JP2527333B2 - 建物内への流水防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、地下室等の建物内への流入水を防止する装
置に関するものである。

［従来技術とその問題点］ 一般に、いわゆる海抜ゼロメートル地帯等の地盤の低
い土地では、大雨や洪水の発生時に、建物内に水が流入
して浸水する恐れがある。

このため、従来の流水防止装置としては、防水扉を建
物入口の床等に敷設しておき、使用時には油圧ジャッキ
等により防水扉を起してセットするものがあった。

しかしながら、上記従来の防水装置は設置に手間と費
用がかかるだけでなく、ランニングコストが非常に高
く、メンテナンスが大変で、停電になると使用不可能に
なり、作業が煩雑で手間取る等の問題点があった。

［発明の目的］ 本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、防水板を簡単かつ
迅速に設置することができるだけでなく、該防水板を建
物の柱や壁等の躯体面に確実かつ強力に密着固定するこ
とが出来る建物内への流入防止装置を提供することにあ
る。

［発明の構成］ 本発明の建物内への流水防止装置は、建物の入口部の
床内に形成された収納室と、該収納室内に収納されると
共に上記入口部の止水位置まで引上げ又は引起こされる
防水板と、該引上げ又は引起こされた防水板の両端部を
該止水位置の両側の柱や壁等の躯体面に密着固定する手
段から構成され；該密着固定手段が、上記防水板の両端
部から出没自在に設けられた止め金と、該止め金を差し
込むための上記躯体面に形成した係合穴と、該止め金を
該係合穴に差し込んだ時、上記止め金から出て該係合穴
に係止する爪から構成されることを特徴とするものであ
る。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。

第１図において、１は建物の入口部の両側に立設した
柱である。

第２図からも明らかなように、該柱１の外側の入口部
の床２内には、収納室３が形成されていて、この中に防
水板４が収納されている。

第３図および第４図からも明らかなように、上記防水
板４の両側部には昇降杆５が取付けられていて、ガイド
レール６に沿って昇降移動するようになっている。

上記ガイドレール６も上記収納室３の両側に形成され
たガイド溝７に沿って昇降移動するようになっている。
従って、上記防水板４が上昇移動する際には、これに伴
なって、ガイドレール６も防水板４を支持しながら追随
上昇するようになっている。尚、該ガイドレール６は複
数段設けてもよい。

また、上記防水板４の両端部にはワイヤー８を介して
バランスウエイト９が取付けられている。

上記ワイヤー８は収納室３の両側に取付けられたプー
リー10に掛け回されている。従って、上記防水板４を収
納室３から引上げる際、上記バランスウエイト９の働き
により極めて軽く持上げることができる。

柱１の間の止水位置にまで引上げられた防水板４は、
その両端部が柱１に密着固定される。尚、上記防水板４
は柱１の他に壁等の構造物に密着固定するようにしても
よい。

上記密着固定手段としては、例えば、第５図および第
６図に示すように、防水板４両端部に止め金11を出沈自
在に設けておき、該止め金11を柱１にあけた係合穴1aに
差込むと、爪11aが飛び出て、係止するようになってい
る。

これらの止め金11の作動は、例えば、第７図に示すよ
うに、防水板４内に内蔵した電動モーター又は油圧モー
ター等のモーター12により同時に動作せしめられるよう
にするとよい。尚、上記モーター12は操作ハンドル13等
に手動で操作出来るようにしておけば、停電時にも使用
できる。

上記密着面には、防水シールを設けるとよい。

尚、上記止め金11による密着固定手段の他に、ネジ式
にして、柱１に明けたネジ穴に締め込むようにしてもよ
い。

上記実施例では、防水板４を床内から昇降自在に引き
出すようにしたが、本発明はこれに限定するものではな
く、第８図に示すように、床２に横倒し状に収納してお
いて、使用時にはこれを引起して柱１等の構造物に密着
固定するようにしてもよい。

［発明の効果］ 建物の入口部の床内に形成された収納室と、該収納室
内に収納されると共に上記入口部の止水位置にまで引上
げ又は引起こされる防水板と、該引上げ又は引起こされ
た防水板の両端部を該止水位置の両側の柱や壁等の躯体
面に密着固定する手段から構成され；該密着固定手段
が、上記防水板の両端部から出没自在に設けられた止め
金と、該止め金を差し込むための上記躯体面に形成した
係合穴と、該止め金を該係合穴に差し込んだ時、上記止
め金から飛び出て該係合穴に係止する爪から構成されて
いるので、防水板を簡単かつ迅速に設置することができ
るだけでなく、該防水板を建物の柱や壁等の躯体面に確
実かつ強力に密着固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す外観図、第２図はその
断面構成図、第３図および第４図は防水板の昇降機構の
説明図、第５図〜第７図は、密着固定手段の一実施例を
示す説明図、第８図は別の実施例を示す外観図である。 １……柱、1a……係合穴、２……床、３……収納室、４
……防水板、５……昇降杆、６……ガイドレール、７…
…ガイド溝、８……ワイヤー、９……ウエイト、10……
プーリー、11……止め金、11a……爪、12……モータ
ー、13……操作ハンドル、14……防水板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建物の入口部の床内に形成された収納室
   と、該収納室内に収納されると共に上記入口部の止水位
   置にまで引上げ又は引起こされる防水板と、該引上げ又
   は引起こされた防水板の両端部を該止水位置の両側の柱
   や壁等の躯体面に密着固定する手段から構成され；該密
   着固定手段が、上記防水板の両端部から出没自在に設け
   られた止め金と、該止め金を差し込むための上記躯体面
   に形成した係合穴と、該止め金を該係合穴に差し込んだ
   時、上記止め金から飛び出て該係合穴に係止する爪から
   構成されることを特徴とする建物内への流水防止装置。