JP2543836B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2543836B2
JP2543836B2 JP62055867A JP5586787A JP2543836B2 JP 2543836 B2 JP2543836 B2 JP 2543836B2 JP 62055867 A JP62055867 A JP 62055867A JP 5586787 A JP5586787 A JP 5586787A JP 2543836 B2 JP2543836 B2 JP 2543836B2
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謙治 内山
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は光記録媒体、特にレーザー光等の熱および光
を用いて情報の記録や再生を行う光記録媒体に関する。
先行技術とその問題点 光記録媒体は、非接触・高密度記録が可能であり、高
密度、大容量ディジタルメモリとして広範な応用が考え
られている。
光記録媒体としては、例えば、磁界の反転を利用して
メモリを行う光記録媒体や、記録層にピットを形成して
メモリを行ういわゆるピット形成タイプの光記録媒体
や、記録層に結晶質−非結晶質の相転移などをおこさせ
ることによってメモリを行う相転移タイプの光記録媒体
等がある。
このような媒体は通常、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ、TPX等
の樹脂基板や、あるいはガラス基板上にいわゆる2P法に
よりグルーブ等を設けた基板などの上に、保護層などを
介して記録層を設けて構成される。
従来、このような防湿性等の耐久性、耐食性付与のた
めの保護層としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒
化アルミ、窒化ケイ素、硫化亜鉛等の無機系の真空蒸着
膜や樹脂膜等を設ける試み(特開昭58−80142号等)が
開示されている。しかし、これらは、いずれも未だ耐食
性あるいは膜と基板との密着性の点で満足できるもので
はない。
また、一定の組成を有する無機ガラスを保護層に用い
た場合においても、媒体の耐久性、特に水分透過の防
止、接着性の向上等の改善がみられる旨の開示がなされ
ているあ(特開昭59−52443号公報、同第60−177449号
公報)。
また、特開昭60−145525号にはSi3N4とSiO2との混合
膜を保護層として用いる旨の提案がなされている。
しかしながら、光記録媒体の耐久性および耐食性に対
する要求は厳しく、これらのものであっても、未だその
効果は十分とはいえずさらにC/N比の点でもより一層の
改善が望まれている。
しかも、通常、上記の中間層や保護層の材質は無機膜
であり、これらと上記樹脂製の基板表面との接合性の点
で種々の不都合が生じる。
すなわちより具体的には、樹脂製の表面を有する基板
と中間層ないし記録層との接合面での接合性に問題があ
り、高温多湿の雰囲気下あるいは温湿度変化に対する耐
久性の点で必ずしも満足できず、そのため接合面での層
剥離、記録層の化学変化等の変化等が生じ、媒体として
の特性が劣化してしまう。
II 発明の目的 本発明の目的は、耐久性、耐食性が高く樹脂製の表面
を有する基板とこの上に設けられた層との接合性が良好
で、高温多湿の雰囲気下あるいは温湿度変化に対する耐
久性に優れ、媒体特性の劣化が少なくC/N比が高い光記
録媒体を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち第1の発明は、樹脂製の表面を有する基板上
に、下地層を有しこの下地層上に保護層を有し、この保
護層上に記録層を有する光記録媒体において、保護層が
ケイ素を含む2種以上の金属または半金属元素と、酸素
または酸素および窒素とを含有し、下地層が保護層の構
成成分と炭素とを含有することを特徴とする光記録媒体
である。
また、第2の発明は、樹脂製の表面を有する基板上に
下地層を有し、この下地層上に保護層を有し、この保護
層上に中間層を有し、この中間層上に記録層を有する光
記録媒体において、保護層がケイ素を含む2種以上の金
属または半金属元素と、酸素または酸素および窒素とを
含有し、下地層が保護層の構成成分と炭素とを含有する
ことを特徴とする光記録媒体である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の光記録媒体は樹脂製の表面を有する基板上
に、保護層と記録層を有し、この基板と保護層との間
に、基板表面に存在する樹脂成分の一つとしての炭素と
保護層を構成する成分とを含有する混合層を下地層とし
て有して構成される。
保護層の材質は、ケイ素を含む2種以上の金属または
半金属元素と、酸素または酸素および窒素とを含有する
ものである。
この場合、保護層中に含まれるケイ素以外の金属また
は半金属としてはAl、B、Ba、Ca、Mg、Sr、Zn、Na、K
等がある。
また、保護層は通常非晶質状態であり、酸素を必須と
し必要に応じこれに窒素を含む。従って、これらはいわ
ゆるガラス質ないしこれに窒化物を添加したものであ
る。
これらの中で好ましいものとしては以下の(A)、
(B)がある。
(A)酸素ケイ素40〜60wt%含有するガラス質。
これらのうち特に以下の材質のものを用いることが好
ましい。
(I)酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホウ
素と、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のもの
であり、特に酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ
金属酸化物含有量が0.5〜10特に、1.0〜10wt%であるも
の。
(II)酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホウ
とアルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化物(R
は2価の金属元素)とを含有するガラス質のものであ
り、特に酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属
酸化物含有量が0.5〜10特に、1.0〜10wt%のもの。
(III)酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素とROで示される金属酸化物(Rは2価の金属元素)
とを含有するガラス質のものであり、特に酸化ケイ素含
有量が40〜60wt%、RO含有量が10〜50wt%のもの。
(IV)酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウム
と、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のもので
あり、特に酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金
属酸化物含有量が0.5〜10特に1.0〜10wt%であるもの。
(V)酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウム
と、アルカリ金属酸化物とROで示される金属酸化物(R
は2価の金属元素)とを含有するガラス質のものであ
り、特に酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属
酸化物含有量が0.5〜10特に1.0〜10wt%であるもの。
(VI)酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウム
と、ROで示される金属酸化物(Rは2価の金属元素)と
を含有するガラス質のものであり、特に酸化ケイ素含有
量が40〜60wt%、RO含有量が10〜50wt%であるもの。
上記材質(I)〜(VI)、特に(I)、(II)、(I
V)、(V)を用いしかも含有量を所定の範囲内とした
場合には、耐久性は格段と向上する。
なお、(I)〜(VI)において、酸化ケイ素は通常Si
O2の形で存在する。
アルカリ金属酸化物としてはLi2O、Na2O、K2O、Rb
2O、Cs2O、Fr2O等が挙げられるが、中でも特にLi2O、Na
2O、K2Oが好ましい。これらは1種類のみならず、2種
類以上を併用してもよい。
酸化ホウ素および酸化アルミニウムは、通常、それぞ
れB2O3、Al2O3等の形で存在する。
ROで示される2価の金属酸化物としては、例えばBa
O、CaO、MgO、ZnO、SrO等が挙げられ、中でも特にBaO、
CaO、SrOを用いるのが好ましい。これらは2種以上併用
してもよい。
さらにより好ましい態様である上記(I)〜(VI)の
組成を詳述すれば、 (I)においては、用いる酸化ホウ素または酸化アル
ミニウムを30〜59.5wt%で含有させることが好ましい。
(II)、(III)においては、用いる酸化ホウ素また
は酸化アルミニウムを30〜59.5wt%で含有させ、その含
有量の一部または全部をRO金属酸化物でおきかえ、ROの
含有率を層全体で10〜50wt%、特に10〜35wt%とするこ
とが好ましい。
(IV)においては、酸化ホウ素および酸化アルミニウ
ムを総和で30〜59.5wt%含有させることが好ましい。な
お、(IV)〜(VI)において、各々の含有量は、酸化ホ
ウ素1.0〜40wt%程度、酸化アルミニウム3.0〜45wt%程
度とすることが好ましい。
(V)においては、酸化ホウ素と酸化アルミニウムと
の総和が10〜49.5wt%、ROで示される金属酸化物の含有
量が10〜49.5wt%となるようにすることが好ましい。
(VI)においては、酸化ホウ素と酸化アルミニウムと
の総和が10〜50wt%であることが好ましい。
(B)金属または半金属元素としてケイ素と2価の金属
元素とを含有し、さらに酸素および窒素を含有するガラ
ス質。
このような各元素を含有させることによって、きわめ
て良好な耐久性と耐食性とが発揮される。この場合、こ
れら各必須元素の1つでも欠けたときには、本発明の効
果は実現しない。
また2価の金属元素(以下Rという)は、Ba,Ca,Mg,Z
n,Pb,Sr等の1種以上が挙げられ、なかでも特にBa,Ca,S
rの1〜3種を用いるのが好ましい。これら2種以上の
Rを用いる場合、それぞれの量比は任意である。
本発明においては金属または半金属中のケイ素の原子
比Si/(Si+R)が0.3〜0.9、特に0.3〜0.8であること
が好ましい。
Si/(Si+R)が0.3未満であると、耐食性の点で不利
となり、0.9をこえると安定性の点で不利となるからで
ある。
また、酸素および窒素中の酸素の原子比O/(O+N)
は0.4〜0.8、特に0.5〜0.8であることが好ましい。
O/(O+N)が0.4未満となると、耐食性の点で不利
となり、0.8をこえると電磁変換特性および耐久性の点
で不利となるからである。
本発明においては、金属または半金属元素としてさら
にアルミニウムおよび/またはホウ素を含有してもよ
く、アルミニウムおよび/またはホウ素を含有すること
によって耐食性がさらに向上する。
この場合、ホウ素および/またはアルミニウムのケイ
素に対する原子比(Bおよび/またはAl)/Siは1.0以
下、特に0.1〜1.0、より好ましくは0.3〜1.0であること
が好ましい。
(Bおよび/またはAl)/Siが1.0をこえると、耐食
性、耐久性、膜の均一性の点で不利となる。ただし、0.
1未満では添加の実効がない。
BとAlとを含有させる場合、互いの量比は任意であ
る。
本発明において、上記の各元素は、保護層中に以下の
ように含有される。
まずSiは、Siの酸化物(通常、SiO2)およびSiの窒化
物(通常、Si3N4)、として含有される。また、2価金
属の酸化物(RO)は、通常、BaO,CaO,MgO,ZnO,PbO,SrO
などとして含有される。
さらにAlおよび/またはBが含有される場合は酸化物
(通常、Al2O3,B2O3)や窒化物(通常、AlN,BN)として
含有される。すなわち、化学量論組成で示すならば、Si
O2とROとに加え、Si3N4,Al2O3,AlN,B2O3およびBNの1種
以上が含有されるものである。
これらの化合物は、その組成において上記の化学量論
的な組成比をはずれていてもよい。
そして、最終的に保護層中には、Siの酸化物(SiO2
算)対Siの窒化物(Si3N4換算)のモル比が50対50〜90
対10程度である。
さらにAlおよび/またはBが含有される場合は、Si,A
lおよびBの酸化物の総計(SiO2,Al2O3およびB2O3
算)対Si,AlおよびBの窒化物の総計(Si3N4,AlNおよび
BN換算)のモル比が50対50〜90対10程度である。この場
合、化学量論組成で示したときのAl2O3とB2O3との量比
や、Si3N4とAlNとBNとの量比は任意である。
また、保護層中には1価の金属元素Li,Na,K,Rb,Cs,F
r、好ましくはLi,Na,Kが通常酸化物の形で、例えばLi
2O,Na2O,K2O,Rb2O,Cs2O,Fr2O等として含有されていても
よい。これら1価の金属の酸化物の含有量は全体の10wt
%以下とする。
このような各種保護層は、通常非晶質状態にある。
なお、本発明において、記録層の上面および下面にそ
れぞれ保護層を設ける場合には、これらの保護層の組成
は同一であっても、また本発明の所定の範囲内でそれぞ
れ異なった組成としてもよい。
また、一方の保護層のみの組成を本発明内の所定の組
成とすることもできる。
このような保護層は、各種気相成膜法、例えば、スパ
ッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCV
D、光CVD、特に所望の組成のターゲットを用いるスパッ
タ法、2種以上の異なる組成からなるターゲットを用い
た多元スパッタ法あるいは酸素、窒素を用いる反応性ス
パッタ法等によって形成される。
そして、このような保護層の厚さは、記録層の上面お
よび下面に設けられるにかかわらず、それぞれ300〜300
0Å、特に500〜2000Åとすることが好ましい。
この値が300Å未満であると、耐候性が悪く、また300
0Åをこえると、感度が低下する。
なお、このような保護層を基板上に設ける場合には、
保護層の厚さは300〜1000Å程度とするとさらに好まし
い。
また、保護層中の不純物として、成膜雰囲気中に存在
するAr、N2等が入っていてもよい。
その他、Fe2O3、CuO、Cr2O3、MnOx、CoO、NiO、As2O3
等が全体の1.0wt%程度以下含有されてもよい。
基板側の保護層と記録層との間には、特に記録層が希
土類−遷移金属磁性薄膜層からなる光記録媒体において
は、中間層を設けることが好ましい。
中間層としては、ケイ素と他の1種以上の金属または
半金属とを含有し、さらに酸素および窒素を含有するも
のが好ましい。
中間層中において、ケイ素は、通常、酸化物(SiO、S
iO2)および窒化物(Si3N4)として含有されるが、これ
らの化合物は、その組成において、上記の化学量論的な
組成比をはずれていてもよい。
また、ケイ素以外の金属または半金属も、通常、酸化
物および窒化物として含有される。
ケイ素以外の金属または半金属としては、希土類元
素、Al、Ti、Zn、B等が挙げられる。
これらのうち、下記(1)、(2)の希土類元素また
はAlを必須元素として含むことが特に好ましい。
(1)中間層中に必須元素として希土類元素が含有され
る場合、 希土類元素としては、Sc、Y、La〜Sm、Eu〜Luのいず
れであってもよく、これらの1種以上が含有される。
なお、希土類元素は酸素の他、一部窒素と結合しても
よいのはもちろんである。
これらのうち、少なくともLaおよびCeのうち一種以上
が含有されることが好ましい。
LaおよびCeの酸化物としては、通常、La2O3およびCeO
2である。
これらは、一般には化学量論組成であるが、これらか
ら偏奇したものであってもよい。
CeおよびLaの酸化物はいずれか一方であってもよく、
両者が含有されてもよいが、両者が含有される場合、そ
の量比は任意である。
中間層中には、これらのLaおよび/またはCeの酸化物
の他、Y、Er、Pr等の希土類元素の酸化物が希土類酸化
物中10at%(金属換算)程度以下含有されていてよい。
また、これらの他、Fe、Mg、Ca、Sr、Ba、Al等の酸化
物が含有されていてもよい。
これらの元素のうち、Feは、10at%以下、また、その
他の元素は合計で10at%以下含有されてもよい。
なお、中間層は、通常、非晶質状態にある。
このような中間層中の希土類元素化合物とSi化合物と
の比は、希土類元素化合物の合計/(Si化合物+希土類
化合物の合計)として、0.05〜0.5(重量比)程度であ
る。
この比が上記範囲未満であると、出力が低下し、ま
た、高温高湿下での耐久性に乏しくなる。
上記範囲を越えると、ノイズが増加しまた、高温高湿
下での耐久性に乏しくなる。
また、中間層中のO/N原子比は、0.2〜3程度である。
この比が0.2未満であると、高温高湿下での耐久性に
乏しくなる。
また、3を越えると、出力が低下し、経時劣化もおき
易い。
これら原子比の測定は、オージェ電子分光あるいはED
A等の分析手段に従えばよい。
なお、中間層中には、厚さ方向に酸素および窒素の濃
度勾配が存在してもよい。
この場合、基板側が酸素リッチ、また基板と反対側が
窒素リッチとするのが好適である。
より詳細には、中間層の基板側の界面近傍の(O/N)
原子比1.0〜100程度、基板と反対側界面近傍の(O/
N)原子比0.1〜2.0であり、(O/N)l/(O/N)が1
〜100であることが好ましい。
あるいは、窒素・酸素共基板側でリッチとなるように
濃度勾配をつけてもよい。
(2)中間層中に必須元素としてAlが含有される場合、
Alは、通常、化学量論組成としてAl2O3およびAlNとして
含有されるが、これから偏奇したものであってもよい。
従って、この場合の中間層中には、前記のSiO2、Si
O、Si3N4に加え、Al2O3およびAlNが含有される。
この場合、酸化物と窒化物との含有率は、窒化物リッ
チにすることが好ましく、通常窒素量は酸素量に対して
の原子比で1〜20倍程度とすることが好ましい。こうす
ることにより、優れた記録再生特性を保ち、かつ安定で
耐久性、耐食性に優れた中間層となる。
この範囲未満すなわちOリッチであると出力が低下し
てしまい、また、逆にNリッチであると膜歪が大きくな
り耐久性が低下する。
さらに、このような中間層においては、厚さ方向に所
定の元素の濃度勾配をつけてもよく、この場合、中間層
の基板側をN、O、リッチにすることが好ましい。ある
いは相対的に基板側をOリッチ、記録層側をNリッチと
してもよい。
こうすることにより、経時劣化が少なく記録再生特性
に優れた記録媒体が得られる。
なお、好ましい態様においては、金属または半金属と
してSiとAlとを用いる場合、これらの量比には特に制限
はないが、通常は原子比でSi/Alは0.5〜20程度とする。
Si/Al比が0.5未満であっても、また、20超であっても
優れた耐久性が得られない。
このような、例えば上記(1)、(2)で代表される
各種中間層の800nmにおける屈折率は、1.8〜3.0、より
好ましくは2.0〜2.5とする。
屈折率が1.8未満であると、カー回転角増幅効果が小
さく、出力が低下する。
また、3.0を超えると、出力が低下し、またノイズが
増加する。
このような中間層は各種気相成膜法、例えば、スパッ
タ法、蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCV
D、光CVD特に2種以上の異なる組成からなるターゲット
を用いた多元スパッタ法あるいは酸素を用いる反応性ス
パッタ法等によって形成される。
なお、上記したようなケイ素と希土類元素とを含有す
る中間層を設層するには、スパッタ法を用いることが好
ましく、特に、ターゲットとしては、希土類酸化物、好
ましくはLa2O3および/またはCeO2と、SiO2およびSi3N4
の混合物の焼結体を用いることが好ましい。この場合、
希土類酸化物、特にLa2O3および/またはCeO2の一部ま
たは全部を、発火合金であるアウエルメタル、ヒューバ
ーメタル、ミッシュメタル、ウェルスバッハメタル等の
酸化物に換えて用いることもできる。これらの合金の組
成を下記表1に示す。
そして、このような中間層の厚さは、300〜3000Å、
特に500〜2000Åとすることが好ましい。
この値が300Å未満であると、カー回転角増大効果が
小さくかつ耐候性が悪く、また3000Åをこえると、感度
が低下し、かつ生産効率も低下する。
また、中間層中の不純物として、成膜雰囲気中に存在
するAr、N2等が入ってもよい。その他、Fe、Ni、Cr、C
u、Mn、Mg、Ca、Na、K等の元素が不純物として入りう
る。
本発明においては通常、記録層として磁性薄膜層を用
いる。磁性薄膜層は、変調された熱ビームあるいは変調
された磁界により、情報が磁気的に記録されるものであ
り、記録情報は磁気−光変換して再生するものである。
このような磁性薄膜層の材質としては、Gd、Tb等の希
土類金属と好ましくはFe、Co等の遷移金属の合金をスパ
ッタ、蒸着法等により、非晶質膜として形成したもので
ある。
この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85at%であるこ
とが好ましい。
そして、残部は実質的に希土類金属、特にGdおよび/
またはTbである。
そして、その好適例としては、TbFeCo、GdFeCo、GdTb
FeCo等がある。
なお、これら磁性薄膜層中には10at%以下の範囲でC
r、Al、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au
等が含有されてもよい。
また、希土類元素として10at%以下の範囲でSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。
このような磁性薄膜層の厚さは、通常、100〜10000Å
程度である。
この他記録層の材質としては、いわゆる相転移タイプ
のものとして、例えば、 Te−Se、Te−Se−Sn、Te−Ge、Te−In、Te−Sn、Te−
Ge−Sb−S、Te−Ge−As−Si、Te−Si、Te−Ge−Si−S
b、Te−Ge−Bi、Te−Ge−In−Ga、Te−Si−Bi−Tl、Te
−Ge−Bi−In−S、Te−As−Ge−Sb、Te−Ge−Se−S、
Te−Ge−Se、Te−As−Ge−Ga、Te−Ge−S−In、Se−Ge
−Tl、Se−Te−As、Se−Ge−Tl−Sb、Se−Ge−Bi、Se−
S(以上、特公昭54−41902号、特許第1004835号など) TeOx(特開昭58−54338号、特許第974257号記載のTe
酸化物中に分散されたTe)、 TeOx+PbOx(特許第974258号)、 TeOx+VOx(特許第974257号)、その他、Te−Tl、Te
−Tl−Si、Se−Zn−Sb、Te−Se−Ga、TeNx等のTe、Seを
主体とするカルコゲン系 Ge−Sn、Si−Sn等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構造変化によっ
て色変化を生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生
じる合金などがある。
このような記録層は、蒸着法、スパッタ法、イオンプ
レーティング法等のドライコーティング方式等を用いて
設層すればよい。そしてその設層厚さは20nm〜1μm程
度とされる。
本発明の下地層は、上述したような保護層の成分と、
後述する基板上の樹脂成分の一つである炭素Cを含有し
て構成される。
さらに詳しく述べると、好ましくは基板表面の樹脂成
分と保護層成分との混合組成を含有する混合層を基板と
保護層との間に下地層として介在させる。
このように下地層は、その一方の面を基板の樹脂製表
面と、他方の面を保護層表面と直接接している。
このような場合、下地層の層平均の炭素Cの含有量は
5〜40at%であることが好ましい。
C含有量が5at%未満および40at%より大となると本
発明の実効がなくなる。
下地層中の炭素の層平均含有量を測定するには、例え
ばドライエッチングないしイオンミリングしながら、オ
ージェ分析等を行い成分元素をカウントする。その際、
炭素および他の含有成分元素に着目し、炭素のカウント
が実質的に始まる時点を下地層上面、また保護層成分元
素のカウントが実質的に消失する時点を下地層下面と
し、これらから平均含有量を測定すればよい。
このように本発明の下地層は炭素を含有するものであ
るが、炭素に加え、上記した保護層の構成成分を含有す
るものである。
この場合、保護層の構成成分を含有するとは、保護層
の成分元素をその成分組成比にて含有するばかりでな
く、その主成分元素を成分組成比から偏倚した組成比で
含有するものを含むものである。このような場合、主成
分元素としては、一般に少なくとも10wt%以上含有され
る元素とする。
一方、炭素は、通常、基板表面を構成する樹脂成分が
下地層中に含有される結果、下地層中に存在する。ただ
し本発明では下地層は炭素を含有すれば十分であり、必
ずしも樹脂成分がそのままの組成ないし重合度で含有さ
れる必要はなく、その部分分解物や、モノマーの重合物
の形で含有されてもよく、そのH、N、O等の含有比は
種々のものであってもよい。
あるいは場合によっては、他の樹脂成分ないしその分
解物等の形で含有されることもできる。
なお、接着性ないし屈折率の点では、基板表面を構成
する樹脂成分が上記のように含有されることが好まし
い。
このような下地層の各々の接合面側における物性、特
に光学的性質は、それぞれ接する基板表面および保護層
とほぼ連続的な特性を有することが好ましい。
このような連続的な特性を上記下地層のどちらか一方
の接合面側、あるいは両方の接合面側で満足させるかど
うかは、媒体の構成によって適宜決めればよい。
下地層の両方の接合面側でそれぞれ連続的な特性を満
足させるには、そのままで連続的な特性をもつこともあ
り、あるいは下地層中の厚さ方向に所定の炭素や保護層
成分等の濃度分布をもたせてもよい。
ところで光学的性質としては、例えば屈折率等がその
代表例であり、上記の接合面での連続的な特性を有する
場合としては、下地層と基板表面層との界面での屈折率
の差が0.2以下、より好ましくは0.1以下であったり、ま
た下地層と保護層との界面での屈折率の差が0.2以下、
より好ましくは0.1以下である場合等が挙げられるであ
ろう。この値が0.2をこえると、基板表面の界面で不必
要な反射が増し、特性の低下をもたらす。
上記所定の屈折率の差は、下地層両側のそれぞれの界
面で満足させることが好ましいが、場合によってはいず
れか一方の界面、特に基板側だけでもよい。
なお、屈折率は記録の書き込みないし読み出し光の波
長における値であり、通常基板の樹脂製部分での屈折率
は1.4〜1.6、保護層の屈折率は1.4〜2.5、記録層の屈折
率は2〜5程度である。
下地層の屈折率は、例えばドライエッチングもしくは
イオンミリングしながら屈折率のプロフィールを測定
し、最終の下の界面での屈折率を測定することにより推
定できる。
このような下地層を設けることによって、基板界面等
での不必要な反射を少なくでき、初期特性の低下を防ぐ
ことができるのはもちろん、樹脂製表面を有する基板
と、この上に設けられた保護層との接着性が良好とな
り、高温多湿の雰囲気下や温湿度変化に対する耐久性に
優れ、媒体特性の劣化がきわめて少なくなる。
このような下地層の厚さは10Å以上、特に10〜500
Å、より好ましくは50〜500Åである。この値が10Å未
満となると上記の効果は実現しない。また、厚くしすぎ
るのは工程およびコスト上好ましくない。
このような下地層のつくり方としては、いわゆる気相
成膜法を応用すればよい。具体的には、例えば基板表面
材質と保護層材質の二元スパッタないし次元蒸着等によ
る同時成膜や、基板表面をボンバードしながら保護層の
成膜を同時に行ったり、バイアススパッタ等を行って形
成すればよい。あるいは減圧CVDとスパッタとを同時に
行ってもよい。
なお、下地層の組成は、樹脂成分の一つである炭素と
保護層の主成分を含有すればよいのであるから、必ずし
も、基板材質および保護層そのものをターゲットあるい
は蒸着源としなくてもよい。
また、下地層の厚さ方向に所定の組成濃度分布をもた
せるには、例えば、二元スパッタの際の各ターゲットへ
の投入パワーを連続的に変化させたり、あるいは真空槽
中の酸素分圧Po2等を連続的に変化させたりすればよ
い。また、屈折率を変化させるに際しては、一般的に下
地層中に酸素を多く含有させれば、屈折率は小さくな
る。
このような下地層が形成される基板は、通常、樹脂製
とし、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ
樹脂、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂あるい
は、ガラス基板上にいわゆる2P法により、樹脂製のグル
ーブを設けたものなどが用いられる。
なお、通常記録は基板をとおして行うことが好ましい
ので、書き込み光ないし読み出し光に対する透過率は86
%以上が必要である。
また、基板は、通常、ディスク状とする。
このようなディスク状基板の記録層形成面には、トラ
ッキング用の溝やピット、あるいはアドレス用のピット
等が形成されてもよい。
溝が形成される場合、溝の深さは、λ/8n程度、特に
λ/6n〜λ/12n(ここに、nは基板の屈折率である)と
される。また、溝の巾は、0.4〜2.0μm程度とされる。
なお、溝はいわゆる2P法にてフォトレジスト層に設け
てもよく、このとき基板表面はフォトレジスト層から形
成される。
そして、この溝の凹部あるいは溝間の凸部に位置する
記録層を記録トラック部として、書き込み光および読み
出し光を基板裏面側から照射することが好ましい。
このように構成することにより、書き込み感度と読み
出しのS/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号
は大きくなる。
また、その他の基板の形状として、テープ、ドラム等
としてもよい。
本発明における記録層上には、必要に応じ、前記した
ような保護層を設けることもできる。
また、保護層としては、その他以下のような無機膜を
設けてもよい。
無機膜としては、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の各種酸化物、窒
化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ホウ素
等の窒化物あるいはこれらの混合物、固溶体、さらには
各種無機ガラス等であつてもよいが特に前記の基板側の
保護層材質と同種のものが好ましい。
保護層の厚さは0.01〜30μm程度とする。
また、通常、記録層上に設けられる保護層の上には、
有機保護コート層が設けられる。
有機保護コート層の材質としては、通常、公知の種々
の有機系の物質を用いればよい。
より好ましくは、放射線硬化型化合物を電子線、紫外
線等の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。
用いる放射線硬化型化合物としては、イオン化エネル
ギーに感応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有するアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエ
ステル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフ
タレートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレ
イン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による
架橋あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入
したモノマー、オリゴマーおよびポリマー等を挙げるこ
とができる。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート)、多官能オリゴエステル
アクリレート(アロニックスM−7100、M−5400、M−
5500、M−5700、M−6250、M−6500、M−8030、M−
8060、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トン−アクリル基のついた化合物、 1) (CH2=CHCOOCH2−CCH2OH(特殊アクリレー
トA) 2) (CH2=CHCOOCH2−CCH2OH3(特殊アクリレー
トB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6−OCH2−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
にしまつ1−Bがはいる 59P255−B 8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) また、放射線硬化型オリゴマーとしては、下記一般式
で示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタ
ンエラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのも
のにCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂を放射線官能変性することによっ
て得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジ
カル重合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する
基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂
である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の有機保護コート層の
膜厚は0.1〜30μm、より好ましくは1〜10μmであ
る。
この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成で
きず、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が十分でなく、
記録層の耐久性が向上しない。また、30μmをこえる
と、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の反り
や保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えない。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
このような塗膜を硬化させて保護層とするには、電子
線、紫外線等の放射線を塗膜に照射すればよい。
電子線を用いる場合、放射線特性としては、加速電圧
100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。
一方、紫外線を用いる場合には、前述したような放射
線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えら
れる。
この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシベ
ンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。
そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。
たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。
このような有機保護コート層の上には、通常接着剤層
を介して保護板が設けられる。
すなわち、前記の基板の裏面(記録層を設けていない
側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆる片面記
録の場合には、この保護板を用いる。
このような保護板の樹脂材質は特別に透明性等を要求
されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱硬化性樹脂等が使用可
能である。
なお、ガラス、セラミック等の各種無機材質を保護板
として用いてもよい。
このものの形状、寸法等は上記の基板のそれとほぼ同
様とされる。
このような保護板は、前述したように接着剤層を介し
て接着される。接着剤層は、通常、ホットメルト樹脂等
の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度とされ
る。
他方、上記の保護板を用いる代りに、上記の下地層、
中間層、記録層、保護層、有機保護コート層等を有する
基板をさらに1セット用いて、両記録層を内側にして対
向させて、接着剤層を用いて貼り合せて、両基板の裏面
側から書き込みを行なう、いわゆる両面記録タイプとし
てもよい。さらに、これらの基板や保護板の裏面(記録
層を設けていない側の面)には各種保護膜としてのコー
ティングを行うことが好ましい。
コーティングの材質としては、前述した有機保護コー
ト層の材質と同様なものとしてもよい。
なお、本発明の下地層を設けるという思想は、樹脂基
体と、無機薄膜層を有するその他の情報記録媒体、例え
ば蒸着型磁気記録用テープ、垂直磁気記録媒体等にも、
容易に応用できるものである。
V 発明の具体的作用効果 本発明の光記録媒体は、所定の組成の保護層を有する
ので耐食性、耐久性に優れている。
しかも、本発明の光記録媒体はさらに樹脂製の表面を
有する基板と保護層との間に、保護層を構成する成分と
炭素とを含有する下地層を有するのでこのものは基板と
の接合性が良好で、高温多湿の雰囲気下や温湿度変化に
対する耐久性がより一層高いものとなる。
そして、保護層、記録層間に中間層を設ければ、C/N
比が対向し、耐食性、耐久性もさらに高いものとなる。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。
[実施例1] 直径130mm、厚さ1.2mmのビスフェノールAタイプの光
ディスクグレートポリカーボネート樹脂基板(屈折率1.
56)上に下地層を50Å厚に設層し、この上に表2に示す
組成の各種ガラス質の保護層を800Å厚に設層した。
なお、組成比は、表記の化合物に換算したものであ
る。
下地層は、ポリカーボネート樹脂とそれぞれの保護層
に用いたガラス質と同じ組成のガラス質とをターゲット
に用いて2元スパッタにより設層した。
さらにこの上に23at%Tb、27at%Fe、5at%Co合金薄
膜を、スパッタリングによって厚さ800Åに設層し、磁
性薄膜層とした。
なお、ターゲットは、FeターゲットにTb、Coチップを
のせたものを用いた。
さらにこの磁性薄膜層上に、保護層として前記ガラス
質保護層と同じ材質のガラスを厚さ1000Åにスパッタリ
ングで設層し、この保護層の上に、下記の放射線硬化型
化合物を含む塗布組成物を有機保護コート層として、ス
ピンナーコートで設層した。
(塗布組成物) 多感応オリゴエステルアクリレート 100重量部 光増感剤 5重量部 このような塗布組成物を設層後、紫外線を15sec照射
し架橋硬化させ、硬化膜として媒体サンプルを作製した
(サンプルNo.1、3、5、7、9)。
上記下地層中のC含有率をオージェ電子分光により測
定したところ、約30%程度であった。
これらについて下記の特性を測定した。
(1)温湿度サイクルテスト 60℃90%と−20℃の間を1日2回往復させ、下記の項
目をチェックした。
(a)膜剥離:目視試験により膜剥離を観測し、発生ま
でのサイクル数を記録した。
これはエラーの大きな原因となる。
(b)エラーレート:下記の条件にてエラーレートを測
定し、エラーレートが初期値の2倍となるまでのサイク
ル数を記録した。
線速 4 m/sec 搬送周波数 1.0MHz 分解能 30 KHz 記録パワー(830nm) 3〜6mW 再生パワー(830nm) 1 mW 結果を表2に示す。
[比較例1] 実施例1の各サンプルに対し、下地層のないサンプル
を作製し、それぞれの比較サンプルとして実施例1と同
様な特性を測定した(サンプルNo.2、4、6、8、1
0)。
結果を表2に示す。
[実施例2] 直径130mm、厚さ1.2mmのエポキシ樹脂製基板(屈折率
1.51)上に、グルーブを形成するためのフォトレジスト
用のエポキシ系有機化合物をスピンナーコートで設層し
た後、所定のグルーブを形成した。フォトレジストの屈
折率は1.50であった。
その後、1.0Pa下の真空槽中にて、この基板表面をボ
ンバードしながら、表2に示す組成のガラス質保護層と
同じガラス質をターゲットとしてスパッタを行い、下地
層を100Å厚に設層した。
他は実施例1と同様にしてサンプルを作製し、特性を
測定した(サンプルNo.11)。
結果を表2に示す。
なお、下地層中のC含有量は約20at%であった。
[実施例3] 表2に示す組成の保護層と同じ組成のガラス質と実施
例1のポリカーボネート樹脂とをターゲットに用いて下
地層を膜厚200Åに設層した。
なお、設層に際しては、スパッタ中にPo2を連続的にP
o2/PAr=2/8〜0/10まで変化させ、下地層の厚さ方向に
所定の酸素濃度分布をもたせた。
この下地層上に、表2に示す保護層を膜厚900Åに設
層した。
その他は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、
特性を測定した(サンプルNo.12)。
結果を表2に示す。
なお、下地層中のC含有率は約10at%であった。
[比較例2] 実施例1と同じポリカーボネート樹脂とSiO2をターゲ
ットとしてスパッタを行って、層厚200Åの下地層を設
層し、保護層としてSiO2膜を記録層の上下にそれぞれ10
00Åおよび900Å厚にスパッタで設層した他は、実施例
1と同様にしてサンプルを作製し、特性を測定した(サ
ンプルNo.13)。
結果を表2に示す。
なお、下地層のC含有量は約30at%であった。
[比較例3] 下地層を設けない他は比較例2と同様にしてサンプル
を作製し、特性を測定した(サンプルNo.14)。
結果を表2に示す。
[実施例4] 保護層を表3に組成を示す各種ガラス質のものとし、
下地層形成に際し、スパッタのターゲットもこれらのガ
ラス質とした以外は実施例1と同様にしてサンプルを作
製し、同様な測定を行った(サンプルNo.101,103,105,1
07,109,111,113,115)。
なお、組成比は表記の化合物に換算したものである。
また、表中のMはSi+R等の金属ないし半金属の総計
を表わす。
結果を表3に示す。
なお、下地層のC含有量は約30at%であった。
[比較例4] 実施例4の各サンプルに対し、下地層のないサンプル
を作製し、それぞれの比較サンプルとして実施例1と同
様な測定を行った(サンプルNo.102、104、106、108、1
10、112、114、116)。
結果を表3に示す。
[実施例5] 実施例1〜4のサンプルの記録層と基板側の保護層と
の間に下記表4に示す組成の中間層をスパッタにて800
Å厚に設層した。
組成比は表示の化合物に換算したものである。
なお、この場合、基板側の保護層の膜厚は500Åとし
た。
なお、表4中のMMは、前記表1に示すミッシュメタル
の酸化物である。
また、表4のC/N比は実施例4のサンプルNo.109にそ
れぞれの中間層を設層したときのものである。
サンプルNo.109のC/N比は50dBであり、中間層の設層
により5〜7dBの向上が認められた。
なお、実施例1〜4のその他のサンプルに関しても表
4に示す中間層の設層により、同等の効果が認められ
た。
以上の実施例の結果より本発明の効果は明らかであ
る。
なお、このような効果は、相転移型のTe−Ge、TeOx
Te−Se等の記録層でも、同様に実現した。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製の表面を有する基板上に、下地層を
    有しこの下地層上に保護層を有し、この保護層上に記録
    層を有する光記録媒体において、保護層がケイ素を含む
    2種以上の金属または半金属元素と、酸素または酸素お
    よび窒素とを含有し、下地層が保護層の構成成分と炭素
    とを含有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】下地層が基板表面を構成する樹脂成分を含
    有する特許請求の範囲第1項に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】下地層の厚さが10〜500Åである特許請求
    の範囲第1項または第2項のいずれかに記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】樹脂製の表面を有する基板上に下地層を有
    し、この下地層上に保護層を有し、この保護層上に中間
    層を有し、この中間層上に記録層を有する光記録媒体に
    おいて、保護層がケイ素を含む2種以上の金属または半
    金属元素と、酸素または酸素および窒素とを含有し、下
    地層が保護層の構成成分と炭素とを含有することを特徴
    とする光記録媒体。
  5. 【請求項5】下地層が基板表面を構成する樹脂成分を含
    有する特許請求の範囲第4項に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】下地層の厚さが10〜500Åである特許請求
    の範囲第4項または第5項のいずれかに記載の光記録媒
    体。
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