JP2521424Y2 - パーソナルブック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、突きそろえ機や三方断
裁機等の製本用機器を用いることなく容易に製本できる
簡単な構造のパーソナルブックに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一定のストーリーに合う図柄のみ
を予め印刷した１０枚程度を１セットとする絵本の中身
を用意するとともに、この一定のストーリーを予めコン
ピューターに入力しておき、該ストーリーの中に、注文
主の要求に基づいた主人公の名前や生い立ち等をはじ
め、知人、場所、日時等の個人情報を入力してストーリ
ーを完成させ、完成したストーリーを前記絵本の中身の
図柄を印刷した用紙の空欄にプリントアウトして刷り込
み、これを角背・溝付の表紙と組み合わせて製本し、誕
生日や入園・入学の際に、その主人公となる子供にプレ
ゼントするオーダーメードのパーソナル絵本は公知であ
る。

【０００３】上記の子供用のパーソナル絵本は、本の中
身の用紙が厚く、また、ページ数が２４頁程度のもので
あるため、本の中身の固定は、「ホッチキス」により背
側の側縁に沿って４〜５ケ所固定し、この本の中身のホ
ッチキス止めの部分を、別に作成した角背・溝付表紙の
両内面に設けられた見返しの遊び側の背側内面に対向的
に設けた粘着テープにて接着固定することにより一冊の
絵本として完成させていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】１セットが数枚の絵本
の場合は、中身自体が軽く、また、用紙自体が厚いた
め、前述のような、ホッチキスによる中身の固定と、見
返しの遊び片に設けた粘着テープによる中身の接着によ
る製本でも充分な強度が得られるが、比較的薄い用紙を
用いた本の中身が数十枚に及ぶ文章を中心とするパーソ
ナルブックについては、ホッチキスでは中身の固定がで
きず、また、何らかの手段で中身を固定したとしても、
この中身と角背・溝付表紙との固定が、前述のような見
返しの遊び側に設けた粘着テープによる固定のみでは中
身の重さに耐えられず、見返しのきき紙側の背に近い部
分が剥離する危険性がある。また、上述のような個別情
報を追加刷りしたオーダーメードによるパーソナルブッ
クは、発行部数が１部から数部と極めて少ないため、突
きそろえ機や三方断裁機等の製本用機器が適用しがた
く、また、あまり経費をかけることができないという課
題もある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、上述のような
数十枚を１セットとする本の中身を、予め設けておいた
ハトメ孔を利用することにより正確に揃えて綴じると共
に、角背・溝付表紙への固定手段として、従来通りの見
返しの遊び側に設けた粘着テープによる接着固定に加え
て、背の内面との間に薄いクッション材を設け、中身の
背をもこのクッション材を介して表紙の背の内面に接着
固定することにより体裁よく丈夫な製本を得るようにし
たものである。

【０００６】すなわち、本考案のパーソナルブックは、
所定の大きさに裁断され、背側の一側縁に沿って予め複
数のハトメ孔５が設けられた本文３等をハトメ７にて綴
じた本の中身４と、背１１の内面に、上面に粘着剤を有
する薄いクッション材１２が接着され、表表紙と裏表紙
の各内面に設けられた見返し１３、１３の遊び１４、１
４側の背側内面に一定幅の粘着テープ１５、１５を対向
させて設けた角背・溝付表紙１０とからなり、前記本の
中身４の背を前記表紙１０の薄いクッション材１２に圧
接して接着させると共に、中身４のハトメ綴じの部分を
見返しの両遊び１４、１４に設けた粘着テープ１５、１
５と接着したことを特徴とするものである。なお、本文
３の他に、必要に応じて、本とびら１や口絵２等を付加
することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明
する。図３は、本とびら１、口絵２、本文３等からなる
本の中身４を形成するもので、これらは全て所定の大き
さに裁断され、背側の一側縁に沿って複数のハトメ孔５
が設けられているものであり、折り型溝６は必要により
設けられるものである。

【０００８】上記本の中身４には、予め作成された一定
のストーリーの素案に、注文主の要求に基いた主人公の
名前や生いたち等をはじめ、知人、場所、日時等の個人
情報を適宜追加した文章が印刷され、その主人公を中心
とする１つのまとまったストーリーのものに仕上げられ
る。

【０００９】上記ストーリーの素案は、予め数種類用意
してコンピューターに入力しておき、注文主が上記個人
情報を出版社に申し出ることにより、必要な個所に当該
個人情報を入力してストーリーを完成させ、これを前記
本の中身の用紙にプリントアウトする。プリントアウト
の後、本の中身のページ合せをして図１の如く、前記ハ
トメ孔５にハトメ７を設けて本の中身４が綴じられる。
この際、必要により両面に多少厚手の遊び紙８、８を設
けてもよい。

【００１０】図１下部の１０は、厚紙を芯材とし所定の
表装が施された角背・溝付表紙（以下単に「表紙」とい
う）で、この表紙の背１１の内面には、上面に粘着剤を
有する薄いクッション材１２（例えばシート状スポンジ
又は粘着テープ）が予め接着固定されており、製本時ま
では薄いクッション材１２の上面に剥離紙（図示省略）
が設けられている。

【００１１】また、表紙１０の表表紙と裏表紙の内面に
は各々見返し１３、１３が設けられ、これら見返しの遊
び１４、１４側の背側内面（中身側）に一定幅の粘着テ
ープ１５、１５が対向的に設けられており、この粘着テ
ープ１５、１５にも製本時まではその表面に剥離紙（図
示省略）が設けられている。そして、この表紙１０は所
定のものを予め多数作成し用意される。

【００１２】本考案は、前述の本の中身４を表紙１０と
組み合せ固着したものであるが、両者の固着に際して
は、表紙１０の薄いクッション材１２上面の剥離紙を剥
すと共に、両見返しの遊び１４、１４側の背側内面に設
けた粘着テープ１５、１５表面の剥離紙を剥し、図２の
如く、表紙１０を開いて本の中身４の背を薄いクッショ
ン材１２の上面に圧接した状態で、両側の見返しの遊び
１４、１４側に設けた粘着テープ１５、１５を中身４の
両外面に押しつけ接着する。

【００１３】上記手段により予めハトメ綴じされた本の
中身４は、背とハトメ部分両面の三方が、表紙１０の背
の内面と見返しの両遊び側に確実に固着される。

【００１４】

【考案の効果】本考案は、表紙の背の内面に粘着剤を有
する薄いクッション材を設けると共に、見返しの両遊び
側の内面に粘着テープを設けた角背・溝付表紙を予め用
意しておき、注文主の要望により主人公、知人、日付等
の個人情報を追加して１つのストーリーを完全させたも
のを本の中身用紙に印刷した後、本の中身をハトメにて
綴じ、その後、中身の背部分を前記各粘着剤や粘着テー
プを利用して表紙に固着するものであるから、中身は素
人でも不揃いなく綴じることができ、また、表紙の取り
付けに際しても、剥離紙を剥がし、位置合せを行ない圧
着するという極めて簡単な作業で確実な製本ができる。

【００１５】従って、一冊しか注文のないパーソナルブ
ックでも、突きそろえ機や三方断裁機等の製本用機器を
用いることなく製本することができ、また、当該パーソ
ナルブックの中身綴じや表紙取り付け等の製本作業は素
人によるパートタイマーや内職仕事としても可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の分解斜視図

【図２】本の中身と表紙の取り付け形態を示す部分斜視
図

【図３】本の中身の綴じる前の平面図

【符号の説明】

１ 本とびら ２ 口絵 ３
本文 ４ 中身 ５ ハトメ孔 ６
折り型溝 ７ ハトメ ８ 遊び紙 １
０ 角背・溝付表紙 １１ 背 １２ 薄いクッション剤 １
３ 見返し １４ 見返しの遊び １５ 粘着テープ

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の大きさに裁断され、背側の一側縁
   に沿って予め複数のハトメ孔５が設けられた本文３等を
   ハトメ７にて綴じた本の中身４と、背１１の内面に、上
   面に粘着剤を有する薄いクッション材１２が接着され、
   表表紙と裏表紙の各内面に設けられた見返し１３、１３
   の遊び１４、１４側の背側内面に一定幅の粘着テープ１
   ５、１５を対向させて設けた角背・溝付表紙１０とから
   なり、前記本の中身４の背を前記表紙１０の薄いクッシ
   ョン材１２に圧接して接着させると共に、中身４のハト
   メ綴じの部分を見返しの両遊び１４、１４に設けた粘着
   テープ１５、１５と接着したことを特徴とするパーソナ
   ルブック。
2. 【請求項２】 本の中身４の表裏両面に厚手の遊び紙８
   を有する請求項１記載のパーソナルブック。
3. 【請求項３】 薄いクッション材１２が、シート状スポ
   ンジである請求項１又は２記載のパーソナルブック。
4. 【請求項４】 薄いクッション材１２が、粘着テープで
   ある請求項１又は２記載のパーソナルブック。