JP2524174C - - Google Patents

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JP2524174C
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は均質かつ大型のドープト石英ガラス、特にガラスレーザー、ガラス
フィルタ、螢光ガラス、光学ガラス等の光学機能性を有する石英ガラスの製造方
法に関するものである。 [従来の技術] レーザー用石英系ガラス(製法上の理由によりNa,K,Ca,Bなどを発光元素
イオンと同時に添加したケイ酸塩系ガラスなど)を除くレーザー用石英ガラスに
限定すると、以下に列挙する基本的な物質発明が開示されている。すなわち、 特開昭60-11245号公報;文献1 特開昭61-77634号公報;文献2 また、レーザー用のドープト石英ガラスの製造方法としては各種の提案があり
、次の3つの方法に大別できる。 (I)火焔酸化分解溶融法 (II)スート混入ガラス化法(CVD法) (III)ゾル−ゲル法 上記3つの製造方法のうち、ゾル−ゲル法(III)に関する方法発明には、 特開昭60-77133号公報;文献3 があり、CVD法(II)については、 特開昭57-67046号公報;文献4 があり、いずれも文献として開示されている。なお、上記文献1及び2は火焔酸
化分解溶融法(I)に準ずるドープト石英ガラスの製造方法を採用したものであ
る。 いずれにしても、素材としての実用可能なドープト石英ガラスは、その特性評
価とともに、製造方法と密接に関連した技術によって裏付けされてはじめて達成
されるものといえる。 [発明が解決しようとする問題点] 上記のような従来のドープト石英ガラス及びその製造方法では、いずれもレー ザー用石英ガラスに限定されているが、均質でしかも大型のドープト石英ガラス
が得られていないのが現状である。その原因は前項の終りに記したように製造方
法に起因し、つまり製造条件が課題とされている。以下逐次その問題点について
説明する。 火焔酸化分解溶融法(文献1及び2)では、いずれも添加物質としてNd(ネ
オジム)を発光元素とし、その他を発光特性を改善するための元素として導入し
たレーザーガラスである。文献1は学術論文の発表においてレーザー発振に成功
したとされ、文献2では特性表中に均質性を項目に設けて、4×10-6の均質性を
得たとされるが、均質性の定義が曖昧である。しかし、一般に火焔酸化溶融法で
は脈理が発生するうえ大型化が難しい。また原料やエネルギの変換効率が悪く、
特殊な装置を必要とするなど問題点が多い。 スート混入ガラス化法(文献4)では、CVD法により石英多孔質ガラス体の
作製時に添加物質としてネオジム微粒子を混入させ、その後無孔化してネオジム
添加ガラス体を得たものである。この方法ではネオジムを微粒子状態でドープし
ているが、均質度の良否については記載がない。またこの方法ではドーパント(
添加物質)の添加量や分布の制御が難しく、均質かつ大型のガラス体の製造は本
質的に不可能である。 一方、ゾル−ゲル法(文献3)は低温ガラス合成法の一種であり、常温、液体
状態でドーパントの均質な添加が可能であるため、理論的にも最も優れたドープ
ト石英ガラスの製造方法である。しかし、文献3を含めて従来法では気泡やクラ
ックが発生しやすく、大型化や高品質化は容易ではない。 以上を要約すると、従来の製造方法で得られたドープト石英ガラスは、実用に
はほど遠く、気泡・脈理・クラック等が発生している上に、ガラス体の均質性も
定かとはいえず、大きさ的にも小片状のものしか得られていないのが現状である
。つまり、石英ガラスは熱加工が困難であるから、均質性を保持する意味からも
目的形状体の一発成型が好ましいが、これが可能な方法は今までの所存在しなか
ったというべく、その製造方法が確立されたものとはいえない。 この発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、極めて高純度の石
英ガラス体が得られるなどの特徴を有する前記ゾル−ゲル法に着目してその工程 を工夫することにより、石英レーザーガラス、ガラスフィルタ、螢光ガラス管、
光学レンズ等への応用可能な均質かつ大型のドープト石英ガラスの簡易な製造方
法を提供することを目的とするものである。 [問題点を解決するための手段] この発明に係る光学機能性を有する石英ガラスの製造方法は、ゾル−ゲル法を
用いた光学機能性を有する石英ガラスの製造方法において、 アルキルシリケートを塩基性触媒存在下で加水分解して得られるシリカ微粒子
溶液と、 アルキルシリケートを酸性触媒存在下で加水分解して得られる加水分解溶液と
を混合して調製したSiO2含有溶液に、原子番号3〜5、11〜13、19〜32、37〜
5155〜84及び87〜103の金属元素を構成元素とする金属化合物のうち、少なくと
も一種類の金属化合物をSiO2含有溶液中のSiO2に対しモル比で0.01〜30%を
添加し、ゾル溶液を調製するゾル化工程と、ゾル溶液をゲル化した後、乾燥しド
ライゲルを形成する工程と、ドライゲルを焼結する工程とを有するものである。 この場合、前記のゾル化工程において、原子番号3〜5、11〜13、19〜32、37
〜51、55〜84及び87〜103の金属元素を構成元素とする金属化合物のうち、少な
くとも一種類の金属化合物をSiO2含有溶液中のSiO2に対しモル比で0.01〜20
%を添加することが望ましく、また、同じこのゾル化工程工程において、金属化
合物に対しモル比で0〜30倍のP25もしくはAl23の少なくとも一方を添加
すること、さらに、前記ゾル化工程において、金属化合物に対しモル比で5〜20
倍のP25もしくはAl23の少なくとも一方を添加することが好ましい。 また、前記ドライゲルを焼結する工程は、1100℃以上の温度で加熱することが
好ましい。 なお、上記添加物質のドーパントとしての選択は、得られるドープト石英ガラ
スの使用目的によって決められ、この製造方法は添加物質元素を限定することな
くドープできるものである。 [作用] この発明のドープト石英ガラスにおいては、ガラス体の評価に均質性という準
物性値を導入して限定したから、ここで、均質性の定義及び測定方法とガラス体 のサイズとの関連を説明する。 均質性はガラス体における諸物性の変動幅で定義できる。注目される物性は、
粒状構造、脈理、屈折率、透過率、歪、線膨張係数、密度等であるが、測定精度
の最も高いものが屈折率であるので便宜的に屈折率の変動幅を均質性の定量に用
いる。 屈折率は干渉計測定(He/Neレーザー、波長632.8nm)により測定できるが、
測定限界値1×10-6の精度で測定するためには、ガラス体が10mm以上の厚みを有
していることが必要となる。更に変動幅を定量化するためには、10mm以上の厚み
のガラス体を高精度平行平面鏡面研磨し、測定点間の距離を5mm以上取り、10ケ
所以上測定する必要がある。 屈折率はドーピング量や密度等を代表する数字であるが、その数字を使うに当
たっては、透過率や線膨張係数に差がないこと、更には粒状構造、脈理、泡の無
いことが必要条件となる。 透過率は200nm〜5.0μmの波長域で測定するが、外径10mm以上、厚み1mm以上
のガラス体が必要であり、変動幅を見るためには、やはり10ケ所以上の測定が必
要である。線膨張係数の測定には、5mm×5mm×10mmのサンプルが10ケ所以上切り
出せるガラス体が必要となる。粒状構造、脈理、泡の検査には外径50mm以上、厚
み1mm以上の鏡面研磨したガラス体が必要である。10万ルクスの集光ランプを当
て、スポットの無いことにより粒状構造をしていないことが、また、光点のない
ことにより泡のないことが確認できる。その他、偏光板を通して透過光を調べ、
単一色であることにより脈理の無いことが確認できる。 以上述べたように均質性を定義するためには、ガラス体がある程度の大きさ(
外径50mm、厚さ10mm以上)を有していることが、必要である。 また、もう一つの発明である均質性が1×10-5以下であるようなドープト石英
ガラスの製造方法は公知のゾル−ゲル法に準じた方法を用いる。ゾルに添加物質
としての金属イオンまたは金属化合物が均質に分散した状態のままゲル化したの
ちガラス化するためである。ゾルに溶解する無機化合物及び有機化合物、あるい
は不溶でもゾルに均一に分散する微粒子をドーパントに用いると、あらゆる金属
元素の広い濃度範囲での添加が可能である。溶解する無機化合物としては多くの ハロゲン化物や硝酸化物、水酸化物等が挙げられる。有機化合物としては各種ア
ルコキシドや、アセテート等が挙げられる。微粒子としては、酸化物や難溶性塩
等が考えられるが、これらは一例であり、何ら限定されるものではない。添加時
の金属イオン価が焼結したガラス体でも維持されている傾向にあり、特定のイオ
ン価が必要な場合に利用できる。また複数元素の同時添加も、何ら問題がない。 産業への応用を考えると、添加物質の元素種及びドーピング濃度が任意に選択
できることは非常に重要である。レーザーガラスとしてはTi,Cr,Nd,Ce,Tb
等の元素が0.01%〜10%程度の濃度で添加されているのが好ましいし、Al,Pな
どの元素が共存していると更に好ましい。ガラスフィルタとしては、Ti,Ce,E
r,Eu等の元素が0.01%〜10%程度の濃度で添加されているのが好ましい。螢光
ガラスとしてはCe,La,Y等が0.1%〜10%で、光学レンズとしては、Ti,La,
Gd等が0.1%〜45%程度添加されているのが好ましい。他にも多種多様の応用が
考えられ、添加元素の種類や濃度はとくに限定されるものではない。 しかし、従来から紹介されているアルキルシリケートを加水分解するだけのゾ
ル−ゲル法では、均質性が論じられる大きさの塊状ガラス体は得られていない。
アルキルシリケートを酸性触媒を用いて加水分解した溶液にシリカ微粒子を分散
させると、乾燥や焼結で割れない多孔質のドライゲルを作製することができる。
ゾルをpH3〜6の範囲に調整すると、加水分解生成物であるテトラヒドロキシシ
ランの重合速度が促進されて網目構造が強化し、さらに割れにくい強固な構造を
とるようになる。そして、このドライゲルを1100℃以上に加熱してガラス化する
と、添加したシリカ微粒子の粒界は消失し、脈理は本質的に存在しなくなる。 [実施例] 実施例1; (1)ゲル体の作製 エチルシリケート、無水エタノール、水、アンモニア水(29%)をモル比で1:7.
6:4:0.08の割合になるように混合し約5時間攪拌した後、室温で数日間熟成し、
減圧濃縮することにより分散性の良いシリカ微粒子溶液を調製した。 次にエチルシリケートに重量比で1:1になるように0.02規定の塩酸を加え、氷
冷しながら約2時間攪拌することにより加水分解溶液を調製した。 シリカ微粒子溶液のpH値を2規定の塩酸を用いて4〜5に調整した後、加水
分解溶液を混合し、均質な溶液となるまで十分攪拌した。その後、この容器に、
Ce/SiO2=100ppmとなるように所定量のセリウムを塩化第一セリウム溶液の形
で添加物質として添加し、約1時間攪拌を続けゾル溶液を形成(調製)した。こ
のゾル溶液のpH値を0.4規定のアンモニア水を用いて5.0に調整し、約50分かけ
てゲル化させた。 (2)ガラス化 このゲル体をポリプロピレン製の乾燥容器(開口率0.3%程度)に移し入れ、
約60℃に保たれた恒温乾燥機を用いて約2週間で乾燥し、空気中に放置しても割
れないない多孔質ドライゲル体を得た。 このゲル体を酸素/窒素雰囲気中で一旦1000℃まで加熱し、縮合反応の促進、
脱水、脱有機物等の各種処理を行った後、炉内をヘリウム雰囲気に変え、最高13
40℃まで加熱してガラス化した。 こうして得られたガラス体は透明性の高い無色のガラス体で、脈理や結晶化等
もみられず良好なものであった。大型化については外径30cm、厚さ5cm程度のイ
ンゴットや、外径5cm、長さ1m程度のロッドは製造可能であった。 外径10cm、厚さ3cmのインゴットの両面を平行に鏡面研磨し、10mm間隔の10ケ
所で200nm〜5.0μmの波長域につき透過率を測定したが、各所での差異は認めら
れなかった。熱歪及び屈折率の分布を測定したところ、均質性は5×10-6以下で
あった。化学分析からほぼ仕込み組成量のCeが含有されていることも確認でき
た。 このガラス体は200〜300nmの波長域で選択的紫外線吸収特性を示すので、ガラ
スフィルタとして応用できる。また、紫外光で励起すると350〜550nm波長域で発
光が起こるため、チューブ形状のガラス体を製造することにより螢光管として応
用できる。 また、1cm×1cm×3cmのガラス体の両端面を高精度平行平面研磨し、レーザー
発振を試みたところ、安定的に発振を行なうことが確認された。発振波長は350
〜550nmの範囲で可変であった繰り返し発振も十分可能であり、長時間の使用に
も劣化はみられなかった。 実施例2; エチルシリケートに重量比で1:1になるように0.02規定の塩酸を加え、氷冷し
ながら約2時間攪拌することにより、加水分解溶液を調製した。そこに超微粉末
シリカ(Aerosil OX-50)を、エチルシリケートに対しモル比で1:1になるよ
う徐々に添加し、充分に攪拌した。このゾルを20℃に保ちながら28KHzの超音
波を2時間照射し、更に1500Gの遠心力を10分間かけた後1μmのフィルタを通
過させた。 その後このゾル中にNd/SiO2=1%となるように所定量のネオジムを塩化ネ
オジムの形で添加し、更にネオジムの15倍モル量のアルミニウムを硝酸アルミニ
ウムの形で添加し、約1時間攪拌を続けた。このゾルのpH値を0.4規定のアンモ
ニア水を用いて4.5に調整し、約2時間かけてゾル化させた。 ガラス化は実施例1と同様の手順で行ない、ネオジム及びアルミニウム含有石
英ガラスを得た。ガラス体の均質性は極めて良好で、屈折率の変動を10mm間隔10
ケ所で測定したところ、8×10-6以下であった。 外径6mm、長さ75mmのガラスロッドの両端面を高精度平行平面研磨し、レーザ
ー発振を試みたところ、安定的に発振を行なうことが確認された。発振波長は1.
06μmで繰り返し発振も十分可能であり、長時間の使用にも劣化はみられなかっ
た。 外径3cm、長さ20cmのガラス体を、YAGレーザーの増幅器として用いたとこ
ろ、効果的な増幅が測定され、YAGレーザーのアンプ材としての応用も可能と
なった。 ここで、SiO2-Nd23だけの石英ガラスを代表例として、添加物質のNd2
3添加量(ドーパント量)と屈折率の関係を実測した線図によって第1図に示す
。図において、横軸はNd23の重量(wt)%、縦軸は屈折率ndである。図から
明らかなように、Ndドープ量と屈折率は一次の線形関係を示している。図中、
点線の部分はこの発明の製造方法ではじめて達成されたNdの添加量範囲であり
、0〜20wt%のみならず、20〜30wt%まで拡張できる点が特徴とされる。ただ、
実際上、例えばNd23の場合は30wt%近くなると添加されにくい面も予測され
ている。 結論的にいえば、この発明の製造方法によるアルキルシリケートの他にSiO2
(シ リカ)微粉末を使用したゾル−ゲル法によるレーザー用ドープト石英ガラスは、
均質であることを特徴とし、すなわち脈理やドーパント(添加物質)の均一分布
した大型のガラス体が形成できるとともに、レーザーガラスのどの点をとっても
上記のような屈折率と添加物質濃度との一次線形が成立し、その上屈折率の精度
を示す変動幅が確実に1×10-5以下の値として均質性を示すことができるもので
、レーザー発振に好適な性能を有するものである。 実施例3; 実施例1と同様の方法により、所定量(Eu/SiO2=0.08%)のユウロピウム
を硝酸ユウロピウムの形で添加物質添加したゾル溶液を調製し、同様の手順によ
りゲル化、乾燥、焼結を行ない、ユウロピウム含有石英ガラスを得た。実施例1
と同様の方法で均質性を調べたところ5×10-6以下であった。 このガラス体は 300〜400nmの波長域で選択的紫外線吸収特性を示し、ガラス
体各所における吸収特性の差異は認められなかった。ガラスフィルタとして応用
できる。 実施例4; 実施例2と同様の方法により、所定量(Ti/SiO2=2%)のチタンをテトラ
プロポキシチタンの形で添加したゾル溶液を調整し、同様の手順によりゲル化、
乾燥、焼結を行ない、無色透明のチタン含有石英ガラスを得た。 外径10cm、厚さ3cmのインゴットの両面を平行に鏡面研磨し、10mm間隔の10ケ
所で200nm〜5.0μmの波長域につき透過率を測定したが、各所での差異は認めら
れなかった。熱歪及び屈折率の分布を測定したところ、均質性は5×10-6以下で
あった。熱膨張係数を0〜1200℃の範囲で測定したが、やはり各所での差は認め
られなかった。信頼性の高い光学レンズ材への応用が可能である。 また、テトラプロポキシチタンのかわりに、チタニア超微粒子の形で添加した
チタン含有石英ガラスの均質性も非常に高く、同様の測定で6×10-6という値を
示した。 実施例5; 実施例1と同様の方法により、所定量(Cr/SiO2=0.1%)のクロムを硝酸
第二クロムの形で添加したゾル容器を調整し、同様の手順によりゲル化、乾燥、
焼結を 行ない、クロム含有石英ガラスを得た。 ガラス体の均質性は極めて良好で同様の測定を行なうと5×10-6以下であった
。外径6mm長さ75mmのガラスロッドの両端面を高精度平行平面研磨し、レーザー
発振を試みたところ、安定的に発振を行なうことが確認された。発振波長は600n
m〜850nmの範囲で可変であった。繰り返し発振も十分可能であり、長時間の使用
にも劣化はみられなかった。 30cm×30cm×1cm程度の大型化は難しくないため、スラブ型レーザーガラスへ
の応用も可能である。 以上数種類の金属元素について実施例を説明したが、ドーパントすなわち添加
物質は何ら特定元素に限定されるものではない。 なお、上記実施例1,2及び5に示したように、この発明の製造方法によって得
られるドープト石英ガラスをレーザーガラスに限定してとくにその組成及び組成
割合について以下補足する。 レーザーガラスとしての基本組成を SiO2+AA+BB で示すと、SiO2は主成分、AAは活性物質としての添加物質、BBは補助添加
物質でありすなわちSiO2+AAのみではレーザー発振出力の弱い場合に出力を
増す働きをもたせる補助剤としての添加物質である。 まず、AAは原子番号が3〜5,11〜13,19〜32,37〜51,55〜84,87〜103の各金
属元素の酸化物又は前記のような化合物が使用される。以土の金属元素はすべて
レーザー発振を行う活性物質であり、この発明の微粉末シリカ(SiO2)を用い
たゾル−ゲル法によって脈理のない大型のレーザーガラスが得られる。AAの組
成割合はSiO2に対しモル比で0.01〜20%が好ましいが、AAを構成する金属元
素の種類によっては最大30%まで添加可能である。 BBはAlO3又はP25のいずれか一方あるいは両方からなる補助添加物質で
あり、その組成割合はAAに対しモル比で0〜30倍が添加可能であるが、適性範
囲としては5〜20倍が好ましい添加量である。 [発明の効果] この発明は以上説明したとおり、ドーパントとしての添加物質を均一に分布で きるように、シリカ微粒子を使用する手法と工程をゾル−ゲル法によるドープト
石英ガラスの製造方法に導入したことにより、従来法では達成できなかったよう
な均質性が優れかつ大型のドープト石英ガラスが得られた。 このようなドープト石英ガラスの製造方法の確立により得られたドープト石英
ガラスは従来から目標とされた石英レーザーガラスのみならず、ガラスフィルタ
、螢光ガラス管、光学レンズ等の各特殊性能を有するガラス製品への幅広い応用
が可能であり、工業又は研究開発用の素子及び部品開発に寄与する効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明によるSiO2-Nd23系ガラスのNdドープ量と屈折率との
関係を示す特性線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ゾル−ゲル法を用いた光学機能性を有する石英ガラスの製造方法に
    おいて、 アルキルシリケートを塩基性触媒存在下で加水分解して得られるシリカ微粒子
    溶液と、 アルキルシリケートを酸性触媒存在下で加水分解して得られる加水分解溶液と
    を混合して調製したSiO2含有溶液に、 原子番号3〜5、11〜13、19〜32、37〜51、55〜84及び87〜103の金属元素を
    構成元素とする金属化合物のうち、少なくとも一種類の金属化合物を前記SiO2
    含有溶液中のSiO2に対しモル比で0.01〜30%を添加し、ゾル溶液を調製するゾ
    ル化工程と、 前記ゾル溶液をゲル化した後、乾燥しドライゲルを形成する工程と、 前記ドライゲルを焼結する工程と を有することを特徴とする光学機能性を有する石英ガラスの製造方法。 【請求項2】前記ゾル化工程において、原子番号3〜5、11〜13、19〜32、37〜
    51、55〜84及び87〜103の金属元素を構成元素とする金属化合物のうち、少なく
    とも一種類の金属化合物を前記SiO2含有溶液中のSiO2に対しモル比で0.01〜
    20%を添加することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の光学機能性を有す
    る石英ガラスの製造方法。 【請求項3】前記ゾル化工程において、前記金属化合物に対しモル比で0〜30倍
    のP25もしくはAl23の少なくとも一方を添加することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の光学機能性を有する石英ガラスの製造方法。 【請求項4】前記ゾル化工程において、前記金属化合物に対しモル比で5〜20倍
    のP25もしくはAl23の少なくとも一方を添加することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の光学機能性を有する石英ガラスの製造方法。 【請求項5】前記ドライゲルを焼結する工程は、1100℃以上の温度で加熱するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の光学機能性を有する石英ガラスの製 造方法。

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