JP2513481B2 - 変倍レンズ - Google Patents

変倍レンズ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に電子スチルカメラおよびビデオカメラ
に好適な望遠タイプの4群変倍レンズに関するものであ
る。
〔従来の技術〕
電子スチルカメラおよびビデオカメラでは撮像素子が
比較的低感度であるために撮影レンズは大口径比である
ことが望まれる。しかし撮影レンズが大口径比になるに
伴い各収差の乱れを補正するために多くのレンズ枚数が
必要になりレンズ系の全長も長くなる傾向となる。
電子スチルカメラおよびビデオカメラ用の望遠タイプ
の変倍レンズとして特開昭62−43615号公報に記載され
たものがある。この変倍レンズは口径比がF/2.9で不十
分であり又構成枚数が13〜14枚で比較的多く、したがつ
て一層大口径比で少ない構成枚数のものが望まれてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明が解決しようとする問題点は、画角15.6゜〜5.
4゜程度の範囲で変倍する望遠タイプのレンズ系で電子
スチルカメラおよびビデオカメラに好適なF/2.0程度の
大口径比で構成枚数の少ない変倍レンズを提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のズームレンズは、前記の問題点を解決するた
めに、物体側より第1レンズ群,第2レンズ群,第3レ
ンズ群,第4レンズ群の四つのレンズ群より構成され、
第1レンズ群と第3レンズ群とを固定し第2レンズ群を
一方向に移動させて変倍を行ない、第4レンズ群を変倍
に伴う像面変動を補正するように移動すると共に合焦の
ためにも移動させるもので、第1レンズ群,第4レンズ
群は正の屈折力を有し第2レンズ群は負の屈折力を有
し、第3レンズは弱い屈折力を有していて下記の条件
(1)乃至条件(3)を満足するものである。
(1) 0.35<|f2/f1|<0.9 (2) −0.4<fW/f3<0.07 (3) −0.6<f4/f3<0.25 ただしf1,f2,f3,f4は夫々第1レンズ群,第2レンズ
群,第3レンズ群,第4レンズ群の焦点距離、fWは広角
端における全系の焦点距離である。
本発明の変倍レンズは、前述のように第4レンズ群を
移動させて合焦を行なうものであるので、合焦による収
差の変動を少なくするために第1レンズ群から第3レン
ズ群までにて構成される系をほぼアフオーカルな系にす
る必要がある。
本発明は、このほぼアフオーカルな系である変倍部を
前記の条件(1)乃至条件(3)を満足するように構成
することによつて全変倍域にわたつて各収差が良好に補
正されるようにした。
本発明の変倍レンズにおける各レンズ群間における収
差補正の関係について述べる。
本発明では第1レンズ群,第4レンズ群で発生する球
面収差を広角側では主に第3レンズ群で補正し、望遠側
では主に第2レンズ群で補正している。
又第2レンズ群と第4レンズ群で発生する内方性のコ
マ収差は広角側では主に第3レンズ群で補正し望遠側で
は主に第1レンズ群で補正している。
第1レンズ群,第4レンズ群でメリデイオナル像面が
サジタル像面のマイナス側へ倒れるのを第2レンズ群,
第3レンズ群で補正し、第1レンズ群,第3レンズ群で
発生する正のデイストーシヨンを第2レンズ群,第4レ
ンズ群で補正している。
次に各条件について説明する。
条件(1)は第1レンズ群と第2レンズ群の屈折力の
比を定めたもので、この条件の下限を越えて第1レンズ
群に対し第2レンズ群の屈折力が強くなると変倍に伴う
収差の変動が大きくなる。又条件の上限を越えて第2レ
ンズ群の屈折力が弱くなると第2レンズ群の変倍時の移
動量が大きくなり、所望の変倍比を得るためには第1レ
ンズ群から第3レンズ群までの間隔を大きくとらなけれ
ばならなずレンズ系の全長が長くなり好ましくない。
条件(2)は、弱い屈折力を有するレンズ群である第
3レンズ群の屈折力に関するもので、下限を越えて負の
屈折力が強くなると特に広角側で球面収差が補正過剰に
なり、上限を越えて正の屈折力が強くなると全変倍域に
わたつて球面収差が補正不足になる。
条件(3)は、第3レンズ群と第4レンズ群の屈折力
の比に関する条件であつて、この条件(3)の下限を越
えるとレンズ系のバツクフオーカスが必要以上に長くな
りレンズ系の第1面から像面までの長さが長くなる。又
条件(3)の上限を越えると所望のバツクフオーカスが
得られなくなり、レンズ系の後方に光学的ローパスフイ
ルターや光をフアインダー系へ導くための光路分割鏡等
の光学部材を配置することができなくなる。
〔実施例〕
次に本発明の変倍レンズの各実施例を示す。
実施例1 f=41.2〜116.4、F/2.0、2ω=15.4゜〜5.4゜ r1=115.6768 d1=7.5000 n1=1.51633 ν=64.15 r2=−254.4934 d2=0.2000 r3=66.7168 d3=9.200 n2=1.51633 ν=64.15 r4=−336.4684 d4=0.4500 r5=−320.2756 d5=2.5000 n3=1.75520 ν=27.51 r6=166.8777 d6=D1 r7=52.0281 d7=5.1000 n4=1.69895 ν=30.12 r8=−214.8819 d8=2.0000 n5=1.53172 ν=48.90 r9=23.1499 d9=7.4000 r10=−42.4973 d10=2.0000 n6=1.51823 ν=58.96 r11=−153.0912 d11=D2 r12=∞(絞り) d12=22.9450 r13=−51.0478 d13=2.0000 n7=1.78472 ν=25.71 r14=89.1658 d14=2.4091 r15=1032.8063 d15=4.3000 n8=1.64100 ν=56.93 r16=−38.5219 d16=D3 r17=85.9138 d17=5.0000 n9=1.49782 ν=66.83 r18=−67.5040 d18=0.2000 r19=32.5810 d19=5.4000 n10=1.50378 ν10=66.81 r20=∞ f 41.2 70 116.4 D1 0.600 24.337 41.631 D2 42.431 18.694 1.400 D3 3.000 9.355 20.979 f1=106.73、f2=−62.02 f3=−211.69、f4=35.52 実施例2 f=41.2〜116.4、F/2.0、2ω=15.5゜〜5.4゜ r1=135.1425 d1=2.0000 n1=1.80518 ν=25.43 r2=68.4739 d2=0.5000 r3=68.0775 d3=10.6000 n2=1.51633 ν=64.15 r4=−259.5811 d4=0.2000 r5=59.6124 d5=7.0000 n3=1.48749 ν=70.20 r6=262.9161 d6=D1 r7=37.9330 d7=4.2000 n4=1.69895 ν=30.12 r8=380.9469 d8=2.0000 n5=1.51853 ν=58.96 r9=22.3119 d9=7.0000 r10=−57.0147 d10=2.0000 n6=1.51823 ν=58.96 r11=122.4995 d11=D2 r12=∞(絞り) d12=20.2999 r13=−42.1578 d13=2.0000 n7=1.78472 ν=25.71 r14=78.6307 d14=1.8810 r15=142.8850 d15=5.2000 n8=1.64100 ν=56.93 r16=−35.5361 d16=D3 r17=190.7079 d17=2.9000 n9=1.64100 ν=56.93 r18=−108.7534 d18=0.2000 r19=33.9335 d19=5.2000 n10=1.60311 ν10=60.70 r20=∞ f 41.2 70 116.4 D1 0.600 24.341 41.629 D2 42.432 18.690 1.402 D3 2.000 9.269 20.716 f1=98.95、f2=−60.78 f3=−310.85、f4=37.24 実施例3 f=41.2〜116.4、F/2.0、2ω=15.6゜〜5.4゜ r1=105.1946 d1=7.9000 n1=1.51633 ν=64.15 r2=205.8980 d2=0.2000 r3=69.8437 d3=8.4000 n2=1.51633 ν=64.15 r4=−451.6260 d4=0.4500 r5=−324.3074 d5=3.0000 n3=1.74000 ν=28.29 r6=170.9743 d6=D1 r7=43.6640 d7=2.0000 n4=1.49216 ν=57.50 r8=27.4190 d8=9.7565 r9=−55.5515 d9=2.0000 n5=1.51633 ν=64.15 r10=50.9207 d10=3.0000 n6=1.78472 ν=25.71 r11=164.1900 d11=D2 r12=∞(絞り) d12=19.0038 r13=−56.3958 d13=2.0000 n7=1.78472 ν=25.71 r14=80.6030 d14=2.1667 r15=304.9364 d15=5.2000 n8=1.64100 ν=56.93 r16=−37.4392 d16=D3 r17=62.8016 d17=4.0000 n9=1.49782 ν=66.83 r18=−174.2715 d18=0.2000 r19=32.1163 d19=5.4000 n10=1.50378 ν10=66.81 r20=∞ f 41.2 70 116.4 D1 0.600 24.090 40.993 D2 42.393 18.903 2.000 D3 2.000 8.719 21.330 f1=101.90、f2=−63.69 f3=−472.13、f4=38.40 実施例4 f=41.2〜116.4、F/2.0、2ω=15.1゜〜5.4゜ r1=101.9367 d1=7.7000 n1=1.51633 ν=64.15 r2=−303.3462 d2=0.2000 r3=69.8755 d3=9.4000 n2=1.51633 ν=64.15 r4=−470.5586 d4=0.6000 r5=−304.7830 d5=2.5000 n3=1.74077 ν=27.79 r6=209.2867 d6=D1 r7=148.1560 d7=5.1000 n4=1.78472 ν=25.71 r8=−127.2874 d8=2.0000 n5=1.53172 ν=48.90 r9=22.8624(非球面) d9=D2 r10=∞(絞り) d10=22.5590 r11=−49.2341 d11=2.0000 n6=1.78472 ν=25.71 r12=102.7511 d12=2.4305 r13=286.5466 d13=5.0000 n7=1.64100 ν=56.93 r14=−38.6066 d14=D3 r15=155.4781 d15=5.6000 n8=1.51633 ν=64.15 r16=−52.0787 d16=0.2000 r17=39.7444 d17=5.4000 n9=1.51633 ν=64.15 r18=437.0234 f 41.2 70 116.4 D1 0.600 24.448 41.597 D2 49.962 26.110 8.967 D3 3.000 9.696 22.282 f1=102.98、f2=−64.80 f3=−471.67、f4=40.23 ただしr1,r2,…はレンズ各面の曲率半径、d1,d2,…は
各レンズの肉厚および空気間隔、n1,n2,…は各レンズの
屈折率、ν12,…は各レンズのアツベ数である。
実施例1は第1図に示すレンズ構成で、第1群Iは正
レンズ,正レンズ,負レンズ、第2群IIは負の接合レン
ズと負レンズ、第3群IIIは負レンズ,正レンズ、第4
群IVは正レンズ,正レンズにて夫々構成されている。
この実施例の広角端,中間焦点距離,望遠端での収差
状況は夫々第5図,第6図,第7図に示す通りである。
又至近距離の物点に対する広角端(結像倍率0.0259
倍),中間焦点距離(結像倍率0.0416倍),望遠端(結
像倍率0.061倍)での収差状況は夫々第8図,第9図,
第10図に示す通りである。
実施例2は第2図に示すように負レンズ,正レンズ,
正レンズの第1群I、負の接合レンズ,負レンズの第2
群II、負レンズ,正レンズの第3群III、正レンズ,正
レンズの第4群IVにて構成されている。その広角端,中
間焦点距離,望遠端の収差状況は夫々第11図,第12図,
第13図に示す通りである。
実施例3は第3図のように正レンズ,正レンズ,負レ
ンズの第1群I、負レンズ,負の接合レンズの第2群I
I、負レンズ,正レンズの第3群III、正レンズ,正レン
ズの第4群IVより構成されている。この実施例の広角
端,中間焦点距離,望遠端の収差状況は夫々第14図,第
15図,第16図に示す通りである。
実施例4は正レンズ,正レンズ,負レンズの第1群
I、負の接合レンズの第2群II、負レンズ,正レンズの
第3群、正レンズ,正レンズの第4群IVより構成され、
広角端,中間焦点距離,望遠端の収差状況は夫々第17
図,第18図,第19図に示す通りである。
尚実施例4はr9が非球面である。この非球面は、光軸
方向をz、光軸に直角な方向をy、近軸曲率半径をrと
した時に次の式で表わされる。
ただし円錐定数P=1,非球面係数は、A=0,B=0.162
14×10-5,C=−0.58425×10-8,D=0.36226×10-10であ
る。
これら実施例は前記の従来例(特開昭62−43615号)
に比べレンズ枚数が少ない。それはこの従来例がフオー
カス群(1群)とバリエーター群(2群)とコンペンセ
ーター群(3群)とリレー群(4群)からなる一般に知
られている4群ズームレンズ群であり、このタイプのレ
ンズ構成では比較的多くのレンズを必要とするからであ
る。
本発明のレンズ系は、前記の従来例のコンペンセータ
ー群の取除き、その像位置を補正する機能をリレー系の
一部のレンズを移動させることによつてこれに持たせ、
レンズの枚数を少なくした。つまり本発明では前記実施
例のようにリレー系を固定群(第3群)と移動群(第4
群)に分け、固定群(第3群)をパワーがほとんどない
レンズ群にすると共に条件(3)を満足するようにパワ
ー配置を定め、これによつて収差補正上特に問題を生ず
ることなしにコンペンセーター群を省いた分のレンズ枚
数の減少を可能にしたものである。
更に前記の各実施例においては、第4レンズ群が正レ
ンズのみで構成されている。この場合第4レンズ群を構
成するアツベ数の平均即ち第4レンズ群を構成するアツ
ベ数の和を第4レンズ群を構成するレンズの枚数で割つ
た値を58以上とすることが望ましい。これによつて第4
レンズ群内でほぼ色収差を補正することができ全変倍域
にわたつて色収差を良好に保つことが出来る。尚前記の
各実施例はすべてこの要件を満足している。
〔発明の効果〕
本発明の変倍レンズは、画角が15.6゜〜5.4゜程度の
範囲にて変倍する望遠タイプのレンズ系で、F/2.0程度
の大口径比であつて構成枚数が10枚程度と少ない電子ス
チルカメラおよびビデオカメラに好適な変倍レンズであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は夫々本発明の実施例1乃至実施例4
の断面図、第5図乃至第10図は実施例1の収差曲線図、
第11図乃至第13図は実施例2の収差曲線図、第14図乃至
第16図は実施例3の収差曲線図、第17図乃至第19図は実
施例4の収差曲線図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より順に第1,第2,第3,第4レンズ群
    の四つのレンズ群よりなり、第1レンズ群と第3レンズ
    群とを固定し、第2レンズ群を一方向に移動させて変倍
    を行ない、第4レンズ群を変倍に伴う像面変動を補正す
    るように移動させると共に第4レンズ群を移動させて合
    焦を行なう変倍レンズにおいて、第1レンズ群,第4レ
    ンズ群は正の屈折力を有し、第2レンズ群は負の屈折力
    を有し、第3レンズ群は弱い屈折力を有していて、かつ
    次の条件(1)乃至条件(3)を満足することを特徴と
    する変倍レンズ。 (1) 0.35<|f2/f1|<0.9 (2) −0.4<fW/f3<0.07 (3) −0.6<f4/f3<0.25 ただしfWは広角端における全系の焦点距離、f1,f2,f3,f
    4は夫々第1,第2,第3,第4レンズ群の焦点距離である。
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