JP2514126Y2 - コンクリ―トブロックの止水接合装置 - Google Patents

コンクリ―トブロックの止水接合装置

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JP2514126Y2
JP2514126Y2 JP1992077872U JP7787292U JP2514126Y2 JP 2514126 Y2 JP2514126 Y2 JP 2514126Y2 JP 1992077872 U JP1992077872 U JP 1992077872U JP 7787292 U JP7787292 U JP 7787292U JP 2514126 Y2 JP2514126 Y2 JP 2514126Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、止水を確保してコンク
リートブロック相互を安定的に接合するコンクリートブ
ロックの止水接合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートブロック相互を止水を確保
して接合する従来要領の一例としては、ブロック接合面
の当接部分に樹脂硬化物を形成するものがある。これを
図16に基づいて説明すると、該コンクリートブロック
aは、その接合面bの前側に位置させて、長さ方向に凹
溝cが設けられ、該凹溝cの両側には、弾性軟質止水材
dを嵌め込むための嵌込溝eが設けられ、又接合面bの
後側には該接合面bに一端が開口してブロックの長さ方
向に延びるボルト挿入孔fが設けられ、該ボルト挿入孔
fの他端は、側面部に設けた接合用凹部gに開口してい
た。
【0003】該ブロック相互の接合に際しては、予め、
一方の接合面の嵌込溝eの底部に弾性軟質止水材dが貼
着された。そして、両接合面b,bを当接させて凹溝
c,cの合致による充填孔hを形成し、且つ直線状に連
通するボルト挿入孔f,fにボルトiを挿入してその両
端部分のネジ部j,jを前記接合用凹部g,g内に突出
させた。なお、ボルト挿入孔fへのボルトiの挿入を容
易に行うため、ボルト挿入孔の径はボルトの径よりも稍
大きめに形成していた。そしてネジ部jにナットkを螺
合して締め付け、嵌込溝の合致によって形成された収容
部m内に弾性軟質止水材dを圧縮状態に収容せしめ、そ
の後接合用凹部gをモルタルnで埋め、又充填孔hには
樹脂液を充填し、樹脂液の硬化物pによりブロックの接
合部分qを止水するものであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしかかる従来の接
合要領によるときには、ボルトの周囲に隙間rが生じた
ままであってブロックとボルトの一体性に乏しく、従っ
てブロックの接合部分qが外力を受けてずれやすい問題
があった。又、ボルトがボルト挿入孔内部で動きやすい
ことからボルトが剪断補強材として有効に機能しなかっ
た。加えて、挿入孔に侵入した水によってボルトが腐食
しやすいという問題もあり、ブロック接合の信頼性に欠
けた。
【0005】かかる問題点に鑑みて、例えば特開昭57
−14045号公報に係る止水接合装置が提案されてい
る。これは、コンクリートブロック相互の接合におい
て、2つの止水溝からなる充填孔を鋼材挿通孔に連通さ
せ、PC鋼材により接合するものである。
【0006】このように、止水溝と鋼材挿通孔を連通さ
せ、この連通部分に液体注入剤を注入充填させること
は、前記従来技術に比べて、PC鋼材をコンクリートブ
ロックに固定した状態で接合部の止水を図りうること、
及びこれらの充填施工を簡素に行ないうる点で進歩を遂
げたことになる。しかしながら、かかる止水接合装置に
よる時には次の如き新たな問題が生じた。
【0007】即ち該装置は、鋼材挿通孔にPC鋼材を、
前記充填孔を横切る状態で挿通させ、その両端部分を定
着部に突出させると共に該突出部に座金を嵌め、ナット
で螺締してブロック相互を接合するものであった。そし
て鋼材挿通孔及び充填孔への液体注入剤の注入は、PC
鋼材の定着部に口金を取付け、この口金に設けられたホ
ースの先端を、PC鋼材定着部に設けた注入口に当てが
い、ポンプを用いて行なうものであった。この口金は、
ホースを安定的に保持するためのものであり、注入口を
変更する毎に移設されるものであった。
【0008】このような注入工程によって、確かに、鋼
材挿通孔及び止水溝への液体注入剤の充填が行なわれる
であろうが、PC鋼材定着部の凹部において、鋼材端部
分やナットは露出したままである。従って、これらが腐
食する問題を解決してブロック接合の信頼性を向上させ
るためには、その凹部を別途、固練りモルタル等で埋め
戻す工程を必要とし、手間が増えて施工能率が悪い問題
があった。
【0009】又、後工程で、凹部に固練りモルタルを充
填した場合は、この凹部部分が可視面に現れるときは、
固練りモルタル中の未反応セメントが空気中の水分と反
応してブロック壁面に垂れ、それが白化して構築物の見
栄えを悪くする問題も生じた。
【0010】本考案は、かかる問題点を解決しうるコン
クリートブロックの止水接合装置の提供を目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本考案は次のような手段を採用する。即ち本考案に係る
コンクリートブロックの止水接合装置(以下止水接合装
置という)1は、接合面12に、その長さ方向に沿って
所要長さの凹溝15が設けられ、且つ、該凹溝15に開
口する直線状の挿通孔21が設けられ、該挿通孔が、コ
ンクリートブロックに設けられた接合用凹部22に開口
する如く構成されたコンクリートブロック相互を、該挿
通孔21を挿通する緊張棒材3を用いて接合する止水接
合装置である。
【0012】該コンクリートブロックの接合面12,1
2が当接することにより、凹溝15,15が合致して所
要長さの充填孔13が形成され、且つ前記挿通孔21,
21が直線状に連通する如くなされ、又該充填孔21は
注入口18に連なる如くなされている。
【0013】そして、かかる構成を有するコンクリート
ブロック相互が当接状態で、充填孔13を遮断しないよ
うに挿通孔21に遊挿せしめられた前記緊張棒材3の、
前記両接合用凹部22内に突設された端部分に、前記挿
通孔を閉塞するように座金が嵌められるものとなされ、
該座金に支持される固定具を用いて、緊張状態とされた
緊張棒材の両端部分をコンクリートブロックに固定する
如くなされ、又前記座金には、接合用凹部と挿通孔とを
連通させる孔が設けられてなる。
【0014】又前記接合用凹部22は蓋部材33で閉鎖
されるものとなし、該蓋部材33に、接合用凹部22に
連通する透孔39を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0015】本考案に係る止水接合装置において、接合
面12に、弾性軟質止水材16を嵌め込むための嵌込溝
17を、凹溝15を囲むように設けるのがよい。
【0016】
【作用】然してコンクリートブロック相互を接合するに
際しては次のように行う。即ち、接合面に嵌込溝17が
設けられている場合には、一方の接合面12の嵌込溝1
7に弾性軟質止水材16を貼着して後、凹溝15,15
が向かい合うように接合面12,12を当接させて充填
孔13を形成し、且つ、凹溝に開口して連通する挿通孔
21,21に緊張棒材3を挿通せしめ、その両端部分を
両接合用凹部22,22内に突出させ、該突出端部分に
座金を嵌め、該座金に支持される固定具を用いて、緊張
状態とされた緊張棒状材3の端部分をコンクリートブロ
ックに固定する。そして、嵌込溝17,17の合致によ
って形成された収容部19内に弾性軟質止水材16を圧
縮状態に収容させる。接合面間に弾性軟質止水材を介在
させない場合には、図15に示す如く、接合面当接部分
43の両端部分47,47をライニング材49によって
塞ぐ。
【0017】然る後、注入口18より充填孔13に、液
状充填剤(硬化によって止水機能を発揮する樹脂液やグ
ラウト等)を充填するのであるが、この注入の際、充填
孔13は圧縮状態の弾性軟質止水材16によって囲まれ
た状態にあり、あるいはライニング材49によって接合
面当接部43の両端部分47,47が塞がれているた
め、充填孔13から接合面当接部43(図9)に液状充
填剤が侵入したとしても、これが外部に漏出する恐れは
ない。そして、この注入は、緊張棒状材3が、充填孔1
3を遮断しないように挿通孔21に遊挿せしめられ、充
填孔と挿通孔が連通状態にあること、且つ座金29の孔
32及び蓋部材33の透孔39より内部空気が外気に抜
けることから、良好な気抜きを伴いつつ、充填孔13、
挿通孔22(緊張棒状材3の周囲の間隙44)及び充填
孔13に液状充填剤が充填されることになる。
【0018】液状充填剤の硬化によって形成された充填
孔部分における硬化物42(図9)は止水作用を発揮す
る。又挿通孔における硬化物45(図1)は、緊張棒材
周囲の隙間44を埋めて緊張棒材とブロックを一体化さ
せることから、緊張棒材3は剪断補強材として設計通り
有効に機能する。又挿通孔における硬化物45は緊張棒
材3を被覆し、緊張棒材を防錆すると共に、接合用凹部
22内の硬化物は、緊張棒状材の端部分や座金及び固定
具を防錆する。
【0019】
【実施例】以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1〜2において本考案に係る止水接合装置1は、
コンクリートブロック2,2相互を緊張棒材3を用いて
接合するものである。
【0020】該コンクリートブロック2は、例えば図3
に示す如き、浄化槽を構築するための立壁ブロックとし
て形成されており、上下方向に長い立壁部5下端に、つ
ま先部分6とかかと部分7を具える台座部9が設けら
れ、又立壁部5の内面には、水平板10の端部を受ける
受部11が突設されている。
【0021】又ブロック両端の接合面12,12には、
図4〜6に示す如く、上方に開口し下方に直線状に延び
て台座部9の下端近傍に至る充填孔13を該接合面1
2,12相互が当接した状態において形成する(図
4)、例えば半円弧状をなす凹溝15,15が、上下連
続して設けられている。又該接合面12には、例えばブ
チルゴムからなる弾性軟質止水材16を嵌込むための台
形状をなす嵌込溝17を、凹溝15をその上端を除いて
U字状に囲むように設けてなり、接合面相互が当接した
とき、弾性軟質止水材16を圧縮状態に収容させる収容
部19が対応嵌込溝17,17の合致によって形成され
る。なお図6において、説明の便宜上、弾性軟質止水材
16は密集状態に点を付して表している。
【0022】又ブロック一端の凹溝15には、図3、図
6に示す如く、その下端側の部分において、一端がつま
先部分6の表面に開口し且つ他端が凹溝15に開口18
する注入孔20が連設されている。
【0023】又凹溝15の上下方向の所要部位には、図
1、図5〜6に示す如く、凹溝15に開口して立壁部の
幅方向に直線状に延びる挿通孔21が設けられており、
接合面相互が当接したとき、該挿通孔21,21は直線
状に連通する。本実施例において該挿通孔21は、前記
緊張棒材3の全体を挿入させうる長さに形成されており
且つ該挿通孔21の略中央部分にはブロックの内面側の
表面部を凹ませることによって、開口端側程拡張する角
錐台状の接合用凹部22が形成されている。
【0024】前記緊張棒材3は、図1〜2に示す如く、
充填孔13の直径よりも稍小径の丸棒材として形成さ
れ、その両端部分は雄ネジ部23,23とされており、
挿通孔21に遊挿可能である。そして、接合用凹部22
内に突出する雄ネジ部23に、接合用凹部22の傾斜壁
面24と裏面25が当接し且つ表面26が挿通孔の軸線
と直角をなす当接面を形成する座金29を嵌めて後、ナ
ット30を螺合させこれを締め付けることによりブロッ
ク相互を接合可能とされている(図1〜2)。なお該座
金29には、挿通孔21に連通する孔32が形成されて
いる。
【0025】又接合用凹部22は、図1、図5に示す如
く蓋部材33によって閉蓋可能となされている。該蓋部
材33は円板状をなし、その開口側の円形テーパ周面3
5に設けたネジ溝36と螺合するネジ部37を周面に有
し且つ周縁に偏らせて透孔39を有し、閉蓋状態におい
ては、図3、図8に示す如く、蓋部材外面が立壁部の外
面と面一となり且つ透孔39が上位置に存するようにな
されている。
【0026】然して、係る構成を有するコンクリートブ
ロック2,2相互を接合する要領は次のようである。即
ち図7に示すように、予め、何れか一方の接合面例えば
右側の接合面12に形成された嵌込溝17の底部に弾性
軟質止水材16を貼着しておき、又何れか一方のブロッ
クの挿通孔例えば左側のブロックの挿通孔21に緊張棒
材3を完全に挿入しておく。その後、両接合面の凹溝1
5,15が合致するように接合面12,12を当接させ
て後、緊張棒材3を接合面12より突出させ、これを連
通状態にある他方の挿通孔21内に挿入させて雄ネジ部
23,23を接合用凹部22,22内に突出させる(図
1)。
【0027】その後、雄ネジ部23に前記座金29を嵌
めてナット30を締め付けると、緊張棒材3を介してブ
ロック2,2相互が接合され、弾性軟質止水材16は、
両嵌込溝17,17の合致によって形成された収容部1
9内に圧縮状態で収容される。然る後、接合用凹部22
を蓋部材33のねじ込みによって閉蓋し(図1)、前記
注入孔20より液状充填剤(硬化によって止水機能を発
揮する樹脂液やグラウト等)を充填する。
【0028】この充填の際、充填孔13は、ブロック上
端において開放するように、圧縮状態の弾性軟質止水部
材16によって囲まれているため、充填孔13から接合
面当接部43(図9)に液状充填剤が侵入したとして
も、これが外部に漏出する恐れはない。そして、緊張棒
状材3が、充填孔13を遮断しないように挿通孔21に
遊挿せしめられていて、充填孔13と挿通孔21が連通
状態にあり且つ内部空気の外気への放出ができるよう
に、座金29に孔32が形成され且つ蓋部材33に透孔
39が設けられていることから、注入された液状充填剤
は、外部への漏出が防止されて充填孔13を満たしつつ
その一部は挿通孔21内に流入し、座金29に設けた孔
32より接合用凹部22内に流入する。その際透孔39
より内部の空気が排出され、該透孔39から液状充填剤
が流出したことを以て、接合用凹部22内が液状充填剤
で充填されたことを確認できる(図8参照)。
【0029】この状態で、透孔39を栓40で塞ぐ(図
3)。液状充填剤はこのようにして充填孔13を満たし
ていき、それが上端開放部(排気口)41(図4)より
流出したことを以て、充填孔13、各挿通孔21、各接
合用凹部22が液状充填剤で充填されたことを確認でき
る。
【0030】液状充填剤の硬化によって形成された、図
9に示す充填孔部分の硬化物42は、ブロックの接合面
当接部43を止水し、又図1に示す挿通孔部分の硬化物
45は、緊張棒材3とブロック2とを一体化させる。
【0031】その他の実施態様 図10は、凹溝15に開口する挿通孔21を、ブロ
ック端部の接合用凹部22まで延長し、直線状に連通す
る挿通孔21,21に緊張棒材(本実施例においてはよ
り線として形成されている)3を挿入し、該緊張棒材3
を緊張状態として後、その両端部分を固定具44(座金
44aと楔部材44bと受筒部材44cとからなり、該
座金44aには気抜き用の孔44dが穿孔されてい
る。)を用いてブロック端部に固定した場合を示すもの
である。そして、前記接合用凹部22を閉鎖する蓋部材
33には、該接合用凹部22に連通する透孔39が設け
られている。
【0032】 本考案が応用されうるブロックの形態
は任意であり、又接合面に形成する凹溝15は、ブロッ
クの使用目的に応じて要求される要止水部に設けられ
る。図11〜14は、凹溝15の形成態様、弾性軟質止
水材16の取付態様及び注入口18の形成態様のその他
の例を示すものである。なお注入口18及び排気口41
は、接合面の当接によって形成されるものであるため、
ブロックを示す図11〜14においてはこれを一点鎖線
の引出し線で表している。なお図11〜14において、
凹溝15に開口する挿通孔21の開口端が省略されてい
る。又説明の便宜上、弾性軟質止水材16は密集状態に
点を付して表している。
【0033】図11は、L型ブロック2のL形接合面1
2の中央線に沿ってL字状の凹溝15を設け、この凹溝
15の全周を囲むように弾性軟質止水材16を取り付
け、凹溝の下端に注入口18を連ね且つ凹溝の上端に排
気口41を連ねた場合を示す。
【0034】又図12は、U型ブロック2のU形接合面
12の中央線に沿ってU字状凹溝15を設け、その内外
縁に沿って弾性軟質止水材16をU字状に取り付け、接
合面が当接した状態においてブロック上端に開放する一
方の開放部を注入口18とし、他方の開放部を排気口4
1とする場合を示す。
【0035】又図13は、箱型ブロック2の角形接合面
12の中央線に沿って四角形状の凹溝15を設け、対向
する縦凹溝15a,15aの上部をブロック上端に開口
させるとともに、該環状凹溝を内外から挟むように該凹
溝の内縁及び外縁に沿って弾性軟質止水材16を環状や
U字状に取り付けてなり、接合面相互が当接した状態に
おいてブロック上端に開放する一方の開放部を注入口1
8とし、他方の開放部を排気口41とする場合を示す。
【0036】又図14は、円筒型ブロック2の円形接合
面12の中心線に沿って円形凹溝15を設け、その内外
縁に沿って弾性軟質止水材16を円環状に取り付け、こ
の凹溝に注入口18と排気口41を連ねた場合を示すも
のである。
【0037】 本考案において、注入口の大きさやそ
の形成部位によっては、注入口から排気させつつ注入す
ることも可能である。
【0038】 接合面の当接によって形成された充填
孔の両側を漏れ止めする必要のある場合、前記実施例で
示したように接合面当接部分に弾性軟質止水材を介在さ
せることに代えて、図15に示す如く、接合面当接部分
43の両端部47,47をライニング材49によって閉
塞してもよい。
【0039】
【考案の効果】本考案は以下の如き優れた効果を奏す
る。本考案は、接合面に凹溝が設けられ、且つ該凹溝に
開口する直線状の挿通孔が設けられてなるコンクリート
ブロック相互を、該挿通孔を挿通する緊張棒材を用いて
接合することとしている。そして、接合面の当接による
凹溝の合致によって形成された充填孔を挿通孔に連通せ
しめると共に、座金に、接合用凹部と挿通孔とを連通さ
せる孔を設け又蓋部材には、接合用凹部に連通する透孔
を設ける構成を採用する。 そのため、充填孔に液状充填
剤を注入すると、前記孔及び透孔からの気抜きが円滑に
行なわれつつ、液状充填剤が充填孔、挿通孔及び接合用
凹部に、流入抵抗の少ない状態で順次充填されていく。
従って、緊張棒材の周囲の狭い間隙にも、 空洞を形成す
ることなく隅部に至るまで十分に充填を行なうことがで
きる。 このようなことから、充填孔部分における硬化物
によってブロック相互の接合面を確実に止水できる。
又、挿通孔における硬化物は、緊張棒材周囲の隙間を埋
めて緊張棒材をブロックと一体化させ得、ブロックの接
合部分が外力を受けてずれるのを確実に防止できる。こ
れに加えて、緊張棒材を剪断補強材として設計通り有効
に機能させうる。併せて、挿通孔における硬化物は、緊
張棒材を被覆して防錆機能を発揮すると共に接合用凹部
における硬化物は、緊張棒材の端部分、座金及び固定具
を防錆する。このようなことから、ブロック接合の信頼
性が長期に亘って確保されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を説明する断面図である。
【図2】本考案の一実施例を説明する正面図である。
【図3】浄化槽を構築する立壁ブロックとして形成され
たブロック相互を接合した状態を説明する斜視図であ
る。
【図4】ブロックの接合面相互を当接状態としたブロッ
クの上端部分を示す斜視図である。
【図5】ブロックの接合側の端部分を説明する斜視図で
ある。
【図6】浄化槽を構築するブロックの側面部分の構成
を、弾性軟質止水材を装着した状態において説明する説
明図である。
【図7】ブロック相互の接合要領を説明する断面図であ
る。
【図8】接合用凹部に液状充填剤を充填した状態を説明
する断面図である。
【図9】充填孔部分に形成された硬化物による止水作用
を説明する説明図である。
【図10】緊張棒材によってブロック相互を接合した他
の態様を説明する断面図である。
【図11】本考案を構成するブロックの他の例を示す正
面図である。
【図12】本考案を構成するブロックの他の例を示す正
面図である。
【図13】本考案を構成するブロックの他の例を示す正
面図である。
【図14】本考案を構成するブロックの他の例を示す平
面図である。
【図15】接合面当接部分の両端部をライニング材によ
って閉塞した状態を説明する断面図である。
【図16】ブロック接合面の当接部分に樹脂硬化物を形
成してブロック相互を接合する従来要領を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1 止水接合装置 2 コンクリートブロック 3 緊張棒材 12 接合面 13 充填孔 15 凹溝 16 弾性軟質止水材 17 嵌込溝 18 注入口

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合面12に、その長さ方向に沿って所
    要長さの凹溝15が設けられ、且つ、該凹溝15に開口
    する直線状の挿通孔21が設けられ、該挿通孔が、コン
    クリートブロックに設けられた接合用凹部22に開口す
    る如く構成されたコンクリートブロック相互を、該挿通
    孔21を挿通する緊張棒材3を用いて接合する止水接合
    装置であって、 該コンクリートブロックの接合面12,12が当接する
    ことにより、凹溝15,15が合致して所要長さの充填
    孔13が形成され、且つ前記挿通孔21,21が直線状
    に連通する如くなされ、又該充填孔21は注入口18に
    連なる如くなされており、かかる 構成を有するコンクリートブロック相互が当接状
    態で、充填孔13を遮断しないように挿通孔21に遊挿
    せしめられた前記緊張棒材3の、前記両接合用凹部22
    内に突設された端部分に、前記挿通孔を閉塞するように
    座金が嵌められるものとなされ、該座金に支持される固
    定具を用いて、緊張状態とされた緊張棒材の両端部分を
    コンクリートブロックに固定する如くなされ、又前記座
    金には、接合用凹部と挿通孔とを連通させる孔が設けら
    れてなり、 又前記接合用凹部22は蓋部材33で閉鎖されるものと
    なし、該蓋部材33に、接合用凹部22に連通する透孔
    39を設けた ことを特徴とするコンクリートブロックの
    止水接合装置。
  2. 【請求項2】 接合面12に、弾性軟質止水材16を嵌
    め込むための嵌込溝17を、凹溝15を囲むように設け
    たことを特徴とする請求項1記載のコンクリートブロッ
    クの止水接合装置。
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