JP2517337Y2 - プリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はプリンタに係り、特に、プラテンに対して用
紙の必要以上の離間を防止するための紙押え部材を有す
るプリンタの改良に関する。

〔従来の技術〕

第３図および第４図は従来のプリンタの一例としての
サーマルプリンタを示すものであり、プラテン１の長手
方向に沿って印字位置を規定するプラテンゴム２が配設
されており、前記プラテン１の下方には、前記プラテン
１およびプラテンゴム２に巻回される用紙３を前記プラ
テンゴム２に沿うように案内する円弧状の紙ガイド４が
配設され、この紙ガイド４の上方には、円筒状の紙送り
機構５が配設されている。前記プラテンゴム２に対向す
る位置には、印字方向の後方側端部に発熱素子の集合体
たる発熱部6aが形成されたサーマルヘッド６が配設さ
れ、このサーマルヘッド６は、前記プラテン１に沿って
配設されたキャリッジ軸７上に第３図において左右方向
に移動可能に取付けられたキャリッジ８に搭載されてい
る。また、このキャリッジ８上には、内部に２つの巻取
りボビン9a,9bが設けられたリボンカセット９が装着さ
れ、このリボンカセット９内には、インクリボン10が前
記巻取りボビン9a,9bに巻付けられた状態で収納されて
おり、このインクリボン10は、その中間部が前記用紙３
とサーマルヘッド６との間に介在するようになってい
る。さらに、前記キャリッジ８の前記サーマルヘッド６
の両側部には、第５図に示すように、平板状の紙押え部
材11,11がキャリッジ８と一体に取付けられている。

また、プラテン１の一端部には、駆動源としてのパル
スモータ12およびこのパルスモータ12の回転駆動力を伝
達する歯車列13が配設され、このパルスモータ12による
駆動力は、クラッチ機構14を介して用紙３の紙送り機構
５およびキャリッジ８の移動機構に伝達されるようにな
っている。

前述した構成によれば、パルスモータ12を駆動し、歯
車列13およびクラッチ機構14を駆動して、紙送り機構５
を回転させ、用紙３を印字位置にセットする。そして、
前記パルスモータ12を駆動することにより、インクリボ
ン10をサーマルヘッド６により用紙３に圧接させた状態
でキャリッジ８をプラテン１に沿って移動させながら、
サーマルヘッド６の発熱部6aに印字用エネルギを付与す
ることにより、この発熱部6aが発熱されて対向するイン
クリボン10のインクを溶融して用紙３にインクが転写さ
れ印字が行なわれる。このとき、サーマルヘッド６の両
側に位置する前記紙押え部材11,11により、印字中にサ
ーマルヘッド６の両側の用紙３が必要以上に離間してし
まうことを防止することがき、プラテン１から用紙３が
不用意に離間して印字むらが生じることを防止すること
ができる。

また、１行分の印字が終了してキャリッジ８が戻る場
合に、前記サーマルヘッド６は、プラテンゴム２から離
れた状態すなわちヘッドアップ状態に保持されるが、こ
のときにはサーマルヘッド６側に倒れ込もうとする用紙
３を前記紙押え部材11,11により阻止することができ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前述した従来のプリンタにおいては、
キャリッジ８が移動する際に紙押え部材11,11が用紙３
に摺接するので、この紙押え部材11,11により用紙３上
の印字が削落されてしまうという問題点を有していた。

本考案は前述した従来のものにおける問題点を解決
し、紙押え部材による用紙上の印字の削落を確実に防止
することのできるプリンタを提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

前述した問題点を解決するため本考案に係るプリンタ
は、プラテンに沿って移動自在にキャリッジを設けると
ともに、このキャリッジに、印字ヘッドを搭載してなる
プリンタにおいて、前記キャリッジの前記印字ヘッドの
両側に前記キャリッジの移動に伴い用紙に沿って転動し
得る１対の紙押えローラを前記プラテンに対して所定間
隔を有するように配設し、これら各紙押えロールをその
周面が最大径が下端部に位置し上部に向かうにつれて半
径を漸減してなり上下方向において曲面状をなすほぼ円
錐形状に形成したことを特徴としている。

〔作用〕

前述した構成の本考案によれば、紙押えローラによ
り、印字中にサーマルヘッドの両側の用紙が必要以上に
離間してしまうことを防止することができるので、プラ
テンからの用紙の離間による印字むらが生じることを防
止することができる。また、サーマルヘッドのヘッドア
ップ状態で、キャリッジの戻り動作が行なわれる際に、
各紙押えローラに用紙が接触することになり、前記用紙
を保持することができるので、用紙がキャリッジ側に必
要以上に倒れ込むのを防止することができ、また、前記
用紙が倒れ込んで紙押えローラに接触した場合に、紙押
えローラが回転自在とされているので、紙押えローラが
用紙に沿って転動され、紙押えローラと用紙との摩擦が
ほとんど生じることがなく、しかも、前記紙押えローラ
をその周面が最大径が下端部に位置し上部に向かうにつ
れて半径を漸減してなり上下方向において曲面状をなす
ほぼ円錐形状に形成しているので、紙押えローラの周面
に角部が形成されず、紙押えローラの周面が局部的に用
紙に接触してしまうことがなく、したがって、紙押えロ
ーラによる用紙上の印字の削落を確実に防止することが
できる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。な
お、前述した従来のものと同一の構成については、図面
中に同一の符号を付し、その説明は省略する。

第１図は本考案に係るプリンタの一例としてのサーマ
ルプリンタを示すものであり、プラテンに沿って往復動
可能とされているキャリッジ８の上面のサーマルヘッド
６の両側には、このキャリッジ８の上面に対して垂直な
１対の軸15,15が立設されており、各軸15には、紙押え
ローラ16,16がそれぞれ回転自在に支持されている。こ
れら各紙押えローラ16,16は、第１図に示すように、そ
の周面が最大径が下端部に位置し上部に向かうにつれて
半径を漸減してなり上下方向において曲面状をなすほぼ
円錐形状に形成されており、また、前記各紙押えローラ
16,16は、第２図に示すように、キャリッジ８からプラ
テン１（第１図）側に突出した位置に位置決めされてい
る。また、前記紙押えローラ16は、柔軟性を有し、摩擦
係数の小さい材質により形成されている。

つぎに、前述した構成の本実施例の作用について説明
する。

印字を行なう場合は、サーマルヘッド６を、第２図に
想像線で示す位置まで突出せしめておき、図しないパル
スモータを駆動してキャリッジ８をプラテン１に沿って
移動させながら、サーマルヘッド６の発熱部6aに印字用
エネルギを付与して発熱した発熱部6aに対向するインク
リボン10のインクを溶融することにより、用紙３にイン
クを転写して印字が行なわれる。このとき、サーマルヘ
ッド６の両側に各紙押えローラ16を設けるようにしてい
るので、この紙押えローラ16により、印字中にサーマル
ヘッド６の両側の用紙３が必要以上に離間してしまうこ
とを防止することができ、プラテン１からの用紙３の離
間による印字むらが生じることを防止することができ
る。

また、１行分の印字が終了したら、前記サーマルヘッ
ド６は、第２図に実線で示すように用紙３から離れた状
態すなわちヘッドアップ状態に保持されるが、本実施例
においては、このヘッドアップ状態で、キャリッジ８の
戻り動作が行なわれる際に、サーマルヘッド６により押
圧されていない用紙３がプラテン１から離間するように
倒れ込んだ場合でも、各紙押えローラ16に用紙３が接触
することにより、前記用紙３を保持することができるの
で、用紙３がキャリッジ８側に必要以上に倒れ込むのを
防止することができる。そして、前記用紙３が倒れ込ん
で紙押えローラ16に接触した場合に、紙押えローラ16は
用紙３に沿って転動するので、紙押えローラ16と用紙３
との摩擦がほとんど生じることがなく、しかも、前記紙
押えローラ16をその周面が最大径が下端部に位置し上部
に向かうにつれて半径を漸減してなり上下方向において
曲面状をなすほぼ円錐形状に形成しているので、紙押え
ローラ16の周面に角部が形成されず、紙押えローラ16の
周面が局部的に用紙３に接触してしまうことがなく、し
たがって、紙押えローラ16による用紙３上の印字の削落
を確実に防止することができる。

なお、本考案は、前述した実施例に限定されるもので
はなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例え
ば、紙押えローラ16はインクジェット式のプリンタ等に
も適用することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るプリンタによれば、
紙押えローラにより、印字中およびキャリッジの戻り動
作中に、プラテンから用紙が必要以上に離間してしまう
ことを防止することができ、また、紙押えローラが用紙
に沿って転動するので、用紙が紙押えローラに接触した
場合に、ほとんど摩擦が発生せず、しかも、紙押えロー
ラをその周面が最大径が下端部に位置し上部に向かうに
つれて半径を漸減してなり上下方向において曲面状をな
すほぼ円錐形状に形成しているので、紙押えローラの周
面が局部的に用紙に接触してしまうことがなく、紙押え
ローラによる用紙上の印字の削落を確実に防止すること
ができるという実用的な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案に係るプリンタの実施例た
るサーマルプリンタを示したもので、第１図はキャリッ
ジ近傍の斜視図、第２図はリボンカセットを装着した要
部の平面図、第３図は従来のサーマルプリンタを示す平
面図、第４図は第３図の縦断面図、第５図は従来のサー
マルプリンタのキャリッジ近傍の斜視図である。 １…プラテン、３…用紙、６…サーマルヘッド、８…キ
ャリッジ、９…リボンカセット、16…紙押えローラ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンに沿って移動自在にキャリッジを
   設けるとともに、このキャリッジに、印字ヘッドを搭載
   してなるプリンタにおいて、前記キャリッジの移動に伴
   い用紙に沿って転動し得る１対の紙押えローラを前記プ
   ラテンに対して所定間隔を有するように配設し、これら
   各紙押えローラをその周面が最大径が下端部に位置し上
   部に向かうにつれて半径を漸減してなり上下方向におい
   て曲面状をなすほぼ円錐形状に形成したことを特徴とす
   るプリンタ。