JP2526853B2 - 開閉装置 - Google Patents
開閉装置Info
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- JP2526853B2 JP2526853B2 JP6130283A JP13028394A JP2526853B2 JP 2526853 B2 JP2526853 B2 JP 2526853B2 JP 6130283 A JP6130283 A JP 6130283A JP 13028394 A JP13028394 A JP 13028394A JP 2526853 B2 JP2526853 B2 JP 2526853B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体が通過する通過口
を開閉する開閉装置に関し、特に車両用空気調和装置に
用いて好適なものである。 【0002】 【従来の技術】従来の開閉装置は、例えば図13に示す
ように、流体が通過する通過口101の上流または下流
に、通過口101を閉鎖可能な板状ダンパ102を配設
し、板状ダンパ102の端部に設けられた回動軸103
を中心に板状ダンパ102を回動操作することによっ
て、板状ダンパ102により通過口101の開閉を行っ
ていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記に示す
板状ダンパ102により通過口101を閉鎖するもの
は、通過口101を通過しようとする流体の圧力が大き
くなると、通過口101の周囲の部材105とシール部
材104との間や、シール部材104の気泡部等から、
図9の破線Gに示すように大きな漏れが発生するという
問題があった。 【0004】また、通過口101の上流に、この通過口
101を開口させうる開口部を備えた可撓性の膜状部材
を設け、この膜状部材を通過口101に対向した状態で
移動させる方法がある。この方法の場合、前記膜状部材
にて通過口101を閉鎖しているときに流体の圧力が大
きくなると、前記膜状部材が通過口101側に膨らんで
たわみ、このたわみ部分から流体が漏れてしまうという
問題が発生する。 【0005】そこで本発明は上記問題に鑑み、通過口の
閉鎖時における流体の漏れを少なく抑えることのできる
開閉装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、流体が通過する通過口と、前記通過口の上
流側で、かつ前記通過口に対向した状態で配置され、前
記通過口を開口させうる開口部を備えた可撓性の膜状部
材と、前記膜状部材を前記通過口に対向した状態で移動
させる操作手段とを備え、前記通過口の開口の内部に格
子を設けたことを特徴とする。 【0007】 【発明の作用効果】上記構成に示すように、膜状部材は
可撓性であるため、膜状部材を通過口に対向した状態で
移動させることができる。膜状部材を移動させることに
より、膜状部材の開口部と通過口とが重なり合う面積を
変え、通過口を通過する流体の量を変える。 【0008】ここで、通過口の開口の内部には格子が設
けられているため、膜状部材にて通過口を閉鎖している
ときに流体の圧力が大きくなっても、膜状部材の通過口
側への膨らみは格子によって抑えられる。従って膜状部
材がたわむ量も抑えられるため、通過口の閉鎖時におけ
る流体の漏れを少なく抑えることができる。 【0009】 【実施例】次に、本発明の開閉装置を車両用空気調和装
置の吹出口切換機構に適用した実施例について、図面を
用いて説明する。本実施例の空気調和装置は、図2の概
略図に示すように、冷風と温風とを混合し、混合した空
気を車室内の各部に吹き出す方式のもので、通風ダクト
1の上流には、空気導入口として車室内と通じて車室内
空気(内気)を循環させるための内気導入口2と、車室
外空気(外気)を取り入れるための外気導入口3とが形
成されており、両導入口2,3のいずれか一方は、内外
気切換ダンパ4によって閉塞される。 【0010】この通風ダクト1には、下流側に向かっ
て、送風機5、冷却器6、加熱器7、この加熱器7をバ
イパスするバイパス通路8、加熱器7を通る空気とバイ
パス通路8を通る空気との比を調節するエアミックスダ
ンパ9、このエアミックスダンパ9で混合された空気を
車室内の各部に供給する吹出口切換機構10が設けられ
ている。 【0011】この吹出口切換機構10は、図1および図
3に示すように通風ダクト1の下流側を構成し、角型形
状を呈するケース11の上面、正面、底面にデフロスタ
吹出口12、ベンチレーション吹出口13、ヒータ吹出
口14が開設されている。このデフロスタ吹出口12、
ベンチレーション吹出口13、およびヒータ吹出口14
は、送風機5によって発生した空気(流体)を通風ダク
ト1内より車室内に向けて通過させる通過口で、本実施
例では各吹出口12〜14の周囲のケース11の内周面
は大きな平面度が得られるように設けられている。 【0012】これら吹出口12〜14は、幅方向の開口
長が同一で、ケース11の周方向(ケース11の前後方
向および上下方向)に並んで設けられている。またデフ
ロスタ吹出口12とヒータ吹出口14は、周方向の開口
長が同一で、ベンチレーション吹出口13の周方向の開
口長は、デフロスタ吹出口12およびヒータ吹出口14
の周方向の長さよりも長く設けられている。 【0013】デフロスタ吹出口12には、デフロスタ吹
出口12より吹き出される空気をフロントガラス15に
吹きつけるデフロスタノズル16が装着され、ベンチレ
ーション吹出口13には、ベンチレーション吹出口13
より吹き出される空気をインストルメントパネル17の
中央および両側より車両乗員の胸部付近に吹きつける三
方分岐ノズル18が装着され、ヒータ吹出口14には、
ヒータ吹出口14より吹き出される空気を車両乗員の足
元に吹き出すヒータノズル19が装着されている。 【0014】ケース11内には、図4にも示すような例
えばポリエチレン系樹脂よりなるエンドレスの可撓性の
膜状部材(以下フィルムダンパという)20が配設され
ている。このフィルムダンパ20は、1枚の帯状のフィ
ルムダンパ20の両端を溶着または接着等によって固着
して設けたもので、フィルムダンパ20の外周面等にシ
ール部材が設けられていない単一層のものである。ま
た、フィルムダンパ20の少なくとも外周側の面は、大
きな平面度が得られるうよ設けられている。 【0015】なお、このフィルムダンパ20は、ケース
11内に配設されるフィルムダンパ支持フレーム21に
より、各吹出口12〜14に平行した状態で移動可能に
支持される。また、各吹出口12〜14の開口の内部に
は、下述するフィルムダンパ20の変形防止用の格子2
2,23,24がそれぞれ設けられている。 【0016】フィルムダンパ20には、第1開口部2
5、第2開口部26、および第3開口部27が開設され
ている。各開口部25〜27の周方向の中央には、帯が
設けられており、各開口部25〜27がフィルムダンパ
支持フレーム21の各コーナー部分を通過する際に、フ
ィルムダンパ20が変形するのを防いでいる。各開口部
25〜27は、幅方向の開口長が各吹出口12〜14の
幅方向の開口長と同じ長さに設けられている。また第1
開口部25と第3開口部27の周方向の開口長は、ベン
チレーション吹出口13の周方向の開口長の約1.5倍
に形成され、第2開口部26の周方向の開口長は、ヒー
タ吹出口14の周方向の開口長の約半分に形成されてい
る。 【0017】フィルムダンパ支持フレーム21は、ケー
ス11の内形に対応し、骨格が立方体形状を呈するもの
で、ケース11の側面断面の形状に対応しかつ内部が開
口した2つの四角枠体28,29と、この四角枠体2
8,29の対向するコーナー部に固着された2つの支柱
30,31と、四角枠体28,29のコーナー部に設け
られた穴32,33に回転自在に装着された駆動シャフ
ト34と、四角枠体28,29のコーナー部に設けられ
た穴35,36に回転自在に装着された従動シャフト3
7とからなる。 【0018】駆動シャフト34の両端部には、フィルム
ダンパ20の両端の全周にわたって設けられた多数の噛
み合わせ穴38と噛み合う歯車39,40が設けられ、
上流側の歯車39は、フィルムダンパ20内に流入する
空気の開口面積を広げるように内部が開口して設けられ
ている。また従動シャフト37の両端にも、噛み合わせ
穴38と噛み合う歯車41,42が設けられている。 【0019】なお、駆動シャフト34および従動シャフ
ト37の組付け方法について説明すると、まず四角枠体
28,29のコーナー部分を外側に広げ、その内側より
両シャフト34,37を装着する。この場合、従動シャ
フト37を四角枠体28,29に装着し、次にフィルム
ダンパ20を装着し、最後に駆動シャフト34をフィル
ムダンパ20の内側よりフィルムダンパを張りながら四
角枠体28,29に装着する。そして、このようにフィ
ルムダンパ20が装着されたフィルムダンパ支持フレー
ム21は、ケース11を構成する下側ケース43内に挿
入され、その上方より上側ケース44を装着することで
ケース11内に配置される。 【0020】なお、フィルムダンパ支持フレーム21に
よってケース11内に配置されたフィルムダンパ20
は、ケース11の内壁とのクリアランスが小さく保たれ
るように設けられるとともに、フィルムダンパ20内に
送風機5によって空気流が供給されたとき、その空気流
の圧力によって、適度にケース11側に膨らみ、フィル
ムダンパ20の外周面が各吹出口12〜14の周囲のケ
ース11の内壁(通過口の周囲の部材)に接触して押し
つけられるように設けられている。 【0021】ケース11の側面には、図3に示すよう
に、駆動シャフト34を回転駆動するシャフト駆動機構
45が設けられている。このシャフト駆動機構45は、
図4に示すように、ケース11の側面に設けられた穴4
6を介して駆動シャフト34の端部に設けられた挿入穴
47内に挿入する突起48を備えたピニオン49と、外
周がピニオン49と噛み合う扇形状の駆動プレート50
と、一端が駆動プレート50のピン51に連結し、他端
が図5に示す空気調和コントロールパネル52に設けら
れた吹出モード選択レバー53に連結され、吹出モード
選択レバー53の設定位置に応じて駆動プレート50を
遠隔操作するワイヤ54とからなり、駆動プレート50
は、螺子55によりケース11の側面に回転自在に支持
される。 【0022】なお、本実施例の空気調和装置には、ベン
チレーション吹出モード、バイレベル吹出モード、ヒー
タ吹出モード、デフロスタ吹出モードが設けられ、車両
乗員が吹出モード選択レバー53を移動操作することに
より駆動シャフト34が回動し、上記各吹出モードが選
択的に得られるようになっている。また、本実施例の空
気調和コントロールパネル52には、送風機の起動およ
び風量操作を行うファンスイッチ56、内外気切換ダン
パ4を操作する内外気切換レバー57、クーラースイッ
チ58、エアミックスダンパ駆動レバー59が設けられ
ている。 【0023】なお、上記フィルムダンパ支持フレーム2
1およびシャフト駆動機構45により、本発明でいう操
作手段が構成されている。次に、本実施例の作動を説明
する。ファンスイッチ56がONされると、送風機5が
内気導入口2または外気導入口3より空気を吸引し、こ
の吸引空気を通風ダクト1内に供給する。そして通風ダ
クト1内に供給された空気は冷却器6を通過する。この
とき、クーラースイッチ58がONされていれば、前記
冷却器6を通過する空気は冷却される。 【0024】冷却器6を通過した空気は、エアミックス
ダンパ9の設定位置に応じた割合で、加熱器7ないしバ
イパス通路8を通過し、加熱器7の下流で合流混合され
ながら四角枠体28の内部の開口よりフィルムダンパ2
0の内部に流入する。 a)空気調和コントロールパネル52の吹出モード選択
レバー53がベンチレーション吹出モードを選択する場
合。 【0025】吹出モード選択レバー53をベンチレーシ
ョン吹出モード位置に設定することにより、駆動プレー
ト50がワイヤ54によって駆動され、図1の位置に移
動する。すると、ピニオン49および駆動シャフト34
の回転に伴って、フィルムダンパ20が図1の位置に設
定され、第1開口部25がベンチレーション吹出口13
を全面的に開口し、デフロスタ吹出口12およびヒータ
吹出口14がフィルムダンパ20により全面的に塞がれ
る。 【0026】一方、フィルムダンパ20は、フィルムダ
ンパ20内に供給された空気流の圧力により、外方に向
かって膨らむ。このため、デフロスタ吹出口12とヒー
タ吹出口14とを塞ぐフィルムダンパ20は、空気流の
圧力によってケース11側に膨らみ、フィルムダンパ2
0がデフロスタ吹出口12およびヒータ吹出口14の周
囲のケース11の内壁に直接押しつけられる。この結
果、フィルムダンパ20と、デフロスタ吹出口12およ
びヒータ吹出口14の周囲のケース11の内壁との間が
気密に保たれる。これにより、デフロスタ吹出口12お
よびヒータ吹出口14を通過する空気の漏れを小さく抑
えることができる。 【0027】また、デフロスタ吹出口12の開口の内
部、およびヒータ吹出口14の開口の内部には格子2
2,24が設けられているため、デフロスタ吹出口12
部分およびヒータ吹出口14部分でのフィルムダンパ2
0の外方への膨らみは小さく抑えられる。従ってフィル
ムダンパ20がたわむ量も抑えられるため、上記両吹出
口12,14の閉鎖時における空気の漏れを少なく抑え
ることができる。 【0028】以上のように、フィルムダンパ20の内部
に供給された空気は、第1開口部25、ベンチレーショ
ン吹出口13、および三方分岐ノズル18を介して、イ
ンストルメントパネル17の中央および両側より車両乗
員の胸元へ大きな風量で吹き出される。 b)空気調和コントロールパネル52の吹出モード選択
レバー53がバイレベル吹出モードを選択する場合。 【0029】駆動プレート50を、ベンチレーション吹
出モードの位置から図1の矢印α方向へ約20°回転さ
せると、ピニオン49、駆動シャフト34、歯車39、
および歯車40が図1の矢印β方向に回転し、フィルム
ダンパ20が図6に示す位置に設定される。このときデ
フロスタ吹出口12はフィルムダンパ20で全面的に塞
がれ、ベンチレーション吹出口13の約半分およびヒー
タ吹出口14の約半分が第1開口部25および第2開口
部26により開口する。 【0030】このとき、デフロスタ吹出口12を塞ぐフ
ィルムダンパ20は、フィルムダンパ20内に供給され
た空気流の圧力によってケース11側に膨らみ、フィル
ムダンパ20がデフロスタ吹出口12の周囲のケース1
1の内壁に直接押しつけられる。この結果、フィルムダ
ンパ20と、デフロスタ吹出口12の周囲のケース11
の内壁との間が気密に保たれる。これにより、デフロス
タ吹出口12を通過する空気の漏れを小さく抑えること
ができる。 【0031】また、デフロスタ吹出口12の開口の内部
には格子22が設けられているため、デフロスタ吹出口
12部分でのフィルムダンパ20の外方への膨らみは小
さく抑えられる。従ってフィルムダンパ20がたわむ量
も抑えられるため、デフロスタ吹出口12の閉鎖時にお
ける空気の漏れを少なく抑えることができる。以上のよ
うに、フィルムダンパ20の内部に供給された空気は、
第1開口部25、ベンチレーション吹出口13、および
三方分岐ノズル18を介して、インストルメントパネル
17の中央および両側より車両乗員の胸元へ吹き出され
るとともに、第2開口部26、ヒータ吹出口14、およ
びヒータノズル19を介して、車両乗員の足元に吹き出
される。 【0032】c)空気調和コントロールパネル52の吹
出モード選択レバー53がヒータ吹出モードを選択する
場合。駆動プレート50を、ベンチレーション吹出モー
ドの位置から図1の矢印α方向へ約40°回転させる
と、ピニオン49、駆動シャフト34、歯車39、およ
び歯車40が図1の矢印β方向に回転し、フィルムダン
パ20が図7に示す位置に設定される。このときデフロ
スタ吹出口12の一部が第3開口部27によって開口
し、ベンチレーション吹出口13はフィルムダンパ20
によって全面的に塞がれ、ヒータ吹出口14は第1開口
部25によって全面的に開口する。 【0033】このとき、ベンチレーション吹出口13を
塞ぐフィルムダンパ20は、フィルムダンパ20内に供
給された空気流の圧力によってケース11側に膨らみ、
フィルムダンパ20がベンチレーション吹出口13の周
囲のケース11の内壁に直接押しつけられる。この結
果、フィルムダンパ20と、ベンチレーション吹出口1
3の周囲のケース11の内壁との間が気密に保たれる。
これにより、ベンチレーション吹出口13を通過する空
気の漏れを小さく抑えることができる。 【0034】また、ベンチレーション吹出口13の開口
の内部には格子23が設けられているため、ベンチレー
ション吹出口13部分でのフィルムダンパ20の外方へ
の膨らみは小さく抑えられる。従ってフィルムダンパ2
0がたわむ量も抑えられるため、ベンチレーション吹出
口13の閉鎖時における空気の漏れを少なく抑えること
ができる。 【0035】以上のように、フィルムダンパ20の内部
に供給された空気は、第1開口部25、ヒータ吹出口1
4、およびヒータノズル19を介して、車両乗員の足元
へ大きな風量で吹き出されるとともに、第3開口部2
7、デフロスタ吹出口12、およびデフロスタノズル1
6を介して、フロントガラス15の下面へ小さな風量で
吹き出される。 【0036】d)空気調和コントロールパネル52の吹
出モード選択レバー53がデフロスタ吹出モードを選択
する場合。駆動プレート50を、ベンチレーション吹出
モードの位置から図1の矢印α方向へ約60°回転させ
ると、ピニオン49、駆動シャフト34、歯車39、お
よび歯車40が図1の矢印β方向に回転し、フィルムダ
ンパ20が図8に示す位置に設定される。このときデフ
ロスタ吹出口12は第3開口部27によって全面的に開
口し、ベンチレーション吹出口13はフィルムダンパ2
0によって全面的に塞がれ、ヒータ吹出口14の一部が
第1開口部25によって開口する。 【0037】このとき、ベンチレーション吹出口13を
塞ぐフィルムダンパ20は、フィルムダンパ20内に供
給された空気流の圧力によってケース11側に膨らみ、
フィルムダンパ20がベンチレーション吹出口13の周
囲のケース11の内壁に直接押しつけられる。この結
果、フィルムダンパ20と、ベンチレーション吹出口1
3の周囲のケース11の内壁との間が気密に保たれる。
これにより、ベンチレーション吹出口13を通過する空
気の漏れを小さく抑えることができる。 【0038】また、ベンチレーション吹出口13部分で
のフィルムダンパ20の外方への膨らみは、格子23に
よって小さく抑えられるため、フィルムダンパ20がた
わむ量も抑えられ、ベンチレーション吹出口13の閉鎖
時における空気の漏れを少なく抑えることができる。以
上のように、フィルムダンパ20の内部に供給された空
気は、第1開口部25、ヒータ吹出口14、およびヒー
タノズル19を介して、車両乗員の足元へ小さな風量で
吹き出されるとともに、第3開口部27、デフロスタ吹
出口12、およびデフロスタノズル16を介してフロン
トガラス15の下面へ大きな風量で吹き出される。 【0039】図9は、フィルムダンパ20内に供給され
る空気の圧力(内部圧力)と、デフロスタ吹出口12、
ベンチレーション吹出口13、およびヒータ吹出口14
からの空気漏れ量との関係を示すグラフである。ここで
実線Aは、シール部材を有しないフィルムダンパ20で
シール部材を有しない吹出口を塞ぐ本実施例での関係を
示し、一点鎖線Bは、吹出口の周囲のケース11の内壁
にシール部材を設けた例での関係を示す。 【0040】このグラフに示すように、シール部材を有
しないフィルムダンパ20で、各吹出口12〜14の周
囲のケース11の内壁を直接押さえつける本実施例のも
のは、フィルムダンパ20の外周面がケース11の内周
面に風圧で密着するため、自己シール性を持ち、ダンパ
とケースとの間にシール部材を設けるものに比較して空
気の漏れ量を少なく抑えることができる。 【0041】また本実施例によれば、フィルムダンパ2
0を各吹出口12〜14に対向させて移動させることに
より、各吹出口12〜14の開閉を行う際、従来の開閉
装置のように、空気の流れに向かったり、流れに押され
たりしないとともに、従来の開閉装置に用いられたシー
ル部材を通過口の周囲の部材に押しつける力が不要とな
る。 【0042】このため、例えばベンチレーション吹出モ
ードとデフロスタ吹出モードとを切り換える際、図10
の実線C(ベンチレーション吹出モードからデフロスタ
吹出モードへの切換)、実線D(デフロスタ吹出モード
からベンチレーション吹出モードへの切換)に示すよう
に、従来の開閉装置に比較してフィルムダンパ20を小
さな操作力でスムーズに操作することができる。 【0043】なお、吹出口の周囲のケース11の内壁に
シール部材を設けた場合は、図中一点鎖線E(ベンチレ
ーション吹出モードからデフロスタ吹出モードへの切
換)、一点鎖線F(デフロスタ吹出モードからベンチレ
ーション吹出モードへの切換)に示すように、フィルム
ダンパ20の押込み圧力が大きくなると操作力が非常に
大きくなる。 【0044】図11に本発明の第2実施例を示す。本実
施例は、各吹出口12〜14の周囲の内壁をフィルムダ
ンパ20側に一定幅で盛り上げたものである。これによ
り、フィルムダンパ20内に供給される風圧が大きくな
っても、フィルムダンパ20の操作力を低減することが
できる。 (変形例)上記各実施例では、、ケース11の形状を四
角型形状に設けた例を示したが、フレームに支柱や従動
シャフトを通過することにより、ケース11の形状を多
角形や円筒形など自由に設計することが可能なため、イ
ンストルメントパネル内の形状に応じて、インストルメ
ントバネル内を有効に利用することができる。 【0045】また上記各実施例では、フィルムダンパ2
0を駆動ロータで回転させるようにしたが、図12に示
すように、フィルムダンパ20をアーム61の一端に直
接取り付け、アーム61の枢軸に取り付けられた駆動レ
バー62を図示しないワイヤ等で駆動し、フィルムダン
パ20を回動させても良い。また上記各実施例では、フ
ィルムダンパ20をワイヤを介して手動操作させる例に
ついて説明したが、電動モータや負圧アクチュエータ、
油圧アクチュエータ等の駆動手段によって回動操作させ
ても良い。 【0046】また上記各実施例では、フィルムダンパ2
0を単一の部材で構成したが、摺動抵抗を低減させる目
的で、フィルムダンパ20の外周面にクロス等を接着さ
せても良い。また上記各実施例では、本発明を車両用空
気調和装置の吹出口切換機構に適用した例を示したが、
内外気切換機構やエアミックス機構に適用したり、ある
いはステンレス等の薄い金属で膜状部材を形成して流体
の流量制御を行うようにしても良い。
を開閉する開閉装置に関し、特に車両用空気調和装置に
用いて好適なものである。 【0002】 【従来の技術】従来の開閉装置は、例えば図13に示す
ように、流体が通過する通過口101の上流または下流
に、通過口101を閉鎖可能な板状ダンパ102を配設
し、板状ダンパ102の端部に設けられた回動軸103
を中心に板状ダンパ102を回動操作することによっ
て、板状ダンパ102により通過口101の開閉を行っ
ていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記に示す
板状ダンパ102により通過口101を閉鎖するもの
は、通過口101を通過しようとする流体の圧力が大き
くなると、通過口101の周囲の部材105とシール部
材104との間や、シール部材104の気泡部等から、
図9の破線Gに示すように大きな漏れが発生するという
問題があった。 【0004】また、通過口101の上流に、この通過口
101を開口させうる開口部を備えた可撓性の膜状部材
を設け、この膜状部材を通過口101に対向した状態で
移動させる方法がある。この方法の場合、前記膜状部材
にて通過口101を閉鎖しているときに流体の圧力が大
きくなると、前記膜状部材が通過口101側に膨らんで
たわみ、このたわみ部分から流体が漏れてしまうという
問題が発生する。 【0005】そこで本発明は上記問題に鑑み、通過口の
閉鎖時における流体の漏れを少なく抑えることのできる
開閉装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、流体が通過する通過口と、前記通過口の上
流側で、かつ前記通過口に対向した状態で配置され、前
記通過口を開口させうる開口部を備えた可撓性の膜状部
材と、前記膜状部材を前記通過口に対向した状態で移動
させる操作手段とを備え、前記通過口の開口の内部に格
子を設けたことを特徴とする。 【0007】 【発明の作用効果】上記構成に示すように、膜状部材は
可撓性であるため、膜状部材を通過口に対向した状態で
移動させることができる。膜状部材を移動させることに
より、膜状部材の開口部と通過口とが重なり合う面積を
変え、通過口を通過する流体の量を変える。 【0008】ここで、通過口の開口の内部には格子が設
けられているため、膜状部材にて通過口を閉鎖している
ときに流体の圧力が大きくなっても、膜状部材の通過口
側への膨らみは格子によって抑えられる。従って膜状部
材がたわむ量も抑えられるため、通過口の閉鎖時におけ
る流体の漏れを少なく抑えることができる。 【0009】 【実施例】次に、本発明の開閉装置を車両用空気調和装
置の吹出口切換機構に適用した実施例について、図面を
用いて説明する。本実施例の空気調和装置は、図2の概
略図に示すように、冷風と温風とを混合し、混合した空
気を車室内の各部に吹き出す方式のもので、通風ダクト
1の上流には、空気導入口として車室内と通じて車室内
空気(内気)を循環させるための内気導入口2と、車室
外空気(外気)を取り入れるための外気導入口3とが形
成されており、両導入口2,3のいずれか一方は、内外
気切換ダンパ4によって閉塞される。 【0010】この通風ダクト1には、下流側に向かっ
て、送風機5、冷却器6、加熱器7、この加熱器7をバ
イパスするバイパス通路8、加熱器7を通る空気とバイ
パス通路8を通る空気との比を調節するエアミックスダ
ンパ9、このエアミックスダンパ9で混合された空気を
車室内の各部に供給する吹出口切換機構10が設けられ
ている。 【0011】この吹出口切換機構10は、図1および図
3に示すように通風ダクト1の下流側を構成し、角型形
状を呈するケース11の上面、正面、底面にデフロスタ
吹出口12、ベンチレーション吹出口13、ヒータ吹出
口14が開設されている。このデフロスタ吹出口12、
ベンチレーション吹出口13、およびヒータ吹出口14
は、送風機5によって発生した空気(流体)を通風ダク
ト1内より車室内に向けて通過させる通過口で、本実施
例では各吹出口12〜14の周囲のケース11の内周面
は大きな平面度が得られるように設けられている。 【0012】これら吹出口12〜14は、幅方向の開口
長が同一で、ケース11の周方向(ケース11の前後方
向および上下方向)に並んで設けられている。またデフ
ロスタ吹出口12とヒータ吹出口14は、周方向の開口
長が同一で、ベンチレーション吹出口13の周方向の開
口長は、デフロスタ吹出口12およびヒータ吹出口14
の周方向の長さよりも長く設けられている。 【0013】デフロスタ吹出口12には、デフロスタ吹
出口12より吹き出される空気をフロントガラス15に
吹きつけるデフロスタノズル16が装着され、ベンチレ
ーション吹出口13には、ベンチレーション吹出口13
より吹き出される空気をインストルメントパネル17の
中央および両側より車両乗員の胸部付近に吹きつける三
方分岐ノズル18が装着され、ヒータ吹出口14には、
ヒータ吹出口14より吹き出される空気を車両乗員の足
元に吹き出すヒータノズル19が装着されている。 【0014】ケース11内には、図4にも示すような例
えばポリエチレン系樹脂よりなるエンドレスの可撓性の
膜状部材(以下フィルムダンパという)20が配設され
ている。このフィルムダンパ20は、1枚の帯状のフィ
ルムダンパ20の両端を溶着または接着等によって固着
して設けたもので、フィルムダンパ20の外周面等にシ
ール部材が設けられていない単一層のものである。ま
た、フィルムダンパ20の少なくとも外周側の面は、大
きな平面度が得られるうよ設けられている。 【0015】なお、このフィルムダンパ20は、ケース
11内に配設されるフィルムダンパ支持フレーム21に
より、各吹出口12〜14に平行した状態で移動可能に
支持される。また、各吹出口12〜14の開口の内部に
は、下述するフィルムダンパ20の変形防止用の格子2
2,23,24がそれぞれ設けられている。 【0016】フィルムダンパ20には、第1開口部2
5、第2開口部26、および第3開口部27が開設され
ている。各開口部25〜27の周方向の中央には、帯が
設けられており、各開口部25〜27がフィルムダンパ
支持フレーム21の各コーナー部分を通過する際に、フ
ィルムダンパ20が変形するのを防いでいる。各開口部
25〜27は、幅方向の開口長が各吹出口12〜14の
幅方向の開口長と同じ長さに設けられている。また第1
開口部25と第3開口部27の周方向の開口長は、ベン
チレーション吹出口13の周方向の開口長の約1.5倍
に形成され、第2開口部26の周方向の開口長は、ヒー
タ吹出口14の周方向の開口長の約半分に形成されてい
る。 【0017】フィルムダンパ支持フレーム21は、ケー
ス11の内形に対応し、骨格が立方体形状を呈するもの
で、ケース11の側面断面の形状に対応しかつ内部が開
口した2つの四角枠体28,29と、この四角枠体2
8,29の対向するコーナー部に固着された2つの支柱
30,31と、四角枠体28,29のコーナー部に設け
られた穴32,33に回転自在に装着された駆動シャフ
ト34と、四角枠体28,29のコーナー部に設けられ
た穴35,36に回転自在に装着された従動シャフト3
7とからなる。 【0018】駆動シャフト34の両端部には、フィルム
ダンパ20の両端の全周にわたって設けられた多数の噛
み合わせ穴38と噛み合う歯車39,40が設けられ、
上流側の歯車39は、フィルムダンパ20内に流入する
空気の開口面積を広げるように内部が開口して設けられ
ている。また従動シャフト37の両端にも、噛み合わせ
穴38と噛み合う歯車41,42が設けられている。 【0019】なお、駆動シャフト34および従動シャフ
ト37の組付け方法について説明すると、まず四角枠体
28,29のコーナー部分を外側に広げ、その内側より
両シャフト34,37を装着する。この場合、従動シャ
フト37を四角枠体28,29に装着し、次にフィルム
ダンパ20を装着し、最後に駆動シャフト34をフィル
ムダンパ20の内側よりフィルムダンパを張りながら四
角枠体28,29に装着する。そして、このようにフィ
ルムダンパ20が装着されたフィルムダンパ支持フレー
ム21は、ケース11を構成する下側ケース43内に挿
入され、その上方より上側ケース44を装着することで
ケース11内に配置される。 【0020】なお、フィルムダンパ支持フレーム21に
よってケース11内に配置されたフィルムダンパ20
は、ケース11の内壁とのクリアランスが小さく保たれ
るように設けられるとともに、フィルムダンパ20内に
送風機5によって空気流が供給されたとき、その空気流
の圧力によって、適度にケース11側に膨らみ、フィル
ムダンパ20の外周面が各吹出口12〜14の周囲のケ
ース11の内壁(通過口の周囲の部材)に接触して押し
つけられるように設けられている。 【0021】ケース11の側面には、図3に示すよう
に、駆動シャフト34を回転駆動するシャフト駆動機構
45が設けられている。このシャフト駆動機構45は、
図4に示すように、ケース11の側面に設けられた穴4
6を介して駆動シャフト34の端部に設けられた挿入穴
47内に挿入する突起48を備えたピニオン49と、外
周がピニオン49と噛み合う扇形状の駆動プレート50
と、一端が駆動プレート50のピン51に連結し、他端
が図5に示す空気調和コントロールパネル52に設けら
れた吹出モード選択レバー53に連結され、吹出モード
選択レバー53の設定位置に応じて駆動プレート50を
遠隔操作するワイヤ54とからなり、駆動プレート50
は、螺子55によりケース11の側面に回転自在に支持
される。 【0022】なお、本実施例の空気調和装置には、ベン
チレーション吹出モード、バイレベル吹出モード、ヒー
タ吹出モード、デフロスタ吹出モードが設けられ、車両
乗員が吹出モード選択レバー53を移動操作することに
より駆動シャフト34が回動し、上記各吹出モードが選
択的に得られるようになっている。また、本実施例の空
気調和コントロールパネル52には、送風機の起動およ
び風量操作を行うファンスイッチ56、内外気切換ダン
パ4を操作する内外気切換レバー57、クーラースイッ
チ58、エアミックスダンパ駆動レバー59が設けられ
ている。 【0023】なお、上記フィルムダンパ支持フレーム2
1およびシャフト駆動機構45により、本発明でいう操
作手段が構成されている。次に、本実施例の作動を説明
する。ファンスイッチ56がONされると、送風機5が
内気導入口2または外気導入口3より空気を吸引し、こ
の吸引空気を通風ダクト1内に供給する。そして通風ダ
クト1内に供給された空気は冷却器6を通過する。この
とき、クーラースイッチ58がONされていれば、前記
冷却器6を通過する空気は冷却される。 【0024】冷却器6を通過した空気は、エアミックス
ダンパ9の設定位置に応じた割合で、加熱器7ないしバ
イパス通路8を通過し、加熱器7の下流で合流混合され
ながら四角枠体28の内部の開口よりフィルムダンパ2
0の内部に流入する。 a)空気調和コントロールパネル52の吹出モード選択
レバー53がベンチレーション吹出モードを選択する場
合。 【0025】吹出モード選択レバー53をベンチレーシ
ョン吹出モード位置に設定することにより、駆動プレー
ト50がワイヤ54によって駆動され、図1の位置に移
動する。すると、ピニオン49および駆動シャフト34
の回転に伴って、フィルムダンパ20が図1の位置に設
定され、第1開口部25がベンチレーション吹出口13
を全面的に開口し、デフロスタ吹出口12およびヒータ
吹出口14がフィルムダンパ20により全面的に塞がれ
る。 【0026】一方、フィルムダンパ20は、フィルムダ
ンパ20内に供給された空気流の圧力により、外方に向
かって膨らむ。このため、デフロスタ吹出口12とヒー
タ吹出口14とを塞ぐフィルムダンパ20は、空気流の
圧力によってケース11側に膨らみ、フィルムダンパ2
0がデフロスタ吹出口12およびヒータ吹出口14の周
囲のケース11の内壁に直接押しつけられる。この結
果、フィルムダンパ20と、デフロスタ吹出口12およ
びヒータ吹出口14の周囲のケース11の内壁との間が
気密に保たれる。これにより、デフロスタ吹出口12お
よびヒータ吹出口14を通過する空気の漏れを小さく抑
えることができる。 【0027】また、デフロスタ吹出口12の開口の内
部、およびヒータ吹出口14の開口の内部には格子2
2,24が設けられているため、デフロスタ吹出口12
部分およびヒータ吹出口14部分でのフィルムダンパ2
0の外方への膨らみは小さく抑えられる。従ってフィル
ムダンパ20がたわむ量も抑えられるため、上記両吹出
口12,14の閉鎖時における空気の漏れを少なく抑え
ることができる。 【0028】以上のように、フィルムダンパ20の内部
に供給された空気は、第1開口部25、ベンチレーショ
ン吹出口13、および三方分岐ノズル18を介して、イ
ンストルメントパネル17の中央および両側より車両乗
員の胸元へ大きな風量で吹き出される。 b)空気調和コントロールパネル52の吹出モード選択
レバー53がバイレベル吹出モードを選択する場合。 【0029】駆動プレート50を、ベンチレーション吹
出モードの位置から図1の矢印α方向へ約20°回転さ
せると、ピニオン49、駆動シャフト34、歯車39、
および歯車40が図1の矢印β方向に回転し、フィルム
ダンパ20が図6に示す位置に設定される。このときデ
フロスタ吹出口12はフィルムダンパ20で全面的に塞
がれ、ベンチレーション吹出口13の約半分およびヒー
タ吹出口14の約半分が第1開口部25および第2開口
部26により開口する。 【0030】このとき、デフロスタ吹出口12を塞ぐフ
ィルムダンパ20は、フィルムダンパ20内に供給され
た空気流の圧力によってケース11側に膨らみ、フィル
ムダンパ20がデフロスタ吹出口12の周囲のケース1
1の内壁に直接押しつけられる。この結果、フィルムダ
ンパ20と、デフロスタ吹出口12の周囲のケース11
の内壁との間が気密に保たれる。これにより、デフロス
タ吹出口12を通過する空気の漏れを小さく抑えること
ができる。 【0031】また、デフロスタ吹出口12の開口の内部
には格子22が設けられているため、デフロスタ吹出口
12部分でのフィルムダンパ20の外方への膨らみは小
さく抑えられる。従ってフィルムダンパ20がたわむ量
も抑えられるため、デフロスタ吹出口12の閉鎖時にお
ける空気の漏れを少なく抑えることができる。以上のよ
うに、フィルムダンパ20の内部に供給された空気は、
第1開口部25、ベンチレーション吹出口13、および
三方分岐ノズル18を介して、インストルメントパネル
17の中央および両側より車両乗員の胸元へ吹き出され
るとともに、第2開口部26、ヒータ吹出口14、およ
びヒータノズル19を介して、車両乗員の足元に吹き出
される。 【0032】c)空気調和コントロールパネル52の吹
出モード選択レバー53がヒータ吹出モードを選択する
場合。駆動プレート50を、ベンチレーション吹出モー
ドの位置から図1の矢印α方向へ約40°回転させる
と、ピニオン49、駆動シャフト34、歯車39、およ
び歯車40が図1の矢印β方向に回転し、フィルムダン
パ20が図7に示す位置に設定される。このときデフロ
スタ吹出口12の一部が第3開口部27によって開口
し、ベンチレーション吹出口13はフィルムダンパ20
によって全面的に塞がれ、ヒータ吹出口14は第1開口
部25によって全面的に開口する。 【0033】このとき、ベンチレーション吹出口13を
塞ぐフィルムダンパ20は、フィルムダンパ20内に供
給された空気流の圧力によってケース11側に膨らみ、
フィルムダンパ20がベンチレーション吹出口13の周
囲のケース11の内壁に直接押しつけられる。この結
果、フィルムダンパ20と、ベンチレーション吹出口1
3の周囲のケース11の内壁との間が気密に保たれる。
これにより、ベンチレーション吹出口13を通過する空
気の漏れを小さく抑えることができる。 【0034】また、ベンチレーション吹出口13の開口
の内部には格子23が設けられているため、ベンチレー
ション吹出口13部分でのフィルムダンパ20の外方へ
の膨らみは小さく抑えられる。従ってフィルムダンパ2
0がたわむ量も抑えられるため、ベンチレーション吹出
口13の閉鎖時における空気の漏れを少なく抑えること
ができる。 【0035】以上のように、フィルムダンパ20の内部
に供給された空気は、第1開口部25、ヒータ吹出口1
4、およびヒータノズル19を介して、車両乗員の足元
へ大きな風量で吹き出されるとともに、第3開口部2
7、デフロスタ吹出口12、およびデフロスタノズル1
6を介して、フロントガラス15の下面へ小さな風量で
吹き出される。 【0036】d)空気調和コントロールパネル52の吹
出モード選択レバー53がデフロスタ吹出モードを選択
する場合。駆動プレート50を、ベンチレーション吹出
モードの位置から図1の矢印α方向へ約60°回転させ
ると、ピニオン49、駆動シャフト34、歯車39、お
よび歯車40が図1の矢印β方向に回転し、フィルムダ
ンパ20が図8に示す位置に設定される。このときデフ
ロスタ吹出口12は第3開口部27によって全面的に開
口し、ベンチレーション吹出口13はフィルムダンパ2
0によって全面的に塞がれ、ヒータ吹出口14の一部が
第1開口部25によって開口する。 【0037】このとき、ベンチレーション吹出口13を
塞ぐフィルムダンパ20は、フィルムダンパ20内に供
給された空気流の圧力によってケース11側に膨らみ、
フィルムダンパ20がベンチレーション吹出口13の周
囲のケース11の内壁に直接押しつけられる。この結
果、フィルムダンパ20と、ベンチレーション吹出口1
3の周囲のケース11の内壁との間が気密に保たれる。
これにより、ベンチレーション吹出口13を通過する空
気の漏れを小さく抑えることができる。 【0038】また、ベンチレーション吹出口13部分で
のフィルムダンパ20の外方への膨らみは、格子23に
よって小さく抑えられるため、フィルムダンパ20がた
わむ量も抑えられ、ベンチレーション吹出口13の閉鎖
時における空気の漏れを少なく抑えることができる。以
上のように、フィルムダンパ20の内部に供給された空
気は、第1開口部25、ヒータ吹出口14、およびヒー
タノズル19を介して、車両乗員の足元へ小さな風量で
吹き出されるとともに、第3開口部27、デフロスタ吹
出口12、およびデフロスタノズル16を介してフロン
トガラス15の下面へ大きな風量で吹き出される。 【0039】図9は、フィルムダンパ20内に供給され
る空気の圧力(内部圧力)と、デフロスタ吹出口12、
ベンチレーション吹出口13、およびヒータ吹出口14
からの空気漏れ量との関係を示すグラフである。ここで
実線Aは、シール部材を有しないフィルムダンパ20で
シール部材を有しない吹出口を塞ぐ本実施例での関係を
示し、一点鎖線Bは、吹出口の周囲のケース11の内壁
にシール部材を設けた例での関係を示す。 【0040】このグラフに示すように、シール部材を有
しないフィルムダンパ20で、各吹出口12〜14の周
囲のケース11の内壁を直接押さえつける本実施例のも
のは、フィルムダンパ20の外周面がケース11の内周
面に風圧で密着するため、自己シール性を持ち、ダンパ
とケースとの間にシール部材を設けるものに比較して空
気の漏れ量を少なく抑えることができる。 【0041】また本実施例によれば、フィルムダンパ2
0を各吹出口12〜14に対向させて移動させることに
より、各吹出口12〜14の開閉を行う際、従来の開閉
装置のように、空気の流れに向かったり、流れに押され
たりしないとともに、従来の開閉装置に用いられたシー
ル部材を通過口の周囲の部材に押しつける力が不要とな
る。 【0042】このため、例えばベンチレーション吹出モ
ードとデフロスタ吹出モードとを切り換える際、図10
の実線C(ベンチレーション吹出モードからデフロスタ
吹出モードへの切換)、実線D(デフロスタ吹出モード
からベンチレーション吹出モードへの切換)に示すよう
に、従来の開閉装置に比較してフィルムダンパ20を小
さな操作力でスムーズに操作することができる。 【0043】なお、吹出口の周囲のケース11の内壁に
シール部材を設けた場合は、図中一点鎖線E(ベンチレ
ーション吹出モードからデフロスタ吹出モードへの切
換)、一点鎖線F(デフロスタ吹出モードからベンチレ
ーション吹出モードへの切換)に示すように、フィルム
ダンパ20の押込み圧力が大きくなると操作力が非常に
大きくなる。 【0044】図11に本発明の第2実施例を示す。本実
施例は、各吹出口12〜14の周囲の内壁をフィルムダ
ンパ20側に一定幅で盛り上げたものである。これによ
り、フィルムダンパ20内に供給される風圧が大きくな
っても、フィルムダンパ20の操作力を低減することが
できる。 (変形例)上記各実施例では、、ケース11の形状を四
角型形状に設けた例を示したが、フレームに支柱や従動
シャフトを通過することにより、ケース11の形状を多
角形や円筒形など自由に設計することが可能なため、イ
ンストルメントパネル内の形状に応じて、インストルメ
ントバネル内を有効に利用することができる。 【0045】また上記各実施例では、フィルムダンパ2
0を駆動ロータで回転させるようにしたが、図12に示
すように、フィルムダンパ20をアーム61の一端に直
接取り付け、アーム61の枢軸に取り付けられた駆動レ
バー62を図示しないワイヤ等で駆動し、フィルムダン
パ20を回動させても良い。また上記各実施例では、フ
ィルムダンパ20をワイヤを介して手動操作させる例に
ついて説明したが、電動モータや負圧アクチュエータ、
油圧アクチュエータ等の駆動手段によって回動操作させ
ても良い。 【0046】また上記各実施例では、フィルムダンパ2
0を単一の部材で構成したが、摺動抵抗を低減させる目
的で、フィルムダンパ20の外周面にクロス等を接着さ
せても良い。また上記各実施例では、本発明を車両用空
気調和装置の吹出口切換機構に適用した例を示したが、
内外気切換機構やエアミックス機構に適用したり、ある
いはステンレス等の薄い金属で膜状部材を形成して流体
の流量制御を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例におけるベンチレーション吹
出モードに設定された吹出口切換機構の側面断面図であ
る。 【図2】上記実施例の空気調和装置の概略図である。 【図3】上記吹出口切換機構の斜視図である。 【図4】上記実施例における操作手段の分解図である。 【図5】上記実施例における空気調和コントロールパネ
ルの正面図である。 【図6】上記実施例におけるバイレベル吹出モードに設
定された吹出口切換機構の側面断面図である。 【図7】上記実施例におけるヒータ吹出モードに設定さ
れた吹出口切換機構の側面断面図である。 【図8】上記実施例におけるデフロスタ吹出モードに設
定された吹出口切換機構の側面断面図である。 【図9】内部圧力と空気漏れ量との関係を示すグラフで
ある。 【図10】押込み圧力と操作力との関係を示すグラフで
ある。 【図11】通過口の他の実施例を示す断面図である。 【図12】操作手段の他の実施例を示す概略図である。 【図13】従来の開閉装置の概略断面図である。 【符号の説明】 12 デフロスタ吹出口(通過口) 13 ベンチレーション吹出口(通過口) 14 ヒータ吹出口(通過口) 20 フィルムダンパ(膜状部材) 22,23,24 格子 25 第1開口部 26 第2開口部 27 第3開口部 60 操作手段
出モードに設定された吹出口切換機構の側面断面図であ
る。 【図2】上記実施例の空気調和装置の概略図である。 【図3】上記吹出口切換機構の斜視図である。 【図4】上記実施例における操作手段の分解図である。 【図5】上記実施例における空気調和コントロールパネ
ルの正面図である。 【図6】上記実施例におけるバイレベル吹出モードに設
定された吹出口切換機構の側面断面図である。 【図7】上記実施例におけるヒータ吹出モードに設定さ
れた吹出口切換機構の側面断面図である。 【図8】上記実施例におけるデフロスタ吹出モードに設
定された吹出口切換機構の側面断面図である。 【図9】内部圧力と空気漏れ量との関係を示すグラフで
ある。 【図10】押込み圧力と操作力との関係を示すグラフで
ある。 【図11】通過口の他の実施例を示す断面図である。 【図12】操作手段の他の実施例を示す概略図である。 【図13】従来の開閉装置の概略断面図である。 【符号の説明】 12 デフロスタ吹出口(通過口) 13 ベンチレーション吹出口(通過口) 14 ヒータ吹出口(通過口) 20 フィルムダンパ(膜状部材) 22,23,24 格子 25 第1開口部 26 第2開口部 27 第3開口部 60 操作手段
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 流体が通過する通過口と、 前記通過口の上流側でかつ前記通過口に対向した状態で
配置され、前記通過口を開口させうる開口部を備えた可
撓性の膜状部材と、 前記膜状部材を前記通過口に対向した状態で移動させる
操作手段とを備え、 前記通過口の開口の内部に格子が設けられたことを特徴
とする開閉装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6130283A JP2526853B2 (ja) | 1994-06-13 | 1994-06-13 | 開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6130283A JP2526853B2 (ja) | 1994-06-13 | 1994-06-13 | 開閉装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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-
1994
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JPH07137525A (ja) | 1995-05-30 |
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