JP2517714B2 - シ−ル材 - Google Patents

シ−ル材

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JP2517714B2
JP2517714B2 JP61290170A JP29017086A JP2517714B2 JP 2517714 B2 JP2517714 B2 JP 2517714B2 JP 61290170 A JP61290170 A JP 61290170A JP 29017086 A JP29017086 A JP 29017086A JP 2517714 B2 JP2517714 B2 JP 2517714B2
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oil
rubber
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microporous
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信義 原
矩具 松川
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Nok Corp
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Nok Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はシール材に関し、特に、油を含浸させたマ
イクロポーラス型合成吸着剤を配合してなる合成ゴムを
用い、シール材自体に自己潤滑性を付与して高い気密お
よび水密性を保持することのできるシール材に関するも
のである。
〔従来技術およびその問題点〕
部材間を気密、水密的にシールするシール材として従
来は、たとえば、ベースポリマーがアクリルゴムの合成
ゴムが使用されている。
上記のような合成ゴムを用いて製作したシール材は、
自己潤滑性を有さないために、部材間で相対的に往復運
動、揺動運動、回転運動等を行なう摺動部材に上記のよ
うなシール材を使用すると摺動面の潤滑不足により、特
に、ゴム部が摩耗し、気密、水密等の密封に必要なしめ
代が不足し、油漏れ等を生じるという問題点を有してい
た。
特に、空気を密封する装置においては、最初の装置の
設置時のみ、摺動面に油やグリース等の潤滑剤を塗布し
ておくので、かかる装置の運転中に経験的に潤滑剤が不
足して急激なシール材の摩耗が生じ、空気漏れにより当
該装置としての機能を十分に果たせなくなってしまうと
うい問題点を有していた。
本発明は上述のような問題点に鑑み成されたものであ
って、その技術的課題は、油を含浸させる吸湿剤を配合
してもシール材としてのシール特性を損なうことなく、
長期の自己潤滑能力を向上させることにある。また、シ
ール能力を向上させると共に、シール面の摺動に対する
強度を向上させることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上述の課題を解決するために、以下のように
構成されている。
すなわち、 被密封部材間をシールするゴム製シール材であって、
希釈溶剤を介して油を含浸させたマイクロポーラス型合
成吸着剤がゴムに配合されていものである。
〔作用〕
本発明は、上述の技術的手段によって、吸着剤から徐
々に油を供給するので、長期にわたって潤滑油をシール
面に供給することができる。しかも、吸着剤は微細なマ
イクロポーラス型であるから、ゴム材としてのシール能
力を発揮させることができると共に、吸着剤により摺動
に対するシール材の強度を向上させることもできる。
〔実施例〕
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明す
る。
この発明では、まず、油を含浸させたマイクロポーラ
ス型合成吸着剤を、ベースポリマーとしてのアクリルゴ
ム等に配合して合成ゴムを製造する。
上記のマイクロポーラス型合成吸着剤は、周知のよう
に、その外観は球状で、かつ、内部に無数の空洞を有
し、その空洞の内部には空気が充満した状態となってい
る。
また、前記マイクロポーラス型合成吸着剤を構成する
球の大きさは、粒径が約3〜15μmと小さく、さらに、
空洞の穴径も8〜4000Åと非常に小さい構造である。
ところで、上記のマイクロポーラス型合成吸着に、鉱
油、フッ素油、シリコン油等を含浸させるのに、単に、
それらの油中に前記合成吸着剤を投入しても、油は当該
吸着剤の空洞の入口部分の表面張力の作用を受け、した
がって、前記空洞の内部に油が侵入することはできない
ものである。
そこで、これを改善するために、上記のような各種の
油に希釈溶剤として、トルエン、アセトン、エチルアル
コール等を、約2〜10%投入した状態で、上記のマイク
ロポーラス型合成吸着剤を投入すると、空洞の内部の空
気が油中に抜け、代わりに油が、前記の空洞の内部に侵
入し、空洞の内部を充満した状態となる。
また、一度前記空洞の内部に侵入した油は、当該空洞
の表面部分の表面張力の作用を受け、再び外部に流出す
ることがなく、空洞の内部に留まっているものである。
上記の方法によって、油を含浸させたマイクロポーラ
ス型合成吸着剤を製造した後、当該吸着剤を配合してシ
ール材用の合成ゴムを製造する。
つぎに、上記の含油マイクロポーラス型合成吸着剤入
の合成ゴムの製造方法、すなわち、合成ゴム混練り法を
説明する。
通常、合成ゴムの混練りは、ベースポリマーに架橋
剤、可塑剤、補強剤、老化防止剤等を加え、オープンロ
ールにより混練りを実施している。
この発明に使用する合成ゴムは、上記のものに加えて
含油マイクロポーラス型合成吸着剤を同時に投入し混練
りを実施する。
つぎに、上記の合成ゴムを製造するためのベースポリ
マー、含浸させるための油種、油量、含油マイクロポー
ラス型合成吸着剤の配合量について具体的に述べる。
まず、ベースポリマーとしては、つぎのものが使用可
能である。
(a)アクリロニトリル・ブタジェンゴム (b)アクリルゴム (c)フッ素ゴム (d)エチレンプロピレンゴム (e)クロロプレンゴム (f)スチレンブタジェンゴム (g)ブチルゴム (h)シリコンゴム つぎに、マイクロポーラス型合成吸着剤へ含浸させる
油種と油量とについては以下の通りである。
A・油種 (a)オートマチックトランスミッションオイル (b)エンジンオイル (c)ギヤオイル (d)タービンオイル (e)ブレーキオイル (f)シリコンオイル (g)フッ素オイル B・油量 40〜80%(重量比) また、前記マイクロポーラス型合成吸着剤としては、
富士デヴィソン化学製品のサイロイド800(材質SiO
2系)を用い、このものにおいては、細孔穴径(平均)
が160Å、細孔容積が16ml/g、粒径(平均)が3.5μmで
ある。
なお、含油マイクロポーラス型合成吸着剤のベースポ
リマーの投入量は、重量比で1〜50%である。
以上のような配合量で製造された合成ゴムを用いて、
第1図から第6図に示すようなシール材を製造した。
すなわち、第1図に示すものは、上記のものでシャフ
ト1と部材2との間に介在するOリング3を製作したも
の、第2図に示すものは、シャフト1と部材2との間に
介在するDリング4を製作したもの、第3図に示すもの
は、Xリング5を製作したもの、第4図に示すものは、
バックアップリング6を備えたTリング7を製作したも
の、第5図に示すものは、Uパッキン8を製作したも
の、第6図に示すものは、バックアップリング6を備え
たVパッキン9を製作したものである。
つぎに、シール材としての含油マイクロポーラス型合
成吸着剤入り合成ゴム製品特性について述べる。
含油マイクロポーラス型合成吸着剤入り合成ゴム製品
は、含油された合成ゴム製のため、製品表面に油が抽出
した状態を示し、製品表面への油の抽出量は含油マイク
ロポーラス型合成吸着剤の投入量が多いほど多くなると
いう互いに比例関係にあるが、製品の製造工程上、あま
り投入する量が多いと外観不良を生じ易く、そのため使
用用途に応じてその投入量を定めている。
含油マイクロポーラス型合成吸着剤入り合成ゴムによ
り、上記の第1図に示すOリングのようなシール材を形
成し、部材間に介在させることによって、シール材自体
の内部から外部へ油が持続的に滲み出すことになる。
なお、下記の表に、ベースポリマーとしてアクリルゴ
ム、含浸させた油種としてオートマチックトランスミッ
ションオイルを使用し、また、含浸させた油量として、
重量比で60%、含油マイクロポーラス型合成吸着剤の上
記ベースポリマーへの投入量を0〜50%(重量比)に変
化させた場合の各種特性を示す。
なお、上記の表において、ドライ摩耗試験は、第7図
に示すように試験機の固定台10と回転台11との間に、た
とえば、Oリングのような試料T・Pを介在させ、表欄
に示す条件にて試験した場合の結果が示してある。
上記の表から明らかなように、含油マイクロポーラス
型合成吸着剤の投入比が30%以上になると、若干硬度が
増し、逆に、引張り強さは減少し、また、伸びは増加す
る結果となる。
さらに、圧縮永久歪も投入量に比例して増加するが、
体積変化率は殆ど変化しない傾向にある。
また、摩耗量は、含油マイクロポーラス型合成吸着剤
の投入比が増加するにしたがって少なくなる。
製品の外観不良については、先に述べたように前記投
入比が増加するにしたがって増加する。
〔発明の効果〕
本発明のゴム材製のシール材は、希釈溶剤を介して油
が含浸されたマイクロポーラス型合成吸着剤が配合され
ているので、以下のような効果を奏する。
すなわち、 (a)マイクロポーラス型合成吸着剤に希釈溶剤を介し
て油を含浸させているので、マイクロポーラス型合成吸
着剤の粒径を小さくしても油を含浸することができる。
このため、小径の吸着剤を配合したシール材は弾力性が
阻害されることがないので、吸着材からの油による潤滑
性と阻害されないゴム材としての弾力性によるシール性
とを発揮することが可能になる。
(b)希釈溶剤によって小径を可能とした吸着剤は、ポ
ーラス状の空洞も小さくできるから、空洞の表面部分の
表面張力を小さくして、空洞内部に油を留め、シール面
に対し長期にわたり継続して油を供給することが可能に
なる。その結果、空圧用シール材としてのシール面の耐
摩耗と潤滑性に優れた効果を奏する。
(c)マイクロポーラス型合成吸着剤はポーラスにより
ゴムとの結合力を強化することができ、回転軸用シール
としての耐強度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図はこの発明の実施例であり、断面形状
を各種変えたシール材の断面図、第7図はこの発明のシ
ール材について、ドライ摩耗試験を行なう場合の説明図
である。 1……シャフト 2……部材 3……Oリング 4……Dリング 5……Xリング 6……バックアップリング 7……Tリング 8……Uパッキン 9……Vパッキン 10……固定台 11……回転台 T・P……試料

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被密封部材間をシールするゴム製シール材
    であって、希釈溶剤を介して油を含浸させたマイクロポ
    ーラス型合成吸着剤がゴムに配合されていることを特徴
    とするシール材。
JP61290170A 1986-12-05 1986-12-05 シ−ル材 Expired - Lifetime JP2517714B2 (ja)

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