの種の第二
の層は、機械的耐久性には優れているが、先端が鋭角な
もので該層の表面を摺擦したり、あるいは押圧したりす
ると、表面にいわゆる傷として残らないにしても、帯電
処理時には静電荷的痕跡傷となつて現われ、トナー転写
画像の画像品質の低下をきたしてしまう場合が多々あ
る。こうした場合にも、第二の層に前述の伝導性を制御
する物質を含有せしめることにより、そうした問題の発
生を未然に防止できる。したがつて、第二の層に伝導性
を制御する物質であるところの第III族原子又は第V族
原子を含有せしめるとは、本発明の目的を達成し得る所
望の特性を有する第二の層を形成するについて重要であ
る。そして、第二の層に含有せしめる第III族原子又は
第V族原子の量は、通常は1.0〜104atomic ppmとする
が、好ましくは10〜5×103atomic ppm、最適には102
5×103atomic ppmとするのが望ましい。
本発明の光受容部材の第二の層103には、第一の層102
と第二の層103との間の密着性を良化するため、窒素原
子あるいは酸素原子を該層103の全層領域に均一な分布
状態で含有せしめることもでき、特に、第一の層102が
少くとも窒素原子を、そしてまた酸素原子をも含有しな
い場合には、第二の層103に少くとも窒素原子を、そし
て、必要に応じて酸素原子を含有せしめる。そして、第
二の層103に含有せしめる窒素原子あるいは酸素原子の
量は、通常は1×10-3〜50atomic%とするが、より好ま
しくは2×10-3〜40atomic%、最適には3×10-3〜30at
omic%とする。
第二の層103は、所望通りの特性が得られるように注
意深く形成する必要がある。即ち、シリコン原子、炭素
原子、水素原子及び/又はハロゲン原子、および第III
族原子又は第V族原子を構成原子とする物質は、各構成
原子の含有量やその他の作成条件によつて、形態は結晶
状態から非晶質状態までをとり、電気的物性は導電性か
ら、半導電性、絶縁性までを、さらに光電的性質は光導
電的性質から非光導電的性質までを、各々示すため、目
的に応じた所望の特性を有する第二の層103を形成しう
るように、各構成原子の含有量や作成条件等を選ぶこと
が重要である。
例えば、第二の層103を電気的耐圧性の向上を主たる
目的として設ける場合には、第二の層103を構成する非
晶質材料は、使用条件下において電気絶縁的挙動の顕著
なものとして形成する。又、第二の層103を連続繰返し
使用特性や使用環境特性の向上を主たる目的として設け
る場合には、第二の層103を構成する非晶質材料は、前
述の電気的絶縁性の度合はある程度緩和するが、照射す
る光に対してある程度の感度を有するものとして形成す
る。
また、本発明において、第二の層の層厚も本発明の目
的を効率的に達成するための重要な要因の1つであり、
所期の目的に応じて適宜決定されるものであるが、該層
に含有せしめる第III族原子、第V族原子、炭素原子の
それぞれの量、水素原子または水素原子とハロゲン原子
の量、あるいは第二の層に要求される特性に応じて相互
的かつ有機的関連性の下に決定する必要がある。更に、
生産性や量産性をも加味した経済性の点においても考慮
する必要もある。こうしたことから、第二の層の層厚は
通常は3×10-3〜30μとするが、より好ましくは4×10
-3〜20μ、特に好ましくは5×10-3〜10μとする。
本発明の光受容部材は前記のごとき層構成としたこと
により、前記したアモルフアスシリコンで構成された光
受容層を有する光受容部材の諸問題の総てを解決でき、
極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、電気的耐
圧性及び使用環境特性を示す。特に、電子写真用像形成
部材として適用した場合には、画像形成への残留電位の
影響が全くなく、その電気的特性が安定しており高感度
で、高SN比を有するものであつて、耐光疲労、繰返し使
用特性に優れ、濃度が高く、ハーフトーンが鮮明に出
て、且つ解像度の高い、高品質の画像を安定して繰返し
得ることができる。
又、本発明の光受容部材は支持体上に形成される光受
容層が、層自体が強靱であつて、かつ支持体との密着性
に著しく優れているため、高速で長時間連続的に繰返し
使用することが出来る。
次に本発明の光受容層の形成方法について説明する。
本発明の光受容層を構成する非晶質材料はいずれもグ
ロー放電法、スパツタリング法、或いはイオンプレーテ
イング法等の放電現象を利用する真空堆積法によつて行
われる。これ等の製造法は、製造条件、設備資本投下の
負荷程度、製造規模、作製される光受容部材に所望され
る特性等の要因によつて適宜選択されて採用されるが、
所望の特性を有する光受容部材を製造するに当つての条
件の制御が比較的容易であり、シリコン原子と共に炭素
原子及び水素原子の導入を容易に行い得る等のことから
して、グロー放電法或いはスパツタリング法が好適であ
る。そして、グロー放電法とスパツタリング法とを同一
装置系内で併用して形成してもよい。
例えば、グロー放電法によつて、a−Si(H,X)で構
成される層を形成するには、基本的にはシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと共に、水素原
子(H)導入用の又は/及びハロゲン原子(X)導入用
の原料ガスを、内部が減圧にし得る堆積室内に導入し
て、該堆積室内にグロー放電を生起させ、予め所定位置
に設置した所定の支持体表面上にa−Si(H,X)から成
る層を形成する。
必要に応じて層中に含有せしめるハロゲン原子(X)
としては、具体的にはフツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙
げられるが、殊にフツ素、塩素が好ましい。
前記Si供給用の原料ガスとしては、SiH4,Si2H6,Si3
H8,Si4H10等のガス状態の又はガス化し得る水素化硅素
(シラン類)が挙げられ、殊に、層作成作業のし易さ、
Si供給効率の良さ等の点でSiH4,Si2H6が好ましい。
前記水素原子供給用の原料ガスとしては、H2ガス、HC
l,HF,HBr,HI等のハロゲン化物、SiH4,Si2H6,Si3H8,S
i4H10等の前記水素化硅素、あるいはSiH2F2,SiH2I2,S
iH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiHBr3等のハロゲン置換水
素化硅素等のガス状態の又はガス化しうるものを用いる
ことができ、これ等の原料ガスを用いた場合には、電気
的あるいは光電的特性の制御という点で極めて有効であ
るところの水素原子の含有量の制御を容易にできるため
有効である。さらにハロゲン化水素又はハロゲン置換水
素化硅素を用いた場合には、水素原子の導入とともにハ
ロゲン原子も導入されるので有効である。
また、前記ハロゲン原子導入用の原料ガスとしては、
多くのハロゲン化合物が挙げられ、例えばハロゲンガ
ス、ハロゲン化物、ハロゲン間化合物、ハロゲンで置換
されたシラン誘導体等のガス状態の又はガス化し得るハ
ロゲン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲン化合物
としては、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲンガ
ス、BrF,ClF,ClF3,BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr等の
ハロゲン間化合物を挙げることができ、ハロゲン原子を
含む硅素化合物、所謂、ハロゲン原子で置換されたシラ
ン誘導体としては、SiF4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハ
ロゲン化硅素が好ましいものとして挙げられる。
この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を使用してグ
ロー放電法により形成する場合には、Siを供給し得る原
料ガスとしての水素化硅素ガスを使用しなくとも、所定
の支持体上にハロゲン原子を含むa−Siから成る層を形
成する事ができる。ハロゲン原子導入用の原料ガスとし
て前記のハロゲン化合物或いはハロゲンを含む硅素化合
物が有効なものとして使用できるが、これ等の他に、H
F,HCl,HBr,HI等のハロゲン化水素、SiH2F2,SiH2I2,Si
H2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiHBr3等のハロゲン置換水素
化硅素、等々のガス状態の或いはガス化し得る、水素原
子を構成要素の1つとするハロゲン化物も有効な出発物
質として挙げる事ができる。
これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、層形成の際
に層中にハロゲン原子の導入と同時に電気的或いは光電
的特性の制御に極めて有効な水素原子も導入しうるの
で、好適なハロゲン原子導入用の原料として使用でき
る。
グロー放電法を用いて、ハロゲン原子を含む層を形成
する場合、基本的には、Si供給用の原料ガスであるハロ
ゲン化硅素ガスとAr,He等のガス等を所定の混合比とガ
ス流量になる様にして堆積室に導入し、グロー放電を生
起してこれ等のガスのプラズマ雰囲気を形成することに
よつて、所定の支持体上に層を形成し得るものである
が、水素原子の導入を計る為にこれ等のガスに更に水素
原子を含む硅素化合物のガスも所定量混合してもよい。
又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種
混合して使用してもよい。
反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイング法
に依つてa−Si(H,X)から成る層を形成するには、例
えばスパツタリング法の場合にはSiから成るターゲツト
を使用して、これを所定のガスプラズマ雰囲気中でスパ
ツタリングし、イオンプレーテイング法の場合には、多
結晶シリコン又は単結晶シリコンを蒸発源として蒸着ボ
ートに収容し、このシリコン蒸発源を抵抗加熱法、或い
はエレクトロンビーム法(EB法)等によつて加熱蒸発さ
せ飛翔蒸発物を所定のガスプラズマ雰囲気中を通過させ
る事で行うことができる。
その際、スパツタリング法、イオンプレーテイング法
の何れの場合でも形成される層中にハロゲン原子を導入
するについては、前記のハロゲン化合物又は前記のハロ
ゲン原子を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入して
該ガスのプラズマ雰囲気を形成してやればよい。
又、水素原子を導入する場合には、水素原子導入用の
原料ガス、例えば、H2或いは前記したシラン類等のガス
をスパツタリング用の堆積室中に導入して該ガスのプラ
ズマ雰囲気を形成してやればよい。具体的には例えば、
反応スパツタリング法の場合には、Siターゲツトを使用
し、ハロゲン原子導入用のガス及びH2ガスを必要に応じ
てHe,Ar等の不活性ガスも含めて堆積室内に導入してプ
ラズマ雰囲気を形成し、前記Siターゲツトをスパツタリ
ングすることによつて、支持体上にa−Si(H,X)から
成る層を形成する。
グロー放電法、スパツタリング法あるいはイオンプレ
ーテイング法を用いてa−Si(H,X)にゲルマニウム原
子、第III族原子又は第V族原子、窒素原子あるいはさ
らに酸素原子、水素原子又は/及びハロゲン原子、ある
いは炭素原子を含有せしめた非晶質材料で構成される層
を形成するには、前述のa−Si(H,X)で構成される層
形成の際に、ゲルマニウム原子、第III族原子又は第V
族原子、水素原子又は/及びハロゲン原子、炭素原子導
入用の出発物質をa−Si(H,X)形成用の出発物質と共
に使用し、形成する層中へのそれぞれの量を制御しなが
ら行なう。
例えばグロー放電法によつて第III族原子又は第V族
原子を含有するa−Si(H,X)から構成される層又は層
領域を形成するには、前述のa−Si(H,X)形成用の原
料ガスと、第III族原子又は第V族原子導入用の原料ガ
スと、必要に応じてHeガス、Arガス等の希釈ガスとを所
定量の混合比で混合して、支持体101の設置してある真
空堆積用の堆積室に導入し、導入されたガスをグロー放
電を生起させることでガスプラズマ化して前記支持体10
1上に第III族原子又は第V族原子を含有するa−Si(H,
X)を堆積させればよい。
そのような第III族原子又は第V族原子導入用の出発
物質としては第III族原子又は第V族原子を構成原子と
するガス状態の物質又はガス化しうる物質をガス化した
ものであれば、いずれのものであつてもよい。
本発明において第III族原子導入用の出発物質として
有効に使用されるものとしては、具体的には硼素原子導
入用として、B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B
6H12,B6H14等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等のハロ
ゲン化硼素等を挙げることができるが、この他、AlC
l3,GaCl3,InCl3,TlCl3等も挙げることができる。
本発明において第V族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるのは、具体的には燐原子導入用として
は、PH3,P2H4等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PCl3,P
Cl5,PBr3,PBr5,PI3,等のハロゲン化燐が挙げられ
る。この他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3
SbF3,SbF5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr5等も挙
げることができる。
また、例えば窒素原子を含有する層又は層領域を形成
するには、窒素原子導入用の出発物質を、前述のa−Si
(H,X)で構成される層形成用の出発物質とともに使用
して、形成される層又は層領域中にその量を制御しなが
ら含有せしめる。
即ち、窒素原子を含有する層又は層領域をグロー放電
法を用いて形成するには、前述のa−Si(H,X)で構成
される層をグロー放電法により形成する際に用いる出発
物質の中から所望に従つて適宜選択したものに、窒素原
子導入用の出発物質が加えられる。例えばシリコン原子
(Si)を構成原子とする原料ガスと、窒素原子(N)を
構成原子とする原料ガスと、必要に応じて水素原子
(H)又は及びハロゲン原子(X)を構成原子とする原
料ガスとを所望の混合比で混合して使用するか、又は、
シリコン原子(Si)を構成原子とする原料ガスと、窒素
原子(N)及び水素原子(H)を構成原子とする原料ガ
スとを、これも又所望の混合比で混合するかして使用す
ることができる。
又、別には、シリコン原子(Si)と水素原子(H)と
を構成原子とする原料ガスに窒素原子(N)を構成原子
とする原料ガスを混合して使用してもよい。
その様な窒素原子導入用の出発物質としては、少なく
とも窒素原子を構成原子とするガス状の物質又はガス化
し得る物質をガス化したものであれば、いずれのもので
あつてもよい。
窒素原子導入用の出発物質としては、具体的には、窒
素原子を構成原子とするかあるいは窒素原子と水素原子
を構成原子とする、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、
ヒドラジン(H2NNH2)、アジ化水素(HN3)、アジ化ア
ンモニウム(NH4N3)等の窒素、窒化物及びアジ化物の
窒素化合物を挙げることができる。この他に、三弗化窒
素(F3N)、四弗化窒素(F4N2)等のハロゲン化窒素化
合物を挙げることができ、これらのハロゲン化窒素化合
物を用いる場合、窒素原子(N)の導入に加えて、ハロ
ゲン原子(X)導入もできる。
本発明に於いては、前述のように、窒素原子を含有せ
しめることにより得られる効果を更に助長させる為に、
窒素原子に加えて、更に酸素原子を含有せしめることが
できるが、酸素原子を含有せしめるための酸素原子導入
用の原料ガスとしては、例えば酸素(O2)、オゾン
(O3)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一二
酸化窒素(N2O)、三二酸化窒素(N2O3)、四酸化窒素
(N2O4)、五二酸化窒素(N2O5)、三酸化窒素(N
O3)、シリコン原子(Si)と酸素原子(O)と水素原子
(H)とを構成原子とする、例えば、ジシロキサン(H3
SiOSiH3)、トリシロキサン(H3SiOSiH2OSiH3)等の低
級シロキサン等を挙げることができる。
スパツタリング法によつて、窒素原子を含有する層領
域を形成するには、単結晶又は多結晶のSiウエーハー又
はSi3N4ウエーハー、又はSiとSiN4が混合されて含有
されているウエーハーをターゲツトとして、これ等を種
々のガス雰囲気中でスパツタリングすることによつて行
えばよい。
例えば、Siウエーハーをターゲツトとして使用すれ
ば、窒素原子と必要に応じて水素原子又は/及びハロゲ
ン原子を導入する為の原料ガスを、必要に応じて希釈ガ
スを希釈して、スパツタ用の堆積室中に導入し、これ等
のガスのガスプラズマを形成して前記Siウエーハーをス
パツタリングすればよい。
又、別には、SiとSi3N4とは別々のターゲツトとし
て、又はSiとSi3N4の混合した一枚のターゲツトを使用
することによつて、スパツタ用のガスとしての希釈ガス
の雰囲気中で又は少なくとも水素原子(H)又は/及び
ハロゲン原子(X)を構成原子として含有するガス雰囲
気中でスパツタリングすることによつて成される。窒素
原子導入用の原料ガスとしては、先述したグロー放電の
例で示した原料ガスの中の窒素原子導入用の原料ガス
が、スパツタリングの場合にも有効なガスとして使用で
きる。
スパツタリング法によつて、酸素原子を含有する層を
形成するには、単結晶又は多結晶のSiウエーハー又はSi
O2ウエーハー、又はSiとSiO2が混合されて含有されてい
るウエーハーをターゲツトとして、これ等を種々のガス
雰囲気中でスパツタリングすることによつて行えばよ
い。
例えば、Siウエーハーをターゲツトとして使用すれ
ば、酸素原子と必要に応じて水素原子又は/及びハロゲ
ン原子を導入する為の原料ガスを、必要に応じて希釈ガ
スで希釈して、スパツタ用の堆積室中に導入し、これ等
のガスのガスプラズマを形成して前記Siウエーハーをス
パツタリングすればよい。
又、別には、SiとSiO2とは別々のターゲツトとして、
又はSiとSiO2の混合した一つのターゲツトを使用するこ
とによつて、スパツタ用のガスとしての希釈ガスの雰囲
気中で又は少なくとも水素原子(H)又は/及びハロゲ
ン原子(X)を構成原子として含有するガス雰囲気中で
スパツタリングすることによつて成される。酸素原子導
入用の原料ガスとしては、先述したグロー放電の例で示
した原料ガスの中の酸素原子導入用の原料ガスが、スパ
ツタリングの場合にも有効なガスとして使用できる。
例えば、第二の層は第III族原子又は第V族原子を含
有するa−SiC(H,X)〔以下、a−SiCM(H,X)(但
し、Mは第III族原子又は第V族原子を表わす。)と表
記する。〕で構成されるものであるが、グロー放電法に
よつて第二の層を形成するには、a−SiCM(H,X)形成
用の原料ガスを、必要に応じて希釈ガスと所定量の混合
比で混合して、支持体101の設置してある真空堆積用の
堆積室に導入し、導入されたガスをグロー放電を生起さ
せることでガスプラズマ化して前記支持体上に既に形成
されてある第一の層上にa−SiCM(H,X)を堆積させれ
ばよい。
a−SiCM(H,X)形成用の原料ガスとしては、Si,C,H
及び/又はハロゲン原子、及び第III族原子又は第V族
原子の中の少なくとも一つを構成原子とするガス状の物
質又はガス化し得る物質をガス化したものであれば、い
ずれのものであつてもよい。
Si,C,H及び/又はハロゲン原子、第III族原子又は第
V族原子の中の1つとしてSiを構成原子とする原料ガス
を使用する場合は、例えばSiを構成原子とする原料ガス
と、Cを構成原子とする原料ガスと、H及び/又はハロ
ゲン原子を構成原子とする原料ガスと第III族原子又は
第V族原子を構成原子とする原料ガスを所望の混合比で
混合して使用するか、又は、Siを構成原子とする原料ガ
スと、C及びH及び/又はハロゲン原子を構成原子とす
る原料ガスと、第III族原子又は第V族原子を構成原子
とする原料ガスとを、これも又所望の混合比で混合する
か、或いは、Siを構成原子とする原料ガスと、Si,C及び
H及び/又はハロゲン原子の3つを構成原子とする原料
ガスと第III族原子又は第V族原子を構成原子とする原
料ガスとを混合して使用することができる。
又、別には、SiとH及び/又はハロゲン原子とを構成
原子とする原料ガスにCを構成原子とする原料ガスと第
III族原子又は第V族原子を構成原子とする原料ガスと
を混合して使用してもよい。
a−SiC(H,X)で構成される層形成用の原料ガスとし
て有効に使用されるのは、SiとHとを構成原子とするSi
H4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のシラン(Silane)類等の
水素化硅素ガス、CとHとを構成原子とする、例えば炭
素数1〜4の飽和炭化水素、炭素数2〜4のエチレン系
炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン系炭化水素等を挙
げられる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(C
H4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、n−ブタン
(n−C4H10)、ペンタン(C5H12)、エチレン系炭化水
素としては、エチレン(C2H4)、プロピレン(C3H6)、
ブテン−1(C4H8)、ブテン−2(C4H8)、イソブチレ
ン(C4H8)、ペンテン(C3H10)、アセチレン系炭化水
素としては、アセチレン(C2H2)、メチルアセメチレン
(C3H4)、ブチン(C4H6)等が挙げられる。
SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとしては、Si
(CH34,Si(C2H54等のケイ化アルキルを挙げること
ができる。これ等の原料ガスの他、H導入用の原料ガス
としては勿論H2も使用できる。
第III族原子導入用の出発物質として具体的には硼素
原子導入用としては、B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H
10,B6H12,B6H14等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3
のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3,GaC
l3,Ga(CH32,InCl3,TlCl3等も挙げることができ
る。
第V族原子導入用の出発物質として、具体的には燐原
子導入用としては、PH3,P2H4等の水素化燐、PH4I,P
F3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等のハロゲン化
燐が挙げられる。この他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3
AsF5,SbH3,SbF3,SbF5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiC
l3,BiBr5等も第V族原子導入用の出発物質の有効なも
のとして挙げることができる。
スパツタリング法によつてa−SiCM(H,X)で構成さ
れる第二の層を形成するには、単結晶又は多結晶のSiウ
エーハー又はC(グラフアイト)ウエーハー、又はSiと
Cが混合されて含有されているウエーハーをターゲツト
として、これ等を所望のガス雰囲気中でスパツタリング
することによつて行う。
例えばSiウエーハーをターゲツトとして使用する場合
には、炭素原子、第III族原子又は第V族原子、および
水素原子又は/及びハロゲン原子を導入するための原料
ガスを、必要に応じてAr,He等の希釈ガスで希釈して、
スパツタ用の堆積室内に導入し、これ等のガスのガスプ
ラズマを形成してSiウエーハーをスパツタリングすれば
よい。
又、SiとCとは別々のターゲツトとするか、あるいは
SiとCの混合した1枚のターゲツトとして使用する場合
には、スパツタ用のガスとして第III族原子又は第V族
原子、および水素原子又は/及びハロゲン原子導入用の
原料ガスを、必要に応じて希釈ガスで希釈して、スパツ
タ用の堆積室内に導入し、ガスプラズマを形成してスパ
ツタリングすればよい。
該スパツタリング法に用いる各原子の導入用の原料ガ
スとしては、前述のグロー放電法に用いる原料ガスがそ
のまま使用できる。
以上記述したように、本発明の光受容部材の光受容層
の第一の層および第二の層は、グロー放電法、スパツタ
リング法等を用いて形成するが、第一の層および第二の
層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子、窒素原
子あるいはさらに酸素、炭素原子、あるいは水素原子及
び/又はハロゲン原子の各々の含有量の制御は、堆積室
内へ流入する、各々の原子供給用出発物質のガス流量あ
るいは各々の原子供給用出発物質間のガス流量比を制御
することにより行われる。
また、第一の層および第二の層形成時の支持体温度、
堆積室内のガス圧、放電パワー等の条件は、所望の特性
を有する光受容部材を得るためには重要な要因であり、
形成する層の機能に考慮をはらつて適宜選択されるもの
である。さらに、これらの層形成条件は、第一の層およ
び第二の層に含有せしめる上記の各原子の種類及び量に
よつても異なることもあることから、含有せしめる原子
の種類あるいはその量等にも考慮をはらつて決定する必
要もある。
具体的には、a−Si(H,X)からなる層を形成する場
合、あるいは第III族原子又は第V族原子、窒素原子又
はさらに窒素原子、および、炭素原子等を含有せしめた
a−Si(H,X)からなる層を形成する場合には、支持体
温度は、通常50〜350℃とするが、特に好ましくは50〜2
50℃とする。堆積室内のガス圧は、通常0.01〜1Torrと
するが、特に好ましくは0.1〜0.5Torrとする。また、放
電パワーは0.005〜50W/cm2とするのが通常であるが、よ
り好ましくは0.01〜30W/cm2、特に好ましくは0.01〜20W
/cm2とする。
しかし、これらの、層形成を行うについての支持体温
度、放電パワー、堆積室内のガス圧の具体的条件は、通
常には個々に独立しては容易には決め難いものである。
したがつて、所望の特性の非晶質材料層を形成すべく、
相互的且つ有機的関連性に基づいて、層形成の至適条件
を決めるのが望ましい。
ところで、本発明において第一の層中に含有せしめる
窒素原子又は酸素原子あるいは第二の層中に含有せしめ
る第III族原子又は第V族原子、および炭素原子の分布
状態を均一とするためには、第一の層および第二の層を
形成するに際して、前記の諸条件を一定に保つことが必
要である。
本発明において、第一の層の形成の際に、該層中に含
有せしめる第III族原子又は第V族原子、あるいは窒素
原子及び/又は酸素原子の分布濃度を層厚方向に変化さ
せて所望の層厚方向の分布状態を有する第一の層を形成
するには、グロー放電法を用いる場合であれば、第III
族原子又は第V族原子導入用、あるいは窒素原子及び/
又は酸素原子導入用の出発物質のガスの堆積室内に導入
する際のガス流量を、所望の変化率曲線に従つて適宜変
化させ、その他の条件を一定に保ちつつ形成する。ガス
流量を変化させるには、具体的には、例えば手動あるい
は外部駆動モータ等の通常用いられている何らかの方法
により、ガス流路系の途中に設けられた所定のニードル
バルブの開口を漸次変化させる操作を行えば良い。この
とき、流量の変化率は線型である必要はなく、例えばマ
イコン等を用いて、あらかじめ設計された変化率曲線に
従つて流量を制御し、所望の含有率曲線を得ることもで
きる。
また、第一の層をスパツタリング法を用いて形成する
場合、第III族原子又は第V族原子あるいは窒素原子又
は酸素原子の層厚方向の分布濃度を層厚方向で変化させ
て所望の層厚方向の分布状態を形成するには、グロー放
電法を用いた場合と同様に、第III族原子又は第V族原
子導入用あるいは窒素原子又は酸素原子導入用の出発物
質をガス状態で使用し、該ガスを堆積室内へ導入する際
のガス流量を所望に従つて変化させる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例1乃至11に従つて、より詳細に
説明するが、本発明はこれ等によつて限定されるもので
はない。
各実施例においては、第一の層および第二の層をグロ
ー放電法を用いて形成した。第14図はグロー放電法によ
る本発明の光受容部材の製造装置である。
図中の202,203,204,205,206のガスボンベには、本発
明の夫々の層を形成するための原料ガスが密封されてお
り、その1例として、たとえば、202はHeで希釈されたS
iH4ガス(純度99.999%、以下SiH4/Heと略す)ボンベ、
203はHeで希釈されたPH3ガス(純度99.999%、以下PH3/
Heと略す。)ボンベ、204はHeで希釈されたB2H6ガス
(純度99.999%、以下B2H6/Heと略す。)ボンベ、205は
C2H4ガス(純度99.999%)ボンベ、206はHeで希釈したN
H3ガス(純度99.999%、以下NH3/Heと略す。)ボンベで
ある。
形成される層中にハロゲン原子を導入する場合には、
SiH4ガスに代えて、例えば、SiF4ガスを用いる様にボン
ベを代えればよい。
これらのガスを反応室201に流入させるにはガスボン
ベ202〜206のバルブ222〜226、リークバルブ235が閉じ
られていることを確認し又、流入バルブ212〜216、流出
バルブ217〜221、補助バルブ232,233が開かれているこ
とを確認して、先ずメインバルブ234を開いて反応室20
1、ガス配管内を排気する。次に真空計236の読みが約5
×10-6Torrになつた時点で、補助バルブ232,233、流出
バルブ217〜221を閉じる。
基体シリンダー237上に第一の層102を形成する場合の
1例をあげる。ガスボンベ202よりSiH4/Heガス、ガスボ
ンベ204よりB2H6/Heガス、ガスボンベ206よりNH3/Heガ
スの夫々をバルブ222,224,226を開いて出口圧ゲージ22
7,229,231の圧を1kg/cm2に調整し、流入バルブ212,214,
216を徐々に開けて、マスフロコントローラ207,209,211
内に流入させる。引き続いて流出バルブ217,219,221、
補助バルブ232,233を徐々に開いてガスを反応室201内に
流入させる。このときのSiH4/Heガス流量、B2H6/Heガス
流量、NH3/Heガス流量の比が所望の値になるように流出
バルブ217,219,221を調整し、又、反応室201内の圧力が
所望の値になるように真空計236の読みを見ながらメイ
ンバルブ234の開口を調整する。そして基体シリンダー2
37の温度が加熱ヒーター238により50〜400℃の範囲の温
度に設定されていることを確認された後、電源240を所
望の電力に設定して反応室201内にグロー放電を生起せ
しめるとともに、マイクロコンピユーター(図示せず)
を用いて、あらかじめ設計された変化率線に従つて、B2
H6/Heガス流量、NH3/Heガス流量、SiH4/Heガス流量の比
を制御しながら、基体シリンダー237上に先ず、硼素原
子と窒素原子とを含有する層領域を形成する。
次に所定時間経過後、B2H6/Heガス及びNH3/Heガスの
反応室201内への導入を各対応するガス導入管のバルブ
を閉じて遮断し、引き続きグロー放電を所定時間続ける
ことによつて、硼素原子及び窒素原子を含有しない層を
形成せしめる。
第一の層中にハロゲン原子を含有せしめる場合には、
上記のガスに例えばSiF4/Heガスを更に付加して反応室
に送り込めばよい。
上記の様な操作によつて、基体シリンダー237上に形
成された第一に層上に第二の層を形成するには、第一の
層の形成の際と同様なバルブ操作によつて、例えば、Si
H4ガス、C2H4ガス、PH3ガスの夫々を、必要に応じてHe
等の希釈ガスで希釈して、所望の流量比で反応室201中
に流し、所望の条件に従つて、グロー放電を生起させる
ことによつて成される。
夫々の層を形成する際に必要なガスの流出バルブ以外
の流出バルブは全て閉じることは言うまでもなく、又夫
々の層を形成する際、前層の形成に使用したガスが反応
室201内、流出バルブ217〜221から反応201内に至るガス
配管内に残留することを避けるために、必要に応じて流
出バルブ217〜221を閉じ補助バルブ232,233を開いてメ
インバルブ234を全開して系内を一旦高真空に排気する
操作を行う。
又、第二の層の層形成を行つている間は層形成の均一
化を図るため基体シリンダー237は、モータ239によつて
所望される速度で一定に回転させる。
実施例1 第14図に示した製造装置を用いて、第1表に示す層形
成条件に従つて、通常の方法で洗浄したドラム状アルミ
ニウム基体上に層形成を行なつた。この際、B2H6/SiH4
のガス流量比の変化は、予め設計した第15図に示す流量
比変化線に従つて、マイクロコンピユーター制御によ
り、自動的に調整した。
こうして得られた電子写真用のドラム状光受容部材
を、実験用に改造したキヤノン製高速複写機に設置し、
キヤノン製テストチヤートを原稿として、画像形成プロ
セス条件(光源はタングステンランプを使用)を適宜選
択し、複写テストを行なつたところ、解像力に優れた高
品質の画像を得ることができた。
実施例2 第2表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比およびNH3/SiH4ガス流量比を各々第16図および第1
7図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例
1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、
実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解像力
に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例3 第3表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比およびNH3/SiH4ガス流量比を各々第16図および第1
7図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例
1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、
実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解像力
に優れた高品質の画像を得ることができた。
参考例1 第4表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比を第18図に示す流量比変化線に従つて制御した以外
は実施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部
材を得、実施例1と同様の複写テストを行なつたとこ
ろ、解像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
参考例2 第5表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比を第19図に示す流量比変化線に従つて制御した以外
は実施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部
材を得、実施例1と同様の複写テストを行なつたとこ
ろ、解像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例4 第6表に示す層形成条件に従つて、NH3/SiH4ガス流
量比およびB2H6/SiH4ガス流量比を各々第17図および第
20図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例
1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、
実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解像力
に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例5 第7表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比を第15図に示す流量比変化線に従つて制御した以外
は実施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部
材を得、実施例1と同様の複写テストを行なつたとこ
ろ、解像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例6 第8表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比を第15図に示す流量比変化線に従つて制御した以外
は実施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部
材を得、実施例1と同様の覆写テストを行なつたとこ
ろ、解像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例7 第1表に於ける、第二の層(II)の形成の際に、その
層厚を第9表に示す如く種々変化させた以外は、実施例
1と同様の手順と略々同様の条件で各光受容部材(試料
No.901〜907)を作成し、各々に実施例1と同様の画像
形成プロセスを適用して評価を行なつたところ第9表に
示す結果を得た。
実施例8 第1表に於ける、第二の層(II)の形成の際にガス流
量比C2H4/SiH4の値を第10表に示す値とした以外は、実
施例1と同様の手順と略同様の条件で各光受容部材(試
料No.1001〜1007)を作成し、実施例1と同様の評価を
行なつたところ、各々に於いて中間調の再現性が良く、
高品質の画像を得ることができた。
又、繰返し連続使用による耐久性試験に於いても、初
期の画像品質に比べても何等遜色のない品質の画像を得
ることができ、耐久性にも優れていることが実証され
た。
実施例9 第11表に示す層形成条件に従つて、B2H6/SiH4ガス流
量比およびNO/SiH4ガス流量を各々第16図および第17図
に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例1と
同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、実施
例1と同様の複写テストを行なつたところ、解像力に優
れた高品質の画像を得ることができた。
〔発明の効果の概略〕 本発明では、a−Siで構成された光受容層を有する光
受容部材を上記のごとき層構成をとる様に設計した結
果、従来のa−Siで構成された光受容層を有する光受容
部材の諸問題の全てを解決し、極めて優れた電気的、光
学的、光導電的特性、電気的耐圧性および使用環境特性
を示す。特に、電子写真用像形成部材として適用させた
場合には、画像形成への残留電位の影響が全くなく、そ
の電気的特性が安定しており高感度で、高SNを有するも
のであつて、耐光疲労、繰返し使用特性に長け、濃度が
高く、ハーフトーンが鮮明に出て、且つ解像度の高い、
高品質の画像を安定して繰返し得ることができる。
また、本発明の光受容部材は支持体上に形成される光
受容層の、層自体が強靱であつて、かつ支持体との密着
性に著しく優れているため、高速で長時間連続的に繰返
し使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は本発明の光受容部材の層構造を模式的に示
した図であり、第5〜13図は本発明の光受容部材の第一
の層における第III族原子又は第V族原子および窒素原
子の層厚方向の分布濃度を示す図であり、縦軸は層厚t
を示し、横軸は分布濃度cを表わす。さらに、第14図は
本発明の光受容部材を製造するための装置の一例で、グ
ロー放電法を用いた製造装置の模式的説明図であり、第
15〜20図は本発明の層形成中のガス流量比変化の状態を
表わす図である。 100…光受容部材、101…支持体、102…第一の層、103…
第二の層、104…自由表面、105〜109…層領域、201…反
応室、202〜206…ガスボンベ、207〜211…マスフロコン
トローラ、212〜216…流入バルブ、217〜221…流出バル
ブ、222〜226…バルブ、227〜231…圧力調整器、232,23
3…補助バルブ、234…メインバルブ、235…リークバル
ブ、236…真空計、237…基体シリンダー、238…加熱ヒ
ーター、239…モーター、240…高周波電源
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/08 316 G03G 5/08 316

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、該支持体上に、シリコン原子を
    母体とし、周期律表第III族または第V族に属する原子
    を前記支持体側の方に高くして表面側に向かって減少す
    る領域を有するように層厚方向に不均一な分布状態で含
    有する非晶質材料で構成された層厚1〜100μの第一の
    層と、シリコン原子を母体とし、炭素原子を含有し、更
    に水素原子または水素原子とハロゲン原子を該水素原子
    の含有量あるいは該水素原子と該ハロゲン原子との含有
    量の和が0.01〜40atomic%の量含有し、且つ周期律表第
    III族または第V族に属する原子を層厚方向に均一な分
    布状態で1.0〜104atomic ppm含有する非晶質材料で構成
    された層厚3×10-3〜30μの第二の層とが支持体側から
    順に積層された光受容層を有し、少なくとも前記第一の
    層の前記支持体と接する領域と前記第二の層のいずれか
    一方に窒素原子が1×10-3〜50atomic%の量含有されて
    いることを特徴とする光受容部材。
  2. 【請求項2】前記第一の層または前記第二の層に酸素原
    子が含有される特許請求の範囲第1項に記載の光受容部
    材。
  3. 【請求項3】前記酸素原子は層厚方向に均一に分布され
    た状態で含有される特許請求の範囲第1項に記載の光受
    容部材。
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