JP2519778Y2 - プラスチック製管継手 - Google Patents

プラスチック製管継手

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JP2519778Y2
JP2519778Y2 JP1991053311U JP5331191U JP2519778Y2 JP 2519778 Y2 JP2519778 Y2 JP 2519778Y2 JP 1991053311 U JP1991053311 U JP 1991053311U JP 5331191 U JP5331191 U JP 5331191U JP 2519778 Y2 JP2519778 Y2 JP 2519778Y2
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plastic
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眞好 喜多川
一郎 塩見
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Kurimoto Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は一方がプラスチック管と
継合し、他方が水道メータや分水栓その他の金属製部材
と継合する金属製のインサート金具を継合部とするプラ
スチック製管継手に係る。
【0002】
【従来の技術】プラスチック管は軽量であり耐食性も高
いので金属製の管に代って多くの用途に供されるように
なった。この場合、管継手としてもプラスチック製のも
のを適用する方が何彼と有利であり、エレクトロフュー
ジョン(電融溶着)方式のようにプラスチック独自の継
合方法も開発され、この点についても、例えば鋼管と鉄
製の継手の継合より有利な点が多い。ところで、管路の
末端などで一方はプラスチック管と継合するが、他方は
金属製の部材、例えば量水器,分水栓などと継合する場
合が必要となり、この必要のためプラスチック製の継手
本体と金属製のインサート金具を一体的に結合した管継
手を提供しなければならない。すなわち、管継手を製作
するに当ってプラスチックの射出成形用の金型内へ予め
インサート金具を嵌入しておいて上型,下型,中子型の
組合せで形成した間隙内へプラスチックの溶融体を射出
し、インサート金具と結合したプラスチック継手本体を
成形するのである。この管継手においても他の場合と同
様、継合部分から漏水が生じてはならない。しかし、プ
ラスチックの継手本体とインサート金具という異質の部
材の組合せより成り立っているから、漏水については単
一材料による場合よりも特別な配慮が必要となる。図2
は従来技術の一例であってプラスチック製の継手本体1
aの一方の継合部は電熱線11aを埋設したプラスチッ
ク管との継合部を形成し、他方に金属製のインサート金
具2aによる継合部を形成し、管用ねじ22aを刻設し
て相手部材のねじと螺合するように構成している。イン
サート金具2a内を通過する圧力水が外部へ漏洩しない
ように、インサート金具の外周形状に複雑に屈折した突
条101を設けたものである。すなわち、仮に漏水が起
ったとしても外面へ到達するまでには複雑で長い距離を
浸出しなければならず、そのため漏水が途中で食い止め
られるという発想で設計した一例である。また、図3は
この型式の管継手の別の事例を示し、インサート金具2
bの外周コーナ部分にゴム製のパッキン3bを嵌着し、
仮に漏水が起ってもインサート金具2bの外周面を伝っ
て進行しようとする漏水が、このゴム製パッキン3bに
達すると前進を阻まれ、この点で漏水が阻止するという
発想で設計した一例である。図4は実開平2−6898
号公報で示す別の従来技術であり、プラスチック製の継
手本体1c(ソケット)とインサート金具2cとが接合
して構成において、インサート金具の接合部から水平方
向に少なくとも二つの環状の突起101を設けてその間
に一つの環状溝102を形成し、該環状溝へ噛合するソ
ケットの突起103の先端に、弾性材料からなり断面が
円形状でソケット成形時に固着された環状のシール材3
cを配した構成である。この構成によって金属とプラス
チックという接着性に乏しい材料同士の接合部も、ソケ
ット成形時の圧力のために接触面圧の掛かったシール材
が挟在するので、ガスや水道水などの漏洩を防止する封
止性が確保されると謳っている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】図2のようにインサー
ト金具の形状を複雑にして漏水の進行を阻止しようとす
る方法は、インサート金具そのものの大きさが増加して
重量も増え、プラスチック製の継手本体との強度上や重
心上のバランスが大きく崩れる恐れがあるし、これを防
止しようとすれば管継手全体の大きさ,重量も増加せざ
るを得ない。また例えばポリオレフィン系の樹脂の場合
では金属との接着性が悪いから、如何にインサート金具
の外周面を複雑にしてもその割に水封上の効果を期待す
ることはできない。また、管継手を製造する時にインサ
ート金具の外周面に複雑な突条が突設されていると、射
出した溶融プラスチックの噴射が衝突して流勢を落し、
突条と突条の間が完全緊密に充填できないという課題が
残る。一方、軟質のゴムなど通常使用されているパッキ
ンをインサート金具の外周面に嵌着する方法では、あら
かじめ嵌着したインサート金具との間には通常のパッキ
ン使用部と同様な水封作用が働くが、嵌着後射出成形し
たプラスチックとの間に働く押圧力は樹脂の収縮による
ものだけに過ぎず、インサート金具とプラスチック継手
本体との境界面を伝ってきた漏水がここで前進を阻まれ
るという期待はあまりできない。同じことは図4の従来
技術でも言えることであり、金属製のインサート金具と
プラスチック製の継手本体(ソケット)の接合部表面間
の漏水(ガス漏れ)を防止するのは、シール材の弾性変
形に基ずくシール性だけであるが、使用前に断面が円形
であるシール材がプラスチック圧入の加圧力によって押
圧され楕円状に変形したとしても、プラスチック材は凝
固とともに多少の収縮は避けられないから、この押圧力
が減退することは言うまでもない。ましてや材料がポリ
エチレンやポリブテンのような結晶性プラスチックであ
れば、成形後に結晶化が起こり、その時点でも収縮が伴
うのでこの懸念は一段と増幅する。従って一体的に接合
した後、目視できない状態においてどの程度のシール性
が維持されているかは確認する術もなく、甚だ疑問であ
る。さらにプラスチック成形前の金型内へ溝102の底
へ装着された断面円形のシール材に向けて液状のプラス
チックが圧入されたとき、金属表面とシール材表面 の間
に液体が圧入する可能性もかなり高いから、シール材の
裏面にプラスチック材が回り込むと、凝固後、シール材
はプラスチックの被膜に覆われて全面から均等な静圧を
受ける状態となり、肝心の金属表面とプラスチック表面
間のシール性に有効な弾性作用が減殺される懸念が大き
い。継手本体自体の形状を見ると、図4においてシール
材3cを介在して環状突起103が、インサート金具の
二つの環状突状101間へ噛合しているが、本来、継手
部として最も重要な使命は継合する両方の管が抜け落ち
ないように把持することにあり、水平方向への引抜き力
に強い抵抗のあることである。この点では当従来技術の
ソケットは横方向の拘束は実施例で示す架橋104だけ
であり、引抜き力の負荷によって管が離脱しないまで
も、ソケット材の弾性変形が伴えば負荷の方向で接して
いるシール材にも直接影響が及んで、封止機能が破れる
危険性もうかがえる構造と言わざるを得ない。
【0004】本考案は以上に述べた課題を解決するため
に、この型式の管継手における継合部からの漏水を確実
に遮断するものの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案に係るプラスチッ
ク製管継手は、一方がプラスチック管との継合部を形成
し、他方が管用ねじを刻設した金属製のインサート金具
を継合部とする型式であり、段差23を設けて縮径した
インサート金具2の外周面21に少なくとも1条の環状
の突条24を突設し、該突条24の側面と段差23の間
の溝部25へ水膨張ゴムよりなるパッキン3を嵌着し、
プラスチック製の継手本体1の係合部12が前記パッキ
ンおよび突条24の先端面26を含む全ての外周を被覆
して一体的に圧着していることによって前記の課題を解
決した。
【0006】
【作用】プラスチックの継手本体とインサート金具との
間を伝って管内の水が漏洩進行してきたとき、両部材の
境界面を遮って水膨張ゴムよりなるパッキンがあり、漏
水と接触したパッキンは直ちに膨張して自分の容積を増
大するから、元の嵌着位置で接していたプラスチック面
とインサート金具面へ強い押圧力を発揮し、漏水はここ
で遮断されて以後の進行が停止される。
【0007】
【実施例】図1は本考案の実施例を示し、プラスチック
製の継手本体1の一方は電熱線11を埋設したプラスチ
ック管との継合部12を開口し、他方はインサート金具
2と結合している。インサート金具2はプラスチックの
継手本体1と内接する外周面21に水膨張ゴムよりなる
パッキン3を嵌着し、他方に金属製部材と継合する開口
部に管用ねじ22を刻設している。パッキン3の実施例
としてはEPDM(エチレン−プロピレン共重合体)に
吸水材料としてアクリル系樹脂を配合したものが望まし
い。この実施例の物性値は硬さ(JISA)78度、引
張強さ66Kgf/cm2、伸び430%、水膨張性は24時
間後に240%、72時間後に420%を保証してい
る。またパッキンが漏水に接触した時、その管路が水道
用である場合には有害物質の溶出が無いことを必要とす
る。前記実施例ではこのような溶出が認められず、飲料
用水として合格していることも確認されている。図1で
はパッキン3の形状を角帯状にしているが、その他Oリ
ング,Dリングでも差し支えない。プラスチックの継手
本体の材質は、ポリエチレン,ポリブテン,ポリ塩化ビ
ニールなど全ての合成樹脂へ適用が可能であるが、水道
用としてはポリエチレン、それも管よりも密度の高い材
料を継手本体に適用すると好成績が得られる。管と継手
本体1との継合は、本例ではエレクトロフュージョン方
式を示したが、勿論その他の方式、例えば接着,メカニ
カルなどでも適用でることは言うまでもない。
【0008】
【考案の効果】本考案は以上に述べたとおり、プラスチ
ック製の継手本体1と金属製のインサート金具2との間
に漏水が生じてもこれが進行して外部へ漏洩することが
ないから、配管後の保全が有利でトラブルの発生が少な
いという効果がある。総括すれば、漏水発生以前の使用
状態でも引用例とは異なり、プラスチック材の収縮作用
を受けてシール材は十分な緊張状態が維持されて確実な
シール作用が発揮できる上、さらに万一不測の原因で漏
水が始まったとしても、そのトラブルを逆利用してその
場で浸入を食い止めるという二重の自己防衛機能が働く
のであらゆる従来技術を凌駕する封止機能の信頼性が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す断面図である。
【図2】従来の技術を示す断面図である。
【図3】別の従来技術を示す断面図である。
【図4】さらに別の従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体 2 インサート金具 3 パッキン 11 電熱線 12 継合部 21 外周面 22 管用ねじ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方がプラスチック管との継合部を形成
    し、他方が管用ねじを刻設した金属製のインサート金具
    を継合部とするプラスチック製管継手において、段差2
    3を設けて縮径したインサート金具2の外周面21に少
    なくとも1条の環状の突条24を突設し、該突条24の
    側面と段差23の間の溝部25へ水膨張ゴムよりなるパ
    ッキン3を嵌着し、プラスチック製の継手本体1の係合
    部12が前記パッキンおよび突条24の先端面26を含
    む全ての外周を被覆して一体的に圧着していることを特
    徴とするプラスチック製管継手。
JP1991053311U 1991-06-13 1991-06-13 プラスチック製管継手 Expired - Lifetime JP2519778Y2 (ja)

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