JP2522847Y2 - 連続式焼結炉 - Google Patents

連続式焼結炉

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JP2522847Y2 JP12067890U JP12067890U JP2522847Y2 JP 2522847 Y2 JP2522847 Y2 JP 2522847Y2 JP 12067890 U JP12067890 U JP 12067890U JP 12067890 U JP12067890 U JP 12067890U JP 2522847 Y2 JP2522847 Y2 JP 2522847Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は圧粉体焼結用の連続式焼結炉に関する。この
炉は例えば鉄系の圧粉体の焼結に適用できる。
〔従来の技術〕
従来より圧粉体例えば鉄系圧粉体を焼結する分野では
連続式焼結炉が用いられている。この連続式焼結炉の要
部を第4図に示す。この連続式焼結炉は、脱ろう室100
をもつ脱ろう部101と、予熱室103をもつ予熱部104と、
焼結室105をもつ焼結部106と、図略の冷却室をもつ冷却
部とを連続的に順に配置してなる。また成形の際の潤滑
剤としてステアリン酸亜鉛を含有した鉄系圧粉体が知ら
れている。
かかる圧粉体300はコンベヤベルト200に載せられて入
口開口102から連続式焼結炉に装入される。すると、圧
粉体300は脱ろう部101で加熱され、圧粉体300から潤滑
剤としてのステアリン酸亜鉛がにじみ出、更に、その圧
粉体300は予熱部104の予熱室103で予熱され、予熱され
た圧粉体300は焼結部106の焼結室105で焼結されて焼結
体とされる。
ここで、脱ろう処理で圧粉体300から滲み出たステア
リン酸亜鉛は炭化水素と酸化亜鉛に熱分解され、前者は
脱ろう室100の入口開口102から排出される。
また、従来より、焼結雰囲気として吸熱型保護ガスを
用いる焼結炉では、脱ろう室にエアを吹き込んでエアと
吸熱型保護ガスとを攪拌焼結させ、これにより脱ろう用
の熱エネルギを発生させるものが開示されている(実公
昭63-44429号公報)。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで第4図に示す従来の連続式焼結炉では、操業
している際に炉内で亜鉛蒸気や酸化亜鉛が凝固して堆積
し、堆積層301を生成し、操業に悪影響を与えることが
ある。これを防ぐために、大量のガスを送り、亜鉛蒸気
を炉外へ追い出すか、或いは、連続焼結炉を停止させて
炉壁に堆積した凝固亜鉛や酸化亜鉛を清掃しなければな
らなかった。
例えば、脱ろう部101の脱ろう室100が酸化性雰囲気で
あり、かつ焼結部106の焼結室105が還元性雰囲気である
ときには次の不具合が生じる。即ち、脱ろう室100でス
テアリン酸亜鉛の分解生成物である酸化亜鉛が圧粉体30
0に残留する。残留した酸化亜鉛は第4図において数字
で示す部位302で模式的に示されている。
その凝固した酸化亜鉛302が残留した圧粉体300はコン
ベヤベルト200により予熱室103を経て焼結室105に搬送
され、焼結室105で焼結される。この際、残留した酸化
亜鉛302が焼結室105で還元されて亜鉛蒸気304となり、
この亜鉛蒸気304が脱ろう室100に至り再び酸化亜鉛とし
て凝固し、脱ろう室100の炉壁、炉床、熱電対105等に堆
積層301として堆積し、操業に支障をきたす。
本考案は上記した実情に鑑み開発されたものであり、
その目的は、脱ろう室と焼結室との間に位置する予熱室
における亜鉛蒸気をガスと共に吸引することにより、炉
内における凝固亜鉛の堆積を抑えることができ、しかも
亜鉛を分離したガスを再び炉内に戻すことにより、ガス
の節約を図り得る連続式焼結炉を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の連続式焼結炉は、外気に連通し亜鉛を含む潤
滑剤を含有した圧粉体が入る入口開口と圧粉体を加熱し
て圧粉体から潤滑剤を出させる脱ろう室とをもつ脱ろう
部と、 潤滑剤を出した圧粉体を予熱する予熱室をもつ予熱部
と、 予熱した圧粉体を焼結して焼結体とする焼結室をもつ
焼結部と、 焼結体を冷却する冷却室と外気に連通しかつ冷却され
て焼結体が出る出口開口とをもつ冷却部とを連続的に順
に配置してなる圧粉体焼結用連続式焼結炉であって、 予熱室に開口する吸気口と冷却室に開口する排気口と
をもち予熱室と冷却室とをつなぐガス循環通路と、 ガス循環通路に装備され予熱室内の亜鉛蒸気をガスと
ともにガス循環通路内に吸引する吸引装置と、 吸引したガス中の亜鉛蒸気を冷却凝固させ金属亜鉛と
ガスとを分離する蒸気冷却装置とを具備することを特徴
とするものである。
〔作用〕
予熱室の亜鉛蒸気は予熱室内のガスとともに吸引装置
の作動によりガス循環通路に吸引される。そして、吸引
されたガスは蒸気冷却室装置で冷却され、従って亜鉛蒸
気は冷却凝固され、固体状の金属亜鉛とガスとは分離さ
れる。金属亜鉛が分離されたガスはガス循環通路を通
り、冷却部の冷却室に戻る。
〔実施例〕
本考案の連続式焼結炉を第1図乃至第3図に示す一実施
例に基づき説明する。
ここで全体構成は第1図に、要部構成は第2図に、ガ
スの流れは第3図に示されている。
連続式焼結炉は、炉内が大気に連通する大気開放タイ
プであり、脱ろう部1と、予熱部2と、焼結部3と、冷
却部4とを連続的に順に配置してなり、更にガス循環通
路5と、吸引装置としてのブロア6と、蒸気冷却装置7
とを具備する。
脱ろう部1は、外気に連通する入口開口10と、脱ろう
室11とをもつ。脱ろう室11には熱伝対12、ガスバーナー
13が装備されている。
予熱部2は仕切アーチ20を介して脱ろう室11に連通す
る予熱室21をもつ。予熱室21にはヒータ22が装備されて
いる。予熱室21には窒素と水素との混合ガス(ガス導入
温度は室温であり、予熱室21の温度は850゜C程度)を供
給する導入管23が装備されている。なお導入管23の基端
は図略の混合ガス供給装置に接続されている。
焼結部3は、予熱室21に連通する焼結室30をもつ。焼
結室30にはヒータ31が装備されている。焼結室30の入口
と出口には中間扉32が配置されている。中間扉32は焼結
室30から雰囲気ガスが抜けるのを抑え、焼結室30の温
度、雰囲気を維持するためのものである。
冷却部4は、冷却室としての徐冷室40をもつ徐冷部41
と、冷却室としての水冷室42をもつ水冷部43とからな
る。水冷部43の端には出口開口44が形成されている。出
口開口44にはその開口面積を極力小さくしガス抜けを抑
えるカーテン45が複数層で装備されている。
ガス循環通路5は予熱室21と冷却部4とをつなぐもの
であり、第1通路50と第2通路51と第3通路53とからな
る。第1通路50の吸気口50aは予熱室21で開口し、第2
通路51の排気口51aは徐冷室40で開口し、第3通路53の
排気口53aは水冷室42で開口している。なお第1通路50
には第1開閉弁50b、第2通路51bには第2開閉弁51b、
第3通路53には第3開閉弁53bが装備されている。
ブロア6は、ガス循環通路5の第1通路50に装備され
ている。ブロア6は、予熱室21内の亜鉛蒸気をガスとと
もにガス循環通路5内に吸引する。プロア6は、始動時
および停止時における炉内雰囲気の乱れを最小限に抑え
るため、スロースタート、スローストップ機構をもつ。
蒸気冷却装置7は吸引したガスを冷却して亜鉛蒸気を
冷却凝固させ、これにより金属亜鉛とガスとを分離する
ものである。蒸気冷却装置7と吸気口50aとの間の通路
部分には、通路内を亜鉛の融点(417゜C)以上に維持し
て金属蒸気の凝固を防止する保温材50eが設けられてい
る。更に第1通路50には、ガスの清浄度を高めるフィル
ター55が設けられている。
本実施例ではベルトコンベヤ9が装備されている。ベ
ルトコンベヤ9はドラム90、91とベルト92とをもつ。ベ
ルト92は入口開口10から出口開口44にかけて架設されて
いる。
次に本実施例装置の作用についてその使用方法ともに
説明する。
本例では、ステアリン酸亜鉛を成形の際の潤滑剤とし
た圧粉体を用いる。この圧粉体は鉄系の材料でも合金系
の材料でも本効果を妨げない。そして、成形したその多
数個の圧粉体8をベルトコンベヤ9のベルト92に載せ、
ベルトコンベヤ9を駆動させる。なおベルトコンベヤ9
のベルト92の走行速度は約160mm/minである。
上記の結果、ベルトコンベヤ9の走行に伴い、多数個
の圧粉体8は入口開口10から順に脱ろう室11、予熱室2
1、焼結室30、徐冷室40、水冷室42に搬送され、最終的
に出口開口44から外方に排出される。
かかる工程において脱ろう室11には、酸化により脱ろ
う処理を促すために窒素と水蒸気および/または二酸化
炭素との混合した酸化性をもつガスが供給される。また
焼結室30、予熱室21、徐冷室40、水冷室42には水素と窒
素とを混合した還元性ガスが供給される。
上記した装置においては、脱ろう室11ではガスバーナ
ー13からブタンとプロパンが供給され、かかる燃焼炎に
より圧粉体8は設定温度360゜Cで5分間加熱され、これ
により圧粉体8に含まれているステアリン酸亜鉛が圧粉
体8の表面側に滲み出て、これにより脱ろう工程が実施
される。このときステアリン酸亜鉛は炭化水素と酸化亜
鉛とに熱分解される。
更に、脱ろうされた圧粉体8は予熱室21で設定温度85
0゜Cで約5分間予熱される。更に、焼結室30で設定温度1
120゜Cで約20分間加熱され、焼結工程が実施され、焼結
体が得られる。
なお徐冷却室40の温度は約650゜C、水冷室42の温度は
約150゜Cである。
かかる工程において焼結室30等に供給された還元性ガ
スは炉内温度等の影響を受けて矢印A方向に沿い、入口
開口10にむけて流れる。
ところで前記したように脱ろう工程を実施している際
にステアリン酸亜鉛の分解生成物である酸化亜鉛が圧粉
体8に付着して残留する。残留した酸化亜鉛は第2図に
おいて数字で示す部位8aで模式的に示されている。
その酸化亜鉛8aを残留した圧粉体8はコンベヤベルト
9により前述したように焼結室30に搬送され、焼結室30
で焼結される。この際、残留した酸化亜鉛8aが焼結室30
で還元されて亜鉛蒸気8eとなり、亜鉛蒸気8eが炉内ガス
の流れ(矢印A方向)に乗って予熱室21に至る。
このとき本実施例では、焼結工程中にブロア6が連続
的に駆動している。そのため、予熱室21に至った亜鉛蒸
気8eはガス循環通路5の吸気口50aから吸引されてガス
循環通路5、蒸気冷却装置7に至る。そして、吸引され
たガスは蒸気冷却室装置7で冷却される。よって、亜鉛
蒸気8eは冷却凝固され、これにより金属亜鉛とガスとは
分離される。金属亜鉛が分離されたガスはガス循環通路
5の第2通路51、第3通路53を分岐し、排気口51aから
徐冷室40に戻され、また排気口53aから水冷室42に戻さ
れる。
以上説明したように本実施例においては予熱室21の亜
鉛蒸気はガス循環通路5の吸気口50aから吸引されて蒸
気冷却装置7に至り、ここで冷却され、これにより金属
亜鉛とガスとは分離される。従って従来とは異なり、亜
鉛蒸気が脱ろう室11や予熱室21内で凝固されることは回
避され、よって従来とは異なり、連続焼結炉を停止させ
て堆積凝固亜鉛を清掃する面倒な作業は、回避し得る。
なお吸引は予熱室21でなく脱ろう室11から行うことも
考えられる。しかしこの場合には、脱ろう室11内は酸化
性雰囲気のため固体状の酸化亜鉛をガス循環通路5内に
吸引することになり、ガス循環通路5が詰まってしまう
おそれがある。
又本実施例では前述したように金属亜鉛が分離された
ガスはガス循環通路5の第2通路51、第3通路53を通
り、徐冷室40と水冷室42との双方に分岐して戻される。
従って分岐して戻されない場合に比較して焼結室30内の
ガス雰囲気の変動、乱れは抑えられる。また本実施例で
は開閉弁51b、53bを適宜調節すれば、第2通路51を介し
て徐冷室40に戻すガス流量と、第3通路53を介して水冷
室42に戻すガス流量を調節できる。よって焼結室30のガ
ス雰囲気の変動を抑えるのに一層有利である。しかも本
実施例ではブロア6はスロースタート、スローストップ
機構をもつので、ブロア6の始動および停止は緩やかに
なり、炉内雰囲気の乱れを最小限に抑え得る。
ところで本実施例では前記したように予熱室21の亜鉛
蒸気はガス循環通路5の吸気口50aから吸引されるの
で、予熱室21内が負圧傾向となり易い。このように予熱
室21内が負圧傾向となると、酸化性を帯びた脱ろう室11
のガスが予熱室21ひいては焼結室30に進入し、その予熱
室21ひいては焼結室30の還元性雰囲気を阻害し、焼結に
支障をきたすおそれがある。この点本実施例では操業中
に窒素と水素との混合ガスが導入管23から予熱室21に送
られるので、予熱室21の負圧化は効果的に抑えられる。
しかも脱ろう室11と予熱室21との境界部分にこれらの室
を区画する仕切アーチ20が形成されているので、脱ろう
室11のガスが予熱室21ひいては焼結室30に進入すること
は極力抑えられる。
さらに本実施例では予熱室21のガスはガス循環通路5
の吸気口50aから吸引されて排気口51a、53aを介して再
び徐冷室40および水冷室42に戻され、雰囲気ガスとして
再び利用される。従って新しい雰囲気ガスを焼結室30内
に新たに供給せずとも良いか、あるいは、供給したとし
ても少量で済み、雰囲気ガスの節約に有利である。しか
も排気口51a、53aを介して徐冷室40、水冷室42に戻され
るガスは既に100゜C程度に冷却されているので、徐冷室4
0、水冷室4を所定の低温度域に維持するのに有利であ
り、従って徐冷室40、水冷室42の冷却機能を実質的に阻
害しない。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案の連続式焼結炉によれば、
予熱室の亜鉛蒸気はガスとともにガス循環通路の吸気口
から吸引されて蒸気冷却装置に至り、そのガスは蒸気冷
却室装置で冷却され、これにより固体の金属亜鉛とガス
とは分離される。従って亜鉛蒸気が脱ろう室や予熱室内
で凝固される不具合は回避され、よって従来とは異な
り、連続焼結炉を停止させて凝固亜鉛を清掃する大層面
倒な作業は回避し得る。
しかも本考案の連続式焼結炉によれば、吸引したガス
をガス循環通路を介して冷却部に戻すことができ、従っ
て、戻したガスを炉内雰囲気として再び有効に利用で
き、雰囲気ガスの節約に有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本考案の一実施例を示し、第1図は
全体の構成図、第2図は要部の構成図、第3図はガスの
流れを流す構成図である。第4図は従来の要部の構成図
である。 図中、1は脱ろう室、2は予熱部、3は焼結部、4は冷
却部、5はガス循環通路、6はブロア(吸引装置)、7
は蒸気冷却装置を示す。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】外気に連通し亜鉛を含む潤滑剤を含有した
    圧粉体が入る入口開口と圧粉体を加熱して圧粉体から潤
    滑剤を出させる脱ろう室とをもつ脱ろう部と、 潤滑剤を出した圧粉体を予熱する予熱室をもつ予熱部
    と、 予熱した圧粉体を焼結して焼結体とする焼結室をもつ焼
    結部と、 焼結体を冷却する冷却室と外気に連通しかつ冷却された
    焼結体が出る出口開口とをもつ冷却部とを連続的に順に
    配置してなる圧粉体焼結用連続式焼結炉であって、 該予熱室に開口する吸気口と該冷却室に開口する排気口
    とをもち該予熱室と該冷却室とをつなぐガス循環通路
    と、 該ガス循環通路に装備され該予熱室内の亜鉛蒸気をガス
    とともに該ガス循環通路内に吸引する吸引装置と、 吸引したガス中の亜鉛蒸気を冷却凝固させ金属亜鉛とガ
    スとを分離する蒸気冷却装置とを具備することを特徴と
    する連続式焼結炉。
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