JPH0756570B2 - 光受容部材 - Google Patents

光受容部材

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JPH0756570B2
JPH0756570B2 JP60108257A JP10825785A JPH0756570B2 JP H0756570 B2 JPH0756570 B2 JP H0756570B2 JP 60108257 A JP60108257 A JP 60108257A JP 10825785 A JP10825785 A JP 10825785A JP H0756570 B2 JPH0756570 B2 JP H0756570B2
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
    • G03G5/08214Silicon-based
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の層する技術分野〕 本発明は、光(ここでは広義の光であつて、紫外線、可
視光線、赤外線、X線、γ線等を意味する。)のような
電磁波に対して感受性のある光受容部材に関する。
〔従来技術の説明〕
固体撮像装置、或いて像形成分野における電子写真用像
形成部材や原稿読取装置における光導電層を形成する光
導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗
電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性
に適合した吸収スペクトル特性を有すること、光応答性
が速く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において
人体に対して無公害であること、更には固体撮像装置に
おいては、残像を所定時間内に容易に処理することがで
きること等の特性が要求される。殊に、事務機としてオ
フイスで使用される電子写真装置内に組込まれる電子写
真用像形成部材の場合には、上記の使用時における無公
害生が重要な点である。
この様な点に立脚して最近注目されている光受容材料に
アモルフアスシリコン(以後a−Siと表記する。)があ
り、例えば、独国公開第2746967号公報、同第2855718号
公報には電子写真用像形成部材としての使用、また、独
国公開第2933411号公報には光電変換読取装置への応用
が記載されている。
しかしながら、従来のa−Siで構成された光受容層を有
する光受容部材は、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電
気的、光学的、光導電的特性、及び使用環境特性の点、
更には経時的安定性及び耐久性の点において、各々、個
々には特性の向上が計られているが、総合的な特性向上
を計る上で更に改良される余地が多々存在するのが実情
である。
例えば、電子写真用像形成部材に適用した場合に、高光
感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとすると従来法では
その使用時において残留電位が残る場合が度々観測さ
れ、この種の光受容部材が長時間繰返し使用し続ける
と、繰返し使用による疲労の蓄積が起つて、残像が生ず
る所謂ゴースト現象を発する様になる等の不都合な点が
少なくなかつた。
又、a−Si材料で光受容層を構成する場合には、その電
気的、光導電的特性の改良を計るために、水素原子或い
は弗素原子や塩素原子等のハロゲン原子、及び電気伝導
型の制御のために硼素原子や燐原子等が或いはその他の
特性改良のために他の原子が、各々構成原子として光受
容層中に含有されるが、これ等の構成原子の含有の仕方
如何によつては、形成した層の電気的或いは光導電的特
性や電気的耐圧性に問題が生ずる場合があつた。
即ち、例えば、形成した光受容層中に光照射によつて発
生したフオトキヤリアの該層中での寿命が充分でないこ
とや、暗部における支持体側よりの電荷の注入の阻止が
充分でないこと、或いは、転写紙に転写された画像に俗
に「白ヌケ」と呼ばれる、局所的な放電破壊現象による
と思われる画像欠陥や、クリーニングにブレードを用い
るとその摺擦によると思われる、俗に「白スジ」と云わ
れている画像欠陥が生じたりしていた。又、多湿雰囲気
中で使用したり、或いは多湿雰囲気中に長時間放置した
直後に使用すると、俗に云う画像のボケが生ずる場合が
少なくなかつた。
更には、像厚が十数μ以上になると層形成用の真空堆積
室より取り出した後、空気中での放置時間の経過ととも
に、支持体表面からの層の浮きや剥離、或いは層に亀裂
が生ずる等の現象を引起し勝ちになる。この現象は、殊
に支持体が通常、電子写真分野に於いて使用されている
ドラム状支持体の場合に多く起る等、経時的安定性の点
に於いて解決されるべき問題がいくつかある。
また更に、a−Siで構成された光受容層を有する光受容
部材は、全波長にわたり高い感度を有しいて、特に長波
長域における光感度が、セレン系感光体等に比べて優れ
ているという特徴を有している。しかし、近年、半導体
レーザ(770〜800μm)を光源とする電子写真法を用い
たレーザプリンタの実用化が試みられてきているとこ
ろ、この種のプリンタにあつては高速化が要求されるこ
とから、a−Siで構成された光受容層を有する光受容部
材の長波長域における更なる増感が必要となつてきてい
る。
従つてa−Si材料そのものの特性改良が計られる一方で
光受容部材を設計する際に、上記した様な問題が解決さ
れ、且つまた前述の要求が満たされる様に工夫される必
要がある。
〔発明の目的〕
本発明は、a−Siで構成された光受容層を有する光受容
部材について、上述の諸問題を解決し、そして上述の要
求を満たすようにすることを目的とするものである。
すなわち、本発明の主たる目的は、電気的、光学的、光
導電的特性が使用環境に殆んど依存することなく実質的
に常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰返し使用に際
しても劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留
電位が全く又は殆んど観測されない、a−Siで構成され
た光受容層を有する光受容部材を提供することにある。
本発明の別の目的は、全可視光域において高感度が高
く、とくに半導体レーザとのマツチング性に優れ、且つ
光応答の速い、a−Siで構成された光受容層を有する光
受容部材を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、高光感度性、高SN比特性及び
高電気的耐圧性を有する、a−Siで構成された光受容層
を有する光受容部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、支持体上に設けられる層と支持体
との間や積層される層の各層間に於ける密着性に優れ、
構造配列的に緻密で安定的であり、層品質の高い、a−
Siで構成された光受容層を有する光受容部材を提供する
ことにある。
本発明の更に他の目的は、長期の使用にあつても画像欠
陥や画像のボケが全くなく、濃度が高く、ハーフトーン
が鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質画像を得ること
のできるa−Siで構成された光受容層を有する電子写真
用の光受容部材を提供することにある。
本発明のもう一つの他の目的は、電子写真用像形成部材
として適用した場合、静電像形成のための帯電処理の際
の電荷保持能力が充分あり、通常の電子写真法が極めて
有効に適用され得る優れた電子写真特性を有する、a−
Siで構成された光受容層を有する光受容部材を提供する
ことにある。
〔発明の構成〕
本発明は、上述の目的を達成するものであつて、電子写
真用像形成部材や、固体撮像装置、読取装置等に使用さ
れる光受容部材としてのa−Siの製品成立性、適用性、
応用性等の事項を含めて総括的に鋭意研究を続けた結
果、シリコン原子(Si)とゲルマニウム原子(Ge)を母
体とする非晶質材料、特にシリコン原子とゲルマニウム
原子を母体とし、水素原子(H)又はハロゲン原子
(X)の少なくともいずれか一方を含有する非晶質材
料、いわゆる水素化アモルフアスシリコンゲルマニウ
ム、ハロゲン化アモルフアスシリコンゲルマニウム、あ
るいはハロゲン含有水素化アモルフアスシリコンゲルマ
ニウム〔以下、「a−SiGe(H,X)」と表記する。〕で
構成される層領域を有する光受容部材の層構成を以下に
記載する様に特定化して作成された光受容部材が、実用
上著しく優れた特性を示すばかりでなく、従来の光受容
部材と比較してもあらゆる点において凌駕しているこ
と、特に電子写真用の光受容部材として著しく優れた特
性を有していること、及び、長波長側に於ける吸収スペ
クトル特性に優れていることを見い出したことに基づい
て完成せしめたものである。
即ち、本発明の光受容部材は支持体と、シリコン原子を
母体とし、ゲルマニウム原子を層厚方向に均一な分布状
態で含有する第一の層領域とシリコン原子を母体としゲ
ルマニウム原子を含有しない第二の層領域とを有し、且
つ、周期律表第III族または第V族に属する原子をその
濃度分布が前記支持体側の方に高くして表面側に向かっ
て減少する領域を有するように層厚方向に不均一な分布
状態で含有する非晶質材料で構成された1〜100μmの
層厚の第一の層と、シリコン原子を母体とし、炭素原子
を含有し、更に、水素原子または水素原子とハロゲン原
子を該水素原子の含有量あるいは該水素原子と該ハロゲ
ン原子との含有量の和が0.01〜40atomic%である量含有
し、且つ周期律表第III族または第V族に属する原子を
層厚方向に均一な分布状態で1.0〜104atomic ppm含有す
る非晶質材料で構成された3×10-3〜30μmの層厚の第
二の層とが支持体側から順に積層された光受容層を有
し、前記第一の層と前記第二の層の少なくともいずれか
一方に層厚方向に均一な分布状態で酸素原子が含有され
ていることを特徴とする。
そして前記第一の層を構成するシリコン原子を母体とす
る非晶質材料として、特にシリコン原子(Si)を母体と
して水素原子(H)又はハロゲン原子(X)の少なくと
もいずれか一方を含有するアモルフアス材料、即ち、a
−Si(H,X)を用いる。前記第二の層を構成するシリコ
ン原子を母体とし、炭素原子(C)および伝導性を制御
する物質を含有する非晶質材料として、特にシリコン原
子(Si)を母体とし、炭素原子(C)、伝導性を制御す
る物質および水素原子(H)又は水素原子(H)とハロ
ゲン原子(X)を含有するアモルフアス材料〔以下、
「a−SiCM(H,X)」(但し、Mは伝導性を制御する物
質を表わす。)と表記する。」を用いる。なお、本明細
書においては、第二の層に含有される水素原子又は水素
原子とハロゲン原子を、便宜上“水素原子または/及び
ハロゲン原子”と表現する場合もある。
前記の伝導性を制御する物質としては、半導体分野に於
ていう、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導
性を与える周期律表第III族に属する原子(以下単に
「第III族原子」と称す。)、又は、n型伝導性を与え
る周期律表第V族に属する原子(以下単に「第V族原
子」と称す。)を用いる。具体的には、第III族原子と
しては、B(硼素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウ
ム)、In(インジウム)、Tl(タリウム)等が挙げられ
るが、特に好ましくは、B、Gaを用いる。また、第V族
原子としては、P(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモ
ン)、Bi(ビスマス)等が挙げられるが、特に好ましく
は、P、Asを用いる。そして、第一の層に含有せしめる
伝導性を制御する物質と、第二の層に含有せしめる伝導
性を制御する物質とは、同じであつても、或いは、異な
つていてもよい。
ところで、本発明の光受容部材において、第一の層の支
持体を接する一部の層領域中にゲルマニウムを均一な分
布状態で含有せしめる目的は、長波長側における吸収ス
ペクトル特性を向上せしめることにある。そしてゲルマ
ニウム原子を支持体と接する一部の層領域中に均一な分
布状態で含有してなる第一の層を有する本発明の光受容
部材は、特に電子写真用の光受容部材として用いた場
合、全可視光域において高感度が高く、かつ光応答性に
優れているといつた際立つた特性を示す。また、本発明
の光受容部材では支持体と接する一部の層領域にゲルマ
ニウム原子を含有せしめるため、特に半導体レーザー等
の長波長のものを用いた場合において、ゲルマニウム原
子を含有する該層領域が、該長波長側の光を完全に吸収
するため、支持体表面からの反射によつて生ずる干渉と
いう現象の発生を防止することができるものである。
また、本発明の光受容部材は、第一の層の全層領域又は
一部の層領域に前記の伝導性を制御する物質である第II
I族原子又は第V族原子を不均一な分布状態で含有する
ものであるが、第一の層に伝導性を制御する物質を含有
せしめることにより、第一の層の伝導型又は1及び先導
率の制御、電荷阻止層の形成、第一の層と第二の層との
間の電荷の移送の向上、あるいは、帯電処理時における
見掛け上の暗抵抗の増大等の作用効果を奏するものであ
る。
そして後に詳しく述べるように、伝導性を制御する物質
を含有せしめる第一の層の層領域が全層領域であるか又
は一部の層領域であるか、あるいは第一の層の含有せし
める伝導性を制御する物質の伝導型が第二の層に含有せ
しめる伝導性を制御する物質の伝導型と同じであるか又
は異なつているかによつて、前述の奏される作用効果は
異なるものであり、目的及び期待する作用効果に応じ
て、伝導性を制御する物質を含有せしめる層領域および
伝導性を制御する物質の伝導型を適宜選択する必要があ
る。
更に、本発明の光受容部材は、第一の層の全層領域又は
一部の層領域および第二の層の全層領域の少なくともい
ずれかに、酸素原子を均一又は不均一な分布状態で含有
するものであり、第一の層の酸素原子を含有せしめるこ
とにより、光受容部材の高光感度化と高暗抵抗化、およ
び支持体と第一の層の間又は第一の層と第二の層の間の
密着性の良化等の作用効果を奏するものである。そし
て、これらの作用効果についても、酸素原子を第一の層
の全層領域に含有せしめるか、又は第一の層の一部の層
領域に含有せしめるか、又は第二の層に含有せしめる
か、あるいは均一な分布状態で含有せしめるか又は不均
一な分布状態で含有せしめるかによつて異なつているも
のであり、目的と期待する作用効果に応じて、酸素原子
を含有せしめる層又は層領域および分布状態を適宜選択
する必要がある。
本発明の光受容部材の第二の層は光受容部材の耐湿度
性、連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特
性、および耐久性を向上させるために第一の層上に設け
られるものであつて、このことは第二の層に炭素原子を
含有せしめることにより達成できる。さらに、こうした
第二の層を第一の層上に設けると、残留電位の発生およ
び帯電処理時における静電荷的痕跡傷の発生等の問題を
生ずる場合が多々あるが、第二の層に前述の伝導性を制
御する物質である第III族原子又は第V族原子を含有せ
しめることによりこうした問題の発生を未然に防止でき
る。
本発明の光受容部材の第一の層および第二の層について
は、前者には必要に応じて水素原子(H)又は/及びハ
ロゲン原子(X)を含有せしめ、後者には水素原子
(H)又は水素原子(H)とハロゲン原子(X)を含有
せしめる。該ハロゲン原子(X)としては、具体的には
フツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、特に好ま
しいものはフツ素および塩素である。そして、本発明の
第一の層および第二の層に含有せしめる水素原子(H)
の量またはハロゲン原子(X)の量、あるいは水素原子
とハロゲン原子(H+X)の量の和(但し、第二の層に
おいては水素原子(H)の量または水素原子とハロゲン
原子(H+X)の量の和)は、一般的には1×10-2〜4
×10atomic%とするが、好ましくは5×10-2〜3×10at
omic%、最適には1×10-1〜25atomic%とする。
以下、図面により本発明の光受容部材の具体的層構成に
ついて詳しく説明する。
第1〜4図は本発明の光受容部材の層構成を説明するた
めの模式図であり、各図において100は光受容部材、101
は支持体、102は第一の層、103は第二の層、104は自由
表面を、105〜110は層領域を示す。
支持体 本発明に用いる支持体101は、導電性のものであつて
も、また電気絶縁性のものであつてもよい。導電性支持
体としては、例えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、Mo、
Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb等の金属又はこれ等の合金
が挙げられる。電気絶縁性支持体としては、ポリエステ
ル、ポチエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフ
イルム又はシート、ガラス、セラミツク、紙等が挙げら
れる。これ等の電気絶縁性支持体は、好適には少なくと
もその一方の表面を導電処理し、該導電処理された表面
側に光受容層を設けるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr、Al、Cr、
Mo、Au、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、In2O3、SnO2、I
TO(In2O3+SnO2)等から成る薄膜を設けることによつ
て導電性を付与し、或いはポリエステルフイルム等の合
成樹脂フイルムであれば、NiCr、Al、Ag、Pb、Zn、Ni、
Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt等の金属の薄膜を
真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパツタリング等でその表
面に設け、又は前記金属でその表面をラミネート処理し
て、その表面に導電性を付与する。支持体の形成は、円
筒状、ベルト状、板状等任意の形状が使用可能である。
用途、所望によつて、その形状は適宜に決めることので
きるものであるが、例えば、電子写真用像形成部材とし
て使用するのであれば、連続高速複写の場合には、無端
ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持体の厚さ
は、所望通りの光受容部材を形成しうる様に適宜決定す
るが、光受容部材としての可撓性が要求される場合に
は、支持体としての機能を充分発揮しうる範囲内で可能
な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体の
製造上及び取扱い上、機械的強度等の点から、通常は、
10μ以上にされる。
第一の層 第一の層102は、前記支持体101上に設けるものであつ
て、支持体側よりゲルマニウム原子を含有するa−Si
(H,X)、即ちa−SiGe(H,X)で構成される層領域105
とゲルマニウム原子を含有しないa−Si(H,X)で構成
される層領域106とが順に積層された層構成を有するも
のである。第2図は該層構成を模式的に示すものであ
る。そして、本発明の光受容部材の第一の層102には、
伝導性を制御する物質である第III族原子又は第V族原
子、および必要に応じて酸素原子を含有するものであ
り、第III族原子又は第V族原子は該層102の全層領域又
は一部の層領域に均一な分布状態で分布しており、酸素
原子は該層102の全層領域又は一部の層領域に均一又は
不均一な分布状態で分布している。ここで均一な分布状
態とは、含有せしめる原子の分布状態が、第一の層の支
持体表面と平行な面方向および第一の層の層厚方向の双
方において均一であることをいい、不均一な分布状態と
は、含有せしめる原子の分布濃度が、第一の層の支持体
表面と平行な面方向においては均一であるが、第一の層
の層厚方向においては不均一であることをいう。
本発明の光受容部材は、第一の層102の支持体と接する
一部の層領域105にゲルマニウム原子を均一な分布状態
で含有しているため、長波長側における吸収スペクトル
特性が向上し、比較的短波長から比較的長波長までの全
可視光域において光感度が高く、且つ光応答性が優れて
いるといつた際立つた特性を有するところのものとな
る。そして、半導体レーザー等の長波長のものを光源と
して用いた場合、ゲルマニウム原子を含有しない層領域
106では殆んど吸収しきれない長波長域の光を、ゲルマ
ニウム原子を含有する層領域105では実質的に完全に吸
収することができるため、支持体表面からの反射による
干渉といつた現象の発生を未然に防止できる。したがつ
て、支持体と接する一部の層領域105にゲルマニウム原
子を含有せしめることは、特に重要である。そして、第
一の層の支持体と接する一部の層領域105に含有せしめ
るゲルマニウム原子の量は、本発明の目的を達成しうる
所望の特性に従つて適宜決められるものであり、通常は
1〜9.5×105atomic ppmとするが、好ましくは1×102
〜8×105atomic ppm、最適には5×102〜7×105atomi
c ppmとするのが望ましい。
ゲルマニウム原子を含有する層領域105の層厚(TG)と
ゲルマニウム原子を含有しない層領域106の層厚(T)
とは、本発明の目的を効率的に達成する為には重要な要
因の一つであり、形成される光受容部材に所望の特性が
充分に与えられる様に、光受容部材の設計の際にはこれ
等の層厚について充分な注意を払わなければならない
が、層領域105の層厚(TB)は通常3×10-3〜50μとす
るが好ましくは4×10-3〜40μ、最適には5×10-3〜50
μとするのが望ましい。また、層領域106の層厚(T)
は通常0.5〜90μとするが、好ましくは1〜80μ、最適
には2〜50μとするのがの望ましい。
さらに、層領域105の層厚(TB)と層領域106の層厚
(T)との和(TB+T)は、両方の層領域に要求される
特性と第一の層全体に要求される特性、さらには光受容
層全体に要求される特性との相互的かつ有機的関連性に
基づいて、光受容部材の層形成の際に充分に考慮して決
定する必要があり、通常は1〜100μとするが、好まし
くは1〜80μ、最適には2〜50μとするのが望ましい。
さらにまた、上記の層領域105の層厚(TB)と層領域106
の層厚(T)は、TB/T≦1なる関係を満足するように、
各々を決定するのが望ましく、より好ましくはTB/T≦0.
9、最適にはTB/T≦0.8なる関係を満足するように決定す
るのが望ましい。
前記層領域105の層厚は、該層領域105に含有せしめるゲ
ルマニウム原子の量も考慮して決める必要があり、例え
ば、含有せしめるゲルマニウム原子の量が1×105atomi
c ppm以上である場合には層領域105の層厚(TB)として
はかなり薄くするのが望ましく、具体的には30μ以下、
好ましくは25μ以下、最適には20μ以下とするのが望ま
しい。
本発明の第一の層に伝導性を制御する物質である第III
族原子又は第V族原子を含有せしめることによつて奏さ
れる作用、効果は、後述するごとく、該原子の分布状態
によつて、あるいは、第一の層に含有せしめる第III族
原子又は第V族原子の伝導型が、第二の層に含有せしめ
る第III族原子又は第V族原子の伝導型と同じであるか
又は異なつているかによつて異なるものである。したが
つて、目的に応じた所望の特性を有する光受容部材を得
るためには、第III族原子又は第V族原子を不均一な分
布状態で含有せしめる層領域を全層領域とするか又は一
部の層領域とするか、また、第III族原子又は第V族原
子の伝導型を第二の層のものと同じにするか、又は異な
るものとするかを適宜選択する必要がある。さらに、第
一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の量
も、目的とする作用効果に応じて異なることから、目的
に応じた所望の特性を有する光受容部材を得るために
は、第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原
子の量についても適宜選択する必要がある。
即ち、第一の層の全層領域に第III族原子又は第V族原
子を含有せしめる場合には、第一の層の伝導性及び/又
は伝導率を制御するという作用効果を奏する。そしてこ
の場合、第一の層領域に含有せしめる第III族原子又は
第V族原子の量は比較的少量でよく、通常は1×10-3
1×103atomic ppmとするが、好ましくは5×10-2〜5
×102atomic ppm、最適には1×10-1〜2×102atomic p
pmとするのが望ましい。又、この場合、第一の層に含有
せしめる伝導性を制御する物質の伝導型は、後述する第
二の層に含有せしめるものの伝導型と同じであつても、
あるいは異なつていてもよい。
また、第一の層について、支持体と接する側において第
III族原子又は第V族原子の含有量が比較的多量とな
り、第二の層と接する側において第III族原子又は第V
族原子の含有量が比較的少量となるかあるいは実質的に
ゼロに近くなるようにした場合、第III族原子又は第V
族原子を比較的多量に含有する層領域によつて電荷阻止
層が形成されるという作用効果を奏する。この場合、第
一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の量
は比較的多量であつて、通常は3×10〜5×104atomic
ppmとするが、好ましくは5×10〜1×104atomic ppm、
最適には1×102〜5×103atomic ppmとする。
次に第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原
子の量が、支持体側においては比較的多量であつて、支
持体側から第二の層との界面に向つて減少し、第二の層
との界面付近においては、比較的少量となるかあるいは
実質的にゼロに近くなるように、第III族原子又は第V
族原子を分布させる場合の典型例のいくつかを、第5図
乃至第13図によつて説明するが、本発明はこれらの例に
よつて限定されるものではない。
各図において、横軸は第III族原子又は第V族原子の分
布濃度Cを、縦軸は第一の層102の層厚を示し、tBは支
持体101側と第一の層との界面位置を、tTは第二の層103
と第一の層との界面位置を示す。
第5図は、第一の層中に含有せしめる第III族原子又は
第V族原子の層厚方向の分布状態の第一の典型例を示し
ている。該例では、第III族原子又は第V族原子を含有
する第一の層と支持体表面とが接する界面位置tBより位
置t1までは、第III族原子又は第V族原子の分布濃度C
がC1なる一定値をとり、位置t1より第一の層が第二の層
と接する界面位置tTまでは、第III族原子又は第V族原
子の分布濃度Cが濃度C2から連続的に減少し、界面位置
tTにおいては第III族原子又は第V族原子の分布濃度C
がC3となる。
第6図は、他の典型例の一つを示している。該例では、
第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の
分布濃度Cは、位置tBから位置tTにいたるまで、濃度C4
から連続的に減少し、位置tTにおいて濃度C5となる。
第7図に示す例では、位置tBから位置t2までは第III族
原子又は第V族原子の分布濃度Cが濃度C6なる一定値を
保ち、位置t2から位置tTにいたるまでは、第III族原子
又は第V族原子の分布濃度Cは濃度C7から徐々に連続的
に減少して位置tTにおいては第III族原子又は第V族原
子の分布濃度Cは実質的にゼロとなる。但し、ここで実
質的にゼロとは、検出限界量未満の場合をいう。
第8図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の分
布濃度Cは位置tBより位置tTにいたるまで、濃度C8から
連続的に徐々に減少し、位置tTにおいては第III族原子
又は第V族原子の分布濃度Cは実質的にゼロとなる。
第9図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の分
布濃度Cは、位置tBより位置t3の間においては濃度C9
一定値にあり、位置t3から位置tTの間においては、濃度
C9から濃度C10となるまで、一次関数的に減少する。
第10図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の分
布濃度Cは、位置tBより位置t4にいたるまでは濃度C11
の一定値であり、位置t4より位置tTまでは濃度C12から
濃度C13となるまで一次関数的に減少する。
第11図に示す例においては、第III族原子又は第V族原
子の分布濃度Cは、位置tBから位置tTにいたるまで、濃
度C14から実質的にゼロとなるまで一次関数的に減少す
る。
第12図に示す例では、第III族原子又は第V族原子の分
布濃度Cは、位置tBから位置t5にいたるまで濃度C15
ら濃度C16となるまで一次関数的に減少し、位置t5から
位置tTまでは濃度C16の一定値を保つ。
最後に、第13図に示す例では、第III族原子又は第V族
原子の分布濃度Cは、位置tBにおいて濃度C17であり、
位置tBから位置t6までは濃度C17からはじめはゆつくり
減少して、位置t6付近では急激に減少し、位置t6では濃
度C18となる。次に、位置t6から位置t7までははじめの
うちは急激に減少し、その後は緩かに徐々に減少し、位
置t7においては濃度C19となる。更に位置t7と位置t8
間では極めてゆつくりと徐々に減少し、位置t8において
濃度C20となる。また更に、位置t8から位置tTにいたる
までは、濃度C20から実質的にゼロとなるまで徐々に減
少する。
第2図〜第10図に示した例のごとく、第一の層の支持体
側に近い側に第III族原子又は第V族原子の分布濃度C
の高い部分を有し、第一の層の第二の層との界面側にお
いては、該分布濃度Cがかなり低い濃度の部分あるいは
実質的にゼロに近い濃度の部分を有する場合にあつて
は、支持体側に近い部分に第III族原子又は第V族原子
の分布濃度が比較的高濃度である局在領域を設けるこ
と、好ましくは該局在領域Aを支持体表面と接触する界
面位置から5μ以内に設けることにより、第III族原子
又は第V族原子の分布濃度が高濃度である層領域が電荷
注入阻止層を形成するという前述の作用効果がより一層
効率的に奏される。
また、上述の場合とは逆に、第一の層の第二の層と接す
る側において伝導性を制御する物質である第III族原子
又は第V族原子が比較的多量となるように含有せしめる
場合、第一の層と第二の層に含有せしめる伝導性を制御
する物質の伝導型が同じであれば、第一の層と第二の層
の間のエネルギーレベル的整合性を向上せしめ、両層間
での電荷の移送を高めるという作用効果が奏され、この
作用効果は第二の層の層厚が厚く、暗抵抗が高い場合に
特に顕著である。
さらに、第一の層の第二の層と接する側において比較的
多量となるように伝導性を制御する物質である第III族
原子又は第V族原子を含有せしめる場合において、第一
の層と第二の層に含有せしめる伝導性を制御する物質の
伝導型が異なつていれば、該多量に含有せしめた層領域
は積極的に第一の層と第二の層の接合部となり、帯電処
理時における見掛け上の暗抵抗の増大をはかるという作
用効果が奏される。
いずれの場合にも、第一の層の第二の層と接合する側に
おいて第III族原子又は第V族原子を比較的多量となる
ように含有せしめる場合の、第III族原子又は第V族原
子の第一の層における分布状態の典型例のいくつかは、
前述の第5図乃至第11図により示した典型例の層厚方向
を逆にしたもの、すなわち、tBを第二の層103と第一の
層102との界面位置とし、tTを支持体と第一の層の界面
位置としたものによつて、同様に説明される。そして、
第二の層と接する側において、第III族原子又は第V族
原子を比較的多量に含有せしめる場合は、その量は比較
的わずかな量でよく、通常は1×10-3〜1×103atomic
ppmとするが、好ましくは5×10-2〜5×102atomic pp
m、最適には1×10-1〜2×102atomic ppmとするのが望
ましい。
以上、第III族原子又は第V族原子の分布状態につい
て、個々に各々の作用効果を記述したが、所望の目的を
達成しうる特性を有する光受容部材を得るについては、
これらの第III族原子又は第V族原子の分布状態および
第一の層に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の
量を、必要に応じて適宜組み合わせて用いるものである
ことは、いうまでもない。
本発明の光受容部材は第一の層に酸素原子を含有せしめ
ることにより、第一の層の光感度および暗抵抗が増大
し、さらに、支持体と第一の層又は第一の層と第二の層
の密着性が良化するものである。
第一の層の酸素原子を含有せしめる層領域は、第一の層
の全層領域であつてもよく、また、一部の層領域であつ
てもよい。さらに、該層領域における酸素原子の分布状
態は、均一であつてもよく、また、不均一であつてもよ
い。そして、後述するごとく、酸素原子を含有せしめる
層領域が全層領域であるか又は一部の層領域であるかに
より、あるいは酸素原子の該領域における分布状態が均
一であるか不均一であるかによつて、奏されるところの
作用効果は異なるものである。したがつて、所望の目的
および期待する作用効果を効率的に達成しうる光受容部
材を得るためには、酸素原子を含有せしめる層領域およ
び分布状態を適宜選択する必要がある。さらに、第一の
層に含有せしめる酸素原子の最も、目的及び期待する作
用効果に応じて異なるものであることから、所望の目的
・作用効果を奏する光受容部材を得るためには、第一の
層に含有せしめる酸素原子の量についても適宜選択する
必要がある。
即ち、第1図において模式的に示すごとく、第一の層の
全層領域に酸素原子を含有せしめる場合、第一の層の光
感度および暗抵抗を増大させるという効果が奏される。
この場合、第一の層に含有せしめる酸素原子の量は、高
光感度を維持するために、比較的少量とする。
また、第2図において模式的に示すごとく、第一の層の
支持体と接する一部の層領域105に酸素原子を含有せし
めるか、あるいは第一の層の支持体と接する側で酸素原
子の分布濃度が比較的高くなるように酸素原子を含有せ
しめる場合には、支持体101と第一の層の密着性が良化
するという作用効果が奏される。さらに、第3図におい
て模式的に示すごとく、第一の層の第二の層と接する一
部の層領域107に酸素原子を含有せしめるか、あるいは
第一の層の第二の層と接する側で酸素原子の分布濃度が
比較的高くなるように酸素原子を含有せしめる場合に
は、第一の層と第二の層の密着性が良化するという作用
効果が奏される。
更にまた、第一の層と第二の層の密着性を良化させると
いう作用効果は後に述べるところの第二の層に酸素原子
を均一な分布状態で含有せしめることによつても達成し
うるものである。
第一の層の支持体側または第一の層の第二の層と接する
側において酸素原子が比較的多量となるように不均一に
分布せしめるについては、先に記述した第III族原子又
は第V族原子を不均一に分布せしめる場合と同様であ
り、その典型的な例は第5図乃至第13図に示されている
が、本発明においてはそれらの例に限定されるものでは
ない。
そして、支持体と第一の層、又は第一の層と第二の層の
密着性の良化を図つて酸素原子を含有せしめる場合、第
一の層に含有せしめる酸素原子の量は、密着性を確実と
するために比較的多量とするのが好ましい。
さらに、前述のごとく本発明においては酸素原子を第一
の層の支持体と接する側において比較的高濃度に含有せ
しめることにより支持体と第一の層の密着性を向上せし
めることが可能となるが、この場合、酸素原子を高濃度
で含有せしめた局在領域を有するようにすると、より一
層密着性の向上を図ることができる。この様な局在領域
は第5図乃至第13図に示す記号を用いて記載すれば、界
面位置tBより5μ以内に設けることが望ましく、このよ
うな局在領域は酸素原子を含有する一部の層領域105の
前部であつてもよく、また、一部の層領域のさらに一部
であつてもよい。
以上、酸素原子の分布状態について各々にその作用効果
を記載したが、本発明の光受容部材において、これらの
作用効果の二つ以上を同時に奏するようにするために
は、酸素原子を含有せしめる層領域および酸素原子の分
布状態を適宜組み合わせて用いることはいうまでもな
い。例えば、支持体と第一の層との間の密着性の良化お
よび第一の層の光感度の暗抵抗の向上の双方を達成しう
るようにするためには、第一の層の支持体側において比
較的高濃度となるように酸素原子を分布せしめ、その他
の層領域においては比較的低濃度となるように酸素原子
を分布せしめればよい。
本発明において第一の層に含有せしめる酸素原子の量は
第一の層自体に要求される特性、あるいは支持体又は第
二の層と接する一部の層領域に含有せしめる場合におい
ては隣接する層又は支持体の特性との関係等、相互的且
つ有機的関連性を考慮して決定され、通常は1×10-3
50atomic%とするが、より好ましくは2×10-3〜40atom
ic%、最適には3×10-3〜30atomic%とする。また、酸
素原子を第一の層の全層領域に含有せしめるか、あるい
は酸素原子を含有する一部の層領域の第一の層に占める
割合が充分に大きい場合には、酸素原子の量の上限は、
前記の値より充分小さくすることが望ましい。例えば酸
素原子を含有する一部の層領域の層厚が、第一の層の層
厚の5分の2以上となるような場合には、該一部の層領
域に含有せしめる酸素原子の量の上限は、通常30atomic
%とするが、より好ましくは20atomic%、最適には10at
omic%以下とする。
さらに、酸素原子を高濃度に含有する局在領域を形成す
る場合、酸素原子の層厚方向の分布状態として、酸素原
子の分布濃度の最大値Cmaxが通常5×102atomic ppm以
上、より好ましくは8×102atomic ppm以上、最適には
1×103atomic ppm以上となるような分布状態を形成す
ることが望ましい。
本発明の第一の層には、以上の説明のごとく、ゲルマニ
ウム原子、第III族原子又は第V族原子、酸素原子が含
有せしめるものであるが、これらの各々の原子は、本発
明において目的とする所望の特性を効率的に得るよう
に、各原子の含有量および各原子の分布状態を適宜選択
して用いるものであつて、各々の原子を含有せしめる層
領域は互いに異なつていてもよく、あるいは異なつてい
てもよく、さらには互いに一部が重なり合つていてもよ
い。以下、第4図にその1例を示すが、該例によつて本
発明が限定されることはない。第4図に示す例では、第
一の層が支持体側より、層領域108、層領域109、層領域
110の層領域から成るものであり、層領域108はゲルマニ
ウム原子および第III族原子又は第V族原子を高濃度に
含有し、さらに酸素原子を含有しているものとし、層領
域109は第III族原子又は第V族原子を低濃度に含有し、
さらに酸素原子を含有しているものとする。そして、層
領域110はゲルマニウム原子および第III族原子又は第V
族原子、および酸素原子のいずれも含有しないものとす
る。
第一の層102の層厚は、本発明の目的を効率的に達成す
るための重要な要因の一つであり、所望の目的に応じて
適宜決定するものである。また、第一の層に含有せしめ
るゲルマニウム原子、第III族原子又は第V族原子、酸
素原子、および水素原子又は/及びハロゲン原子の量、
あるいは第一の層と第二の層の層相互の層厚等の関係に
おいて、要求される特性に応じて、相互的かつ有機的関
連性の下に決定する必要もある。更に、生産性や量産性
をも加味した経済性の点においても充分に考慮する必要
がある。こうしたことから第一の層の層厚は通常は1〜
1×102μとするが、好ましくは1〜80μ、最適には2
〜50μとするのが望ましい。
本発明の光受容部材の第二の層103は、a−SiC(H,X)
で構成され、該層の全層領域に伝導性を制御する物質を
均一な分布状態で含有しているものであつて、耐湿性、
連続繰返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、お
よび耐久性等を向上させる目的で、第一の層上に設けら
れる。そしてこの目的は、第二の層を構成するアモルフ
アス材料に炭素原子を構造的に導入せしめることにより
達成できる。第二の層に炭素原子を構造的に導入する場
合、炭素原子の量の増加に伴つて、前述の特性は向上す
るが、炭素原子の量が多すぎると層品質が低下し、電気
的および機械的特性も低下する。こうしたことから、炭
素原子の含有量は通常は、1×10-3〜90atomic%とし、
好ましくは1〜90atomic%、最適には10〜80atomic%と
する。
さらに、連続繰返し使用特性および耐久性の向上のため
には、第二の層の層厚を厚くすることが好ましいが、層
厚が厚くなると残留電位の発生原因となる。そうした残
留電位の発生は、第二の層に伝導性を制御する物質、即
ち、第III族原子又は第V族原子を含有せしめることに
より防止するかあるいは実質的な影響がない程度に抑止
することができる。
また、通常の場合のこの種の第二の層は、機械的耐久性
には優れているが、先端が鋭角なもので該層の表面を摺
擦したり、あるいは押圧したりすると、表面にいわゆる
傷として残らないにしても、帯電処理時には静電荷的痕
跡傷となつて現われ、トナー転写画像の画像品質の低下
をきたしてしまう場合が多々ある。こうした場合にも、
第二の層に前述の伝導性を制御する物質を含有せしめる
ことにより、そうした問題の発生を未然に防止できる。
したがつて、第二の層に伝導性を制御する物質であると
ころの第III族原子又は第V族原子を含有せしめること
は、本発明の目的を達成し得る所望の特性を有する第二
の層を形成するについて重要である。そして、第二の層
に含有せしめる第III族原子又は第V族原子の量は、通
常は1.0〜104atomic ppmとするが、好ましくは10〜5×
103atomic ppm、最適には102〜1×103atomic ppmとす
るのが望ましい。
本発明の光受容部材の第二の層103には、第一の層102と
第二の層103との間の密着性を良化するため、酸素原子
を該層103の全層領域に均一な分布状態で含有せしめる
こともでき、特に、第一の層102が酸素原子を含有しな
い場合には、第二の層103に酸素原子を含有せしめる。
そして、第二の層103に含有せしめる酸素原子の量は、
通常は1×10-3〜50atomic%とするが、より好ましくは
2×10-3〜40atomic%、最適には3×10-3〜30atomic%
とする。
第二の層103は、所望通りの特性が得られるように注意
深く形成する必要がある。即ち、シリコン原子、炭素原
子、水素原子又は水素原子とハロゲン原子、および第II
I族原子又は第V族原子を構成原子とする物質は、各構
成原子の含有量やその他の作成条件によつて、形態は結
晶状態から非晶質状態までをとり、電気的物性は導電性
から、半導電性、絶縁性までを、さらに光電的性質は光
導電的性質から非光導電的性質までを、各々示すため、
目的に応じた所望の特性を有する第二の層103を形成し
うるように、各構成原子の含有量や作成条件等を選ぶこ
とが重要である。
例えば、第二の層103を電気的耐圧性の向上を主たる目
的として設ける場合には、第二の層103を構成する非晶
質材料は、使用条件下において電気絶縁的挙動の顕著な
ものとして形成する。
又、第二の層103を連続繰返し使用特性や使用環境特性
の向上を主たる目的として設ける場合には、第二の層10
3を構成する非晶質材料は、前述の電気的絶縁性の度合
はある程度緩和するが、照射する光に対してある程度の
感度を有するものとして形成する。
また、本発明において、第二の層の層厚も本発明の目的
を効率的に達成するための重要な要因の一つであり、所
期の目的に応じて適宜決定されるものであるが、該層に
含有せしめる第III族原子、第V族原子、炭素原子、ハ
ロゲン原子、水素原子の量、あるいは第二の層の要求さ
れる特性に応じて相互的かつ有機的関連性の下に決定す
る必要がある。更に、生産性や量産性をも加味した経済
性の点においても考慮する必要もある。こうしたことか
ら、第二の層の層厚は通常は3×10-3〜30μとするが、
より好ましくは4×10-3〜20μ、特に好ましくは5×10
-3〜10μとする。
本発明の光受容部材は前述のごとき層構成としたことに
より、アモルフアスシリコンで構成された光受容層を有
する従来の光受容部材の諸問題の総てを解決でき、極め
て優れた電気的、光学的、光導電的特性、電気的耐圧性
及び使用環境特性を示す他、全可視光域において光感度
が高く、特に半導体レーザーとのマツチング性に優れ、
且つ光応答性が速いといつた際立つた特性を有するとこ
ろのものとなる。そして本発明の光受容部材を、電子写
真用像形成部材として適用した場合には、画像形成への
残留電位の影響が全くなく、その電気的特性が安定して
おり高感度で、高SN比を有するものであつて、耐光疲
労、繰返し使用特性に優れ、濃度が高く、ハーフトーン
が鮮明に出て、且つ解像度の高い、高品質の画像を安定
して繰返し得ることができる。
又、本発明の光受容部材は支持体上に形成される光受容
層が、層自体が強靱であつて、また、支持体との密着性
および支持体上に設けられた各層間の密着性に優れてい
るため、高速で長時間連続的に繰返し使用することがで
きる。
次に本発明の光受容層の形成方法について説明する。
本発明の光受容層を構成する非晶質材料はいずれもグロ
ー放電法、スパツタリング法、或いはイオンプレーテイ
ング法等の放電現象を利用する真空堆積法によつて行わ
れる。これ等の製造法は、製造条件、設備資本投下の負
荷程度、製造規模、作製される光受容部材に所望される
特性等の要因によつて適宜選択されて採用されるが、所
望の特性を有する光受容部材を製造するに当つての条件
の制御が比較的容易であり、シリコン原子と共に炭素原
子及び水素原子の導入を容易に行い得る等のことからし
て、グロー放電法或いはスパツタリング方が好適であ
る。そして、グロー放電法とスパツタリング法とを同一
装置系内で併用して形成してもよい。
例えば、グロー放電法によつて、a−Si(H,X)で構成
される層を形成するには、基本的にはシリコン原子(S
i)を供給し得るSi供給用の原料ガスと共に、水素原子
(H)導入用の又は/及びハロゲン原子(X)導入用の
原料ガスを、内部が減圧にし得る堆積室内に導入して、
該堆積室内にグロー放電を生起させ、予め所定位置に設
置した所定の支持体表面上にa−Si(H,X)から成る層
を形成する。
必要に応じて層中に含有せしめるハロゲン原子(X)と
しては、具体的にはフツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げ
られるが、殊にフツ素、塩素が好ましい。
前記Si供給用の原料ガスとしては、SiH4、Si2H6、Si
3H8、Si4H10等のガス状態の又はガス化し得る水素化硅
素(シラン類)が挙げられ、殊に、層作成作業のし易
さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が好まし
い。
前記水素原子供給用の原料ガスとしては、H2ガス、HC
l、HF、HBr、HI等のハロゲン化物、SiH4、Si2H6、Si
3H8、Si4H10等の前記水素化硅素、あるいはSiH2F2、SiH
2I2、SiH2Cl2、SiH2Cl3、SiH2Br2、SiHBr3等のハロゲン
置換水素化硅素等のガス状態の又はガス化しうるものを
用いることができ、これ等の原料ガスを用いた場合に
は、電気的あるいは光電的特性の制御という点で極めて
有効であるところの水素原子の含有量の制御を容易にで
きるため、有効である。さらにハロゲン化水素又はハロ
ゲン置換水素化硅素を用いた場合には、水素原子の導入
とともにハロゲン原子も導入されるので有効である。
また、前記ハロゲン原子導入用の原料ガスとしては、多
くのハロゲン化合物が挙げられ、例えばハロゲンガス、
ハロゲン化物、ハロゲン間化合物、ハロゲンで置換され
たシラン誘導体等のガス状態の又はガス化し得るハロゲ
ン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲン化合物とし
ては、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲンガス、Br
F、ClF、ClF3、BrF5、BrF3、IF3、IF7、ICl、IBr等のハ
ロゲン間化合物を挙げることができ、ハロゲン原子を含
む硅素化合物、所謂、ハロゲン原子で置換されたシラン
誘導体としては、SiF4、Si2F6、SiCl4、SiBr4等のハロ
ゲン化硅素が好ましいものとして挙げられる。
この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を使用してグロ
ー放電法により形成する場合には、Siを供給し得る原料
ガスとしての水素化硅素ガスを使用しなくとも、所定の
支持体上にハロゲン原子を含むa−Siから成る層を形成
する事ができる。ハロゲン原子導入用の原料ガスとして
前記のハロゲン化合物或いはハロゲンを含む硅素化合物
が有効なものとして使用できるが、これ等の他に、HF、
HCl、HBr、HI等のハロゲン化水素、SiH2F2、SiH2I2、Si
H2Cl2、SiHCl3、SiH2Br2、SiHBr3等のハロゲン置換水素
化硅素、等々のガス状態の或いはガス化し得る、水素原
子を構成要素の一つとするハロゲン化物も有効な出発物
質として挙げる事ができる。
これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、層形成の際に
層中にハロゲン原子の導入と同時に電気的或いは光電的
特性の制御に極めて有効な水素原子も導入しうるので、
好適なハロゲン原子導入用の原料として使用できる。
グロー放電法を用いて、ハロゲン原子を含む層を形成す
る場合、基本的には、Si供給用の原料ガスであるハロゲ
ン化硅素ガスとAr、He等のガス等を所定の混合比とガス
流量になる様にして堆積室に導入し、グロー放電を生起
してこれ等のガスのプラズマ雰囲気を形成することによ
つて、所定の支持体上に層を形成し得るものであるが、
水素原子の導入を計る為にこれ等のガスに更に水素原子
を含む硅素化合物のガスも所定量混合してもよい。
又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合して使用してもよい。
反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイング法や
依つてa−Si(H,X)から成る層を形成するには、例え
ばスパツタリング法の場合にはSiから成るターゲツトを
使用して、これを所定のガスプラズマ雰囲気中でスパツ
タリングし、イオンプレーテイング法の場合には、多結
晶シリコン又は単結晶シリコンを蒸発源として蒸着ボー
トに収容し、このシリコン蒸発源を抵抗加熱法、或いは
エレクトロンビーム法(EB法)等によつて加熱蒸発させ
飛翔蒸発物を所定のガスプラズマ雰囲気中を通過させる
事で行うことができる。
その際、スパツタリング法、イオンプレーテイング法の
何れの場合でも形成される層中にハロゲン原子を導入す
るについては、前記のハロゲン化合物又は前記のハロゲ
ン原子を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入して該
ガスのプラズマ雰囲気を形成してやればよい。
又、水素原子を導入する場合には、水素原子導入用の原
料ガス、例えばH2或いは前記したシラン類等のガスをス
パツタリング用の堆積室中に導入して該ガスのプラズマ
雰囲気を形成してやればよい。
具体的には例えば、反応スパツタリング法の場合には、
Siターゲツトを使用し、ハロゲン原子導入用のガス及び
H2ガスを必要に応じてHe、Ar等の不活性ガスも含めて堆
積室内に導入してプラズマ雰囲気を形成し、前記Siター
ゲツトをスパツタリングすることによつて、支持体上に
a−Si(H,X)から成る層を形成する。
グロー放電法、スパツタリング法あるいはイオンプレー
テイング法を用いてa−Si(H,X)にゲルマニウム原
子、第III族原子又は第V族原子、窒素原子あるいはさ
らに酸素原子、水素原子又は/及びハロゲン原子、ある
いは炭素原子を含有せしめた非晶質材料で構成される層
を形成するには、前述のa−Si(H,X)で構成される層
形成の際に、ゲルマニウム原子、第III族原子又は第V
族原子、水素原子又は/及びハロゲン原子、炭素原子導
入用の出発物質をa−Si(H,X)形成用の出発物質と共
に使用し、形成する層中へのそれぞれの量を制御しなが
ら行なう。
例えば、グロー放電法によつて、a−SiGe(H,X)で構
成される層を形成するには、基本的にはシリコン原子
(Si)を供給しうるSi供給用の原料ガスと共に、ゲルマ
ニウム原子(Ge)を供給しうるGe供給用の原料ガスと、
水素原子(H)を供給しうるH供給用の又は/及びハロ
ゲン原子(X)を供給しうるX供給用の原料ガスを、内
部が減圧にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグ
ロー放電を生起させ、予め所定位置に設置した所定の支
持体表面上にa−SiGe(H,X)から成る層を形成する。
前記Ge供給用の原料ガスとしてはGeH4、Ge2H6、Ge3H8
Ge4H10、Ge5H12、Ge6H14、Ge7H16、Ge8H18、Ge9H20等の
ガス状態の又はガス化しうる水素化ゲルマニウムが挙げ
られ、特に層作成作業時の取扱い易さ、Ge供給効率の良
さ等の点で、GeH4、Ge2H6およびGe3H8が好ましい。
反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイング法を
用いてa−SiGe(H,X)から成る層を形成するには、例
えばスパツタリング法の場合にはSiから成るターゲツト
とGeから成るターゲツトの二つを、或いはSiとGeから成
るターゲツトを使用して、これを所望のガスプラズマ雰
囲気中でスパツタリングし、イオンプレーテイング法の
場合には、例えば、多結晶シリコン又は単結晶シリコン
と多結晶ゲルマニウム又は単結晶ゲルマニウムとを夫々
蒸発源として蒸着ボート収容し、この蒸発源を抵抗加熱
法或いはエレクトロンビーム法(EB法)等によつて加熱
蒸発させ飛翔蒸発物を所望のガスプラズマ雰囲気中を通
過させる。
この際、スパツタリング法、イオンプレーテイング法の
何れの場合にも形成される層中にハロゲン原子を導入す
るには、前記のハロゲン化合物又は前記のハロゲン原子
を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入して該ガスの
プラズマ雰囲気を形成してやればよいものである。
又、水素原子を導入する場合には、水素原子導入用の原
料ガス、例えば、H2、或いは前記したシラン類又は/及
び水素化ゲルマニウム等のガス類をスパツタリング用の
堆積室中に導入して該ガス類のプラズマ雰囲気を形成し
てやればよい。
例えばグロー放電法によつて第III族原子又は第V族原
子を含有するa−Si(H,X)から構成される層又は層領
域を形成するには、前述のa−Si(H,X)形成用の原料
ガスと、第III族原子又は第V族原子導入用の原料ガス
を、必要に応じてHeガス、Arガス等の稀釈ガスとを所定
量の混合比で混合して、支持体101の設置してある真空
堆積用の堆積室に導入し、導入されたガスをグロー放電
を生起させることでガスプラズマ化して前記支持体101
上に第III族原子又は第V族原子を含有するa−Si(H,
X)を堆積させればよい。
そのような第III族原子又は第V族原子導入用の出発物
質としては第III族原子又は第V族原子を構成原子とす
るガス状態の物質又はガス化しうる物質をガス化したも
のであれば、いずれのものであつてもよい。
本発明において第III族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるものとしては、具体的には硼素原子導入
用として、B2H6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H10、B6H12
B6H14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲン化
硼素等を挙げることができるが、この他、AlCl3、GaC
l3、InCl3、TlCl3等も挙げることができる。
本発明において第V族原子導入用の出発物質として有効
に使用されるのは、具体的には燐原子導入用としては、
PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PC
l5、PBr3、PBr5、PI5等のハロゲン化燐が挙げられる。
この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、Sb
F3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr5等も挙げ
ることができる。
また例えば酸素原子を含有する層又は層領域をグロー放
電法形成するには、シリコン原子(Si)を構成原子とす
る原料ガスと、酸素原子(O)の構成原子とする原料ガ
スと、必要に応じて水素原子(H)又は及びハロゲン原
子(X)を構成原子とする原料ガスとを所望の混合比で
混合して使用するか、又は、シリコン原子(Si)を構成
原子とする原料ガスと、酸素原子(O)及び水素原子
(H)を構成原子とする原料ガスとを、これも又所望の
混合比で混合するか、或いは、シリコン原子(Si)を構
成原子とする原料ガスと、シリコン原子(Si)、酸素原
子(O)及び水素原子(H)の三つを構成原子とする原
料ガスとを混合して使用することができる。
又、別には、シリコン原子(Si)と水素原子(H)とを
構成原子とする原料ガスに酸素原子(O)を構成原子と
する原料ガスを混合して使用してもよい。
そのような酸素原子導入用の出発物質としては酸素原子
を構成原子とするガス状態の又はガス化しうる物質をガ
ス化したものであれば、いずれのものであつてもよい。
酸素原子導入用の出発物質としては具体的には、例えば
酸素(O2)、オゾン(O3)、一酸化窒素(NO)、二酸化
窒素(NO2)、一二酸化窒素(N2O)、三二酸化窒素(N2
O3)、四二酸化窒素(N2O4)、五二酸化窒素(N2O5)、
三酸化窒素(NO3)、シリコン原子(Si)と酸素原子
(O)と水素原子(H)とを構成原子とする、例えば、
ジシロキサン(H3SiOSiH3)、トリシロオキサン(H3SiO
SiH2OSiH3)等の低級シロキサン等を挙げることができ
る。
スパツタリング法によつて、酸素原子を含有する層を形
成するには、単結晶又は多結晶のSiウエーハ又はSiO2
エーハ、又はSiとSiO2が混合されて含有されているウエ
ーハをターゲツトとして、これ等の種々のガス雰囲気中
でスパツタリングすることによつて行えばよい。
例えば、Siウエーハをターゲツトとして使用すれば、酸
素原子と必要に応じて水素原子又は/及びハロゲン原子
を導入する為の原料ガスを、必要に応じて稀釈ガスで稀
釈して、スパツタリング用の堆積室中に導入し、この等
のガスのガスプラズマを形成して前記Siウエーハをスパ
ツタリングすればよい。
又、別には、SiとSiO2とは別々のターゲツトとして、又
はSiとSiO2の混合した一つのターゲツトを使用すること
によつて、スパツタリング用のガスとしての稀釈ガスの
雰囲気中で又は少なくとも水素原子(H)又は/及びハ
ロゲン原子(X)を構成原子として含有するガス雰囲気
中でスパツタリングすることによつて成される。酸素原
子導入用の原料ガスとしては、先述したグロー放電の例
で示した原料ガスの中の酸素原子導入用の原料ガスが、
スパツタリングの場合にも有効なガスとして使用でき
る。
例えば、第二の層は第III族原子又は第V族原子を含有
するa−SiC(H,X)〔以下、a−SiCM(H,X)(但し、
Mは第III族原子又は第V族原子を表わす。)と表記す
る。〕で構成されるものであるが、グロー放電法によつ
て第二の層を形成するには、a−SiCM(H,X)形成用の
原料ガスを、必要に応じて稀釈ガスと所定量の混合比で
混合して、支持体101の配置してある真空堆積用の堆積
室に導入し、導入されたガスをグロー放電を生起させる
ことでガスプラズマ化して前記支持体上に既に形成され
てある第一の層上にa−SiCM(H,X)を堆積させればよ
い。
a−SiCM(H,X)形成用の原料ガスとしては、Si、C、
H及び/又はハロゲン原子、及び第III族原子又は第V
族原子の中の少なくとも一つを構成原子とするガス状の
物質又はガス化し得る物質をガス化したものであれば、
いずれのものであつてもよい。
Si、C、H及び/又はハロゲン原子、第III族原子又は
第V族原子の中の一つとしてSiを構成原子とする原料ガ
スを使用する場合は、例えばSiを構成原子とする原料ガ
スと、Cを構成原子とする原料ガスと、H及び/又はハ
ロゲン原子を構成原子とする原料ガスと第III族原子又
は第V族原子を構成原子とする原料ガスを所望の混合比
で混合して使用するか、又は、Siを構成原子とする原料
ガスと、C及びH及び/又はハロゲン原子を構成原子と
する原料ガスと、第III族原子又は第V族原子を構成原
子とする原料ガスとを、これも又所望の混合比で混合す
るか、或いは、Siを構成原子とする原料ガスと、Si、C
及びH及び/又はハロゲン原子の三つの構成原子とする
原料ガスと第III族原子又は第V族原子を構成原子とす
る原料ガスとを混合して使用することができる。
又、別には、SiとH及び/又はハロゲン原子とを構成原
子とする原料ガスにCを構成原子とする原料ガスと第II
I族原子又は第V族原子を構成原子とする原料ガスとを
混合して使用してもよい。
a−SiC(H,X)で構成される層形成用の原料ガスとして
有効に使用されるのは、SiとHとを構成原子とするSi
H4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のシラン(Silane)類等の
水素化硅素ガス、CとHとを構成原子とする、例えば炭
素数1〜4の飽和炭化水素、炭素数2〜4のエチレン系
炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン系炭化水素等が挙
げられる。
具体的には、飽和炭化水素としては、メタン(CH4)、
エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、n-ブタン(n-C4H
10)ペンタン(C5H12)、エチレン系炭化水素として
は、エチレン(C2H4)、プロピレン(C3H6)、ブテン−
1(C4H8)、ブテン−2(C4H8)、イソブチレン(C
4H8)、ペンテン(C5H10)、アセチレン系炭化水素とし
ては、アセチレン(C2H2)、メチルアセチレン(C
3H4)、ブチン(C4H6)、等が挙げられる。
SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとしては、Si(C
H3)4、Si(C2H5)4等のケイ化アルキルを挙げることがで
きる。これ等の原料ガスの他、H導入用の原料ガスとし
ては勿論H2も使用できる。
第III族原子導入用の出発物質として具体的には硼素原
子導入用としては、B2H6、B4H10、B5H9、B5H11、B
6H10、B6H12、B6H14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3
等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、G
aCl3、Ga(CH3)2、InCl3、TlCl3等も挙げることができ
る。
第V族原子導入用の出発物質として、具体的には燐原子
導入用としては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3
PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI5等のハロゲン化燐が
挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、As
F5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr5等も第V族原子導入用の出発物質の有効なものとし
て挙げることができる。
スパツタリング法によつてa−SiCM(H,X)で構成され
る第二の層を形成するには、単結晶又は多結晶のSiウエ
ーハ又はC(グラフアイト)ウエーハ、又はSiとCが混
合されて含有されているウエーハをターゲツトとして、
これ等を所望のガス雰囲気中でスパツタリングすること
によつて行う。
例えばSiウエーハをターゲツトとして使用する場合に
は、炭素原子、第III族原子又は第V族原子、および水
素原子又は/及びハロゲン原子を導入するための原料ガ
スを、必要に応じてAr、He等の希釈ガスで稀釈して、ス
パツタリング用の堆積室内に導入し、これ等のガスのガ
スプラズマを形成してSiウエーハをスパツタリングすれ
ばよい。
又、SiとCとは別々のターゲツトとするか、あるいはSi
とCの混合した1枚のターゲツトとして使用する場合に
は、スパツタリング用のガスとして第III族原子又は第
V族原子、および水素原子又は/及びハロゲン原子導入
用の原料ガスを、必要に応じて稀釈ガスで稀釈して、ス
パツタリング用の堆積室内に導入し、ガスプラズマを形
成してスパツタリングすればよい。
該スパツタリング法に用いる各原子の導入用の原料ガス
としては、前述のグロー放電法に用いる原料ガスがその
まま使用できる。
以上記述したように、本発明の光受容部材の光受容層の
第一の層および第二の層は、グロー放電法、スパツタリ
ング法等を用いて形成するが、第一の層および第二の層
に含有せしめるゲルマニウム原子、第III族原子又は第
V族原子、窒素原子あるいはさらに酸素原子、炭素原
子、あるいは水素原子及び/又はハロゲン原子の各各の
含有量の制御は、堆積室内へ流入する、各各の原子供給
用出発物質のガス流量あるいは各各の原子供給用出発物
質間のガス流量比を制御することにより行われる。
また、第一の層および第二の層形成時の支持体温度、堆
積室内のガス圧、放電パワー等の条件は、所望の特性を
有する光受容部材を得るためには重要な要因であり、形
成する層の機能に考慮をはらつて適宜選択されるもので
ある。さらに、これらの層形成条件は、第一の層および
第二の層に含有せしめる上記の各原子の種類及び量によ
つても異なることもあることから、含有せしめる原子の
種類あるいはその量等にも考慮をはらつて決定する必要
もある。
具体的には、a−Si(H,X)からなる層を形成する場
合、あるいは第III族原子又は第V族原子、酸素原子、
炭素原子等を含有せしめたa−Si(H,X)からなる層を
形成する場合には、支持体温度は、通常50〜350℃とす
るが、特に好ましくは50〜250℃とする。堆積室内のガ
ス圧は、通常0.01〜1Torrとするが、特に好ましくは0.1
〜0.5Torrとする。また、放電パワーは0.005〜50W/cm2
とするのが通常であるが、より好ましくは0.01〜30W/cm
2、特に好ましくは0.01〜20W/cm2とする。
a−SiGe(H,X)からなる層を形成する場合、あるいは
第III族原子又は第V族原子、酸素原子等を含有せしめ
たa−SiGr(H,X)からなる層を形成する場合について
は、支持体温度は、通常50〜350℃とするが、より好ま
しくは50〜300℃、特に好ましくは100〜300℃とする。
そして、堆積室内のガス圧は、通常0.01〜5Torrとする
が、好ましくは、0.001〜3Torrとし、特に好ましくは0.
1〜1Torrとする。また、放電パワーは0.005〜50W/cm2
するのが通常であるが、好ましくは0.01〜30W/cm2とし
て、特に好ましくは0.01〜20W/cm2とする。
しかし、これらの、層形成を行うについての支持体温
度、放電パワー、堆積室内のガス圧の具体的条件は、通
常には個々に独立しては容易には決め難いものである。
したがつて、所望の特性の非晶質材料層を形成すべく、
相互的且つ有機的関連性に基づいて、層形成の至適条件
を決めるのが望ましい。
ところで、本発明において第一の層および第二の層中に
含有せしめるゲルマニウム原子、第III族原子又は第V
族原子、酸素原子及び、炭素原子の分布状態を均一とす
るためには、第一の層および第二の層を形成するに際し
て、前記の諸条件を一定に保つことが必要である。
また本発明において、第一の層の形成の際に、該層中に
含有せしめる第III族原子又は第V族原子あるいは酸素
原子の分布濃度を層厚方向に変化させて所望の層厚方向
の分布状態を有する第一の層を形成するには、グロー放
電法を用いる場合であれば、第III族原子又は第V族原
子導入用の出発物質あるいは酸素原子導入用の出発物質
のガスの堆積室内に導入する際のガス流量を、所望の変
化率に従つて適宜変化させ、その他の条件を一定に保ち
つつ形成する。そして、ガス流量を変化させるには、具
体的には、例えば手動あるいは外部駆動モータ等の通常
用いられている何らかの方法により、ガス流路系の途中
に設けられた所定のニードルバルブの開口を漸次変化さ
せる操作を行えばよい。このとき、流量の変化率は線型
である必要はなく、例えばマイコン等を用いて、あらか
じめ設計された変化率曲線に従つて流量を制御し、所望
の含有率曲線を得ることもできる。
また、第一の層をスパツタリング法を用いて形成する場
合、第III族原子又は第V族原子あるいは酸素原子の層
厚方向の分布濃度を層厚方向で変化させて所望の層厚方
向の分布状態を形成するには、グロー放電法を用いた場
合と同様に、第III族原子又は第V族原子導入用の出発
物質あるいは酸素原子導入用の出発物質をガス状態で使
用し、該ガスを堆積室内へ導入する際のガス流量を所望
に従つて変化させる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例1乃至12に従つて、より詳細に説
明するが、本発明はこれ等によつて限定されるものでは
ない。
各実施例においては、第一の層および第二の層をグロー
放電法を用いて形成した。第14図はグロー放電法による
本発明の光受容部材の製造装置である。
図中の202、203、204、205、206のガスボンベには、本
発明の夫々の層を形成するための原料ガスが密封されて
おり、その1例として、たとえば、202はHeで稀釈され
たSiH4ガス(純度99.999%、以下SiH4/Heと略す)ボン
ベ、203はHeで稀釈されたB2H6ガス(純度99.999%、以
下B2H6/Heと略す。)ボンベ、204はHeで稀釈されたO2
ス(純度99.999%、以下O2/Heと略す。)ボンベ、205は
C2H4ガス(純度99.999%)ボンベ、206はHeで稀釈され
たGeH4ガス(純度99.999%、以下GeH4/Heと略す。)ボ
ンベである。
形成される層中にハロゲン原子を導入する場合には、Si
H4ガスに代えて、例えば、SiF4ガスを用いる様にボンベ
を代えればよい。
これらのガスを反応室201に流入させるにはガスボンベ2
02〜206のバルブ222〜226、リークバルブ235が閉じられ
ていることを確認し又、流入バルブ212〜216、流出バル
ブ217〜221、補助バルブ232,233が開かれていることを
確認して、先ずメインバルブ234を開いて反応室201、ガ
ス配管内を排気する。次に真空計236の読みが約5×10
-6Torrになつた時点で、補助バルブ232,233、流出バル
ブ217〜221を閉じる。
基体シリンダー237上に第一の層102を形成する場合の1
例をあげる。ガスボンベ202よりSiH4/Heガス、ガスボン
ベ203よりB2H6/Heガス、ガスボンベ204よりO2/Heガス、
ガスボンベ206よりGeH4/Heガスの夫々をバルブ222,223,
224,226を開いて出口圧ゲージ227,228,229,231の圧力を
1kg/cm2に調整し、流入バルブ212,213,214,216を徐々に
開けて、マスフロコントローラ207,208,209,211内に流
入させる。引き続いて流出バルブ217,218,219,221補助
バルブ232,233を徐々に開いてガスを反応室201内に流入
させる。このときのSiH4/Heガス流量、B2H6/Heガス流量
O2/Heガス流量およびGeH4/Heガス流量の比が所望の値に
なるように流出バルブ217,218,219,221を調整し、又、
反応室201内の圧力が所望の値になるように真空計236の
読みを見ながらメインバルブ234の開口を調整する。そ
して基体シリンダー237の温度が加熱ヒーター238により
50〜400℃の範囲の温度に設定されていることを確認さ
れた後、電源240を所望の電力に設定して反応室201内に
グロー放電を生起せしめるとともに、マイクロコンピユ
ーター(図示せず)を用いて、あらかじめ設計された変
化率線に従つて、B2H6/Heガス流量、O2/Heガス流量、Si
H4/Heガス流量の比を制御しながら、基体シリンダー237
上に先ず、ゲルマニウム原子、硼素原子及び酸素原子を
含有する層領域を形成する。
次に所定時間経過後、B2H6/Heガス、O2/Heガス及びGeH4
/Heガスの反応室201内への導入を各対応するガス導入管
のバルブを閉じて遮断し、引き続きグロー放電を所定時
間続けることによつて、硼素原子、酸素原子、及びゲル
マニウム原子を含有しない層を形成せしめる。
第一の層中にハロゲン原子を含有せしめる場合には、上
記のガスに例えばSiF4/Heガスを更に付加して反応室に
送り込めばよい。
上記の様な操作によつて、基体シリンダー237上に形成
された第一の層上に第二の層を形成するには、第一の層
の形成の際と同様なバルブ操作によつて、例えばSiH4
ス、C2H4ガス、PH3ガスの夫々を、必要に応じてHe等の
稀釈ガスで稀釈して、所望の流量比で反応室201中に流
し、所望の条件に従つて、グロー放電を生起させること
によつて成される。
夫々の層を形成する際に必要なガスの流出バルブ以外の
流出バルブは全て閉じることは言うまでもなく、又夫々
の層を形成する際、前層の形成に使用したガスが反応室
201内、流出バルブ217〜221から反応室201内に至るガス
配管内に残留することを避けるために、必要に応じて流
出バルブ217〜221を閉じ補助バルブ232,233を開いてメ
インバルブ234を全開して系内を一旦高真空に排気する
操作を行う。
又、第二の層の層形成を行つている間は層形成の均一化
を図るため基本シリンダー237は、モータ239によつて所
望される速度で一定に回転させる。
実施例1 第14図に示した製造装置を用いて、第1表に示す層形成
条件に従つて、通常の方法で洗浄したドラム状アルミニ
ウム基体上に層形成を行なつた。この際、B2H6/SiH4
ス流量比の変化は、予め設計した第15図に示す流量比変
化線に従つて、マイクロコンピユーター制御により、自
動的に調整した。
こうして得られた電子写真用のドラム状光受容部材を、
実験用に改造したキヤノン製高速複写機に設置し、キヤ
ノン製テストチヤートを原稿として、画像形成プロセス
条件(光源はタングステンランプを使用)を適宜選択
し、複写テストを行なつたところ、解像力に優れた高品
質の画像を得ることができた。
実施例2 第2表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
及びO2/SiH4ガス流量比を各々第16図および第17図に示
す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例1と同様
にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、実施例1
と同様の複写テストを行なつたところ、解像力に優れた
高品質の画像を得ることができた。
実施例3 第3表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
及びO2/SiH4ガス流量比を各々第16図および第17図に示
す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例1と同様
にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、実施例1
と同様の複写テストを行なつたところ、解像力に優れた
高品質の画像を得ることができた。
実施例4 第4表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
を第18図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実
施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を
得、実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解
像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例5 第5表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
を第19図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実
施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を
得、実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解
像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例6 第6表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
及びO2/SiH4ガス流量比を各々第20図および第17図に示
す流量比変化線に従つて制御した以外は実施例1と同様
にして電子写真用のドラム状光受容部材を得、実施例1
と同様の複写テストを行なつたところ、解像力に優れた
高品質の画像を得ることができた。
実施例7 第7表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
を第15図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実
施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を
得、実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解
像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例8 第8表に示す層形成条件により、B2H6/SiH4ガス流量比
を第15図に示す流量比変化線に従つて制御した以外は実
施例1と同様にして電子写真用のドラム状光受容部材を
得、実施例1と同様の複写テストを行なつたところ、解
像力に優れた高品質の画像を得ることができた。
実施例9 第1表に於ける、第二の層(II)の形成の際に、その層
厚を第9表に示す如く種々変化させた以外は、実施例1
と同様の手順と略々同様の条件で各光受容部材(試料N
O.901〜907)を作成し、各々に実施例1と同様の画像形
成プロセスを適用して評価を行つたところ、第9表に示
す結果を得た。
実施例10 第1表に於ける、第二の層(II)の形成の際にガス流量
比C2H4/SiH4の値を第10表に示す値とした以外は、実施
例1と同様の手順と略同様の条件で各光受容部材(試料
NO.1001〜1007)を作成し、実施例1と同様の評価を行
つたところ、各々に於いて中間調の再現性が良く、高品
質の画像を得ることができた。
又、繰返し連続使用による耐久性試験に於いても、初期
の画像品質に較べても何等遜色のない品質の画像を得る
ことができ、耐久性にも優れていることが実証された。
実施例11 第1表に於ける、第一の層(I)の形成の際にガス流量
比GeH4/SiH4の値を第11表に示す値とした以外は、実施
例1と同様の手順と略同様の条件で各光受容部材(試料
NO.1101〜1105)を作成し、実施例1と同様の評価を行
つたところ、各々に於いて中間調の再現性が良く、高品
質の画像を得ることができた。
又、繰返し連続使用による耐久性試験に於いても、初期
の画像品質に較べても何等遜色のない品質の画像を得る
ことができ、耐久性にも優れていることが実証された。
実施例12 実施例1〜11に於いて、光源をタングステンランプの代
りに810mmのGaAs系半導体レーザ(10mW)を用いて、静
電像の形成を行うと共に、反転現像を施す以外は、各実
施例と同様の画像形成プロセスを適用して、トナー転写
画像の画質評価を行つたところ、解像力に優れ、階調再
現性の良い鮮明な高品質の画像を得ることができた。
〔発明の効果の概略〕
本発明の光受容部材はa−Si(H,X)で構成された光受
容層を有するものであつて、該光受容部材の層構成を前
述のごとき特定のものとすることにより、a−Siで構成
された光受容層を有する従来の光受容部材における諸問
題を全て解決することができたものである。即ち、本発
明の光受容部材は特に優れた耐湿性、連続繰返し使用特
性、電気的耐圧性、使用環境特性及び耐久性等を有する
ものであり、また光感度及び暗抵抗性が向上する他、全
可視光域において光感光が高く、特に、半導体レーザー
とのマツチング性に優れ、且つ光応答性が速いといつた
際立つた特性を有するところのものとなる。そして、本
発明の受容部材を電子写真用像形成部材として適用させ
た場合には、残留電位の影響が全くなく、その電気的特
性が安定しており、それを用いて得られた画像は、濃度
が高く、ハーフトーンが鮮明に出る等、すぐれた極めて
秀でたものとなる。
また、本発明の光受容部材は支持体上に形成される光受
容層は、層自体が強靱であつて、また、支持体との密着
性および支持体上に設けられた各層間の密着性に優れて
いるため高速で長時間連続的に繰返し使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は本発明の光受容部材の層構造を模式的に示
した図であり、第5〜13図は本発明の光受容部材の第一
の層中における第III族原子又は第V族原子あるいは酸
素原子の分布状態の典型例を示すための濃度分布図であ
り、第14図は本発明の光受容部材を製造するための装置
の一例で、グロー放電法による製造装置の模式的説明図
であり、第15−20図は本発明の光受容部材の層形成にお
けるガス流量比の変化の状態を示す図である。 100……光受容部材、101……支持体、102……第一の
層、103……第二の層、104……自由表面、105〜110……
層領域、201……反応室、202〜206……ガスボンベ、207
〜211……マスフロコントローラ、212〜216……流入バ
ルブ、217〜221……流出バルブ、222〜226……バルブ、
227〜231……圧力調整器、232,233……補助バルブ、234
……メインバルブ、235……リークバルブ、236……真空
計、237……基本シリンダー、238……加熱ヒーター、23
9……モーター、240……高周波電源。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、シリコン原子を母体とし、ゲル
    マニウム原子を層厚方向に均一な分布状態で含有する第
    一の層領域とシリコン原子を母体としゲルマニウム原子
    を含有しない第二の層領域とを有し、且つ、周期律表第
    III族または第V族に属する原子をその濃度分布が前記
    支持体側の方に高くして表面側に向かって減少する領域
    を有するように層厚方向に不均一な分布状態で含有する
    非晶質材料で構成された1〜100μmの層厚の第一の層
    と、シリコン原子を母体とし、炭素原子を含有し、更
    に、水素原子または水素原子とハロゲン原子を該水素原
    子の含有量あるいは該水素原子と該ハロゲン原子との含
    有量の和が0.01〜40atomic%である量含有し、且つ周期
    律表第III族または第V族に属する原子を層厚方向に均
    一な分布状態で1.0〜104atomic ppm含有する非晶質材料
    で構成された3×10-3〜30μmの層厚の第二の層とが支
    持体側から順に積層された光受容層を有し、前記第一の
    層と前記第二の層の少なくともいずれか一方に層厚方向
    に均一な分布状態で酸素原子が含有されていることを特
    徴とする光受容部材。
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