JP2520363B2 - 傾斜堤 - Google Patents

傾斜堤

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JP2520363B2 JP5136570A JP13657093A JP2520363B2 JP 2520363 B2 JP2520363 B2 JP 2520363B2 JP 5136570 A JP5136570 A JP 5136570A JP 13657093 A JP13657093 A JP 13657093A JP 2520363 B2 JP2520363 B2 JP 2520363B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、風波に対する海岸保全
の防波施設である傾斜型の防波堤・離岸堤・突堤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の海岸保全施設として施工されてい
る防波堤・離岸堤・突堤の代表的な工法としては、混成
防波堤工法・傾斜堤工法・異型消波ブロック堤体工法が
ある。混成防波堤工法は、堤下部に捨石を用いて基礎に
し、その上に直立堤を設置するものである。傾斜堤工法
は、断面が台形になるように石塊・コンクリート塊を投
入して堤体を形成するものである。異型消波ブロック堤
体工法は、異形消波ブロックを累積する構造によって砕
波・擾乱をおこし波のエネルギーを消去する工法であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここにおいて、従来の
混成防波堤工法のものは、波高のわずかな増大に弱く、
破壊されやすいという問題点がある。又、傾斜堤工法
は、堤体そのものは全体として安定する傾向が強いが、
堤体表面に大波浪の波力を受けると表面石塊が不安定と
なり、飛散破壊するおそれがある。そして、近年の石材
不足でこの堤体の採用が難しくなっていた。次に、異型
消波ブロック堤体は、波の消波において優れているが、
透過波があるという欠点のほか特に海と岸とを隔てて自
然環境・視覚上において環境を損なうものであった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、従来の
防波工法についてのこれらの問題点を解消し、第1次波
を効率的によく消波するとともに、大波浪に対して構造
が安定して力学的合理性をもち、しかも環境を損なうこ
となく自然とよく調和できるという傾斜堤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の要旨は、空隙を形成した堤体内部ブロックを千鳥
状に組み合わせながらピラミッド状に積み上げて堤本体
を構築し、同堤本体の外側部を堤本体中央上面に向けて
緩傾斜した閉塞斜面を有する外周ブロックでもって被層
したことを特徴とする傾斜堤にある。
【0006】
【作用】この発明では、互いに係合する凹凸を成形した
複数の堤体内部ブロックを千鳥状に組み合わすように構
築することによって、強固に連結され安定した堤本体を
形成する。この外周に緩傾斜した閉塞斜面を有する外周
ブロックを噛み合わせて被層している。従って、本発明
の傾斜堤では、波浪の波圧を外周ブロックの緩傾斜した
閉塞斜面によって逃がし、圧力を弱めている。又、海水
はこの閉塞斜面によって遮断され、堤本体内部への波の
直接の進入はなくなり、内部の堤本体を保護している。
このため、堤体内部ブロックの損傷・崩壊することがな
くなる。高い波浪の場合は、本発明の傾斜堤を越波して
背後へ流出させる。又、外周ブロックの傾斜面は平面的
であり、ここに種々の模様・石張り等の意匠や化粧を施
すことで、環境美観を良好なものにできる。又、堤背後
及び堤上面は海水浴・ボート乗り・魚釣り等のレジャー
の場所として利用できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は実施例の一部切欠平面図、図2は実施例の
一部切欠正面図、図3は実施例のA−A断面図、図4は
実施例の堤体内部ブロックを示す平面図、図5は実施例
の堤体内部ブロックを示す正面図、図6は実施例の堤体
内部ブロックを示す側面図、図7は実施例の外周ブロッ
クを示す平面図、図8は実施例の外周ブロックを示す正
面図、図9は実施例の外周ブロックを示す側面図、図1
0は実施例のコーナー部の外周ブロックを示す平面図、
図11は実施例のコーナー部の外周ブロックを示す正面
図、図12は実施例のコーナー部の外周ブロックを示す
側面図である。
【0008】図中、1はコンクリート製堤体内部ブロッ
ク、2は堤本体、3は同堤本体のコーナー部以外の場所
で使用されるコンクリート製外周ブロック、4は堤本体
2のコーナー部分に使用されるコンクリート製外周ブロ
ック、5は基礎石、6は基礎地盤である。又、10は堤
体内部ブロック1の基板、11は同基板の四隅部に設け
た脚部、12は基板10の中央に開口した通水口であ
る。又、30は外周ブロック3の本体、31は同本体の
閉塞斜面、32は本体30の係合用脚部、33は係合用
凹部、34は堤本体2の最上部に設置される外周ブロッ
ク3の中央開口部、40は外周ブロック4の閉塞斜面、
41は外周ブロック4の係合用突起、42は外周ブロッ
ク4の係合用凹部である。
【0009】この実施例では、基礎地盤6上に基礎石5
を敷き、その上に堤体内部ブロック1を複数設置する。
設置された堤体内部ブロック1の上に半身程前後に移動
し、又左右方向にも半身程左右いずれかにずらして、そ
の脚部11が下方の堤体内部ブロック1の通水口の一部
の上に位置するように設置する。これを必要堤高に対す
る段数だけ繰り返して堤本体2を構築する。この堤本体
2の外周のコーナー部分には、図10,11,12に示
す外周ブロック4を係合用突起41,係合用凹部42を
使って上下のブロックと係合させながら設置し、又非コ
ーナー部分には、図7,8,9に示す外周ブロック3を
脚部32,凹部33を使って上下のブロックと係合して
所要段数だけ積層設置する。堤本体2の最上段には、中
央開口部34を有する外周ブロック3を設置する。この
ように構築された完成状態は図1,2,3に示されるよ
うな傾斜堤となる。
【0010】この傾斜堤は、堤体内部ブロック1は外周
ブロック3,4によって閉塞されたコンクリート壁で覆
われるようになる。海水の波浪の直接の進入は外周ブロ
ック3,4の閉塞した傾斜面によって阻止され、内部の
堤体内部ブロック1がその波浪エネルギーを直接受ける
ことがなくなり、波浪で堤体内部ブロック1が崩壊・損
傷を受けることがない。又、波浪の大きなものは、閉塞
斜面31,40が形成する緩傾斜面を超えて移動し、そ
の波圧を逃がして圧力を弱め、堤体は安定している。
又、施工性もクレーンを使用して堤体内部ブロック1、
外周保護ブロック3,4を吊り上げて組み合わせるよう
にして順次積層すればよく、問題なく作業が行える。
【0011】更に、堤体外周は閉塞斜面31,40によ
って覆われているので、ここに種々の模様の意匠又は化
粧を付すことで美観上優れた景観のものができる。又、
小波浪時には波の透過が無いので背後海面は海水浴・ボ
ート乗りができ、堤上面は魚釣り場として利用できる。
【0012】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、傾斜堤に
よって波を効率よく消波するとともに、大波浪に対して
構造が安定して破壊がなく、しかも環境も損なうことな
く自然とよく調和し、安全な魚釣り場・海水浴・ボート
乗り場としても利用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の一部切欠平面図である。
【図2】実施例の一部切欠正面図である。
【図3】実施例のA−A断面図である。
【図4】実施例の堤体内部ブロックを示す平面図であ
る。
【図5】実施例の堤体内部ブロックを示す正面図であ
る。
【図6】実施例の堤体内部ブロックを示す側面図であ
る。
【図7】実施例の外周ブロックを示す平面図である。
【図8】実施例の外周ブロックを示す正面図である。
【図9】実施例の外周ブロックを示す側面図である。
【図10】実施例のコーナー部の外周ブロックを示す平
面図である。
【図11】実施例のコーナー部の外周ブロックを示す正
面図である。
【図12】実施例のコーナー部の外周ブロックを示す側
面図である。
【符号の説明】 1 堤体内部ブロック 2 堤本体 3 外周ブロック 4 外周ブロック 5 基礎石 6 基礎地盤 10 基板 11 脚部 12 通水口 30 本体 31 閉塞斜面 32 脚部 33 凹部 34 中央開口部 40 閉塞斜面 41 突起 42 凹部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空隙を形成した堤体内部ブロックを千鳥
    状に組み合わせながらピラミッド状に積み上げて堤本体
    を構築し、同堤本体の外側部を堤本体中央上面に向けて
    緩傾斜した閉塞斜面を有する外周ブロックでもって被層
    したことを特徴とする傾斜堤。
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JP2008214883A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Nikken Kogaku Co Ltd 自然石ブロック及びその製造方法並びに自然石ブロック構造物の施工法
CN109281794B (zh) * 2018-11-13 2024-03-29 三峡大学 一种海堤消能发电系统及消能发电方法

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