JP2516729B2 - 脂肪組成物の分別法 - Google Patents

脂肪組成物の分別法

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JP2516729B2 JP5241457A JP24145793A JP2516729B2 JP 2516729 B2 JP2516729 B2 JP 2516729B2 JP 5241457 A JP5241457 A JP 5241457A JP 24145793 A JP24145793 A JP 24145793A JP 2516729 B2 JP2516729 B2 JP 2516729B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/14Ultrafiltration; Microfiltration
    • B01D61/147Microfiltration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D7/00Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines
    • A23D7/06Preservation of finished products
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B7/00Separation of mixtures of fats or fatty oils into their constituents, e.g. saturated oils from unsaturated oils
    • C11B7/0083Separation of mixtures of fats or fatty oils into their constituents, e.g. saturated oils from unsaturated oils with addition of auxiliary substances, e.g. cristallisation promotors, filter aids, melting point depressors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に脂肪の加工、詳
細には脂肪の分別の分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然脂肪、たとえばバターは成分の複雑
な混合物であり、主成分としてトリグリセリドを含有
し、それらはそれぞれ最高3個の脂肪酸部分とグリセリ
ンのエステルである。個々の脂肪酸部分の性質は供給源
に応じて異なる。特定の供給源からですら、グリセリド
は日毎に、また季節毎に著しく変動する可能性がある。
このような変動性は利用者、たとえばベーカーにとって
難点となる。脂肪成分のわずかな変化が最終製品の品質
および特性に実質的な影響を及ぼす場合があるからであ
る。従ってこれらの天然脂肪製品を利用する者は、この
ような天然脂肪供給源における変化に対処するために絶
えず配合およびプロセス変数を調整しなければならな
い。
【0003】バターは一般に著しく多様かつ複雑な脂肪
酸グリセリドの混合物であるので、性質および特性、た
とえば融点が不確定であり、溶融が一般に広い温度範囲
にわたって起こる。性質および特性は季節および気候の
変化に伴っても変動する。
【0004】このような変動性のため、利用者が絶えず
監視してプロセス条件を調整する必要性を避けるために
は、ある程度の均質性を備えた各種の脂肪製品を提供す
る手段が得られれば有益であろう。ベーキングおよび調
理工業においては、狭い範囲に限定された特性、たとえ
ば狭い、かつ十分に定まった融点をもつ脂肪成分を入手
しうることが特に重要である。
【0005】また、消費者向け食品に用いられる天然脂
肪は、大部分ではないとしても多くが実質量の飽和脂肪
を含有することも十分に認識されている。バターが主要
な例である。多くの消費者向け用途にとって、たとえば
バターなど最初の脂肪成分の飽和脂肪の量を減少させる
ことによって最終製品の飽和脂肪の量を減少させること
が望ましいであろう。従って未処理の天然産物、たとえ
ばバターと比較して飽和脂肪の量を減少させうる一般的
方法が望ましいと思われる。
【0006】天然の脂肪原料、たとえばバターを処理し
て特定の性質を備えた画分を得るために各種の技術およ
び方法が採用されているが、これらの方法は大部分が材
料の成分を変化させるだけでなく、製品の品質、特にそ
の味、芳香または口当たりにも不都合な影響を及ぼす。
【0007】たとえばバターについて考えると、処理済
み製品はいずれもバターの風味および口当たりを維持す
るという消費者の要望にとって受け入れられるものでは
ない。冷蔵庫から取り出した際の塗りやすさも望まし
い。
【0008】飽和脂肪は一般に不飽和脂肪より高い融点
をもつので、このような高融点脂肪の少なくとも一部分
を選択的に除去することにより、飽和脂肪がより少な
く、一方では塗りやすい脂肪画分を調製することができ
る。不飽和画分は低融点成分の割合が高いので、それを
塗りやすくするからである。
【0009】調理およびベーキング工業用として一定の
特性を備えた天然脂肪組成物の画分を調製するために、
多数の商業的方法が試みられた。これらの方法には、短
距離蒸留、超臨界抽出および溶融結晶化が含まれる。一
般にこれらの方法によれば、高融点脂肪を含有する″硬
質″画分、および低融点物質を含有する軽量画分が得ら
れる。出発原料がバターである場合、″硬質″画分はベ
ーキング用およびショートニング用として有用である。
【0010】溶融結晶化法が最も広く受け入れられてい
ることが認められた。これは主として法的および経済的
問題によるものである。この主要な方法は″ティルトー
(Tirtiaux)″法として知られている。その方
法によれば、バターを約60℃の温度に加熱してバター
を溶融させる。次いでバターを極めて低い冷却速度、約
3℃/時で冷却して、約300μmの大きさの大型脂肪
結晶を形成させる。1−600μmの幅広い粒度分布が
予想される。これらの結晶は高融点成分からなり、液体
は主として低融点成分からなる。液相は主として成分の
不飽和部分を含む。真空フィルター床を用いて結晶を濾
別しているが、残念ながら著しい量の液体が結晶と共に
残る。この結晶化サイクルは最初のバター脂供給原料か
ら1回分の画分を得るだけで約20時間を要し、2回の
結晶サイクルを実施するのに必要な期間全体は60時間
を越えるであろう。この処理を受けるバターもその風味
が著しく劣化する。
【0011】現在行われている方法の場合、伝統的に3
工程が採用されている。第1工程によれば、それ以前の
熱履歴を除くためにバターを加熱して60℃に保持す
る。次いで極めて厳密に制御された温度条件下で成核お
よび結晶生長を誘発する。この第2工程には著しく時間
がかかり、必要な装置は資本集約型である。この工程は
分別工程当たり10−18時間を要する可能性がある。
得られた結晶は一般に約300μmの大きさである。こ
のような大型の結晶が生じる理由は、極めて低速、通常
は約0.01℃/分の冷却により起こる低速の生長によ
るものである。急速な冷却はティルトー法では排斥され
る。急速な冷却は濾過しにくい小型結晶を形成し、かつ
極めて高い粘度の流体を生じ、これも濾過および処理を
困難にするからである。バターを長期間熱処理すること
は、比較的小さい分子量の風味増強性化合物が蒸発する
ためバターが風味を失う可能性もある。
【0012】さらにこのバター処理法は、バターが細菌
その他の生物を比較的含まない状態にするために、低温
殺菌工程を必要とする。残念ながら、より高い低温殺菌
に必要な温度はバターの風味に不都合な影響を及ぼす。
さらにこのように高い温度を採用しても、低温殺菌処理
は望ましくない細菌をすべて除去するわけではない。従
って低温殺菌の必要なしにバターの細菌数を減少させる
手段に対する要望もある。
【0013】発明の概要 本発明はまず、脂肪酸グリセリドの混合物を含有する組
成物を2以上の画分に分別するための迅速法を提供す
る。さらに本発明はまず、原料脂肪組成物の望ましい官
能成分に不都合な影響を及ぼすことなく脂肪組成物を分
別する方法を提供する。
【0014】脂肪酸グリセリドの結晶形成を誘発させる
ことにより脂肪組成物を分別するための先行技術方法が
すべて、濾過可能な脂肪結晶を得るために極めて低速の
冷却法に依存していたという事実からみて、本発明方法
はまさに驚異的である。先に述べたように、このような
低速冷却は一般に極めて長時間を要する。しかし今回、
脂肪組成物、たとえばバターを急速に冷却して、濾過し
うる脂肪グリセリド結晶を迅速に得るのが可能であるこ
とが見出された。
【0015】液化した脂肪組成物を冷却する冷却速度お
よび温度を選択的に選ぶことにより、結晶の形成が誘発
される脂肪酸グリセリドの性質を調整し、これに応じて
濾過後に得られる濾液および濃縮液双方の性質を制御す
ることができる。
【0016】本発明方法は脂肪組成物を極めて迅速に分
別することもできる。液化した脂肪組成物を冷却し、結
晶形成を誘発して脂肪結晶の懸濁液を形成させ、そして
濾過により脂肪結晶を分離するのに要する時間全体を1
時間以内とすることができる。
【0017】本方法は、すべての脂肪酸グリセリドが液
状である温度に脂肪組成物を加熱し、液化した脂肪組成
物を脂肪酸グリセリドの少なくとも一部分が固体として
存在する予め定められた温度に冷却して−−この冷却は
少なくとも約0.5℃/分の冷却速度で行われる−−、
該部分の脂肪酸グリセリドの結晶懸濁液を形成させ−−
該結晶は約0.1−約50.0μmの粒度を有する−
−、そして得られた懸濁液を動的精密濾過により濾過し
て、実質的に結晶を含まない第1濾液および結晶の濃度
が増大した第1濃縮液となすことよりなる。
【0018】濾液、すなわちフィルターを通過した部分
のバターは、フィルターを透過しない部分である濃縮液
より高い割合のコレステロールを含有することが見出さ
れた。従ってこの濾過の採用により、バター画分のコレ
ステロール含量を低下させることができる。第1濾過サ
イクルからの濃縮液を第2サイクルの供給材料として用
いてこの処理を反復することにより、コレステロール含
量をさらに低下させることができる。
【0019】本発明の1形態においては、濾過前の液化
した脂肪組成物供給液流に水を添加し、脂肪結晶および
脂肪液滴を希釈状態に維持することにより、その粘度を
低下させることができる。液化した脂肪組成物がバター
である場合、水の添加量は供給材料の全重量に対して一
般に10%を越えず、通常は約2−約10重量%、好ま
しくは約5重量%である。水の量は他の脂肪組成物につ
いては異なる場合がある。フィルターをまず疎水性物
質、たとえば脂肪で飽和させ、次いでこの濾過要素を本
発明のこの形態に従って使用すると、脂肪結晶および脂
肪液滴の水希釈液を迅速に濾過することができ、水は濾
液中へ通過することなく、すべての水が濃縮液中に保持
される。
【0020】このような濾液からの選択的な水の排除
は、フィルターに対する圧力が、脂肪がフィルターから
排除されて水が通過する状態になる臨界漏出圧力を越え
ない限り、可能である。
【0021】本発明の重要な利点は、バターが短い熱処
理期間を経るにすぎないので、得られる脂肪画分が最初
に存在した臭覚および味覚成分のすべてではないとして
も大部分の存在を維持するという点である。
【0022】本方法によれば、商業的方法による化学的
および物理的特性に匹敵するバター画分を調製すること
ができる。本方法は処理時間の莫大な節約をもたらす。
【0023】従って本発明はまず、すべての成分が液状
である温度にバター脂組成物を加熱し、液化したバター
脂組成物を脂肪酸グリセリドの少なくとも一部分が固体
として存在する予め定められた温度に冷却して−−この
冷却は少なくとも約0.5−5℃/分の冷却速度で行わ
れる−−、該部分の脂肪酸グリセリドの結晶懸濁液を形
成させ−−該結晶は約0.1−約50μmの粒度を有す
る−−、そして得られた懸濁液を濾過して、実質的に結
晶を含まない第1濾液および結晶の濃度が増大した第1
濃縮液となすことよりなる方法によって調製された、原
料バター脂組成物の望ましい臭覚および味覚成分を保有
するバター脂画分を提供する。
【0024】さらに、脂肪組成物、たとえば原料バター
を処理して原料脂肪組成物より細菌含有量の低い処理済
み脂肪組成物を調製する方法であって、貫流する脂肪組
成物の細菌含有量を低下させるのに十分な平均ポアーサ
イズを有する微孔質フィルターによる動的精密濾過によ
り液状の脂肪組成物を処理して、最初の原料脂肪組成物
より細菌含有量が減少した第1濾液および最初の脂肪組
成物より細菌含有量が増加した濃縮液となすことによる
方法が提供される。他の既知の方法より効果的な細菌減
少が達成される。
【0025】好ましい形態の詳細な説明 処理の一般的考察 いずれか特定の脂肪分別法につき特定の条件を設定する
際には、幾つかの因子を考慮しなければならない。たと
えば脂肪を加熱する初期温度、およびその温度に保持す
る期間は、個々の脂肪の組成に応じて異なる可能性があ
る。たとえばある脂肪組成物は他より多量の飽和脂肪を
含有し、その結果その脂肪は飽和脂肪の含量が少ない他
の場合より長期間、予め定められた温度に保持する必要
があるであろう。さらに脂肪の鎖長によっても脂肪の性
質が異なり、一般に分子量の高い脂肪は、分子量の低い
脂肪より高融点であろう。
【0026】本発明によれば、天然の脂肪、たとえばバ
ターは冷却するとほとんど瞬時に、濾過不能な脂肪結晶
を生成することが今回見出された。適宜な条件下で濾過
温度にまで急冷すると、ミクロンサイズの結晶が生成
し、これは適切な濾過法を採用することにより分離しう
る。
【0027】前処理 本発明を採用する前に、通常は伝統的な前処理法によ
り、たとえば濾過を利用した洗浄により脂肪組成物を処
理する。処理すべき天然物質がバター脂である場合、こ
れを完全に溶融して熱履歴を除くために、たとえば約6
0℃の温度に加熱し、沈降、乾燥または遠心分離により
水を除去することができる。前記のように疎水性物質で
飽和したメンブレンを分離に用いる場合、別個の水除去
工程は必要ない。
【0028】次いで溶融脂肪を汚れ容量の高いフィルタ
ー、たとえばポール・コーポレーションにより商標プロ
ファイル(Profile、登録商標)およびHDC
(登録商標)で市販されているものにより濾過して、余
分な固体または汚れを除去する。これらのフィルターは
10μmフィルターとして等級付けられているものであ
る。
【0029】溶融脂肪組成物の冷却 予備濾過された溶融脂肪組成物を好ましくはジャケット
付き処理容器に移し、ここでそれを目的温度に目的速度
で急冷することができる。たとえば温度制御ユニットお
よびプログラミング可能な温度制御装置を用いて、処理
容器を濾過ユニットと同じ温度に保持する。
【0030】結晶は経時的に大きさおよび濾過性が変化
するので、溶融した脂肪組成物の供給材料を濾過前に急
冷温度または反応容器内に保持する期間は、ある程度制
御することが望ましい。供給材料の初期急冷から濾過ま
での設定期間を確立することが一般に好ましい。明らか
にこの期間は供給材料毎、および装置毎に変動するであ
ろう。しかし一般に、供給材料を急冷時点から約5分な
いし約2時間以内に、好ましくは大部分の場合約10分
以内に濾過するのが普通である。保持時間は普通はメン
ブレンフィルター要素のポアーサイズの低下に伴って増
大する。
【0031】結晶が濾過可能であり、かつかなり均一な
分布の大きさをもつように結晶を形成させることが好ま
しい。脂肪溶融物を冷却することにより生成する結晶の
大きさおよびその分布は、冷却速度、保持温度および保
持期間に依存する。生成する結晶の大きさは、普通は得
られる成核部位の量により決定され、一方得られる成核
部位の数量は冷却速度に依存する。脂肪を高速で冷却す
ると多数の核が形成され、小さな、たとえば約0.5−
約2μmの大きさの結晶が多数生成する。小さな結晶を
生成する速度は極めて速やかであり、生成する大きさは
普通は狭い分布範囲内にある。結晶素材が均質であるこ
とは、与えられた一組の条件につきメンブレンフィルタ
ー要素を選ぶのを容易にする。
【0032】先行技術で用いる低速冷却法は少数の成核
部位を形成させ、従って生成する結晶はより少ない。さ
らに、低速冷却は結晶を生長させる。通常の脂肪分別法
においては10−800μmの範囲の結晶が用いられ
る。
【0033】脂肪は、結晶化し始める前には超冷却状態
に留まるという固有の能力をもつ。溶融脂肪を処理温度
に急冷し、それを直ちに濾過すると、超冷却状態の脂肪
が濾過メンブレンのポアー内で成核および結晶化し、最
終的にメンブレンを目詰まりさせる可能性がある。従っ
て濾過前に一定期間、脂肪を処理温度に保持することが
必要である。小さなポアーサイズのポリマーメンブレン
フィルター要素を用いる場合に、これは特に重要であ
る。
【0034】採用する急冷速度も広範に及ぶであろう。
初期急冷速度は、一般に約0.5−約5℃/分、好まし
くは約1.0℃/分である。急冷速度、および急冷から
濾過までの期間は、濾過時の結晶の大きさが約.1−約
50μm、好ましくは約.5−約5μm、極めて好まし
くは約1μmとなるように設定すべきである。
【0035】濾過の観点から重要なものは脂肪結晶の大
きさであり、目的とする大きさは明らかに装置毎に異な
るであろう。また目的とする分別度の観点からは脂肪結
晶の組成が重要である。数回のサイクルでサイクル毎に
わずかずつ、たとえばサイクル当たり5−10℃ずつ漸
増する温度に冷却することにより、単一の脂肪供給源か
ら、狭い範囲に規定された特性および性質をもつ多数の
脂肪画分を得ることができる。
【0036】バター脂については、約0.5−約5℃/
分の速度で濾過温度約.5−約30℃にまでバター脂を
冷却する初期処理により、主としてオレインである濾液
と比較して、より高融点のトリグリセリド、主としてス
テアリンを著しく多数含む濃縮液が得られる。
【0037】好ましくはバター脂は出発温度約60℃か
ら、たとえば容器のジャケット内の冷水を用いることに
より約35℃にまで急冷され、緩和な撹拌を維持した状
態でこれにより少なくとも約2℃/分、好ましくは約3
−約5℃/分の冷却速度が得られる。次いでバター脂を
制御された様式で約5−30℃にまで冷却する。バター
脂をこの温度に5分ないし2時間保持する。
【0038】冷却装置はスクレープドサーフェイス熱交
換器、たとえばAPVクレパコから入手されるもの、ジ
ャケット付き容器、冷却ドラム、たとえばバフロバクか
ら入手されるもの、または他の装置、たとえば米国特許
第4,439,461号明細書に記載されるものが可能
である。冷媒は個々のプロセスに応じて市販の熱媒のい
ずれか、冷水、グリコールまたは空気であってよい。
【0039】濾過装置および処理法 濾過装置は適切な構造および型のもののいずれであって
もよい。後述するように分離すべき脂肪結晶の好ましい
大きさは約1μmであるので、多種多様な濾過装置を適
宜用いることができる。
【0040】適切な濾過メンブレンの種類には、多孔質
金属フィルター、微孔質PTFEメンブレン、微孔質ポ
リフッ化ビニリデンメンブレンなどが含まれる。
【0041】マイクロフィルターのポアーは、急冷後に
存在する脂肪結晶を保持し、一方ではマイクロフィルタ
ーを通る許容しうる流量をなお維持するサイズのもので
ある。有用なメンブレンには、良好な流れ特性、狭いポ
アーサイズ分布、および意図する細菌に対する一定した
除菌性能を備えた微孔質メンブレンが含まれる。マイク
ロフィルターメンブレンのポアーサイズ等級は、当技術
分野で既知の方法である″バブルポイント″法として知
られる方法(ASTM F316−86)およびKL
(米国特許第4,340,479号明細書)により測定
して約0.1−約10.0μmとすべきである。好まし
くはポアーサイズ等級は約0.2−2μmであろう。極
めて好ましくは、ポアーサイズ等級約1.0μmのフィ
ルターが用いられる。この種の微孔質フィルターは周知
であり、容易に入手される。
【0042】本発明により使用しうる好ましい微孔質メ
ンブレンには、ポール・コーポレーションから商標ウル
チポル(Ultipor N66、登録商標)、フルオロ
ダイン(Fluorodyne、登録商標)およびポジ
ダイン(Posidyne、登録商標)で市販されるも
の;クノ・コーポレーションから商標ゼータポール(Z
etapor)で市販されるもの、ならびにミリポアか
ら商標デュラポール(Durapore)で市販される
ものが含まれる。
【0043】本発明に用いられる円筒形のメンブレン要
素には、当技術分野で既知の方法に従って支持体に漏れ
止め方式で取り付けることができるものが含まれる。
【0044】あるいはフィルターはポアーサイズ等級約
5.0μm以下、通常は約2.0μmのステンレス鋼で
作成されてもよい。このサイズは商業的に容易に入手し
うる。ステンレス鋼フィルターを用いる場合、すべての
処理装置をステンレス鋼で作成することができる。この
構造は洗浄および保守が容易であり、製品の品質に不都
合な影響を及ぼす可能性のある製品汚染がないので、望
ましい。ステンレス鋼は一般にたとえば約1.0μmの
比較的大きなポアーサイズのものが得られるにすぎない
ので、ステンレス鋼フィルターの使用は通常は、急冷に
より得られる結晶の大きさが精密濾過膜を用いる場合に
必要とされるものより大きくなるように処理条件を調節
しなければならないことを意味する。従って終末に達す
るためにより長い結晶化時間を必要とする。
【0045】多孔質金属フィルターについては、米国特
許第4,562,039号明細書(参考としてここに引
用する)により作成されたステンレス鋼フィルターが本
発明方法に特に有用である:たとえばポール・コーポレ
ーションからポールPMM金属メンブレンフィルターの
表示で市販される製品、たとえばM020、M050と
表示される、絶対除去等級それぞれ2μmおよび5μ
m、ならびに99%除去等級それぞれ0.5μmおよび
2μmのもの。
【0046】フィルターの特定の種類およびサイズ等級
の選択は幾つかの因子に依存し、それらのうち最も重要
なものは脂肪結晶の粒度である。脂肪粒子が小さいほ
ど、フィルターは微細でなければならず、これに対応し
てフィルターまたはメンブレンの一定の表面積当たりの
濾過処理時間は長くなる。
【0047】分別の場合その方法の効率は、単位時間当
たり処理される供給材料の量、および両製品流(濾液お
よび濃縮液)の品質により決定される。一般に濾液はス
テアリン結晶を含有せず、濃縮液は液体オレインを除去
されたものであることが好ましい。関与する他の主要な
因子は、装置をメンブレン洗浄サイクル間で操作しうる
期間である。
【0048】少量のオレインがメンブレンを透過したの
ちメンブレンフィルター表面に結晶のケーク層が形成さ
れるので、明らかに本発明の装置にとってデッドエンド
濾過は不適当である。ケーク層の形成を防止するための
1方法は、クロスフロー濾過方式に見られるようにメン
ブレン表面を横切って比較的高速で移動する液流中に結
晶を連行することである。
【0049】純粋なクロスフロー法は本発明方法に不適
当である。クロスフロー方式では濃縮液の流れが濾液の
流れの約10−20倍であり、メンブレン表面を横切る
約10m/分の速度を生じる。圧力降下の増大という犠
牲のもとで、これより高い表面速度を得ることはでき
る。圧力降下の増大は濾過速度にとって本来不利であ
る。結晶が詰め込まれて凝集しやすく、さらに濾液流束
のわずかな増大のために大量のポンプ輸送エネルギーが
消費されるからである。
【0050】クロスフロー法においては、濃縮液流が液
体分によって著しく希釈され、オレインの逐次除去によ
りある程度の結晶濃縮を達成するためには濃縮液流を定
常的に再循環しなければならない。これによって処理上
の問題が多数生じる。これには、通過毎に粘度が上昇す
ること、ポンプ輸送エネルギーがより高いこと、定常的
な再循環により発生する剪断熱により結晶が溶融するこ
と、および一般に濃縮液の品質を制御し得ないことが含
まれる。
【0051】本方法には動的濾過が特に好適である。動
的濾過においては、メンブレン表面に対して接線方向で
あり、供給液流方向に対して直交する二次速度成分が供
給液流に付与される。この二次速度成分は材料を濾過チ
ャンバー内へ供給する速度には無関係であり、メンブレ
ンフィルター要素自体の運動により、またはメンブレン
フィルター表面付近に配置された面の運動により制御さ
れる。さらに二次速度は供給ポンプとは無関係であるか
ら、過度の圧力降下を生じることなく、またはポンプ輸
送エネルギーを消費することなく、はるかに高い表面速
度を発生させることができる。
【0052】好ましい形態においては、円筒形のメンブ
レンフィルター要素を加圧濾過チャンバー内でその垂直
軸に沿って回転させる。材料は濾過チャンバーの底から
進入し、供給ポンプの影響下でメンブレンフィルター要
素の軸に沿った方向の軸方向速度、およびメンブレン表
面をメンブレンフィルター要素の回転方向に横切る接線
方向の二次速度成分を獲得する。その際濾過チャンバー
内へ供給された材料はメンブレン表面を横切ってらせん
状に移動する。
【0053】接線方向の速度はメンブレンフィルター要
素の回転速度のみによって決定される。一般に濾液流束
は接線方向速度と共に増大する。本方法においては、接
線方向速度10−500m/分を用いることができ、5
0−200m/分が好ましい。これより高い接線方向速
度を用いることの主な欠点は、メンブレンフィルター要
素の回転により発生する剪断熱である。発生する剪断熱
の量は速度の二乗に比例するので、濾過チャンバー内に
おける結晶の溶融を防止するために最適速度を選ばなけ
ればならない。冷媒用付属装置を備えたジャケット付き
濾過チャンバーの使用により、結晶を溶融させることな
く比較的高い接線方向速度でプロセスを操作することが
できる。
【0054】比較的高い接線方向速度は、目詰まりした
メンブレンフィルター要素の洗浄に際して、または融点
の高い濃縮液分を得るためにそれが望ましい場合にも採
用しうる。
【0055】軸方向の速度成分は、材料が従うらせん流
路のピッチを決定し、従って濾過チャンバー内における
材料の滞留時間を決定する。濾過容量の材料が従うらせ
ん流路のピッチを制御することにより、濃縮液の品質を
制御することができる。ピッチが短いほど濾過チャンバ
ー内における滞留時間は長くなり、従って濃縮の程度が
高くなる。滞留時間は、単位容量の供給材料がメンブレ
ンフィルター要素に接触する期間に正比例する。滞留時
間が長いほど、濃縮液から排除されてメンブレンフィル
ター要素を透過するオレインの量は多くなる。明らか
に、軸方向速度は濃縮液流の品質を決定する際に主要な
役割を果たす。
【0056】供給材料、供給液流中の固体の濃度、およ
び処理温度に応じて、軸方向速度は0.005−10m
/分に及びうる。
【0057】他の種類の動的フィルターにも同様なこと
が適用される。たとえば用いる濾過装置が回転ディスク
式フィルターである場合、供給ポンプが軸方向速度成分
を付与し、メンブレンフィルター要素付近に配置された
固体ディスクの回転が接線方向速度を付与する。この場
合も透過液流束は接線方向速度により制御され、濃縮液
の品質および生産速度は軸方向速度により制御される。
この形態において、供給材料がディスク式動的フィルタ
ーの外径付近に導入されると、材料は半径の減少するら
せん状に移動する。
【0058】用いる濾過装置の個々の型は重要でなく、
重要なことは濾過される流体が2種類の速度成分、すな
わち濾液流束を制御する第1成分、および濃縮液の品質
および生産速度を制御する第2成分を含むことである。
【0059】好ましい形態においては、濾過装置は濾材
自体が回転する動的クロスフローマイクロフィルターで
ある。好ましい動的クロスフロー装置には、回転円筒形
フィルターの使用を教示したもの、たとえば米国特許第
4,956,102;4,900,440;4,42
7,552;4,093,552;4,066,55
4;3,797,662号明細書に教示されるものが含
まれる。この種の他の装置が米国特許第5,037,5
62号明細書に示され、これは油/液型の動的分離用回
転ディスク式フィルターシステムである。他の回転ディ
スク式フィルターが米国特許第3,997,447号明
細書に記載され、米国特許第4,956,102号明細
書は他の回転円筒形フィルターに関するものである。本
明細書に述べた特許明細書はすべてここに参考として引
用する。
【0060】溶融脂肪を、たとえば循環ポンプにより濾
過ユニットに連続的に輸送することができる。クロスフ
ロー濾過法を採用する場合、一般的な循環圧力は約3−
約15または20bar、好ましくは最高10barで
ある。一定の流量においては、平均濾液流量は供給流量
の約30−約80%であり、これに対し平均濃縮液流量
は約20−約50%である。フィルターを透過したのち
の液体画分はプロセスタンクへ再循環することができ
る。濃縮液側にフィルターにより保持された固体結晶質
材料は第2保持タンクへポンプ輸送することができる。
【0061】供給材料中の固体画分の量は目的製品の関
数である。これはその分別の目標に応じて2−60%に
及びうる。特性が十分に定まった画分を多数得たい場
合、供給材料の固体脂肪含量は約2−10%に維持され
る。供給材料の固体脂肪含量を低下させると、供給材料
の粘度が低下し、これにより最終的に処理速度が増大す
る。前記のように急冷に伴う問題は、供給液流が著しく
高い粘度を生じ、これが伝統的方法を不可能ではないと
しても困難にすることである。
【0062】濾過の前に供給液流に水を添加し、そして
脂肪結晶および脂肪液滴を懸濁状態に保持することによ
り供給液流の粘度を低下させうることが今回見出され
た。濾過要素をまず疎水性物質、たとえば脂肪で飽和
し、次いでこの濾過要素を本発明方法に従って使用する
と、前記の脂肪結晶および脂肪液滴の水懸濁液を水が濾
液中へ通過することなく濾液することができ、水はすべ
て濃縮液中に保持される。
【0063】このような濾液からの選択的な水の排除
は、フィルター要素に対する圧力が臨界漏出圧力、すな
わち脂肪がフィルター要素から排除されて水がそれを通
過する状態になる圧力を越えない限り可能である。この
臨界漏出圧力はそのフィルター要素のポアーサイズ等
級、濾過要素を構成する材料の形態、要素の幾何学的形
状、フィルター要素を前浸漬するために用いる脂肪など
に応じて異なるであろう。一般にこの圧力は約2−約2
0psi(約0.14−約1.4kg/cm2)であろ
う。フィルター要素が等級1.0μmの金属製円筒形濾
過要素であり、この要素がバター脂に前浸漬されている
場合、臨界漏出圧力は約6−約10psi(約0.42
−約0.70kg/cm2)であろう。従ってフィルタ
ー要素に付与される圧力が約8−約10psi(約0.
56−約0.70kg/cm2)より低く維持される
と、水はそれを通過しないであろう。フィルター要素に
付与される圧力がこのように予め定められた水準を越え
ないことを保証するために、自動検査弁を使用しうる。
【0064】脂肪の水懸濁液を使用する形態は、比較的
小さなポアーサイズ等級のフィルターまたはメンブレン
を用いる場合にのみ採用することができる。一般にポア
ーサイズは約1.0μm以下でなければならない。
【0065】臨界漏出圧力を越えると、水がメンブレン
ポアー内の油脂の一部を排除し、最終的にはメンブレン
を目詰まりさせる。
【0066】回転円筒型動的フィルターを用いる本発明
の形態においては、水の透過圧力が静的メンブレンにつ
き評価されるものより高いであろう。水は油脂より密で
あり、メンブレンフィルター要素の回転により付与され
る遠心力の下ではメンブレン表面から引き離される傾向
があるからである。
【0067】水の添加は、ステアリンまたは濃縮液に吸
蔵されていたオレインの一部が排除されるので、製品の
品質にも影響を及ぼすであろう。比較的低い濾過圧力で
操作するために水を使用しうることにより、結晶が取り
扱いにくい凝集物を形成するのも防止される。
【0068】脂肪供給源 脂肪は一般に、C4−C18の酸連鎖を有する脂肪酸のグ
リセリンエステルを含む。バターはC4−C18の酸連鎖
を含み、C18の酸は1−3個の二重結合が存在する飽和
または不飽和の4種である。植物脂肪は極めて広範に及
び、パーム核油の場合のように最短鎖長として若干のC
8酸が含まれるのに対し、他は大豆油の場合のようにそ
れらの最短鎖長としてC16酸を含む。大部分の植物油は
それらの最長鎖長成分としてC18酸を含むが、ある種の
植物油はラッカセイおよび菜種の場合のように最高C22
の脂肪酸を含む。
【0069】大部分の陸生哺乳動物から得られる脂肪製
品、たとえば豚脂および牛脂はそれらの最短鎖長成分と
してC14酸を含み、それらの最長鎖長成分としてC
18-20酸を含む。他方、海生動物は有意数のC22脂肪酸
を含み、それらのうち若干は高度の不飽和を含み、最高
6個の二重結合が存在する場合がある。
【0070】自明のとおり、脂肪についてのこのように
多様な天然供給源の可能性があるので、各種脂肪製品の
分別のためのプロセス変化は極めて広範に及ぶ可能性が
ある。しかし本発明の分別法は供給源に関係なく、また
天然または合成のいずれであっても適用しうる。
【0071】本発明により処理することができる個々の
脂肪には下記のものが含まれる:植物 : ババスヤシ(babassau)、ヒマ、ココ
ヤシ、トウモロコシ、綿実、亜麻仁、オイチシカ(oi
ticica)、オリーブ、ヤシ、パーム核、ラッカセ
イ、菜種(普通および低エルカ酸、canbraまたは
canolaから採取)、ベニバナ、ゴマ、大豆、ヒマ
ワリ、米ぬか、椿、エゴマ、麻実、カポック(kapo
k)、茶実、および桐動物 : バター、豚脂、牛脂海生 : クジラ、ニシン、イワシおよびメンヘーデン
(menhaden) 本発明を下記の実施例により説明するがこれらは限定で
はない。
【0072】濾過装置の説明 これらの試験に用いた円筒形動的マイクロフィルター
(円筒形DMF)は、スルザー・ブラザーズ・リミティ
ッド(スイス国ウィンタースール)から入手されるBD
F−01であった。この装置はレブサーメンらにより記
載されている(バイオテクノロジーにおける動的精密濾
過および限外濾過、レブサーメンおよびツァイグラー
(E.Rebsamen,H.Zeigler),Pr
oceedings of the World Fi
ltration CongressIV,1986,
オステンド(B.Ostend))。米国特許第4,0
66,554および4,093,552号明細書も参照
されたい。これらを本明細書に参考として引用する。
【0073】使用したメンブレンフィルター要素の説明 これらの実験に用いたメンブレンフィルター要素は、ポ
ール・コーポレーション(ニューヨーク州グレンコー
ブ)から市販されている各種等級のテフロンおよび多孔
質金属メンブレンPMM(登録商標)およびPSS(登
録商標)であった。用いたポアーサイズは0.2、0.
45、0.65、1.0、2.0、5.0および10.
0μmであった。これらのメンブレンフィルター要素は
表面積0.04m2を有していた。フィルター要素はメ
ンブレンを多孔質円筒形支持体の周りに漏れ止め方式で
巻き付けることにより作成された。円筒の直径は0.0
6mであり、長さ0.2mを有していた。これは全濾過
面積0.04m2を備えていた。
【0074】方法 方法A:バターの溶融および洗浄 秤量された凍結バターを容器に装入し、内容物を約60
℃の温度に加熱した。溶融していない部分の兆候が見え
なくなるまで、バターをこの温度に保持した。次いでこ
れを15分間放置した。一般に3相、すなわち底部の水
に富む層、中間の油層、および種々の固体を含有する第
3層が形成された。最上層をすくい取り、油層を他の容
器へデカントした。次いでこのデカントした油を10μ
mのフィルターで濾過した。次いで濾液を採取し、後続
使用まで凍結し、または後続処理まで60℃に保持し
た。
【0075】 方法B:濾過しうる結晶を形成するための温度処理 方法B1:適切な大きさのジャケット付き容器を処理容
器として用いた。バターをさらに熱湯の循環により60
℃となし、この温度に約10分間保持した。次いで熱湯
を低温の熱媒液と交換し、目的の様式で、普通は約0.
5−5℃/分の速度でバターの温度を低下させた。バタ
ーの温度が処理温度の約90%に達した時点で低温の流
体を処理温度より数度低い流体で置換し、適切な期間、
好ましくは約30分間保持した。処理全体を通じていか
り型インペラーによりバターを緩和に撹拌した。
【0076】方法B2:方法Aにより処理したバターを
−5℃に急冷し、約15分間放置した。次いでバターを
適切な熱媒によって処理温度に緩和に加熱した。
【0077】方法B3:方法Aにより得たバターをジャ
ケット付き容器に移し、徐冷した。この方法でバターは
一般に徐々に(0.01−0.2℃/分)冷却される。
この処理は大型結晶の形成を助成する。この処理は処理
容器のジャケット内の熱媒により達成される。熱湯の温
度はランプ(ramp)および浸漬型の温度制御装置を
用いてプリプログラミングされる。
【0078】 方法C:円筒形動的マイクロフィルターの操作 操作前に装置を高温の苛性アルカリで消毒し、次いで脱
イオン水ですすぎ、風乾した。次いで上記の節に述べた
メンブレンフィルター要素を円筒形動的マイクロフィル
ター(DMF)内で組み立てた。濾過すべき流体を容量
型ポンプで処理タンクから円筒形DMF内へ輸送した。
濃縮液の量は第2ポンプまたは濃縮液口に取り付けた圧
力リリーフバルブにより制御された。供給材料、濾液お
よび濃縮液の温度および流量、ならびに供給圧力は実験
の種々の段階で、一般に10分間隔で求められた。円筒
形DMFの標準的操作条件は、回転速度600rpm、
および供給圧力約2.0−8.0barであった。この
装置を用いた例はすべて一定の供給流量で実施された。
【0079】それぞれの画分の品質および流束量は多数
の因子に依存する。これらを以下にまとめる。
【0080】供給材料特性 φ(T) 温度に伴う固体脂肪含量%。供給液流が普通
のバター油である場合、φ(T)が定められ、φ′
(T)と表示される W(又はΩ) 水の濃度、容量% 結晶化処理 Cr 結晶化に際しての冷却速度 ℃/分 τh 結晶化に際しての保持時間 分 Th 保持温度 濾過処理 Tf 濾過温度 ℃。
【0081】濾過すべき流体を濾過期間中この温度に保
持する。濾過に際して若干の熱が発生するので、Tf
普通はThより数度高く、特定の滞留時間につきその濾
過ユニットにおいて達成される定常状態の温度である。
このパラメーターはVaおよびVrによって大幅に影響さ
れる Pf 濾過圧力 bar Va 軸方向速度 m/分 Vr 接線方向速度 m/分。メンブレンフィルター
要素の回転速度のみにより決定される。Vrが増大する
のに伴って濾液は一般に増加する。またこの速度成分の
増大によって、より多量の熱が発生する。
【0082】ψ メンブレンポアーサイズ μm τ 濾過チャンバー内における流体の平均滞留時間
分 分析法の説明ヨウ素価 脂肪試料の不飽和の尺度であるヨウ素価は、Ameri
can Oil Chemists Societyの
Cd1−25法に従って測定された。
【0083】示差走査熱量測定法(DSC) 20−30mgの試料をアルミニウム製るつぼに装入し
た。測定用セルをヘリウム(50ml/分)でパージし
た。次いでバターを80℃に加熱し、10分間保持して
以前の履歴を除いた。次いで試料を10℃/分で−40
℃に冷却した。試料を10℃/分の速度で−40℃から
80℃まで加熱することにより、結晶の溶融を観察し
た。報告したデータは6℃(液体画分を表す)および2
4℃(固体画分を表す)において交換されたエネルギー
の積分値、ジュール/g試料、である。
【0084】パルスNMRによる固体脂肪含量 特定の温度における試料の固体脂肪含量はブルーカーの
ミニスペク(mini−spec)を用いるpNMRに
より測定される。採用した方法はAmerican O
il Chemists SocietyのCd16−
81法によるものである。本明細書に報告したデータは
25℃における試料の固体脂肪含量(SFC)である。
【0085】
【実施例】バター脂を約60℃の温度に加熱し、それを
完全に溶融させて熱履歴を除き、沈降により水を除去し
た。次いで溶融脂肪を汚れ容量の高いフィルターで濾過
して余分な固体または汚れを除去した−−10μmのフ
ィルターを使用。この予備濾過した溶融バター脂を次い
でジャケット付き10Lの処理容器に移し、ここでそれ
を15分間保持した。
【0086】容器のジャケット内の冷水を用いて、緩和
な撹拌を続けながらバター脂を約35℃に急冷し、冷却
速度約3−5℃/分を得た。次いでバター脂を制御され
た様式で約28−30℃に冷却した。バター脂をこの温
度に約30−約40分間保持した。
【0087】このバター脂を循環ポンプにより連続的に
動的マイクロフィルター濾過ユニットに移した。循環圧
力は約3.6barであった。流量200ml/分にお
いて平均濾液流量は約140ml/分であり、一方平均
濃縮液流量は約60ml/分であった。ポアーサイズ等
級2.0の鋼メンブレンを備えた動的マイクロフィルタ
ーを、ローター速度150rpmで操作した。フィルタ
ーを透過したのちの液体画分を処理タンクへ再循環し
た。フィルターにより濃縮液側に保持された固体物質を
第2保持タンクへポンプ輸送した。濾液流束は3.0l
b(約1.36kg)/分/m2に達した。
【0088】図1および2、すなわちそれぞれステアリ
ンおよびオレインに関する示差走査熱量計のプロットに
示されるように、主としてオレインである濾液と比較し
て、濃縮液はより高融点のトリグリセリド、主としてス
テアリンを著しく多数含有する。
【0089】図3はこの例から得た試料につき実施した
固体脂肪含量(SFC)分析の結果を示す−−パルスN
MRにより測定。ステアリンが供給材料と比較して種々
の温度でより高いSFCを示し、これに対し濾液、すな
わちオレインは著しく低いSFCを示すことが明らかで
ある。
【0090】例1−2 デッドエンド濾過例1 伝統的なデッドエンド濾過に対する結晶化条件の影響を
判定するために、3種類の実験を行った。3lb(約
1.36kg)のバター脂を方法Aにより予備処理し
た。次いでこれをそれぞれ1lb(約0.45kg)に
3分し、方法B1、B2およびB3により結晶化した。
それぞれの場合、結晶化温度を25℃に維持した。次い
で、0.65μmウルチポル(登録商標)メンブレンを
備えた90mm加圧濾過ジグを用いて、この予備処理し
たバターを濾過した。3例ともすべて、圧力が高くなり
すぎて濾過を続けられなくなる前に、数滴のオレインが
メンブレンを透過したにすぎない。
【0091】例2 より大きなポアーサイズのメンブレン、すなわち10μ
mHDCを用いて、例1を反復した。この場合、方法B
により冷却した油につき濾液の全容量が最大、すなわち
95mlであることが認められた。他の2種類の冷却法
は約65mlのほぼ等しい全濾液容量を与えた。
【0092】例1および2は、デッドエンド濾過方式に
おいて操作する場合は、油を冷却する様式とは無関係に
メンブレン表面にケークが形成されるため濾過流束がゼ
ロにまで低下することを示す。メンブレンのポアーサイ
ズが小さいほど、メンブレンの目詰まりはより速やかに
起こる。
【0093】例3−7 異なる濾過温度における、および異なるポアーサイズの
メンブレンを用いることによる流束量および品質例3 10lb(約4.5kg)のバター油を方法Aにより予
備処理し、次いで方法B1により29℃の温度まで結晶
化させた。バターを1℃/分の速度で60℃から26℃
まで冷却した。この条件をさらにその後30分間維持
し、その間にバターは28℃の温度となった。この保持
期間後に、温度処理したバターを0.35lb/分(約
0.16kg/分)の量で動的マイクロフィルターへポ
ンプ輸送した。ポアーサイズ2.0μmの金属メンブレ
ンフィルター要素、PMM、を動的フィルターに組み込
んだ。動的フィルターは前記に従って操作された。
【0094】一般的な操作条件は、回転速度600rp
m、接線方向速度120m/分、および濾過圧力4−5
barであった。他の処理条件を表1に示す。濾過温度
は、動的マイクロフィルタージャケット内の冷媒を操作
することにより約28℃に維持された。バターの供給が
無くなるまで濾過を続けた。濾液および濃縮液を別個の
容器に採取し、個々の流量および液流温度を数分毎に観
察した。これらの数値の平均および固体脂肪含量データ
を表2に報告する。
【0095】例4 例3を反復し、ただし濾過温度を25℃に低下させた。
処理条件を表1に報告する。流束および固体脂肪含量デ
ータを表2に示す。
【0096】例5 例3を反復し、ただしポアーサイズ1.0μmのポリマ
ーメンブレンを用いた。結晶化の保持時間は1時間であ
り、濾過温度は29℃であった。処理条件を表1に報告
する。流束および固体脂肪含量データを表3に示す。
【0097】例6 例5を反復し、ただし濾過温度を26℃を用いた。処理
条件を表1に報告する。流束および固体脂肪含量データ
を表3に示す。
【0098】例7 例4を反復し、ただし0.1μmのメンブレンを分離媒
体として用いた。処理条件を表1に報告する。流束およ
び固体脂肪含量データを表4に示す。
【0099】例3および4は同様な条件で操作され、た
だし例4の場合の方が低い濾過温度を用いた。表2に示
すように、生産速度は処理温度により影響される。濾過
温度は製品の品質にも影響を及ぼすことが示された。例
3においては、濾液画分には11%の変化があり、濃縮
液画分には24%の変化があった。例4の場合のよう
に、より低い温度で操作することによりその差はそれぞ
れ17%および46%に変化した。
【0100】ポリマーメンブレンを用いて、濾過温度以
外は等しい条件下で操作された例5と6を比較した場
合、同様な結果が認められた。バターの場合は固体脂肪
含量を32℃における約2%から15℃における約15
%に高めることができるので、温度の影響が特に著し
い。
【0101】異なるポアーサイズのメンブレンを用いる
影響は、例4、6および7を比較することにより推定し
うる。予想されたように、より小さいポアーサイズのメ
ンブレンを用いるほど濾液の流束量は低下する。この低
下は清浄な水の流束の低下とほぼ同じ率であり、これは
この影響がより小さいポアーサイズのメンブレンの抵抗
増大のみによるものであることを示す。
【0102】より小さいポアーサイズのメンブレンを用
いるほど製品の品質は改良される。表2、3および4
は、より小さいポアーサイズのメンブレンを用いた場合
に濾液の品質が確かに劇的に向上することを示す。濃縮
液の品質は必ずしも用いるメンブレンのポアーサイズに
完全に依存するわけではなく、採用する軸方向速度の明
らかな関数である。例6の場合と比較して例7における
固体脂肪含量の数値が低いのは、恐らく高い軸方向速度
を採用したためであり、これにより若干の液体画分が濃
縮液に連行したものと思われる。
【0103】
【表1】例3−7の処理条件
【表2】金属メンブレンを用いて得られる透過速度およ
び画分の品質に濾過温度が及ぼす影響
【表3】ポリマーメンブレンを用いて得られる透過速度
および画分の品質に濾過温度が及ぼす影響
【表4】 例8、9Aおよび9B 多重分別例8 例4を反復し、ただし供給材料は例4の濾液画分であ
り、普通のバター油ではなかった。処理条件を表5に示
す。この例で得たデータを表6に報告する。
【0104】例9A 例4を反復し、データを表7に報告する。濾液を採取し
て例9Bの供給材料として用いた。
【0105】例9B 例9Aを反復し、ただし用いた供給材料は例9Aの濾液
であり、用いたメンブレンはポアーサイズ0.65μm
のものであった。データを表7に報告する。
【0106】
【表5】多重分別実験の処理条件
【表6】
【表7】 例8、9Aおよび9Bは、単一の供給液流を数種の異な
る方法で処理することにより実質的に異なる特性を有す
る種々の画分が得られることを示す。例9Bの場合、濾
液画分は例9Aの元の供給液流と実質的に異なる。
【0107】これらの例も、適切な濾過温度および用い
るメンブレンのポアーサイズを選ぶことにより画分の特
性を需要に従って調整しうることを示す。
【0108】例10−11 水を添加する効果例10 例4を反復し、ただし温度処理の前に4重量%の水をバ
ター脂に添加し、濾過圧力2barを採用した。データ
を表8に示す。例4と比較することにより、水を添加し
た場合は分別の程度が改良されたことがこれから明らか
に認められる。
【0109】
【表8】2μmの金属メンブレンを用いる分別の品質に
水が及ぼす影響 例11 例6を反復し、ただし温度処理の前に4重量%の水をバ
ター脂に添加し、濾過圧力2barを採用した。データ
を表9に示す。
【0110】
【表9】0.45μmのテフロンメンブレンを用いる分
別の品質に水が及ぼす影響 例4と10は、例10において水を添加し、より低い濾
過圧力を採用した以外は、同じ条件下で実施された。表
8は、脂肪に水を添加した場合に単位圧力降下当たりの
濾液流束が増大することを示す。濾液品質の著しい向上
も認められる。例6と10の比較も同様な結果を示す。
例11の濃縮液画分が例6より低い品質をもつことは注
目される。これは実験に際して軸方向速度の制御が不十
分であったため液体が濃縮液中へ一部連行されたことに
よると思われる。
【0111】例12 例4を反復し、ただし10μmのメンブレンフィルター
要素を用いた。供給液流と比較して濾液及び濃縮液画分
に有意の変化は見られなかった。従ってポアーサイズ1
0μmまたはそれ以上のメンブレンは本発明に実際に用
いるためには明らかに大きすぎる。本発明の実施態様は
以下の通りである。 1.脂肪酸グリセリドの混合物を含有する脂肪組成物を
2以上の画分に分別する方法であって;すべての脂肪酸
グリセリドが液状である温度に脂肪組成物を加熱し;液
化した脂肪組成物を脂肪酸グリセリドの少なくとも一部
分が固体として存在する予め定められた温度に冷却し;
ここで、この冷却は少なくとも約0.5℃/分の冷却速
度で行われ;脂肪酸グリセリドの該部分の結晶懸濁液を
形成させ、ここで、該結晶は約0.1〜約50μmの粒
度を有しており;そして得られた懸濁液を動的精密濾過
により濾過して、実質的に結晶を含まない第1濾液およ
び結晶の濃度が増大した第1濃縮液を形成させる;工程
を含むことを特徴とする方法。 2.濾液が元の脂肪組成物の臭覚的及び味覚的特性を保
持した上記第1項に記載の方法。 3.脂肪組成物がバターである上記第1項に記載の方
法。 4.脂肪酸グリセリド結晶の懸濁液が、有効ポアー直径
約0.2〜約0.65μmを有する微孔質フィルターを
通して濾過される上記第1項に記載の方法。 5.膜を通した濾過が少なくとも100lb/hr/m
2の流束量で行われる上記第4項に記載の方法。 6.冷却の開始から脂肪酸グリセリド結晶の除去までの
時間が約1時間以下である上記第1項に記載の方法。 7.脂肪組成物が約45〜約75℃の温度に加熱される
上記第6項に記載の方法。 8.脂肪組成物が高められた温度に約10分以下保持さ
れる上記第7項に記載の方法。 9.第1濃縮液を、すべての残存成分が液状である温度
に加熱し;液化した第1濃縮液を、脂肪酸グリセリドの
少なくとも一部が固体として存在する予め定められた温
度に冷却し、ここでこの冷却は少なくとも約2℃/分の
冷却速度で行われ;脂肪酸グリセリドの該部分の結晶の
懸濁液を形成させ、ここで、該結晶は約0.1〜約50
μmの粒度を有しており;そして得られた懸濁液を濾過
して、実質的に結晶を含まない第1濾液及び結晶の濃度
が増大した第2濾液を形成させる上記第1項に記載の方
法。 10.分別法を第2濃縮液について反復して、第3濾液お
よび第3濃縮液となす上記第9項に記載の方法。 11.原料脂肪組成物が、ババスヤシ、ヒマ、ココヤシ、
トウモロコシ、綿実、亜麻仁、オイチシカ、オリーブ、
ヤシ、パーム核、ラッカセイ、ナタネ、ベニバナ、ゴ
マ、大豆、ヒマワリ、米ぬか、椿、エゴマ、麻実、カポ
ック、茶実、桐、バター、豚脂、牛脂、クジラ、ニシ
ン、イワシおよびメンヘーデンよりなる群から選ばれ
る、上記第10項に記載の方法。 12.濾過工程の前にフィルターをまず疎水性物質で飽和
し、濾過の前に液化脂肪組成物に水を添加し、水を含有
するこの液化脂肪組成物を疎水性物質で飽和したフィル
ターにより濾過し、その際疎水性物質がフィルターから
排除されて水が通過する状態になる臨界漏出圧力を越え
ない圧力において濾過を行う上記第1項に記載の方法。 13.原料脂肪組成物が、ババスヤシ、ヒマ、ココヤシ、
トウモロコシ、綿実、亜麻仁、オイチシカ、オリーブ、
ヤシ、パーム核、ラッカセイ、ナタネ、ベニバナ、ゴ
マ、大豆、ヒマワリ、米ぬか、椿、エゴマ、麻実、カポ
ック、茶実、桐、バター、豚脂、牛脂、クジラ、ニシ
ン、イワシおよびメンヘーデンよりなる群から選ばれ
る、上記第10項に記載の方法。 14.脂肪組成物の細菌含有量を減少させる方法であっ
て、すべての脂肪酸グリセリドが液状である温度に脂肪
組成物を加熱し、液化した脂肪組成物を動的精密濾過に
より濾過して、細菌含有量が減少した第1濾液及び細菌
含有量が増加した濃縮液となすことを特徴とする方法。 15.濾液が元の脂肪組成物の臭覚的および味覚的特性を
保持した上記第14項に記載の方法。 16.脂肪組成物がバターである上記第14項に記載の方
法。 17.液化した脂肪組成物が約0.2〜約0.65μmの
有効ポアー直径を有する微孔質フィルターにより濾過さ
れる上記第14項に記載の方法。 18.脂肪組成物が、ババスヤシ、ヒマ、ココヤシ、トウ
モロコシ、綿実、亜麻仁、オイチシカ、オリーブ、ヤ
シ、パーム核、ラッカセイ、ナタネ、ベニバナ、ゴマ、
大豆、ヒマワリ、米ぬか、椿、エゴマ、麻実、カポッ
ク、茶実、桐、バター、豚脂、牛脂、クジラ、ニシン、
イワシおよびメンヘーデンよりなる群から選ばれる、上
記第14項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られたステアリン含有バター脂
画分に関する示差走査熱量計のプロットである。
【図2】本発明により得られたオレイン含有バター脂画
分に関する示差走査熱量計のプロットである。
【図3】パルスNMRにより測定した、特定の温度条件
において存在する固体脂肪成分(″SFC″)の%を、
バター脂供給材料組成物、図1のステアリン組成物、お
よび図2のオレインの例につき示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョセフ・ダブリュー・ディーン,ジュ ニアー アメリカ合衆国ニューヨーク州11023, グレイト・ネック,バークシャー・ロー ド 52 (56)参考文献 特開 平2−80495(JP,A) 特開 昭63−394(JP,A) 特開 昭63−258995(JP,A) 特開 平3−205496(JP,A) 特開 昭58−179297(JP,A) 特開 昭60−32897(JP,A) 特開 昭61−18403(JP,A) 米国特許3450727(US,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸グリセリドの混合物を含有する脂
    肪組成物を2以上の画分に分別する方法であって;すべ
    ての脂肪酸グリセリドが液状である温度に脂肪組成物を
    加熱し;液化した脂肪組成物を脂肪酸グリセリドの少な
    くとも一部分が固体として存在する予め定められた温度
    に冷却し、ここで、この冷却は少なくとも0.5℃/分
    の冷却速度で行われ;脂肪酸グリセリドの該部分の結晶
    懸濁液を形成させ、ここで、該結晶は0.1−50μm
    の粒度を有しており;そして得られた懸濁液を動的精密
    濾過により濾過して、実質的に結晶を含まない第1濾液
    および結晶の濃度が増大した第1濃縮液を形成させる;
    工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸グリセリド結晶の懸濁液が、有効
    ポアー直径0.2〜0.65μmを有する微孔質フィル
    ターにより濾過される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 脂肪組成物がバターであり、濾液が元の
    脂肪組成物の臭覚的及び味覚的特性を保持した請求項2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 膜を通した濾液が少なくとも100lb
    /hr/mの流束量で行われ、冷却の開始から脂肪酸
    グリセリド結晶の除去までの時間が約1時間以下である
    請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 冷却が少なくとも2℃/分の冷却速度で
    行われる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 濾過工程の前にフィルターをまず疎水性
    物質で飽和し、予め定められた温度に液化した脂肪組成
    物を冷却する前に液化脂肪組成物に水を添加し、結晶懸
    濁液を疎水性物質で飽和したフィルターにより濾過し、
    その際疎水性物質がフィルターから排除されて水が通過
    する状態になる臨界漏出圧力を越えない圧力において濾
    過を行う請求項1に記載の方法。
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