JP2526668Y2 - スキッドステアローダ - Google Patents

スキッドステアローダ

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JP2526668Y2
JP2526668Y2 JP1314692U JP1314692U JP2526668Y2 JP 2526668 Y2 JP2526668 Y2 JP 2526668Y2 JP 1314692 U JP1314692 U JP 1314692U JP 1314692 U JP1314692 U JP 1314692U JP 2526668 Y2 JP2526668 Y2 JP 2526668Y2
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JP
Japan
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transmission case
output shaft
sprocket
attached
wheel axle
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直嗣 藤村
修 宇野
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東洋運搬機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、左右に離れた走行系駆
動装置を備えるスキッドステアローダに関する。
【0002】
【従来の技術】スキッドステアローダにあっては、左方
の走行輪と右方の走行輪とを独立して駆動することで操
舵を行なう。このようなスキッドステアローダとして、
左右に離れたトランスミッションケースと、各トランス
ミッションケースの前部から外側方に突出する前輪車軸
と、各トランスミッションケースの後部から外側方に突
出する後輪車軸と、各トランスミッションケースの前後
間に配置される出力軸と、各トランスミッションケース
の内部で出力軸の回転を前後輪車軸に伝達するチェーン
巻き掛け式伝動機構とを備えたものがある。
【0003】このようなスキッドステアローダにあって
は、左右のトランスミッションケースの左右間に荷役装
置の操作ペダルを配置するため、左右のトランスミッシ
ョンケースの内側壁の左右間隔は、オペレータの靴幅を
確保するのに充分な間隔とする必要がある。また、小型
のスキッドステアローダにあっては、左右のトランスミ
ッションケースの外側壁の左右間隔は可及的小さくする
ことが望まれる。そこで、各トランスミッションケース
の内部で、出力軸と前後輪車軸とに取り付けたスプロケ
ットに一本のチェーンを巻き掛け、その一本のチェーン
で出力軸から前後輪車軸に回転を伝達することで、各ト
ランスミッションケースの左右幅を小さくすることが行
なわれていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、単一のチェー
ンで出力軸の回転を前輪車軸と後輪車軸の双方に伝達す
る場合、チェーンが長くなるためにチェーンテンショナ
ーが必要になる。そのため、コストが上昇し、また、保
守点検毎にチェーンテンショナーによるチェーンの張力
調整が必要で面倒なものである。
【0005】本考案は、上記従来技術の問題を解決する
ことのできるスキッドステアローダを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の特徴とするとこ
ろは、左右に離れたトランスミッションケースと、両ト
ランスミッションケースの前部の左右間に配置される荷
役操作ペダルと、各トランスミッションケースの前部か
ら外側方に突出する前輪車軸と、各トランスミッション
ケースの後部から外側方に突出する後輪車軸と、各トラ
ンスミッションケースの前後間に配置される出力軸と、
各トランスミッションケースの内部で出力軸の回転を前
後輪車軸に伝達するチェーン巻き掛け式伝動機構とを備
えたスキッドステアローダにおいて、各トランスミッシ
ョンケースの内部で前輪車軸と後輪車軸とにスプロケッ
トが取り付けられると共に出力軸に軸方向に並列する一
対のスプロケットが取り付けられ、出力軸の外側に位置
するスプロケットと前輪車軸のスプロケットとにチェー
ンが巻き掛けられ、出力軸の内側に位置するスプロケッ
トと後輪車軸のスプロケットとにチェーンが巻き掛けら
れ、各トランスミッションケースの内側壁の前記操作ペ
ダルに対抗する部分は、その後方部分よりも外側方に配
置されている点にある。
【0007】
【作用】本考案の構成によれば、各トランスミッション
ケースの内部において前輪車軸のスプロケットは後輪車
軸のスプロケットよりも外側方に位置するので、両トラ
ンスミッションケースの外側壁の左右間隔を大きくする
ことなく、各トランスミッションケースの内側壁の前部
を後部よりも外側方に配置することができる。これによ
り、各トランスミッションケースの内側壁の操作ペダル
に対向する部分を、その後方部分よりも外側方に配置す
ることが可能になり、操作ペダルの配置スペースが大き
くなる。なお、各トランスミッションケースの内部にお
いて、出力軸から前輪車軸に回転を伝達するチェーン
と、出力軸から後輪車軸に伝達するチェーンとが独立し
て設けられているので、出力軸から前後輪車軸に単一の
チェーンで回転を伝達する場合に比べ、各チェーンは短
くなり、チェーンテンショナーを設ける必要がない。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明
する。
【0009】図4に示すスキッドステアローダ1は、車
体を構成するフレーム2と、このフレーム2の後端に取
り付けられる支柱3と、この支柱3に横軸4中心に上下
駆動可能に取り付けられるブーム5と、このブーム5の
先端に取り付けられるバケット6と、車体2を支持する
前後輪7、8とを備えている。そのフレーム2により、
運転室のシート10に座るオペレータを保護するヘッド
ガード9が支持されている。そのヘッドガード9の前方
がオペレータの乗降口とされている。なお、ヘッドガー
ド9は横軸9aを中心に回転可能に支柱3に取り付けら
れ、図中実線で示すように閉じられることで運転室を覆
い、図中仮想線で示すように開放されることで保守点検
が容易に行なえるようになっている。
【0010】図1、図7および図8は、左方の前輪車軸
7Lと左方の後輪車軸8Lとを駆動する左方の走行系駆
動装置11と、右方の前輪車軸7Rと右方の後輪車軸8
Rとを駆動する右方の走行系駆動装置12と、ブレーキ
装置13とを示す。
【0011】左右の走行系駆動装置11、12は左右に
離れて配置され、それぞれフレームの側壁14、15の
内側に設けられる左右に離れたトランスミッションケー
ス16、17を備えている。各トランスミッションケー
ス16、17の内側にはハイドロスタティックモータ1
8、19が取り付けられている。各ハイドロスタティッ
クモータ18、19は、車体1の後部に搭載されたエン
ジン35により駆動される一対のポンプ36、37から
送られる作動油の供給により回転する。ポンプ36、3
7の一方は左方のモータ18に接続され、他方は右方の
モータ19に接続されている。また、シート10の左右
に一対の操作レバー38が設けられ、操作レバー38の
一方はポンプ36、37の一方の流量制御レバーに連結
され、その操作によりモータ18、19の一方の回転数
が変化し、操作レバー38の他方はポンプ36、37の
他方の流量制御レバーに連結され、その操作によりモー
タ18、19の他方の回転数が変化する。
【0012】各前輪車軸7L、7Rは各トランスミッシ
ョンケース16、17の前部から外側方に突出し、フレ
ーム2に軸受(図示省略)を介し支持され、トランスミ
ッションケース16、17の内部においてスプロケット
26、30が取り付けられている。各後輪車軸8L、8
Rは、各トランスミッションケース16、17の後部か
ら外側方に突出し、フレーム2に軸受(図示省略)を介
し支持され、トランスミッションケース16、17の内
部においてスプロケット28、32が取り付けられてい
る。
【0013】各モータ18、19の出力軸18a、19
aは、それぞれトランスミッションケース16、17の
前後間に配置され、左方のモータ18の出力軸18aは
右方のモータ19の出力軸19aの前方に配置されてい
る。これにより、左方のモータ18を左方のトランスミ
ッションケース16に着脱する際に右方のモータ19が
邪魔になることはなく、同様に右方のモータ19を右方
のトランスミッションケース17に着脱する際に左方の
モータ18が邪魔になることはない。これにより、モー
タ18、19の取り付けや点検を容易に行なえる。
【0014】各トランスミッションケース16、17の
内部において、モータ18、19の出力軸18a、19
aに、ブレーキディスク24、25とスプロケット2
0、21、22、23とが軸方向に並列するように取り
付けられ、各スプロケット20、21、22、23はブ
レーキディスク24、25よりも外側方に位置する。
【0015】左方の出力軸18aに取り付けられた外側
のスプロケット20と左方の前輪用車軸7Lに取り付け
られたスプロケット26とにチェーン27が巻き掛けら
れ、左方の出力軸18aに取り付けられた内側のスプロ
ケット21と左方の後輪用車軸8Lに取り付けられたス
プロケット28とにチェーン29が巻き掛けられ、右方
の出力軸19aに取り付けられた外側のスプロケット2
2と右方の前輪用車軸7Rに取り付けられたスプロケッ
ト30とにチェーン31が巻き掛けられ、右方の出力軸
19aに取り付けられた内側のスプロケット23と右方
の後輪用車軸8Rに取り付けられたスプロケット32と
にチェーン33が巻き掛けられている。これにより、右
方のモータ18と左方のモータ19とが同速度で回転す
るとスキッドステアローダ1は直進し、右方のモータ1
8と左方のモータ19とが異なった速度で回転したり互
いに逆方向に回転するとスキッドステアローダ1はスキ
ッドステア状態となって方向転換する。
【0016】荷役装置を構成する前記ブーム5は、図4
に示す油圧シリンダ80aの伸縮により昇降し、前記バ
ケット6は油圧シリンダ80bの伸縮により軸6a中心
に回転する。そのブーム5及びバケット6の駆動用油圧
シリンダ80a、80bは、前記エンジン35により駆
動されるポンプ81に接続され、そのポンプ81から高
圧油が供給されることでブーム5及びバケット6が作動
する。
【0017】そのブーム5及びバケット6の動きを制御
するため、図2及び図3に示すように、前記左右トラン
スミッションケース16、17の前部の左右間に、ブー
ム操作ペダル82とバケット操作ペダル83とが配置さ
れている。そのブーム操作ペダル82は、左右トランス
ミッションケース16、17によって左右方向軸中心に
回転可能に支持された支軸84に、一体的に取り付けら
れている。そのバケット操作ペダル83は、その支軸8
4に相対回転可能に取り付けられている。
【0018】そのブーム操作ペダル82と一体に回転す
る支軸84に、ブーム用リンク85の一端が連結され、
このブーム用リンク85の他端はブームコントロールバ
ルブ86のスプール86aに連結されている。そのブー
ムコントロールバルブ86は前記ブーム駆動用油圧シリ
ンダ80aの油圧配管途中に介在され、車体に固定され
ている。これにより、ブーム操作ペダル82の踏み込み
によりブームコントロールバルブ86のスプール86a
が作動し、ブーム5が昇降する。そのブームコントロー
ルバルブ86にはスプール86aを中立位置に復帰させ
るバネが内蔵され、その中立位置への復帰によりブーム
5の昇降は停止する。なお、エンジン35が停止してポ
ンプ81から高圧油が供給されない場合でも、ブーム操
作ペダル82の操作によりブーム5は自重によって下降
する。
【0019】そのバケット操作ペダル83に、バケット
用リンク87の一端が連結されている。このバケット用
リンク87の他端はバケットコントロールバルブ91の
スプール91aに連結されている。そのバケットコント
ロールバルブ91は、前記バケット6の駆動用油圧シリ
ンダ80bの油圧配管途中に介在され、車体に固定され
ている。これにより、バケット操作ペダル83の踏み込
みによりバケットコントロールバルブ91のスプール9
1aが作動し、バケット6が回転する。バケットコント
ロールバルブ91の内部にはスプール91aを中立位置
に復帰させるバネが内蔵され、その中立位置への復帰に
よりバケット6の回転は停止する。なお、エンジン35
が停止してポンプ81から高圧油が供給されない場合で
も、バケット操作ペダル83の操作によりバケット6は
自重によって回転する。
【0020】また、スキッドステアローダ1には荷役装
置としてバケット6以外に種々のアタッチメントが取り
付け可能とされ、そのアタッチメントの作動用油圧シリ
ンダ(図示省略)を駆動するためのアタッチメント操作
ペダル88が、支軸84に相対回転可能に取り付けられ
ている。このアタッチメント操作ペダル88にアタッチ
メント用リンク89の一端が連結され、このアタッチメ
ント用リンク89の他端はアタッチメントコントロール
バルブ90のスプール90aに連結されている。そのア
タッチメントコントロールバルブ90は、エンジン35
により駆動されるポンプ81からアタッチメント駆動用
油圧シリンダに供給される圧油の配管途中に介在され、
車体に固定されている。これにより、アタッチメント操
作ペダル88の踏み込みによりアタッチメントコントロ
ールバルブ90のスプール90aが作動し、アタッチメ
ントが作動する。アタッチメントコントロールバルブ9
0の内部にはスプール90aを中立位置に復帰させるバ
ネが内蔵され、その中立位置への復帰によりアタッチメ
ントの作動は停止する。
【0021】各トランスミッションケース16、17の
内側壁の操作ペダル82、83、88に対向する前方部
分16a、17aは、その後方部分16b、17bより
も外側方に配置されている。これにより、操作ペダル8
2、83、88を操作するオペレータの靴幅を充分に確
保することができる。この場合、前輪車軸7L、7Rの
スプロケット26、30は後輪車軸8L、8Rのスプロ
ケット28、32よりも外側方に配置されているので、
両トランスミッションケース16、17の外側壁の左右
間隔を大きくする必要はなく、車体が大型化することは
ない。
【0022】上記走行系駆動装置11、12及び荷役装
置の駆動用エンジン35のアクセルレバー100が、ヘ
ッドガード9に取付けられている。すなわち、図3に示
すように、ヘッドガード9の底壁9bにブラケット10
1が取り付けられ、このブラケット101に左右横軸心
の支軸102を中心にアクセルレバー100が回転可能
に取り付けられている。図6にも示すように、そのアク
セルレバー100は、ロッド部100aとプレート部1
00bとを溶接することで構成され、そのプレート部1
00bと前記レバーブラケット101との間に摩擦係数
の大きな摩擦部材103が介在され、これらレバーブラ
ケット101、プレート部100b及び摩擦部材103
に前記支軸102が挿通されている。その支軸102は
本実施例ではボルトにより構成され、ダブルナット10
4、105がねじ合わさせることで抜け止めされてい
る。その支軸102の頭部102aとレバーブラケット
101との間に圧縮コイルバネ106が介在され、その
プレート部100bを摩擦部材103に押し付けること
で、アクセルレバー100は操作された位置に位置決め
可能とされている。
【0023】そのアクセルレバー100は、ヘッドガー
ド9に取り付けられたカバー107により覆われ、その
カバー107に形成された開口107aからロッド部1
00aの前端が前方に突出し、オペレータにより操作可
能とされている。また、アクセルレバー100のプレー
ト部100bに、後方に突出する板状の突出部100c
が溶接されている。この突出部100cにローラ112
が当接可能とされている。そのローラ112は、中継部
材111の上端に左右横軸中心に回転可能に取り付けら
れている。その中継部材111は、車体フレーム2に取
り付けられた支軸110に左右横軸中心に回転可能に取
り付けられ、その上端はヘッドガード9の底壁9bに形
成された開口9cからヘッドガード9内に挿入される。
その中継部材111の下端にブラケット113が一体的
に取り付けられ、このブラケット113にボーデンワイ
ヤ114のインナワイヤ114aの一端が連結されてい
る。そのボーデンワイヤ114のアウタワイヤ114b
の一端は、車体フレーム2に取り付けられたブラケット
115に支持され、他端はエンジン35に取り付けられ
たブラケット116に支持され、そのインナワイヤ11
4aの他端はエンジン35の燃料供給量コントロールレ
バー117に連結されている。また、そのブラケット1
13と車体フレーム2との間にバネ118が設けられ、
このバネ118は前記ローラ112をアクセルレバー1
00の後方突出部100cに押し付けるように中継部材
111を付勢する。また、コントロールレバー117を
燃料減少方向に付勢するバネ(図示省略)が設けられ、
このバネによってもローラ112は突出部110cに押
し付けられる。その中継部材111の揺動範囲は、コン
トロールレバー117の作動範囲が一定範囲に規制され
ることで、アクセルレバー100の後方突出部100c
に当接可能な範囲に規制されている。
【0024】前記ヘッドガード9を閉じた状態では、ア
クセルレバー100の後方突出部100cとローラ11
2とが当接し、アクセルレバー100を、図3において
実線で示すアイドリング位置Aに操作することでエンジ
ン35はアイドリング状態になり、仮想線で示すフルス
ロットル位置Bに操作することでエンジン35はフルス
ロットル状態になり、仮想線Cで示す停止位置に操作す
ることでエンジン35は燃料無噴射状態となって停止す
る。そのアクセルレバー100とローラ112と中継部
材111とは横軸中心に回転するため、アクセルレバー
100の動きを大きな摩擦を生じることなく中継部材1
11に伝達できる。閉じた状態のヘッドガード9を横軸
9a中心に回転させると、アクセルレバー100の後方
突出部100cとローラ112とが離反し、図4に仮想
線で示すように解放状態なる。この際、アクセルレバー
100がヘッドガード9に干渉することはない。また、
中継部材111をヘッドガード9に挿入するためにヘッ
ドガード9の底壁9bに設けられる開口9cは小さなも
のでよいため、車体側から運転室に伝わる騒音が低減さ
れる。
【0025】なお、図6に示すように、前記レバーブラ
ケット101にはストッパーボルト119が取り付けら
れ、アクセルレバー100がフルスロットル位置よりも
燃料増加方向に移動するのが規制される。アクセルレバ
ー100に過大な力が作用してボーデンワイヤ114や
連動部材111等が破損するのを防止するためである。
なお、そのストッパーボルト119を挿入する孔101
aは上下に長い長孔とされ、また、ストッパーボルト1
01aはナット120がねじ合わされることで固定され
る。これにより、ストッパーボルト119の位置調節が
可能とされている。
【0026】そのアクセルレバー100をアイドリング
位置Aよりも燃焼減少方向に操作すると、前記荷役操作
ペダル82、83、88は操作不能にロックされる。す
なわち、アクセルレバー100のプレート部100bの
上部に、図5にも示すようなブラケット125が溶接さ
れ、このブラケット125に形成された切欠125a
に、ボーデンワイヤ126のインナワイヤ126aの一
端が挿通されている。そのインナワイヤ126aの一端
にはストッパー127が取り付けられ、このストッパー
127がブラケット125に当接することで、インナワ
イヤ126aの一端はアクセルレバー100に着脱自在
に連結されている。そのボーデンワイヤ126のアウタ
ワイヤ126bの一端は、ヘッドガード9に固定された
ブラケット128に支持され、そのアウタワイヤ126
bの他端は、図2にも示すように、左方のトランスミッ
ションケース16に取り付けられたブラケット129に
支持されている。そのインナワイヤ126aの他端は、
ロック部材130の後端に連結されている。
【0027】そのロック部材130の前後中間部は、支
軸133中心に回転可能とされている。その支軸133
は、前記ブームコントロールバルブ86aから突出する
ブラケット131と、アタッチメントコントロールバル
ブ90から突出するブラケット132とに支持されてい
る。そのロック部材130の前端にバネ134の下端が
取り付けられ、そのバネ134の上端は、右方のトラン
スミッションケース17に取り付けられたブラケット1
35に取り付けられている。これにより、ロック部材1
30の前端はバネ134により上方に付勢されている。
また、アクセルレバー100をアイドリング位置Aより
も燃料減少方向に操作すると、ロック部材130の後端
はボーデンワイヤ126により引き上げられることか
ら、ロック部材130の前端は図3において仮想線で示
すように下方に移動する。そのロック部材130の前端
は、各操作ペダル82、83、88と各コントロールバ
ルブ86、87、90とを連結するリンク85、87、
89の上方に位置するロックプレート130aにより構
成されている。各リンク85、87、89には、そのロ
ックプレート130aの前後に位置するフランジが設け
られることで、下方に移動したロックプレート130a
が嵌まり込む凹部85a、87a、89aが形成されて
いる。これにより、アクセルレバー100をアイドリン
グ位置Aよりも燃料減少方向に操作して停止位置Cに位
置決めすると、各リンク85、87、89の動きがロッ
ク部材130により阻止され、操作ペダル82、83、
88は操作不能にロックされる。よって、オペレータが
運転室から降車する際にエンジン35を停止させること
で、荷役装置5、6が誤動作するのを防止できる。
【0028】前記ブレーキ装置13は、図9に示すよう
に、各トランスミッションケース16、17の内部にお
いて、横孔43を有するブロック40、41を備えてい
る。図9、図10に示すように、そのブロック40、4
1の下部には切欠42が形成され、この切欠42に前記
ブレーキディスク24、25の上部が挿入されている。
また、各ブロック40、41の横孔43に一対のブレー
キパッド44、45と押し付け部材46とが挿入されて
いる。その一対のブレーキパッド44、45の間にブレ
ーキディスク24、25が配置される。また、各ブラケ
ット40、41には縦孔47が形成され、この縦孔47
にカム軸48が縦軸中心に回転可能に挿入されている。
このカム軸48は前記押し付け部材46に対抗するカム
面49を有する。
【0029】図10の(1)に示すように、カム面49
と押付部材46とが離れた状態ではブレーキディスク2
4、25は回転可能である。この状態からカム軸48が
回転し、図10の(2)に示すようにカム面49が押し
付け部材46を押し付けた状態では、ブレーキディスク
24、25はブレーキパッド44、45により挟まれて
回転を阻止される。
【0030】各カム軸48の上端に制動用ブレーキアー
ム50、51がボルト52により取り付けられている。
図6に示すように、両ブレーキアーム50、51は連結
機構54を介しブレーキペダル53に連結されている。
そのブレーキペダル53は車体2の右方に配置され、右
方のトランスミッションケース17の内側面に左右横軸
55中心に回転可能に連結されている。
【0031】その連結機構54は、イコライザ56と、
第1リンクロッド69と、中間リンク57と、第2リン
クロッド58とを有する。
【0032】そのイコライザ56は、ブレーキ操作力を
右方のブレーキアーム51と左方のブレーキアーム50
とに等分配するためのブロックにより構成され、その中
心部に前後方向に沿う連結ロッド59が挿通されてい
る。この連結ロッド59の前端には2股部が設けられ、
この2股部はブレーキペダル53に左右横軸中心に相対
回転可能に連結され、その後端にはイコライザ56から
の抜け止め用のフランジ61が設けられている。そのフ
ランジ61とイコライザ56との間には圧縮コイルバネ
62が介在されている。このバネ62は、通常のブレー
キ操作の際には圧縮されることはなく、駐車する際に、
ブレーキペダル53をさらに踏み込んで駐車位置とする
ことで圧縮される。そのブレーキペダル53の駐車位置
までの踏み込み後に、車体に縦軸まわりに回転可能に取
り付けられたロックレバーRを、図6において矢印方向
に回転させることで、ブレーキペダル53の踏み込み解
除方向への動きを阻止することができ、これにより、駐
車ブレーキ機能を奏することができる。
【0033】その第1リンクロッド69は前後方向に沿
い、その前端には2股部が設けられ、この2股部はイコ
ライザ56の左端部に縦軸63中心に相対回転可能に連
結されている。また、第1リンクロッド69の後端にも
2股部が設けられ、この2股部は右方のブレーキアーム
51に縦軸64中心に相対回転可能に連結されている。
右方のブレーキアーム51は前記カム軸48から左方に
向かって突出し、その縦軸64とカム軸48とを結ぶ線
分は第1リンクロッド69に略直交するものとされ、ブ
レーキ操作力の伝達効率の向上が図られている。なお、
右方のブレーキアーム51と車体との間、及び、中間リ
ンク57と車体との間に、ブレーキ解除方向にブレーキ
ペダル53を付勢するバネ65が設けられている。
【0034】その中間リンク57は平面視L字形とさ
れ、左右方向に沿う部分57aと前後方向に沿う部分5
7bとを有し、車体に縦軸66中心に回転可能に連結さ
れている。その左右方向に沿う部分57aの右端が、イ
コライザ56の右端部に縦軸70中心に相対回転可能に
連結されている。
【0035】その第2リンクロッド58は左右方向に沿
い、その右端に2股部が設けられ、この2股部が中間リ
ンク57の後端に縦軸67中心に相対回転可能に連結さ
れている。この第2リンクロッド58の左端部にも2股
部が設けられ、この2股部は左方のブレーキアーム50
に縦軸68中心に相対回転可能に連結されている。左方
のブレーキアーム50はカム軸48から後方に向かって
突出し、その縦軸64とカム軸48とを結ぶ線分は第2
リンクロッド58に略直交するものとされ、ブレーキ操
作力の伝達効率の向上が図られている。
【0036】そのブレーキペダル53を踏み込むとイコ
ライザ56が前後方向に移動し、このイコライザ56の
前後方向移動により第1リンクロッド69が前後に移動
し、この第1リンクロッド69の移動により右方のブレ
ーキアーム51が回転し、このブレーキアーム51の回
転により右方の走行系駆動装置12が制動される。
【0037】また、ブレーキペダル53の踏み込みによ
るイコライザ56の前後方向移動により中間リンク57
が縦軸66回りに揺動する。この中間リンク57の揺動
により第2リンクロッド58が左右方向に移動し、この
第2リンクロッド58の左右方向移動により左方のブレ
ーキアーム50が回転し、このブレーキアーム50の回
転により右方の走行系駆動装置11が制動される。
【0038】なお、ブレーキペダル53、中間リンク5
7、各ブレーキアーム50、51は軸中心に回転し、連
結ロッド59、第1リンクロッド69、第2リンクロッ
ド58は直線的に移動することから、これら部材53、
57、50、51、59、69、58の動きには多少の
遊びがあるものとされている。
【0039】なお、本考案は上記実施例に限定されるも
のではない。
【0040】
【考案の効果】本考案のスキッドステアローダによれ
ば、出力軸の回転を前後輪車軸に伝達するチェーン巻き
掛け式伝動機構にチェーンテンショナーを設ける必要が
ないため、コストを低減することができると共に、保守
点検を容易にできる。さらに、左右トランスミッション
ケースの前部の内側壁の間に操作ペダルを配置するスペ
ースを、左右トランスミッションケースの外側壁の間隔
を大きくすることなく充分確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例のスキッドステアローダの構成
説明用平面図
【図2】本考案の実施例のスキッドステアローダの構成
説明用平面図
【図3】本考案の実施例のスキッドステアローダの構成
説明用側面図
【図4】本考案の実施例のスキッドステアローダの側面
【図5】本考案の実施例のスキッドステアローダのアク
セルレバーの部分斜視図
【図6】本考案の実施例のスキッドステアローダのアク
セルレバーの部分平断面図
【図7】図1のVII‐VII線断面図
【図8】本考案の実施例のスキッドステアローダの構成
説明用側面図
【図9】本考案の実施例のスキッドステアローダのブレ
ーキ装置の部分正断面図
【図10】本考案の実施例のスキッドステアローダのブ
レーキ装置の部分平断面図
【符号の説明】
7L、7R 前輪車軸 8L、8R 後輪車軸 16、17 トランスミッションケース 18a、19a 出力軸 20、21、22、23、26、28、30、32 ス
プロケット 27、29、31、33 チェーン 82、83、88 操作ペダル

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に離れたトランスミッションケース
    と、両トランスミッションケースの前部の左右間に配置
    される荷役操作ペダルと、各トランスミッションケース
    の前部から外側方に突出する前輪車軸と、各トランスミ
    ッションケースの後部から外側方に突出する後輪車軸
    と、各トランスミッションケースの前後間に配置される
    出力軸と、各トランスミッションケースの内部で出力軸
    の回転を前後輪車軸に伝達するチェーン巻き掛け式伝動
    機構とを備えたスキッドステアローダにおいて、各トラ
    ンスミッションケースの内部で前輪車軸と後輪車軸とに
    スプロケットが取り付けられると共に出力軸に軸方向に
    並列する一対のスプロケットが取り付けられ、出力軸の
    外側に位置するスプロケットと前輪車軸のスプロケット
    とにチェーンが巻き掛けられ、出力軸の内側に位置する
    スプロケットと後輪車軸のスプロケットとにチェーンが
    巻き掛けられ、各トランスミッションケースの内側壁の
    前記操作ペダルに対抗する部分は、その後方部分よりも
    外側方に配置されていることを特徴とするスキッドステ
    アローダ。
JP1314692U 1992-02-06 1992-02-06 スキッドステアローダ Expired - Lifetime JP2526668Y2 (ja)

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JP6209149B2 (ja) * 2014-09-30 2017-10-04 株式会社クボタ 作業機
US9567729B2 (en) 2014-09-30 2017-02-14 Kubota Corporation Working machine

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