JP2524133B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、プラテンに沿って往復移動するインクジェ
ット記録ヘッドにより該プラテンに配された記録媒体に
記録を行うインクジェット記録装置に関する。

〔従来技術〕

プリンタやファクシミリなどの記録装置は、記録情報
に応じて記録ヘッドの記録素子を駆動することにより、
プラテンにバックアップされた記録シート（用紙やプラ
スチック薄板などの記録媒体）にドットパターンを形成
して記録していくものである。

この記録装置は、装置の型式からシリアル型式、ライ
ン型式およびページプリント型式などに分けることがで
き、記録方式からはインクジェット式、ワイヤドット式
およびサーマル式などに分けることができる。

本発明は、前記シリアル型式の記録装置に関する。

このシリアル型式の記録装置は、記録シートをバック
アップするプラテンに沿って移動する移動台に記録ヘッ
ドを搭載し、該記録ヘッドを走査移動させながら記録し
ていくよう構成されている。

このシリアル型式の記録装置にあっては、サーマル式
の場合記録ヘッドは記録シートに圧接され、インクジェ
ット式やワイヤドット式の場合記録ヘッドと記録シート
との間に一定の隙間（例えば0.3〜1.0mm）が設けられる
が、いずれにしても、記録ヘッドと記録シート（または
プラテン）との間隔は記録品位に直接影響する重要な要
因であり、記録シートの全幅またはプラテンの全長にわ
たって均一かつ正確にセットすることが要請される。

インクジェット記録装置の場合を例にとって具体的に
説明すれば以下のとおりである。

インクジェット記録装置は、記録ヘッドに形成した複
数のインク吐出口から記録情報に応じてインク滴を噴出
させ、該インク滴を記録シートに付着させてドットパタ
ーンを形成していくよう構成されている。

ところで、この種の記録装置においては、記録ヘッド
から飛翔したインク滴の進行方向は、該記録ヘッドの走
査速度成分などが加わるので、記録シートに対して必ず
しも垂直ではなく、このため、記録ヘッドと記録シート
との間隔は記録領域全体にわたって正確に一定に保つ必
要がある。

特に複数のノズルを有する記録ヘッドにおいては、そ
れぞれのノズルから微小ではあるが記録シートに対して
垂直でないインク滴吐出を行うため、記録ヘッドと記録
シートとの間隔は一定に保つだけでなくできるだけ小さ
く設定することが望ましい。

第４図はこれらを考慮した従来の記録装置を示し、第
５図は第４図の装置で記録ヘッドが右端に位置する状態
の模式的平面を示す。

第４図および第５図において、１は用紙やプラスチッ
ク薄板などから成る記録媒体としての記録シート、２は
記録シート１を記録位置でバックアップ（または保持）
するプラテン、３は記録シート１へ向けてインク滴を吐
出する複数のインク吐出口を有する記録ヘッド、４は記
録ヘッド３と記録シート１との間隔を規制するためのロ
ーラ、５はローラ４および記録ヘッド３を搭載する移動
台、６は移動台５を案内支持するキャリジ、７はキャリ
ジ６をプラテン２と平行に案内支持する一対のガイドレ
ールである。

以上の記録装置において記録シート１に記録ヘッド３
で記録する時、キャリジ６は第４図中の矢印Ｐ方向へ移
動する。

前記移動台５は、キャリジ６上で、記録シート１の表
面に垂直な方向にのみ移動可能に案内支持され、かつ内
臓されたばねなどの弾性手段（図示せず）により記録シ
ート１に向う方向に付勢されている。この場合、ローラ
４は記録ヘッド３より所望の一定量だけ前方へ突出して
装着されており、したがって、該ローラが記録シート１
に前記ばね力で圧接されることにより記録ヘッド３と記
録シート１との間隔が所望の一定値に保たれている。

しかし、以上の従来構造では、記録ヘッド３が記録シ
ート１の端部近傍まで記録する場合、第５図に示すよう
に、ローラ４は記録ヘッド３より先行する位置のみに配
置されているので、該ローラ４が記録シート１から離れ
プラテン２に直接接触する状態になる。

したがって、記録シート１の端まで記録することを考
慮すれば、記録シート１を支持するプラテン２は該記録
シートの最大幅より少なくとも距離Ａだけは大きく（長
く）せねばならず、装置に無駄なスペースが必要であ
り、小型軽化に反するという問題があった。

この傾向は、カラー記録用など複数の記録ヘッドを備
えた記録装置ではさらにひどくなり、第１番目の記録ヘ
ッドから最後に記録を行う記録ヘッドまでの距離が前述
の無効距離Ａに合算されることになり、したがって、多
色であればあるほど、上記プラテン２の余裕長さＡを大
きく設定せねばならず、ますます大型になるという問題
があった。

さらに、ローラ４は、記録シート１の端部付近での記
録ヘッド３の記録中に、記録シート１から離れてしまう
ため、記録ヘッド３と記録シート１との間隔が一定に保
たれないという問題もあった。

〔目的〕

本発明は上記従来技術に鑑みてなされたものであり、
本発明の目的は、記録ヘッドと記録媒体との間隔を常に
設定値に保ちながら、プラテンの長さを記録媒体の幅と
ほぼ同じ寸法まで短縮することができ、装置の小型軽量
化を達成できるインクジェット記録装置を提供すること
である。

〔目的達成のための手段〕

本発明は、プラテンに沿って往復移動するインクジェ
ット記録ヘッドにより該プラテンに配された記録媒体に
記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録
媒体の搬送方向と交差する方向へ前記インクジェット記
録ヘッドを往復移動させるためのキャリジと、前記キャ
リジの移動方向に関して前記インクジェット記録ヘッド
を挟んだ両側で前記キャリジ上に配されかつ前記プラテ
ン側へ突出する複数のローラ部材と、を有し、前記キャ
リジの往復移動領域の両端部夫々で、前記キャリジ移動
方向前方側のローラ部材は前記プラテンより外側に位置
するとともに、前記キャリジ移動方向後方側のローラ部
材は前記プラテンに配された前記記録媒体と当接する構
成とすることにより、上記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下第１図〜第３図を参照して本発明を具体的に説明
する。

第１図は本発明によるインクジェット記録装置の一実
施例を示し、図中、第４図の場合と同じ番号はそれぞれ
同一または対応部分を表す。

すなわち、第１図においても、１は用紙やプラスチッ
ク薄板などの記録媒体としての記録シート、２は記録シ
ート１を記録位置で保持するプラテン、３は記録シート
１へ向けてインク滴を吐出する複数のインク吐出口を有
し記録情報に応じてインクドットパターンを形成するよ
う駆動されるインクジェット記録ヘッド、4Aおよび4Bは
記録ヘッド３と記録シート１との間隔を保つため記録ヘ
ッド３の両側において該記録ヘッドより設定量だけ突出
する位置で回転自在に軸支されたローラ、５はローラ4
A、4Bおよび記録ヘッド３を搭載する移動台、６は移動
台５を記録シート１の面と垂直な方向に案内支持するキ
ャリジ、７はキャリジ６をプラテン２と平行な方向に案
内支持する一対のガイドレールである。

記録ヘッド３の走査移動方向の前後に設けられたロー
ラ4A、4Bは、記録シート１の面に垂直な方向の同じ位置
でかつ記録ヘッド３先端から記録シート１に向けて所定
の距離（適正ヘッド間隔に相当する距離）だけ突出する
よう配置されている。

移動台５は、キャリジ６上で、記録シート１の面に垂
直な方向に滑らかに移動可能に係合されて案内支持され
ており、内臓されたばねなどの弾性手段（図示せず）に
より記録シート１へ向けて付勢されている。この移動台
５はこうして記録シート１の面と垂直な方向にのみ直動
可能に案内支持されている。

第２図は第１図の記録装置で記録ヘッド３が左側の走
査開始（または終了）位置にある状態を示し、第３図は
第１図の記録装置で記録ヘッド３が右側の走査終了（ま
たは開始）位置にある状態を示す。

第１図の記録装置で記録を行うとき、記録ヘッド３は
第２図に示す左側の走査開始位置から記録を開始する。
この開始位置では、一方のローラ4Aは記録シート１上に
あるが他方のローラ4Bはプラテン２から外れた位置にあ
る。

記録が開始されると第２図中の矢印Ｐ方向へキャリジ
６がガイドレール７に沿って走査移動し、移動台５も該
キャリジ６とともに記録シート１に向けてばね付勢され
た状態で移動する。したがって、最初はローラ4Aのみが
記録シート１に当接（圧接）されているが、記録開始後
所定距離移動するとローラ4Bも当接することになるが、
このローラ4Bの記録シート１面と垂直な方向の位置はロ
ーラ4Aと同じ位置であるので、記録ヘッド３と記録シー
ト１との間隔を所定量に保つうえでは、少なくとも一方
のローラが記録シート１上にあればよいが、両方のロー
ラ4A、4Bとも記録シート１上にあっても何ら支障はなく
同様に記録ヘッド３と記録シート１との間隔を所定量に
保つことができる。

こうして、記録ヘッド３が記録シート１を走査する
間、記録ヘッド３と記録シート１との間隔は記録を行う
のに最適な間隔を正確に保つことができる。

キャリジ６を矢印Ｐ方向に移動させながら記録が進行
し、記録シート１の反対側（右側）端部近傍に記録する
ときは、第３図に示すように、右側のローラ4Aは記録シ
ート１またはプラテン２から離れるが、左側のローラ4B
は最後まで記録シート１またはプラテン２に当接してお
り、記録ヘッド３と記録シート１との間隔は常に設定値
（適正値）に保つことができる。

キャリジ６が記録シート１の右端部で反転された後左
向きに移動する場合も、記録の有無（双方向記録か片方
向記録か）にかかわらず、前述の矢印Ｐ方向に移動する
場合と同様に、記録ヘッド３と記録シート１との間隔は
設定値に保たれる。

以上図示して説明した実施例によれば、記録ヘッド３
と記録シート１との間隔を保つためのローラを該記録ヘ
ッドの両側に設けたので、記録ヘッド３が記録シート１
の左右いずれの端部に位置する場合でも、少なくとも一
方のローラが記録シート１上に当接しており、したがっ
て、プラテン２の長さを記録シート１の幅とほぼ同じ寸
法まで短縮することができ、記録装置の小型軽量化を達
成することができた。

特に、カラー記録装置など複数の記録ヘッドを有する
場合は左右のローラ4A、4B間のピッチが大きくなり、従
来構造に比べてプラテン長さの減少量をそれだけ大きく
することができ、小型軽量化の効果の程度が一層顕著に
なった。

〔効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、プ
ラテンに沿って往復移動するインクジェット記録ヘッド
により該プラテンに配された記録媒体に記録を行うイン
クジェット記録装置において、前記記録媒体の搬送方向
と交差する方向へ前記インクジェット記録ヘッドを往復
移動させるためのキャリジと、前記キャリジの移動方向
に関して前記インクジェット記録ヘッドを挟んだ両側で
前記キャリジ上に配されかつ前記プラテン側へ突出する
複数のローラ部材と、を有し、前記キャリジの往復移動
領域の両端部夫々で、前記キャリジ移動方向前方側のロ
ーラ部材は前記プラテンより外側に位置するとともに、
前記キャリジ移動方向後方側のローラ部材は前記プラテ
ンに配された前記記録媒体と当接する構成としたので、
記録ヘッドが記録媒体の左右いずれの端部に位置する場
合でも少なくとも一方のローラ部材が記録媒体上に当接
していることから、記録ヘッドと記録媒体との間隔を常
に設定値に保ちながら、プラテンの長さを記録媒体の幅
とほぼ同じ寸法まで短縮することができ、装置の小型軽
量化が達成できるインクジェット記録装置が提供され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるインクジェット記録装置の一実施
例の要部概略斜視図、第２図および第３図はそれぞれ第
１図の装置で記録ヘッドが左側および右側に位置する時
の状態を模式的に示す平面図、第４図は従来の記録装置
の要部概略斜視図、第５図は第４図の装置で記録ヘッド
が右側に位置する時の状態を模式的に示す平面図であ
る。 １……記録シート、２……プラテン、３……インクジェ
ット記録ヘッド、4A、4B……ローラ、５……移動台、６
……キャリジ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンに沿って往復移動するインクジェ
   ット記録ヘッドにより該プラテンに配された記録媒体に
   記録を行うインクジェット記録装置において、 前記記録媒体の搬送方向と交差する方向へ前記インクジ
   ェット記録ヘッドを往復移動させるためのキャリジと、 前記キャリジの移動方向に関して前記インクジェット記
   録ヘッドを挟んだ両側で前記キャリジ上に配されかつ前
   記プラテン側へ突出する複数のローラ部材と、 を有し、 前記キャリジの往復移動領域の両端部夫々で、前記キャ
   リジ移動方向前方側のローラ部材は前記プラテンより外
   側に位置するとともに、前記キャリジ移動方向後方側の
   ローラ部材は前記プラテンに配された前記記録媒体と当
   接することを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 【請求項２】前記キャリジから突出する前記複数のロー
   ラ部材は前記プラテンに配された前記記録媒体と前記キ
   ャリジに装着された前記インクジェット記録ヘッドとの
   間隔を一定に維持するための部材であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載のインクジェット記録装
   置。