JP2523808Y2 - 偏心転がり軸受 - Google Patents

偏心転がり軸受

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JP2523808Y2
JP2523808Y2 JP2834891U JP2834891U JP2523808Y2 JP 2523808 Y2 JP2523808 Y2 JP 2523808Y2 JP 2834891 U JP2834891 U JP 2834891U JP 2834891 U JP2834891 U JP 2834891U JP 2523808 Y2 JP2523808 Y2 JP 2523808Y2
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eccentric
ring
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広司郎 藤本
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NTN Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、回転軸に対して偏心
状態に取付けられる偏心転がり軸受に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】偏心転がり軸受は、例えば自動車用ブレ
ーキ装置の油圧発生源となるラジアルプランジャポンプ
において、モータの回転をプランジャの往復運動に変換
するカム機構等に使用される。
【0003】従来、この種の偏心転がり軸受として、内
外輪を有する転がり軸受の内輪の内径孔を偏心させたも
のがある。プランジャポンプに使用する場合は、モータ
の回転軸を前記の偏心した内径孔に圧入すると共に、軸
受の外輪外径面にプランジャを当接させる。これによ
り、モータの回転で内輪が偏心回転し、プランジャの往
復運動に変換される。
【0004】しかし、この構成の偏心転がり軸受では、
内輪の内径孔を外径面の中心に対して所要の偏心量だけ
ずれた位置に正確に形成しなければならず、またこのよ
うに偏心した内径孔の内面をハメアイ公差内に研削加工
する必要がある。そのため加工に手間がかかり、製造コ
ストが高くなる。
【0005】このため現状では、偏心転がり軸受を用い
る代わりに、回転軸に偏心軸部を一体形成したモータを
用い、偏心軸部に標準型の転がり軸受を取付たものが多
く使用されている。しかし、このような偏心軸部を有す
る回転軸の加工は困難であり、やはり高価なモータが必
要になる。
【0006】このような背景から、図4に示すように標
準品の転がり軸受からなる軸受本体41の内輪42に、
偏心リング43を圧入固定したものが提案されている。
偏心リング43は、距離eだけ偏心した貫通孔44を形
成したものであり、焼結金属の成形品等からなる。軸受
本体41は、内輪42と外輪45間にボール等の転動体
46を介在させたものである。この構成よると、内径孔
42aが円形の標準の転がり軸受が利用でき、大幅なコ
スト低下が図れる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】図4の構成の偏心転が
り軸受は、内輪42と偏心リング43とを二重に設ける
ため、偏心リング43の偏心側部分43bの肉厚が薄く
なる。そのため強度不足になり易く、特に偏心リング4
3の材料のクリープが生じ易い。このため、偏心リング
43に圧入される回転軸や内輪42とのハメアイ面に固
定不良が生じることがある。偏心リング43を焼結金属
の成形品とした場合は、偏心リング43に機械加工を施
す必要がなくて、製造が容易であるが、前記の偏心側部
分43bの強度不足の問題が大きい。
【0008】また、この種の偏心転がり軸受は、偏心リ
ング43を用いたものと、内輪に直接に偏心孔を形成し
たものとにかかわらず、貫通孔44が偏心しているた
め、円周方向の重量バランスが悪く、そのため回転によ
り振動が生じ易いという問題点がある。
【0009】この考案の目的は、製造が容易で、かつ偏
心リングの薄肉部の強化が図れ、さらに回転バランスの
良い偏心転がり軸受を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この考案は、外周面に対
して偏心した貫通孔を有する偏心リングを、内輪の内径
孔に嵌合固定した偏心転がり軸受において、前記偏心リ
ングの貫通孔偏心側の部分に、軸方向の突出部を設けた
ものである。
【0011】
【作用】この構成によると、貫通孔の偏心によって半径
方向に薄肉となった偏心リングの薄肉部分が、突出部の
形成により軸方向に厚肉となり、補強される。また、突
出部がカウンタウエイトとして作用し、偏心リングの円
周方向の重量バランスが良くなる。
【0012】
【実施例】この考案の一実施例を図1ないし図3に基づ
いて説明する。この偏心転がり軸受は、標準品の玉軸受
からなる軸受本体1の内輪2に、偏心リング3を圧入固
定した形式のものである。軸受本体1は、内輪2と外輪
4との間にボールからなる転動体5を介在させると共
に、転動体5の保持器6を設けて構成してある。
【0013】偏心リング3は、焼結金属により内輪2と
ほぼ同じ厚みで一体成形されたドーナツ状の部材であ
り、その外周面3aは、内輪2の内径孔2aよりも圧入
代分だけ大きく形成される。偏心リング3の内部には、
その外周面3aの中心に対して距離eだけ偏心した貫通
孔7が設けてあり、貫通孔7の内径は、この孔に圧入す
る回転軸の外径よりも圧入代分だけ小さく形成される。
貫通孔7は、円形の内周面の一部に回り止め用のフラッ
ト面7aを形成した略D形の孔であり、このフラット面
7aは、図示のように最大偏心量を示す直径線Lと直角
に形成される。
【0014】偏心リング3の貫通孔偏心側の部分3bに
は、軸方向の突出部8が外周に沿ってフランジ状に一体
形成してある。突出部8は、前記直径線Lを中心として
左右対称に形成され、円周方向の端部に近づくに従って
半径方向の肉厚が薄くなるように形成されている。突出
部8は、図2に示すように偏心リング3の両面に形成し
てある。なお、偏心リング3に用いる焼結金属として
は、機械部品用の鉄(Fe)系の材質が好ましく、また
焼結後に浸炭処理を施すことが望ましい。
【0015】図3はこの偏心転がり軸受を使用したプラ
ンジャポンプ用モータの一例である。このモータ9は、
ケーシング10と、そのケーシング10の内部において
軸受11,11により回転自在に支持されるロータ12
と、ケーシング10の内面に設けられたステータ13と
でなり、直流モータに構成されている。
【0016】ロータ12の回転軸14の一端は、ケーシ
ング10の外部に突出しており、その突出した軸端部1
4aに、実施例の偏心転がり軸受における偏心リング3
が圧入固定されている。軸端部14aは、偏心リング3
の貫通孔7のフラット面7a(図1)と嵌合するよう
に、略D形に切り欠いた断面形状に形成してある。軸端
部14aには、偏心リング3の抜け止め用の止め輪15
が装着してある。
【0017】16は、油圧プランジャポンプの固定シリ
ンダに設けたプランジャであり、この偏心転がり軸受の
外輪4の外径面に接触させてある。上記構成のモータ9
においては、回転軸14の回転が偏心リング3の貫通孔
7の偏心によって、内輪2の偏心回転に変換され、外輪
4の外径面に接触させたプランジャ16に往復運動を与
えて、プランジャポンプに油圧を発生させる。
【0018】この構成の偏心転がり軸受によると、内輪
2に偏心リング3を嵌合固定するので、内輪2の内径孔
2aは円孔で良く、軸受本体1に標準の軸受を使用する
ことができる。そのため、内輪に高精度の偏心孔を加工
するものに比べて、製造が簡単でコスト低下が実現でき
る。
【0019】また、偏心リング3に突出部8を設けたの
で、貫通孔7の偏心によって半径方向に薄肉となった薄
肉部分3bが突出部8で補強される。そのため、偏心リ
ング3が焼結金属で形成されていても充分な強度が得ら
れ、材料クリープによる内輪2や回転軸14に対するハ
メアイ面の固定不良が防止される。しかも、突出部8が
カウンタウエイトとして作用するため、偏心リング3の
円周方向の重量バランスが改善され、回転に伴う振動が
低減する。
【0020】突出部8は偏心リング3の外周に沿うフラ
ンジ状に形成してあるが、そのため突出部8が回転軸1
4の軸受位置決め用の段面14bや止め輪15に対して
干渉することを回避しながら、突出部8を十分に大きく
形成し、良好な補強効果および重量バランス改善効果を
得ることができる。また、この実施例では偏心リング3
の貫通孔7にフラット面7aを形成しているが、そのた
め薄肉部分3bが半径方向にも厚肉化される。このた
め、より一層強度が向上し、かつ重量バランスが良くな
る。
【0021】さらに、偏心リング3は焼結金属の成形品
からなるものとしたが、現在、焼結成形により得られる
寸法精度は軸と孔間のハメアイ公差よりも小さいものが
実現されている。そのため、偏心リング3は焼結後に機
械加工を行うことなく使用でき、このことからも製造が
簡単になる。また、焼結金属はそれ自体に振動を吸収す
る特性があるため、偏心リング3の介在により、回転軸
14の振動が減衰され、振動や騒音が低減できる。
【0022】また、偏心リング3の焼結金属に機械部品
用の鉄系の材料を用い、かつ浸炭処理を施した場合は、
偏心リング3の強度がより一層強化される。
【0023】なお、前記実施例では突出部8をフランジ
状に形成したが、突出部8は偏心リング3の偏心側部分
3bの広範囲に渡って低く突出したものであっても良
く、また周方向の複数個所に分割して形成したものであ
っても良い。また、貫通孔7のフラット面7aは必ずし
も設けなくても良く、貫通孔7を円孔に形成しても良
い。偏心リング3の材質は焼結金属に限らず、金属の機
械加工品や、樹脂またはセラミックの成形品等であって
も良い。
【0024】さらに、前記実施例では軸受本体1の転動
体5をボールとしたが、コロまたはニードル状の転動体
を用いても良い。
【0025】
【考案の効果】この考案の偏心転がり軸受は、内輪に偏
心リングを嵌合固定したので、内輪の内径孔は円孔で良
く、標準の軸受が利用でき、したがって製造が簡単でコ
スト低下が実現できる。また、偏心リングには貫通孔偏
心側の部分に軸方向の突出部を設けたので、貫通孔の偏
心によって半径方向に薄肉となった薄肉部分が前記突出
部で補強され、材料クリープ等によるハメアイ面の固定
不良が防止される。しかも、突出部がカウンタウエイト
として作用し、そのため偏心リングの重量バランスが改
善され、回転に伴う振動が低減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の偏心転がり軸受の正面図
である。
【図2】その断面図である。
【図3】同実施例の軸受をプランジャポンプ用モータに
取付けた状態を示す断面図である。
【図4】従来例の正面図である。
【符号の説明】
1…軸受本体、2…内輪、2a…内径孔、3…偏心リン
グ、3b…部分、4…外輪、5…転動体、6…保持器、
7…貫通孔、8…突出部、9…モータ、14…回転軸、
16…プランジャ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に対して偏心した貫通孔を有する
    偏心リングを、内輪の内径孔に嵌合固定した偏心転がり
    軸受において、前記偏心リングの貫通孔偏心側の部分
    に、軸方向の突出部を設けたことを特徴とする偏心転が
    り軸受。
JP2834891U 1991-03-29 1991-03-29 偏心転がり軸受 Expired - Lifetime JP2523808Y2 (ja)

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