JP2523328B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2523328B2
JP2523328B2 JP62153027A JP15302787A JP2523328B2 JP 2523328 B2 JP2523328 B2 JP 2523328B2 JP 62153027 A JP62153027 A JP 62153027A JP 15302787 A JP15302787 A JP 15302787A JP 2523328 B2 JP2523328 B2 JP 2523328B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、レーザー光等の熱および光を用いて情報の
記録、再生を行う光磁気記録媒体等の光記録媒体に関す
る。
先行技術とその問題点 光記録媒体の一つとして、光磁気メモリ用の媒体があ
る。
光磁気メモリの記録媒体としては、 MnBi,MnAlGe,MnSb, MnCuBi,GdFe,TbFe, GdCo,PtCo,TbCo, TbFeCo,GdFeCo, TbFeO3,GdIG,GdTbFe, GdTbFeCoBi,CoFe2O4 等の材料が知られている。これらは、真空蒸着法やスパ
ッタリング法等の方法で、プラスチックやガラス等の透
明基板上に薄膜として形成される。これらの光磁気記録
媒体に共通している特性としては、 磁化容易軸が膜面に垂直方向にあり、 さらに、カー効果やファラデー効果が大きいという点
をあげることができる。
このような媒体に要求されることは、 第1に、キューリー点が100〜200℃程度で、補償点が
室温付近であること、 第2に、ノイズとなる結晶粒界
などの欠陥が比較的少ないこと、 第3に、比較的大面積にわたって磁気的、機械的に均
一な膜が得られることがあげられる。
このような要求に答え、上記材料のなかで、近年、希
土類−遷移金属の非晶質垂直磁性薄膜が大きな注目を集
めている。
しかし、このような希土類−遷移金属非晶質薄膜から
なる光磁気記録媒体において、磁性薄膜層は大気に接し
たまま保存されると、大気中の酸素や水により希土類が
選択的に腐食あるいは酸化されてしまい、情報の記録、
再生が不可能となる。
そこで一般には、前記磁性薄膜層の基板側ないし基板
反対側表面に保護層を設けた構成を有するものが多く研
究されている。
従来、このような防湿性等の耐食性付与のための保護
層としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化アル
ミ、窒化ケイ素、硫化亜鉛等の無機系の真空蒸着膜や樹
脂膜等を設ける試み(特開昭58−80142号等)が開示さ
れている。しかし、これらは、いずれも未だ耐食性ある
いは膜と基板との密着性の点で満足できるものではな
い。
また、一定の組成を有する無機ガラスを保護層に用い
た場合においても、媒体の耐久性、特に水分透過の防
止、接着性の向上等の改善がみられる旨の開示がなされ
ている(特開昭59−52443号公報、同第60−177449号公
報)。
また、特開昭60−145525号にはSi3N4とSiO2との混合
膜を保護層として用いる旨の提案がなされている。
しかしながら、光磁気記録媒体の耐久性および耐食性
に対する要求は厳しく、これらのものではその効果は十
分とはいえず、また記録の際の感度および再生の際のC/
N比の点でも満足のいくものではない。
なお、このような問題は、いわゆる相転移タイプの記
録層を有する光記録媒体でも同様である。
II 発明の目的 本発明の目的は、記録層の劣化が防止され、耐食性、
耐久性に優れ、記録、再生特性も良好な光記録媒体を提
供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によって達成され
る。
すなわち、基板上に記録層を有し、基板と記録層との
間および/または記録層の上に保護層を有する光記録媒
体において、 前記保護層がケイ素と、アルミニウムおよび/または
ホウ素と、アルカリ金属元素の1種以上と、酸素と、イ
ットリウムならびにランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジウム、サマリウムおよびユーロピウムから選
ばれたランタノイド元素の1種以上とを含有し、 前記保護層中のイットリウムおよびランタノイド元素
の1種以上の含有量がケイ素と、アルミニウムおよび/
またはホウ素と、アルカリ金属元素の1種以上との総計
に対し、3〜175at%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/または
ホウ素、ならびにアルカリ金属元素の1種以上をそれぞ
れの元素の酸化物の化学量論組成に換算したとき、これ
らの酸化物中の酸化ケイ素の含有量が30〜70wt%であ
り、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/または
ホウ素、ならびにアルカリ金属元素の1種以上をそれぞ
れの元素の酸化物の化学量論組成に換算したとき、これ
らの酸化物中のアルカリ金属の1種以上の酸化物の含有
量が、0.5〜10wt%であることを特徴とする光記録媒体
である。
また、第2の発明は、基板上に記録層を有し、基板と
記録層との間および/または記録層の上に保護層を有す
る光記録媒体において、 前記保護層がケイ素と、アルミニウムおよび/または
ホウ素と、アルカリ金属元素の1種以上と、アルカリ土
類金属元素の1種以上と、酸素と、イットリウムならび
にランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマ
リウムおよびユーロピウムから選ばれたランタノイド元
素の1種以上とを含有し、 前記保護層中のイットリウムおよびランタノイド元素
の1種以上の含有量が、ケイ素と、アルミニウムおよび
/またはホウ素と、アルカリ金属元素の1種以上と、ア
ルカリ土類金属元素の1種以上との総計に対し、3〜17
5at%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/または
ホウ素、アルカリ土類金属の1種以上、ならびにアルカ
リ土類金属元素の1種以上をそれぞれの元素の酸化物の
化学量論組成に換算したとき、これらの酸化物中の酸化
ケイ素の含有量が30〜70wt%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/または
ホウ素、アルカリ金属元素の1種以上ならびにアルカリ
土類金属元素の1種以上を、それぞれの元素の酸化物の
化学量論組成に換算したとき、これらの酸化物中のアル
カリ金属の1種以上の酸化物の含有量が0.5〜10wt%、
またアルカリ土類金属元素の1種以上の酸化物の含有量
が50wt%以下であることを特徴とする光記録媒体であ
る。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の光記録媒体のうち、光磁気記録媒体の一実施
例が第1図に示される。
第1図において、本発明の光磁気記録媒体1は、基板
2上に保護層31を有し、その上に記録層としての磁性薄
膜層4を有し、その上に基板裏面側保護層35が設けられ
る。
このような本発明の保護層31は、ケイ素と、アルミニ
ウムおよび/またはホウ素と、アルカリ金属元素(M1
の1種以上と、酸素と、イットリウムおよび所定のラン
タノイド元素の1種以上とを含有する。また、本発明の
第2の発明のおいては、保護層31はさらにアルカリ土類
金属元素(M2)の1種以上を含有する。
このような各元素を含有させることによって、きわめ
て良好な耐久性と耐食性とが発揮され、記録、再生特性
も優れたものとなる。
この場合、これら各必須元素の1つでも欠けたときに
は、本発明の効果は実現しない。
このような場合、ケイ素、アルミニウムおよび/また
はホウ素、アルカリ金属(M1)の1種以上、およびアル
カリ土類金属(M2)の1種以上は、通常酸化物の形で含
有され、ガラス質を形成する。
ガラス質としてのこれらケイ素、アルミニウムおよび
/またはホウ素、アルカリ金属(M1)の1種以上、ある
いはこれにアルカリ土類金属(M2)の1種以上を加えた
ものとをそれぞれの元素の酸化物の化学量論組成に換算
したとき、これらの酸化物中の酸化ケイ素の含有量は、
30〜70wt%である。
これは30wt%未満であると耐食性の点で不利になり、
70wt%をこえると安定性の点で不利となるからである。
また化学量論組成酸化物に換算したとき上記酸化物中
の、アルカリ金属(MU1の1種以上)の酸化物の含有量
は、0.5〜10wt%である。これは0.5wt%未満になると、
耐食性、ターゲットコストの面で不利になり、10wt%を
こえると、安定性の面で不利になるからである。
本発明に用いるアルカリ金属(M1)として、Li、Na、
K、Rb、Cs、Fr等が挙げられるが、中でも特にLi、Na、
Kの1〜3種を用いるのが好ましい。これら2種以上の
(M1)を用いる場合、それぞれの量比は任意である。
また、アルカリ土類金属元素(M2)としては、Ba,Ca,
Mg,Srの1種以上が挙げられ、なかでも特にBa,Ca,Srの
1〜3種を用いるのが好ましい。これら2種以上のM2
用いる場合、それぞれの量比は任意である。
また、化学量論組成に換算した酸化物中のM2の酸化物
は、50wt%以下の含有量とすることによって、耐食性が
向上する。この場合、添加量は10〜35wt%であることが
好ましい。
さらに、保護層には、上記のとおりアルミニウム、ホ
ウ素が含有される。上記ガラス質組成の残部が、アルミ
ニウムおよび/またはホウ素の酸化物から形成されるこ
とによって耐食性はさらに向上する。
BとAlとを含有させる場合、互いの量比は任意であ
る。
なお、ケイ素、アルカリ金属の1種以上(M1)、アル
カリ土類金属元素(M2)、アルミニウムおよび/または
ホウ素の酸化物の化学量論組成は、それぞれSiO2、M
1 2O、M2O、Al2O3およびB2O3である。
上記ガラス質中において、上記の各元素は、以下のよ
うに含有される。
まずSiは、通常Siの酸化物(通常、SiO2)として含有
される。また、アルカリ金属(M1)も通常酸化物(通常
Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、Fr2OなどのM1 2O)とし
て含有される。また、アルカリ土類金属(M2)も通常酸
化物(通常、BaO、CaO、MgO、SrOなどのM2O)として含
有される。
さらに、Alおよび/またはBも通常酸化物(通常、Al
2O3,B2O3)として含有される。すなわち、化学量論組
成で示すならば、SiO2とM1OとM2Oに加え、Al2O3、B2O3
の1種以上が含有されてガラス質が形成されるものであ
る。
これらの酸化物は、その保護層組成において上記の化
学量論的な組成比をはずれていてもよい。
また、本発明の保護層は、上記ガラス質にイットリウ
ムおよびランタノイド元素のうちの1種以上が含有され
ている。この場合、イットリウムおよびランタノイドと
は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム
(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリ
ウム(Sm)およびユーロピウム(Eu)かなる郡から選ば
れた元素の1種以上である。このとき、記録感度、C/N
比等の記録、再生特性のみならず、耐久性、耐食性等の
面でもより良好な結果が得られるからである。
これらイットリウムおよびランタノイド元素の1種以
上、(以下これらをRとする)は保護層中にて上記ガラ
ス質と混合されるものであるが、元素単体あるいは化合
物いずれかの形で含有されてもよい。化合物として含有
される場合は、通常酸化物の形で含有されことが好まし
い。
このような場合、記録、再生特性とともに耐食性や耐
久性を向上させるためには、上記Rは、元素単体、ある
いは部分酸化物の形で含有されるのが好ましい。これ
は、これらの各元素が保護膜中で酸素トラップの役割を
し、耐食性、耐久性の向上に寄与するからである。
また、これらイットリウムおよびランタノイド元素の
1種以上の含有量はケイ素、アルミニウムおよび/また
はホウ素、アルカリ金属の1種以上、およびそれにアル
カリ土類金属の1種以上を加えたものの総計に対し3〜
175at%、より好ましくは3〜149at%である。これは、
3at%未満であると本発明の効果が無く、175at%をこえ
るとC/N特性が低下するからである。
なお、上記のイットリウムおよびランタノイド元素
は、一般に各元素の化学量論組成酸化物(一般にY2O3
La2O3等のR2O3、ただし、CeはCeO2)に対し、酸素量が9
0%以下の単体または酸化物として含有されることが好
ましい。
このような保護層は、通常非晶質状態にある。
なお、このような保護層中のSi、Al、B、アルカリ金
属M1、アルカリ土類金属M2、Yおよびランタノイド元素
R、そしてその他の元素の分析は、オージェ、SIMS、ES
CA、LAMMA等によって行えばよい。
また、このような保護層は、各種気相成膜法、例え
ば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、プ
ラズマCVD、光CVD等により設層される。特にスパッタ法
を用いることが好ましく、この場合設層されるべき組成
の対応するターゲットを用いるスパッタ法、2種以上の
異なる組成からなるターゲットを用いた多元スパッタ
法、あるいは酸素を用いる反応性スパッタ法等によって
形成される。そして特に、上記のガラス質とイットリウ
ムおよびランタノイド元素およびアクチノイド元素の1
種以上をターゲットとして用いる2元スパッタ法を用い
ることが好ましい。
そして、このような保護層の厚さは、300〜3000Å、
特に500〜2000Åとすることが好ましい。
この値が300Å未満であると、耐候性が悪く、また300
0Åをこえると、感度が低下する。
また、保護層中の不純物として、成膜雰囲気中に存在
するAr、N2等が入ってもよい。
その他、Fe2O3、CuO、Cr2O3、MnOx、CoO、NiO、As2O3
等が全体の1.0wt%程度以下含有されてもよい。
本発明において記録層として用いる磁性薄膜層4は、
変調された熱ビームあるいは変調された磁界により、情
報が磁気的に記録されるものであり、記録情報は磁気−
光変換して再生するものである。
このような磁性薄膜層4の材質としては、Gd、Tb等の
希土類金属と好ましくはFe、Co等の遷移金属の合金をス
パッタ、蒸着法等により、非晶質膜として形成したもの
である。
この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85at%であるこ
とが好ましい。
そして、残部は実質的に希土類金属、特にGdおよび/
またはTbである。
そして、その好適例としては、TbFeCo、GdFeCo、GdTb
FeCo等がある。
なお、これら磁性薄膜層中には10at%以下の範囲でC
r、Al、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au
等が含有されてもよい。
また、希土類元素として10at%以下の範囲でSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。
このような磁性薄膜層の厚さは、通常、100〜10000Å
程度である。
この他記録層の材質としては、いわゆる相転移タイプ
のものとして、例えば、 Te−Se、Te−Se−Sn、Te−Ge、Te−Tn、Te−Sn、Te−
Ge−Sb−S、Te−Ge−As−Si、Te−Si、Te−Ge−Si−S
b、Te−Ge−Bi、Te−Ge−In−Ga、Te−Si−Bi−Tl、Te
−Ge−Bi−In−S、Te−As−Ge−Sb、Te−Ge−Se−S、
Te−Ge−Se、Te−As−Ge−Ga、Te−Ge−S−In、Se−Ge
−Tl、Se−Te−As、Se−Ge−Tl−Sb、Se−Ge−Bi、Se−
S(以上、特公昭54−41902号、特許第1004835号など) TeOx(特開昭58−54338号、特許第974257号記載のTe
酸化物中に分散されたTe)、 TeOx+PbOx(特許第974258号)、 TeOx+VOx(特許第974257号)、その他、Te−Tl、Te
−Tl−Si、Se−Zn−Sb,Te−Se−Ga、TeNx等のTe、Seを
主体とするカルコゲン系 Ge−Sn、Si−Sn等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn,Ag−Al−Cu,Cu−Al等の結晶構造変化によって
色変化を生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生じ
る合金などがある。
このような記録層は、蒸着法、スパッタ法、イオンプ
レーティング法等のドライコーティング方式等を用いて
設層すればよい。そしてその設層厚さは20nm〜1μm程
度とされる。
基板2は、ガラスないし樹脂製であり、好ましい樹脂
材質としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
エポキシ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などがあげられ
る。
これらの樹脂のうち、耐久性、特にソリなどに対する
耐性等の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。
この場合のポリカーボネート樹脂としては、脂肪族ポ
リカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネート、芳
香族ポリカーボネートのいずれであってもよいが、特に
芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。こ
れらのうちでは融点、結晶性、とり扱い等の点でビスフ
ェノールからのポリカーボネート樹脂が好ましい。中で
もビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂は最
も好ましい用いられる。
また、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、10,0
00〜15,000程度であることが好ましい。
このような基板2の830nmの屈折率は通常1.55〜1.59
程度である。
なお、記録は基板2をとおして行うので、書き込みな
いし読み出し光に対する透過率は86%以上とする。
このようなディスク状基板の磁性薄膜層形成面には、
トラッキング用の溝が形成されてもよい。
溝の深さは、λ/8n程度、特にλ/6n〜λ/12n(ここ
に、nは基板の屈折率である)とされる。また、溝の巾
は、0.4〜2.0μm程度とされる。
また、アドレス用のピットが形成されていてもよい。
そして、通常、この溝の凹部に位置する磁性薄膜層を
記録トラック部として、書き込み光および読み出し光を
基板裏面側から照射することが好ましい。
このように構成することにより、書き込み感度と読み
出しのC/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号
は大きくなる。
また、その他の基板の形状として、テープ、ドラム等
としてもよい。
本発明において磁性薄膜層4の上に基板裏面側保護層
35を設けてもよい。
このような基板裏面側保護層35の材質としては、ガラ
ス質のものであれば特に制限はなく、保護層31と同様な
材質を用いてもよい。
この場合、好ましい保護層材質としては、特願昭61−
300859号、同61−302275号、同61−303224号、同61−30
7300号、同61−313614号、同61−313615号、同61−3149
49号、同61−314948号、同61−313720号等が開示されて
いる。このとき、耐久性、耐食性より優れたものとな
る。
また、この基板裏面側保護層35は、前記の保護層31と
同材質にすることもできる。なお、場合によっては必要
に応じ、保護層31を前記と異なる組成とし、基板裏面側
保護層35のみを前記のSiとM1とM2とAlおよび/またはB
と、RとOとを含有する組成としてもよい。
また、このような基板裏面側35の形成方法は、保護層
31の方法に準じて行えばよく、その膜厚は300〜3000Å
とすることが好ましい。
また、通常、基板裏面側保護層35の上には、有機保護
コート層5が設けられる。
有機保護コート層5の材質としては、通常、公知の種
々の有機系の物質を用いればよい。
より好ましくは、放射線硬化型化合物を電子線、紫外
線等の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。
用いる放射線硬化型化合物としては、イオン化エネル
ギーに感応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有すアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエス
テル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフタ
レートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレイ
ン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による架
橋あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入し
たモノマー、オリゴマーおよびポリマー等を挙げること
ができる。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート)、多官能オリゴエステル
アクリレート(アロニックスM−7100、M−5400、M−
5500、M−5700、M−6250、M−6500、M−8030、M−
8060、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオシキド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トン−アクリル基のついた化合物、 1)(CH2=CHCOOH2)3−CCH2OH (特殊アクリレートA) 2)(CH2=CHCOOH2)3−CCH2OH3 (特殊アクリレートB) 3)〔CH2=CHOC(OC3H6)n−OCH23−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
8)CH2=CHCOO−(CH2CH2O)4−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) 12)AM−N−nM−A A:アクリル酸、M:2価アルコール N:2塩基酸、(特殊アクリレートL) また、放射線硬化型オリゴマーとしては、下記一般式
で示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタ
ンエラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのも
のにCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによっ
て得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジ
カル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の放射線照射による架橋あるいは重合する基
を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂で
ある。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の有機保護コート層5
の膜厚は0.1〜30μm、より好ましくは、1〜10μmで
ある。
この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成で
きず、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が十分でなく、
磁性薄膜層4の耐久性が向上しない。また、30μmをこ
えると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の
反りや保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えない。
このような塗膜は、通常、スピンコート、グラビア塗
布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知の方
法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の設層
条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜厚さ
等を考慮して適宜決定すればよい。
このような塗膜を硬化させて保護層とするには、電子
線、紫外線等の放射線を塗膜に照射すればよい。
電子線を用いる場合、放射線特性としては、加速電圧
100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。
一方、紫外線を用いる場合には、前述したような放射
線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えら
れる。
この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシベ
ンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アントラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。
そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。
たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。
このような有機保護コート層5の上には、通常接着剤
層6を介して保護板7が設けられる。
すなわち、前記の基板2の裏面(磁性薄膜層4を設け
ていない側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆ
る片面記録の場合には、この保護板7を用いる。
このような保護板7の樹脂材質は特別に透明性等を要
求されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂等が使用可
能である。
なお、ガラス、セラミック等の各種無機材質を保護板
7として用いてもよい。
このものの形状、寸法等は上記の基板2のそれとほぼ
同様とされる。
このような保護板7は、前述したように接着剤層6を
介して接着される。接着剤層は、通常、ポットメルト樹
脂等の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度と
される。
他方、上記の保護板7を用いる代りに、上記の磁性薄
膜層4、保護層31、基板裏面側保護層35、有機保護コー
ト層5等を有する基板をさらに1セット用いて、両磁性
薄膜層を内側にして対向させて、接着剤層6を用いて張
り合せて、両基板の裏面側から書き込みを行なう、いわ
ゆる両面記録タイプとしてもよい。さらに、これらの基
板2や保護板7の裏面(磁性薄膜層4を設けていない側
の面)には各種保護膜としてコーティングを行うことが
好ましい。
コーティングの材質としては、前述した有機保護コー
ト層5の材質と同様なものとしてもよい。
V 発明の効果 本発明の光記録媒体は、記録感度およびC/N比等の記
録、再生特性がきわめて良好である。そして耐久性、耐
食性もきわめて良好である。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。
[実施例1] 直径13cm、厚さ1.2mmのビスフェノールA系の光ディ
スクグレードポリカーボネート樹脂の基板2上に、下記
表1に示される種々の組成のガラス質の保護層31を設層
した。なお、設層に際しては、所定のガラスと、イット
リウムおよびランタノイド元素のうちの1種以上とをタ
ーゲットとして用い、酸素を含む雰囲気下で反応性の多
元スパッタリングを行った。表1中のwt%は保護層の金
属元素をオージェ分光分析にて分析し、各元素を化学量
論組成酸化物に換算して、その含有量を求めた。各元素
の化学量論組成酸化物換算の含有量は、イットリウムお
よびランタノイド元素(R)以外の化学量論組成酸化物
中に占めるwt%として表1に示されている。また、表中
Mは、Si、アルカリ金属元素M1、Al、B、あるいはこれ
にアルカリ土類金属元素M2を加えたものの総計を表わ
し、表1には、膜中におけるMに対するイットリウムお
よびランタノイド元素の1種以上(R)のat%を併記す
る。なお膜厚は各サンプルにつき全て800Åとした。
このような保護膜の上に25at%Tb、63at%Fe、7at%C
o、5at%Ti合金薄膜を、スパッタリングによって厚さ80
0Åに設層し、磁性薄膜層4とした。
なお、ターゲットは、FeターゲットにTbe、Co、Toチ
ップをのせたものを用いた。
この磁性薄膜層4上に、さらに、表1に示されるNo.9
における保護層31の基板裏面側保護層35を800Åに設層
した。
この基板裏面側保護層35の上に、下記の放射線硬化型
化合物を含む塗布組成物を有機保護コート層5として、
スピンコートにより設層した。
(塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート 100重量部 光増感剤 5重量部 このような塗布組成物を設層後、紫外線を15sec照射
し架橋硬化させ、硬化膜とした。
このようにして、下記表1に示されるような種々のサ
ンプルを作製した。
これについて下記の特性を測定した。
(1)耐久性 ヒートサイクルテスト‥‥IEC−2−38 (−10℃〜60℃、90%RH) 上記加速試験にてバーストエラーが2倍となる時間を
測定した。この条件の場合主に膜のハクリ、クラック等
がバーストエラーの増加に寄与していた。
(2)耐食性 高温高湿(80℃、80%RH)保存テスト 上記加速試験にてハーストエラーが2倍となる時間を
測定した。この条件の場合主に孔食(ピンホール)の発
生がバーストエラーの増加に寄与していた。
(3)C/N比 下記の条件にてC/N比を測定した。
線速 4m/sec 搬送周波数 1.0MHz 分解能 30KHz ビデオバンド巾 100KHz 記録パワー(830nm) 3〜6mW 再生パワー(830nm) 1mW 結果を表1、2に示す。
なお、このような効果は、R=La、Ce、Pr、Nd、M1
Li、Rb、Cs、Fr、M2=Mg、Srでも同様に実現した。また
相転移型のTe−Ge、TeOx、Te−Se等の記録層でも同様に
実現した。
以上の結果より本発明の効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の1例を示す光磁気記録媒体の断面図
である。 符号の説明 1……光磁気記録媒体、2……基板、31……保護層、35
……基板裏面側保護層、4……磁性薄膜層、5……有機
保護コート層、6……接着剤層、7……保護板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 勝 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−100250(JP,A) 特開 昭56−130394(JP,A) 特開 昭63−317942(JP,A) 特開 昭63−316331(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に記録層を有し、基板と記録層との
    間および/または記録層の上に保護層を有する光記録媒
    体において、 前記保護層がケイ素と、アルミニウムおよび/またはホ
    ウ素と、アルカリ金属元素の1種以上と、酸素と、イッ
    トリウムならびにランタン、セリウム、プラセオジム、
    ネオジム、サマリウムおよびユーロピウムから選ばれた
    ランタノイド元素の1種以上とを含有し、 前記保護層中のイットリウムおよびランタノイド元素の
    1種以上の含有量がケイ素と、アルミニウムおよび/ま
    たはホウ素と、アルカリ金属元素の1種以上との総計に
    対し、3〜175at%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/またはホ
    ウ素、ならびにアルカリ金属元素の1種以上をそれぞれ
    の元素の酸化物の化学量論組成に換算したとき、これら
    の酸化物中の酸化ケイ素の含有量が30〜70wt%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/またはホ
    ウ素、ならびにアルカリ金属元素の1種以上をそれぞれ
    の元素の酸化物の化学量論組成に換算したとき、これら
    の酸化物中のアルカリ金属の1種以上の酸化物の含有量
    が、0.5〜10wt%であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】前記保護層の厚さが300〜3000Åである特
    許請求の範囲第1項に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】基板と記録層との間に保護層を有し、この
    保護層がケイ素と、アルミニウムおよび/またはホウ素
    と、アルカリ金属の1種以上と酸素と、イットリウムお
    よびランタノイド元素の1種以上とを含有する特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】基板と記録層との間、および記録層の上に
    保護層を有し、少なくとも基板と記録層との間の保護層
    が、ケイ素と、アルミニウムおよび/またはホウ素と、
    アルカリ金属の1種以上と、酸素と、イットリウムおよ
    びランタノイド元素の1種以上とを含有する特許請求の
    範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】基板上に記録層を有し、基板と記録層との
    間および/または記録層の上に保護層を有する光記録媒
    体において、 前記保護層がケイ素と、アルミニウムおよび/またはホ
    ウ素と、アルカリ金属元素の1種以上と、アルカリ土類
    金属元素の1種以上と、酸素と、イットリウムならびに
    ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリ
    ウムおよびユーロピウムから選ばれたランタノイド元素
    の1種以上とを含有し、 前記保護層中のイットリウムおよびランタノイド元素の
    1種以上の含有量が、ケイ素と、アルミニウムおよび/
    またはホウ素と、アルカリ金属元素の1種以上と、アル
    カリ土類金属元素の1種以上との総計に対し、3〜175a
    t%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/またはホ
    ウ素、アルカリ金属の1種以上、ならびにアルカリ土類
    金属元素の1種以上をそれぞれの元素の酸化物の化学量
    論組成に換算したとき、これらの酸化物中の酸化ケイ素
    の含有量が30〜70wt%であり、 前記保護層中のケイ素、アルミニウムおよび/またはホ
    ウ素、アルカリ金属元素の1種以上ならびにアルカリ土
    類金属元素の1種以上を、それぞれの元素の酸化物の化
    学量論組成に換算したとき、これらの酸化物中のアルカ
    リ金属の1種以上の酸化物の含有量が0.5〜10wt%、ま
    たアルカリ土類金属元素の1種以上の酸化物の含有量が
    50wt%以下であることを特徴とする光記録媒体。
  6. 【請求項6】前記保護層の厚さが300〜3000Åである特
    許請求の範囲第5項に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】基板と記録層との間に保護層を有し、この
    保護層がケイ素と、アルミニウムおよび/またはホウ素
    と、アルカリ金属の1種以上と、アルカリ土類金属の1
    種以上と、酸素と、イットリウムおよびランタノイド元
    素の1種以上とを含有する特許請求の範囲第5項ないし
    第6項のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】基板と記録層の間および記録層の上に保護
    層を有し、少なくとも基板と、記録層との間の保護層
    が、ケイ素と、アルミニウムおよび/またはホウ素と、
    アルカリ金属の1種以上と、アルカリ土類金属の1種以
    上と、酸素と、イットリウムおよびランタノイド元素の
    1種以上とを含有する特許請求の範囲第5項ないし第7
    項のいずれかに記載の光記録媒体。
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