JPH09240301A - 車両の車輪駆動力配分制御装置 - Google Patents
車両の車輪駆動力配分制御装置Info
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- JPH09240301A JPH09240301A JP5298596A JP5298596A JPH09240301A JP H09240301 A JPH09240301 A JP H09240301A JP 5298596 A JP5298596 A JP 5298596A JP 5298596 A JP5298596 A JP 5298596A JP H09240301 A JPH09240301 A JP H09240301A
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Abstract
の回転数差に対応させるだけでなく、路面の勾配にも対
応させることにより、特に氷雪路のような低摩擦係数の
坂道路を走行する場合においても、車両はスムーズに登
坂発進することができる車両の車輪駆動力配分制御装置
を提供することにある。 【解決手段】 原動機1から主駆動輪5に向かう動力の
一部を、主駆動輪5のスリップ状態に応じ副駆動輪18
にも伝達するようにした車両において、副駆動輪18の
駆動トルクを、主駆動輪5および副駆動輪18間の回転
数差ΔNが大きくなるにつれて増大させると共に、該増
大の割合を路面勾配が急になるにつれて大きくするよう
構成したことを特徴とする。
Description
よび副駆動輪、通常は前後輪への、車輪駆動力を適切に
配分制御する装置に関するものである。
かう動力の一部を、必要に応じて適宜、副駆動輪(例え
ば後輪)にも伝達するようにした車両の車輪駆動力配分
制御装置としては従来、例えば特公平4−62896号
公報に記載されているように、平坦路走行中は原動機か
らの動力を主駆動輪のみに伝達し、坂道走行になった時
に原動機からの動力を主駆動輪のみならず、副駆動輪に
も分配して伝えるようにした、パートタイム4輪駆動車
が知られている。
技術のように、坂道において必ず4輪駆動状態にすると
いうのでは、以下の問題を生ずる。つまり、摩擦係数の
高い坂道で転回や車庫入れなどのため、ステアリングホ
イールを大きく操舵した走行中において、当該パートタ
イム4輪駆動車が所謂、前後輪回転数差に起因したタイ
トコーナブレーキ現象を生じ、車両の走行がスムーズで
なくなったり、最悪の場合、エンジンストール(エンス
ト)を生起する。
に関する問題を解消するためには、副駆動輪の駆動系に
周知のビスカスカップリング(商品名)等の、前後輪回
転数差吸収式の伝動要素を用いて、4輪駆動車を構成す
ることが考えられる。
動要素による前後輪回転数差吸収機能により、摩擦係数
の高い坂道での大操舵時もタイトコーナブレーキ現象を
生ずることがなくなるし、また、主駆動輪のスリップ、
つまり副駆動輪との回転数差が大きくなるほど、上記の
伝動要素が副駆動輪への伝達トルクを増大して、好適な
4輪駆動状態を達成することができる。
動輪への伝達トルク特性が設計段階で一義的に決まって
しまうため、以下の問題が発生するのを禁じ得ない。つ
まり、主駆動輪のスリップ量(副駆動輪との回転数差)
に対する副駆動輪への伝達トルクの増大割合が大きくな
るよう設計されている場合、主駆動輪の僅かなスリップ
で副駆動輪に大きなトルクが伝達されることとなり、結
果として副駆動輪もスリップするに至り、4輪すべてが
同時にスリップ状態になる可能性が高い。
車輪スリップ量の割合)と、車輪が路面との間に発生可
能な駆動力(路面摩擦力)との関係は、図10に例示す
るごときものであることが知られており、上記のように
4輪すべてが同時にスリップ状態になるということは、
4輪すべてのスリップ率が同時に同図に示す適正範囲を
越えた領域に入ることを意味する。従って、4輪すべて
の路面摩擦力が同時に、しかも著しく低下し、横傾斜路
面などにおいて特に車両が運転者の意図するとは違う方
向に動いて、運転者に不安を抱かせるといった問題を生
ずる。
の回転数差)に対する副駆動輪への伝達トルクの増大割
合が小さくなるよう設計されている場合、主駆動輪の僅
かなスリップでは副駆動輪に大きなトルクが伝達されな
いこととなり、副駆動輪がスリップする可能性は低く、
4輪すべてが同時にスリップ状態になるといった上記の
問題は生じないものの、主駆動輪が図10の適正スリッ
プ範囲を越えたスリップ状態になって初めて、つまり大
きな駆動力を発揮できなくなって初めて、副駆動輪にト
ルクが伝達され始めることから、結果として4輪駆動状
態でありながら、駆動力は2輪駆動と大差なく、4輪駆
動によっても駆動力不足を解消しきれず、発進性能など
の改善が見込めないといった別の問題を生ずる。
ける回転速度差だけでなく、路面勾配に応じても、副駆
動輪への駆動力分配を制御するよう構成して上述の問題
を解消ずることを目的とする。
による車輪駆動力配分制御装置は、請求項1に記載のご
とく、原動機から主駆動輪に向かう動力の一部を、主駆
動輪のスリップ状態に応じ副駆動輪にも伝達するように
した車両において、副駆動輪の駆動トルクを、主駆動輪
および副駆動輪間の回転数差が大きくなるにつれて増大
させると共に、該増大の割合を路面勾配が急になるにつ
れて大きくするよう構成したものである。
置は、請求項2に記載のごとく、上記第1発明におい
て、副駆動輪の駆動系を、主駆動輪への動力により駆動
される流体ポンプと、該ポンプの吐出流体を供給され、
且つ、副駆動輪に駆動結合されて、主駆動輪および副駆
動輪間の回転数差に応じたトルクで副駆動輪を駆動する
流体モータとで構成し、前記流体ポンプの吐出流体を、
前記路面勾配に応じた開度で排除する可変オリフィスを
設けたものである。
置は、請求項3に記載のごとく、上記第1発明におい
て、副駆動輪の駆動トルクに、路面勾配が急なほど高く
なる上限値を設定するよう構成したことを特徴とするも
のである。
置は、請求項4に記載のごとく、上記第3発明におい
て、副駆動輪の駆動系を、主駆動輪への動力により駆動
される流体ポンプと、該ポンプの吐出流体を供給され、
且つ、副駆動輪に駆動結合されて、主駆動輪および副駆
動輪間の回転数差に応じたトルクで副駆動輪を駆動する
流体モータとで構成し、前記流体ポンプの吐出流体を、
前記路面勾配に応じた開度で排除する可変オリフィスを
設け、前記流体ポンプの吐出ポートおよび前記流体モー
タの流入ポート間における圧力に、路面勾配が急になる
につれ高くなる上限値を設定するリリーフ弁を設けたこ
とを特徴とするものである。
置は、請求項5に記載のごとく、原動機から主駆動輪に
向かう動力の一部を、主駆動輪のスリップ状態に応じ副
駆動輪にも伝達するようにした車両において、副駆動輪
の駆動トルクを、主駆動輪および副駆動輪間の回転数差
が大きくなるにつれて増大させると共に、副駆動輪の駆
動トルクに上限値を設定し、該上限値を、路面勾配が急
なほど高くなるよう構成したことを特徴とするものであ
る。
は、請求項6に記載のごとく、上記第5発明において、
副駆動輪の駆動系を、主駆動輪への動力により駆動され
る流体ポンプと、該ポンプの吐出流体を供給され、且
つ、副駆動輪に駆動結合されて、主駆動輪および副駆動
輪間の回転数差に応じたトルクで副駆動輪を駆動する流
体モータとで構成し、前記流体ポンプの吐出ポートおよ
び前記流体モータの流入ポート間に、路面勾配が急にな
るにつれ開弁圧の高くなるリリーフ弁を接続して設ける
ことにより、流体ポンプの吐出ポートおよび前記流体モ
ータの流入ポート間における圧力に、路面勾配が急なほ
ど高くなる上限値を設定したことを特徴とするものであ
る。
制御装置は、原動機から主駆動輪に向かう動力の一部
を、主駆動輪のスリップ状態に応じ副駆動輪にも伝達す
るようにした車両において、副駆動輪の駆動トルクを、
主駆動輪および副駆動輪間の回転数差が大きくなるにつ
れて増大させると共に、該増大の割合を路面勾配が急に
なるにつれて大きくするよう構成したことにより、摩擦
係数や勾配の異なる路面を走行する場合であっても、ス
リップ率が適正範囲内にあるときに十分な駆動力が得ら
れるので、スリップ率が適正範囲を超えることによって
十分な駆動力が得られないということがなくなり(図1
0)、よって、常に安定して走行できるという効果を奏
する。
は、第1発明において、副駆動輪の駆動系を、主駆動輪
への動力により駆動される流体ポンプと、該ポンプの吐
出流体を供給され、且つ、副駆動輪に駆動結合されて、
主駆動輪および副駆動輪間の回転数差に応じたトルクで
副駆動輪を駆動する流体モータとで構成し、前記流体ポ
ンプの吐出流体を、前記路面勾配に応じた開度で排除す
る可変オリフィスを設けたことにより、路面勾配に応じ
て流体モータへの流体ポンプの吐出流体の供給量が適正
に制御され、これによって、第1発明と同様な効果を奏
する。
は、第1発明において、副駆動輪の駆動トルクに、路面
勾配が急なほど高くなる上限値を設定するよう構成した
ことにより、第1発明と同様な効果を奏する。
は、第3発明において、副駆動輪の駆動系を、主駆動輪
への動力により駆動される流体ポンプと、該ポンプの吐
出流体を供給され、且つ、副駆動輪に駆動結合されて、
主駆動輪および副駆動輪間の回転数差に応じたトルクで
副駆動輪を駆動する流体モータとで構成し、前記流体ポ
ンプの吐出流体を、前記路面勾配に応じた開度で排除す
る可変オリフィスを設け、前記流体ポンプの吐出ポート
および前記流体モータの流入ポート間における圧力に、
路面勾配が急になるにつれ高くなる上限値を設定するリ
リーフ弁を設けたことにより、路面勾配に応じて流体モ
ータへの流体ポンプの吐出流体の供給量がより一層適正
に制御され、これによって、第1発明と同様な効果を奏
する。
は、原動機から主駆動輪に向かう動力の一部を、主駆動
輪のスリップ状態に応じ副駆動輪にも伝達するようにし
た車両において、副駆動輪の駆動トルクを、主駆動輪お
よび副駆動輪間の回転数差が大きくなるにつれて増大さ
せると共に、副駆動輪の駆動トルクに上限値を設定し、
該上限値を、路面勾配が急なほど高くなるよう構成した
ことにより、第1発明と同様な効果を奏する。
は、第5発明において、副駆動輪の駆動系を、主駆動輪
への動力により駆動される流体ポンプと、該ポンプの吐
出流体を供給され、且つ、副駆動輪に駆動結合されて、
主駆動輪および副駆動輪間の回転数差に応じたトルクで
副駆動輪を駆動する流体モータとで構成し、前記流体ポ
ンプの吐出ポートおよび前記流体モータの流入ポート間
に、路面勾配が急になるにつれ開弁圧の高くなるリリー
フ弁を接続して設けることにより、流体ポンプの吐出ポ
ートおよび前記流体モータの流入ポート間における圧力
に、路面勾配が急なほど高くなる上限値を設定したこと
により、路面勾配に応じて流体モータへの流体ポンプの
吐出流体の供給量が適正に制御され、これによって、第
1発明と同様な効果を奏する。
置を図面に基づいて説明する。図1は、前輪駆動車に本
発明の駆動装置を適用して四輪駆動車とした場合の一実
施例を示す。この図に示す四輪駆動車は、原動機として
のエンジン1によって発生した動力を変速機2を介して
差動装置3に入力し、差動装置3の出力側には、主駆動
輪としての前車輪5に駆動力を伝達する主駆動軸として
の前車軸4を連結するとともに、流体ポンプとしての油
圧ポンプ6をギアを介して連結してある。
的に回転するものの、前車軸4の回転方向とは無関係に
常に同じ吐出ポート6aから作動流体としての作動油を
吐出する。この油圧ポンプ6としては、例えば吸込み絞
り型のピストンポンプ等を用いることが好ましい。この
油圧ポンプ6は、作動油の吐出流量が、回転速度に比例
し、所定の回転速度になったとき最大吐出流量となり、
それ以上の回転速度では変化せず、最大吐出流量で一定
となる。
流路としての高圧配管8Hを通り、流路切換弁9を介し
て流体モータとしての可変容量形ポンプモータ10に送
り込まれる。この送り込まれた作動油は、その圧力に応
じて可変容量形ポンプモータ10を作動させ、流路切換
弁9及び低圧流路としての低圧配管8Lを介して油圧ポ
ンプ6の吸込ポート6b側に戻される。
プ6から吐出し高圧配管8Hを通過する作動油を、可変
容量形ポンプモータ10の2つのポート10a,10b
のいずれか一方に選択供給するために設けてある。この
流路切換弁9によって作動油をポート10a,10bの
いずれか一方に選択供給して、可変容量形ポンプモータ
10の回転方向を変更することができ、これによって、
副駆動輪としての後輪19は車両の前後進方向に駆動力
を発生することができ、後輪19の回転方向を、前輪5
の回転方向と同期的に切り換えることにより、車両の前
進及び後進を円滑に行うことができる。
ノーマル位置では、油圧ポンプ6の吐出ポート6a側の
ポートPを可変容量形ポンプモータ10のポートAに、
油圧ポンプ6の吸込ポート6b側のポートTを可変容量
形ポンプモータ10のポートBにそれぞれ接続し、一
方、流路切換弁9が通電状態のオフセット位置では、油
圧ポンプ6の吐出ポート6a側のポートPを可変容量形
ポンプモータ10のポートBに、油圧ポンプ6の吸込ポ
ート6b側のポートTを可変容量形ポンプモータ10の
ポートAにそれぞれ接続する。
る場合には、高圧配管8Hを通る作動油は、ポート10
aから可変容量形ポンプモータ10に供給され、これに
よって、可変容量形ポンプモータ10を正回転させ、差
動装置17を介して後輪19を前進する方向に駆動さ
せ、可変容量形ポンプモータ10のポート10bから吐
出させた作動油は、低圧配管8Lを通って油圧ポンプ6
の吸込ポート6b側に戻される。
る場合には、高圧配管8Hを通る作動油は、ポート10
bから可変容量形ポンプモータ10に供給され、これに
よって、可変容量形ポンプモータ10は逆回転し、差動
装置17を介して後輪19を後進する方向に駆動させ、
一方、ポート10aから吐出させた作動油は、低圧配管
8Lを通じて油圧ポンプ6の吸込ポート6b側に戻され
る。
斜板式のピストンモータ(ポンプ)を用いることが好ま
しく、この場合、その容量(厳密には吸込流量)の変更
を、流路切換弁9の前記ポートTの近傍の低圧配管8L
に介挿したオリフィス11の両端に発生する差圧に基づ
いて作動する斜板駆動機構12が可変容量形ポンプモー
タ10に配置した斜板の傾転角を制御することによって
行い、これによって、例えば、車速に応じた後車軸18
に伝達される駆動トルクの配分比率の変更が可能にな
る。
流量は、前車軸4と後車軸18の回転数が等しい場合、
油圧ポンプ6の吐出流量よりも大きく設定することが、
油圧ポンプ6の吐出圧をほとんど上昇させず、エンジン
1による油圧ポンプ6の駆動負荷を極めて小さくするこ
とができる点で好ましく、このように設定することによ
り、前車軸4と後車軸18の回転数がほぼ等しくなるよ
うな通常の直進走行の場合には、ほぼ前輪だけで駆動さ
せることができる。
流量を油圧ポンプ6の吐出流量よりも大きく設定したた
め、図4に示すように前車軸4と後車軸18の回転数差
(以下、単に「回転数差」という。)ΔNと後車軸18
の駆動トルク特性との関係において、後車軸18の駆動
トルクの発生開始位置(立ち上がり)がオフセットされ
て、ある回転数差ΔNから立ち上がる。これにより、フ
ル転舵付近で回転数差ΔNの発生により、前車軸4と後
車軸18への内部循環トルクによるタイトコーナブレー
キ現象の発生を抑えることができる。
ヤ摩耗又は異径タイヤ装着等により小さい場合にも、回
転数差ΔNが発生するが、この場合にも、前車軸4と後
車軸18への内部循環トルクによるタイトコーナブレー
キ現象の発生を抑えることができる。
出流量をポンプ6の吐出流量より大きく設定したため、
前車軸4と後車軸18の回転数が等しいときは、可変容
量形ポンプモータ10が吸い込む作動油が不足して、キ
ャビテーションを発生する場合があるが、この不足した
作動油をリザーバータンク7側から低圧配管8Lを通じ
て補給してキャビテーションの発生を防止するため、高
圧配管8Hと低圧配管8Lの間に、チェック弁15を配
置した流量調整用配管14Aを接続してある。
には、流量調整用配管14Aに平行して配管14Bを配
設してあり、この配管14Bに、高圧配管8Hを通過す
る作動油の圧力を制御するための可変オリフィス16A
を設けてある。
によって、油圧ポンプ6から吐出した作動油の、高圧配
管8Hを通る圧力を所望の値に設定することができる。
可変オリフィス16Aは、前車軸4と後車軸18の間で
生じる回転数差ΔNと、路面の勾配に応じて調整され
る。
示すように回転数差ΔNの増加とともに、また、路面の
勾配が急になるとともに大きくなるようにする。具体的
には、図2に示すフローチャートのように、車両に設置
した進行方向センサと路面傾斜角センサとによって、進
行方向と路面傾斜角θとを検出し、これらの検出した信
号を、図3に示すような傾斜角と可変オリフィス16A
のオリフィス径との関係がある場合に、この関係を予め
インプットしてあるコントローラに入力し、このコント
ローラから、可変オリフィス16Aに、目標オリフィス
径φに対応したオリフィス径になるように駆動指令を発
し、オリフィス16Aのオリフィス径の開度を路面の勾
配に応じて制御し、高圧配管8Hを通る圧力を適正にす
ることによって、路面の勾配に応じて必要な駆動トルク
が後車軸18に伝達されることになる。
0へ伝達するトルクは、高圧配管8Hと低圧配管8Lと
の間に介挿されたリリーフ弁13によって決定される油
圧ポンプ6の最大吐出圧によって制限される。
性を示す。この第1実施例は、回転数差ΔNに対する副
駆動軸の駆動トルクの立上り特性において、路面勾配に
応じ可変オリフィス16Aのオリフィス径を変化させる
ことにより、作動油のリーク量を増減し、路面勾配が大
きくなるほど路面傾斜角センサ70により可変オリフィ
ス16Aのオリフィス径を小さくして副駆動軸の駆動ト
ルクの増大割合が大きくなるように設定したものであ
る。このとき、路面勾配の大小にかかわらず、車両が走
行する場合に、タイヤのスリップ率が常に適正範囲内に
あるようにするため、発進時のタイヤの適正スリップ率
に換算した適正回転数差ΔNの範囲内で、路面勾配に応
じて十分な駆動力が得られるように副駆動軸の駆動トル
クの増大割合が大きくなる特性とした。このように構成
することによって、以下に示す作用を示す。
場合には、図示しないアクセルペダルが踏み込まれ、変
速機2は前進位置となるため、流路切換弁9はノーマル
位置となり、流路切換弁9のポートPがポートAに接続
される。
置3を介して前車軸4及びポンプ6を駆動させ、前輪5
で車両の駆動を行う一方、油圧ポンプ6から圧送された
作動油は流路切換弁9のポートAから可変容量ポンプモ
ータ10のポート10aに供給され、後車軸18を駆動
させて、後輪19を前輪5と同一の前進方向へ駆動させ
る。
には、変速機2は後進位置となるため、流路切換弁9は
オフセット位置になり、流路切換弁9のポートPがポー
トBに接続され、高圧配管8Hの圧油は可変容量ポンプ
モータ10のポート10bに供給され、後車軸18を駆
動させて、後輪19を前輪5と同一の後進方向へ駆動さ
せる。
合において、車両が乾燥路面等の高摩擦係数路を走行す
るときには、前後輪の回転数がほぼ等しくなって、油圧
ポンプ6の吐出流量は可変容量ポンプモータ10の容量
より低いため、油圧ポンプ6からの圧油は可変容量ポン
プモータ10に吸収されて、可変容量ポンプモータ10
はポンプとして作動するため、後車軸18には駆動トル
クが伝達されず、前輪5のみによる二輪駆動状態で車両
は走行することになる。
の路面での発進又は加速においては、まず前輪5が駆動
するが、摩擦係数が低いため前輪5がスリップしたとき
には、前車軸4の回転数は後車軸18の回転数よりも大
きくなる。このように、前車軸4と後車軸18との回転
数差によってポンプ6からの吐出流量が可変容量ポンプ
モータ10の吐出流量よりも大きくなると、可変容量ポ
ンプモータ10はモータとして作動して後車軸への駆動
トルクの伝達が開始され、車両は、前輪5及び後輪19
の双方による四輪駆動状態で走行する。
摩擦係数の平坦路を走行する場合には、まず、前輪5が
駆動するが、摩擦係数が低いため前輪5がスリップしが
ちであり、前車軸4の回転数は後車軸18の回転数より
も多くなる。
数差ΔNによって、ポンプ6からの吐出流量が可変容量
ポンプモータ10の吐出流量よりも多くなると、可変容
量ポンプモータ10はモータとして作動して後車軸19
への駆動トルクの伝達が開始され、車両は前輪5及び後
輪19による四輪駆動状態で走行することになる。
でアクセル操作が行われ、路面傾斜角が小さいa特性
(図4)のため、後車軸18へ伝達される駆動トルクは
小さいものの、路面傾斜角が小さいため、この小さな駆
動トルクでも十分なタイヤ駆動力が得られ、これによっ
て、車両はスムーズに発進することができる。
で、低摩擦係数の急勾配登坂路で発進する場合には、ま
ず、前輪5が駆動するが、摩擦係数が低いため前輪5が
スリップしがちであり、前車軸4の回転数は後車軸18
の回転数よりも多くなる。
回転数差ΔNによって、ポンプ6からの吐出流量が可変
容量ポンプモータ10の吐出流量よりも多くなると、可
変容量ポンプモータ10はモータとして作動して後車軸
19への駆動トルクの伝達が開始され、車両は前輪5及
び後輪19による四輪駆動状態で走行することになる。
に示すように、路面の傾斜角が大の場合のb特性となる
ように可変オリフィス16Aを、そのオリフィス径が小
さくなるように調整する。後車軸18への駆動トルク
は、普通の発進では回転数差ΔNは適正範囲内でアクセ
ル操作が行われ、路面傾斜角が大きい場合のb特性であ
るため、回転数差ΔNが適正範囲内で大きな駆動トルク
が後車軸18へ伝達され、これによって、車両はスムー
ズに登坂発進することができる。
図の駆動装置は、路面傾斜角センサ70により検知した
路面傾斜角により、可変オリフィス16A及び可変リリ
ーフ弁13Aの双方を作動させて後車軸18に伝達され
る駆動トルクを制御した場合の例であり、図6に示す特
性のように路面傾斜角が大きくなるに従い、可変オリフ
ィス16Aのオリフィス径を小さくし、可変リリーフ弁
13Aのリリーフ圧を高くして、路面勾配が大きくなる
につれて、後車軸18の駆動トルクの増大割合が大きく
なるように設定し、また、回転数差ΔNと後車軸18の
駆動トルクとの関係については、ある回転数差ΔNまで
は後車軸18の駆動トルクの増大割合が大きくなり、そ
れを超える回転数差ΔNでは回転数差に依らず一定にな
るように設定したものである。
図の駆動装置は、路面傾斜角センサ70により可変リリ
ーフ弁13Aを作動させて後車軸18に伝達される駆動
トルクを制御した場合の例であり、図8に示す特性のよ
うに路面勾配が大きくなるに従い、可変リリーフ弁13
Aのリリーフ圧を高くし回転数差ΔNに対し路面勾配が
大きくなるにつれて後車軸18の駆動トルクの増大割合
が大きくなるように設定し、また、回転数差ΔNと後車
軸18の駆動トルクとの関係については、適正範囲以上
の回転数差ΔNでは、回転数差に依らず一定になるよう
に設定したものである。尚、第2及び第3の実施例は、
共に第1の実施例と同様な効果がある。
の例で説明したが、副駆動輪の駆動トルクを回転数差Δ
Nで制御し、かつその回転数差ΔNに対する駆動トルク
の関係を可変可能な駆動装置を有する四輪駆動車にも適
用できることは言うまでもない。
動力はエンジン80からトランスミッション81、トラ
ンスファ82、プロペラシャフト83、ファイナルドラ
イブ84、後輪87へと伝達される。
リップした場合、前輪回転速度センサ92、後輪回転速
度センサ93、路面勾配センサ94などの車両状態検出
手段からの信号がコントローラ90に入力され、このコ
ントローラ90の信号により、油圧ユニット91にてト
ランスファ82内の湿式多板クラッチ100への押し付
け力として油圧(Pc)89を作用させ、駆動力をトラ
ンスファ82の湿式多板クラッチ100を介してプロペ
ラシャフト85、ファイナルドライブ86、前輪88と
伝達するように駆動力を制御した例である。
一部を示したにすぎず、請求の範囲において、種々の変
更を加えることができる。
分制御装置の概略構成図である。
ト図である。
れている傾斜角と可変オリフィスのオリフィス径との関
係を示す図である。
転数差ΔNに対する後車軸の駆動トルクを制御したとき
の一例である。
分制御装置の概略構成図である。
転数差ΔNに対する後車軸の駆動トルクを制御したとき
の一例である。
分制御装置の概略構成図である。
転数差ΔNに対する後車軸の駆動トルクを制御したとき
の一例である。
て可変制御できる四輪駆動車に適用した例である。
力特性とを示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 原動機から主駆動輪に向かう動力の一部
を、主駆動輪のスリップ状態に応じ副駆動輪にも伝達す
るようにした車両において、 副駆動輪の駆動トルクを、主駆動輪および副駆動輪間の
回転数差が大きくなるにつれて増大させると共に、該増
大の割合を路面勾配が急になるにつれて大きくするよう
構成したことを特徴とする車両の車輪駆動力配分制御装
置。 - 【請求項2】 請求項1において、副駆動輪の駆動系
を、主駆動輪への動力により駆動される流体ポンプと、
該ポンプの吐出流体を供給され、且つ、副駆動輪に駆動
結合されて、主駆動輪および副駆動輪間の回転数差に応
じたトルクで副駆動輪を駆動する流体モータとで構成
し、 前記流体ポンプの吐出流体を、前記路面勾配に応じた開
度で排除する可変オリフィスを設けたことを特徴とする
車両の車輪駆動力配分制御装置。 - 【請求項3】 請求項1において、副駆動輪の駆動トル
クに、路面勾配が急なほど高くなる上限値を設定するよ
う構成したことを特徴とする車両の車輪駆動力配分制御
装置。 - 【請求項4】 請求項3において、副駆動輪の駆動系
を、主駆動輪への動力により駆動される流体ポンプと、
該ポンプの吐出流体を供給され、且つ、副駆動輪に駆動
結合されて、主駆動輪および副駆動輪間の回転数差に応
じたトルクで副駆動輪を駆動する流体モータとで構成
し、 前記流体ポンプの吐出流体を、前記路面勾配に応じた開
度で排除する可変オリフィスを設け、 前記流体ポンプの吐出ポートおよび前記流体モータの流
入ポート間における圧力に、路面勾配が急になるにつれ
高くなる上限値を設定するリリーフ弁を設けたことを特
徴とする車両の車輪駆動力配分制御装置。 - 【請求項5】 原動機から主駆動輪に向かう動力の一部
を、主駆動輪のスリップ状態に応じ副駆動輪にも伝達す
るようにした車両において、 副駆動輪の駆動トルクを、主駆動輪および副駆動輪間の
回転数差が大きくなるにつれて増大させると共に、副駆
動輪の駆動トルクに上限値を設定し、該上限値を、路面
勾配が急なほど高くなるよう構成したことを特徴とする
車両の車輪駆動力配分制御装置。 - 【請求項6】 請求項5において、副駆動輪の駆動系
を、主駆動輪への動力により駆動される流体ポンプと、
該ポンプの吐出流体を供給され、且つ、副駆動輪に駆動
結合されて、主駆動輪および副駆動輪間の回転数差に応
じたトルクで副駆動輪を駆動する流体モータとで構成
し、 前記流体ポンプの吐出ポートおよび前記流体モータの流
入ポート間に、路面勾配が急になるにつれ開弁圧の高く
なるリリーフ弁を接続して設けることにより、流体ポン
プの吐出ポートおよび前記流体モータの流入ポート間に
おける圧力に、路面勾配が急なほど高くなる上限値を設
定したことを特徴とする車両の車輪駆動力配分制御装
置。
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---|---|---|---|
JP05298596A JP3817769B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 車両の車輪駆動力配分制御装置 |
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JP05298596A JP3817769B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 車両の車輪駆動力配分制御装置 |
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JP05298596A Expired - Fee Related JP3817769B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 車両の車輪駆動力配分制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-03-11 JP JP05298596A patent/JP3817769B2/ja not_active Expired - Fee Related
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