JP2524482Y2

JP2524482Y2 - 二段駐車装置

Info

Publication number: JP2524482Y2
Application number: JP1990060776U
Authority: JP
Inventors: 康弘宮
Original assignee: 康弘宮
Priority date: 1990-06-07
Filing date: 1990-06-07
Publication date: 1997-01-29
Anticipated expiration: 2005-06-07
Also published as: JPH0418161U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は二段駐車装置、特に入口から後方に向かって
下方傾斜して掘削形成した地下駐車スペースに設置され
る二段駐車装置の改良に関するものである。

（従来の技術）二段駐車装置において、下段に自動車を駐車させたま
ま、上段に自動車を乗降させるには、一般に上段自動車
載置パレットの後方を枢支し、前方を下方傾斜させる枢
支傾動型と、上段パレットを前後に移動させるととも
に上下に昇降させるエレベータ型に大別される。後者
は前者に比し、装置構成が複雑となるとともに、設備コ
ストが高くなるため、前者の方法が広く採用されてい
る。しかしながら、前者の方法においては上段パレット
を傾斜させて自動車M2を乗降させるため、上段パレット
Ｐは傾動時に下段の自動車M1と接触しないようにスペー
スを採る必要があるとともに、全長Ｌは駐車長さｌより
かなり長くする必要がある（第７図参照）。

そこで、特願昭62-031698号に記載の二段駐車装置は
また実願昭63-57231号に記載の二段式立体駐車装置が提
案されている。

前者は傾動可能なパレットの前端部を折曲可能とし、
パレット上に自動車を駐車させるときは上方に折り曲
げ、自動車を乗降させるときは下方に折り曲げるように
して長いパレットの扱いを容易にしている。他方、後者
は所定角度前方傾斜したパレットを旋回させることによ
りパレット前端と地面とをつなぐようにしてパレットの
長さを短縮できるように工夫している。

（考案の解決しようとする課題）しかしながら、いずれにしてもこのようなパレットの
枢支傾動型は下段駐車スペースを大きくとる必要性と自
動車載置パレットの取扱い性とから、パレットが下方の
自動車を無駄なスペースなく避けるためにはパレットの
寸法・形状及び回転中心等を自動車の大きさや形状等に
応じて種々準備する必要があり、構成を簡略化すること
が困難であり、設備コストの低減には限度がある。

そこで、本考案は構造簡単で、設備コストの安価な二
段駐車装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は、従来の、自動車載置パレットをエレベータ
形式で昇降させるか、枢支傾動させるかの作動形式にと
らわれず、傾斜スライド形式に変更することにより上記
目的を達成したもので、入口から後方に向かって下方傾斜して掘削形成した地
下駐車スペースS1上方に支持案内手段を介して自動車載
置パレットを前方にスライド可能に支持して、地上駐車
スペースS2を形成するとともに、該自動車載置パレット
を駐車位置から前方に傾斜スライドさせ、地面に向かっ
て下方傾斜し、その先端を接地する乗降位置に移動させ
ることにより地面上から上記パレット上に自動車を乗せ
降ろし可能としたことを要旨とする二段駐車装置にあ
る。

上記自動車載置パレットの支持案内は、地下駐車スペ
ースS1の上方巾方向両側において入口から後方に延びる
とともに入口から前方に下方傾斜して垂下する一対のガ
イドレール２により行う騎乗スライド形式の方が好まし
いが、滑車およびワイヤロープによる吊り下げスライド
形式が採用されてもよい。いずれにしろ載置パレットが
傾斜スライドする形式が採用されればよい。また、載置
パレットの傾斜スライドはパレット上に載置した駆動手
段でスライド移動させるのがよい。

（作用）本考案によれば、自動車載置パレットは傾斜しつつス
ライドするで、自動車を地下駐車スペースの上方の、パ
レットがほぼ水平な駐車位置と地面に先端を接触させる
前方傾斜した自動車乗降位置との間を移動させることが
できる。

また、本考案において、上記ガイドレール２を前後の
支柱１を連結して延びる横梁として機能させ、上記パレ
ット３を幅方向に延びる横梁として機能させると、横梁
を兼用させることができる。

以下、本考案を添付図面に示す具体例に基づき、詳細
に説明することにする。

（実施例）第１図は本考案に係る二段駐車装置の入口側から見た
正面図、第２図はその側面図である。

図面において、S1は入口から後方に向かって下方傾斜
して掘削形成した地下駐車スペースで、その上方に側方
フレームＦを立設した自動車載置パレット３を前方にス
ライド可能に支持して、地上駐車スペースS2を形成して
なる。

上記自動車載置パレット３は、上記地下駐車スペース
S1を前後両側に立設された複数本の支柱、１、１に支持
された、地下駐車スペースS1の上方巾方向両側において
入口から後方に延びる直線部21と入口から前方に下方傾
斜する傾斜部22とからなる一対のガイドレール２によっ
てスライド可能に支持され、パレット２上の駆動手段４
によって前後に移動するようになっている。したがっ
て、前後支柱１、１は前後方向に延びる上記ガイドレー
ル２および巾方向に渡るパレット３を横梁として兼用
し、最小限部材で構成されている。もちろん、ガイドレ
ールの他に横梁を設けるようにしてもよい。

詳しくは、第３図に示すように、ガイドレール２は溝
形鋼からなり、他方、上記パレット３が前後端近傍にそ
の幅方向に渡って配設された支持軸31、32の両端にロー
ラ33を有し、上記ガイドレール２内に嵌入している。し
かも、上記ガイドレール２の開口上部にはそれに沿って
長手方向に固設した山形鋼23を設け、上記ローラ33をガ
イドレール２から抜け止めし、安全にガイドレールの長
手方向にスライドして案内されるようになっている。

更に上記駆動手段４は上記パレット３上後方に設置さ
れ、第４図に示すように、電動モータ41の回転をチェー
ン42を介して第１スプロケット43に伝達し、後方支持軸
31を回転駆動するとともに、その回転は支持軸31の第２
スプロケット34を回転させ、第３図に示すように、該ス
プロケット34を山形鋼23に沿って長手方向に固設したチ
ェーン24に噛合させることにより上記パレット３を移動
させるようになっている。

なお、図面ではスプロケットとチェーンの伝達手段を
用いたが、ラックおよびピニオン、ワイヤおよびワイヤ
ドラム等の伝達手段を代わりに用いてもよい。

上記構成においては、第５図に示すように、前方支柱
１、１には巾方向に渡る横梁がないので、自動車載置パ
レット３が駐車位置Ｐにあるときは、支承なく、地下駐
車スペースS1に自動車M1を出し入れすることができる。

第５図において、地上駐車スペースS2にある自動車M2
は上記駆動手段４を作動させ、パレット３を前方に送る
と、パレット３は一対のガイドレール２、２に沿って傾
斜スライドし、第６図に示すように、後方支持軸31はそ
の直線部21に残るが、前方支持軸32は傾斜部22に沿って
下降し、その先端に至ると、パレット３の先端は入口の
地面Ｇに接地することになる。したがって、自動車Ｍを
前方に移動させれば、支承なく、駐車場から自動車を出
すことができる。

反対に、地上駐車スペースS2に自動車を駐車させると
きには、上記パレット３の先端が地面Ｇに接地した状態
で、自動車Ｍを後退させてパレット上に載せて停止さ
せ、上記駆動手段４を作動させてパレット３を後方にス
ライドさせると、自動車Ｍはパレット３に載置されたま
ま地上駐車スペースS2に駐車させることができる。

なお、自動車乗降時の、接地するパレット３の先端に
かかる荷重を軽減させるために、先端近傍両側おいて延
びる支え部材を取り付けるようにしてもよい。また、ガ
イドレール２には適宜位置にストッパーを配し、パレッ
ト３の安全停止を図るようにしてもよい。

（考案の効果）以上の説明で明らかなように、本考案によれば、自動
車載置パレットを枢支傾動させるのでなく、地下スペー
スの上方の地上スペース載置位置と地面に先端を接触さ
せる自動車乗降位置との間を傾斜スライドさせることに
より駐車場からの自動車の出し入れを行うことができる
ので、構造簡単で、安価な二段駐車装置を提供すること
ができることになる。

また、パレット長さは自動車の載置可能な長さがあれ
ばよく、しかも上記ガイドレール２およびパレット３が
横梁としての機能を果たすようにすると、より簡単な構
造で、安価である。しかも載置パレットの傾斜スライド
で、地上駐車スペースを開放することもできるので、車
高制限のない（キャラバン車両は車高が高く、駐車制限
があった）使い勝手のよい二段駐車装置を提供すること
もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る二段駐車装置の正面図、第２図は
その側面図、第３図は自動車載置パレットのガイドレー
ルでの案内状態を示す要部詳細図、第４図はパレットの
駆動手段を示す概要図、第５図は地下駐車スペースに自
動車を出し入れする態様を示す説明図、第６図は地上駐
車スペースに自動車を出し入れする態様を示す説明図、
第７図は従来の自動車載置パレット枢支傾動形式の二段
駐車装置の斜視図である。１……支柱、２……ガイドレール、３……自動車載置パ
レット、４……駆動手段。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】入口から後方に向かって下方傾斜して掘削
形成した地下駐車スペース（S1）上方に支持案内手段を
介して自動車載置パレット（３）を前方にスライド可能
に支持して、地上駐車スペース（S2）を形成するととも
に、上記自動車載置パレットを駐車位置から前方に傾斜
スライドさせ、地面に向かって下方傾斜してその先端を
接地する乗降位置に移動させることにより地面上から上
記自動車載置パレット上に自動車を乗せ降ろし可能とし
た二段駐車装置であって、上記支持案内手段が上記地下駐車スペース（S1）の上方
巾方向両側において入口から後方に延びる一対のガイド
レール（２、２）からなり、該一対のガイドレール
（２、２）の前方部分（22、22）が前方に向け、後方部
分（21、21）が後方に向けて各々下方傾斜される一方、上記パレット（３）がその少なくとも前後端近傍にその
幅方向に渡って配設された支持軸（31、32）の両端にロ
ーラ（33・・・）を有し、上記ガイドレール（２）内に
嵌入してガイドレールの長手方向にスライドして案内さ
れ、上記駐車位置で前後のローラ（33、33）がともに上
記ガイドレール（２、２）の後方部分（21、21）に位置
し、上記乗降位置で後方のローラ（33）が上記ガイドレ
ール（２、２）の後方部分（21、21）に、前方のローラ
（33）が前方部分（20、20）に位置するようになしたこ
とを特徴とする二段駐車装置。
【請求項２】上記ガイドレール（２）が溝形鋼から形成
される一方、上記パレット（３）がその少なくとも前後
端近傍にその幅方向に渡って配設された支持軸（31、3
2）の両端にローラ（33）を有し、上記ガイドレール
（２）内に嵌入してガイドレールの長手方向にスライド
して案内され、更に上記駆動手段（４）が上記パレット（３）上に設置
され、上記支持軸（31、32）の何れか一方を回転駆動
し、該支持軸に固定されたスプロケットをガイドレール
（２）に沿って長手方向に配設されたチェーンと噛合さ
せるように構成した請求項記載の二段駐車装置。