JP2518274Y2

JP2518274Y2 - 蓋付包装用容器

Info

Publication number: JP2518274Y2
Application number: JP1987200937U
Authority: JP
Inventors: 達哉伊藤
Original assignee: 株式会社マルタボール
Priority date: 1987-12-30
Filing date: 1987-12-30
Publication date: 1996-11-27
Anticipated expiration: 2002-12-30
Also published as: JPH01107521U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、任意の物品を収納する容器に関するもので
あり、特に、本体部と蓋部とからなり、本体部と蓋部と
を固定する固定手段を有する容器に関するものである。

（従来の技術）従来、装飾箱等の小物入れ蓋付包装用容器の蓋部を身
に係止する止め具として、まず、ホックは蓋と身のおの
おのに凸部と凹部の片方ずつを付設して両者を着脱自在
にするものであり、また、紐は身の両側面に付設された
金具を通して蓋部の上で結ばれ、さらに、掛爪は、止め
具用の紐を引っかけるものである。

これらの止め具は全て手作業により蓋部の開閉をする
ものであり、とりわけ紐は作業に手間がかかり能率的で
なく、また、ホックは凹部と凸部の機械的嵌合によるも
のであり、固体間で嵌合の強度が一定せず、また、機械
的嵌合により着脱するので強度の経時変化がある。その
ため、嵌合強度が強すぎる場合は蓋部の開閉時に強い力
を加える必要があり、また、嵌合の強度が弱すぎるとき
は、蓋部を閉めた状態を保つことができなくなる。

さらに、蓋部と本体間に磁石を設けて吸引により閉蓋
を可能としたものがあるが、構造上磁石が平均して吸着
しないので、吸着しない部分が生じ、この吸着しない部
分については特に磁石の磁力の経時変化をもたらして磁
力が弱くなり、また、磁石を保持する保持部材が大きな
スペースを占めるため、磁石の体積に限度があって磁力
が弱いものとなっていて、さらに、経時変化をもたらす
ものとなっている。

（考案が解決しようとする問題点）そこで本考案は、上記従来技術に鑑み、蓋部の開閉が
容易で蓋部を身に吸着する力が略一定で平均して可能と
なり、また、磁石を大きくして体積を大きくとりうる等
で、吸着力の経時変化が少ない構造で、低コストで作成
できる蓋付包装用容器の開発を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段）すなわち、本考案は、第１には、蓋部と本体部とを有
する蓋付包装用容器であって、上記本体部の側壁が、非
金属の同種材質からなる外壁と内壁と中壁を重ね合わせ
た３層構造に形成され、上記中壁の一部に磁石嵌装用の
切欠部で、該切欠部の底部が側壁上端と平行になるよう
に形成された切欠部が設けられ、また、該切欠部には、
平行な二辺を有する形状を呈する磁石が、該平行な二辺
のうちの一辺が切欠部の底部に当接するように設けら
れ、さらに、上記蓋部には、上記磁石に対峙して吸着す
る金属部が配設されていることを特徴とするものであ
る。

また、第２には、上記第１の構成において、本体部と
蓋部とが、板ボール材で形成されていることを特徴とす
るものである。

また、第３には、上記第１の構成において、本体部と
蓋部とが、木材で形成されていることを特徴とするもの
である。

（作用）上記手段により構成される本考案においては、側壁の
中壁に設けられた切欠部に磁石が設けられ、また、蓋部
に金属部が設けられているので、この磁石と金属部とが
吸着することにより、蓋部が本体部に対して閉まった状
態になる。蓋部を開口する時は、上記磁石と金属部との
吸着力を上回る力で蓋部を離間させようとすれば蓋部が
開き、収納物を収納することができる。

ここで、本考案においては、磁石により着脱固定を行
うので、着脱が非常に楽であり、また、本体部の側壁が
外壁と内壁と中壁を重ね合わせた３層構造に形成され、
上記中壁の一部に磁石嵌装用の切欠部が設けられ、該切
欠部に磁石が設けられている構造であるので、非常に簡
単な構成で蓋部の着脱が可能となり、コストが軽減され
る。特に、切欠部に設けられた磁石が本体部を形成する
外壁と内壁とで固定されているので、固定のための余分
な部材を必要とせず、さらに、本考案では、３層構造を
なす外壁と内壁と中壁とが、同種材質により形成されて
いるので、形成が容易であり、コスト減を図ることがで
きる。また、本考案では、中壁に切欠部を設け、この切
欠部に磁石を設けただけの構成であり、他の固定具等を
要しないため、余分なスペースを取らず、より大きな磁
石を配設することが可能となる。また、側壁を形成する
外壁と内壁と中壁とは非金属性であるので、被収納物が
磁石の影響を受けることがなく、外壁と内壁と中壁等の
側壁が金属性である場合に比べて、磁石そのものの減磁
も少なくすることができる。

また、切欠部の底部が側壁上端と平行になるように形
成され、また、磁石が平行な二辺を有する形状であっ
て、上記平行な二辺のうちの一辺が切欠部の底部に当接
するように磁石が設けられているので、蓋部を閉じた際
に金属部と磁石との隙間が生じないため、蓋部を吸引す
る力を一定にすることができ、蓋部の閉まった状態を確
実なものとすることができる。また、蓋部を閉じた際に
金属部と磁石との隙間が生じないため、磁石の磁力の低
下を防ぐことができ、特に、金属部を磁性を帯びた金属
部とし、磁石の極性と金属部の極性を逆にする、すなわ
ち、磁石がＮ極ならば金属部をＳ極にすれば、より磁石
の磁力の低下を防ぐことができる。

また、上記第２の構成、すなわち、本体部と蓋部と
が、板ボール材で形成されている場合には、形成が非常
に容易であり手間が掛からず、非常に低コストで形成す
ることができる。

さらに、上記第３の構成、すなわち、本体部と蓋部と
が木材で形成されてる場合には、上記板ボール材の場合
に比べて、形成に手間が掛かるものの、耐久性を備えた
容器を得ることができる。

（実施例）以下引き続き本考案の要旨をさらに明確にするため、
図面を利用して一実施例を説明する。

第１図ないし第５図は第一実施例を示したもので、装
飾箱１は陶磁器製食器セット等の小物を収納するための
ものであり、その外形は本の外観に似せてある。装飾箱
１の身２は側壁21と底部22とからなり、側壁21は三層構
造であって、外壁21a、内壁21b及び両者で挟まれた中壁
21cとでなり、これらを接着して形成する。該側壁21及
び底部22の材質は単板、合板もしくは板紙でなってい
る。

中壁21cの開口部23側に切欠部24を設け、磁石25を嵌
合せしめている。このとき、切欠部24の底部24aを側壁2
1の上端21dに平行にし、板状直方体のように平行な二辺
を有する磁石25の前記二辺のうち一方の辺を前記底部24
aに当接せしめるようにする。そのため、磁石25の平行
な二辺のうち他方の辺を側壁21の上端21dと同一線上に
なるようにすることができる。また、前記他方の辺が側
壁21の上端21dより若干低い位置にあるときでも、前記
他方の辺と側壁21の上端21dとを平行にすることができ
る。

装飾箱１の蓋部３は止着部４及び側体部５と連設して
一体に形成され、止着部４と蓋部３との連設部分は折曲
可能になっている。止着部４は側壁21の上端の一側端側
に接着され、蓋部３を蝶着する如き働きをしている。ま
た、側体部５は側壁21の一端の上下両端間へ弧状に付設
され、蓋部３、止着部４及び側体部５等により装飾箱１
は洋書の外観をなしている。

そして蓋部３は、身の開口部23が開閉自在であり、蓋
部３を閉じたときに該蓋部３の磁石25に当接または近接
する部分に板状磁性金属部31が付設されている。この磁
性金属部31は磁石25に吸引される性質を有しているの
で、蓋部３を閉じたときに磁石25と磁性金属部31とによ
り蓋部３の止め具を形成している。

このように、磁石25が磁性金属部31を吸引していると
き、前記の如く磁石25の前記他方の辺が側壁21の上端21
dと同一線上または若干低いが、平行に位置しているの
で磁石25と磁性金属部31との間の空間を最小にすること
になり、一定の磁力の磁石25にて、最大の力にて磁性金
属部31を吸引することができる。

第６図ないし第８図は第二実施例を示したもので、箱
６の蓋部７は平蓋であり、横桟71にて箱６の身８に位置
決めしている。そして、蓋部７の下面に磁性金属部72が
付設されており、身８の側壁81は外壁81a、内壁81b及び
両者で挟まれた中壁81cを接着して形成され、中壁81cの
上端部に前記第一実施例と同様に切欠部82を設け、この
切欠部82に磁石83を取り付けている。ここにおいて、磁
石83及び磁性金属部72の働きは前記第一実施例と同様で
ある。

第９図の磁石91の形状は台形板状であり、中壁21c
（または81c）の切欠部に嵌合することにより、磁石91
が抜け落ちないようになっている。第10図の磁石92は突
起片92aにより中壁21c（または81c）の切欠部に強固に
固定されるようになっている。

また、第11図の磁石93は若干薄くしてあり、両面を板
状磁性金属部93aで挟んでいる。

第12図及び第13図において、磁性金属部94の長手方向
の両端には爪94aが形成され、さらに、この長手方向に
沿って爪94bが打ち抜き形成されている。これらの爪94
a,94bにより磁性金属部94を蓋部３（または７）に強固
に取り付けることができる。

なお、前記本実施例では本の外観に似せた装飾箱や、
平蓋付の箱体等についてのみ説明したが、これらに限ら
ず、本考案蓋付包装用容器の磁石や磁性金属部や、これ
を施す箱体等の具体的形状、材質、大きさ、配設方法等
は前記した本考案の目的、作用及び後記する考案の効果
が達成される範囲において、それぞれ任意に定められて
よく、これらの変更はいずれも本考案の要旨を何ら変更
するものでないことは申すまでもない。

（考案の効果）以上、詳細に説明したように本考案は、非常に簡単な
構成で低コストで蓋部が着脱自在な蓋付容器を得ること
ができ、蓋付包装用容器において開閉自在に取り付けら
れた蓋部と身に磁石と磁性金属を固着し、かつ、壁部の
切欠部を介して磁石を所定位置へ平行を保って内設した
ので、一定の吸引力で着脱自在に係止することができ
る。

よって、前記した如く、磁石に磁性金属を平均して吸
着するから身の側壁に取り付けられた磁石の磁力の経時
変化が少ないので、前記吸引力を略一定に保つことがで
き、また、蓋部が身に吸引されているときに、蓋部の磁
性金属部と身の側壁の磁石との間の隙間を最小にするこ
とができるから、磁石の所定の磁力での前記磁性金属部
の吸引力を最大にすることができ、その結果蓋部を閉じ
た状態で保持する力を最大にすることができ、また、板
磁石は体積が大きくなると、磁位も大きくなり、経時変
化の少ないものとなるが、本考案においては、側壁の中
壁に嵌装するから、自由な大きさになし得る。

また、側壁を形成する外壁と内壁と中壁とは非金属性
であるので、被収納物が磁石の影響を受けることがな
く、磁石が金属に接している場合に比べて磁石そのもの
の減磁も少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案蓋付包装用容器の一実施例を示したもの
で、第１図は第一実施例の斜視図、第２図は第１図の要
部を拡大して示す斜視図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面
図、第４図は第２図のＢ−Ｂ断面図、第５図は第１図の
磁性金属部の取付説明図、第６図は第二実施例の蓋部の
断面図、第７図はこれの身の平面図、第８図はこれの身
の一部切欠側面図、第９図は前記第一及び第二実施例に
おける磁石の第一の変形断面図、第10図はこれの第二の
変形断面図、第11図はこれの第三の変形平面図、第12図
は前記第一及び第二実施例における磁性金具の変形平面
図、第13図はこれの側面図である。１……装飾箱 2,8……身 21,81……側壁 21a,81a……外壁 21b,81b……内壁 21c,81c……中壁 23……開口部 24,82……切欠部 24a……底部 25,83,91,92,93……磁石 3,7……蓋部６……箱 31,72,94……磁性金属部。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】蓋部と本体部とを有する蓋付包装用容器で
あって、上記本体部の側壁が、非金属の同種材質からなる外壁と
内壁と中壁を重ね合わせた３層構造に形成され、上記中
壁の一部に磁石嵌装用の切欠部で、該切欠部の底部が側
壁上端と平行になるように形成された切欠部が設けら
れ、また、該切欠部には、平行な二辺を有する形状を呈
する磁石が、該平行な二辺のうちの一辺が切欠部の底部
に当接するように設けられ、さらに、上記蓋部には、上
記磁石に対峙して吸着する金属部が配設されていること
を特徴とする蓋付包装用容器。
【請求項２】本体部と蓋部とが、板ボール材で形成され
ていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
に記載の蓋付包装用容器。
【請求項３】本体部と蓋部とが、木材で形成されている
ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
の蓋付包装用容器。