JP2516095B2 - 4輪駆動車輌の動力伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車輌の動力伝達装置

Info

Publication number
JP2516095B2
JP2516095B2 JP2238244A JP23824490A JP2516095B2 JP 2516095 B2 JP2516095 B2 JP 2516095B2 JP 2238244 A JP2238244 A JP 2238244A JP 23824490 A JP23824490 A JP 23824490A JP 2516095 B2 JP2516095 B2 JP 2516095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
clutch
oil passage
oil
port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2238244A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03224830A (ja
Inventor
哲郎 浜田
和則 渋谷
健太郎 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to GB9024531A priority Critical patent/GB2239922B/en
Priority to DE4036085A priority patent/DE4036085C2/de
Priority to US07/614,788 priority patent/US5201820A/en
Publication of JPH03224830A publication Critical patent/JPH03224830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2516095B2 publication Critical patent/JP2516095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] 〈産業上の利用分野〉 本発明は、前輪と後輪とを共通のエンジンにて駆動し
得るように構成された4輪駆動車輌の動力伝達装置に関
する。
〈従来の技術〉 4輪駆動車輌における前輪と後輪との間の動力伝達装
置の一型式として、前・後車軸の一方をエンジンに直接
的に連結し、この一方の車軸(主駆動軸)と他方の車軸
(従駆動軸)との間に油圧クラッチを設け、かつ前・後
車軸の相対回転に応じて駆動される油圧ポンプの吐出圧
をクラッチに作用させることにより、前輪と後輪との間
の駆動連結を達成するようにしたものが知られている
(特開昭60−252026号公報参照)。この構造によると、
クラッチの係合力が前・後車軸の回転速度差の2乗に比
例して変化するので、回転速度差が大きい、すなわち一
方の車輪がスリップ状態となった時には十分な差動制限
力が得られ、回転速度差が小さい、すなわち緩加速・緩
減速を含む定速走行時には差動制限力が小さくなるた
め、粘性流体継手などを用いた場合に生じがちな低速旋
回時のブレーキング現象を生じないで済むという利点が
ある。
一方、動力伝達系を介して前輪と後輪とが駆動連結さ
れている4輪駆動車輌においては、制動時前輪の制動力
が動力伝達系を介して後輪に伝達されるため、一般に前
後輪の制動力配分に変化を生じ易く、4輪駆動車輌にお
いては、このような制動力配分の変化をなるべく生じ難
くすることが望まれる。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところが、上記公報に開示された公知技術によると、
前輪と後輪との回転速度差に応じて駆動される油圧ポン
プからの吐出圧にてクラッチが係合するため、加速時な
どに前輪がスリップした場合のみならず、過剰制御によ
って前輪がロック傾向となった場合の回転速度差によっ
ても前輪と後輪とが駆動連結され、この場合は、前輪の
制動力が後輪に伝達されるため、前後輪の制動力配分に
変化を生ずる。
本発明は、このような不都合を解消すべく案出された
ものであり、その目的は、制動に起因して後輪側の回転
速度がより高くなった際には、前後輪間の差動制限力が
抑制されるように改善された4輪駆動車輌の動力伝達装
置を提供することにある。
[発明の構成] 〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、本発明によれば、原動機にて直接
的に駆動される前輪と、油圧クラッチを介して駆動され
る後輪とを有する4輪駆動車輌の動力伝達装置であっ
て、前記前輪に連動して駆動される第1油圧ポンプと、
前記後輪に連動して駆動される第2油圧ポンプと、前記
第1油圧ポンプの吐出ポートと前記第2油圧ポンプの吸
入ポートとを連通接続する連結油路と、前記吐出ポート
から吐出される油量と前記吸入ポートに吸入される油量
との差によって生じる油圧を前記油圧クラッチの作動油
圧室に導くための油圧供給油路とを有することを特徴と
する4輪駆動車輌の動力伝達装置を提供することにより
達成される。
〈作用〉 このような構成によれば、前輪側の回転速度が後輪側
を上回る場合には、第1油圧ポンプの吐出量が第2油圧
ポンプの吸入量を上回るのでクラッチに油圧が作用し、
後輪側の回転速度が前輪側を上回る場合には、第2油圧
ポンプの吸入量が第1油圧ポンプの吐出量を上回るの
で、第1油圧ポンプの吐出圧がクラッチの作動油圧室に
到達しない。従って、急制動時などのように前輪がロッ
クした場合には、クラッチが接続されないために前輪の
過剰な制動力の後輪への伝達が阻止される。
〈実施例〉 以下、添付の図面を参照して本発明の好適実施例につ
いて詳細に説明する。
第1図は、本発明に基づく動力伝達装置が適用された
4輪駆動車輌の動力伝達系を示すスケルトン図である。
エンジン1の出力は、変速機2を介して前輪側の差動装
置3に入力する。そして差動装置3の出力は、ドライブ
シャフト4を介して左右両前輪5に伝達される。
差動装置3に入力したエンジン1の出力は、傘歯車装
置6を介して後記する動力伝送装置7に入力し、該動力
伝達装置7の出力は、傘歯車装置8を介して後輪側の差
動装置9に伝達される。そして差動装置9の出力は、ド
ライブシャフト10を介して左右両後輪11に伝達される。
動力伝達装置7は、前輪側の傘歯車装置6の出力軸に
連動駆動される第1油圧ポンプ21と、後輪側の傘歯車装
置8の入力軸に連動駆動される第2油圧ポンプ22と、傘
歯車装置6の出力軸と傘歯車装置8の入力軸との間に介
設された油圧クラッチ23と、第1・第2両油圧ポンプ21
・22及びクラッチ23に係わるオイルの流れを制御する油
圧制御回路(後に詳述)とからなっている。
第1油圧ポンプ21は、ギヤポンプあるいはベーンポン
プからなり、車輌が前進時には吐出ポートとなり後退時
には吸入ポートとなる第1ポート24と、前進時には吸入
ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第2ポート25
とを有している。そして第2油圧ポンプ22は、同じくギ
ヤポンプあるいはベーンポンプからなり、車輌が前進時
には吸入ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第3
ポート26と、前進時には吐出ポートとなり後退時には吸
入ポートとなる第4ポート27とを有している。これら各
ポート24〜27は、第1ポート24と第3ポート26とが第1
連結油路28を介して連通接続され、第2ポート25と第4
ポート27とが第2連結油路29を介して連通接続されてい
る。
第1連結油路28及び第2連結油路29と、油圧クラッチ
23の作動油圧室30との間は、切換弁31を介して連結され
ている。この切換弁31は、主に変速機2が前進段にある
か、あるいは後退段にあるかに応じて切換わるスプール
弁からなり、2つに仕切られた弁室32・33と、第1弁室
32から第2弁室33へ向けての流れを規制する一方向弁34
と、第1弁室32と第2室弁室33との差圧が所定値になる
と、第1弁室32と第2弁室33との間を連通し、第1弁室
32から第2弁室33へ向けての流れを許容するリリーフ弁
35とを有している。この切換弁31の作動により、前進時
にあっては、第1図に示すように、第2連結油路29とオ
イルタンク36との間が第2弁室33を介して連通し、第1
連結油路28とクラッチの作動油圧室30との間が、バイパ
ス油路37a・第1弁室32・作動油圧供給油路37bを介して
連通し、しかもクラッチの作動油圧室30に作用する圧力
が所定値以上になると、リリーフ弁35を介してオイルタ
ンク36へ圧力が逃げるようになっている。そして後退時
にあっては、第2図に示すように、第1連結油路28とオ
イルタンク36との間が第2弁室33を介して連通し、第2
連結油路29とクラッチの作動油圧室30との間が第1弁室
32を介して連通し、しかもクラッチの作動油圧室30に作
用する圧力が所定値以上になるとリリーフ弁35を介して
タンク36へ圧力が逃げるようになっている。
更に、第1弁室32とクラッチの作動油圧室30との間を
連結するクラッチ作動油圧供給油路37bは、オリフィス3
8を有する分岐通路を介してタンク36の油面上に連通し
ている。
次に上記実施例の作動の要領について各状態に応じて
順に説明する。
前記発進加速時には、後輪11が停止したままで前輪5
のみがスリップ状態で回転することがある。この時に
は、前輪5と共に第1油圧ポンプ21のみが回転するた
め、オイルタンク36から第2弁室33及び第2連結油路29
を介して第2ポート25に吸入されたオイルは、第1ポー
ト24から第1連結油路28へ吐出されてバイパス油路37a
に全量が流入し、第1弁室32及びクラッチ作動油圧供給
油路37bを介してクラッチの作動油圧室30に油圧を作用
させる。これによりクラッチ23が係合し、前輪5と後輪
11との間が連結される。
ここでオリフィス38上流側の油圧、すなわちクラッチ
作動油圧は、第1・第2両油圧ポンプ21・22の吐出量
(吸入量)差の2乗に比例して変化する。そしてオリフ
ィス38の流量によって、オリフィス上流の基本的な油圧
特性を適宜に設定することができる。また、クラッチ23
の伝達トルクは、作動油圧室30に作用する油圧に比例す
ることから、リリーフ弁35の開放圧の設定により、クラ
ッチ23の伝達トルクの上限値を適宜に設定することがで
きる。
クラッチ23が係合して後輪側に駆動トルクが分配され
ると、後輪11の回転速度の増大に応じて第1油圧ポンプ
21の吐出油が第2油圧ポンプ22に吸入されるようにな
る。そして第1油圧ポンプ21の吐出量と第2油圧ポンプ
22の吸入量との差に応じてクラッチの作動油圧室30に作
用する油圧、すなわちクラッチ23の係合力が自動的に変
化し、前後輪間の回転速度差が実質的に0になる例えば
定速走行状態になると、クラッチの作動油圧室30に油圧
が作用しなくなって後輪11へのトルク分配が断たれる。
前進緩加速時、緩減速時及び定速走行時にあっては、
前輪5と後輪11とが同一径であれば、両輪5・11は略同
一回転速度で回転する。ここでは前輪5と共に駆動され
る第1油圧ポンプ21と、後輪11と共に駆動される第2油
圧ポンプ22との能力が互いに等しく定めてあるので、両
油圧ポンプ21・22が両輪5・11と共に同一回転速度で回
転すると、オイルは第1連結油路28と第2連結油路29と
を介して両油圧ポンプ21・22間を循環する。すなわち、
この状態において第1連結油路28の管内圧力はクラッチ
23の作動圧力に到達せず、従って、後輪11に対する駆動
トルクの伝達は行なわれない。
定速走行時に前輪5のみが摩擦係数の低い路面を踏ん
だ場合、あるいは急加速せんとした時には、前輪5が過
渡的にスリップ状態になることがある。このような状態
においては、前輪5の回転速度が後輪11のそれを上回
り、第1ポート24からの吐出量が第3ポート26への吸入
量を上回る。すると第1油圧ポンプ21の吐出油を第2流
体圧ポンプ22が吸入しきれなくなるため、両油圧ポンプ
21・22の吐出量(吸入量)の差に対応した油圧が第1連
結油路28に作用する。この油圧は、バイパス油路37a・
第1弁室32・作動油圧供給油路37bを経てクラッチの作
動油圧室30に導かれる。これによりクラッチ23が係合
し、後輪11に対して駆動トルクが分配される。このと
き、クラッチ23の係合力は、上記のようにして前後輪間
の回転速度差に応じて自動的に変化し、後輪11に分配さ
れる駆動トルクの大きさは、クラッチ23の係合力の大き
さに比例する。
車輪に制動力が作用すると、前後輪の制動力配分は一
般に前輪側がより高く設定されているので、急制動時な
どでは、後輪11よりも前輪5が先にロックする。また、
定速走行からのエンジンブレーキは前輪5にのみ作用す
るので、この場合も過渡的には前輪5の回転速度が後輪
11よりも低くなる。そして前輪5の回転速度が後輪11に
比して低くなると、第1油圧ポンプ21の吐出量が第2油
圧ポンプ22の吸入量を下回るため、作動油圧供給油路37
bへの吐出圧は発生せず、クラッチ23は係合しない。従
って、前後輪間の連結は断たれる。このとき、第4ポー
ト27からの吐出油の一部は、第2連結油路29・第2弁室
33・一方向弁34・第1弁室32・バイパス油路37a・第1
連結油路28を経て第3ポート26へ環流する。
前輪5が完全にロックすると、第1油圧ポンプ21が停
止して第1油圧ポンプ22のみが回転する。すると第4ポ
ート27から第2連結油路29への吐出油は、第2弁室33・
一方向弁34・第1弁室32・バイパス油路37a・第1連結
油路28を経て第3ポート26へと全量が環流する。従っ
て、この場合もクラッチ23は係合せず、前後輪間の連結
は断たれる。
後退時には、第1・第2両油圧ポンプ21・22の回転方
向が共に逆になり、吐出ポートと吸入ポートとの関係が
上記とは逆の関係になるが、基本的な作動原理は前進時
と同様にして行なわれる。
後退発進加速時には、一時的に第1油圧ポンプ21のみ
が回転する。すると第2図に示すように、オイルタンク
36から第2弁室33・バイパス油路37a・第1連結油路28
を経て第1ポート24に吸入されたオイルは、第2ポート
25から第2連結油路29へ吐出され、第1弁室32及び作動
油圧供給油路37bを経てクラッチの作動油圧室30に油圧
を作用させる。これによりクラッチ23が接続し、後輪11
に駆動トルクが分配される。
そして前進時と同様に、後輪側の回転速度の増大に応
じて第1油圧ポンプ21の吐出油の一部が第2油圧ポンプ
22の吸入されるようになり、この時の両ポンプ21・22の
吐出量(吸入量)差に応じてクラッチの作動油圧室30に
作用する油圧が変化して後輪へのトルク分配率が変化
し、定速走行状態になるとクラッチの作動油圧室30に油
圧が作用しなくなって前後輪間の接続が断たれる。
後退緩加速時、緩減速時及び定速走行時にあっては、
前進時と同様に、第1油圧ポンプ21と第2油圧ポンプ22
とが、共に同一回転速度で回転する。すると第2ポート
25からの吐出油は、第2連結油路29を経て第4ポート27
に吸入され、第3ポート26からの吐出油は、第1連結油
路28を経て第1ポート24に吸入される。従って、第1・
第2両連結油路28・29の管内圧力はクラッチ23の作動圧
力に到達せず、従って、後輪11に対する駆動トルクの伝
達は行なわれない。
後退定速走行からの急加速などにより前輪5がスリッ
プ状態になると、前輪5の回転速度が後輪11のそれを上
回り、第1油圧ポンプ21の吐出量が第2油圧ポンプ22の
吸入量を上回る。すると第1油圧ポンプ21の吐出油を第
2油圧ポンプ22が吸入しきれなくなるため、両ポンプ21
・22の吐出量(吸入量)の差に対応した油圧が第2連結
油路29に作用する。この油圧は、第1弁室32・作動油圧
供給油路37bを経てクラッチの作動油圧室30に導かれ
る。これによりクラッチ23係合し、後輪11に対して駆動
トルクが分配される。
後退制動時には、第1油圧ポンプ21の回転速度が第2
油圧ポンプ22のそれを下回るため、前進制動時の場合と
同様に、作動油圧供給油路37bへの吐出圧は発生せず、
クラッチ23は係合しない。従って、前後輪間の連結は断
たれる。このとき、第2油圧ポンプ22の吐出油の一部
は、第1連結油路28・バイパス油路37a・第2弁室33・
一方向弁34・第1弁室32・第2弁室33・一方向弁34・第
1弁室32・第2連結油路29を経て第4ポート27へ環流す
る。そして前輪5が完全にロックすると、第3ポート26
からの吐出油は、第1連結油路28・バイパス油路37a・
第2連結油路29を経て第4ポート27へ全量が環流する。
従って、この場合もクラッチ23は係合せず、前後輪間の
連結は断たれる。
第3図及び第4図は、本発明の第2の実施例を示して
おり、上記第1の実施例と共通する部分には同一の符号
を付し、異なる部分についてのみ以下に説明する。
本実施例における切換弁31のスプールSは、常時一方
の位置に向けてばね付勢されており、第1油圧ポンプ21
の第2ポート25からの吐出圧を第2連結油路29から分岐
した切換油路41を介してスプールSの一端に作用させる
ことにより、ばね付勢力に抗して他方の位置に切換わる
ようになっている。そして3つの弁室32・33・42と、第
2弁室33から第3弁室42へ向けての流れを規制する一方
向弁34と、第2弁室33と第3室弁室42との差圧が所定値
になると、第2弁室33と第3弁室42との間を連通し、第
2弁室33から第3弁室42へ向けての流れを許容するリリ
ーフ弁35とを有している。また、第2連結油路29と切換
油路41との分岐部には、第4ポート27から第2ポート25
へ向けての流れのみを許容する一方向弁43が設けられて
いる。
前進時にあっては、第3図に示す一方の位置にスプー
ルSがあり、第2連結油路29とオイルタンク36との間が
第3弁室42を介して連通し、第1連結油路28とクラッチ
の作動油圧室30との間がバイパス油路37a・第2弁室33
・クラッチ作動油圧供給油路37bを介して連通し、しか
もクラッチの作動油圧室30に作用する圧力が所定値以上
になると、リリーフ弁35を介してオイルタンク36へ圧力
が逃げるようになっている。
後退時にあっては、第4図に示す他方の位置にスプー
ルSがあり、第1連結油路28とオイルタンク36との間が
バイパス油路37a及び第2弁室33を介して連通し、第2
連結油路29とクラッチの作動油圧室30との間が第1弁室
32及びクラッチ作動油圧供給油路37bを介して連通し、
第2ポート25の吐出圧をスプールSの一端に作用させる
ための切換油路41がスプールSの一端から第2連結油路
29へ連通路44を介して連通し、しかもクラッチの作動油
圧室30に作用する圧力が所定値以上になるとリリーフ弁
35を介してオイルタンク36へ圧力が逃げるようになって
いる。
さらに、切換弁31とクラッチの作動油圧室30との間を
連結するクラッチ作動油圧供給油路37bは、オリフィス3
8を有する分岐通路を介してオイルタンク36の油面上に
連通している。
なお、本実施例における一方向弁34は、手動操作ノブ
45により人為的に開放し得るようになっており、これを
所望に応じて開くことにより、クラッチの作動油圧室30
に対する油圧を除去して人為的に前後輪間の連結を断つ
ことができるようになっている。また、リリーフ弁35に
は、公知のサーモワックスなどを用いた感温素子46が連
結されており、油温が所定値(例えば120℃)に達する
と自動的にクラッチの作動油圧室30の油圧をオイルタン
ク36へ逃がすようになっている。これによってクラッチ
23の最大伝達トルクを規定すると共に、作動油の過度な
昇温を防止している。
次に上記実施例の作動の要領について上記第1の実施
例と同様に各状態に応じて説明する。
前進発進加速時にエンジン1に直接的に駆動される前
輪5が過渡的にスリップ状態になると、前輪5と共に駆
動される第1油圧ポンプ21のみが回転するので、オイル
タンク36内のオイルは、第3弁室42及び第2連結油路29
の一方向弁43を経て第2ポート25から吸入され、第1ポ
ート24から吐出される。そして第1連結油路28への吐出
油は、バイパス油路37a・第2弁室33・作動油圧供給油
路37bを経てクラッチの作動油圧室30に油圧を作用させ
る。これによりクラッチ23が接続し、前輪5と後輪11と
の間が連結される。
クラッチ23が接続して第2油圧ポンプ22が後輪11と共
に回転すると、第1油圧ポンプ21の吐出油の一部が第2
油圧ポンプ22に吸入されるようになる。すると、第1油
圧ポンプ21の吐出量と第2油圧ポンプ22の吸入量との差
に応じてクラッチ23の係合力が自動的に変化し、定速走
行状態になると、両油圧ポンプ21・22が両輪5・11と共
に同一回転速度で回転するので、オイルは第1連結油路
28と第2連結油路29とを介して両油圧ポンプ21・22間を
環流する。従って、クラッチの作動油圧室30に油圧が作
用しなくなり、後輪11に対する駆動トルクの伝達が断た
れる。
定速走行時に前輪5のみがスリップ状態になると、前
輪5の回転速度が後輪11のそれを上回り、第1ポート24
からの吐出量が、第3ポート26への吸入量を上回る。す
ると両油圧ポンプ21・22の吐出量(吸入量)の差に対応
した油圧が第1連結油路28・バイパス油路37a・第2弁
室33・作動油圧供給油路37bを経てクラッチの作動油圧
室30に導かれ、クラッチ23が係合して後輪11に対して駆
動トルクが分配される。
制動力が作用して前輪5の回転速度が後輪11に比して
低くなり、第2油圧ポンプ22の吸入量が第1油圧ポンプ
21の吐出量を上回ると、作動油圧供給油路37bへの吐出
圧は発生せず、クラッチ23は係合しない。従って、前後
輪間の連結は断たれる。このとき、第4ポート27からの
吐出油の一部は、第2連結油路29・第3弁室42・一方向
弁34・第2弁室33・バイパス油路37a・第1連結油路28
を経て第3ポート26へ環流する。
そして前輪5が完全にロックすると、第4ポート27か
ら第2連結油路29に吐出されたオイルは、第3弁室42・
一方向弁34・第2弁室33・バイパス油路37a・第1連結
油路28を経て第3ポート26へと全量が環流する。従っ
て、この場合もクラッチ23は係合せず、前後輪間の連結
は断たれる。
車輌の後退時には、第1・第2両油圧ポンプ21・22の
回転方向が共に逆になり、吐出ポートと吸入ポートとの
関係が上記とは逆の関係になる。そのため、第2ポート
25からの吐出油は、一方向弁43の作用によって切換油路
41へと流入してスプールSの一端に油圧を作用させる。
これによりスプールSが第4図に示す位置に移動し、第
2ポート25からの吐出油は連通路44を介して第2連結油
路29へと流入する。
後退発進加速時に前輪5がスリップすると、第2油圧
ポンプ22が停止しているので、オイルはオイルタンク36
から第2弁室33・バイパス油路37a・第1連結油路28を
経て第1ポート24から第1油圧ポンプ21に吸入され、第
2ポート25から切換油路41及び連通路44を経て第2連結
油路29へ吐出される。そして、第1弁室32及び作動油圧
供給油路37bを経てクラッチの作動油圧室30に油圧を作
用させる。これによりクラッチ23が接続し、前輪5と後
輪11との間が連結される。
そして後輪側の回転速度の増大に応じて第1油圧ポン
プ21の吐出油の一部を第2油圧ポンプ22が吸入するよう
になり、上記第1の実施例と同様にして、第1・第2両
油圧ポンプ21・22の吐出量(吸入量)の差に応じてクラ
ッチ23の係合力が変化し、定速走行状態になると作動油
圧室30に油圧が作用しなくなって前後輪間の連結が断た
れる。
第1・第2両油圧ポンプ21・22が同一回転速度で回転
すると、切換油路41・連通路44を含む第1・第2連結油
路28・29を介して両油圧ポンプ21・22間をオイルが循環
することになるが、この時の第2ポート25からの吐出圧
にて移動し得るように、スプールSのばね付勢力が定め
られている。
後退制動時に前輪がロックしかかると、後輪11と連動
する第2油圧ポンプ22の回転速度が第1油圧ポンプ21の
それを上回るため、作動油圧供給油路37bへの吐出圧は
発生せず、クラッチ23は結合しない。従って、前後輪間
の連結は断たれる。このとき、第3ポート26からの吐出
油の一部は、第1連結油路28・バイパス油路37a・第2
弁室33・一方向弁34・第2連結油路29を経て第4ポート
27へと環流する。
前輪5が完全にロックすると、第1油圧ポンプ21が停
止するので、切換油路41への吐出圧が消滅し、スプール
Sの位置が第3図の状態に戻る。すると第3ポート26か
らの吐出油は、バイパス油路37a・第2弁室33・作動油
圧供給油路37bを経てクラッチの作動油圧室30に流入し
てクラッチ23を接続することになる。すると後輪11の回
転力が前輪5に伝達され、前輪5の完全ロックが抑制さ
れることになる。
このように、本実施例においては、後退時に前輪側に
て駆動される第1油圧ポンプ21の吐出圧にて切換弁31が
駆動される。従って、切換弁を駆動するための外部アク
チュエータや、アクチュエータに作動指令を与えるため
の走行状態検出センサあるいはシフトポジション検出セ
ンサなどが不要となり、加速時の前輪スリップ及び制動
時の前輪ロックに対応したクラッチ制御が、前進・後退
という進行方向の違いに応じて完全自動にて行なわれる
ことになる。
また、後退制動時には、重心移動に起因して前輪側の
接地力が減少し、前輪5がより一層ロックし易くなる
が、この場合にも、前輪5が完全にロックすると瞬時に
切換弁31が切換わり、第2油圧ポンプ22の吐出圧がクラ
ッチの作動油圧室30に作用してクラッチが接続するの
で、後輪11の回転力が前輪5に伝達され、むしろ前輪5
の完全ロックを抑制することができる。
第5図及び第6図は、本発明の変形実施例を示してお
り、上記第1の実施例と共通する部分には同一の符号を
付し、異なる部分についてのみ以下に説明する。
第1・第2両実施例においては、作動油圧室30とオイ
ルタンク36との間を、クラッチ作動油圧供給通路37bか
ら分岐した通路にて連通させるものとしているが、本変
形実施例においては、作動油圧室30とオイルタンク36と
の間に、オリフィス38を備えた別の連通路47を設けるも
のとしている。これによれば、クラッチ作動油圧供給通
路37bから作動油圧室30に圧油を供給する際に、作動油
圧室30内の空気を速やかに排出できるので、クラッチ23
の作動応答性をより一層向上することができる。
本変形実施例の場合も、オリフィス38を介してのリリ
ーフ流量によってクラッチ作動油圧の特性が定まるこ
と、並びにクラッチ23の作動要領は、上記第1・第2両
実施例と同様である。また、この連通路47は、第2の実
施例にも等しく適用し得る。
[発明の効果] このように本発明によれば、前後輪間の回転速度差に
応じて後輪に駆動力を伝達するためのクラッチの係合力
を自動的に変化させることができる。そして特に前輪側
の回転速度が後輪側を上回る時にはクラッチの係合力が
高まり、後輪側の回転速度が前輪側を上回る時にはクラ
ッチへの流体圧の供給が断たれるものとすることができ
る。従って、急加速時などに前輪がスリップ状態になる
と後輪にも駆動力が伝達され、制動時には前後輪の接続
が自動的に断たれるので、4輪駆動車輌の走行性能を向
上するうえで効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に基づく4輪駆動車輌の動力伝達系の
全体的な構成を示すスケルトン図であり、第2図は、後
退状態にある時の油圧回路図である。 第3図は、本発明の第2の実施例を示す前進時の油圧回
路図であり、第4図は、同じく後退時の油圧回路図であ
る。 第5図は、本発明の変形実施例を示す第1図と同様なス
ケルトン図であり、第6図は、同変形実施例を第2図の
状態に対応して示す油圧回路図である。 1…エンジン、2…変速機、3…差動装置、4…ドライ
ブシャフト、5…前輪、6…傘歯車装置、7…動力伝達
装置、8…傘歯車装置、9…差動装置、10…ドライブシ
ャフト、11…後輪、21…第1油圧ポンプ、22…第2油圧
ポンプ、23…油圧クラッチ、24…第1ポート、25…第2
ポート、26…第3ポート、27…第4ポート、28…第1連
結油路、29…第2連結油路、30…作動油圧室、31…切換
弁、32…第1弁室、33…第2弁室、34…一方向弁、35…
リリーフ弁、36…オイルタンク、37a…バイパス油路、3
7b…作動油圧供給油路、38…オリフィス、41…切換油
路、42…第3弁室、43…一方向弁、44…連通路、45…手
動操作ノブ、46…感温素子、47…連通路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機にて直接的に駆動される前輪と、油
    圧クラッチを介して駆動される後輪とを有する4輪駆動
    車輌の動力伝達装置であって、 前記前輪に連動して駆動される第1油圧ポンプと、 前記後輪に連動して駆動される第2油圧ポンプと、 前記第1油圧ポンプの吐出ポートと前記第2油圧ポンプ
    の吸入ポートとを連通接続する連結油路と、 前記吐出ポートから吐出される油量と前記吸入ポートに
    吸入される油量との差によって生じる油圧を前記油圧ク
    ラッチの作動油圧室に導くための油圧供給油路とを有す
    ることを特徴とする4輪駆動車輌の動力伝達装置。
JP2238244A 1989-11-04 1990-09-07 4輪駆動車輌の動力伝達装置 Expired - Lifetime JP2516095B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9024531A GB2239922B (en) 1989-11-14 1990-11-12 Power transmission apparatus for a four-wheel drive vehicle
DE4036085A DE4036085C2 (de) 1989-11-14 1990-11-13 Kraftübertragungssystem für ein Fahrzeug mit direkt antreibbaren Vorderrädern
US07/614,788 US5201820A (en) 1989-11-04 1990-11-14 Power transmission system for a four-wheel drive vehicle

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-295727 1989-11-04
JP29572789 1989-11-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03224830A JPH03224830A (ja) 1991-10-03
JP2516095B2 true JP2516095B2 (ja) 1996-07-10

Family

ID=17824389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2238244A Expired - Lifetime JP2516095B2 (ja) 1989-11-04 1990-09-07 4輪駆動車輌の動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2516095B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10105531B4 (de) * 2000-02-07 2007-03-22 Honda Giken Kogyo K.K. Kraftübertragungssystem für ein Fahrzeug mit Vierradantrieb

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2516824B2 (ja) * 1990-03-26 1996-07-24 本田技研工業株式会社 四輪駆動車両の動力伝達装置
JP2555489B2 (ja) * 1991-07-04 1996-11-20 本田技研工業株式会社 4輪駆動車両の動力伝達装置
JP2736745B2 (ja) * 1994-08-11 1998-04-02 本田技研工業株式会社 4輪駆動車輌のアンチスキッド制御方法
JP4116735B2 (ja) 1999-06-02 2008-07-09 本田技研工業株式会社 四輪駆動車両における駆動力制御装置
JP4216975B2 (ja) 1999-12-03 2009-01-28 本田技研工業株式会社 四輪駆動車両の動力伝達装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10105531B4 (de) * 2000-02-07 2007-03-22 Honda Giken Kogyo K.K. Kraftübertragungssystem für ein Fahrzeug mit Vierradantrieb

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03224830A (ja) 1991-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3223196B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
US5137100A (en) Hydrostatic transmissions
US3997017A (en) Auxiliary hydrostatic front wheel drive system
JPS6351891B2 (ja)
US5201820A (en) Power transmission system for a four-wheel drive vehicle
JPH0123332B2 (ja)
JP4116735B2 (ja) 四輪駆動車両における駆動力制御装置
JP2516095B2 (ja) 4輪駆動車輌の動力伝達装置
US5687808A (en) Four wheel drive mechanism
JP2555489B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
JP3717434B2 (ja) 作業機の伝動構造
JPH038499Y2 (ja)
JP2963174B2 (ja) 4輪駆動車輌の動力伝達装置
JP2813930B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法
JPH09240301A (ja) 車両の車輪駆動力配分制御装置
JP2007039031A (ja) 作業車の走行駆動装置
JP4138187B2 (ja) 四輪駆動車両の動力伝達装置
JP2779748B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
JP2505666Y2 (ja) 四輪駆動車両の動力伝達装置
JPH05169996A (ja) 4輪駆動車
JPH038498Y2 (ja)
JPS60104426A (ja) 4輪駆動用駆動連結装置
JP2505674Y2 (ja) 動力伝達装置
JPH0423055Y2 (ja)
JP2000142163A (ja) 車両の動力配分装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080430

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430

Year of fee payment: 15