JP2513199Y2

JP2513199Y2 - コンバインのマフラ―カバ―構造

Info

Publication number: JP2513199Y2
Application number: JP1989087777U
Authority: JP
Inventors: 利明森
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1989-07-26
Filing date: 1989-07-26
Publication date: 1996-10-02
Anticipated expiration: 2004-07-26
Also published as: JPH0326618U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、特に小型コンバインのマフラーカバー構造
に係り、詳しくは脱穀部の前方がわに空冷式のエンジン
を配設して、このエンジンをその上方がわで覆うエンジ
ンカバーを、前記脱穀部の前方がわの側壁に取付けてあ
るとともに、前記エンジンのマフラーを、前記エンジン
と前記側壁との間に配設し、かつ、前記エンジン及び前
記マフラーへ冷却風を送風する冷却ファンを、前記エン
ジンの前方がわに設けてあるコンバインのマフラーカバ
ー構造に関する。

〔従来の技術〕

エンジン等の冷却に供された冷却風を単に機体後方に
流れるままにするものでは、機体後方で操縦等をしてい
る作業者に冷却風が送風されるので、塵埃等がその送風
によって舞い上がり易く、作業環境を低下させる点で不
都合である。

そこで、従来、コンバインにおいては、第６図に示す
ように、脱穀部（４）の前方がわに配設した空冷式のエ
ンジン（３）及びそのマフラー（19）に対する冷却風
を、エンジン（３）前方がわの冷却ファン（15）で送風
し、エンジン（３）上方を覆う状態で、脱穀部（４）の
前方がわの側壁（4A）に取付けられたエンジンカバー
（14）の下面がわで案内するようにしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来のように、エンジン（３）及びマフラー（1
9）に対する冷却風をエンジンカバー（14）で案内する
構造のものにあっては、エンジン（３）及びマフラー
（19）により熱くなった冷却風が、脱穀部（４）の前方
がわの側壁（4A）に衝突して分散されるようになってい
た。

ところで、上記従来のものにあっては、第６図に示す
ように、脱穀部（４）の前方がわの側壁（4A）にエンジ
ンカバー（14）を取付けるにあたって、製作寸法の誤差
等によりエンジンカバー（14）と側壁（4A）との間に隙
間（30）が生じることがあり、このため、前記側壁（4
A）に当たって分散した熱風が、その隙間（30）から吹
き出てきて、例えばエンジン（３）周辺でメンテナンス
作業をしている作業者に当たったり、エンジンカバー
（14）周辺の機器を加熱したりする等の不具合が生じて
いた。

又、上記従来のものは、冷却風を単にエンジンカバー
（14）の下面がわで案内する構造であったため、冷却風
が分散して、エンジン（３）、そして、特に高温になり
易いマフラー（19）に対して集中的に冷却できるもので
なく、冷却効果が小さいという欠点もあった。

本考案は、上記実情を鑑みてなされたものであって、
エンジン及びマフラーに対する冷却風を、特にマフラー
に対して集中的に案内し、かつ、エンジンカバーより上
方へ吹き出すことなく、コンバインの機体下方へ案内で
きるコンバインのマフラーカバー構造の提供を目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るコンバインのマフラーカバー構造は、上
記目的を達成するために、冒記のものにおいて、前記マ
フラーを覆うマフラーカバーを、前記エンジンがわ及び
前記マフラーの下方がわを開放し、かつ前記マフラーの
上方がわ及び前記マフラーの前記側壁に臨むがわを覆う
状態で前記冷却風を下方に案内するように設けてあるこ
とを特徴構成とする。

かかる特徴構成によるその作用・効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

上記構成によれば、エンジンがわから流れてきた冷却
風は、マフラー前面に当たって、マフラー下方がわへ向
かう流れと、マフラー上を後方がわへ向かう流れとな
り、マフラー上を後方がわへ向かう冷却風の流れは、マ
フラーにおいて脱穀部前方がわの側壁に臨むがわを覆う
マフラーカバー部分で下方へ向けて案内されることにな
って、マフラーの周囲を集中的に流れるようになるとと
もに、エンジン及びマフラーによって熱くなった冷却風
は、マフラー及びマフラーカバーによってほとんど機体
下方がわへ案内されるので、脱穀部前方がわの側壁に当
たることがほとんどなく、よってその側壁とエンジンエ
バーとの間の隙間から上方へ吹き出ることもほとんどな
い。

〔考案の効果〕

従って、本考案に係るコンバインのマフラーカバー構
造では、脱穀部前方がわの側壁とエンジンカバーの間の
隙間から熱風が上方へ吹き出ることがほとんどなく、機
体下方がわへ主に流れ出ていくので、エンジン周辺でメ
ンテナンス作業している作業者に熱風が当たったり、エ
ンジンカバー周辺の機器を不当に加熱してしまう等の不
具合を解消できるとともに、塵埃等も機体下方がわへ冷
却風と共に案内されるので、横側方や上方に塵埃が飛散
することを抑制する状態で冷却風がマフラーの周囲に集
中して流れるようにでき、特に高温になり易いマフラー
を効率良く冷却できるとともに、作業者等に対する作業
環境を良好に維持できるに至った。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第５図に、本考案を適用した歩行型コンバインを示し
ている。

この歩行型コンバインは、左右一対のクローラ走行装
置（１），（１）を備えた機体フレーム（２）に、エン
ジン（３）、脱穀部（４）、この脱穀部（４）からの脱
穀粒を袋詰めするための袋詰め部（５）及び操縦部
（６）を設けるとともに、脱穀部（４）の前方がわに、
分草具（７）、穀稈引起し装置（８）、穀稈刈り取り装
置（９）、及び刈取られた穀稈を脱穀部（４）へ搬送す
る搬送装置（10）を備えた刈取部（11）を設けて構成し
てある。

第３図及び第４図に示すように、エンジン（３）の出
力軸（3a）に備えた駆動プーリー（23）と、図示しない
走行用ミッションケースの入力プーリー（24）とにわた
ってベルト（25）を巻回するとともに、走行クラッチと
してのテンションクラッチ（26）を備えてミッションケ
ースへの動力伝達を断続するよう構成してある。そし
て、第４図に示すように、駆動プーリー（23）における
ベルト巻回範囲の外周がわに、クラッチ切り時において
ベルト（25）をプーリー（23）から浮上がり状態に受止
めるベルト押え部材（27）を配設してあるとともに、こ
のベルト押え部材（27）のベルト当たり面には、クラッ
チ切り操作で緩んだベルト（25）が駆動プーリー（23）
と連れ回りしないよう止めるために複数の突起（28）…
が設けてある。

前記エンジン（３）は、第１図及び第５図に示すよう
に、脱穀部（４）の前方がわの側壁（4A）よりも前方
の、機体フレーム（２）の右がわ箇所に設置してある。
そして、エンジン（３）の上方がわを覆うエンジンカバ
ー（12）を、前記側壁（4A）に固設のＬ字形ステー（1
3）に、片持ち支持された状態でボルト締めされて取付
けてある。エンジン（３）の前方に突出されたクランク
軸（3b）にはフライホイールを兼ねた冷却ファン（15）
とリコイルスタータ（16）が装備され、冷却ファン（1
5）で吸引した外冷気を導風ケース（17）及びその上部
に連設した案内カバー（17a）を介してエンジン（３）
のシリンダ部及びシリンダヘッド部（3c）に供給するよ
う構成してある。そして、エンジン（３）のシリンダヘ
ッド部（3c）後部から後方に延設された排気管（18）に
円筒状のマフラー（19）が設けてあり、マフラー（19）
からの排気口を下方がわに向けてある。このマフラー
（19）に対する板金製のマフラーカバー（20）を、第１
図及び第２図に示すように、その上面部（20a）をエン
ジン（３）の後部上方箇所からマフラー（19）の後方の
上方箇所まで配設し、その後面部（20b）を前記上面部
（20a）の後端から下方に延設して、マフラー（19）の
前記脱穀装置（４）の側壁（4A）のがわを覆うように
し、かつ前記上面部（20a）及び後面部（20b）の左側端
部に下方がわほどエンジン（３）及びマフラー（19）が
わから離れるよう傾斜した姿勢の側面部（20c）を設け
て構成した状態で、前記側壁（4A）に突設した取付ステ
ー（21）に支持固定してある。従って、このマフラーカ
バー（20）は、マフラー（19）の前方のエンジン（３）
がわと、マフラー（19）の下方がわは開放状態に形成し
てある。尚、マフラーカバー（21）の前記側面部（20
c）が上記のように傾斜姿勢であるため、搬送装置（1
0）やフィードチェーン（22）で搬送される刈取穀稈か
らのワラ屑がマフラーカバー（20）がわに入り込んでも
側面部（20c）を滑り落ち易くなっており、高温となる
マフラーカバー（20）にワラ屑が堆積しないようになっ
ている。

上記マフラーカバー（20）の構成によれば、第１図に
示すように、エンジン（３）がわからの冷却風は、マフ
ラー（19）の周囲に集中して流れた後、前記後面部（20
b）及び側面部（20c）で案内されて、機体下方がわへ流
れ出るとともに、前記側壁（4A）がわへほとんど流れる
ことはない。

尚、マフラーカバー（20）の右がわ端部に、マフラー
（19）を覆うように側面部を設けても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面中、第１図乃至第５図は本考案に係るコンバインの
マフラーカバー構造の実施例を示し、第１図は要部及び
冷却風の流れを示す側面図、第２図はマフラー及びマフ
ラーカバーを示す斜視図、第３図は脱穀部に対するマフ
ラー、マフラーカバー、及び、ベルト伝動機構を示す正
面図、第４図はベルト伝動機構を示す正面図、第５図は
歩行型コンバインを示す全体側面図であり、図面中、第
６図は従来におけるエンジン及びマフラー等に対する冷
却風の流れを示す側面図である。（３）……エンジン、（４）……脱穀部、（4A）……側
壁、（12）……エンジンカバー、（15）……冷却ファ
ン、（19）……マフラー、（20）……マフラーカバー。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】脱穀部（４）の前方がわに空冷式のエンジ
ン（３）を配設して、このエンジン（３）をその上方が
わで覆うエンジンカバー（12）を、前記脱穀部（４）の
前方がわの側壁（4A）に取付けてあるとともに、前記エ
ンジン（３）のマフラー（19）を、前記エンジン（３）
と前記側壁（4A）との間に配設し、かつ、前記エンジン
（３）及び前記マフラー（19）へ冷却風を送風する冷却
ファン（15）を、前記エンジン（３）の前方がわに設け
てあるコンバインのマフラーカバー構造において、前記
マフラー（19）を覆うマフラーカバー（20）を、前記エ
ンジン（３）がわ及び前記マフラー（19）の下方がわを
開放し、かつ前記マフラー（19）の上方がわ及び前記マ
フラー（19）の前記側壁（4A）に臨むがわを覆う状態で
前記冷却風を下方に案内するように設けてあることを特
徴とするコンバインのマフラーカバー構造。