JP2518630C - - Google Patents

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JP2518630C
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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は窒化珪素質焼結体及びその製法に関し、より詳細には例えばボールベ
アリング等のように高い機械的強度および低い気孔率を必要とする摺動部材等に
適した窒化珪素質焼結体及びその製法に関する。 〔従来技術〕 近年、セラミックスは高硬度、耐摩耗性に優れしかも比重が小さいことからそ
の特性を利用して各種の機械部品への応用が行われている。機械部品の中でも摺
動部材として適用する場合は特に優れた機械的強度が要求されることからセラミ
ックスとして強度、組織の均一化、バラツキの低減を改善する必要がある。 一方セラミックスのうち窒化珪素質焼結体は高強度が得られる材料として注目
され、焼成、助剤の検討等あらゆる改善が提案されている。 通常、窒化珪素質焼結体は窒化珪素粉末に焼結助剤として周期律表第II、III
族元素化合物粉末を添加してボールミル等によって混合し、得られた混合粉末を
成形して周知の焼成法、例えば常圧焼成法、ホットプレス法、窒素ガス圧焼成法
、熱間静水圧焼成法等によって高硬度でボイドの少ない焼結体を得ることが試み
られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記焼成法のうちホットプレス法は機械的強度が十分ではあるが複雑形状品を
作るのが困難であり、量産性においても不向きである。また窒素ガス圧焼成法は
、機械的強度の上で実用上十分に大きいとは言えず、また、常圧焼成法で緻密体
を得る為には焼結助剤の添加量を増やす必要があり、それによって高温強度が低
下する傾向にある。 また、焼結助剤の検討においても各種の組み合わせが上述した焼結法とともに
検討されているが、焼結体としての組織が不均一であって焼成条件等のブレにと
もなう製品としての強度等の品質のバラツキが大きく安定した製品の供給ができ
いない等の致命的欠点を有していた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者は上述したような欠点に対し、検討を重ねた結果、焼結体中で焼結助
剤の分散性に着目し、従来のように単なる粉末と粉末との混合を行うかわりに窒
化珪素粉末粒子個々に対し特定の焼結助剤成分を添加してこれを原料粉末として
用いることによって、焼結体における窒化珪素結晶粒子の異常粒成長を抑制する
ことができ強度等の特性のバラツキのない高強度の緻密な焼結体が得られること
を知見し、本発明に至ったものである。 即ち、本発明は、主として窒化珪素から成る結晶相と、少なくとも希土類元素
及びアルミニウムを含有する粒界相から成り、前記希土類元素を酸化物換算で3
乃至10重量%、アルミニウムをアルミナ換算で1乃至5重量%の割合で含有し
、前記結晶相粒子の長軸の長さが20μm以下、短軸の長さが2μm以下で且つ
アスペクト比(長軸長/短軸長)が6〜10であって、室温における抗折強度が
102kg/mm2以上、開気孔率が0.2%以下であることを特徴とする窒化
珪素質焼結体を提供するものである。また、本発明によれば、焼結助剤成分とし
て、希土類元素、アルミニウムのいずれか一方のゲル状水酸化物と平均粒径1μ
m以下の窒化珪素粉末とを混合後、焙焼して得られた粉末と、前記焼結助剤成分
の他方を含む化合物との混合粉末、あるいは、希土類元素のゲル状水酸化物とア
ルミニウムのゲル状水酸化物と平均粒径1μm以下の窒化珪素粉末とを混合後、
焙焼して得られた粉末を、成型後、大気圧下の非酸化性雰囲気中で1700乃至
1800℃で焼成するか、あるいは、更にこの焼結体を1500乃至1800℃
で1000乃至2000気圧の条件で熱間静水圧焼成して、窒化珪素結晶相の長
軸の長さが20μm以下、短軸の長さが2μm以下で且つアスペクト比(長軸長
/短軸長)が6〜10であって、室温における抗折強度が102kg/mm2
上、開気孔率が0.2%以下の焼結体を得ることを特徴とする窒化珪素質焼結体
の製法を提供するものである。 以下、本発明を詳述する。 本発明によれば、機械的強度に優れ且つ特性のバラツキがない緻密な窒化珪素
質焼結体を得ることに対し、窒化珪素質焼結体の組織中に異常粒成長がない均一
な結晶であることが重要である。通常焼結体中では、窒化珪素はβ型窒化珪素と して柱状の結晶となる。 本発明者はこの結晶の形状について検討を行ったところ、柱状結晶の長軸の長
さが20μm以下、特に10μm以下、短軸の長さが2μm以下、特に1μm以
下であること、(長軸長/短軸長)で表わされる結晶のアスペクト比が6〜10
、特に6〜8であることが高強度でバラツキのない焼結体となる要因であること
を知見した。即ち、長軸の長さが20μmを上回るような異常粒成長があると強
度のバラツキが大きく製品の安定供給が難しく、短軸が2μmを上回ると高強度
が得られず、バラツキも大きくなる。 また、窒化珪素質焼結体をベアリング等の摺動部材として用いる場合には焼結
体の特性として最低102kg/mm2の抗折強度および開気孔率0.2%以下
であることが重要であって抗折強度が102kg/mm2を下回ると摺動部材と
して欠け等が生じ易くなり、開気孔率が0.2%を越えると特に表面の気孔が破
壊発生源となり、強度が低下し、また、量産時においてバラツキも大きくなる。 本発明の窒化珪素質焼結体は上述したいずれの条件をも満足するものであって
、高強度で特性のバラツキのないものであって摺動部材として特に有用な焼結体
である。 本発明の焼結体は組成上は窒化珪素に対し、焼結助剤成分として希土類元素お
よびアルミニウムを含有するものであって、これらの助剤成分は、窒化珪素粒界
に存在するかまたは窒化珪素と一部反応して化合物として例えばSiAlONと
して存在することもある。 これら助剤成分は希土類元素が酸化物換算で3乃至10重量%の割合で、アル
ミニウムがアルミナ換算で1乃至5重量%の割合で配合されるものであって、窒
化珪素が87重量%以上の割合からなる。助剤成分が少ないといずれも焼結性が
悪く、開気孔率0.2%以下の緻密体が得られず、助剤成分が多い場合には抗折
強度102kg/mm2以上が達成し得ない。 本発明において、上述したような焼結体を製造するには焼結助剤の分散性を向
上させることが重要であり、詳細には、従来のように単なる混合系ではなく窒化
珪素粉末の個々に対し助剤成分を付着させることが必要である。このような処理
は、例えば特開昭61−91066号に示されるように希土類元素およびアルミ ニウムを各々の水酸化物として混合して混合ゲル状水酸化物を調製し、これと窒
化珪素粉末と混合後、焙焼することによって成される。 本発明に用いられる原料粉末は上述のようにして得られた焙焼物のうち1μm
以下、特に0.6μm以下の粒子径のものを用いる。粒子径が1μmを越えると
緻密化が阻害され高強度の焼結体が得られ難い。担し、1μmを上回る粉末を用
いても窒素ガス圧焼成法に従えば緻密化は可能ではあるが、結晶粒が成長し、長
軸が20μmを上回るか又は短軸が2μmを上回る結晶が生成され高強度が得ら
れないと同時にバラツキが増加する。 本発明によれば原料粉末の組み合わせとして希土類元素化合物、アルミニウム
化合物のいずれか一方を前述した方法によって表面に付着させた平均粒径1μm
以下の窒化珪素粉末と他方の化合物を例えば酸化物として混合するか、又は希土
類元素化合物とアルミニウム化合物の両者を表面に付着させた平均粒径1μm以
下の窒化珪素粉末のいずれを用いても本発明の目的が達成される。 なお、希土類元素化合物、アルミニウム化合物はいずれも酸化物換算して希土
類元素化合物を3乃至10重量%、アルミニウム化合物を1乃至5重量%となる
ように調製され、母材として用いる窒化珪素粉末の量が87重量%以上が適当で
ある。 上述のようにして調製された原料粉末は公知の成形方法、例えばプレス成形、
鋳込み成形、押し出し成形、インジェクション成形等によって所望の形に成形し
た後、焼成される。 焼成は窒素ガス雰囲気中にて非加圧状態で1700乃至1800℃の焼成温度
で約0.5〜4時間行う。焼成温度が1800℃を越えると窒化珪素が分解し、
1700℃を下回ると緻密化が達成されない。 本発明によれば、上述の非加圧焼成法によって得られた焼結体をさらに150
0乃至1800℃で1000乃至2000気圧下で熱間静水圧焼成することによ
って焼結体としての緻密化がさらに促進され、本発明者の実験によれば、非加圧
焼成法によって102kg/mm2以上、さらに熱間静水圧焼成することによっ
て110kg/mm2以上の優れた強度を有する焼結体が得られた。 以下、本発明を次の例で説明する。 実施例 母材となる窒化珪素粉末として平均粒径0.5μmのものと1.2μmのもの
を用いて、各々の粉末に対して、第1表の割合となるようにしてゲル状の希土類
元素水酸化物および、またはゲル状の水酸化アルミニウムと混合して窒化珪素粉
末に付着させた後、1400℃で焙焼後、エタノール中でボールミルにて凝集粒
子を解コウさせ、その後乾燥して各々平均粒径0.5μm、1.2μmの粉末(
No.a,b,e)を作成した。 また、Alまたは希土類元素のいずれか一方を窒化珪素粉末に付着させ、他方
をAl23粉末(粒径0.6μm)あるいはY23粉末(粒径1μm)としてボ
ールミルにて混合した(No.c,d)。 さらに比較例として従来通り、前述で用いたのと同じ窒化珪素粉末にAl23
粉末Y23粉末をボールミルにて添加混合して調製した(No.f,g)。 前述のように得られた第1表のNo.a〜No.gの原料粉末を用いて各々成形し
、第2表に示す焼成条件で焼成した。なおHIP処理は1700℃、2000気
圧の条件で行った。 得られた焼結体をダイヤモンド砥石で研摩し、40mm×4mm×3mmの棒状テス
トピースを作成し、JISR 1601により常温及び1200℃での4点曲げ
強度を測定した。またアルキメデス法により比重を、JISC−2141−19
74に基づいて開気孔率を測定した。更に、焼結体表面を鏡面仕上げし、SEM
写真観察によって、窒化珪素結晶相の長軸、短軸の長さを測定し、第2表にその
平均値を示し、さらに長軸長/短軸長によりアスペクト比を求め第2表に示した
。さらに、20個のサンプルによりワイブル係数を求めた。 結果は第2表に示す。 第1表から明らかなように、ゾルゲル法によって希土類元素およびAlを窒化
珪素粉末表面に付着させたNo.aの原料を用いて焼成を行うが、結晶の長軸が2
0μmを越えるNo.6、No.7の試料は強度が低いうえにワイブル係数も低い。
粒径が1μmを越える原料粉末bを用いたNo.8,9のうち焼成温度が1750
℃のNo.8では焼結が進行せず、開気孔率が大きいものであり、焼成温度が19
30℃と高いNo.9では長軸が長く強度が低くなる。また、混合系による原料粉
末g、fを用いたNo.16乃至18はいずれも長軸が大きくアスペクト比も10
を越える場合もあり、強度が低い。 これに対し、本発明のサンプルNo.2〜5、10〜15はいずれも常温での抗
折強度が102kg/mm2以上を示すとともに1200℃の高温強度が52k
g/mm2以上と優れた強度を示すとともにワイブル係数が16以上と製造にか
かわる品質安定性にも優れることがわかった。 〔発明の効果〕 以上詳述した通り、本発明は窒化珪素粉末個々の表面に焼結助剤を付着させた
平均粒径1μm以下の原料粉末を用い、これを非加圧焼成、あるいはさらに熱間
静水圧焼成を行うことによって焼結時の異常粒成長を回避するとともに高密度化
が達成され焼結体として均一な形状の結晶を具備したものが製品として特性のバ
ラツキがなく安定して供給することができる。それによって焼結体として開気孔
率が小さく且つ102kg/mm2以上の高強度な焼結体が得られる。 この焼結体は、その得られた強度および気孔率の低減によって特にベアリング
等の摺動部材として有用であると共に、その他の機械部品に対しても十分に採用
し得るものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】主として窒化珪素から成る結晶相と、少なくとも希土類元素及びア
    ルミニウムを含有する粒界相から成り、前記希土類元素を酸化物換算で3乃至1
    0重量%、アルミニウムをアルミナ換算で1乃至5重量%の割合で含有し、前記
    結晶相粒子の長軸の長さが20μm以下、短軸の長さが2μm以下で且つアスペ
    クト比(長軸長/短軸長)が6〜10であって、室温における抗折強度が102
    kg/mm2以上、開気孔率が0.2%以下であることを特徴とする窒化珪素質
    焼結体。 【請求項2】焼結助剤成分として、希土類元素、アルミニウムのいずれか一方の
    ゲル状水酸化物と平均粒径1μm以下の窒化珪素粉末とを混合後、焙焼して得ら
    れた粉末と、前記焼結助剤成分の他方を含む化合物との混合粉末、あるいは、希
    土類元素のゲル状水酸化物とアルミニウムのゲル状水酸化物と平均粒径1μm以
    下の窒化珪素粉末とを混合後、焙焼して得られた粉末を、成型後、大気圧下の非
    酸化性雰囲気中で1700乃至1800℃で焼成して、窒化珪素結晶相の長軸の
    長さが20μm以下、短軸の長さが2μm以下で且つアスペクト比(長軸長/短
    軸長)が6〜10であって、室温における抗折強度が102kg/mm2以上、
    開気孔率が0.2%以下の焼結体を得ることを特徴とする窒化珪素質焼結体の製
    法。 【請求項3】焼結助剤成分として、希土類元素、アルミニウムのいずれか一方の
    ゲル状水酸化物と平均粒径1μm以下の窒化珪素粉末とを混合後、焙焼して得ら
    れた粉末と、前記焼結助剤成分の他方を含む化合物との混合粉末、あるいは、希
    土類元素のゲル状水酸化物とアルミニウムのゲル状水酸化物と平均粒径1μm以
    下の窒化珪素粉末とを混合後、焙焼して得られた粉末を、成型後、大気圧下の非
    酸化性雰囲気中で1700乃至1800℃で焼成した後、更に1500乃至18
    00℃で1000乃至2000気圧の条件で熱間静水圧焼成して、窒化珪素結晶
    相の長軸の長さが20μm以下、短軸の長さが2μm以下で且つアスペクト比(
    長軸長/短軸長)が6〜10であって、室温における抗折強度が102kg/ mm2以上、開気孔率が0.2%以下の焼結体を得ることを特徴とする窒化珪素
    質焼結体の製法。

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