JP2521659B2 - ２サイクルエンジンの燃焼室 - Google Patents
２サイクルエンジンの燃焼室Info
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- JP2521659B2 JP2521659B2 JP60110923A JP11092385A JP2521659B2 JP 2521659 B2 JP2521659 B2 JP 2521659B2 JP 60110923 A JP60110923 A JP 60110923A JP 11092385 A JP11092385 A JP 11092385A JP 2521659 B2 JP2521659 B2 JP 2521659B2
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- JP
- Japan
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- dome
- combustion chamber
- piston
- inner peripheral
- peripheral surface
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
Landscapes
- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は２サイクルエンジンに係り、特にその燃焼室
の構造に関する。
の構造に関する。
２サイクルエンジンの燃焼室においては、例えば特開
昭51−29622号公報に見られるように、点火プラグが臨
むドームに、ピストン頂面の外周側に向って広がるリン
グ状のスキッシュゾーンを連続して設け、ピストンが上
死点付近に達した際に、混合気をスキッシュゾーンで圧
縮してドーム内に噴出させ、混合気をドーム内に集中さ
せることで着火率と火炎伝播速度を早め、高出力化を押
し進めることが行なわれている。
昭51−29622号公報に見られるように、点火プラグが臨
むドームに、ピストン頂面の外周側に向って広がるリン
グ状のスキッシュゾーンを連続して設け、ピストンが上
死点付近に達した際に、混合気をスキッシュゾーンで圧
縮してドーム内に噴出させ、混合気をドーム内に集中さ
せることで着火率と火炎伝播速度を早め、高出力化を押
し進めることが行なわれている。
ところが、このように火炎伝播速度を早めると、シリ
ンダ内の圧力が急激に上昇するため、特にピストン頂面
に加わる衝撃が大きくなる。したがって、この振動によ
りピストンが振動するとともに、このピストンの振動が
シリンダブロックやクランクケースに伝わり、これらが
共振して不快な共鳴音が発生する等、エンジンからの騒
音が大きくなる不具合があった。
ンダ内の圧力が急激に上昇するため、特にピストン頂面
に加わる衝撃が大きくなる。したがって、この振動によ
りピストンが振動するとともに、このピストンの振動が
シリンダブロックやクランクケースに伝わり、これらが
共振して不快な共鳴音が発生する等、エンジンからの騒
音が大きくなる不具合があった。
この対策として、従来、ドームを深く形成し、着火点
からスキッシュゾーンまでの距離を稼いで燃焼室内での
火炎の伝播速度を遅くすることにより、シリンダ内の圧
力上昇を穏やかにした例がある。
からスキッシュゾーンまでの距離を稼いで燃焼室内での
火炎の伝播速度を遅くすることにより、シリンダ内の圧
力上昇を穏やかにした例がある。
しかしながら、この先行技術の構成によると、ドーム
が深くなることから、掃気口が開かれて新気がシリンダ
内に導入された際に、掃気流が点火プラグの近傍にまで
充分に行き亙らず、このため、ドーム内に排ガスが滞留
し易くなる。
が深くなることから、掃気口が開かれて新気がシリンダ
内に導入された際に、掃気流が点火プラグの近傍にまで
充分に行き亙らず、このため、ドーム内に排ガスが滞留
し易くなる。
したがって、騒音は少なくなるものの、掃気効率が悪
くなり、出力の低下をもたらす等の不都合が生じる。
くなり、出力の低下をもたらす等の不都合が生じる。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、スキッシュ効果を確保しつつ、長円形状をなすドー
ム内での燃焼のバランスを良好に保つことができ、しか
も、ドーム内の掃気を効率良く行なえるとともに、ドー
ムからスキッシュゾーンへの火炎伝播を円滑に行なえ、
高出力が得られる２サイクルエンジンの燃焼室の提供を
目的とする。
で、スキッシュ効果を確保しつつ、長円形状をなすドー
ム内での燃焼のバランスを良好に保つことができ、しか
も、ドーム内の掃気を効率良く行なえるとともに、ドー
ムからスキッシュゾーンへの火炎伝播を円滑に行なえ、
高出力が得られる２サイクルエンジンの燃焼室の提供を
目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、点火プラグが臨
むとともに、ピストン頂面と対向し合う端部が開口され
たドームと、このドームの開口周縁部の全周からピスト
ン頂面の外周側に向って広がり、ピストンが上死点付近
に達した際に混合気を圧縮して上記ドーム内に噴出させ
るリング状のスキッシュゾーンと、を備えた２サイクル
エンジンの燃焼室において、 上記ドームは、互いに直交し合う長軸と短軸とを有す
る長円形状をなしており、このドームの長軸をシリンダ
内面の排気口の開口方向に沿わせて配置するとともに、
上記ドームの内周面は、ピストン頂面側から点火プラグ
側に進むに従い径方向内側に向けて傾斜させ、このドー
ムの内周面のうち、上記長軸の方向に位置する内周面の
傾斜角度をθ１、上記短軸の方向に位置する内周面の傾
斜角度をθ２とした時、 θ１＜θ２ に規定したことを特徴としている。
むとともに、ピストン頂面と対向し合う端部が開口され
たドームと、このドームの開口周縁部の全周からピスト
ン頂面の外周側に向って広がり、ピストンが上死点付近
に達した際に混合気を圧縮して上記ドーム内に噴出させ
るリング状のスキッシュゾーンと、を備えた２サイクル
エンジンの燃焼室において、 上記ドームは、互いに直交し合う長軸と短軸とを有す
る長円形状をなしており、このドームの長軸をシリンダ
内面の排気口の開口方向に沿わせて配置するとともに、
上記ドームの内周面は、ピストン頂面側から点火プラグ
側に進むに従い径方向内側に向けて傾斜させ、このドー
ムの内周面のうち、上記長軸の方向に位置する内周面の
傾斜角度をθ１、上記短軸の方向に位置する内周面の傾
斜角度をθ２とした時、 θ１＜θ２ に規定したことを特徴としている。
このような構成によれば、ドームを長円形状としたこ
とにより、このドームの短軸方向では、ドームの長軸方
向と比較した場合に、混合気が燃え難いとされるスキッ
シュゾーンが広くなる。そのため、実質的にドーム内で
成長した火炎がスキッシュゾーンにまで広がるのに時間
を要し、燃焼室内での火炎の伝播速度が遅くなる。この
結果、クランク角に対する燃焼室内の圧力上昇が穏やか
となり、その分、ピストン頂面に加わる振動も少なくな
る。したがって、ピストンの振動が減少し、シリンダブ
ロックやクランクケース回りの共振を防止することがで
きる。
とにより、このドームの短軸方向では、ドームの長軸方
向と比較した場合に、混合気が燃え難いとされるスキッ
シュゾーンが広くなる。そのため、実質的にドーム内で
成長した火炎がスキッシュゾーンにまで広がるのに時間
を要し、燃焼室内での火炎の伝播速度が遅くなる。この
結果、クランク角に対する燃焼室内の圧力上昇が穏やか
となり、その分、ピストン頂面に加わる振動も少なくな
る。したがって、ピストンの振動が減少し、シリンダブ
ロックやクランクケース回りの共振を防止することがで
きる。
しかも、ドームが長円形状をなすにも拘らず、このド
ームの長軸方向に位置する周囲にもスキッシュゾーンが
存在するので、ドームの長軸方向に沿う両端部において
もスキッシュ効果を得ることができる。このため、ドー
ムの短軸方向にのみスキッシュが強化されることもな
く、ドームの長軸方向と短軸方向とで火炎伝播の速度差
を極力少なくすることができる。よって、ドーム内での
燃焼に偏りが生じ難くなり、このドーム内の火炎が燃焼
室全体に燃え広がるから、結局燃焼室内での燃焼に偏り
が生じることもなく、燃焼室回りからの騒音を少なく抑
えることができる。
ームの長軸方向に位置する周囲にもスキッシュゾーンが
存在するので、ドームの長軸方向に沿う両端部において
もスキッシュ効果を得ることができる。このため、ドー
ムの短軸方向にのみスキッシュが強化されることもな
く、ドームの長軸方向と短軸方向とで火炎伝播の速度差
を極力少なくすることができる。よって、ドーム内での
燃焼に偏りが生じ難くなり、このドーム内の火炎が燃焼
室全体に燃え広がるから、結局燃焼室内での燃焼に偏り
が生じることもなく、燃焼室回りからの騒音を少なく抑
えることができる。
また、ドームの長軸が排気口の開口方向に沿っている
から、このドームが掃気流の流れ方向に沿うような形状
となり、ドーム内の隅々にまで掃気流が充分に行き渡
る。それとともに、ドームの長軸方向に位置する内周面
は、その傾斜が穏やかであるので、掃気流がドーム内か
ら抜け出る際に、その流れ方向を大きく変える必要はな
く、ドーム内の掃気効率がより向上する。そのため、ド
ーム内に排ガスが残留し難くなり、混合気への着火性が
良好となる。さらに、ドームの内周面は、点火プラグか
らピストン頂面に進むに従い拡開するように傾斜されて
いるから、ドームからスキッシュゾーンへの火炎伝播が
円滑になされ、火炎の成長が良好となる。
から、このドームが掃気流の流れ方向に沿うような形状
となり、ドーム内の隅々にまで掃気流が充分に行き渡
る。それとともに、ドームの長軸方向に位置する内周面
は、その傾斜が穏やかであるので、掃気流がドーム内か
ら抜け出る際に、その流れ方向を大きく変える必要はな
く、ドーム内の掃気効率がより向上する。そのため、ド
ーム内に排ガスが残留し難くなり、混合気への着火性が
良好となる。さらに、ドームの内周面は、点火プラグか
らピストン頂面に進むに従い拡開するように傾斜されて
いるから、ドームからスキッシュゾーンへの火炎伝播が
円滑になされ、火炎の成長が良好となる。
したがって、混合気への着火性が良好となるととも
に、火炎伝播がスキッシュゾーンの末端の混合気にまで
円滑になされ、高出力が得られる。
に、火炎伝播がスキッシュゾーンの末端の混合気にまで
円滑になされ、高出力が得られる。
以下本発明の第１実施例を、自動二輪車用の２サイク
ルエンジンに適用した第１図ないし第６図にもとづいて
説明する。
ルエンジンに適用した第１図ないし第６図にもとづいて
説明する。
第５図および第６図中１はシリンダブロック、２はシ
リンダヘッドを示し、シリンダブロック１内にはシリン
ダ1aが形成されている。シリンダ1aの内周面には、吸気
口４および排気口５が径方向に対向して開設されている
とともに、この排気口５の径方向両側には、主掃気口６
および補助掃気口７が夫々開設され、これら吸気口4,排
気口５および両掃気口6,7はピストン３によって開閉さ
れる。
リンダヘッドを示し、シリンダブロック１内にはシリン
ダ1aが形成されている。シリンダ1aの内周面には、吸気
口４および排気口５が径方向に対向して開設されている
とともに、この排気口５の径方向両側には、主掃気口６
および補助掃気口７が夫々開設され、これら吸気口4,排
気口５および両掃気口6,7はピストン３によって開閉さ
れる。
なお、両掃気口6,7は掃気通路８を通じてクランクケ
ース９内のクランク室10に連通されている。
ース９内のクランク室10に連通されている。
上記シリンダ1aの頂部には、ピストン３が上死点付近
に達した際に、このピストン３の頂面3aとシリンダヘッ
ド２の対向面2aとの間で燃焼室11が形成される。 この
燃焼室11は、ドーム12と、このドーム12に連なるスキッ
シュゾーン13とを備えている。ドーム12は、シリンダ1a
の中心線01−01上に位置されており、上記ピストン３の
頂面3aと対向し合う端部が開口された凹みにて構成され
ている。スキッシュゾーン13は、ドーム12の開口周縁部
の全周からピストン３の頂面3aの外周側に向って広がる
リング状をなしている。このスキッシュゾーン13は、ピ
ストン３の頂面3aと対向し合うスキッシュ面13aを有
し、このスキッシュ面13aは、径方向内側に進むに従い
頂面13aから離間する方向に傾斜されている。したがっ
て、圧縮工程において、ピストン３が上死点付近にまで
上昇すると、スキッシュゾーン13で圧縮された混合気が
ドーム12内に噴出し、ドーム12内での混合気の流動が促
進される。そして、ピストン３が上死点に達した後、降
下を始めると、排気口５および両掃気口6,7がこの順で
開かれ、燃焼室11内の排ガスが排気口５から排出される
とともに、両掃気口6,7を通じてクランク室10内で圧縮
された新混合気がシリンダ1a内にある角度を以て噴出す
る。この新混合気は燃焼室11内に向って上昇するととも
に、この燃焼室11に当たって反転し、この燃焼室11内の
排ガスを排気口５側に追い出すようになっている。この
ため、燃焼室11内には第４図に示したように、吸気口４
側から排気口５側に向う新混合気の流れ、つまり掃気流
が形成される。
に達した際に、このピストン３の頂面3aとシリンダヘッ
ド２の対向面2aとの間で燃焼室11が形成される。 この
燃焼室11は、ドーム12と、このドーム12に連なるスキッ
シュゾーン13とを備えている。ドーム12は、シリンダ1a
の中心線01−01上に位置されており、上記ピストン３の
頂面3aと対向し合う端部が開口された凹みにて構成され
ている。スキッシュゾーン13は、ドーム12の開口周縁部
の全周からピストン３の頂面3aの外周側に向って広がる
リング状をなしている。このスキッシュゾーン13は、ピ
ストン３の頂面3aと対向し合うスキッシュ面13aを有
し、このスキッシュ面13aは、径方向内側に進むに従い
頂面13aから離間する方向に傾斜されている。したがっ
て、圧縮工程において、ピストン３が上死点付近にまで
上昇すると、スキッシュゾーン13で圧縮された混合気が
ドーム12内に噴出し、ドーム12内での混合気の流動が促
進される。そして、ピストン３が上死点に達した後、降
下を始めると、排気口５および両掃気口6,7がこの順で
開かれ、燃焼室11内の排ガスが排気口５から排出される
とともに、両掃気口6,7を通じてクランク室10内で圧縮
された新混合気がシリンダ1a内にある角度を以て噴出す
る。この新混合気は燃焼室11内に向って上昇するととも
に、この燃焼室11に当たって反転し、この燃焼室11内の
排ガスを排気口５側に追い出すようになっている。この
ため、燃焼室11内には第４図に示したように、吸気口４
側から排気口５側に向う新混合気の流れ、つまり掃気流
が形成される。
ところで、上記ドーム12は第１図および第４図に示し
たように、シリンダ1aの径方向に沿う断面形状が楕円形
に形成されている。そして、このドーム12はその長軸×
1−×1を上記掃気口５の開口方向に沿わせて設けられて
おり、このため、ドーム12全体が掃気流の流れ方向に沿
う細長い形状となっている。ドーム12の先端面12aには
点火プラグ15が中心線O1−O1に対し同軸的にねじ込まれ
ており、この先端面12aにおけるドーム12の短軸×2−×
2方向の径Ｌは、点火プラグ15のねじ部16の径と同等に
形成されている。ドーム12の内周面12bは、全周に亘っ
てピストン13の頂面13aから点火プラグ15側に進むに従
いシリンダ1aの径方向内側に向けて傾斜された傾斜面を
なしている。この内周面12bのうち、ドーム12の長軸X1
−X1の方向に位置された部分は、第２図に示すように、
そのシリンダ1aの径方向に沿う基準線に対する傾斜角度
がθ１に設定されている。同様に、上記内周面12bのう
ち、ドーム12の短軸X2−X2の方向に位置された部分は、
第３図に示すように、そのシリンダ1aの径方向に沿う基
準線に対する傾斜角度がθ２に設定されている。そし
て、傾斜角度θ１と傾斜角度θ２とは、θ１＜θ２の関
係に定められており、ドーム12の長軸X1−X1の方向に位
置された内周面12bの傾斜角度の方が、ドーム12の短軸X
2−X2の方向に位置された内周面12bの傾斜角度に比べて
穏やかとなっている。また、ドーム12の内周面12bと先
端面12aとの境界部分は、半径Ｒの曲面12cで結ばれてい
る。
たように、シリンダ1aの径方向に沿う断面形状が楕円形
に形成されている。そして、このドーム12はその長軸×
1−×1を上記掃気口５の開口方向に沿わせて設けられて
おり、このため、ドーム12全体が掃気流の流れ方向に沿
う細長い形状となっている。ドーム12の先端面12aには
点火プラグ15が中心線O1−O1に対し同軸的にねじ込まれ
ており、この先端面12aにおけるドーム12の短軸×2−×
2方向の径Ｌは、点火プラグ15のねじ部16の径と同等に
形成されている。ドーム12の内周面12bは、全周に亘っ
てピストン13の頂面13aから点火プラグ15側に進むに従
いシリンダ1aの径方向内側に向けて傾斜された傾斜面を
なしている。この内周面12bのうち、ドーム12の長軸X1
−X1の方向に位置された部分は、第２図に示すように、
そのシリンダ1aの径方向に沿う基準線に対する傾斜角度
がθ１に設定されている。同様に、上記内周面12bのう
ち、ドーム12の短軸X2−X2の方向に位置された部分は、
第３図に示すように、そのシリンダ1aの径方向に沿う基
準線に対する傾斜角度がθ２に設定されている。そし
て、傾斜角度θ１と傾斜角度θ２とは、θ１＜θ２の関
係に定められており、ドーム12の長軸X1−X1の方向に位
置された内周面12bの傾斜角度の方が、ドーム12の短軸X
2−X2の方向に位置された内周面12bの傾斜角度に比べて
穏やかとなっている。また、ドーム12の内周面12bと先
端面12aとの境界部分は、半径Ｒの曲面12cで結ばれてい
る。
なお、ドーム12とスキッシュゾーン13との境界部分に
は、周方向に連続する段部14が形成され、この段部14の
燃焼室11に臨む面は、滑らかな曲面14aをなしている。
は、周方向に連続する段部14が形成され、この段部14の
燃焼室11に臨む面は、滑らかな曲面14aをなしている。
このような構成によれば、燃焼室11のドーム12を、掃
気流の流れ方向に沿う楕円形に形成したので、燃焼室11
をドーム12の短軸X2−X2方向に断面した場合には、第３
図に示すように着火点に近いドーム12に対し、混合気が
燃え難いとされるスキッシュゾーン13が広くなる。この
ため、燃焼室11全体として見た場合に、ドーム12内で成
長した火炎がスキッシュゾーン13全体に伝わるのに時間
を要することになり、火炎の伝播速度が遅くなる。
気流の流れ方向に沿う楕円形に形成したので、燃焼室11
をドーム12の短軸X2−X2方向に断面した場合には、第３
図に示すように着火点に近いドーム12に対し、混合気が
燃え難いとされるスキッシュゾーン13が広くなる。この
ため、燃焼室11全体として見た場合に、ドーム12内で成
長した火炎がスキッシュゾーン13全体に伝わるのに時間
を要することになり、火炎の伝播速度が遅くなる。
このように火炎伝播速度が遅くなると、クランク角に
対するシリンダ1a内の圧力上昇が穏やかとなり、ピスト
ン３の頂面3aに加わる衝撃も少なくなる。したがって、
その分、ピストン３自体の振動が抑えられるから、シリ
ンダブロック１やクランクケース９回りの共振を防止す
ることができ、エンジンの騒音を低く抑えることができ
る。
対するシリンダ1a内の圧力上昇が穏やかとなり、ピスト
ン３の頂面3aに加わる衝撃も少なくなる。したがって、
その分、ピストン３自体の振動が抑えられるから、シリ
ンダブロック１やクランクケース９回りの共振を防止す
ることができ、エンジンの騒音を低く抑えることができ
る。
また、スキッシュゾーン13は、ドーム12の全周に亘っ
て連続して形成され、このドーム12の長軸X1−X1の方向
に沿う端部にも存在するので、ドーム12を長円形状とし
たにも拘らず、その長軸X1−X1の方向に沿う両端部にお
いてもスキッシュ効果を得ることができる。このため、
ドーム12の短軸X2−X2の方向にのみスキッシュが生じる
ことはなく、ドーム12の長軸X1−X1の方向と短軸X2−X2
の方向とで火炎伝播の速度差を極力少なくすることがで
きる。したがって、ドーム12の内部での燃焼に偏りが生
じ難くなり、このドーム12内の火炎が燃焼室11全体に燃
え広がるから、結局燃焼室11内での燃焼に偏りが生じる
こともなく、この燃焼室11の回りからの騒音を少なく抑
えることができる。
て連続して形成され、このドーム12の長軸X1−X1の方向
に沿う端部にも存在するので、ドーム12を長円形状とし
たにも拘らず、その長軸X1−X1の方向に沿う両端部にお
いてもスキッシュ効果を得ることができる。このため、
ドーム12の短軸X2−X2の方向にのみスキッシュが生じる
ことはなく、ドーム12の長軸X1−X1の方向と短軸X2−X2
の方向とで火炎伝播の速度差を極力少なくすることがで
きる。したがって、ドーム12の内部での燃焼に偏りが生
じ難くなり、このドーム12内の火炎が燃焼室11全体に燃
え広がるから、結局燃焼室11内での燃焼に偏りが生じる
こともなく、この燃焼室11の回りからの騒音を少なく抑
えることができる。
しかも、上記構成の場合、ドーム12自体が燃焼室11内
での掃気流の流れ方向に沿う楕円形となるので、このド
ーム12内を掃気流が流れ易くなり、ドーム12内の隅々に
まで新混合気が行き亙る。したがって、ドーム12内の掃
気効率が向上し、排ガスが残留し難くなるので、スキッ
シュゾーン13から噴出する混合気による本来のスキッシ
ュ効果と相まって、着火率が高く、火炎の成長が円滑に
行なわれる。
での掃気流の流れ方向に沿う楕円形となるので、このド
ーム12内を掃気流が流れ易くなり、ドーム12内の隅々に
まで新混合気が行き亙る。したがって、ドーム12内の掃
気効率が向上し、排ガスが残留し難くなるので、スキッ
シュゾーン13から噴出する混合気による本来のスキッシ
ュ効果と相まって、着火率が高く、火炎の成長が円滑に
行なわれる。
それとともに、ドーム12の内周面12bは、点火プラグ1
5からピストン３の頂面3aに進むに従い拡開するように
傾斜されているから、ドーム12からスキッシュゾーン13
に向う火炎伝播が円滑になされ、この点でも火炎の成長
を良好に行なう上で好都合となる。
5からピストン３の頂面3aに進むに従い拡開するように
傾斜されているから、ドーム12からスキッシュゾーン13
に向う火炎伝播が円滑になされ、この点でも火炎の成長
を良好に行なう上で好都合となる。
加えて、ドーム12の内周面12bのうち、このドーム12
の長軸X1−X1の方向に位置する部分は傾斜が緩やかであ
るので、掃気流がドーム12内から抜け出る際に、その流
れ方向を大きく変える必要はなく、ドーム12内の掃気効
率がより向上する。したがって、ドーム12内での混合気
への着火性が良好となるとともに、火炎伝播がスキッシ
ュゾーン13の末端の混合気にまで円滑になされ、高出力
が得られるといった利点がある。
の長軸X1−X1の方向に位置する部分は傾斜が緩やかであ
るので、掃気流がドーム12内から抜け出る際に、その流
れ方向を大きく変える必要はなく、ドーム12内の掃気効
率がより向上する。したがって、ドーム12内での混合気
への着火性が良好となるとともに、火炎伝播がスキッシ
ュゾーン13の末端の混合気にまで円滑になされ、高出力
が得られるといった利点がある。
なお、上述した実施例では、ドーム12を楕円形状とし
たが、第７図に示した第２実施例のドーム21のように、
細長い円形状に形成しても良い。
たが、第７図に示した第２実施例のドーム21のように、
細長い円形状に形成しても良い。
また、吸気口はシリンダの内周面に開設するものに限
らず、クランク室に直接開設しても良く、さらに、本発
明に係る２サイクルエンジンは、自動二輪車用に制約さ
れず、その他の車両や車両以外の種々な分野にも適用可
能である。
らず、クランク室に直接開設しても良く、さらに、本発
明に係る２サイクルエンジンは、自動二輪車用に制約さ
れず、その他の車両や車両以外の種々な分野にも適用可
能である。
以上詳述した本発明によれば、燃焼室内での火炎の伝
播速度が遅くなるので、燃焼室内の圧力上昇が穏やかと
なり、ピストン頂面に加わる振動も少なくなる。このた
め、ピストンの振動が減少し、シリンダブロックやクラ
ンクケース回りの共振を防止することができる。しか
も、ドームが長円形状をなすにも拘らず、スキッシュゾ
ーンはドームの全周に亘るので、ドームの長軸方向に沿
う両端部においてもスキッシュ効果を得ることができ、
ドームの長軸方向と短軸方向とで火炎伝播の速度差を極
力少なくすることができる。よって、ドーム内での燃焼
ひいてはスキッシュゾーンを含む燃焼室全体での燃焼に
偏りが生じることもなくなるので、燃焼室回りからの騒
音を少なく抑えることができ、上記ピストン振動が減少
することと合わせて、エンジン騒音が減少する。
播速度が遅くなるので、燃焼室内の圧力上昇が穏やかと
なり、ピストン頂面に加わる振動も少なくなる。このた
め、ピストンの振動が減少し、シリンダブロックやクラ
ンクケース回りの共振を防止することができる。しか
も、ドームが長円形状をなすにも拘らず、スキッシュゾ
ーンはドームの全周に亘るので、ドームの長軸方向に沿
う両端部においてもスキッシュ効果を得ることができ、
ドームの長軸方向と短軸方向とで火炎伝播の速度差を極
力少なくすることができる。よって、ドーム内での燃焼
ひいてはスキッシュゾーンを含む燃焼室全体での燃焼に
偏りが生じることもなくなるので、燃焼室回りからの騒
音を少なく抑えることができ、上記ピストン振動が減少
することと合わせて、エンジン騒音が減少する。
また、掃気流の流れ方向に沿うような形状となるた
め、ドーム内の隅々にまで掃気流が充分に行き渡るとと
もに、掃気流がドーム内から抜け出る際に、その流れ方
向を大きく変える必要もなく、ドーム内の掃気効率がよ
り向上する。このため、ドーム内に排ガスが残留し難く
なり、混合気への着火性が良好となる。それとともに、
ドームの内周面は、点火プラグからピストン頂面に進む
に従い拡開するように傾斜されているから、ドームから
スキッシュゾーンへの火炎伝播が円滑になされ、燃焼室
内での火炎の成長が良好となる。したがって、上記混合
気への着火性が良好となることと合わせて、火炎伝播が
スキッシュゾーンの末端の混合気にまで円滑になされ、
高出力が得られるといった利点がある。
め、ドーム内の隅々にまで掃気流が充分に行き渡るとと
もに、掃気流がドーム内から抜け出る際に、その流れ方
向を大きく変える必要もなく、ドーム内の掃気効率がよ
り向上する。このため、ドーム内に排ガスが残留し難く
なり、混合気への着火性が良好となる。それとともに、
ドームの内周面は、点火プラグからピストン頂面に進む
に従い拡開するように傾斜されているから、ドームから
スキッシュゾーンへの火炎伝播が円滑になされ、燃焼室
内での火炎の成長が良好となる。したがって、上記混合
気への着火性が良好となることと合わせて、火炎伝播が
スキッシュゾーンの末端の混合気にまで円滑になされ、
高出力が得られるといった利点がある。
第１図ないし第６図は本発明の第１実施例を示し、第１
図は燃焼室の平面図、第２図は第１図中II−II線に沿う
断面図、第３図は第１図中III−III線に沿う断面図、第
４図は掃気流とドームの形状を示す構成図、第５図は２
サイクルエンジンの断面図、第６図は第５図中VI−VI線
に沿う断面図、第７図は本発明の第２実施例を示す平面
図である。 1a……シリンダ、３……ピストン、3a……頂面、５……
排気口、11……燃焼室、12,21……ドーム、12b……内周
面、13……スキッシュゾーン、15……点火プラグ、X1…
…長軸、X2……短軸。
図は燃焼室の平面図、第２図は第１図中II−II線に沿う
断面図、第３図は第１図中III−III線に沿う断面図、第
４図は掃気流とドームの形状を示す構成図、第５図は２
サイクルエンジンの断面図、第６図は第５図中VI−VI線
に沿う断面図、第７図は本発明の第２実施例を示す平面
図である。 1a……シリンダ、３……ピストン、3a……頂面、５……
排気口、11……燃焼室、12,21……ドーム、12b……内周
面、13……スキッシュゾーン、15……点火プラグ、X1…
…長軸、X2……短軸。
Claims (1)
- 【請求項１】点火プラグが臨むとともに、ピストン頂面
と対向し合う端部が開口されたドームと、 このドームの開口周縁部の全周からピストン頂面の外周
側に向って広がり、ピストンが上死点付近に達した際に
混合気を圧縮して上記ドーム内に噴出させるリング状の
スキッシュゾーンと、を備えた２サイクルエンジンの燃
焼室において、 上記ドームは、互いに直交し合う長軸と短軸とを有する
長円形状をなしており、このドームの長軸をシリンダ内
面の排気口の開口方向に沿わせて配置するとともに、 上記ドームの内周面は、ピストン頂面側から点火プラグ
側に進むに従い径方向内側に向けて傾斜させ、 このドームの内周面のうち、上記長軸の方向に位置する
内周面の傾斜角度をθ１、上記短軸の方向に位置する内
周面の傾斜角度をθ２とした時、 θ１＜θ２ に規定したことを特徴とする２サイクルエンジンの燃焼
室。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60110923A JP2521659B2 (ja) | 1985-05-23 | 1985-05-23 | ２サイクルエンジンの燃焼室 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60110923A JP2521659B2 (ja) | 1985-05-23 | 1985-05-23 | ２サイクルエンジンの燃焼室 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61268821A JPS61268821A (ja) | 1986-11-28 |
| JP2521659B2 true JP2521659B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=14548047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60110923A Expired - Lifetime JP2521659B2 (ja) | 1985-05-23 | 1985-05-23 | ２サイクルエンジンの燃焼室 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2521659B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5815713A (ja) * | 1981-07-21 | 1983-01-29 | Sanshin Ind Co Ltd | ポ−ト掃気式２サイクルエンジン |
-
1985
- 1985-05-23 JP JP60110923A patent/JP2521659B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61268821A (ja) | 1986-11-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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