JP2505674Y2 - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、入力軸と出力軸の回転速度差に基づいて油
圧を発生させる油圧発生手段と、前記入力軸と出力軸を
連結する油圧クラッチと、前記油圧発生手段からの圧油
の圧力上昇の上限を規制するリリーフ弁と、このリリー
フ弁により上限を規制された油圧を油圧クラッチの作動
油圧室に作用させる作動油圧供給油路と、前記作動油圧
室に作用する油圧をオリフィス型絞りを介して逃がす排
出油路とを備えた動力伝達装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる動力伝達装置は、本出願人が既に特願平
1-295727号において提案しており、また特願昭60-25292
6号公報によっても公知である。
(3) 考案が解決しようとする課題 ところで、一般に湿式クラッチでは低温状態で潤滑油
の粘度が高くなると摩擦板の摩擦係数が大きくなるた
め、クラッチディスクに同じ大きさの押し付け力を作用
させても、低温状態では高温状態に比べてクラッチの係
合力が大きくなることが知られている。
このため、上記従来の動力伝達装置ではリリーフ弁に
よりクラッチディスクの押し付け力の上限を一定値に規
制してはいるものの、温度によって油圧クラッチの係合
力すなわち最大伝達可能トルクの大きさが変化し、低温
時では高温時に比べて最大伝達可能トルクが大きくなる
不都合が生じる。
本考案は前述の事情に鑑みてなされたもので、温度変
化に伴う油圧クラッチの係合力の変化を防止した動力伝
達装置を提供することを目的とする。
B.考案の構成 (1) 課題を解決するための手段 前記目的を達成するために、本考案は、入力軸と出力
軸の回転速度差に基づいて油圧を発生させる油圧発生手
段と、前記入力軸と出力軸を連結する油圧クラッチと、
前記油圧発生手段からの圧油の圧力上昇の上限を規制す
るリリーフ弁と、このリリーフ弁により上限を規制され
た油圧を油圧クラッチの作動油圧室に作用させる作動油
圧供給油路と、前記作動油圧室に作用する油圧をオリフ
ィス型絞りを介して逃がす排出油路とを備えた動力伝達
装置において、前記作動油圧供給油路にチョーク型絞り
を設けたことを特徴とする。
(2) 作用 前述の本考案の特徴によれば、入力軸と出力軸の回転
速度差により油圧発生手段が発生した油圧は、作動油圧
供給油路を介して油圧クラッチの作動油圧室に伝達さ
れ、その油圧クラッチを係合させる。低温時において
は、油の粘度上昇により前記作動油圧供給油路に介装し
たチョーク型絞りを通過する油量が減少するため、排出
油路に介装したオリフィス型絞りを通過する油量も減少
する。しかしながら、オリフィス型絞りの前後に発生す
る圧力差は通過する油量により決まるため、通過する湯
量が減少するとその圧力差は小さくなり、その分上流側
の作動油圧供給油路に介装されたチョーク型絞りの前後
に発生する圧力差が増加する。これにより、低温状態で
はリリーフ弁で設定された圧力と作動油圧室に作用する
圧力との差、すなわちチョーク型絞りにおける圧力降下
が拡大し、油温の低下により油圧クラッチの摩擦板の摩
擦係数が増加しても、その分だけ作動油圧室に作用する
圧力が減少して油圧クラッチの係合力は略一定に保たれ
る。高温時においては、チョーク型絞りでの圧力降下が
減少して作動油圧室に作用する圧力が増加するため、油
温の上昇による摩擦板の摩擦係数の減少が前記圧力の増
加により補償される。而して、温度変化に伴うクラッチ
の係合力の変化が防止されるため、動力伝達装置の最大
伝達可能トルクの大きさが常に一定に保持される。
(3) 実施例 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。
第1図および第2図は本考案の一実施例を示すもの
で、第1図は四輪駆動車両の前進時における動力伝達系
を示す図、第2図は同じく後退時における動力伝達系を
示す図である。
第1図に示すように、四輪駆動車両の前部に搭載され
たエンジンEの出力は変速機1を介して前輪側の差動装
置2に入力され、その差動装置2の出力はドライブシャ
フト3を介して左右の前輪Wfに伝達される。差動装置2
に入力されたエンジンEの出力は傘歯車装置4を介して
後述の動力伝達装置Tに入力され、その動力伝達装置T
の出力は傘歯車装置5を介して後輪側の差動装置6に伝
達され、更に差動装置6の出力はドライブシャフト7を
介して左右の後輪Wrに伝達される。
動力伝達装置Tは、前輪側の傘歯車装置5から延びる
入力軸8により駆動される第1油圧ポンプPfと、後輪側
の傘歯車装置5に接続する出力軸9により駆動される第
2油圧ポンプPrと、前記入力軸8と出力軸9との間の駆
動力の伝達・遮断を司る湿式多板型の油圧クラッチC
と、該油圧クラッチCを制御する油圧制御回路とから構
成される。油圧クラッチCは動力伝達装置Tの最前部に
配設され、その後部に前記第1油圧ポンプPfと第2油圧
ポンプPrが直列に配設される。
第1油圧ポンプPfは、トロコイドポンプからなり、車
両の前進時には吐出ポートとなり後退時には吸入ポート
となる第1ポート10と、前進時には吸入ポートとなり後
退時には吐出ポートとなる第2ポート11とを有してい
る。そして第2油圧ポンプPrは、同じくトロコイドポン
プからなり、車両の前進時には吸入ポートとなり後退時
には吐出ポートとなる第3ポート12と、前進時には吐出
ポートとなり後退時には吸入ポートとなる第4ポート13
とを有している。そして、第1ポート10と第3ポート12
とが第1連結油路14を介して連通接続され、第2ポート
11と第4ポート13とが第2連結油路15を介して連通接続
されている。
第1連結油路14および第2連結油路15と油圧クラッチ
Cの作動油圧室16の間には、前記変速機1が前進段にあ
るか後退段にあるかにより切り換えられる切換弁17が介
装されている。この切換弁17はソレノイドあるいは油圧
により作動するスプール18を備え、このスプール18にり
画成される第1弁室19および第2弁室20の間には、第1
弁室19から第2弁室20へ向けての流れを規制する一方向
弁21と、第1弁室19と第2弁室20との差圧が所定値にな
ると、第1弁室19と第2弁室20との間を連通し、第1弁
室19から第2弁室20へ向けての流れを許容するリリーフ
弁22とが設けられている。この切換弁17の作動により、
前進時にあっては、第1図に示すように、第2連結油路
15とオイルタンク23との間が第2弁室20を介して連通
し、第1連結油路14と油圧クラッチCの作動油圧室16と
の間が、バイパス油路24、第1弁室19、作動油圧供給油
路25を介して連通し、しかも油圧クラッチCの作動油圧
室16に作用する圧力が所定値以上になると、リリーフ弁
22を介してオイルタンク23へ圧力が逃げるようになって
いる。そして後退時にあっては、第2図に示すようにス
プール18が前方に移動し、第1連結油路14とオイルタン
ク23との間が第2弁室20を介して連通し、第2連結油路
15と油圧クラッチCの作動油圧室16との間が第1弁室19
を介して連通し、しかも油圧クラッチCの作動油圧室16
に作用する圧力が所定値以上になるとリリーフ弁22を介
してオイルタンク23へ圧力が逃げるようになっている。
油圧クラッチCの作動油圧室16とオイルタンク23とを
連結する排出油路29には、オリフィス型絞り26と、前記
リリーフ弁22よりも弱いセット荷重を有するリリーフ弁
より成る開閉弁27が介装されており、この排出油路29の
オリフィス型絞り26上流位置には蓄圧手段としてのアキ
ュムレータ30が設けられる。また、前記作動油圧供給油
路25には一方向弁28が介装され、切換弁17から油圧クラ
ッチCの作動油圧室16への油の流れ、すなわち油圧クラ
ッチCを係合させる方向への圧油の供給を許容するとと
もに、作動油圧室16から切換弁17への油の流れを規制し
ている。したがって、油圧クラッチCの作動室16には常
に前記開閉弁27のセット荷重よりも大きな油圧が作用
し、その油圧は同時にアキュムレータ30に蓄圧される。
更に、前輪作動油圧供給油路25における一方向弁28の上
流位置には、チョーク型絞り31が介装される。
次に、前述の本考案の一実施例の作用を説明する。
前進発進時には、エンジンEの駆動力が変速機1、差
動装置2、ドライブシャフト3を介して前輪Wfに伝達さ
れるとともに、その駆動力は差動装置2から傘歯車装置
4と入力軸8を介して第1油圧ポンプPfに伝達され、こ
の第1油圧ポンプPfを駆動する。このとき油圧クラッチ
は遮断された状態にあり、出力軸9に接続した第2油圧
ポンプPrは停止した状態にある。したがって、オイルタ
ンク23から第2弁室20および第2連結油路15を介して第
1油圧ポンプPfの第2ポート11に吸入されたオイルは、
第1ポート10から第1連結油路14へ吐出されてバイパス
油路24に全量が流入し、第1弁室19および作動油圧供給
油路25を介して油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧を
作用させる。すると、前述のように油圧クラッチCが係
合して出力軸9、傘歯車装置5、差動装置6、およびド
ライブシャフト7を介して後輪Wrが駆動されるととも
に、前記出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrが駆動
される。このようにして、油圧クラッチCが係合して後
輪Wrに駆動トルクが分配されると、後輪Wrの回転速度の
増大に応じて第1油圧ポンプPfの吐出油が第1連結油路
14を介して第2油圧ポンプPrに吸入され、第2油圧ポン
プPrの吐出油が第2連結油路15を介して第1油圧ポンプ
Pfに吸入されるようになる。そして第1油圧ポンプPfの
吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量との差に応じて油圧
クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧、すなわち油
圧クラッチCの係合力が自動的に変化し、前後輪間の回
転速度差が実質的に0になる例えば定速走行状態に達す
ると、油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用しな
くなって後輪Wrへのトルク分配が断たれる。
さて、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの吐出量(吸入
量)差Qが生じると、油圧クラッチCの作動油圧室16に
は開閉弁27のセット荷重に対応する油圧p1が直ちに作
用する。前記開閉弁27が開いた時は、第1、第2両油圧
ポンプPf,Prの吐出量差Qすなわち作動油圧供給油路25
および排出油路29を流れる圧油の流量、オリフィス型絞
り26およびチョーク型絞り31の圧力降下特性、あるいは
油の粘度等により決定される油圧が油圧クラッチCの作
動油圧室16に作用する。そして、その油圧の上限値p2
はリリーフ弁22のセット荷重により制限されるため、前
記リリーフ弁22のセット荷重を適宜設定することにより
油圧クラッチCの伝達トルクの上限値を調整することが
できる。
ところで、作動油圧供給油路25に介装したチョーク型
絞り31を通過する油量は油の粘度による影響を受け、低
温状態で油の粘度が増加するとチョーク型絞り31を流れ
る油量が減少するため、作動油圧供給油路25の下流に設
けた油圧クラッチCの作動油圧室16、および油圧クラッ
チCの下流に設けた排出油路29に介装したオリフィス型
絞り26を通過する油量も減少する。このとき、オリフィ
ス型絞り26の前後に発生する圧力降下量は該オリフィス
型絞り26を通過する油量の2乗に比例するため、通過す
る油量が減少するとオリフィス型絞り26における圧力降
下量が小さくなり、その分だけ上流のチョーク型絞り31
における圧力降下量が増加することになる。これによ
り、低温状態で作動油圧室16に作用する油圧、すなわち
リリーフ弁22で設定された圧力p2から前記チョーク型
絞り31による圧力降下量を差し引いた圧力が小さくな
る。したがって、油の粘度上昇により摩擦係数が増加し
ても、その分だけ油圧によるクラッチディスクの押し付
け力が減少するため、全体として低温時における油圧ク
ラッチCの係合力の増大が防止される。一方、高温状態
では油の粘度が低下して摩擦係数が低下するが、この場
合にはチョーク型絞り31による圧力降下量が逆に減少し
て油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧が増加
するため、その分だけクラッチディスクの押し付け力が
増加して油圧クラッチCの係合力の低下が防止される。
また、油圧クラッチCの作動油圧室16の圧力が一旦開
閉弁27のセット荷重であるp1に達した後は、作動油圧
供給油路25に設けた一方向弁28と排出油路29に設けた開
閉弁27の作用により、作動油圧室16内部の油圧は少なく
とも前記p1に保持される。そして、排出油路28に設け
たアキュムレータ30には作動油圧室16に作用する油圧が
蓄圧され、その油圧は前記吐出量差Qの消滅後にも少な
くとも前記開閉弁27のセット荷重であるp1に保持され
る。したがって、車両の走行による振動等の原因で油圧
クラッチCのクラッチピストンやクラッチディスクに外
力が作用し、作動油圧室16の容積が一時的に減少して該
作動油圧室16内部の油がオリフィス型絞り26および開閉
弁27を介して排出された場合であっても、前記外力が消
滅するとアキュムレータ30から作動油圧室16に圧油が補
給されるため、その作動油圧室16内部の圧力はp1に保
持される。このようにして、作動油圧室16に所定の油圧
1が常時作用することによりクラッチディスク間にク
リアランスが発生することが防止されるので、第1、第
2両油圧ポンプPf,Prに吐出量差Qが生じると同時に油
圧クラッチCを速やかに係合させて、その応答性を高め
ることができる。
定速走行時に前輪Wfのみが摩擦係数の低い路面を踏ん
だ場合、あるいは急加速せんとした時には、前輪Wfが過
渡的にスリップ状態になることがある。このような状態
においては、入力軸8に接続された第1油圧ポンプPfの
吐出量が出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrの吸入
量を上回り、前述と同様に油圧クラッチCが係合して後
輪Wrに対して駆動トルクが分配される。
前輪に制動力が作用すると、前後輪の制動力配分は一
般に前輪Wf側が後輪Wr側より高く設定されているので、
急制動時等において前輪Wfが後輪Wrよりも先にロックす
る。また、定速走行からのエンジンブレーキは前輪Wfの
み作用するので、この場合も過渡的には前輪Wfの回転速
度が後輪Wrよりも低くなる。このような場合には、第2
油圧ポンプPrの吐出量が第1油圧ポンプPfの吸入量を上
回り、第2連結油路15に過剰なオイルが吐出される。更
に、前輪Wfが完全にロックした場合には、第1油圧ポン
プPfが停止して第2油圧ポンプPrのみが回転するため、
この第2油圧ポンプPrの吐出油の全量が過剰となる。し
かしながら、この過剰な吐出油は、第2連結油路15から
第2弁室20、一方向弁21、第1弁室19、バイパス油路2
4、第1連結油路14を経て第2油圧ポンプPrの第3ポー
ト12へと還流する。このようにして、後輪Wrの回転速度
が前輪Wfの回転速度を上回る場合には、油圧クラッチC
の作動油圧室16に第1、第2両油圧ポンプPf,Prの吐出
量差Qに基づく油圧が作用することはなく、該油圧クラ
ッチCは遮断状態に保持される。
さて、前述のように後輪Wrの回転速度が前輪Wfの回転
速度を越えた場合、第2油圧ポンプPrの吸入量が第1油
圧ポンプPfの吐出量を上回るため、第1連結油路14、バ
イパス油路24、および切換弁17の第1弁室19の内部は負
圧となる。しかしながら、前記第1弁室19に作動油圧供
給油路25を介して接続する油圧クラッチCの作動油圧室
16の内部の油は、前記作動油圧供給油路25に介装した一
方向弁28が閉弁することにより、負圧となった第1連結
油路14に吸い出されることが防止される。その結果、油
圧クラッチCの作動油圧室16内部の圧力はp1に保持さ
れ、クラッチピストンの後退によるクラッチディスク相
互間のクリアランスの発生が防止される。したがって、
前輪Wfの回転速度が後輪Wrの回転速度を再び上回り、油
圧クラッチCを係合させるべく作動油圧室16に第1、第
2両油圧ポンプPf,Prの吐出量差Qに基づく油圧が作用
したとき、その油圧クラッチCを速やかに係合させて応
答性を高めることができる。
車両の後退時には、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの
回転方向が共に逆になり、吐出ポートと吸入ポートとの
関係が上記とは逆の関係になるが、変速機1に連動して
切換弁17のスプール18が第2図の位置に移動するため、
基本的な作動原理は前進時と同様にして行なわれる。
すなわち、後退発進時あるいは後退急加速時等に前輪
Wfの回転速度が後輪Wrの回転速度より大きくなると、第
1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポンプPrの吸入量を
上回るため、第2ポート11からの吐出量と第4ポートか
らの吸入量の差に相当するオイルが、第2連結油路15か
ら第1油室19と作動油圧供給油路25を介して油圧クラッ
チCの作動油圧室16に供給され、後輪Wrに駆動トルクを
分配すべく油圧クラッチCが接続される。そして前進時
と同様に、後輪Wr側の回転速度の増大に応じて第1油圧
ポンプPfの吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量の差が減
少し、定速走行状態になると油圧クラッチCの作動油圧
室16に第1、第2両油圧ポンプPf,Prの吐出量差Qに基
づく油圧が作用しなくなって前後輪間の接続が断たれ
る。
また、後退制動時には、第1油圧ポンプPfの回転速度
が第2油圧ポンプPrのそれを下回るため、前進制動時の
場合と同様に、作動油圧供給油路25への吐出圧は発生せ
ず、油圧クラッチCは係合しない。このとき、第2油圧
ポンプPrの第3ポート12からの吐出油の一部は、第1連
結油路14、バイパス油路24、第2弁室20、一方向弁21、
第1弁室19、第2連結油路15を経て第4ポート13へ還流
する。そして前輪Wfが完全にロックすると、第3ポート
12からの吐出油の全量が前記経路を経て第4ポート13へ
還流し、この場合も油圧クラッチCは係合せず、前後輪
間の連結は遮断された状態となる。
而して、上記後退時も前進時と同様に作動油圧室16内
部の油圧が所定値p1に保持されるので、次に油圧クラ
ッチCが係合する際の応答性を向上させることができ
る。
以上、本考案の実施例を詳述したが,本考案は前記実
施例に限定されるものでなく、実用新案登録請求の範囲
に記載された本考案を逸脱することなく、種々の小設定
変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では作動油圧供給油路25における一方
向弁28の上流側にチョーク型絞り31を設けたが、このチ
ョーク型絞り31を一方向弁28の下流側に設けてもよい。
C.考案の効果 以上のように本考案の特徴によれば、低温時にはチョ
ーク型絞りにおける圧力降下量が増加して作動油圧室に
作用する圧力が減少するため、油の粘度増加に伴う摩擦
係数の増加が補償され、また高温時にはチョーク型絞り
における圧力降下量が減少して作動油圧室に作用する圧
力が増加するため、油の粘度減少に伴う摩擦係数の減少
が補償される。その結果、油圧クラッチの係合力は温度
によらず略一定の大きさに保持されることになり、温度
変化による動力伝達装置の最大伝達可能トルクの変動が
防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案の一実施例を示すもので、
第1図は四輪駆動車両の前進時における動力伝達系を示
す図、第2図は同じく後退時における動力伝達系を示す
図である。 8……入力軸、9……出力軸、16……作動油圧室、25…
…作動油圧供給油路、26……オリフィス型絞り、29……
排出油路、31……チョーク型絞り、 C……油圧クラッチ、Pf……第1油圧ポンプ(油圧発生
手段)、Pr……第2油圧ポンプ(油圧発生手段)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸(8)と出力軸(9)の回転速度差
    に基づいて油圧を発生させる油圧発生手段(Pf,Pr)
    と、前記入力軸(8)と出力軸(9)を連結する油圧ク
    ラッチ(C)と、前記油圧発生手段(Pf,Pr)からの圧
    油の圧力上昇の上限を規制するリリーフ弁(22)と、こ
    のリリーフ弁(22)により上限を規制された油圧を油圧
    クラッチ(C)の作動油圧室(16)に作用させる作動油
    圧供給油路(25)と、前記作動油圧室(16)に作用する
    油圧をオリフィス型絞り(26)を介して逃がす排出油路
    (29)とを備えた動力伝達装置において、 前記作動油圧供給油路(25)にチョーク型絞り(31)を
    設けたことを特徴とする、動力伝達装置。
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