JP2524306C - - Google Patents

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JP2524306C
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Japan
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ammonium
aspartic acid
aspartate
fumaric acid
acid
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English (en)
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ローヌ−プーラン・シミ
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明はL−アスパラギン酸の調製方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 常法に依れば、L−アスパラギン酸は、それ自体が概ねフマル酸アンモニウム
の酵素処理から生じるアスパラギン酸アンモニウムより取得される。アスパラギ ン酸アンモニウムからのL−アスパラギン酸の沈殿は、pKa が、L−アスパラ
ギン酸の対応する酸性度より低い3.65未満の無機酸もしくは有機酸を用いて
実施される。通常用いられる酸のうち特に無機酸、更に特定するに硫酸を挙げる
ことができる。マレイン酸も亦使用することができる。 しかしながら、この種の沈殿では、考慮中の酸アンモニウム塩の生成は、所期
L−アスパラギン酸の形成と共に観察される。L−アスパラギン酸に関しては、
この副生物は、無論除去しなければならない不純物を構成する。対応する分離段
階は、プロセス上の付加的コストを伴う故に経済レベルで望ましくなく、また留
出物の汚染故にエコロジーレベルで望ましくない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の一つの(第一)課題は、L−アスパラギン酸をL−アスパラギン酸ア
ンモニウムから効率的に沈殿させることのできる新規な試剤を提供することであ
る。また、別の(第二)課題は、フマル酸によるL−アスパラギン酸の沈殿段階
と、加えてフマル酸アンモニウムからのL−アスパラギン酸アンモニウムの予備
形成を含むL−アスパラギン酸の調製方法を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】 第一課題として、本発明は、L−アスパラギン酸アンモニウムよりL−アスパ
ラギン酸を調製するに際し、アスパラギン酸アンモニウムからアスパラギン酸を
効率的に沈殿させる試剤としてフマル酸を用いる方法を提供する。 実際、L−アスパラギン酸アンモニウムからL−アスパラギン酸を効率的に沈
殿させるフマル酸のこの能力は非常に驚異的である。 フマル酸の二つのpKa 値は、L−アスパラギン酸を沈殿させるには実際上有
利でない。3及び4.4という各値は、L−アスパラギン酸の対応するpKa と
同程度の大きさである。 【0005】 更に、フマル酸はマレイン酸とは対照的に室温において水性混合物での溶解度
が目立って低い。それ故、沈殿反応はフマル酸の存在下広い温度範囲において不 均質媒体で実施される。しかしながら、すべての予想に反し、この不均質性は、
反応のすぐれた進展に何ら影響を及ぼさない。 本発明の好ましい具体化に従えば、フマル酸は、存在するL−アスパラギン酸
アンモニウムに対して加えられるフマル酸のモル比0.8以下で用いられる。好
ましくは、該モル比は0.1〜0.65範囲で変動する。 沈殿は常法により水性媒体で実施される。沈殿媒体の初期水濃度はフマル酸導
入前広い範囲で変動しうる。一般には、約40〜90重量%範囲である。 【0006】 上述の如く、沈殿反応は、選ばれる温度に依り均質媒体で生じたり或は不均質
媒体で生じるが、本発明方法では室温〜約100℃での不均質媒体で実施される
。好ましくは、20℃〜100℃範囲で実施される。 反応終了時、形成したL−アスパラギン酸は、好ましくは濾過により反応混合
物から単離後、洗浄且つ乾燥される。本発明の特定の具体化に従えば、フマル酸
アンモニウムを含む濾液が保留される。 反応のL−アスパラギン酸収率は70〜95%の値に達することができる。 【0007】 第二の課題として、本発明は、フマル酸によるL−アスパラギン酸の沈殿段階
と、加えてフマル酸アンモニウムからのアスパラギン酸アンモニウムの予備形成
を含むL−アスパラギン酸の調製方法を提供する。 特に、本発明は、フマル酸アンモニウムをアスパルターゼで或はアスパルター
ゼを産生する微生物で酵素処理することにより予めアスパラギン酸アンモニウム
を生成することを付加的に含む方法に適合する。 フマル酸アンモニウムをアスパラギン酸塩に転化させるアスパルターゼの能力
は周知であり、またフマル酸アンモニウムによるアスパルターゼの酵素処理によ
りアスパラギン酸塩を生成する多くの方法が文献に既述されている。従って、こ
こではこれら技法に関する詳細を省く。 アスパルターゼを産生しうる微生物として特に下記株が含まれる: シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluoresc
ens)、エスケリキア・コリ(Escherichia coli)、アエロ バクテル・アエロゲネス(Aerobacter aerogenes)、バク
テリウム・スクシニウム(Bacterium succinium)、ミクロ
コクス・スプ(Micrococcus sp)、バシルス・スブチリス(Ba
cillus subtilis)及びセラチア・マルセセンス(Serrat
ia marcescens)。 【0008】 酵素処理の結果として得られるアスパラギン酸アンモニウムは好ましくは反応
終了時、後続のフマル酸による沈殿段階に備えて単離される。 L−アスパラギン酸の沈殿にフマル酸を用いることは第二の場合特に有利と判
明する。事実上、沈殿段階の結果得られる副生物すなわちフマル酸アンモニウム
はL−アスパラギン酸の給源を有利に構成しうる。それは、アスパラギン酸アン
モニウムの形成を通してL−アスパラギン酸を調製すべく再循環され得、かくし
て閉回路で操作することを可能にする。その後、副生物の製造は皆無である。 従って、本発明の好ましい具体化に従えば、アスパラギン酸の沈殿段階の結果
得られる、該酸を含まない反応混合物は、アスパラギン酸アンモニウム調製用フ
マル酸アンモニウムの給源として用いられる。 【0009】 この反応混合物は、いかなる前処理もせずに直接アスパラギン酸アンモニウム
の調製に用いることができる。この観点から、アスパルターゼを産生することの
できる微生物は直接そこに導入され、適宜アンモニア化学量論が再調整される。 本発明方法の他の利点を、本発明の非制限的例として提示される下記例で示す
。 例中、いくつかの検査を実施する。すなわち、 L−アスパラギン酸の純度を電位差計分析でモニターする(1N水酸化ナトリ
ウムによる決定)。また、 未反応フマル酸の量をHPLCクロマトグラフィーで定量的に決定する。 【0010】例1 アスパラギン酸アンモニウムの調製 電磁撹拌機を備えた2l(リットル)丸底フラスコに、NH323.14重量
%を含有するNH4OH300g及び水800gを導入する。次いで、L−アス
パラギン酸543gを累進的に加えて混合物の温度を50℃以下に保つようにす
る。冷却後、均質な37.27%w/wアスパラギン酸アンモニウム溶液を取得
する。 【0011】例2 アスパラギン酸の沈殿に関するテスト1 フマル酸3.6gを水25gと共に100mlエルレンマイヤーフラスコに装
入する。次いで、例1の37.27%w/wアスパラギン酸アンモニウム溶液2
5g(0.0621モル)を加える。存在するフマル酸を考慮せずに反応前評価
した混合物中の水濃度、Cは81.37%w/wであり、存在するアスパラギン
酸アンモニウムに対し加えられるフマル酸のモル比、αは0.5である。 電磁撹拌機を用いて液/固混合物を温度T=20℃で時間t=1hrかき混ぜ
る。得られた懸濁物を濾過し、L−アスパラギン酸を回収する。洗浄及び乾燥後
、乾燥固体67gを得る。算定したL−アスパラギン酸収率、Yは81.1モル
%(装入L−アスパラギン酸アンモニウムモル数に対する取得L−アスパラギン
酸モル数)に等しく、算定したフマル酸転化率、Dは81.1%[(取得L−ア
スパラギン酸、モル数/(2×(装入フマル酸、モル数))]に等しい。 電位差計で決定した取得L−アスパラギン酸純度、Pは101.1%であり、
またHPLCで決定したフマル酸含分、FAは1.8%である。 【0012】例3 L−アスパラギン酸の沈殿に及ぼす温度の影響 後記テスト2を、例2に記載のテスト1に類似した操作条件下で実施するが、
反応混合物を100℃に還流させる。 テスト3を次の手順に従って実施する。すなわち、例1の37.27%w/w
アスパラギン酸アンモニウム溶液99.3g(0.2467モル)、水90.7 g及びフマル酸14.3gを、反応混合物の観察が可能なガラス製ポートホール
付き300mlステンレス鋼反応器に装入する。反応器の加熱は電気により、撹
拌はアルキメデススクリューによる。窒素による掃気後、温度を135℃に設定
し、撹拌を開始する。15分後、反応混合物の温度は自生圧下135℃に達する
。而して、反応混合物は液状均質物である。温度は135℃で10分間保持する
。次いで、反応器を冷却させ、反応混合物の温度が88℃に達したとき排出を実
施する。 下記表Iに、対応するY、D、P及びFAの結果を示す。 【0013】 【表1】 【0014】 結果は、申し分のないフマル酸含有量で最良の収率をもたらすのは最低温度で
あることを示している。 【0015】例4 アスパラギン酸の沈殿に及ぼす水濃度の影響 該影響を20℃及び100℃という二つの温度値で調べた。下記表IIに、対応
する結果を示す。 テスト4及び5は例2(テスト1)に示す手順に従って実施した。 テスト6に関しては、次の如く実施した: 例1の37.27%w/wアスパ
ラギン酸アンモニウム溶液25g(0.0621モル)を回転式蒸発器中10m
mHgの減圧下35℃で蒸発させる。次いで、48.77%w/wアスパラギン
酸アンモニウム溶液19.1gを得る。この溶液を50mlエルレンマイヤーフ
ラスコに装入する。電磁撹拌機を用いてかき混ぜる。次いで、フマル酸3.6g
を加える。次いで、反応混合物を還流させる(温度T=100℃)。 【0016】 【表2】 【0017】 非常に高い含水量において、収率は極めて有意に減少する。 【0018】例5 沈殿反応に及ぼすパラメーターαの影響 パラメーターαの影響は先行例と同じ方法で20℃及び100℃という二つの
温度で調べた。 テスト7は例2(テスト1)と同じ手順に従い実施する。 テスト8及び9は、テスト2と同じ手順に従いアスパラギン酸アンモニウム0
.0621モルを装入して実施する。テスト10はテスト3に記載の手順に従い
140℃で実施し、同様にアスパラギン酸アンモニウム0.2467gを装入す
る。 結果を下記表III に提示する。 【0019】 【表3】 【0020】 αが0.8より大きい値では、残留フマル酸含量が非常に高くなることが注目
される。 【0021】例6 フマル酸アンモニウムの存在におけるL−アスパラギン酸の沈殿 フマル酸1.79gを水25gと共に100mlエルレンマイヤーフラスコに
装入する。次いで、37.27%w/wアスパラギン酸アンモニウム溶液24.
8g(0.0617モル)を加える。次いで、液/固混合物を20℃の温度で1
時間かき混ぜる。濾過、洗浄及び乾燥後、L−アスパラギン酸3.49gを取得
する。 母液40.22gを濾過後回収し、100mlエルレンマイヤーフラスコに装
入する。例1の37.27%w/wアスパラギン酸アンモニウム溶液8.78g
を加え、次いでフマル酸1.49gを加える。次いで、混合物を20℃で1時間
かき混ぜる。濾過、洗浄及び乾燥後、L−アスパラギン酸3.05gを得る。濾
過後、母液37.5gを回収し、100mlエルレンマイヤーフラスコに装入す る。例1の37.27%w/wアスパラギン酸アンモニウム溶液7.3gを加え
、次いでフマル酸1.18gを加える。次いで、混合物を20℃で1時間かき混
ぜる。濾過、洗浄及び乾燥後、L−アスパラギン酸2.08gを取得する。 3段階では、考慮段階の反応初期に存在するアスパラギン酸アンモニウムに対
するフマル酸モル比β並びに再循環段階の累積収率CY(考慮段階までの装入ア
スパラギン酸アンモニウムモル数に対する考慮段階までの取得L−アスパラギン
酸モル数)を算定する。 操作条件α及びβ並びにY、CY及びFAの結果を下記表IVに示す。 【0022】 【表4】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 フマル酸を用いるアスパラギン酸アンモニウムからのL−アス
    パラギン酸の沈殿によるL−アスパラギン酸の調製方法であって、沈殿のプロセ
    スを室温〜100℃にて、不均質相で実施し、フマル酸を、添加されるフマル酸
    の存在するL−アスパラギン酸アンモニウムに対するモル比0.1〜0.65で
    用い、フマル酸の導入前の沈殿混合物の水濃度が40〜90重量%であることを
    特徴とする方法。 【請求項2】 フマル酸アンモニウムを付加的に含有する反応混合物から所期
    L−アスパラギン酸を単離することを特徴とする請求項1の方法。 【請求項3】 L−アスパラギン酸アンモニウムが、フマル酸アンモニウムを
    アスパルターゼで或は、アスパルターゼを産生する微生物で酵素処理することに
    より予め生成されることを特徴とする請求項1または2の方法。 【請求項4】 L−アスパラギン酸の単離後得られるフマル酸アンモニウム含
    有反応混合物がL−アスパラギン酸アンモニウムを調製するためのフマル酸アン
    モニウム源として用いられることを特徴とする請求項2または3の方法。 【請求項5】 L−アスパラギン酸が濾過により単離されることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

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