JP2524167Y2

JP2524167Y2 - カートリッジ誤挿入防止機構

Info

Publication number: JP2524167Y2
Application number: JP1990117494U
Authority: JP
Inventors: 秀年椛沢; 和彦井上
Original assignee: ティアツク株式会社
Priority date: 1990-11-08
Filing date: 1990-11-08
Publication date: 1997-01-29
Anticipated expiration: 2005-11-08
Also published as: JPH0476636U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案はカートリッジ誤挿入防止機構に係り、特にカ
ートリッジを損傷させないように誤挿入を防止しうる構
成としたカートリッジ誤挿入防止機構に関する。

従来の技術例えば内部に磁気ディスクが収納されたカートリッジ
が挿入されるホルダを有する磁気ディスク装置いおいて
は、カートリッジがホルダ内に挿入されるとともにカー
トリッジのシャッタを開方向に変位させて磁気ディスク
に対向する開口を開くようになっている。そして、カー
トリッジがホルダとともに装着位置に装着されると、磁
気ヘッドがカートリッジの開口に進入して磁気ディスク
に当接して磁気記録再生可能となる。ところが、カート
リッジが異なる向きでホルダ内に挿入されてしまうと、
シャッタが開かないばかりか磁気ヘッドがカートリッジ
に衝突して損傷してしまう。

そのため、カートリッジの挿入方向は一定の向きで挿
入するように決められており、ホルダにはカートリッジ
が所定の向きで挿入されたときのみカートリッジの挿入
を許容するカートリッジ誤挿入防止機構が設けられてい
る。

従来のカートリッジ誤挿入防止機構としてはホルダの
天板にトーションバネを設け、カートリッジの先端側の
コーナ部に形成された斜辺がトーションバネの端部に当
接すると斜辺に沿ってトーションバネの端部がホルダの
側方へ変位する構成の機構がある。

考案が解決しようとする課題しかるに、上記従来のカートリッジ誤挿入防止装置で
は、トーションバネの端部が直接カートリッジに当接す
るため、カートリッジの挿入が繰り返し行なわれるとカ
ートリッジの表面がトーションバネにより削られてしま
い、次第にカートリッジの挿入感が悪くなるといった課
題がある。さらには、カートリッジの側面にトーション
バネが引っ掛りやすくなり、カートリッジの左右側面が
斜めになるように挿入された場合、トーションバネがカ
ートリッジに食い込んで挿入できなくなるといった課題
も生ずる。

そこで、本考案は上記課題を解決したカートリッジ誤
挿入防止機構を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段本考案は、一のコーナ部に斜辺を有するカートリッジ
が所定の向き以外の向きでホルダ内に挿入されることを
防止するカートリッジ誤挿入防止機構において、前記ホルダの天板に穿設された開口部と、前記ホルダ上面に下方への移動を規制され回動自在に
設けられた移動部材と、前記開口部よりホルダ内に突出するように該移動部材
に設けられ、前記ホルダ内に前記カートリッジが挿入さ
れたとき、前記斜辺に当接し前記カートリッジの挿入と
ともに前記ホルダの天板側に変位し、前記斜辺以外のコ
ーナ部に当接するとき変位不可となるよう形成された当
接部と、前記ホルダ上面に設けられたトーションバネと、前記ホルダ上面に設けられ該トーションバネを掛止す
るとともに前記移動部材に穿設された孔に嵌入されるバ
ネ掛止部とを備えてなり、該トーションバネは、一端により前記移動部材を該当
接部がホルダ内に突出するように付勢し、他端により前
記移動部材が該バネ掛止部から離脱不可状態に係止され
てなる。

作用ホルダの上面に穿設された開口部に進退自在に設けら
れた移動部材の当接部にカートリッジの斜辺が当接する
と、移動部材が天板側へ変位してカートリッジの挿入を
許容するため、カートリッジの表面が損傷しにくくカー
トリッジを円滑に挿入しうる。

実施例第１図乃至第４図に本考案になるカートリッジ誤挿入
防止機構の一実施例が適用された磁気ディスク装置を示
す。

各図中、磁気ディスク装置１は、3.5インチ用の装置
であり、アルミダイキャスト製のフレーム２上にスライ
ド部材３と、スライド部材３の内側に設けられたホルダ
４と、ラッチレバー５とよりなるディスクカートリッジ
装着機構６を設けてなる。又、フレーム２上には図示し
ないヘドキャリッジが設けられ、フレーム２の下面には
ディスク駆動モータが配設される。ホルダ４は板金をプ
レス等により折曲加工して第２図乃至第４図に示す形状
に形成される。即ち、ホルダ４は天板4a,両側面4b,4c,
下面4d,4eよりなり、内部にディスクカートリッジ７
（第２図中１点鎖線で示す）が挿入されるカートリッジ
挿入部８を有する。両側面4b,4cにはプレス（バーリン
グ加工）により中空状の突出部9a〜9dが突出形成されて
いる。

尚、ディスクカートリッジ７は先端側の右側コーナ部
にのみ斜辺7aを有し、他のコーナ部はすべて角部7bとな
っている。

ホルダ４の天板4aの両側略中央には一対の切り起し部
10,11が設けられている。この切り起し部10,11はプレス
等により容易に形成され、両側面4b,4cと連続する支持
部10a,11aが上方に延出し、且つこの支持部10a,11aの前
後がコ字状（上方から見て）となるように外側へ折曲さ
れた嵌合部10b,10c,11b,11cを有する。

フレーム２はホルダ４の両側面4b,4c及びスライド部
材３の両側面3a,3bに対向するように起立する壁部2a,2b
を有する。この壁部2a,2bの略中間位置には上記ホルダ
４の切り起し部10,11が嵌合するガイド溝13（第１図に
示す）が設けられている。従って、ホルダ４は切り起し
部10,11の嵌合部10b,10c,11b,11cが上記ガイド溝13に嵌
合しているため、A,B方向への移動が規制され且つ上下
方向への移動のみが許容される。又、ホルダ４の突出部
9a〜9dはスライド部材13の両側面3a,3bに設けられた傾
斜溝14に嵌合する。

また、ホルダ４の天板4aには本考案の要部を構成する
カートリッジ誤挿入防止機構15が設けられている。この
カートリッジ誤挿入防止機構15はカートリッジ挿入時に
はディスクカートリッジ７が誤った向きで挿入されるこ
とを防止し、イジェクト操作時にはディスクカートリッ
ジ７のイジェクト動作を抑制するように構成され、押圧
パット（移動部材）16と、トーションバネ17とよりな
る。

第５図乃至第７図に示すように、押圧パット16はホル
ダ４のカートリッジ挿入部８内へ進退自在に設けられて
おり、ホルダ４の天板4aには押圧パット16がディスクカ
ートリッジ７を押圧できるように開口部18が穿設されて
いる、又、ホルダ４の天板4aには屈曲されたバネ掛止部
19と、トーションバネ17を押圧パット16の側方で支持す
る支持部20とが切り起されている。

押圧パット16は合成樹脂により一体成形されている。
第６図及び第７図に示す如く、押圧パット16はベース16
aの下面に突出した当接部16bを有する。この当接部16b
は開口部18に挿入され、カートリッジ挿入時にはディス
クカートリッジ７の先端側の右側コーナ部に設けられた
斜辺7a（第５図に示す）に当接し、イジェクト時にはデ
ィスクカートリッジ７の上面に当接するように取付けら
れる。

第７図に示すように当接部16bはベース16aの下面より
鉛直方向に突出しており、第６図に示すようにカートリ
ッジ挿入方向から見ると適度に傾斜した斜面16b₁を有す
る台形状とされている。尚、この斜面16b₁はカートリッ
ジ挿入方向（Ｂ方向）に対して直交するＸ方向に傾斜す
るように設けられている。

又、ベース16aの下面には開口部18の前縁に当接する
突出部16fが設けられている。又、ベース16aの上面には
バネ掛止溝16cを有する突部16dが突出しており、ベース
16aの縁部近傍にはホルダ４のバネ掛止部19が嵌入する
四角形状の孔16eが穿設されている。

従って、押圧パット16は孔16eにホルダ４の天板4aよ
り突出するバネ掛止部19を嵌合させてホルダ４に固定さ
れる。トーションバネ17はコイル部がホルダ４の支持部
20に巻装されるように組付けられ、一端17aがバネ掛止
部19に掛止され、他端17bが押圧パット16のバネ掛止溝1
6cに嵌入係合する。そのため、押圧パット16はトーショ
ンバネ17の一端17aによりバネ掛止部19から離脱不可状
態に係止され、且つ他端17bにより下方（ディスクカー
トリッジ７方向）に押圧される。

又、押圧パット16はトーションバネ17の他端17bによ
りＡ方向に附勢されており、ベース16aより下方に突出
する突出部16fが開口18の後方縁部に当接する。そし
て、押圧パット16の当接部16bは開口18の前方縁部より
距離ｆ（第７図に示す）だけ離間している。そのため、
後述するカートリッジ挿入時には押圧パット16の回動に
より当接部16bが開口18から上方へ離脱する。

上記構成になる磁気ディスク装置１において、ディス
クカートリッジ７の挿入及びイジェクト動作につき説明
する。ディスクカートリッジ７が正しい向き（斜辺7aが
先端側の右側コーナ部に位置する向き）でホルダ４のカ
ートリッジ挿入部８内に挿入されると、第５図に示す如
く斜辺7aが押圧パット16の当接部16bに対向する。その
まま、ディスクカートリッジ７がＢ方向に挿入される
と、斜辺7aは当接部16bの斜面16b₁に当接する。従っ
て、ディスクカートリッジ７の挿入動作とともに当接部
16bの斜面16b₁が斜辺7aを摺接し、当接部16bは次第に上
方へ変位する。

そのため、押圧パット16は第８図に示す水平状態から
第９図に示すように回動する。即ち、押圧パット16は当
接部16bが斜辺7aにより上方へ押圧されることにより、
トーションバネ17の一端17aにより係止された前側の底
面角部16gを支点としてＣ方向に回動する。これによ
り、ディスクカートリッジ７の磁気ディスク装置への装
着が可能となる。

ところが、ディスクカートリッジ７の向きを間違えて
しまうと、ディスクカートリッジ７の角部7b（第５図中
破線で示す）が押圧パット16の当接部16bに対向する。
そのため、ディスクカートリッジ７の向きが間違えてい
ることに気付かずにディスクカートリッジ７をホルダ４
内に挿入してしまうと、第８図に示すように角部7bの先
端が当接部16の前面に鉛直方向から当接する。よって、
押圧パット16はＣ方向に回動せず、その結果ディスクカ
ートリッジ７の誤挿入が阻止される。

又、ディスクカートリッジ７が正しい向きでホルダ４
内に挿入されると、ラットレバー５の当接部5aがＢ方向
に押圧され、ラッチレバー５がコイルバネ21に抗して時
計方向に回動する。これにより、ラッチレバー５による
スライド部材３の係止が解除され、スライド部材３はコ
イルバネ22の引張力によりＡ方向に摺動する。同時にス
ライド部材３の傾斜溝14に嵌合する突出部9a〜9dが傾斜
溝14の移動とともに下方に押圧される。

ホルダ４は切り起し部10,11がフレーム３のガイド溝1
3に嵌合して上、下方向への移動のみガイドされている
ので、上記スライド部材３のＡ方向への摺動動作ととも
に下動してディスクカートリッジ装着位置に至る。尚、
ディスクカートリッジ７がホルダ４内のカートリッジ挿
入部８に挿入される過程で、上記イジェクト抑制機構15
の押圧パット16の当接部16bがディスクカートリッジ７
の上面に摺接する。しかしながら、押圧パット16が表面
の滑らかな合成樹脂製であり、且つ当接部16dがＣ方向
に対して傾斜しているので、ディスクカートリッジ７の
挿入操作は軽い操作力で行なえる。

次に、イジェクト動作について説明する。尚、イジェ
クト時になるとディスクカートリッジ誤挿入防止機構15
はディスクカートリッジ７の上面を押圧パット16が押圧
することにより、ディスクカートリッジ７の飛び出しを
防止するイジェクト抑制機構としても機能する。

スライド部材３の前端にはイジェクト釦23が設けられ
ており、このイジェクト釦23をＢ方向に押圧操作する
と、ラッチレバー５のバネ21の引張力により、係止部5b
がスライド部材３のA,B方向の溝3cから横方向の溝3dへ
移りラッチレバー５が反時計方向に回動する。これによ
りラッチレバー５の当接部5aはディスクカートリッジ７
をＡ方向に押圧してイジェクトする。そのとき、第９図
に示す如く押圧パット16の当接部16bがトーションバネ1
7の押圧力によりディスクカートリッジ７の上面を押圧
しているので、ディスクカートリッジ７は当接部16bと
の摩擦力により制動されてイジェクト動作が抑制され
る。そして、ディスクカートリッジ７はホルダ４から飛
び出すことが防止される。

尚、押圧パット16はトーションバネ17の一端17aに係
止され、且つ他端17bにより下方に押圧されているた
め、底面角部16gが支点となってＤ方向に回動附勢され
る。よって、ディスクカートリッジ７に対する当接部16
bの押圧力はディスクカートリッジ７を効果的に制動す
るように作用しうる。

上記のように、押圧パッド16はトーションバネ17の押
圧力で附勢されているので、板バネ等と比べて安定した
制動力をディスクカートリッジ７に作用させることがで
きる。又、押圧パット16が合成樹脂製であり表面が比較
的軟らかいため、ディスクカートリッジ７は繰り返しイ
ジェクト動作が行われても削られたりして損傷すること
がない。又トーションバネ17のバネ掛止部19がバネの掛
止と押圧パット16のホルダ４への固定の２つの役目を有
している。

又、上記実施例では押圧パット16を合成樹脂製とした
が、これに限らず、表面が軟らかい材質であれば他の材
質を用いても良いのは勿論である。又、押圧パット16の
当接部16bのみを合成樹脂製、あるいはフェルト、硬質
ゴム等により形成するようにしても良い。

考案の効果上述の如く、本考案になるカートリッジ誤挿入防止機
構は、カートリッジが間違った向きで挿入されたとき当
接部にカートリッジのコーナ部が当接して、誤挿入を防
止でき、さらに移動部材がホルダ天板の開口に設けら
れ、当接部がカートリッジの上面に摺接するようにした
ため、カートリッジの挿入が繰り返し行なわれてもカー
トリッジが損傷することを防止できる。しかもホルダ内
に挿入されたカートリッジの上面を安定した荷重で押圧
することができるので、カートリッジの挿入感を良好に
保つことができるとともに、イジェクト時にはカートリ
ッジの上面に安定した制動力を作用させてカートリッジ
の飛び出しを防止でき、イジェクト抑制機構として機能
しうる。又、カートリッジがホルダ内に傾いて挿入され
ても、当接部がカートリッジの上面に当接するため、当
接部がカートリッジに食い込んでしまうことが防止され
る等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるカートリッジ誤挿入防止機構の一
実施例が適用された磁気ディスク装置の斜視図、第２図
乃至第４図はホルダ及びカートリッジ誤挿入防止機構を
説明するための正面図、平面図、側断面図、第５図はカ
ートリッジ誤挿入防止機構を拡大して示す平面図、第６
図は第５図中VI−VI線に沿う正面縦断面図、第７図は第
５図中VII−VII線に沿う側面縦断面図、第８図はカート
リッジが押圧パットの当接部に当接した状態を示す側断
面図、第９図はカートリッジの挿入により押圧パットが
上方に回動する状態を示す側断面図である。１…磁気ディスク装置、４…ホルダ、７…ディスクカー
トリッジ、7a…斜辺、7b…角部、８…カートリッジ挿入
部、15…カートリッジ誤挿入防止機構、16…押圧パッ
ト、16b…当接部、16b₁…斜面、17…トーションバネ、1
8…開口部、19…バネ掛止部、20…支持部。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一のコーナ部に斜辺を有するカートリッジ
が所定の向き以外の向きでホルダ内に挿入されることを
防止するカートリッジ誤挿入防止機構において、前記ホルダの天板に穿設された開口部と、前記ホルダ上面に下方への移動を規制され回動自在に設
けられた移動部材と、前記開口部よりホルダ内に突出するように該移動部材に
設けられ、前記ホルダ内に前記カートリッジが挿入され
たとき、前記斜辺に当接し前記カートリッジの挿入とと
もに前記ホルダの天板側に変位し、前記斜辺以外のコー
ナ部に当接するとき変位不可となるよう形成された当接
部と、前記ホルダ上面に設けられたトーションバネと、前記ホルダ上面に設けられ該トーションバネを掛止する
とともに前記移動部材に穿設された孔に嵌入されるバネ
掛止部とを備えてなり、該トーションバネは、一端により前記移動部材を該当接
部がホルダ内に突出するように付勢し、他端により前記
移動部材が該バネ掛止部から離脱不可状態に係止されて
なるカートリッジ誤挿入防止機構。