JP2517722B2 - 骨付き鶏肉の加工方法 - Google Patents

骨付き鶏肉の加工方法

Info

Publication number
JP2517722B2
JP2517722B2 JP62104796A JP10479687A JP2517722B2 JP 2517722 B2 JP2517722 B2 JP 2517722B2 JP 62104796 A JP62104796 A JP 62104796A JP 10479687 A JP10479687 A JP 10479687A JP 2517722 B2 JP2517722 B2 JP 2517722B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bone
chicken
meat
blood
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62104796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63269963A (ja
Inventor
昌敏 金谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichirei Corp
Original Assignee
Nichirei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichirei Corp filed Critical Nichirei Corp
Priority to JP62104796A priority Critical patent/JP2517722B2/ja
Publication of JPS63269963A publication Critical patent/JPS63269963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2517722B2 publication Critical patent/JP2517722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は骨付き鶏肉の加工に関し、詳しくは、加熱調
理において、骨から血液の流出による品質の劣化を生じ
ない骨付き鶏肉の加工に関する。
本発明による骨付き鶏肉の加工品は、プレクッキング
製品として商品化することができ、また外食産業の材料
として利用することもできる。
〔技術の背景および従来技術の説明〕
骨付き鶏肉を加熱調理すると、骨のまわりに真赤な血
液が流出し、未凝固で残ったり、場合によってはそれら
が赤黒く残って見苦しくなるが、これは加熱調理中に骨
髄から血管を通じて血液が肉質に流出し、未凝固で残っ
たり、肉質部分において血液が熱凝固することによると
考えられる。
これまでの肉の処理においては、骨から肉を切り離し
て、骨から流出する血液による肉の劣化を回避してきた
が、骨から肉の切り離しにおいて、骨に付いた肉の損失
を避けることができず、また加熱調理における骨から肉
の収縮により抽出される栄養成分または呈味成分の流出
や肉の硬化を避けることができなかった。
さらに骨付き肉のままでフライイングまたはオーブン
等の通常の熱伝達による加熱を行なうことも考えられる
が、血液の存在する部分は骨髄部分であって、骨の中心
部分に存在するから、熱伝達が最も遅く、骨髄部分の血
液は、凝固する以前に骨髄から流出することを避けるこ
とができず、また、たとえ骨髄に残った血液を加熱によ
って凝固したとしても、骨髄中の血液が凝固する以前
に、骨のまわりの肉が過熱されることを避けることがで
きず、その肉は過熱による硬化を避けることもできな
い。
本発明者は、食品の調理について研究を続け、マイク
ロ波による加熱調理の研究を行なっているが、その研究
において骨付きの鶏のモモ肉をマイクロ波によって加熱
すると、骨髄中の血液は骨髄に含まれたままで凝固する
ことを見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。
〔発明の目的および発明の要約〕
本発明の目的は骨付き鶏肉の加工手段を提供すること
にあり、詳しくは、調理において品質の劣化を生じるこ
とがない骨付き鶏肉の加工手段を提供することにあり、
さらに詳しくは、調理において劣化を生じることがな
く、また改善された肉質を有する骨付き鶏肉の加工品を
提供することにある。
本発明は、骨付き鶏肉をマイクロ波により加熱し、骨
髄中の血液を凝固することを特徴とする骨付き鶏肉の加
工方法である。
本発明の骨付き鶏肉の加工において、骨付き鶏肉に予
めピックル液を注入し、それによって肉質を改善するこ
とができる。
本発明の骨付き鶏肉の加工において、マイクロ波は骨
の骨髄中の血液が凝固するのに充分な強さ〔(出力)×
(時間)〕において骨付き鶏肉に照射され、それによっ
て肉質に影響することなく、骨髄中の血液を凝固して、
骨付き鶏肉の加熱調理における骨髄中の血液の流出によ
る肉質の劣化を阻止することができる。
本発明の骨付き鶏肉の加工において、骨髄中の血液
は、骨が100℃に加熱されたときに確実に凝固し、それ
によって骨付き鶏肉の加熱調理における骨髄から血液の
流出することが阻止される。
〔発明の具体的な説明〕
本発明の骨付き鶏肉の加工において、マイクロ波が骨
付き鶏肉に照射される。骨付き鶏肉に対するマイクロ波
の照射によって、骨の骨髄中の血液は、自らの誘導加熱
によりその温度を上昇して凝固する。骨髄中の血液は、
凝固によってその流動性を失ない、骨付き鶏肉の加熱調
理を行なっても最早骨付き鶏肉の肉質中に流出すること
がない。そのために、本発明の骨付き鶏肉の加工処理の
行なわれた骨付き鶏肉は、加熱調理をしても骨髄中の血
液の流出に起因する品質の劣化を生じることがない。
マイクロ波の照射において、骨付き鶏肉はその骨の中
心部分から温度の上昇を始め、その温度の上昇は骨の周
縁部分から肉質部分に続く。したがってマイクロ波の照
射により、骨付き鶏肉の温度は、肉質の周縁部分、肉質
のその内側部分、骨の周縁部分および骨の中心部分の順
に順次高くなるように加熱され、それによって骨の中心
部分の骨髄中の血液が真先に昇温し、血液の凝固する温
度において骨髄中の血液が凝固する。骨髄中の血液が凝
固しても骨付き鶏肉の骨の周縁部分および肉質部分は、
骨髄中の血液の温度よりも低い状態になっていて、それ
によって骨の周縁部分および肉質部分の温度は、骨の骨
髄部分よりも低い温度に維持される。
本発明の骨付き鶏肉の加工において、骨付き鶏肉に照
射されるマイクロ波の強さは、骨髄中の血液を凝固する
のに必要な強さ〔(出力)×(時間)〕で充分である。
それ以上の強さは、肉質部分に加熱による影響を与え、
それによって骨付き鶏肉の加熱調理において過剰の加熱
状態を創り出すので好ましくない。骨髄中の血液は、骨
を100℃に加熱したときに、凝固するから本発明の骨付
き鶏肉の加工においては、骨を100℃に加熱するのに充
分な強さのマイクロ波を骨付き鶏肉に照射すれば充分で
ある。
骨を100℃に加熱するのに充分な強さのマイクロ波の
照射条件は、骨付き鶏肉の加工における予備実験で実験
的に求め、その条件において、骨付き鶏肉のマイクロ波
の照射を行なうことで充分である。
本発明の骨付き鶏肉の加工において、骨付き鶏肉に予
めピックル液を注入し、または骨付き鶏肉をピックル液
に浸漬することなどの前処理を行なうことができる。ピ
ックル液の前処理によって骨付き鶏肉の保水性を向上
し、骨付き鶏肉の加熱調理後の肉の品質を向上する。ピ
ックル液は、業界においてピックル液といわれるもので
あってもよい。
以下において本発明を、実施例および実施例に代りう
る実験例によりさらに詳しく説明する。
実験例1 骨の加熱温度と血液の凝固の状態について試験を行な
った。
鶏のモモ肉の骨の部分に温度センサーを突っ込み、そ
の鶏のモモ肉を5KWマイクロ波加熱装置(設定出力:300
W、新日本無線社製)に入れて加熱し、第1表に示す温
度に到達した時に、鶏のモモ肉をマイクロ波加熱装置か
ら取り出し、鶏のモモ肉を切り開いて骨髄内部の血液の
凝固の状態を観察した。その結果は第1表に示すとおり
であった。
第1表によると、骨髄における血液を凝固するには、
骨を100℃に加熱することを要するが、調理において骨
から血液が流出しないようにするには骨を少なくとも80
℃に加熱することを必要とすることがわかる。
実験例2 鶏のモモ肉のマイクロ波による加熱における骨の加熱
温度と肉の加熱温度について試験を行なった。
鶏のモモ肉の骨の部分および肉の部分に、それぞれ温
度センサーを突っ込み、その鶏のモモ肉をマイクロ波加
熱装置(設定出力:300W、新日本無線社製)に入れて、
鶏のモモ肉の骨の部分および肉の部分の温度を経時的に
計測した。
その結果は第1図に示すとおりであった。
第1図における1(実線)は鶏のモモ肉の骨の部分の
温度であり、2(点線)は鶏のモモ肉の肉の部分の温度
である。
第1図によると、マイクロ波による加熱では、鶏のモ
モ肉の骨の部分は肉の部分よりも早く昇温することがわ
かる。
実験例3 鶏のモモ肉の食用油による加熱における骨の加熱温度
と肉の加熱温度について試験を行なった。
鶏のモモ肉の骨の部分および肉の部分に、それぞれ温
度センサーを突っ込み、その鶏のモモ肉を180℃に加熱
した食用油に入れて鶏のモモ肉の骨の部分および肉の部
分の温度を経時的に計測した。
その結果は第2図に示すとおりであった。
第2図における1(実線)は鶏のモモ肉の骨部分の温
度であり、2(点線)は鶏のモモ肉の肉の部分の温度で
ある。
第2図によると、食用油による加熱(油チョウ)では
鶏のモモ肉の骨の部分は肉の部分よりも遅れて昇温する
ことがわかる。
実施例 鶏のモモ肉(150g)に、下記の配合のピックル液20g
を注射器により注入し、その骨の部分に温度センサーを
突っ込み、この鶏のモモ肉を5KWマイクロ波加熱装置
(設定出力:300W、新日本無線社製)に入れて加熱し
た。4分後に骨の部分は100℃に昇温し、鶏のモモ肉を
取り出し、冷却して凍結した。
鶏のモモ肉の凍結品を180℃に加熱した大豆油に入れ
て油チョウして、加熱調理した。その調理品を食用に供
したが、肉質は軟らかく血液の流出も見られず、その品
質は良好であった。
(ピックル液の配合) 植物蛋白粉末 5.0%(重量) リン酸塩 1.0%(重量) 調味エキス 5.0%(重量) 香辛料 1.0%(重量) 水 88.0%(重量) 上記の鶏のモモ肉の加熱処理を、温度センサーを使用
することなく、同一の条件において再度実施したが、そ
の鶏のモモ肉の凍結品は上記と同様の油チョウ処理にお
いて血液の流出がなく、軟らかい肉質の良好な品質の調
理品が得られた。
これに対して、上記のマイクロ波加熱装置による加熱
処理を行なっていない鶏のモモ肉を180℃に加熱した大
豆油により油チョウした加熱調理品は、真赤な血液が骨
のまわりに流出し、肉質も表層部分が過熱により硬化し
ていた。
〔発明の効果〕
骨の内部で血液が凝固しているので加熱調理の際に、
肉質への血液の流出がなく、品質の良好な加熱調理品が
得られる。
予備的な加熱が済んでいるために加熱調理に要する時
間を短縮することができ、品質の良好な加熱調理品が得
られる。
ピックル液の注水を行なうと、肉質の保水性を向上
し、加熱を繰り返しても肉質が軟らかく、良好な品質の
加熱調理品が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実験例2の結果を示す図表であり、また第2
図は、実験例3の結果を示す図表である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】骨付き鶏肉にマイクロ波を照射し、それに
    よって骨髄中の血液を凝固することを特徴とする骨付き
    鶏肉の加工方法。
  2. 【請求項2】骨付き鶏肉が、予めピックル液を注入した
    ものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の骨付き鶏肉の加工方法。
  3. 【請求項3】マイクロ波が、骨髄中の血液を凝固するの
    に充分な強さにおいて、骨付き鶏肉に照射されることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
    骨付き鶏肉の加工方法。
  4. 【請求項4】骨髄中の血液を凝固するのに充分な強さ
    が、骨髄を100℃に加熱するのに充分な強さであること
    を特徴とする特許請求の範囲第3項に記載の骨付き鶏肉
    の加工方法。
JP62104796A 1987-04-30 1987-04-30 骨付き鶏肉の加工方法 Expired - Fee Related JP2517722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62104796A JP2517722B2 (ja) 1987-04-30 1987-04-30 骨付き鶏肉の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62104796A JP2517722B2 (ja) 1987-04-30 1987-04-30 骨付き鶏肉の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63269963A JPS63269963A (ja) 1988-11-08
JP2517722B2 true JP2517722B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=14390409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62104796A Expired - Fee Related JP2517722B2 (ja) 1987-04-30 1987-04-30 骨付き鶏肉の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2517722B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4758956B2 (ja) * 2007-07-03 2011-08-31 News Chef株式会社 電子レンジによる骨付き鳥もも肉の調理方法
JP5890612B2 (ja) * 2011-03-29 2016-03-22 株式会社キョーワ マイクロ波照射による魚骨の軟化方法
CA3101491A1 (en) * 2018-05-25 2019-11-28 Gea Food Solutions Bakel B.V. Coagulation of the marrow in bones

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63269963A (ja) 1988-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0249695B2 (ja)
US5514396A (en) Process for the production of low fat meats
JP2517722B2 (ja) 骨付き鶏肉の加工方法
KR900003442B1 (ko) 레토르트 식품의 제조방법
US2870018A (en) Diathermal tenderizing of meat
Kotula et al. Destruction of Trichinella spiralis during cooking
JPWO2006025102A1 (ja) 魚介類加工品の製造方法及び製造装置
US3192056A (en) Diathermal treatment in the curing and smoking of meats
US3816633A (en) Method for producing a commercially sterile shelf-stable containerized fried meat product
CA1084332A (en) Canned meat products of improved tenderness
Irmiter et al. Methods of preparing hard cooked eggs
Resurreccion Cookery of muscle foods
JPS6022900B2 (ja) エビまたは魚肉の加工法
KR20180035051A (ko) 수산물 가공방법
Furtado et al. Effects of cooking and/or processing upon levels of aflatoxins in meat from pigs fed a contaminated diet
KR920009478B1 (ko) 통조림용 다랑어(참치)의 가공방법
JP3793642B2 (ja) 焼き魚の製造方法
JP2000078957A (ja) 加工肉の製造方法
JP3078900B2 (ja) 即席焼豚の製造方法
JPS629286B2 (ja)
JP2643752B2 (ja) ローストビーフの調製方法
JP5890612B2 (ja) マイクロ波照射による魚骨の軟化方法
JP4204169B2 (ja) 天ぷらの製造方法
JP2000217548A (ja) 馬肉、豚の胃袋、牛の腸を原料とする肉加工食品及びその製造方法
SU993905A1 (ru) Способ приготовлени обжаренной рыбы

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees