JPH09175204A - 車両用流体圧駆動装置 - Google Patents

車両用流体圧駆動装置

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JPH09175204A
JPH09175204A JP34327195A JP34327195A JPH09175204A JP H09175204 A JPH09175204 A JP H09175204A JP 34327195 A JP34327195 A JP 34327195A JP 34327195 A JP34327195 A JP 34327195A JP H09175204 A JPH09175204 A JP H09175204A
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fluid pressure
friction coefficient
drive
road surface
vehicle
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JP34327195A
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English (en)
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Masatsugu Yokote
正継 横手
Osamu Shimoyama
修 下山
Kiyotaka Ozaki
清孝 尾崎
Masaji Owada
正次 大和田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面摩擦係数や接地荷重の変動に応じて後輪
への伝達トルクを制御する。 【解決手段】 エンジン1に駆動される前車軸4Rと同
期的に駆動されるピストンポンプ26と、後車軸8Rと
連結されてピストンポンプ26からの油圧に応じて回転
するポンプモータ30と、ピストンポンプ26の吐出側
とポンプモータ30とを連通する高圧配管28Hと、ピ
ストンポンプ26の吸い込み側とポンプモータ30とを
連通する低圧配管28Lと、ピストンポンプ26からポ
ンプモータ30への圧油の方向を切り換える電磁切換弁
29と、後車軸8R側の接地荷重Wを検出する接地荷重
センサ17と、路面の摩擦係数を検出する路面摩擦係数
センサ18と、接地荷重及び路面摩擦係数の検出値に基
づいて電磁リリーフ弁33の開弁圧を補正するコントロ
ーラ16とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機の駆動力を
流体圧力を介して前輪及び後輪へ分配する駆動装置の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前輪及び後輪へ駆動力を配分するものと
して、流体圧によって複数の車軸を駆動する流体圧駆動
装置がいくつか提案されており、例えば、特開平6−1
66344号公報等が知られている。
【0003】これは、エンジンの駆動力をクラッチ、変
速機を介してエンジンに駆動される左右前輪と、左右後
輪に連結した左右一対の油圧モータへ、エンジンに駆動
されるポンプからの圧油を供給して車両の前後輪をそれ
ぞれ駆動する。
【0004】そして、車載重量を検出するセンサからの
信号を所定値と比較して、検出した車載重量が大きくな
るほど油圧モータの駆動力を大きく補正する補正手段を
備えて、主に前輪によって車両の駆動を行い、車両の積
載重量、すなわち、車輪の接地荷重に応じて従動輪とし
ての後輪の駆動力を増大させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の駆動装置にあっては、接地荷重のみに応じて駆動力
の補正制御を行うため、本来、駆動力Fは路面摩擦係数
μと車輪の接地荷重Wの積で表されるが、路面摩擦係数
μを加味せずに接地荷重Wのみで駆動力の分配制御を行
うと、走行状況の変化に応じた駆動力の分配制御は行う
ことができず、特に、路面摩擦係数μの低い積雪路、凍
結路等の低μ路等の発進、加速を円滑に行うことができ
ない場合があるという問題があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、車輪の接地荷重Wに加えて路面摩擦係数μ
を加味し、運転状況及び路面状況に応じた駆動力を複数
の駆動軸へ分配可能な車両用流体圧駆動装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、原動機に
駆動される駆動軸と、この駆動軸と同期的に駆動されて
加圧流体を供給する駆動側流体圧吐出手段と、従動軸と
連結された従動側流体圧吐出手段と、前記駆動側流体圧
吐出手段と従動側流体圧吐出手段の回転数差により生じ
る流体圧に応じた駆動力を前記駆動軸から従動軸に伝達
する駆動力制御手段とを備えた車両用流体圧駆動装置に
おいて、前記従動軸側の接地荷重を検出する接地荷重検
出手段と、路面の摩擦係数を検出する路面摩擦係数検出
手段と、これら接地荷重及び路面摩擦係数の検出値に基
づいて前記駆動力制御手段の流体圧を補正する流体圧補
正手段とを備える。
【0008】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記流体圧補正手段は、接地荷重及び路面摩擦係
数の検出値と、予め設定したそれぞれの基準範囲との差
に比例して前記補正量を決定する。
【0009】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記流体圧補正手段は、前記駆動力制御手段が流
体圧を発生する配管に接続された電磁リリーフ弁を有す
ることを特徴とする請求項1に記載の車両用流体圧駆動
装置。
【0010】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記接地荷重検出手段は、前記従動軸側で車体と
車軸の間に介装された荷重センサまたは相対変位検出手
段で構成される。
【0011】また、第5の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記路面摩擦係数検出手段は、路面状態を判別す
る超音波センサで構成される。
【0012】
【作用】したがって、第1の発明は、駆動軸及び従動軸
の回転数がほぼ等しい路面摩擦係数μの高い乾燥舗装路
等の通常走行中では、駆動側流体圧吐出手段と従動側流
体圧吐出手段の回転数差は無いため、従動軸に駆動力は
伝達されず、駆動軸によって車両の推進が行われる。一
方、路面摩擦係数μの低い凍結路等で、駆動軸が空転し
て従動軸との間に回転数差が発生すると、駆動力制御手
段は駆動側流体圧吐出手段と従動側流体圧吐出手段の回
転数差により生じる流体圧に応じた駆動力を駆動軸から
従動軸へ分配するが、流体圧補正手段は、接地荷重と路
面摩擦係数に応じてこの流体圧を補正するため、例え
ば、接地荷重あるいは路面摩擦係数の低下に応じて従動
軸へ分配する駆動力を低減すれば、従動軸の空転を防ぐ
ことができ、車両の運転状況及び路面状況に応じて最適
な駆動力を駆動軸及び従動軸へ配分することができる。
【0013】また、第2の発明は、流体圧補正手段が、
接地荷重及び路面摩擦係数の検出値と、予め設定したそ
れぞれの基準範囲との差に比例して駆動力制御手段の流
体圧力を補正するため、接地荷重あるいは路面摩擦係数
の低下に応じて従動側流体圧吐出手段への供給圧力を低
減すれば、路面摩擦係数μの低い凍結路等で駆動軸が空
転した場合でも従動軸の空転を防ぐことができ、車両の
運転状況及び路面状況に応じて最適な駆動力を駆動軸及
び従動軸へ配分することができる。
【0014】また、第3の発明は、駆動力制御手段が流
体圧を発生する配管に接続された電磁リリーフ弁の開弁
圧力を接地荷重及び路面摩擦係数に応じて変更すること
で、従動軸へ伝達される駆動力を制御することができ、
車両の運転状況及び路面状況に応じて最適な駆動力を駆
動軸及び従動軸へ配分することができる。
【0015】また、第4の発明は、従動軸側で車体と車
軸の相対変位に応じて接地荷重を演算し、または、車体
と車軸の間の荷重センサによって接地荷重を検出するこ
とで、容易かつ迅速に接地荷重の検出を行うことができ
る。
【0016】また、第5の発明は、超音波センサによっ
て非接触で路面摩擦係数を検出することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0018】図1は前輪駆動車に本発明を適用して四輪
駆動車とした場合の一実施形態を示し、エンジン1の駆
動力は、変速機2の出力ギヤ2aを介して前輪側差動装
置3に入力され、駆動力の一部が前輪側差動装置3の出
力側に連結された駆動軸としての左右前車軸4R、4L
(図示せず。以下、単に前車軸4Rとする)を介して左
右前輪5R、5L(図示せず。以下、単に前輪5Rとす
る。)へ伝達されるとともに、前輪側差動装置3のデフ
ケース3aに形成されたリングギヤ3hに歯合するギヤ
3iを介して吸込絞り型のピストンポンプ26へ、エン
ジンの駆動力の一部が伝達され、駆動側流体圧吐出手段
としてのピストンポンプ26は前輪5Rと同期的に駆動
される。
【0019】一方、左右後輪9R、9L(図示せず。以
下、単に後輪9Rとする。)と結合した従動軸としての
左右後車軸8R、8L(図示せず、以下、単に後車軸8
Rとする。)は、後輪側差動装置7の出力側に連結され
ており、後輪側差動装置7のデフケース7aに形成され
たリングギヤ7hに歯合するギヤ7iを介して従動側流
体圧吐出手段としての斜板式可変容量型ポンプモータ3
0に駆動される。
【0020】ピストンポンプ26の吸入ポート26bは
リザーバタンクRTと連通するとともに、吐出ポート2
6aが高圧流路としての高圧配管28Hを介して車両の
前進又は後進を切り換える前後進切換手段としての電磁
方向切換弁29のポンプポートPに接続され、吐出ポー
ト26bからの圧油は、方向切換弁29を介してポンプ
モータ30へ供給される。
【0021】リザーバタンクRTは、低圧流路としての
低圧配管28Lを介して電磁方向切換弁29のタンクポ
ートTに接続される。
【0022】ここで、ピストンポンプ26の吐出流量と
ポンプモータ30の吸入量の関係は、定常走行中ではピ
ストンポンプ26の吐出量よりも、ポンプモータ30の
吸入量が若干大きく設定され、このピストンポンプ26
は、例えば、吸入ポート26b側に図示しない絞り(固
定または可変)を介装した吸い込み絞り型のピストンポ
ンプ等で構成されており、この吸込絞り型のピストンポ
ンプ26の吐出流量は、前輪5Rが所定の回転速度まで
は回転速度の増大に比例し、所定の車速以上では最大吐
出流量で飽和する。なお、このような吸い込み絞り型の
ポンプとしては、特開平1−262374号公報、特開
平3−213683号公報等が知られている。
【0023】車両の前後進切り換え用の電磁方向切換弁
29は、第2駆動軸としての後車軸8Rの差動装置7を
駆動する可変容量ポンプモータ30に接続され、電磁方
向切換弁29の出力ポートA、Bをソレノイド29aの
通電状態に応じて、可変容量ポンプモータ30のポート
30a、30bとの接続を選択的に切り換えることで、
後輪9Rを前進又は後進方向に駆動する。
【0024】電磁方向切換弁29は出力ポートAをポン
プモータ30の吸入ポート30aに、出力ポートBをポ
ンプモータ30の吐出ポート30bへそれぞれ接続して
おり、ソレノイド29aの非通電状態であるノーマル位
置では、ポンプポートPと出力ポートAが連通すると共
に、タンクポートPが出力ポートBと連通し、高圧配管
28Hからの圧油が吸入ポート30aからポンプモータ
30へ供給される一方、吐出ポート30bからリザーバ
タンクRTへ排出され、後輪側差動ギヤ7を介して後輪
9Rは前進方向へ駆動される。
【0025】一方、ソレノイド29aの通電状態である
オフセット位置では、ポンプポートPと出力ポートBが
連通すると共に、タンクポートPが出力ポートAと連通
し、高圧配管28Hからの圧油が吐出ポート30bから
ポンプモータ30へ供給される一方、ポンプモータ30
の吸入ポート30aからリザーバタンクRTへ排出され
るため、ポンプモータ30は逆転して後輪9Rを車両の
後進方向へ駆動する。なお、電磁方向切換弁29は、斜
板式可変容量型のポンプモータ30に内蔵され、出力ポ
ートA,Bは配管を介することなくポンプモータ30の
吸入ポート30a、吐出ポート30bに連通されてい
る。
【0026】また、電磁方向切換弁29のソレノイド2
9aは、図示しないシフトレバーで後進を選択したとき
に、オンとなるシフト位置検出スイッチ29bを介して
直流電源29cに接続され、前進走行時には非通電状態
となる一方、後進走行時には通電状態になる。
【0027】斜板式可変容量型のポンプモータ30の流
量は、電磁方向切換弁29のタンクポートT近傍の低圧
配管28Lに介装された差圧検出用オリフィス31の両
端に発生する差圧に応動する油圧シリンダ32aを主体
に構成された斜板駆動機構32を制御することで行わ
れ、前輪5Rの回転速度が所定値に達するまでは、回転
速度の増大に比例して斜板駆動機構32はポンプモータ
30の容量を増大させる。そして、前輪5Rが回転速度
が所定値を越えると、斜板駆動機構32はポンプモータ
30の容量を緩やかに増大させるように予め設定され、
前輪5Rと後輪9Rが同一車輪速度の場合には、ポンプ
モータ30の吐出流量が、ピストンポンプ26の吐出流
量より多くなるように、固有吐出流量や連結されたギヤ
比などによって設定される。
【0028】ピストンポンプ26の吸入ポート26bと
吐出ポート26aとの間には、ポンプモータ30への伝
達トルクを変更する手段として、ピストンポンプ26の
吐出圧の上限を変更可能な電磁リリーフ弁33が介装さ
れ、この電磁リリーフ弁33は後述するコントローラ1
6によって制御される。
【0029】そして、ピストンポンプ26と電磁方向切
換弁29との間には、高圧配管28Hと低圧配管28L
を連通する連通配管14A及び連通配管14Bが設けら
れ、連通配管14Aには低圧配管28Lから高圧配管2
8H側への流体の流れを許容する逆止弁35が介装さ
れ、連通配管14Bにはピストンポンプ26の吐出圧の
立ち上がり特性を設定する可変絞り36が設けられ、こ
の可変絞り36によるシステムリークによって上記吐出
圧の立ち上がり特性が設定される。
【0030】なお、逆止弁35は、ポンプモータ30の
吐出流量をピストンポンプ26の吐出流量より大きく設
定したため、前輪5Rと後輪9Rの回転数がほぼ等しい
場合にはポンプモータ30が吸い込む作動油が不足して
キャビテーションを発生する場合があるため、逆止弁3
5によってタンクRT側からポンプモータ30へ不足し
た作動油を供給する。
【0031】ピストンポンプ26の吐出圧の上限を設定
するコントローラ16は、例えば、マイクロコンピュー
タ等を主体に構成され、このコントローラ16には、後
輪9Rの接地荷重Wを検出する接地荷重センサ18と、
路面の摩擦係数μを検出する路面摩擦係数センサ18が
接続され、コントローラ16は検出された接地荷重W
と、路面摩擦係数μに応じてピストンポンプ26の吐出
圧の上限値を変更することで、後輪9Rへ配分される駆
動力を制御する。
【0032】なお、接地荷重センサ17は、図示はしな
いが、車体と後車軸8Rの相対変位を検出するストロー
クセンサや、車体と路面の距離を検出する車高検出手段
などにより構成され、検出した相対変位と既知であるサ
スペンションのばね定数等から接地荷重Wを演算するも
のである。
【0033】また、路面摩擦係数センサ18は、図示は
しないが、前輪5Rの操舵角と車両に発生する横加速度
から路面摩擦係数μを検出する路面摩擦係数検出手段
や、非接触で路面摩擦係数を検出する超音波センサ等で
構成される。
【0034】ここで、コントローラ16で行われる制御
の一例を図2のフローチャートに示し、以下、このフロ
ーチャートを参照しながら詳述する。なお、このフロー
チャートは所定の周期等で適宜実行されるものである。
【0035】まず、ステップS1では、接地荷重センサ
17および路面摩擦係数センサ18から、それぞれ接地
荷重W、路面摩擦係数μを読み込み、ステップS2で、
検出した路面摩擦係数μが所定の基準範囲内にあるか否
かを判定する。
【0036】ここで、基準範囲は図3に示すように、予
め設定した路面摩擦係数μH、μL(ただし、μH>μ
L)により決定され、検出した路面摩擦係数μが所定の
基準範囲内にあればステップS3へ進む一方、基準範囲
未満あるいは超える場合にはステップS4へ進む。
【0037】路面摩擦係数μが基準範囲内にあるときに
はステップS3へ進んで、接地荷重Wが同様に所定の基
準範囲内にあるかを判定する。
【0038】接地荷重Wの基準範囲は図4に示すよう
に、予め設定した後輪9Rの接地荷重WH、WL(ただ
し、WH>WL)により決定され、検出した接地荷重W
がこの所定の基準範囲内にあれば電磁リリーフ弁33の
リリーフ圧(開弁圧力)を変更することなく処理を終了
する一方、基準範囲未満あるいは超える場合にはステッ
プS5へ進む。
【0039】ここで、路面摩擦係数μが所定範囲外の場
合に進むステップS4では、検出した路面摩擦係数μが
基準範囲、すなわち、所定値μHより大きいか否かを判
定し、所定値μH未満であれば、ステップS5へ進む一
方、所定値μHよりも大きい場合には、ステップS6へ
進んで、リリーフ圧が増大するように補正し、電磁リリ
ーフ弁33を補正値に応じて駆動する。
【0040】一方、接地荷重Wが基準範囲外または路面
摩擦係数μが基準範囲未満の場合に進むステップS5で
は、検出した接地荷重Wが基準範囲、すなわち、所定値
WHより大きいか否かを判定し、所定値WH未満であれ
ば、ステップS7へ進んで、リリーフ圧が減少するよう
に補正し、電磁リリーフ弁33を補正値に応じて駆動す
る一方、そうでない場合、すなわち、接地荷重Wの検出
値が所定値WL未満の場合には、上記と同様にステップ
S6へ進んで、リリーフ圧が増大するように補正する。
【0041】以上のような制御を繰り返すことによっ
て、車両の積載重量と路面の状態に応じて、後輪9Rへ
分配される伝達トルクを最適な値に設定することができ
るのである。
【0042】いま、車両が平坦な乾燥舗装路等の路面摩
擦係数μの高い路面上で停車中に、シフトレバーを前進
側へ切り換えると、図1に示したように、シフト位置検
出スイッチ29bはオフとなるため、ソレノイド29a
は非通電状態となって電磁方向切換弁29は図1のノー
マル位置を保持する。
【0043】この状態で図示しないアクセルペダルを踏
み込むことにより、エンジン1の駆動力は変速機2、差
動装置3を介して前輪5及びピストンポンプ26を駆動
し、前輪5Rで車両の前進駆動を行う一方、ピストンポ
ンプ26から圧送された作動油は電磁方向切換弁29の
出力ポートAから可変容量ポンプモータ30のポート3
0aに供給され、後輪9Rは前輪5Rと同一の前進方向
へ駆動される。
【0044】この発進時において、車両が乾燥路面等の
摩擦係数μの高い路面を走行中では、前後輪の回転数が
ほぼ等しくなって、ピストンポンプ26の吐出流量は可
変容量ポンプモータ30の容量より低いため、ピストン
ポンプ26からの圧油は可変容量ポンプモータ30に吸
収されて、可変容量ポンプモータ30はポンプとして作
動するため、後輪9Rには駆動トルクが伝達されず、前
輪5Rのみによる前輪駆動によって車両の推進が行われ
る。この場合には、ピストンポンプ26とポンプモータ
30の吐出流量差は、前後タイヤの摩耗度合の差などに
起因する前後タイヤの外径変化による前車軸4Rと後車
軸8Rの回転数差を許容することができ、前後で外径の
異なるタイヤによる車軸の回転数差程度で駆動力を伝達
されることはなく、前輪駆動状態が維持されて後輪9R
はつれ回るだけとなり、駆動力の不要な分配を抑制する
ことで、燃費の悪化を抑制できる。
【0045】一方、路面摩擦係数μが低い凍結路、降雪
路等での発進または加速においては、上記のように、ま
ず前輪5Rが駆動されるが、路面摩擦係数μが低く前輪
5Rがスリップしたときには、前輪5Rの回転数は後輪
9Rの回転数より大となる。
【0046】この前輪5Rと後輪9Rの回転数差の増大
によってピストンポンプ26からの吐出流量が可変容量
ポンプモータ30の吐出流量より大きくなると、高圧配
管28H内の油圧が上昇して、可変容量ポンプモータ3
0はモータとして作動し、後輪9Rへのトルクの伝達が
開始され、前輪5R及び後輪9Rによる駆動が行われ
る。
【0047】このとき、後輪9Rの接地荷重Wと、路面
摩擦係数μに応じて電磁リリーフ弁33のリリーフ圧は
減圧補正されるため、後輪9Rへ伝達されるトルクが過
大となって、前輪5R及び後輪9Rが共に空転するのを
防いで円滑に発進を行うことができ、車両の積載重量と
路面状態に応じて前後輪への駆動力の分配を最適化する
ことが可能となる。
【0048】なお、上記実施形態において、前後の右側
片輪についてのみ説明したが、前後の作動装置3、7は
非作動状態であり、図示しない左側の前後輪(5L、9
L)も上記右側前後輪5R、9Rと同様に駆動力が分配
される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、駆動
軸及び従動軸の回転数がほぼ等しい路面摩擦係数μの高
い乾燥舗装路等の通常走行中では、駆動側流体圧吐出手
段と従動側流体圧吐出手段の回転数差は無いため、従動
軸に駆動力は伝達されず、駆動軸によって車両の推進が
行われる。一方、路面摩擦係数μの低い凍結路等で、駆
動軸が空転して従動軸との間に回転数差が発生すると、
駆動力制御手段は駆動側流体圧吐出手段と従動側流体圧
吐出手段の回転数差により生じる流体圧に応じた駆動力
を駆動軸から従動軸へ分配するが、流体圧補正手段は、
接地荷重と路面摩擦係数に応じてこの流体圧を補正する
ため、例えば、接地荷重あるいは路面摩擦係数の低下に
応じて従動軸へ分配する駆動力を低減すれば、従動軸の
空転を防ぐことができ、車両の運転状況及び路面状況に
応じて最適な駆動力を駆動軸及び従動軸へ配分すること
ができ、流体圧駆動装置を備えた車両の運転性を向上さ
せることができる。
【0050】また、第2の発明は、流体圧補正手段が、
接地荷重及び路面摩擦係数の検出値と、予め設定したそ
れぞれの基準範囲との差に比例して駆動力制御手段の流
体圧力を補正するため、接地荷重あるいは路面摩擦係数
の低下に応じて従動側流体圧吐出手段への供給圧力を低
減すれば、路面摩擦係数μの低い凍結路等で駆動軸が空
転した場合でも従動軸の空転を防ぐことができ、車両の
運転状況及び路面状況に応じて最適な駆動力を駆動軸及
び従動軸へ配分することができ、流体圧駆動装置を備え
た車両の運転性を向上させることができる。
【0051】また、第3の発明は、駆動力制御手段が流
体圧を発生する配管に接続された電磁リリーフ弁の開弁
圧力を接地荷重及び路面摩擦係数に応じて変更すること
で、従動軸へ伝達される駆動力を制御することができ、
車両の運転状況及び路面状況に応じて最適な駆動力を駆
動軸及び従動軸へ配分することができ、流体圧駆動装置
を備えた車両の運転性を向上させることができる。
【0052】また、第4の発明は、従動軸側で車体と車
軸の相対変位に応じて接地荷重を演算し、または、車体
と車軸の間の荷重センサによって接地荷重を検出するこ
とで、容易かつ迅速に接地荷重の検出を行うことがで
き、車両の運転状況に応じて駆動力の配分を変更するこ
とで、流体圧駆動装置を備えた車両の運転性を向上させ
ることができる。
【0053】また、第5の発明は、超音波センサによっ
て非接触で路面摩擦係数を検出し、路面状況に応じて駆
動力の配分を変更することで、流体圧駆動装置を備えた
車両の運転性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す駆動装置の概略構成
図。
【図2】同じくコントローラで行われる制御の一例を示
すフローチャート。
【図3】路面摩擦係数μに応じた前後輪の回転数差と後
輪への伝達トルクの関係を示すグラフ。
【図4】接地荷重Wに応じた前後輪の回転数差と後輪へ
の伝達トルクの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 エンジン 2 変速機 3 前輪側差動装置 4R 前車軸 5R 前輪 7 後輪側差動装置 8H 高圧配管 8L 低圧配管 8R 後車軸 9R 後輪 16 コントローラ 17 接地荷重センサ 18 路面摩擦係数センサ 26 ピストンポンプ 29 電磁方向切換弁 30 ポンプモータ 33 電磁リリーフ弁 RT リザーバタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和田 正次 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機に駆動される駆動軸と、この駆動
    軸と同期的に駆動されて加圧流体を供給する駆動側流体
    圧吐出手段と、従動軸と連結された従動側流体圧吐出手
    段と、前記駆動側流体圧吐出手段と従動側流体圧吐出手
    段の回転数差により生じる流体圧に応じた駆動力を前記
    駆動軸から従動軸に伝達する駆動力制御手段とを備えた
    車両用流体圧駆動装置において、前記従動軸側の接地荷
    重を検出する接地荷重検出手段と、路面の摩擦係数を検
    出する路面摩擦係数検出手段と、これら接地荷重及び路
    面摩擦係数の検出値に基づいて前記駆動力制御手段の流
    体圧を補正する流体圧補正手段とを備えたことを特徴と
    する車両用流体圧駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記流体圧補正手段は、接地荷重及び路
    面摩擦係数の検出値と、予め設定したそれぞれの基準範
    囲との差に比例して前記補正量を決定することを特徴と
    する請求項1に記載の車両用流体圧駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記流体圧補正手段は、前記駆動力制御
    手段が流体圧を発生する配管に接続された電磁リリーフ
    弁を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用流
    体圧駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記接地荷重検出手段は、前記従動軸側
    で車体と車軸の間に介装された荷重センサまたは相対変
    位検出手段で構成されたことを特徴とする請求項1に記
    載の車両用流体圧駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記路面摩擦係数検出手段は、路面状態
    を判別する超音波センサで構成されたことを特徴とする
    請求項1に記載の車両用流体圧駆動装置。
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