JP3573896B2 - 二輪車用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二輪車用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車用ブレーキ装置については、例えば、実開昭60−117254号公報「自動二輪車のブレーキ装置」が知られている。
上記技術は、走行中において、安定した制動効果を維持することができ、しかも外部からの調整を容易に行うことができる自動二輪車のブレーキ装置を提供することを目的としたものであり、同公報の第1図及び第2図に示される通り、ドラムブレーキのブレーキシュー9を動かすカムレバー11と、このカムレバー11の端部を押圧することができるホイールシリンダー14と、このホイールシリンダー14にフレキシブルチューブ26を介して油圧を供給するマスタシリンダ20と、このマスタシリンダ20を駆動させる足踏み式のレバー18とを備える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術では、例えば、ドラムブレーキを作動させ、且つその作動状態を保持する場合には、レバー18を足で踏み続けることになる。この状態を続けると、ホイールシリンダ14やマスタシリンダ20のシール部材に負担がかかって劣化するため、シール部材の寿命を延ばすことが難しくなる。
【0004】
また、これらを改善するために、別のブレーキ作動系統としてカムレバー11をワイヤ等で引張ることが考えられる。こうすれば、ワイヤを引いた状態にしてドラムブレーキを作動状態に保持する場合、各シリンダ14,20を作動させる必要がない。
しかし、このような構成でも、例えば、ブレーキシュー9が摩耗したときには、ブレーキドラム7とブレーキシュー9との間の隙間を所定の間隔に調整する必要があり、ホイールシリンダ14側とワイヤ側との両方で上記調整を行わなければならないという不都合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ドラムブレーキにシリンダとワイヤとの二系統のブレーキ作動機構を設け、且つ二系統のブレーキ作動機構におけるブレーキドラムとブレーキシューとの隙間調整を1ヵ所で行うことができる二輪車用ブレーキ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1は、ブレーキシューを動かすためにカム軸に固定したブレーキアームと、カム軸と同軸上に回動可能に取付けたサブアームと、このサブアームにブレーキアームを連結し且つブレーキアームに対するサブアームの取付角度を調整することのできるアーム角度調整機構と、サブアームを制動力を発生させる側に駆動させるとともに、二系統の操作部とからなる。
【0007】
ブレーキアームとサブアームとの間にアーム角度調整機構を設けたことで、ブレーキシューが摩耗しても、上記調整機構1ヵ所でブレーキアームの角度を調整することができ、ブレーキシューを摩耗前の位置まで動かすことができる。
【0008】
請求項2は、二系統の操作部を、一方がブレーキ状態を維持するためのブレーキ力保持機構に連結したワイヤとし、他方がブレーキレバーに連動するマスタシリンダで駆動するシリンダとした。
ワイヤでブレーキ作動状態を維持することで、シリンダを作動させずに済み、シリンダのシール部材等の寿命を延ばすことができる。
【0009】
請求項3は、シリンダを、組立て時におけるサブアームの位置決め部材を兼ねるものとした。
組付時のサブアームとシリンダとに位置合わせを容易に行うことができ、また、組付後のサブアームとシリンダとの隙間調整が不要となる。
【0010】
請求項4は、シリンダのピストンとサブアームとが接触する接触部からカム軸までの距離を、サブアームがワイヤと連結する係止部からカム軸までの距離よりも小さくし、サブアームとアーム角度調整機構とが連結する連結部からカム軸までの距離を、接触部からカム軸までの距離よりも大きくするとともに、係止部からカム軸までの距離よりも小さくした。
【0011】
カム軸から最も遠い位置に、サブアームとワイヤとの係止部を配置したことにより、ブレーキ力を保持するためのワイヤ操作を軽くすることができる。そして、カム軸から最も近い位置に、ピストンとサブアアームとの接触部を配置することにより、シリンダを最もカム軸に近接させてコンパクトにすることができ、更に、係止部とシリンダとの間に、アーム角度調整機構を取付けることにより、係止部とシリンダとの間のデッドスペースを有効に活用することができる。
【0012】
請求項5は、ワイヤを、車体前方からサブアームに接続し、シリンダで、車体後方からサブアームを駆動させる。
二系統の操作部をサブアームの車体の前後に振り分けて配置したため、容易に組み立てを行うことができる。また、ワイヤを車体前方からサブアームに連結させたため、車体前方に配置されたブレーキレバーから延びるワイヤの湾曲を極力抑えてワイヤ操作荷重を低く抑えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るスクータ型車両の側面図である。
二輪車としてのスクータ型車両1(以下、「スクータ1」と記す。)は、クレードル型車体フレーム2と、この車体フレーム2のヘッドパイプ3に取付けたフロントフォーク4と、このフロントフォーク4に取付けた前輪5並びにフロントフェンダ6と、フロントフォーク4に連結したハンドル7と、車体フレーム2の各パイプで囲まれたクレードルスペース内に配置した燃料タンク8、ラジエータ用リザーブタンク9並びにラジエータ10と、クレードルスペースの後方に配置し前部に水冷エンジン11を備えたパワーユニット12と、このパワーユニット12の前部を車体フレーム2に取付けるためのリンク機構13と、パワーユニット12の後端部を車体フレーム2に懸架するためのリヤクッション14と、パワーユニット12の後部に取付けた後輪15と、車体フレーム2の後部上部に配置したシート16と、車体フレーム2を覆うボディカバー17とからなる。
【0014】
ボディカバー17は、ヘッドパイプ3の前部及び前輪5の上部を覆うフロントカバー21と、このフロントカバー21の後部を覆うインナカバー22と、運転者の足を載せる低床式足載板としての左右のステップフロア23(この図では手前側だけを示す。以下同じ。)と、これらステップフロア23の外縁から下方へ延ばした左右のフロアスカート24と、これらフロアスカート24の下縁間を覆うアンダーカバー25と、インナカバー22から後方へ延ばし車体フレーム2の長手中央を覆うセンターカバー26と、このセンターカバー26から後方へ延ばし車体フレーム2の後部両側面を覆うサイドカバー27と、これらサイドカバー27の外縁から下方へ延ばした左右のロアサイドカバー28と、これらロアサイドカバー28の後方で車体フレーム2の後端下部を覆うリヤセンターカバー29と、このリヤセンターカバー29の上方で車体フレーム2の後端上部を覆うリヤアッパカバー30とからなる。
【0015】
ハンドル7は、ハンドル7を覆うハンドルカバー33と、フロントカバー21の上方でハンドル7に固定した透明のウインドスクリーン34と、このウインドスクリーン34の前面下部に設けたカバー部材としてのスクリーンガーニッシュ35とを備える。
インナカバー22は両側部に、運転者の脚部前方を覆うレッグシールド22aを備える。
【0016】
図中、41はヘッドランプ、42はウインカー、43は給油用リッド、44は点火プラグ点検用リッド、45はメインスタンド、46は空気清浄装置であるエアクリーナ、47はリヤグリップ、48はテールランプ、49はリヤフェンダである。
【0017】
図2は本発明に係るパワーユニット後部に設けたブレーキ装置の側面図であり、ブレーキ装置50は、後述するドラムブレーキと、このドラムブレーキのブレーキシューを動かすカムと一体になったカム軸50aと、このカム軸50aにボルトB1で固定したブレーキアーム51と、このブレーキアーム51にナット付きボルト52を介して連結し且つカム軸50aに回動可能に取付けたサブアーム53と、このサブアーム53に当てて押圧可能とし、パワーユニット12にボルトB2,B2にて取付けた液圧シリンダ54と、この液圧シリンダ54からブレーキアーム51に掛け渡した引張コイルばね55と、サブアーム53の端部にジョイント金具56を介して取付けたワイヤ57とからなるリヤブレーキ機構59を備える。
【0018】
ナット付きボルト52は、ブレーキアーム51に対するサブアーム53の取付角度を調整することのできるアーム角度調整機構であり、ブレーキシューの摩耗によってブレーキシューとブレーキドラムとの間の広がった隙間を所定量に調整するためのものであり、サブアーム53に回転可能に取付けたナット52aをまわしてブレーキアーム51に揺り動かし可能に取付けたボルト52b上を移動させて上記角度調整を行うものである。
【0019】
上記角度調整時、サブアーム53は、液圧シリンダ54に位置決めされているので、ナット52aを回すと、ブレーキアーム51がカム軸50aを中心に左右に揺れる。
ここで、53aはサブアーム53下端に取付けた係止部、56aは係止部53aが移動可能な長孔である。
【0020】
図3は本発明に係るブレーキ装置の系統図であり、ブレーキ装置50は、図2に示したリヤブレーキ機構59に加え、ハンドル7(図1参照)の右側に設けた右ブレーキレバー61と、この右ブレーキレバー61を握ることにより作動する右マスタシリンダ62と、このマスタシリンダ62から配管P1で接続したフロントディスクブレーキ63と、ハンドル7の左側に設けた左ブレーキレバー64と、この左ブレーキレバー64を握ることにより作動する左マスタシリンダ65と、この左マスタシリンダ65から配管P2で接続し、且つブレーキ液の液圧をフロントディスクブレーキ63とリヤブレーキ機構59とに分配し、更にフロントディスクブレーキ63側への液圧供給をリヤブレーキ機構59より遅らせるためのディレイバルブ66と、このディレイバルブ66とフロントディスクブレーキ63とを接続する配管P3と、ディレイバルブ66と液圧シリンダ54との間の配管P4の途中に液圧を調整するために設けたPCV(プレッシャコントロールバルブ)67と、サブアーム53に取付けたワイヤ57を巻取るラチェットタイプのワイヤ巻取り機構68と、このワイヤ巻取り機構68のロックを解除するために左ブレーキレバー64の近傍に設けた解除レバー69とからなる。
上記ワイヤ57、ワイヤ巻取り機構68、解除レバー69及び解除ワイヤ69aとで、ブレーキ力保持機構71を構成する。
【0021】
リヤブレーキ機構59は、ブレーキドラム59aと、このブレーキドラム59aの内側に一端を揺り動かし可能に配置し、他端をカム軸50aに固定したカム(不図示)で移動可能とした一対のブレーキシュー59b,59bと、これらブレーキシュー59b,59b間に渡した引張コイルばね59cとからなるドラムブレーキ59dを備える。
【0022】
フロントディスクブレーキ63は、前輪5(図1参照)に固定したディスク63aと、このディスク63aを制動するためのパッド(不図示)及びパッドを押圧するピストン(不図示)をそれぞれ収納する3つのシリンダ63b,63c,63dとを備える。
シリンダ63b,63dは、右マスタシリンダ62からの液圧が伝わるものであり、シリンダ63cは、左マスタシリンダ65からの液圧が伝わるものである。
【0023】
ワイヤ57のワイヤ巻取り機構68は、ワイヤ巻取部68aと、このワイヤ巻取部68aを回転させるための操作レバー68bと、ワイヤ巻取部68aの外周部に設けた外周歯68cと、この外周歯68cに掛けてワイヤ巻取り方向と逆方向の回転を阻止する爪68dとからなり、図1に示したインナカバー22部分やシート16下方のセンターカバー26部分等に設置するものである。
爪68は、この爪68に解除ワイヤ69aを介して繋がる解除レバー69で操作するものである。
このように、制動を行うために、サブアーム53を移動させる二系統の操作部である液圧シリンダ54とワイヤ57とを設けたことで、ブレーキ装置50の寿命を延ばすことができる。
【0024】
以上に述べたブレーキ装置50の作用を次に説明する。
図3において、二輪車走行中又は、信号待ち等の臨時の停止中に制動するには、右ブレーキレバー61を握ってフロントディスクブレーキ63を作動させるとともに、左ブレーキレバー64を握ってフロントディスクブレーキ63とリヤブレーキ機構59との両方を作動させる。
制動を止めるには、右ブレーキレバー61及び左ブレーキレバー64から手を離して元の位置に戻す。
【0025】
また、二輪車を駐車するには、ワイヤ巻取り機構68の操作レバー68bを引き、ワイヤ57を巻取り、サブアーム53を引いてリヤブレーキ機構59を作動させる。
リヤブレーキ機構59の作動状態を解除するには、解除レバー69を操作し、解除ワイヤ69aを引き、外周歯68cに掛けた爪68dを外し、操作レバー68bを反時計回りに戻し、ワイヤ57を巻戻してサブアーム53を右方へ戻す。
【0026】
上記リヤブレーキ機構59の作用を次に説明する
図4(a),(b)は本発明に係るリヤブレーキ機構の作用を説明する側面図(I)であり、(a)は初期の状態、(b)は液圧シリンダを作動させた状態を示す。
(a)において、液圧シリンダ54は、底部54aを有するシリンダ本体54bと、このシリンダ本体54b内に移動可能に挿入し、前端をサブアーム53に当てたピストン54cと、このピストン54cをシリンダ本体54b内の底部54a側へ押すスプリング54dと、底部54a側に形成したブレーキ液供給口54eとを備える。このブレーキ液供給口54eは配管P4に接続する。なお、54fはシール部材である。
【0027】
液圧シリンダ54を作動させない初期の状態では、ピストン54cの後端は、シリンダ本体54bにスプリング54dで押し付けられるため、このリヤブレーキ機構59は、パワーユニット12(図2参照)の後部にボルトで固定したシリンダ本体54でピストン54cを位置決めし、このピストン54cの前端でサブアーム53を位置決めし、このサブアーム53でナット付きボルト52を介してブレーキアーム51を位置決めする構造を有する。
【0028】
このように、液圧シリンダ54は、組立て時におけるサブアーム53の位置決め部材を兼ねるものとしたので、組付時のサブアーム53と液圧シリンダ54とに位置合わせを容易に行うことができ、また、組付後のサブアーム53と液圧シリンダ54との隙間調整が不要になる。
【0029】
(b)において、左マスタシリンダ65(図3参照)からの液圧が伝わると、液圧シリンダ54のブレーキ液供給口54eからシリンダ本体54b内へブレーキ液が進入し、ピストン54cが図の左方へ移動し、サブアーム53をカム軸50aを中心に左方へ移動させる。
これに伴い、ブレーキアーム51も左方に移動し、カム軸50aが回転し、カム軸50aに固定した図示せぬカムが回転し、図3に示したブレーキシュー59b,59bをブレーキドラム59aに押し付けて制動力を発生させる。
【0030】
この時、図4(b)において、ワイヤ57の先端に取付けたジョイント金具56の長孔56a内をサブアーム53の係止部53aが移動するため、ワイヤ57に無理な力が加わらず、ワイヤ57を曲げたりしないので、ワイヤ57やワイヤ57とジョイント金具56との接続部の寿命を延ばすことができる。
【0031】
図5は(a),(b)は本発明に係るリヤブレーキ機構の作用を説明する側面図(II)であり、(a)はブレーキシュー摩耗時の調整、(b)はブレーキ作動時の状態を示す。
図3に示したブレーキシュー59b,59bがブレーキドラム59aとの摺動で摩耗した場合には、図5(a)に示すように、ナット付きボルト52のナット52aを回して、液圧シリンダ54で位置決めしたサブアーム53に対するブレーキアーム51の角度θを大きくして、カム軸50aを時計回りに回転させ、図3に示したブレーキドラム59aとブレーキシュー59b,59bとの間の隙間が小さくなる側へ所定量になるまで調整する。
【0032】
ブレーキ力保持状態にする場合には、図3に示したワイヤ巻取り機構68の操作部68bを引き、図5(b)に示すように、サブアーム53をカム軸50aを中心に左方へ動かし、カム軸50aを回転させ、図示せぬカムを回転させる。
これにより、図3に示したドラムブレーキ59dに制動力を発生させる。この制動力は、ワイヤ巻取り機構68の外周歯68cと爪68dとの結合により維持される。
【0033】
以上のように、ブレーキアーム51とサブアーム53との間にブレーキアーム51に対するサブアーム53の角度調整機構、言い換えれば、ブレーキドラム59aとブレーキシュー59bとの隙間調整機構であるナット付きボルト52を設けたことで、上記調整時にサブアーム53が動かないため、二系統の操作部である液圧シリンダ54とワイヤ57との調整を1ヵ所で行うことができる。
【0034】
また、二系統の操作部を設けたことで、ブレーキ保持時にワイヤ巻取り機構68を使用すれば、液圧シリンダ54を作動させずに済み、長期の作動で液圧系統内のシール部材に負担を掛けることもなく、ブレーキ装置50の寿命を延ばすことができる。
【0035】
図6は本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態を示す系統図であり、図3で説明した実施の形態と同一構成には同一符号を付け、詳細説明を省略する。
ブレーキ力保持機構80は、左ブレーキレバー64の近傍にブレーキ力保持部80aを配置し、このブレーキ力保持部80aから直接リヤブレーキ機構59のサブアーム53先端に取付けたワイヤ57を引いてブレーキ力保持を行うものである。
【0036】
図7は本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態を示す平面図であり、ブレーキロック部80aは、ハンドル7に取付けたマスタシリンダ基部81と、このマスタシリンダ基部81にボルトB3を中心に揺り動かし可能に取付けた前述の左ブレーキレバー64と、この左ブレーキレバー64の上方にボルトB3を中心に揺り動かし可能に配置し且つ端部に前述のワイヤ57を取付けたブレーキ力保持アーム82と、このブレーキ力保持アーム82にビスB4を中心に揺り動かし可能に取付け、且つスプリング83で反時計回りに回転力を与えたブレーキ力保持レバー84と、このブレーキ力保持レバー84の一端を突き当てて、引いたワイヤ57の戻りを阻止するための切欠き85aを有するブラケット85とからなる。
【0037】
ここで、64aはアーム部であり、マスタシリンダ基部81に設けた前述の左マスタシリンダ65のピストン65a先端を押すものである。
82aはストッパであり、ブレーキ力保持レバー84の反時計回りの回転を止めるものである。
【0038】
82bはピンであり、下方に押すことで左ブレーキレバー64を握った時に左ブレーキレバー64に引掛り、ブレーキ力保持アーム82を左ブレーキレバー64と一体的に移動させるものである。
86はワイヤ57を収納したケーブルである。
86aはケーブル86のブラケット85への取付部である。
【0039】
以上に述べたブレーキ力保持機構80の作用を次に説明する。
図8(a)〜(c)は本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態のブレーキ力保持までを説明する図であり、ブレーキ力保持の操作順を説明する。なお、各図の左側は平面図、右側はブレーキ力保持アームのピンの高さ位置を示す断面図である。
(a)は、ブレーキ力保持部80aを作動させない初期の状態である。
ブレーキ力保持アーム82のピン82bはスプリング82cによって上方に押上げられ、ブレーキ力保持アーム82の上面から突出する。
【0040】
(b)において、左手LHの人差し指Fでピン82bを押しながら左ブレーキレバー64を握っていく。これにより、ピン82bが左ブレーキレバー64に引掛り、ブレーキ力保持アーム82が左ブレーキレバー64とともに動く。
この時、ブレーキ力保持アーム82に取付けたワイヤ57が引かれる。
【0041】
(c)において、更に左ブレーキレバー64を握っていくと、ピン82bは左ブレーキレバー64との摩擦力で人差し指Fを離しても下降したままとなる。
この状態で右手RHの指でブレーキ力保持レバー84を時計回りに回し、ブレーキ力保持レバー84の先端をブラケット85の切欠き85aに入れる。ここで、左ブレーキレバー64から左手LHを離すと、ブレーキ力保持レバー84の先端が切欠き85aに突き当たり、ブレーキ力保持アーム82は戻らなくなるため、ワイヤ57は引かれたままの状態となり、ブレーキ力保持状態となる。
この時、ピン82bは、左ブレーキレバー64と離れたので摩擦力がなくなって、上方にわずかに移動し、回転したブレーキ力保持レバー84の下面に当たった状態になる。
【0042】
図9(a)〜(c)は本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態のブレーキ作動状態解除までを説明する図であり、ブレーキ作動状態解除の操作順を説明する。なお、各図の左側は平面図、右側はブレーキ力保持アームのピンの位置を示す断面図である。
(a)は、ブレーキ力保持した状態であり、液圧は抜けており、左ブレーキレバー64は戻っている。
(b)において、左手LHで左ブレーキレバー64を握ると、始めピン82bは(a)に示したように、下方に突出しているので、ブレーキ力保持アーム82及びブレーキ力保持レバー84が共に動く。そして、ブレーキ力保持レバー84の先端が切欠き85aから離れ、ブレーキ力保持レバー84はスプリング83(図7参照)の回転力で反時計回りに回転するので、ピン82bの上方押えが解除される。
【0043】
(c)において、左ブレーキレバー64から左手LHを離すと、左ブレーキレバー64が元の位置に戻るのに伴い、ブレーキ力保持アーム82が戻り、ワイヤ57も戻り、ブレーキ作動状態が解除される。
ピン82bは左ブレーキレバー64から離れるので、上方へ突出する。
【0044】
このように、ブレーキ装置50にブレーキ力保持機構80を設けることで、左ブレーキレバー64を用いて走行中及び臨時停車中の制動と、駐車時の制動との両方を行うことができ、ブレーキ力保持機構80を簡素化することができる。また、左ブレーキレバー64にブレーキ力保持機構80を連動させたことで、容易にブレーキ力保持又はブレーキ作動状態解除の操作を行うことができる。
【0045】
尚、本発明のサブアーム53を、湾曲した形状としたが、これに限るものではなく、真直ぐな部材としてもよく、要はワイヤ57の引張る角度に応じてこの形状を決定してよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の二輪車用ブレーキ装置は、ブレーキシューを動かすためにカム軸に固定したブレーキアームと、カム軸と同軸上に回動可能に取付けたサブアームと、このサブアームにブレーキアームを連結し且つブレーキアームに対するサブアームの取付角度を調整することのできるアーム角度調整機構と、サブアームを制動力を発生させる側に駆動させるとともに、二系統の操作部とからなるので、二系統の操作部を設け、ブレーキアームとサブアームとの間にアーム角度調整機構を設けたことで、ブレーキシューが摩耗しても、上記調整機構1ヵ所でブレーキアームの角度を調整することができ、ブレーキシューを摩耗前の位置まで動かすことができる。
【0047】
請求項2の二輪車用ブレーキ装置は、二系統の操作部を、一方がブレーキ状態を保持するためのブレーキ力保持機構に連結したワイヤとし、他方がブレーキレバーに連動するマスタシリンダで駆動するシリンダとしたので、ワイヤでブレーキ状態を保持することで、シリンダを作動させずに済み、シリンダのシール部材等の寿命を延ばすことができる。
【0048】
請求項3の二輪車用ブレーキ装置は、シリンダを、組立て時におけるサブアームの位置決め部材を兼ねるものとしたので、組付時のサブアームとシリンダとに位置合わせを容易に行うことができ、また、組付後のサブアームとシリンダとの隙間調整が不要となる。
【0049】
請求項4の二輪車用ブレーキ装置は、シリンダのピストンとサブアームとが接触する接触部からカム軸までの距離を、サブアームがワイヤと連結する係止部からカム軸までの距離よりも小さくし、サブアームとアーム角度調整機構とが連結する連結部からカム軸までの距離を、接触部からカム軸までの距離よりも大きくするとともに係止部からカム軸までの距離よりも小さくしたので、カム軸から最も遠い位置に、サブアームとワイヤとの係止部を配置したことにより、ブレーキ力を保持するためのワイヤ操作を軽くすることができる。そして、カム軸から最も近い位置に、ピストンとサブアアームとの接触部を配置することにより、シリンダを最もカム軸に近接させてコンパクトにすることができ、更に、係止部とシリンダとの間に、アーム角度調整機構を取付けることにより、係止部とシリンダとの間のデッドスペースを有効に活用することができる。
【0050】
請求項5の二輪車用ブレーキ装置は、ワイヤを、車体前方からサブアームに接続し、シリンダで、車体後方からサブアームを駆動させるので、二系統の操作部をサブアームの車体の前後に振り分けて配置したため、容易に組み立てを行うことができる。また、ワイヤを車体前方からサブアームに連結させたため、車体前方に配置されたブレーキレバーから延びるワイヤの湾曲を極力抑えてワイヤ操作荷重を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクータ型車両の側面図
【図2】本発明に係るパワーユニット後部に設けたブレーキ装置の側面図
【図3】本発明に係るブレーキ装置の系統図
【図4】本発明に係るリヤブレーキ機構の作用を説明する側面図(I)
【図5】本発明に係るリヤブレーキ機構の作用を説明する側面図(II)
【図6】本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態を示す系統図
【図7】本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態を示す平面図
【図8】本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態のブレーキ力保持までを説明する図
【図9】本発明に係るブレーキ力保持機構の別の実施の形態のブレーキ作動状態解除までを説明する図
【符号の説明】
1…二輪車(スクータ型車両)、50…ブレーキ装置、50a…カム軸、51…ブレーキアーム、52…アーム角度調整機構(ナット付きボルト)、53…サブアーム、54,57…二系統の操作部(シリンダ、ワイヤ)、54c…ピストン、59b…ブレーキシュー、64…ブレーキレバー。

Claims (5)

  1. ブレーキシューを動かすためにカム軸に固定したブレーキアームと、 前記カム軸と同軸上に回動可能に取付けたサブアームと
    のサブアームに前記ブレーキアームを連結し且つブレーキアームに対するサブアームの取付角度を調整することのできるアーム角度調整機構と
    ブアームを制動力を発生させる側に駆動させるとともに、二系統の操作部とからなる二輪車用ブレーキ装置。
  2. 前記二系統の操作部は、一方がブレーキ状態を保持するためのブレーキ力保持機構に連結したワイヤであり、他方がブレーキレバーに連動するマスタシリンダで駆動するシリンダである請求項1記載の二輪車用ブレーキ装置。
  3. 前記シリンダは、組立て時におけるサブアームの位置決め部材を兼ねることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の二輪車用ブレーキ装置。
  4. 前記シリンダのピストンと前記サブアームとが接触する接触部から前記カム軸までの距離を、サブアームが前記ワイヤと連結する係止部からカム軸までの距離よりも小さくし、
    サブアームと前記アーム角度調整機構とが連結する連結部からカム軸までの距離を、前記接触部からカム軸までの距離よりも大きくするとともに、前記係止部からカム軸までの距離よりも小さくしたことを特徴とする請求項2記載の二輪車用ブレーキ装置。
  5. 前記ワイヤは、車体前方から前記サブアームに接続され、
    前記シリンダは、車体後方からサブアームを駆動させることを特徴とする請求項4記載の二輪車用ブレーキ装置。
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