JP2517937B2 - 車両用無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の制御装置

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JP2517937B2
JP2517937B2 JP62008566A JP856687A JP2517937B2 JP 2517937 B2 JP2517937 B2 JP 2517937B2 JP 62008566 A JP62008566 A JP 62008566A JP 856687 A JP856687 A JP 856687A JP 2517937 B2 JP2517937 B2 JP 2517937B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エンジンと車両用無段変速機との間に磁粉
式電磁クラッチを備えた車両の制御技術に関する。
[従来の技術] 従来、駆動力の伝達状態等をコンピュータにより緻密
に制御することができる磁粉式電磁クラッチ又は無段変
速機を車両の駆動系に用いて、車両の運転性および運転
感を向上させる技術が種々開示されている。
これらの技術としては、たとえば (1) 特開昭57−161346号公報に開示されているよう
に、車両にトルクコンバータと無段変速機とを備え、該
無段変速機の変速比(γ=入力側の回転数/出力側の回
転数)をエンジンの要求出力(例えばスロットル開度)
に応じて制御することにより、燃料消費効率および運転
性の向上を図る技術、 (2) 特開昭59−144850号公報に開示されているよう
に、無段変速機の変速比をエンジンの要求出力と車速に
応じて制御することにより、運転性および運転感を両立
させて向上させる技術、 (3) 特開昭60−171665号公報に開示されているよう
に、磁粉式電磁クラッチの伝達トルク(係合量)をエン
ジンの要求出力に応じて制御し、しかも、該クラッチ
が、目標となる係合完了入力側回転数(目標ミート回転
数)で係合を完了するようにすることにより、運転性お
よび燃料消費効率をともに向上させる技術 がある。
[発明が解決しようとする技術] しかしながら、上記従来の技術は、それぞれ車両の運
転性および運転感をともに向上させているが、車両用無
段変速機(以下CVTと記す)と磁粉式電磁クラッチ(パ
ウダクラッチと記す)とをともに備えた車両に用いた場
合には、種々の問題が発生して、運転性および運転感が
悪化する場合があった。
たとえば、第12図の車速Vとエンジン回転数Ne,入力
軸回転数Ninとの変化の一例を示すグラフ、および第13
図の経時的変化特性を示す線図に示すように、エンジン
の要求出力量であるスロットル開度θが全閉状態からた
とえばθ2まで増加したとき、パウダクラッチは所定の
目標ミート回転数Nm(θ2)で係合を完了(ミート)す
る(第13図の時点Ta)。
該パウダクラッチがミートされた後は、スロットル開
度にもとづくCVTの変速比制御が行なわれるが、該CVTの
変速比制御は、CVTの実際の入力軸回転数Ninと予め定め
られた目標回転数Nin(θ2)(第12図参照)とを一
致させることにより行なわれるため、上記ミート時(第
13図の時点Ta)に、エンジン回転数Neが上記ミート時の
回転数Naから上記目標回転数Nin(θ2)に急激に変
化することになる(第12図の矢印YA2,YA1)。すなわ
ち、時点Taのミート時のエンジン回転数Naが時点Tdで上
記目標回転数Nin(θ2)制御にもとづくエンジン回
転数Ndに短時間で変化する。
このエンジン回転数Neの変化による慣性トルクの駆動
輪側へのはきだし、又は消費により、車両前後加速度G
は、係合完了時に急変し、運転者は著しい変速ショック
を感じて、CVTにもかかわらずショックの発生に不快感
を感じる問題がある。
第13図は、エンジン回転数Neと加速度Gの変化の一例
を示すグラフであるが、図示するように、上記車両前後
加速度Gは、時点Ta以後のエンジン回転数Neの減少によ
るタイヤ駆動力への慣性トルクの付加により時点Tbの最
大駆動力まで増大し、その後時点Tcにて「0」になった
あと、逆に慣性トルクにエンジントルクの一部が消費さ
れ、時点Tdまで減少する。
本発明は、上記問題点を解決して、車両の運転性およ
び運転感を向上させることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成する手段として、本発明は、第1図に
例示するように、 エンジンMAと車両用無段変速機MBとの間に磁粉式電磁
クラッチMCを介装し、該磁粉式電磁クラッチMCの入力側
と出力側との回転数をほぼ一致させた状態にて電磁クラ
ッチMCの係合を完了させるようにした車両用無段変速機
の制御装置において、 上記磁粉式電磁クラッチMCの係合完了時の目標係合完
了入力側回転数Nmを、車両の走行状態に応じて求めら
れる車両用無段変速機MBの目標入力側回転数Ninに応
じた値となるように指令する係合完了回転数指令手段MD
を備え、上記係合完了時のエンジン回転数Neを、車両用
無段変速機MBの目標入力側回転数Ninとほぼ一致させ
たことを特徴とする。
[作用] 換言すれば、本願発明は、磁粉式電磁クラッチの係
合完了入力側回転数を無段変速機の目標入力側回転数に
応じた値となるように指令することで、無段変速機の
変速比制御を優先しつつ無段変速機の目標入力側回転数
にエンジン回転数が合致するように電磁クラッチを係合
完了させるものである。即ち、無段変速機の制御を優先
しつつスムーズに速度比制御に移行することを可能なら
しめている。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、車両のエンジン10は、パウダクラッ
チ12(詳細は第3図を用いて後述する)を介して無段変
速機14の入力軸16に連結されている。入力軸16には、油
圧シリンダ18によってV溝幅すなわち伝動ベルト20の掛
り径が変更される可変プーリ22が設けられている。出力
軸24には、油圧シリンダ26によってV溝幅が変更される
可変プーリ28が設けられている。したがって、入力軸16
に伝達された回転力は可変プーリ22および28に巻き掛け
られた伝動ベルト20を介して出力軸24に伝達されるとと
もに、後段の副変速機30に伝達される。副変速機30は、
第1サンギア32,第2サンギア34,リングギア36などから
成るラビニョウ型複合遊星歯車装置を備え、高速段用ク
ラッチ38,低速段用ブレーキ40,後進用ブレーキ42が図示
しない油圧アクチュエータによって択一的に作動させら
れることにより、次表1に示すように、副変速機30の変
速比Rfが切り換えられ、あるいは正転、逆転が切り換え
られるようになっている。
ここで表1において、ρ1はZs1/Zr,ρ2はZs2/Zrで
ある。但し、Zs1は第1サンギア32の歯数、Zs2は第2サ
ンギア34の歯数、Zrはリングギア36の歯数である。ベル
ト式無段変速機14の出力軸24は副変速機30の入力軸を構
成し、また副変速機30内の遊星ギアを支持するキャリア
44は出力軸を構成するので、副変速機30の変速比γ(=
1/速度比e)はキャリア44の回転数で出力軸24の回転数
を除した値となる。上記キャリア44に伝達された回転力
は、中間歯車46,48および最終減速機50を経て、車両の
一対の駆動輪52にそれぞれ伝達されるようになってい
る。
可変プーリ22および28の近傍には、それら可変プーリ
22および28の回転数に対応した周波数のパルス信号SP1
およびSP2をコントローラ54へ出力するための入力軸回
転数センサ58および出力軸回転数センサ60が設けられて
いる。中間歯車48の近傍には、中間歯車48の回転数に対
応した周波数のパルス信号SVをコントローラ54へ出力す
るための車速センサ61が設けられている。エンジン10の
吸気配管に設けられたスロットル弁62は、アクセルペダ
ル63の操作により開閉され、該スロットル弁62には、ス
ロットルセンサ64が設けられており、そのスロットルセ
ンサ64からはスロットル弁開度θを表すスロットル信号
Sθがコントローラ54に供給される。エンジン10のウォ
ータージャケットには、冷却水温センサ65aが設けられ
ており、その冷却水温センサ65aからは冷却水温Twを表
す水温信号STWがコントローラ54に供給される。エンジ
ン10の点火回路には、エンジン回転数センサ65bが設け
られており、そのエンジン回転数センサ65bからはエン
ジン回転数Neを表す回転数信号SNEがコントローラ54に
供給される。
本実施例においてはシフト切換装置としてシフトレバ
ー66およびシフトモードスイッチ67が用いられており、
そのシフトレバー66の操作位置を検出する操作位置セン
サ68からは、シフトレバー66のシフト操作位置Pshを表
す信号SPが、シフトモードスイッチ67からはシフトモー
ドWを表すシフトモード信号SWがコントローラ54に供給
される。このシフトレバー66は油圧回路70内のマニュア
ルバルブと機械的に関連させられており、ニュートラル
レンジに操作されたときには、高速段用クラッチ38,低
速段用ブレーキ40,後進用ブレーキ42をそれぞれ作動さ
せるための油圧アクチュエータのいずれにも油圧が供給
されることを阻止するが、後進レンジに操作されたとき
には、後進用ブレーキ42を作動させる油圧アクチュエー
タのみに作動油を供給させる。また、シフトレバー66が
前進レンジのうちの通常走行(D:ドライブ)レンジに操
作された場合には、高速段用クラッチ38を作動させる油
圧アクチュエータのみに作動油が供給されることを許容
し、高速側ギア段が維持されるようにする。また、シフ
トレバー66が前進レンジのうちの自動変速レンジ(Sレ
ンジ)またはエンジンブレーキレンジ(Lレンジ)に操
作された場合には、高速段用クラッチ38および低速段用
ブレーキ40を作動させるそれぞれの油圧アクチュエータ
のいずれかに作動油が供給されることを許容する。それ
らの油圧アクチュエータには、油圧回路70に設けられた
シフト用電磁弁72の作動に応答して作動するシフトバル
ブから、択一的に油圧が供給されるようになっている。
上記油圧回路70は、出力軸24に設けられた油圧シリン
ダ26に無段変速機14の実際の変速比(速度比)およびエ
ンジン10の出力トルクに対応して調圧されたライン油圧
を供給し、伝動ベルト20の張力を必要かつ充分に制御す
る。また、油圧回路70は、入力軸16に設けられた油圧シ
リンダ18に関して、シフト方向切換弁74の作動に応答し
て、作動油を供給しあるいは排出し、また、シフト速度
切換弁76の作動に応答して油圧シリンダ18への作動油流
入速度あるいは油圧シリンダ18からの作動油排出速度を
変化させる。なお、油圧ポンプ78はエンジン10などによ
って駆動されることにより、オイルタンク80内の作動油
を油圧回路70に圧送するものであって油圧回路70の油圧
源として機能する。
上記コントローラ54は、入出力インターフェース82,
中央処理部84,および記憶部86等を備え、記憶部86に予
め記憶されたプログラムおよびデータに従って、入出力
インターフェース82を介して入力された種々の入力信号
を処理し、該処理結果にもとづいて、シフト用電磁弁72
の作動を制御することにより、副変速機30のギア段を自
動シフトさせ、シフト方向切換弁74およびシフト速度切
換弁76の作動を制御することにより、無段変速機14の変
速比(速度比)を最適値に変化させ、バウダクラッチ12
の励磁量を制御することにより、パウダクラッチ12の係
合量を最適値に制御する。
パウダクラッチ12は、その入力側回転体と出力側回転
体との間のギャップに励磁コイル88の磁気力によって磁
粉を充填することにより、励磁コイル88に流す励磁電流
に対応する伝達トルクを一定の伝達特性に従って伝達す
るようになっている。第3図はパウダクラッチ12の一例
を示すものであって、出力軸90には入力側回転体として
の円環状のヨーク92が外周部材94を介して固定されてい
る。ヨーク92内には環状の励磁コイル88が埋設されてお
り、その励磁コイル88には、ヨーク92とともに回転する
第1ラビリンス部材96に固定されたスリップリング98を
介して励磁電流が供給されるようになっている。出力側
回転体であるロータ100はヨーク92と同心にかつ相対回
転可能にベアリング102を介して第1ラビリンス部材96
に支持されており、ロータ100は入力軸104の軸端とスプ
ライン嵌合されている。第1ラビリンス部材96には環状
突起106が設けられる一方、ヨーク92の出力軸90側には
同様の環状突起を備えた第2ラビリンス部材108が固定
されており、それら環状突起106および第2ラビリンス
部材108によって磁粉を封入するべき略密閉された環状
空間が形成されている。その環状空間内に収容された磁
粉は、励磁コイル88の磁気力に従ってロータ100の外周
面とヨーク92の内周面との間のギャップ内に充填される
とともに磁気的に結合され、出力軸90の回転を励磁コイ
ル88に供給される励磁電流に対応した大きさの伝達トル
クにて入力軸104へ伝達するようになっている。したが
って、上記出力軸90および上記入力軸104はパウダクラ
ッチ12の入力軸および出力軸に相当するものである。
上記パウダクラッチ12の動力伝達の割合は、励磁コイ
ル88に供給される励磁電流Iclに比例している。第4図
はパウダクラッチ12の励磁コイル88に流れる励磁電流Ic
lとパウダクラッチ12の実伝達トルクに対応するクラッ
チ制御値Tclとの関係を示すグラフである。
次に第5図のフローチャートにより所定時間毎に実行
される本実施例のクラッチ制御ルーチンを説明する。該
ルーチンが呼び出されると、先ずステップ200を実行す
ることにより、シフトレバー66の操作位置Psh,エンジン
回転数Ne,入力軸16の回転数Nin,スロットル開度θを信
号SP,SNE,SP1,およびSθにもとづいて読み込む。次い
で、ステップ210を実行することにより、シフトレバー6
6の実際の操作位置が走行位置(ニュートラル,パーキ
ング以外の位置)であるか否かが判断される。走行位置
であると判断された場合には、ステップ220を実行し
て、エンジン回転数Neと入力軸16の回転数Ninとの差が
所定値δ(ここでは50rpm)以上であるか否かを判断す
る。両回転数の差|Ne−Nin|が所定値δ以上であると判
断された場合、すなわちパウダクラッチ12がすべってい
る場合には、ステップ230を実行して、スロットルバル
ブ62が開いているか(スロットル開度θが「0」でない
か)否かを判断する。スロットルバルブ62が開いている
場合には、ステップ240を実行して、予め記憶部86に記
憶された複数のデータマップから第6図に示すエンジン
トルクデータマップを選択し、該データマップからエン
ジン回転数Neとスロットル開度θとに対応する現在のエ
ンジントルクTeを読み込む。次いで、ステップ250を実
行することにより、後述する変速比制御ルーチンの状態
から副変速機30が低速ギア段か高速ギア段かを読み込
み、低速ギア段の場合には第7図に示す目標回転数デー
タマップを、一方高速ギア段の場合には第8図に示すデ
ータマップを選択し、現在のスロットル開度θに対し
て、最小の目標回転数Ninと同一の目標ミート回転数N
m(i){i=0,1……100}を読み込む。次いで、ス
テップ260を実行することにより、コントローラ54の記
憶部86に予め記憶したフィードバックゲインK1データマ
ップ(図示せず)からスロットル開度θが大きいほど大
きな値のフィードバックゲインK1を読み込む。このK1デ
ータマップには、エンジン回転数Neの立ち上がり特性、
および目標ミート回転数Nmへの収束特性が最適になる
値が予め設定されている。
上記ステップ260の実行に続いて、ステップ270を実行
することにより、パウダクラッチ12の伝達トルクを制御
するための基準となるクラッチ制御値Tclを(1)式の
演算を行なって算出する。
Tcl←Te+K1(Ne−Nm) …(1) Tcl…クラッチ制御値 Te…エンジントルク K1…フィードバックゲイン Ne…エンジン回転数 Nm…目標ミート回転数 上記クラッチ制御値Tclの算出後、ステップ280を実行
することにより、該クラッチ制御値Tclに対応する励磁
電圧Vcl(〜励磁電流Icl)をコントローラ54からパウダ
クラッチ12に出力する。
上記ステップ200〜280の実行により車速Vが増加し
て、パウダクラッチ12のすべりが所定値δ未満になった
場合、すなわちステップ220により|Ne−Nin|<δである
と判断された場合には、ステップ290を実行して、入力
軸16の回転数Ninが所定値α以上であるか否かを判断す
る。入力軸16の回転数Ninが所定値α以上である場合に
は、ステップ300を実行することにより、クラッチ制御
値Tclに最大値を設定し、続くステップ280の実行により
パウダクラッチ12の励磁電圧Vclを最大にする。これに
より、パウダクラッチ12の係合が完了する。
上記パウダクラッチ12の完全係合状態において、車速
Vが低下して、ステップ290によりNin<α(θi)であ
ると判断されたとき、すなわち第7図又は第8図の最少
速度比emin(最大変速比γmax)に対応する目標回転数
Nin(ストール回転数)より所定値小さい回転数α
(θi)未満に入力軸16の回転数Ninがなったときに
は、上記ステップ230に処理を移行する。該ステップ230
によりスロットルが開いていると判断された場合には、
以後のステップ240〜280によって、パウダクラッチ12を
半クラッチにする制御を行ない、一方スロットルが全閉
であると判断された場合には、惰性走行状態であるとし
て、ステップ310を実行することによって、クラッチ制
御値Tclに「0」を設定して、続くステップ280の実行
で、パウダクラッチ12を「オフ」にする。
以上クラッチ制御ルーチンを実行することにより、停
車時および極低速アイドリング走行時等ではパウダクラ
ッチ12が「オフ」にされ、発進時では最適に加速するよ
うにパウダクラッチ12が半クラッチ制御され、通常走行
時ではパウダクラッチ12が完全に係合される。
次に、第9図のフローチャートにより所定時間毎に実
行される本実施例の変速比制御ルーチンを説明する。
第9図は、車両のトランスミッション全体の変速比を
制御するための制御ルーチンを示すものであって、先ず
ステップ400を実行することにより車速V、スロットル
開度θ、入力軸16の回転数Nin、出力軸24の回転数Nou
t、シフトレバー66の操作位置Pshを信号SV,Sθ,SP1,SP
2,およびSPに基づいて読み込む。次いで、ステップ410
を実行することにより、シフトレバー66の実際の操作位
置を通常走行レンジかあるいは自動変速レンジであるか
を判断する。通常走行レンジであると判断された場合に
は、ステップ420を実行して、予め記憶部86に記憶され
た複数のデータマップから第8図に示す通常走行レンジ
用データマップ(副変速機30が高速ギア段用)を選択す
る。この通常走行レンジ用データマップは通常走行時に
適した目標回転数Ninを決定するためのものである。
この関係は、エンジン10の燃焼効率および運転性が最適
に得られるように、予め求められたものであり、スロッ
トル開度θ(θ0〜θ100)および車速Vに基づいて最
適な目標回転数Ninが決定される(ステップ430)。そ
の後ステップ440を実行することにより、ステップ430に
おいて決定された目標回転数Ninと入力軸16の実際の
回転数Ninとが一致するように無段変速機14の変速比を
変更するためにシフト方向切換弁74およびシフト速度切
換弁76を作動させる。このシフト方向切換弁74およびシ
フト速度切換弁76の制御は、(2)式に示す流量弁制御
値VCにもとづいて行なわれる。
VC…流量弁制御値 K2…定数 Nin…入力値16の回転数 Nin…目標回転数 この流量弁制御値VCが正の値では、目標回転数Nin
の方が入力軸16の回転数Ninより大きいことを示すか
ら、無段変速機14の速度比eが小さくなるように、シフ
ト方向切換弁74およびシフト速度切換弁76を制御する。
次いで、ステップ450を実行することにより、(3)
式に示すライン圧制御値Plの算出処理が実行され、該Pl
値にもとづいて図示しない油圧制御弁の制御を行なう。
Pl…ライン圧制御値 |Te|…エンジントルクの絶対値 e…速度比(=1/変速比γ) K3,K4……定数 Nout…可変プーリ28の回転数 ΔP…所定ライン圧 上記K3・|Te|{(e+1)/e}の項は、ライン圧をエ
ンジントルクTeおよび速度比eに基づいて制御するため
であり、上記K4・N▲ out▼の項は、可変プーリ28の
回転によるシリンダへの作動油の押圧力の影響を補正す
るために用いられる。
これにより、無段変速機14の伝動ベルト20にすべりが
発生せず、しかも動力損失が少なくなるように、無段変
速機14の伝動ベルト20の張力が制御されることになる。
上記ステップ410において、シフトレバー66が自動変
速レンジに制御されていたと判断された場合には、ステ
ップ460が実行することにより、副変速機30のシフト制
御を実行する。すなわち、記憶部86に予め記憶されたシ
フトパターンから、車速Vおよびスロットル開度θに基
づいて副変速機30のギア段が決定され、決定されたギア
段が実現されるようにシフト用電磁弁72に駆動信号を出
力する。シフトパターンはたとえば第10図に示すもので
あり、データマップなどの形態で記憶されている。図に
おいて、U12は、車両の走行性能を考慮して用意された
ものであって、低速側ギア段(第1速)から高速側ギア
段(第2速)へのアップシフトの判断に用いるアップシ
フト線であり、図中D21は、適当なヒステリシスを形成
するように、またキックダウンによる加速性能を考慮し
て用意されたものであって、高速側ギア段から低速側ギ
ア段へのダウンシフトの判断に用いるダウンシフト線で
ある。
次いで、ステップ470を実行することにより、副変速
機30の実際のギア段が高速側ギア段であるかまたは低速
側ギア段であるかを判断する。高速側ギア段であると判
断された場合には、ステップ480を実行して、たとえば
第8図に示す関係を有する通常走行レンジ用と同一の高
速側ギア段用データマップを選択するとともに、ステッ
プ490を実行して高速側ギア段用データマップからスロ
ットル開度θ(θ0〜θ100)および車速Vに基づいて
高速側ギア段に適した目標回転数Ninを決定する。次
いでステップ440および450を実行することにより、高速
側ギア段に適した目標回転数Ninと入力軸16の実際の
回転数Ninとが一致するように無段変速機14の速度比を
変更し、次いでライン圧を最適値に制御する。
上記ステップ470において副変速機30のギア段が低速
側ギア段であると判断された場合には、ステップ500を
実行して、たとえば第7図に示す車速Vおよびスロット
ル開度θから目標回転数Ninを与える低速側ギア段用
データマップを選択するとともに、ステップ510を実行
することにより、低速側ギア段に適した目標回転数Nin
を決定する。
上記変速比制御ルーチンによりパウダクラッチ12の目
標ミート回転数Nm(θ)と同一の目標回転数Nin
(θ)をパウダクラッチ12の係合完了時の無段変速機
14の速度比e制御の目標に設定することになる。
したがって、上記第5図のクラッチ制御ルーチンおよ
び第9図の変速比制御ルーチンにもとづく制御により、
発進時に第11図のエンジン回転数Ne特性線図に示すよう
に、パウダクラッチ12の発進制御(半クラッチ制御)に
おける目標ミート回転数Nm(θ)制御から無段変速機
14の目標回転数Nin(θ)制御に回転数の段差なく引
き継がれる。この結果、パウダクラッチ12の半クラッチ
制御から無段変速機14の速度引制御に、スムーズに移行
できることにより、車両の運転性および運転感を極めて
向上することができるという優れた効果を奏する。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、例えばパウダクラッチの「すべり」によるエンジン
トルクの吸収制御と併用する等、本発明の要旨を変更し
ない範囲で種々な態様の実施が可能である。
[発明の効果] 本発明の車両用無段変速機の制御装置により、磁粉式
電磁クラッチの係合が完了するとき、上記磁粉式電磁ク
ラッチの係合完了回転数と車両用無段変速機の目標入力
側回転数、たとえば上記磁粉式電磁クラッチの入力側も
しくは出力側回転数とが同一値に制御されることによっ
て、上記磁粉式電磁クラッチのすべり制御から上記車両
用無段変速機の速度比制御にスムーズに移行することが
できる。この結果、変速ショックの発生しない無段変速
機の特徴を害することがなくなりスムーズな発進加速等
を行なうことができ、車両の運転性および運転感が極め
て向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用無段変速機の制御装置の基本的
構成を例示する構成図、第2図は本発明の一実施例が適
用される車両の全体構成図、第3図は実施例のパウダク
ラッチの構成図、第4図は実施例のパウダクラッチの制
御特性を示すグラフ、第5図は実施例のクラッチ制御ル
ーチンのフローチャート、第6図は実施例のエンジント
ルク特性を示すグラフ、第7図は実施例の副変速機が低
速段の場合の無段変速機の速度比パターンを示すグラ
フ、第8図は実施例の副変速機が高速段の場合の無段変
速機の速度比パターンを示すグラフ、第9図は実施例の
変速比制御ルーチンのフローチャート、第10図は実施例
の副変速機の変速パターンを示すグラフ、第11図は実施
例のエンジン回転数特性を示すグラフ、第12図は従来例
のエンジン回転数特性を示すグラフ、第13図は従来例の
車両の走行状態を示すグラフである。 MA……エンジン MB……車両用無段変速機 MC……磁粉式電磁クラッチ MD……係合完了回転数指令手段 10……エンジン 12……パウダクラッチ 14……無段変速機 54……コントローラ 64……スロットルセンサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと車両用無段変速機との間に磁粉
    式電磁クラッチを介装し、該磁粉式電磁クラッチの入力
    側と出力側との回転数をほぼ一致させた状態にて電磁ク
    ラッチの係合を完了させるようにした車両用無段変速機
    の制御装置において、 上記磁粉式電磁クラッチの係合完了時の目標係合完了入
    力側回転数を、車両の走行状態に応じて求められる車両
    用無段変速機の目標入力側回転数に応じた値となるよう
    に指令する係合完了回転数指令手段を備え、上記係合完
    了時のエンジン回転数を、車両用無段変速機の目標入力
    側回転数とほぼ一致させたことを特徴とする車両用無段
    変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】係合完了回転数指令手段は、エンジンの要
    求出力量にもとづいて係合完了入力側回転数を指令する
    特許請求の範囲第1項記載の車両用無段変速機の制御装
    置。
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